キャリア教育との関連は図られていますか? 平成 28 年度版 中学校「国語」Q&A A1 「話すこと・聞くこと」教材などを通して,社会生活に必要な言葉の力が着 実に身につけられるよう配慮しています。 ◆知識基盤社会において必要不可欠な「情報活用力」をつける教材を,発達段階に応じて設けています。 「話すこと・聞くこと」「書くこと」で情報収集や整理の方法を扱うほか,1~3年で特設教材を設置しています。 1 年 グループ・ディスカッション (「話題や方向を捉えて話し合おう」P174) 3 年 課題解決のための会議 (「話し合って提案をまとめよう」P168) 2 年 プレゼンテーション (「魅力的な提案をしよう」P52) ≪情報関連の特設教材≫ 1 年 情報の集め方 (「情報の集め方を知ろう」P60) 2 年 メディアリテラシー (「メディアと上手に付き合うために」P56) 3 年 情報発信・ソーシャルメディア (「『想いのリレー』に加わろう」P58) 174 40 173 交流 60 5 使調Bさんの場合 調Aさんの場合 ・仙台七夕おまつり広場 ・仙台七夕中心部 ストリートマップ ・中心部駐車場マップ 検索 仙台七夕まつり 会場 事典 雑誌 56 5 5 58 5 5 62 視野を広げて 「想いのリレー」に加わろう 使◆現代社会で活用されている多様な言語活動を取り上げ,「目的意識」や「相手意識」を明確にもち,「協働」 して課題を解決していく手立てを学びます。  59 多様な視点から メディアと上手に付き合うために 調調調286 便52 使34 51 交流 168 35 167 交流

Qキャリア教育との関連は図られていますか? · ソーシャルメディアとは、インターネット上のウェブソーシャルメディアとよばれるものが発達してきたからで

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Page 1: Qキャリア教育との関連は図られていますか? · ソーシャルメディアとは、インターネット上のウェブソーシャルメディアとよばれるものが発達してきたからで

Qキャリア教育との関連は図られていますか?

平成 28 年度版 中学校「国語」Q&A

A1「話すこと・聞くこと」教材などを通して,社会生活に必要な言葉の力が着実に身につけられるよう配慮しています。

◆知識基盤社会において必要不可欠な「情報活用力」をつける教材を,発達段階に応じて設けています。

 「話すこと・聞くこと」「書くこと」で情報収集や整理の方法を扱うほか,1~3年で特設教材を設置しています。

1 年 グループ・ディスカッション(「話題や方向を捉えて話し合おう」P174)

3 年 課題解決のための会議(「話し合って提案をまとめよう」P168)

2 年 プレゼンテーション(「魅力的な提案をしよう」P52)

≪情報関連の特設教材≫

1 年 情報の集め方(「情報の集め方を知ろう」P60)

2 年 メディアリテラシー(「メディアと上手に付き合うために」P56)

3 年 情報発信・ソーシャルメディア(「『想いのリレー』に加わろう」P58)

