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Rayleigh-Taylor, Kelvin-Helmholtz instabilityupdate:16/Dec/2011, presented by Sho Nakamura
直感的理解
Rayleigh-Taylor不安定性とKelvin-Helmholtz不安定性は星間空間や超新星残骸における物質混合の重要を理解するのに重要な不安定性である。まずは直感的に理解することから始めよう。以下は fig1のような座標設定で議論を進める。
x
y
y=0
B0
η(x, t)
B0
v0(2)
v0(1)ρ0
(1)
ρ0(2)
g
fig 1: Rayleigh-Taylor, Kelvin-Helmholtz instabilityを考える上での座標設定。
Rayleigh-Taylor instabilityfig1において ρ
(1)0 > ρ
(2)0 のように重たい流体が軽い流体の上に乗っかっているとする。今、2流体の境界面上に微小な摂動
が加わり、fig2のように変形したとする。すると、下から突き上げられた部分は周囲よりも軽いため、浮力を感じてより上昇する。逆に上から下に突き出た部分は周囲よりも重いため、重力でさらに下降を始める。こうして、上に乗っていた重い流体と下にいた軽い流体の混合が起こる。これを Rayleigh-Taylor instabilityと呼ぶ。
B0
B0
ρ0(1)
ρ0(2)
g
heavylight
heavy
buoyancy
B0+δB
tensionfig 2: Rayleigh-Taylor instabilityの直感的理解。
1
Kelvin-Helmholtz instabilityfig1において v
(1)0 6= v
(2)0 のように 2流体の間に速度シアーが発生していたとする。今、2流体の境界面上に微小な摂動が加
わり、fig3のように変形したとする。簡単のためガリレイ変換を行い、どちらかの速度のみ観測されるような系に移って考える (今の場合、下の流体の速度を残した)。摂動により、境界面と平行に流れていた流体の軌道が曲げられ、流体は遠心力を感じるようになる。これにより摂動はその振幅を増大させ、2流体の混合が起こる。これを Kelvin-Helmholtz instabilityと呼ぶ。
B0
B0
ρ0(1)
ρ0(2)
centrifugal force
B0+δB
tension
fig 3: Kelvin-Helmholtz instabilityの直感的理解。
磁場がある場合。x方向に一様な背景磁場が存在する場合には、摂動により磁力線もその形を変える。結果としてmagnetic tensionが発生し、それはこれら 2つの不安定性を安定化させる方向にはたらくことが fig2, 3からも理解できるだろう。
basic equations & linear analysis
簡単のため、非圧縮を仮定する。すなわち
∇ · v = 0 (1)
質量保存
∂ρ
∂t+ ∇ · (ρv) = 0 (2)
運動量保存
∂
∂t(ρv) + ∇ ·
{ρvv +
14π
BB +(
p +18π
B2
)I}
= −ρgey (3)
誘導方程式
∂B∂t
= ∇× (v × B) (4)
2
磁場の Gauss則
∇ · B = 0 (5)
最初、系は定常状態にあるとする。そのときの物理量をそれぞれ
ρ = ρ0, v0 = (v0, 0, 0), B0 = (B0, 0, 0), p = p0 (6)
とする。問題設定より、ρ0, v0, p0 は yのみの関数、磁場は一様であるとして B0 = uniformとする。(1)∼(5)式より
∇ · v0 = 0 (7)
∇ · (ρ0v0) = 0 (8)
∇ ·{
ρ0v0v0 +14π
B0B0 +(
p0 +18π
B20
)I}
= −ρ0gey (9)
∇× (v0 × B0) = 0 (10)
∇ · B0 = 0 (11)
