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22 児童学科 人間力育成科目 (B 群) 学科名 これからの生活のなかでは、様々な機会を通じて子どもたちと出会うことがあるでしょう。 そして、そのかかわりは、保育や育児といったものに限らず、マクロな視点からすれば、 次代を担う人々の成長に携わることとして捉えられるのです。そこで、児童学科としては、 子どもの考え方や心模様を知ると共に、その子どもの視点から捉えられる世界についての 理解を深める機会として、下記の科目を人間力育成科目(B群)として開設します。 人間力育成科目(B 群)で学ぶ理由 1 各科目の内容 2 科目名 科目の紹介 幼児の文学 幼児期の子どもを対象とした文学というと「やさしい」ものというイメージをもたれるで しょう。確かに、そこには「優しさ」があふれてはいますが、その内容は大人が読んでも 深い、決して「易しい」ものではありません。本科目では、そのような「幼児の文学」の 世界を通して、人間と文学のかかわりについても探究しつつ、子どものもつ独特の心性に 迫っていきます。 子ども環境論 現在、様々なところで取り上げられている環境の問題について、「子どもの視点」に立っ て考えていきます。併せて、私たち大人は環境をどのように整え、子どもとの関わりをサ ポートすることができるのだろうかという点からも学んでいきます。そして、最終的には、 未来の地球環境で共に暮らす者という立場を意識しつつ、環境との共生の在り方について 考えていきます。 生活 小学校の生活科は、子どもが自ら身の回りの生活に対して、人とかかわりながら自ら探究 し、創り出していく教科です。そして、そのプロセスは、人が他の人と共に生活を創り出 していく営みそのものと深い重なりをもっています。本科目では、このような認識をふま え、子どもの教育という視点から、生活を豊かなものとして創り出すことについて考えて いきます。 幼児音楽 C 人は幼児期にどのような音楽と出会い、それを自らのものとして主体的に生活に取り入れ、 展開していくことができるのでしょうか。また、大人は、音楽と子どもとの出会いをどの ように見取り、支えていくことができるのでしょうか。本科目では、そのような問題意識 をふまえ、自らが音楽という文化に対して創造的にかかわり、音楽の世界について探究し ていきます。 幼児造形 B 幼児期の子どもにとって「つくる」とは、どのような意味をもつ営みなのでしょうか。ま た、大人は、子どもにとって「つくる」という営みとの出会いをどのように見取り、支え ていくことができるのでしょうか。本科目では、そのような問題意識をふまえ、人と人の 関係の中で、造形や絵画を含めた「つくる」という文化を育てていくことについて探求し ていきます。

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児童学科人間力育成科目(B群)

学科名

これからの生活のなかでは、様々な機会を通じて子どもたちと出会うことがあるでしょう。

そして、そのかかわりは、保育や育児といったものに限らず、マクロな視点からすれば、

次代を担う人々の成長に携わることとして捉えられるのです。そこで、児童学科としては、

子どもの考え方や心模様を知ると共に、その子どもの視点から捉えられる世界についての

理解を深める機会として、下記の科目を人間力育成科目(B群)として開設します。

人間力育成科目(B群)で学ぶ理由1

各科目の内容2科目名 科目の紹介

幼児の文学★

幼児期の子どもを対象とした文学というと「やさしい」ものというイメージをもたれるでしょう。確かに、そこには「優しさ」があふれてはいますが、その内容は大人が読んでも深い、決して「易しい」ものではありません。本科目では、そのような「幼児の文学」の世界を通して、人間と文学のかかわりについても探究しつつ、子どものもつ独特の心性に迫っていきます。

子ども環境論★

現在、様々なところで取り上げられている環境の問題について、「子どもの視点」に立って考えていきます。併せて、私たち大人は環境をどのように整え、子どもとの関わりをサポートすることができるのだろうかという点からも学んでいきます。そして、最終的には、未来の地球環境で共に暮らす者という立場を意識しつつ、環境との共生の在り方について考えていきます。

生活 小学校の生活科は、子どもが自ら身の回りの生活に対して、人とかかわりながら自ら探究し、創り出していく教科です。そして、そのプロセスは、人が他の人と共に生活を創り出していく営みそのものと深い重なりをもっています。本科目では、このような認識をふまえ、子どもの教育という視点から、生活を豊かなものとして創り出すことについて考えていきます。