174

話す・聞く

 物事について考えをまとめるとき、複数で意見を出し合うと、自

分と違った見方がわかったり、自分の考えが適切かどうかを判断し

たりすることができる。ここでは、グループでの話し合いを通して、

自分の考えを広げ、深めていく方法を学習しよう。

目標

学習の見通しをもとう

話し合いの話題や方向を的確に捉えて、根こ

拠きょ

を明確

にして話し合う。

質問をし合って互いの考えを聞き、共通点や相違点

を整理して考えをまとめる。

40ページ

情報を的確に聞き取る

173ページ

流れを踏まえて話し合う

見つける・

集める

深める・

整理する

まとめる・

表現する

伝え合う・

つなげる

これまでの

学習を

生かそう

▪①話題を決める。

▪②自分の考えをまとめる。

▪③�

グループ・ディスカッション

をする。

話し合いの結果を報告する。

話し合いを振り返る。

交流

話題や方向を捉えて話し合おう

グループ・ディスカッションをする

60

5

 何かについて知りたいと思ったときに、あなたはどんな

方法で情報を手に入れるだろうか。次の例を参考にしなが

ら、どのような情報の集め方があるのか考えてみよう。

 AさんとBさんの家族は、夏休みを使い、宮み

城ぎ

県仙せん

台だい

市に「仙台七夕まつり」を見に行くことになった。祭

りについて、いろいろと知りたいと思った二人は、調

べたいことを決め、それぞれ情報を集めることにした。

Bさんの場合

インターネットで

検索する。

家族にきく。

図書館で調べる。

Aさんの場合

・仙台七夕おまつり広場

・仙台七夕中心部 ストリートマップ

・中心部駐車場マップ

検索仙台七夕まつり 会場

目標

さまざまな情報の集め方を知り、目的に応じた方法を考える。

情報の集め方を知ろう

検索する。

家族にきく。

図書館で調べる。

事典 雑誌

 祭りの起源や歴史に

ついて、大体の知識を

もっておきたいな。

 どこでどんな催し物があるか、

会場の様子を知りたいな。

56

51015

51015

 春の花見の季節になると、テレビからは各地の桜の開花

状況のニュースが流れます。満開に見える桜並木。花を見

上げる人の姿。時には桜の木の下でお弁当を広げる人の姿

も出てくるかもしれません。思わず見に行きたくなります。

 そこがどこなのか、早速メモをして、実際に足を運んで

みると、桜の花はちらほらと咲いているだけ。寂しい光景

が広がっていたりします。こんな経験はありませんか。

 テレビの映像は、実際の様子を映し出しているのですか

ら、うそをついているわけではありません。でも、カメラ

マンとしては、なるべく咲いている花を撮影したくなりま

す。アナウンサーも「五分ぶ

咲き」「八分咲き」などと言っ

ているはずですが、その映像を見た私たちが、勝手に「満

開だ。」と錯覚してしまうこともあるのです。

 私たちは、さまざまな情報に取り囲まれて生活していま

す。その情報は、テレビやラジオ、新聞、雑誌、書籍、さ

らにインターネットなどを通じて入手することができます。

私たちに情報を伝えてくれる伝達手段のことを「メディ

ア」といいます。こうしたメディアが伝える情報を、有効

に生かせるか、思わぬ失敗につなげてしまうかは、私たち

の受け取り方次第です。

 では、私たちは、メディアとどう付き合っていけばいい

のでしょうか。付き合うためには、相手のことをよく知ら

なければなりません。そこで、現代のメディアで代表的な

ものであるテレビ、新聞、インターネットの特徴を考えて

みましょう。

 まずはテレビです。テレビの映像には、実にたくさんの

情報が詰まっています。例えば、ある地方でりんごの収穫

が始まったという中継放送があったとしましょう。テレビ

局としては、今年のりんごの出来具合などを伝えたいので

しょうが、テレビを見ている私たちには、その地方の天気

メディアと上手に付き合うために池い

上がみ

 彰あきら

目標

さまざまなメディアの特徴を知り、適

切な情報を選んで活用する。

58

51015

51015

 「画面を中継すれば助かる人がいるのでは。」

 大きな被害をもたらした東日本大震災の発生直後、広島

県に住む中学校二年生が携帯電話を使って自宅のテレビ画

面に映るニュースを撮影し、動画サイトで中継し始めたの

です。私もその中継を見た一人です。移動している最中で、

あいにくテレビもラジオも近くになく、情報が入ってこな

かったときでした。

 パソコンの画面に映し出される災害の様子に衝撃を受け

ながら、なぜ中継が続いているのだろうと不思議に思いま

した。テレビ画面を勝手に中継することは著作権の侵害に

当たり、いつもならすぐに停止してしまうはず。その後取

材してみると、動画サイトの運営会社がテレビ局に連絡を

取り、特別に許可を得ていたことがわかりました。さらに

テレビ局も「もっと多くの人に伝えたい。」と、公式に

ニュースを動画サイトで流すことも決めていたのです。

 中学生のこの行動がきっかけとなり、動画サイトの

ニュース映像は、テレビを見ることができずに困っていた

人だけでなく、海を越えて世界中の人々にも伝わりました。

テレビの放送は国内でしか見ることができませんが、動画

サイトなら世界中からアクセスすることができます。

 これは一つのエピソードにすぎません。東日本大震災で

は、各地から携帯電話などを使って人々が災害の様子を世

界中に発信しました。新聞社やテレビ局がカバーできない

地域の情報も発信されたことで、救援活動にも役立ちました。

 中学生や被災地の人々がこうした情報を発信できたのは、

ソーシャルメディアとよばれるものが発達してきたからで

す。ソーシャルメディアとは、インターネット上のウェブ

サイトなどを利用して、複数の人が情報を書き込んだり、