が成立している。ここに微小な擾乱が加わり、物理量がそれぞれ
ρ = ρ0 + δρ, v = v0 + δv = (v0 + δvx, δvy, 0), B = B0 + δB = (B0 + δBx, δBy, 0), p = p0 + δp (12)
のように変化したとしよう。これらを (1)∼(5)式に代入する。
(1) =⇒ ∇ · v0︸ ︷︷ ︸(7)
+∇ · δv = ∇ · δv = 0 (13)
(2) =⇒ ∂
∂t(ρ0 + δρ) + ∇ · {(ρ0 + δρ)(v0 + δv)} =
∂
∂tδρ + ∇ · (ρ0v0)︸ ︷︷ ︸
(8)
+∇ · (δρv0 + ρ0δv0)
=∂
∂tδρ + ∇ · (δρv0 + ρ0δv0) =
∂
∂tδρ + (v0 · ∇)δρ + δρ (∇ · v0)︸ ︷︷ ︸
(7)
+(δv · ∇)ρ0 + ρ0 (∇ · δv)︸ ︷︷ ︸(13)
=∂
∂tδρ + (v0 · ∇)δρ + (δv · ∇)ρ0 = 0 (14)
(3) =⇒ ∂
∂t{(ρ0 + δρ)(v0 + δv)}
+∇ ·{
(ρ0 + δρ)(v0 + δv)(v0 + δv) +14π
(B0 + δB)(B0 + δB) +(
p0 + δp +18π
(B0 + δB) · (B0 + δB))
I}
=∂
∂t(ρ0δv + δρv0) + ∇ · {ρ0v0v0 + δρv0v0 + ρv0δv + ρ0δvv0
− 14π
(B0B0 + B0δB + δBB0) +(
p0 + δp +18π
(B20 + 2δB · B0)
)I} = −(ρ0 + δρ)gey
=⇒︸︷︷︸(9)
∂
∂t(ρ0δv + δρv0) + ∇ ·
{δρv0v0 + ρv0δv + ρ0δvv0 −
14π
(B0δB + δBB0) +(
δp +14π
δB · B0
)I}
= −δρgey (15)
3
(4) =⇒ ∂
∂t(B0 + δB) −∇× {(v0 + δv) × (B0 + δB)} =
∂
∂tδB −∇× (v0 × B0 + v0 × δB + δv × B0)
=︸︷︷︸(10)
∂
∂tδB −∇× (v0 × δB + δv × B0) = 0 (16)
(5) =⇒ ∇ · (B0 + δB) =︸︷︷︸(11)
∇ · δB = 0 (17)
1次の摂動量までを残した。また 0の添字のついた物理量は定常状態における量なので、その時間微分は 0としている。
(13) =⇒ ∂
∂xδvx +
∂
∂yδvy = 0 (18)
(14) =⇒ ∂
∂tδρ + v0
∂
∂xδρ + δvx
∂ρ0
∂x+ δvy
∂ρ0
∂y=
∂
∂tδρ + v0
∂
∂xδρ + δvy
∂ρ0
∂y= 0 (19)
(17) =⇒ ∂
∂xδBx +
∂
∂yδBy = 0 (20)
(15)x =⇒ ρ0∂
∂tδvx + v0
∂
∂tδρ︸ ︷︷ ︸
(19)
+∂
∂x
{(δρv0)xv0 + (ρ0v0)xδvx + (ρ0δv)xv0 −
14π
(B0)xδBx − 14π
(δB)xB0 + δp +14π
δBxB0
}
+∂
∂y
{(ρ0v0)xδvy − 1
4π(B0)xδBy
}= 0
=⇒ ρ0∂
∂tδvx − v0
(v0
∂
∂xδρ − δvy
∂ρ0
∂y
)+
∂
∂x
(v20δρ + 2ρ0v0δvx − 1
4πB0δBx + δp
)+
∂
∂y
(ρ0v0δvy − 1
4πB0δBy
)= 0
=⇒ ρ0∂
∂tδvx − v2
0
∂
∂xδρ − v0δvy
∂ρ0
∂y+ v2
0
∂
∂xδρ + 2ρ0v0
∂
∂xδvx − 1
4πB0
∂
∂xδBx +
∂
∂xδp
+v0δvy∂ρ0
∂y+ ρ0δvy
∂v0
∂y+ ρ0v0
∂
∂yδvy − 1
4πB0
∂
∂yδBy
= ρ0∂
∂tδvx + 2ρ0v0
∂
∂xδvx − 1
4πB0
∂
∂xδBx +
∂
∂xδp + ρ0δvy
∂v0
∂y+ ρ0v0