幼児音楽 C 人は幼児期にどのような音楽と出会い、それを自らのものとして主体的に生活に取り入れ、展開していくことができるのでしょうか。また、大人は、音楽と子どもとの出会いをどのように見取り、支えていくことができるのでしょうか。本科目では、そのような問題意識をふまえ、自らが音楽という文化に対して創造的にかかわり、音楽の世界について探究していきます。

幼児造形 B 幼児期の子どもにとって「つくる」とは、どのような意味をもつ営みなのでしょうか。また、大人は、子どもにとって「つくる」という営みとの出会いをどのように見取り、支えていくことができるのでしょうか。本科目では、そのような問題意識をふまえ、人と人の関係の中で、造形や絵画を含めた「つくる」という文化を育てていくことについて探求していきます。

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児童教育学科人間力育成科目(B群)

学科名

児童教育学科のB群の授業内容は、講義による座学的なものではありません。学生が自ら

観察を行ったり、調査したり、体験したりする問題解決的な学びが設定されています。こ

れは、将来小学校や中学校もしくは幼稚園の教員になったとき、教師として必要な基本的

な姿勢や行動、考え方を身に付けておいてほしいと考えたからです。そのためには、学生

時代からよき問題解決者となり、また積極的な実践者となるための資質磨きが必要です。

学生の皆さんの能動的な学びを期待しています。

人間力育成科目(B群)で学ぶ理由1

各科目の内容2科目名 科目の紹介

子ども・学校・社会

自身が経験した小学校生活を、先生になるという立場から眺めてみようという授業です。学校における子どもの遊びや学習、ものの考え方などの実態や特徴を観察・調査しながら理解していきます。また、教職員の仕事や役割、動きなど学校という組織、学校を取り巻く地域社会や保護者の期待、なども観察・調査の対象となります。子どもと子どもを取り巻く学校・地域社会についてフィールドワーク的に調べていきます。

子どもと児童文学★

小学生に興味・関心のあるような児童文学を中心に取り上げていきます。子どもたちが好んで読むようにするためには、教師自身が興味・関心をもつことが大事です。授業では、児童文学の概要を学ぶとともに、実際に作品を読んでいきます。また、それぞれの学生が、興味ある作者について研究をしたり、発表をしたりするようにします。この授業を通して、好きな作者や作品をもてるようになってほしいと考えています。

障害と教育★

障害のある子どもの教育はどのように行われてきたのでしょうか。この授業では、世界や日本の中で、障害のある子どもの人権を大切にし、教育対象としてきた歴史を学びます。そして、障害のある子どもの能力を開発していくための指導法や教材等について学んでいきます。この授業を通して、障害のある子どもの教育の意義や大切さを理解できるようになってほしいと考えています。

学習過程論★

人が「学ぶ」というのは、どのような行為なのでしょうか。「学習と学び」の意味を根源から問いかけながら、「認知 - わかる」をキーワードに人が学んでいく状況とプロセスを明らかにしていきます。その理論的な知見と受講者の体験とを照らし合わせながら、教育における「学び」とは、を考えます。教育の中心課題として、また、自らも「学び手」として振り返る意味でも考える機会にしたいと思っています。

レクリエーション実践演習★

この授業は、まず参加者として様々なレクリエーション種目を体験し、その楽しさを知るところから始まります。次に、その楽しさの構造を理解し、指導者の立場から指導する方法を学習します。さらに、各自で指導案を練り、実際に指導にあたってみて具体的な指導方法を学んでいきます。この授業には、教員を目指している人のみならず、子どもたちやお年寄り、障害を持った方々にボランティアとして接する時の様々なヒントがあります。

人間力育成科目(B群)の概要

☆印が付いている科目は1年次、2年次の早い時期に履修し、専門の分野につながるものとして他学科の学生が理解しやすい科目です。

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栄養学科人間力育成科目(B群)

学科名

人間は、ヒトを特徴づけた知恵の因果のなかで、ヒトを交感神経優位とする競争世界、貧

困と繁栄、また喧騒のなかに追い込んでいます。ヒトは、専門のなかでエキスパートとな

ることを要求され、「ヒトの全体としての在り方」を忘却しました。このような背景のもと、

マクロの世界では地球環境、ミクロの世界では化学をまなび、ヒトの精神の発達過程とし

ての発達心理学、脳内ネットワークの病態モデル化としての臨床心理学、食環境としての

食の文化を、栄養学科の人間力育成科目として設定しました。

人間力育成科目(B群)で学ぶ理由1

各科目の内容2科目名 科目の紹介

地球環境★

地球環境は大気圏、水圏、岩石圏からなり、ここには様々な生物が生態系を形成し、独自の生活を展開しています。地球環境を舞台に、生き物達が見せる生き生きとした営みを学ぶことを通して、生物としてのヒトの有様を考えます。生命の多様性が賑わう地球環境の本来の姿を講義します。そして、地球環境問題と正面から向き合う教養をその心に刻んで下さい。