閲覧したりできる仕組みで、世界中に発信できるのが大き

な特徴の一つです。誰もが発信者になることができるソー

「想お

いのリレー」に加わろう

藤ふじ

代しろ

 裕ひろ

之ゆき

目標

現代のメディアの特徴を知り、情報

発信の意義と注意点を知る。

62視野を広げて  「想いのリレー」に加わろう

「情報発信」について考えよう

 掲示物や印刷物、校内放送、インターネットなどのメディア

を使って、クラスでできる情報発信について話し合ってみよう。

■①どんな情報を発信できるか考えよう

 身の回りの出来事や、お知らせなど、どんな情報を発信

できるだろうか。次の点を考えながら探してみよう。

何を誰に向けて発信するか。

その情報を発信することにどんな価値があるのか。

どんな手段で発信するか。

■②気をつけることを確認しよう

 ■①で考えた情報を発信するとき、どんなことに気をつけ

なければならないか、次のような観点を例に話し合おう。

内容についての責任

誤解されない表現

人を傷つけない表現

プライバシー(個人の私的な情報など)の保護

著作権の意識

 など

 「修学旅行記」の文集に

は載せ切れなかった写真や

文章を、今の二年生にも見

てもらいたいね。

 文化祭に展示して、二年

生だけではなく、地域の人

たちに見ていただくのもい

いな。

 インターネットだと、

もっと多くの人に見てもら

えるよ。音声や動画の情報

も発信できるから、臨場感

が伝わると思う。

 文化祭での展示だと、写

真などを見るのは来場者だ

けだけれど、インターネッ

ト上に載せると、不特定多

数の人の目に触れるから、

気をつけないといけないね。

◆現代社会で活用されている多様な言語活動を取り上げ,「目的意識」や「相手意識」を明確にもち,「協働」

 して課題を解決していく手立てを学びます。 

59 多様な視点から  メディアと上手に付き合うために

いろいろなメディアから得た情報を比べよう

 社会の話題や出来事の中から題材を選んで、さまざまなメディア

で調べ、メディアによって異なる情報の特徴について考えてみよう。

調べたい題材を決めよう

 テレビのニュースや新聞記事、インターネット上の

ニュースや話題から、調べたい題材を決めよう。

〈例〉スポーツの試合・環境問題・世界遺産

メディアごとの特徴を考えてみよう

 テレビや新聞、インターネットの情報を比べて、メディ

アごとの特徴を考えてみよう。

〈例〉サッカーの試合

インターネットの

ウェブサイト

 ニュースサイトでは、

試合結果を比較的早く

知ることができる。個

人のウェブサイトでは、

さまざまな意見や感想

を知ることができる。

テレビの試合中継

 選手の動きや表情、

観客の様子を映像で見

ることができる。放送

される試合が決まって

いるため、常に見たい

試合を見られるわけで

はない。

新聞の報道記事

 試合の経過や結果な

どの事実の他、選手の

動きやプレーに関する

解説や分析などを詳し

く知ることができる。

また、何度も読み返せる。

286ページ

新聞記事を比べる

 

テレビで見て試合の結果

は知っていたけど、新聞で

は、他のチームの試合結果

も一覧できて便利だね。

 

インターネットのニュー

スで監か

督とく

交代のうわさが

あったけど、本当かな。

52

話す・聞く

 相手に興味・関心をもってもらえるような、魅力的な提案をする

には、どのような工夫をすればよいだろう。相手が何を知りたいの

かを考えて材料を集め、資料や機器などを効果的に使って、印象に

残る提案のしかたを考えてみよう。

目標

学習の見通しをもとう

多様な方法で発表する材料を集め、聞き手を意識し

て材料を整理する。

資料や機器などを効果的に活用し、わかりやすい説

明をする。

34ページ

多様な方法で情報を集めよう

51ページ

説明のしかたを工夫する

見つける・

集める

まとめる・

表現する

深める・

整理する

伝え合う・

つなげる

これまでの

学習を

生かそう

■①提案する相手と目的を決める。

多様な方法で、材料を集める。

■④プレゼンテーションをする。

■③材料を整理して、進行案を作る。

■⑤提案を評価し合う。

交流

魅力的な提案をしよう

プレゼンテーションをする

168

話す・聞く

 私たちの社会は、さまざまな価値観や考えをもつ人たちから成り

立っている。社会生活の中で課題を解決していくには、違う立場か

らのさまざまな意見を生かし合いながら、合意を形成することが大

切だ。ここでは、複数の立場が考えられる課題について話し合い、

クラスで一つの提案にまとめていこう。

目標

学習の見通しをもとう

社会生活の中から課題を見つけ、その解決に向けて

説得力のある提案をする。

話し合いが効果的に展開するように進行を工夫し、

課題の解決に向けて互いの考えを生かし合う。

35ページ

評価しながら聞く

167ページ

話し合いを効果的に進める

見つける・

集める

深める・

整理する

まとめる・

表現する

伝え合う・

つなげる

これまでの

学習を

生かそう

■①課題を見つける。

■②グループで具体的な提案を考える。

■③全体会議を開く。

■④話し合いを振り返る。

交流

話し合って提案をまとめよう

課題解決に向けて会議を開く

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平成 28 年度版 中学校「国語」Q&A

A2職業観や社会における自己の在り方を考えるための多彩な教材を用意しています。

≪言語活動のテーマ≫

≪ノンフィクションや論説文のテーマ≫

2 年 「小さな町のラジオ発   ―臨時災害放送局『りんごラジオ』」

髙橋厚(P180)