∂
∂yδvy − 1
4πB0
∂
∂yδBy
= ρ0∂
∂tδvx + ρ0v0
∂
∂xδvx + ρ0v0
(∂
∂xδvx +
∂
∂yδvy
)︸ ︷︷ ︸
(18)
− 14π
B0
(∂
∂xδBx +
∂
∂yδBy
)︸ ︷︷ ︸
(20)
+∂
∂xδp + ρ0δvy
∂v0
∂y
=⇒ ρ0∂
∂tδvx + ρ0v0
∂
∂xδvx +
∂
∂xδp + ρ0δvy
∂v0
∂y= 0 (21)
(15)y =⇒ ρ0∂
∂tδvy +
∂
∂x
{(δρv0)yv0 + (ρ0v0)yδvx + (ρ0δv)yv0 −
14π
(B0)yδBx − 14π
(δB)yB0
}
+∂
∂y
{(δρv0)y · 0 + (ρ0v0)yδvy + (ρ0δv)y · 0 − 1
4π(B0)yδBy − 1
4π(δB)y · 0 + δp +
14π
δBxB0
}
= ρ0∂
∂tδvy +
∂
∂x
(ρ0δvyv0 −
14π
δByB0
)+
∂
∂y
(δp +
14π
δBxB0
)
= ρ0∂
∂tδvy + ρ0v0
∂
∂xδvy − 1
4πB0
∂
∂xδBy +
∂
∂yδp +
14π
B0∂
∂yδBx = −δρg (22)
4
(16)x =⇒ ∂
∂tδBx − ∂
∂y(v0 × δB + δv × B0)z =
∂
∂tδBx − ∂
∂y(v0δBy − δvyB0) =
∂
∂tδBx − δBy
∂v0
∂y− v0
∂
∂yδBy︸ ︷︷ ︸
(20)
+B0∂
∂yδvy︸ ︷︷ ︸
(18)
=∂
∂tδBx − δBy
∂v0
∂y+ v0
∂
∂xδBx − B0
∂
∂xδvx = 0 (23)
(16)y =⇒ ∂
∂tδBy +
∂
∂x(v0 × δB + δv × B0)z =
∂
∂tδBy +
∂
∂x(v0δBy − δvyB0) =
∂
∂tδBy + v0
∂
∂xδBy − B0
∂
∂xδvy = 0 (24)
ここで ρ,v,B, pの微小振動の 1つの Fourierモードに着目する、すなわち
δρ, δv, δB, δp ∝ ei(kx−ωt) (25)
とする。
(18) =⇒ ikδvx +∂
∂yδvy = 0 =⇒ δvx =
i
k
∂
∂yδvy (26)
(19) =⇒ −iωδρ + δvy∂ρ0
∂y+ ikv0δρ = 0 =⇒ δρ =
i
kv0 − ωδvy
∂ρ0
∂y(27)
(21) =⇒ −iωρ0δvx + ikρ0v0δvx + ikδp + ρ0δvy∂v0
∂y= −iρ0(ω − kv0)δvx + ikδp + ρ0δvy
∂v0
∂y= 0
=⇒ δp =ω − kv0
kρ0 δvx︸︷︷︸
(26)
+iρ0
kδvy
∂v0
∂y= i
ω − kv0
k2ρ0
∂
∂yδvy + i
ρ0
kδvy
∂v0
∂y(28)
(22) =⇒ −iωρ0δvy + ikρ0v0δvy − ik
4πB0δBy +
∂
∂yδp︸︷︷︸(28)
+14π
B0∂
∂yδBx = − δρ︸︷︷︸
(27)
g
=⇒ −iρ0(ω − kv0)δvy − ik
4πB0δBy +
∂
∂y
{iω − kv0
k2ρ0
∂
∂yδvy + i
ρ0
kδvy
∂v0
∂y
}+
14π
B0∂
∂yδBx
=ig
ω − kv0δvy
∂ρ0
∂y(29)
(24) =⇒ −iωδBy + ikv0δBy − ikB0δvy = −i(ω − kv0)δBy − ikB0δvy =⇒ δBy = − k
ω − kv0B0δvy (30)
(20) =⇒ ikδBx +∂
∂yδBy = 0 =⇒ δBx =
i
k
∂
∂yδBy︸︷︷︸(30)
= −i∂
∂y
(B0
ω − kv0δvy
)(31)
(29), (30), (31)×k2/i︷︸︸︷=⇒
−ρ0k2(ω − kv0)δvy +
k4
ω − kv0
B20
4πδvy +
∂
∂y
{(ω − kv0)ρ0
∂
∂yδvy + ρ0kδvy