化学★

自然科学を学ぶとき、化学的な知識や考え方は避けて通れません。ここでは化学を基礎から学び、大学の専門につなげることと、将来、教職につくための準備を目的とします。高校の化学Ⅰ・Ⅱを基礎とし、教材の存在理由や化学の歴史的な展開などについて掘り下げます。学びなおしとその発展を講義します。

生涯発達心理学

人生の各発達段階における発達課題とそこでの適応、成功について考えていきます。具体的には、これまで生きてきた乳幼児期、学童期について振り返ると共に、現在、自分がおかれている青年期の課題にどのように取り組み、適応していけばよいのか、そして、将来的な成人期や老年期の課題に対して、今からどのようなことを考えておく必要があるか、について考えていきます。

臨床心理学 臨床心理学は人のこころの領域に関わるための学問です。こころについては心理学的に捉え研究されてきました。ところが、こころは脳であるとの考えが公になり、生理学的な研究が要求され、身体的理解への関心も高まり、心理の世界も変わらざるをえなくなりました。しかし、ここでは臨床心理学への入門を活かし、クライエントと接するためのさまざまな技法を学び、自らの自己を見つめることを中心課題とします。

食の文化 近年急速に変化した “食 ” について考え、先人達が築いてきた食の文化を振り返り、その伝承と創造を付加した食の在り方について考え、実践します。具体的には、縄文時代から現代に至る食材料の入手経路や料理方法、食習慣や食の思想について、政治・経済・宗教などの時代背景との関わりを密にして講述した内容を理解し、食の文化の伝承と創造、その実践方法を見つけます。

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 服飾美術学科人間力育成科目(B群)

学科名

服飾美術の各専門科目を学ぶに先立ち、「衣」とは何か?について総合的に理解するために、

「衣」を科学、文化、創造の3つの面から大きく捉え、「衣の科学」、「衣の文化」、「ファッショ

ンデザイン概論」の3科目を設けました。この3科目は服飾美術学科だけではなく、「衣」

の生活を営むすべての学生にとっても有意義でしょう。

さらに服飾を学ぶ学生に共通の知識・教養として、「繊維製品の評価」と「ファッション

アクセサリー論」を設けました。

人間力育成科目(B群)で学ぶ理由1

各科目の内容2科目名 科目の紹介

衣の科学★

近年、飛躍的科学技術の進歩と共に自然との共生を踏まえた衣生活の時代を迎えています。本講義では、衣を科学的な側面から素材・加工・整理等の領域および資源、環境、経済等との関わりも考慮し総合的にとらえ、「安全・安心」できるより快適な衣生活を得るために必要な基礎知識について学習します。

衣の文化★

「衣」を文化の一面として捉え、「婚礼衣装」、「制服」、「スーツ」、「下着」、「子供服」、「左前と右前」、「スカートとパンツ」、「スポーツウェア」、「ファッション情報」などの身近なトピックスを通して、現代の衣生活が形成されてきた背景・歴史、その中に見出せる身体意識、ジェンダー、階級と身分、産業と消費、情報の役割などについて考察します。

繊維製品の取り扱い

私達の身の回りには極めて多様な衣料材料からなる繊維製品が溢れています。服飾美術学科に学ぶ学生には、衣料材料についての正確な知識を身につけることによって、そのような繊維製品の見かけに惑わされることなく、品質や性能について適切に評価することのできる目を養って頂くことが重要です。本講義ではそのための基礎的事項を学習します。

ファッションデザイン概論★

美意識は時代の影響を受けて変化していきます。授業では戦後ファッションの変遷を辿りながら、それぞれの時代と社会背景との関連を考えます。また、ファッションコーディネイトにおけるカラーの使い方、スタイリング等のポイントを、画像を用いて解説します。さらにファッションデザインの重要な要素であるテキスタイルの基礎的な知識と取り扱いについても講述します。最後に、繊維産業は最もグローバル化した産業の一つですが、繊維製品の品質と価格の関係、そして産業の空洞化についても考えていきます。