34

書く

多様な方法で情報を集めよう

職業ガイドを作る

 ある事柄について自分の考えをまとめるには、多様な方法で広く

情報を集め、それらを整理しながら検討することが大切だ。ここで

は、興味のある職業について情報を集め、自分なりの職業ガイドを

作ってみよう。クラスで一冊のガイドブックにまとめ、紹介し合おう。

目標

学習の見通しをもとう

社会生活の中から紹介する事柄を決め、多様な方法

で情報を集めながら、自分の考えをまとめる。

書いた作品を読み合い、まとめ方や情報の活用のし

かたなどについて助言し合う。

30ページ

要点を整理して聞き取る

見つける・

集める

深める・

整理する

まとめる・

表現する

伝え合う・

つなげる

これまでの

学習を

生かそう

▪①情報を集める。

▪②�

情報を整理し、

考えをまとめる。

▪③紙面構成を考える。

交流

▪④下書きをし、紙面を作る。

▪⑤感想を伝え合う。

交流

2 年 職業ガイドを作る(「多様な方法で情報を集めよう」P34)

職場体験と関連。関心のある職業について調べ,自分の考えをもちます。

2 年 学習と社会生活を結ぶ(「一年間の学びを振り返ろう」P228)

一年間の学習を社会生活や自身の将来と関連づけて振り返ります。

3年 社会の中から課題を見つける(「説得力のある文章を書こう」P174)

社会生活の中から課題を見つけ批評します。テーマ例に公共広告を提示。

174

書く

説得力のある文章を書こう

批評文を書く

目標

学習の見通しをもとう

社会生活の中から関心のある事柄を決め、観点を立

てて分析し、考えを深める。

論理の展開や表現のしかたを工夫し、説得力のある

文章を書く。

123ページ

推すい

敲こう

して文章を整える

173ページ

観点を立てて分析する

見つける・

集める

深める・

整理する

まとめる・

表現する

伝え合う・

つなげる

これまでの

学習を

生かそう

▪①批評文について知る。

▪②関心のある事柄を選ぶ。

▪③観点を立てて分析する。

▪④論理の展開を考える。

▪⑤下書きをして文章にまとめる。

交流

▪⑥�

文章を読み合い、

考えを深める。

交流

■広告に書かれている文(キャッチコピー)

(上) 発見 !! わたしのとなりには先生がいっぱい !!

(右下) あなたも、きっと誰かの「となりの先生」です。 漢字を教える「国語の先生」や、 おつりの数え方を教える「算数の先生」。 地域のつながりの中で、あなたは何の先生でしょう。 考えてみませんか?

(吹き出し) さんすう・こくご・せいぶつ・れきし・えいご・おんがく

1 年 「桜守三代」鈴木嘉一(P190)好きなことを仕事に。造園業を営み,親子三代にわたって全国の桜を保護する「桜守」佐野藤右衛門氏の生活と実践。

元アナウンサーの著者は,東日本大震災で甚大な被害を受けた町で,臨時災害放送局を立ち上げ,地域の情報と町民の声を届け続けました。

3年 「エルサルバドルの少女 ヘスース」長倉洋海(P182)フォト・ジャーナリストである著者は,仕事を通して,人間を,世界を見つめてきました。その原点は,内戦期のエルサルバドル,避難民キャンプで出会った少女でした。

3 年 「誰かの代わりに」鷲田清一(P198)「『自分』とは何か」という問いに直面せざるをえない現代社会。哲学者である著者は,だからこそ,「他者」との関わり合いが大切であると説きます。

228

話す・聞く

一年間の学びを振り返ろう

国語学習の報告書をまとめる

書く

 この一年間の国語学習は、あなたにどんな変化をもたらしただろ

うか。一年間の学習記録を読み返すなどして、テーマを決めて報告

書を書こう。来年の自分、未来の自分がこの報告書を読むときに、

自分の成長の様子がたどれるだろう。

目標

学習の見通しをもとう

資料や機器などを効果的に活用して、自分の考えの

要点を簡潔に説明する。

互いの考えについて意見を述べたり助言をしたりし

ながら、自分の考えを広げ、文章に生かす。

52ページ

魅力的な提案をしよう

172ページ

根拠を明確にして意見を書こう

見つける・

集める

深める・

整理する

まとめる・

表現する

伝え合う・

つなげる

これまでの

学習を

生かそう

■①必要な材料を集める。

■②報告書の内容・構成を考える。

■③グループで検討し合う。

交流

■④報告書をまとめる。

■⑤

報告書を読み、

感想を伝え合う。

交流