∂v0
∂y
}− k2B2
0
4π
∂2
∂y2
(δvy
ω − kv0
)=
gk2
ω − kv0δvy
∂ρ0
∂y
... ∂
∂y
{(ω − kv0)ρ0
∂
∂yδvy + ρ0kδvy
∂v0
∂y
}− ρ0k
2(ω − kv0)δvy =k2B2
0
4π
(∂2
∂y2− k2
)(δvy
ω − kv0
)+
gk2
ω − kv0δvy
∂ρ0
∂y(32)
5
y 6= 0では ∂ρ0
∂y=
∂v0
∂y= 0より
(32) =⇒ (ω − kv0)ρ0∂2
∂y2δvy − ρ0k
2(ω − kv0)δvy =k2B2
0
4π(ω − kv0)
(∂2
∂y2− k2
)δvy
=⇒{
(ω − kv0)2ρ0 −k2B2
0
4π
}(∂2
∂y2− k2
)δvy = 0 (33)
さらに、境界面から離れるにつれて摂動は小さくなると考えることができるので、上式より
δvy = Ae−k|y| (34)
のような形の解となることがわかる。次に 2流体が接している境界面 y = 0について考えよう。摂動が加わったことにより境界面は変形する。その形を Y = η(x, t)のように表すと、この境界面は流体とともに運動するので
δvy =Dη
Dt={
∂
∂t+ (v0 + δvx)
∂
∂x
}η (35)
境界面の変動 ηについても η ∝ ei(kx−ωt) とし、さらに振幅も十分小さいとして線形化すると
δvy = {−iω + (v0 + δvx)ik}η = −i(ω − kv0)η (36)
よって y = 0では上側 (1)と下側 (2)の δvy の比をとることで
δv(1)y
δv(2)y
=ω − kv
(1)0
ω − kv(2)0
(37)
という境界条件が成立していることがわかる。(34), (37)式より y 6= 0においては
{δv
(1)y = (ω − kv
(1)0 )e−ky
δv(2)y = (ω − kv
(2)0 )eky
(38)
となることがわかる。(32)式の境界 y = 0での条件を導出する。境界面を挟んで微少区間 [−ε : ε]での積分を
∆s(f) ≡ limε→0
∫ 0+ε
0−ε
∂f
∂ydy = lim
ε→0{f(ε) − f(−ε)} (39)
のように定義し、(32)式の両辺を yに関して微少区間 [−ε : ε]で積分することを考える。
limε→0
∫ 0+ε
0−ε
∂
∂y
{(ω − kv0)ρ0
∂
∂yδvy + ρ0kδvy
∂v0
∂y
}dy = ∆s
((ω − kv0)ρ0
∂
∂yδvy
)+ ∆s
(ρ0kδvy
∂v0
∂y
)︸ ︷︷ ︸=0 (∂v0/∂y=0(y 6=0))
(40)
∫ 0+ε
0−ε
ρ0k2(ω − kv0)δvydy
ε→0−→ 0 (41)
6
limε→0
∫ 0+ε
0−ε
(∂2
∂y2− k2
)(δvy
ω − kv0
)dy = lim
ε→0
∫ 0+ε
0−ε
{∂
∂y
∂
∂y
(δvy
ω − kv0
)− k2
(δvy
ω − kv0
)}dy
= limε→0
∫ 0+ε
0−ε
{∂
∂y
(∂∂y δvy
ω − kv0+
k ∂v0∂y
(ω − kv0)2
)− k2
(δvy
ω − kv0
)}dy = ∆s
(∂∂y δvy
ω − kv0
)+ ∆s
(k ∂v0
∂y
(ω − kv0)2
)︸ ︷︷ ︸=0 (∂v0/∂y=0(y 6=0))
(42)
limε→0
∫ 0+ε
0−ε
δvy
ω − kv0︸ ︷︷ ︸(38)
∂ρ0
∂ydy = lim
ε→0
∫ 0+ε
0−ε
e−k|y| ∂ρ0
∂ydy = e−k|y|∆s(ρ0) −
=0︷ ︸︸ ︷limε→0
∫ 0+ε
0−ε
ρ0∂
∂ye−k|y|︸ ︷︷ ︸
=±k
dy =δvy
ω − kv0∆s(ρ0) (43)
... ∆s
((ω − kv0)ρ0
∂
∂yδvy
)=
k2B20
4π∆s
(∂∂y δvy
ω − kv0
)+ k2g