ファッションアクセサリー論

衣生活では靴、帽子、バッグ、スカーフ、マフラー、手袋、傘、ベルトなどの、機能性を持ちながら装飾性をも兼ねた、いわゆるアクセサリー類も重要な役割を担っています。特に現代、ファッション・ブランドの多くはこのアクセサリー分野の開発に重点を置いている傾向にあります。アクセサリー類の多様性、人類が生み出してきた豊富なバリエーションに触れ、ファッション史やファッションデザインを学ぶ上での教養とします。

人間力育成科目(B群)の概要

☆印が付いている科目は1年次、2年次の早い時期に履修し、専門の分野につながるものとして他学科の学生が理解しやすい科目です。

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環境教育学科人間力育成科目(B群)

学科名

現代世界では、環境問題を考え、情報関連の知識をもって日々の生活をしていくことが必

要となってきています。そこで、環境に関する基礎科目として地球の歴史を学び、工業化

の結果として生じた汚染物質の分析に必要な知識を得、環境一般に関して物理的に理解し、

情報の数学的側面を学び、情報が子どもに及ぼす影響を学びます。

人間力育成科目(B群)で学ぶ理由1

各科目の内容2科目名 科目の紹介

情報システム数学★

ものごとを述べるとき、通常我々は言葉を使い表現するが、そこには常に曖昧さがつきもので、誤りも見過ごされます。考えたことを正確に表現するには定義された記号を使うことが必要です。そのため数が発明され数学が発展しました。この講義ではいろいろな領域の学習に必要最小限となる代数学について主に学びます。

生物保全学★

生物保全は多くの内容を理解することになります。すなわち森林、水域、生態、生物多様性等々があり、アプローチによってさまざまな内容が含まれます。これらを理解し生態的特性を観察しその解明、保護、維持管理について理論と方法を学びます。生態系影響評価をすることも重要ですので基礎的な力をこの科目で養います。

海洋大気科学★

大気、海洋、気候システムなど現状における諸問題を学びます。モデリング分野をはじめデータ総合解析分野まで広く知ることで海洋生態系、大気海洋系変動を深く理解し今後の改善として何が重要で、何を優先すべきか考える力を養います。元素動態、地質学、浮遊生物、微生物、生理学等々多くの内容を知識として習得することは専門授業科目へつながるので重要な科目と言えます。

環境法規★

法令一般についての基礎知識を学び主要な環境法規について学びます。その目的や規制手法などについて理解を深めます。法規条文に直接触れることで条文の構成、法令用語を理解し、読み方を習熟します。この科目は東京都第 1種公害防止管理者の資格を取得するための必須科目です。

環境対策★

地球の物質循環と人間活動を引き起こす環境変化を理解し環境対策の必要性を学び、環境配慮型社会とはどのようなものかを考えます。人間は安定した物質循環の仕組みの中で生き続けてきました。しかし産業革命を境として人間活動が拡大し、エネルギー消費量や廃棄物が急激に増大しました。結果として今日では大気汚染、水質汚濁といった局地的なものから酸性雨やオゾン層破壊、温暖化など地球規模の問題に至っています。それら諸問題を考えていきます。

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造形表現学科人間力育成科目(B群)

学科名

造形表現学科では、広く「美術」の世界について学んでいます。近代の美術の世界は、伝

統的な絵画や彫刻、工芸に加えて、私たちの生活を豊かにするための美しいデザインが生

まれてきました。以下の各科目では、私たちを取り巻く様々の美しい世界を、絵画・彫刻、

生活文化、工芸に加えて、都市・建築、インテリア、グラフィック、プロダクトの各デザ

インについて学び、豊かな心と感性を育成します。

人間力育成科目(B群)で学ぶ理由1

各科目の内容2科目名 科目の紹介

美の世界★ 日本の美術は、長い歴史の中で各時代それぞれの特色ある展開を遂げてきました。ここで

は日本美術史の諸相を、その時代を象徴するキーワードから読み解き、その美の構造と特質を考えてみます。

住の文化★

19 世紀末アールヌーボーの時代のイギリスでは、花柄をあしらったり、ライオンの形をしたものなどのカラフルな陶製腰掛け便器が流行しました。これらは、日本の陶芸技術の移入によって初めて可能になったものです。この教科では、世界各地の地域の住文化について比較し考察します。特に、台所と食文化、トイレと農業、風呂と衛生といった観点から映像により学びます。

