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Stage2.派遣会社に登録する 15 Q7 個人情報の保護 派遣元に登録する際に本籍を聞かれました。派遣元からの質問には、 どのようなことでも答えなければならないのでしょうか。 派遣元は、本籍地や家族の職業など、就職差別につながる おそれのある「収集してはならない個人情報」を原則的に 収集することはできません。 派遣元が収集することができる労働者の個人情報は、業務の遂行上必要 な範囲に限られ、本籍や家族の職業など、就職差別につながるおそれのあ る個人情報を求めることは、原則的にはできません。 また、個人情報の収集にあたっては、派遣元は直接本人から聞くか、本 人の同意を得たうえで本人以外の者から聞くなど、適法かつ公正な手段に よらなければなりません(派遣法第24条の3第1項、派遣元指針第2の10 (1)イ、ロ)。 もし、派遣元が収集する目的を明らかにしないまま下記の個人情報を求 めようとしたり、あるいはその収集する目的に納得できないという場合に は、東京労働局需給調整事業部(P67)に相談してみるとよいでしょう。 【収集してはならない個人情報】 (労働大臣指針(平成11年労働省告示第141号)) ① 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原 因となるおそれのある事項 (例)家族の職業・収入、本人の資産等の情報(税金、社会保険の取扱い 等労務管理を適切に実施するために必要な情報及び日雇派遣の禁止 の例外として認められる場合の収入要件を確認するために必要なも のを除く)、容姿、スリーサイズ等差別的評価に繋がる情報 ② 思想及び信条 (例)人生観、生活信条、支持政党、購読新聞・雑誌、愛読書 ③ 労働組合への加入状況 (例)労働運動、学生運動、消費者運動その他社会運動に関する情報

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Q 7 個人情報の保護 派遣元に登録する際に本籍を聞かれました。派遣元からの質問には、どのようなことでも答えなければならないのでしょうか。

派遣元は、本籍地や家族の職業など、就職差別につながるおそれのある「収集してはならない個人情報」を原則的に収集することはできません。

 派遣元が収集することができる労働者の個人情報は、業務の遂行上必要な範囲に限られ、本籍や家族の職業など、就職差別につながるおそれのある個人情報を求めることは、原則的にはできません。 また、個人情報の収集にあたっては、派遣元は直接本人から聞くか、本人の同意を得たうえで本人以外の者から聞くなど、適法かつ公正な手段によらなければなりません(派遣法第24条の3第1項、派遣元指針第2の10

(1)イ、ロ)。 もし、派遣元が収集する目的を明らかにしないまま下記の個人情報を求めようとしたり、あるいはその収集する目的に納得できないという場合には、東京労働局需給調整事業部(P67)に相談してみるとよいでしょう。

【収集してはならない個人情報】(労働大臣指針(平成11年労働省告示第141号))① 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項

(例)家族の職業・収入、本人の資産等の情報(税金、社会保険の取扱い等労務管理を適切に実施するために必要な情報及び日雇派遣の禁止の例外として認められる場合の収入要件を確認するために必要なものを除く)、容姿、スリーサイズ等差別的評価に繋がる情報

② 思想及び信条 (例)人生観、生活信条、支持政党、購読新聞・雑誌、愛読書③ 労働組合への加入状況 (例)労働運動、学生運動、消費者運動その他社会運動に関する情報

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派遣先で派遣労働者の個人情報に関するトラブルがあったときには、派遣元責任者へ申し出ましょう。

 派遣元は、個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければなりません(同法第24条の3第2項)。 派遣元は労働者の個人情報を保管または使用するにあたり、必要な範囲内で、正確かつ最新の内容に更新したり、紛失・破壊・改ざんされることがないように保護したり、正当な権限を有しないものによる個人情報へのアクセスを防止したり、さらに保管する必要のなくなった個人情報を廃棄または削除したりする等の措置を講じなければなりません(派遣元指針第2の10(2)イ)。 また、派遣元は、労働者の個人情報を適正に管理するために、個人情報を取扱うことのできる者の範囲や、個人情報の取扱者に対する研修等の教育訓練、個人情報の開示または訂正を求められた場合の取り扱いや、個人情報の取扱いに関する苦情処理に関することなどを盛り込んだ個人情報適正管理規定を作成し、これを遵守しなければなりません(派遣元指針第2の10(2)ハ)。 労働者が個人情報の開示または訂正を求めたことを理由に、派遣元はその労働者に不利益な取り扱いをしてはなりません(派遣元指針第2の10

(2)ニ)。 なお、個人情報保護法1では、個人情報収集の際の目的の特定、正当な方法での収集、正確、安全な管理、本人からの内容確認や訂正・削除を求められたときの適切な対応を、事業主に義務付けています。 派遣元は、同法を遵守し、労働者の個人情報を厳重に管理しなければなりません(派遣元指針第2の10(3))。 もし、派遣労働者として働き始めてから、派遣先で派遣労働者の個人情報に関するトラブルがあった場合には、まずは派遣元責任者に申し出るとよいでしょう。また、派遣労働者自身も、個人情報を不用意に明かさないように十分注意しましょう。

1 個人情報保護法の対象となるのは、5千件を超える個人情報を扱う事業主ですが、保有個人情報が5千件以下の事業主にも努力義務が課せられています。