δvy
ω − kv0∆s(ρ0) (44)
(38)式を上式に代入する。
∆s
((ω − kv0)ρ0
∂
∂yδvy
)= (ω − kv
(1)0 )ρ(1)
0 (ω − kv(1)0 )(−k)e−ky − (ω − kv
(2)0 )ρ(2)
0 (ω − kv(2)0 )keky
y→0−→ −k{(ω − kv(1)0 )2ρ(1)
0 + (ω − kv(2)0 )2ρ(2)
0 } (45)
∆s
(∂∂y δvy
ω − kv0
)= (−k)e−ky − keky y→0−→ −2k (46)
∆s(ρ0) = ρ(1)0 − ρ
(2)0 (47)
... − k{(ω − kv(1)0 )2ρ(1)
0 + (ω − kv(2)0 )2ρ(2)
0 } = −k3B20
2π+ k2g(ρ(1)
0 − ρ(2)0 )
=⇒ (ρ(1)0 + ρ
(2)0 )ω2 − 2k(ρ(1)
0 v(1)0 + ρ
(2)0 v
(2)0 )ω + k2(ρ(1)
0 v(1)0
2+ ρ
(2)0 v
(2)0
2) − k2B2
0
2π+ kg(ρ(1)
0 − ρ(2)0 ) = 0
=⇒ ω =k(ρ(1)
0 v(1)0 + ρ
(2)0 v
(2)0 )
ρ(1)0 + ρ
(2)0
±
√4k2(ρ(1)
0 v(1)0 + ρ
(2)0 v
(2)0 )2 − 4(ρ(1)
0 + ρ(2)0 )
{k2(ρ(1)
0 v(1)0
2+ ρ
(2)0 v
(2)0
2) − k2B2
02π + kg(ρ(1)
0 − ρ(2)0 )}
2(ρ(1)0 + ρ
(2)0 )
(48)
ここで
α1 ≡ ρ(1)0
ρ(1)0 + ρ
(2)0
, α2 ≡ ρ(2)0
ρ(1)0 + ρ
(2)0
, v2A ≡ B2
0
4π(ρ
(1)0 +ρ
(2)0 )
2
=B2
0
2π(ρ(1)0 + ρ
(2)0 )
(49)
と定義しておくと
ω
k= α1v
(1)0 + α2v
(2)0 ±
√(α1v
(1)0 + α2v
(2)0 )2 − (α1v
(1)0
2+ α2v
(2)0
2) + v2
A − g
k(α1 − α2)
7
= α1v(1)0 + α2v
(2)0 ±
√(α2
1 − α1)v(1)0
2+ (α2
2 − α2)v(2)0
2+ 2α1α2v
(1)0 v
(2)0 + v2
A − g
k(α1 − α2)
= α1v(1)0 + α2v
(2)0 ±
√(α2
1 − α1)v(1)0
2+ (α2
2 − α2)v(2)0
2+ 2α1α2v
(1)0 v
(2)0 + v2
A − g
k(α1 − α2)
= α1v(1)0 + α2v
(2)0 ±
√√√√− ρ(1)0 ρ
(2)0
(ρ(1)0 + ρ
(2)0 )2
v(1)0
2− ρ
(1)0 ρ
(2)0
(ρ(1)0 + ρ
(2)0 )2
v(2)0
2+ 2α1α2v
(1)0 v
(2)0 + v2
A − g
k(α1 − α2)
= α1v(1)0 + α2v
(2)0 ±
√−α1α2v
(1)0
2− α1α2v
(2)0
2+ 2α1α2v
(1)0 v
(2)0 + v2
A − g
k(α1 − α2)
= α1v(1)0 + α2v
(2)0 ±
√v2
A − α1α2(v(1)0 − v
(2)0 )2 − g
k(α1 − α2) (50)
速度シアーがないとき、すなわち v(1)0 = v
(2)0 のとき、
v2A <
g
k
ρ(1)0 − ρ
(2)0
ρ(1)0 + ρ
(2)0
(51)
で ω が虚数となるため、これは不安定である。これを Rayleigh-Taylor instabilityと呼ぶ。ただし、磁場がある場合にはmagnetic tentionが、摂動により波打った境界面をもとに戻そうとする方向 (安定化する方向)にはたらく。速度シアーが存在し一様重力が存在しないとき、すなわち g = 0のとき
v2A < α1α2(v
(1)0 − v
(2)0 )2 (52)