工芸論 工芸は生活に密着した実用的な美術で、衣食住にかかわる様々な日用品は昔から人間の身近な自然の恵みを素材として作り続けられてきました。長い歴史の中で人類は素材の加工法を発達させ、各地に伝統的な工芸の産地を作り今日に至っています。一方、近代の機械文明はデザインによって人の生活を豊かにしてきました。これら工芸をとりまく用と美のかかわりの変遷を紹介します。

環境造形論 モロッコでは、粘土を積み重ねた 4階建てのカスバと呼ばれる建物に住んでいる人々がいます。チュニジアでは、岩山に縦穴を掘って住んでいる人々がいます。ベトナムやタイでは高床の木造の建物に住んでいます。イランでは土の表面に美しいタイルを貼り付けた、丸いドーム型の建物が今でも造られています。この教科では、世界各地の伝統的で美しい家や町や都市について映像により学びます。

デザイン概論 将来自分が何かをデザインするときに、的確なデザインができるように、現在のさまざまなデザインの分野の特長や表現方法及び制作技術の概要を理解します。それには近代のデザイン(おおよそ100年前)から現在に至るまでデザインがどんな領域に分かれて発達してきたかを考察し、また今後の展望について形態、色、機能などについて検討をしてみます。

人間力育成科目(B群)の概要

☆印が付いている科目は1年次、2年次の早い時期に履修し、専門の分野につながるものとして他学科の学生が理解しやすい科目です。

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英語コミュニケーション学科人間力育成科目(B群)

学科名

専門分野が何であれ、大人の女性の教養を身に付けるには、幅広くいろいろなことに関心

を持ってほしいと思います。まず、自分自身のことばと、そのことばで書かれた文学につ

いて学ぶことが、あらゆる学習や探究の基礎としてとても大切です。また、何世紀もの間

世界のリーダーとなってきた国々の歴史を知ることは、国際社会に生きるための基礎知識

として欠かせないことの一つです。

人間力育成科目(B群)で学ぶ理由1

各科目の内容2科目名 科目の紹介

日本の文学Ⅰ★ 古事記や万葉集から始まり、世界最古の小説である源氏物語や、今昔物語などの物語文学、

また随筆や説話などの代表的な作品に触れながら、日本文学の古代から近世までの流れを理解し、日本人の「こころ」がどのようにかたち作られていったかを学びます。

日本の文学Ⅱ★

「日本の文学Ⅰ」に引き続き、明治時代から現代にかけての日本文学の代表的な作品に触れながら、特に明治以降、外国文化とふれあう中で文学はどのように変化し発展していったのかを学びます。そしてこの 100年の歴史の中で現代の文学へたどり着くまで、文学は日本人の心に何を与えてきたのか、そしてこれからどのように発展していくのかも考えてみたいと思います。

英米の歴史Ⅰ★

英国を中心としたヨーロッパ世界との関連で、アメリカ合衆国成立と発展の歴史を概説。北米大陸の英国植民地が独立戦争を経て大国に成長する過程を、社会・文化的背景等を含め多角的に解説するので、各自の興味に合った論点が見つかるでしょう。現代社会とのつながりの中で歴史を学ぶ面白さを実感してください。

日本語表現法Ⅰ

私たちのコミュニケーションツールとしての日本語を正しく理解し、正しく身に付けることを目標とします。そのような視点から本講座では、自分の考えを正確に分かりやすく他者に伝えるための基礎的な表記や表現について学習します。

日本語表現法Ⅱ

「日本語表現法Ⅰ」での学習を基礎に、音声言語、文字言語の側面からも発展・応用させていくことを目標とします。さらに就職活動や社会人としてのコミュニケーションに役立つ表現力の獲得も目指します。

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心理カウンセリング学科人間力育成科目(B群)

学科名

近年、「心の健康(メンタルヘルス)」が大きな話題になっており、「こころ」に影響を及

ぼす要因や心が身体の健康に及ぼす影響などについても研究されています。本学科での提

供科目は、人生にとって「こころ」とは何かを考えるだけでなく、心理学のみならず家政

学、教育学、福祉学、文学等にとって不可欠な基礎的知識としてもあげられます。

人間力育成科目(B群)で学ぶ理由1

各科目の内容2科目名 科目の紹介

心理カウンセリング基礎論

大学で学ぶことの意義を見つめ、各自の目的に沿った今後のキャンパスライフを明確にすることができます。本講義は、自分の人生設計や大学で学ぶことの意義を見つめながら、各自の目的に沿って今後のキャンパスライフや将来について考えていきます。社会や日常のできごとを通して、「これまでの自分」を見つめ、「これからの自分」と「50年後の自分」をイメージし人生を創造します。

心理学史★

心理学の歴史をたどり、その大きな流れを理解するとともに、心理学者たちが生まれ育った国々のものの考え方や特徴、彼らが活躍した時代的な背景、またそれが心理学に与えた影響などについて見ていきます。また、過去を振り返るだけでなく、現代の心理学の学問的状況や今後の心理学の展開の方向についても見ていきます。本講義では、それらを通して、人間の心の研究のあり方について考える力をつけることを目標とします。

健康心理学★

近年、身体や心の健康に対する関心は非常に高まっており、テレビや雑誌では、さまざまな年齢層や性別を対象とした「健康特集」を数多く見かけます。本講義では、心や身体の健康について心理学の視点からアプローチします。本講義の到達目標は、講義や課題を通して、健康心理学に関する理論を理解し、基本的な知識を習得することです。

家族心理学 しばしば子どもの性格は家族の影響を受けて形成されるといわれます。しかし、子どもは一方的に影響されるだけの存在ではありません。子どもの誕生・成長・発達は、家族全員に影響を与えます。さらに、家族それぞれも、お互いに影響しあいながら日々を生き成長・発達していきます。これが家族の姿です。本講義では、こうした考え方を基本に関連諸領域の知見を参照しながら進めていきます。

特別支援教育★

障害などにより個別の支援が必要な子どもの教育は「特別支援教育」と呼ばれています。この授業では、世界や日本の中で、特別支援教育がどのように行われているかを学んでいきます。また、一人一人の子どもの実態や心理に沿って、能力を開発していくための指導法や支援の仕方等について学んでいきます。この授業を通して、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校などでの特別支援教育の意義や大切さを理解することを目標とします。

人間力育成科目(B群)の概要

☆印が付いている科目は1年次、2年次の早い時期に履修し、専門の分野につながるものとして他学科の学生が理解しやすい科目です。

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教育福祉学科人間力育成科目(B群)

学科名

専門分野の枠を越えて、共通に求められる知識や多様な視点、思考方法等の知的能力の向

上と、人間としてのあり方や生き方に関する、深い洞察や社会との関係性を正しく理解す

る力を養います。

人間力育成科目(B群)で学ぶ理由1

各科目の内容2科目名 科目の紹介

人間形成基礎論

大学で過ごす 4年間は、自分を見つめ、今後の将来設計や自己実現の道筋を探す重要な時期です。大学での学びは、専門知識の習得にとどまらず、より自分らしく生きるための知恵を獲得することにあります。その中から、自らの関心を深め、問題に気づき、自ら問いをたて、答えを探していくことが求められます。この講義では、調べる、考えることを通して、自分の考えを整理し表現できる基礎を身につけます。

心理学史★

こころとは何か。こころとはどこにあるのか。自分自身や他者の心の動き、はたらきに対する関心は、古くから人間の歴史とともに存在しています。この心に対する研究がどのようになされてきたか。またどのように派生し、どのような問題意識と方法を持ってきたのかを中心に、心理学史における「人間の捉え方」とその探求について学びます。

人間論 「人間とは何か」「私とは何か」「社会とは何か」などについて自ら考えられるようになった今、青年期の関心は、生涯にわたり自己を支えるものになるでしょう。人間であることとはどういうことか、なぜ自己がユニークであるのか、等々、歴史的、社会的、文化的存在としての人間とその尊厳について考えます。

健康心理学★

考え方と行動を変えるとこころと体が健やかになります。健康の維持には、食事や運動といった身体的要素だけでなく、日常生活での行動パターンや考え方といった心理的要素も関係し、心理的要因が心だけでなく身体の病気を引き起こす可能性があることが知られています。この講義では、ストレスと生活習慣や疾病との関係を中心に、健康と心の深いつながりについて学びます。

社会と人間 人間は社会的動物であると言われるように、私たちの日々の活動は、社会の中での様々な人々との交流によって構成されています。こうした活動は、社会化や教育を抜きには考えることができません。この講義では、特に社会化と教育をキーワードにしながら、社会の中で人間が活動していくために、人が家庭や学校でどのような方向付けを受けるのかを考察します。その考察を通して、社会と人間についての理解を深めていきます。

☆印が付いている科目は1年次、2年次の早い時期に履修し、専門の分野につながるものとして他学科の学生が理解しやすい科目です。