で同様に ωが虚数となり、不安定である。これを Kelvin-Helmholtz instabilityと呼ぶ。このときにも磁場は、摂動により波打った境界面をもとに戻そうとする方向 (安定化する方向)にはたらいていることがわかる。
Richardson number
磁場が存在せず、一様重力場 gにおいて層を成している 2流体を考える。人間が適当に、境界面付近の下層の流体要素を δy
だけ上に持ち上げたとしよう。このときの流体要素の密度が上層の流体に仲間入りし、その密度が ρ(2)0 に変化したとすると、
人間が重力に逆らってした仕事は
δW = −g(ρ(2)0 − ρ
(1)0 )δy (53)
と書ける。またこのとき運動エネルギーの変化量は、持ち上げたことによるmixingの効果より ρ(1)0 + ρ
(2)0 の質量の流体要
素の塊が運動していると代表させて考えると
12(ρ(1)
0 + ρ(2)0 )
(ρ(1)0 v
(1)0 + ρ
(2)0 v
(2)0
ρ(1)0 + ρ
(2)0
)2
− 12ρ(1)0 v
(1)0
2− 1
2ρ(2)0 v
(2)0
2= −1
2ρ(1)0 ρ
(2)0
ρ(1)0 + ρ
(2)0
(v(1)0 − v
(2)0 )2 (54)
となり、流体の運動エネルギーが減少することがわかる。人間がした仕事よりも運動エネルギーの変化量が大きければ、この交換は可能と考えることができるので、Kelvin-Helmholtz instabilityが起こるための必要条件は
8
12
ρ(1)0 ρ
(2)0
ρ(1)0 + ρ
(2)0
(v(1)0 − v
(2)0 )2 > −g(ρ(2)
0 − ρ(1)0 )δy (55)
ここで持ち上げた距離 δyは微小で、ρ(2)0 = ρ
(1)0 + δρ, v
(2)0 = v
(1)0 + δvとすると
12
ρ(1)0 (ρ(1)
0 + δρ)
ρ(1)0 + ρ
(1)0 + δρ
(−δv)2 ' 14ρ(1)0 (δv)2 > −gδρδy =⇒︸︷︷︸
×δy2
14ρ(1)0
(δv
δy
)2
> −gδρ
δy(56)
よって、速度場や密度が連続的に変化しているときに Kelvin-Helmholtz instabilityが起こる必要条件は
J ≡ −g
ρ
dρ/dy
(dv/dy)2<
14
(57)
J を Richardson numberと呼ぶ。
examples
超新星爆発により、最初は free expansionしていた super novaの衝撃波面には徐々に星周空間の物質が降り積もっていき、波面にブレーキがかかる。衝撃波面に乗った人間から見ていると、このブレーキは衝撃波面に対して外向きの加速度を受けているような慣性力としてはたらく。衝撃波により圧縮された星間物質の外側には圧縮を受けていない希薄な星間物質があり、この 2流体のmixingが起こる。
fig 4: Rayleigh-Taylor instabilityの代表例、超新星残骸。
AGNの中心に位置する Super Massive Black Holeからは相対論的な速度の jetが噴出しており、それが周囲の星間物質との速度シアーにより混合される。
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fig 5: Kelvin-Helmholtz instabilityの代表例、jetと ISMの相互作用。
Bibliography
[1] 観山 正見, 野本 憲一, 二間瀬 敏史, ”天体物理学の基礎 II”
[2] Chandrasekhar, S. Hydrodynamic and Hydromagnetic Stability
[3] Hubble site http://hubblesite.org/
[4] Priest, R, E., Solar Magneto-hydro Dynamics
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