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小牧市 RPA 実証実験 支援業務報告書 2019 6 10 トーテックアメニティ株式会社

RPA 実証実験 支援業務報告書 - city.komaki.aichi.jpocr とは異なり、収集した大量の文字データから文字の特徴をディープラーニングし、高精度な文字認識を可

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小牧市 様

RPA実証実験

支援業務報告書

2019年 6月 10日

トーテックアメニティ株式会社

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RPA実証実験結果報告書 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

目 次

1. 本実証実験の概要 ................................................................................................. 1

(1) 目的 .................................................................................................. 1

(2) 実施期間 ............................................................................................. 1

(3) 実施場所 ............................................................................................. 1

(4) 実施体制 ............................................................................................. 1

(5) 実施環境(ハードウェア/ソフトウェア構成) ........................................................ 2

(6) セキュリティ対策 ...................................................................................... 3

2. 実証実験の詳細 .................................................................................................... 4

(1) 業務の選定 .......................................................................................... 4

(2) 選定業務の概要 .................................................................................... 6

(3) 読取対象書類の様式イメージ ...................................................................... 9

(4) 読取対象書類の読み取り項目 .................................................................. 11

(5) 出力ファイルの仕様 ............................................................................... 12

3. 実証実験の結果 ................................................................................................. 15

(1) 業務の評価 ....................................................................................... 15

(2) 読取速度性能の結果 ............................................................................ 16

(3) 読取認識精度の結果 ............................................................................ 16

(4) 読み取り結果の具体例 .......................................................................... 17

(5) 入力速度の結果 ................................................................................. 19

4. まとめ .............................................................................................................. 20

(1) 総評 ............................................................................................... 20

(2) AI-OCR・RPA の課題と改善点 ................................................................ 20

(3) 適用業務拡大に向けての提言 .................................................................. 21

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RPA実証実験結果報告書 1 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

1. 本実証実験の概要

(1) 目的

市役所の業務の中で、データの読取及び入力等の作業は、市の職員にとって大きな負担となるもので、特に

専門的な業務とならない範囲を切り分けし、自動化を行うことで、業務の効率化を実現し、業務課題の解決を

図る手段の一つとして RPA 導入を目指す。そのため、市が取り扱う業務のうち、申請書等の読取・転記に類す

る分野、定型でありかつ非専門的な業務として選定した分野について、RPA 及び AI-OCR 技術の導入により

業務の効率化が行えるかを検証する。

(2) 実施期間

令和元年 5月 1日(水) ~ 令和元年 5月 31日(金)

(3) 実施場所

トーテックアメニティ株式会社 名古屋本社 及び

小牧市役所

(4) 実施体制

小牧市

プロジェクト推進責任者 総務部 情報システム課 水野 清志 課長

窓口担当者 総務部 情報システム課 添田 元治 係長

トーテックアメニティ

プロジェクト責任者 公共第 1 システム部 北川 勝也

プロジェクト管理者 公共第 1 システム部 小川 直規

RPA担当者 公共第 1 システム部 鬼頭 良和

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RPA実証実験結果報告書 2 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

(5) 実施環境(ハードウェア/ソフトウェア構成)

① ハードウェア構成

1) AI-OCR

用 途 機 種 等 設置場所

1 イメージスキャナ装置 富士ゼロックス社製 DocuCentre-Ⅳ C5575 トーテック

2 クライアント 富士通ノートパソコン(FMV) トーテック

2) RPA

用 途 機 種 等 設置場所

1 開発用クライアント 富士通ノートパソコン(FMV) トーテック

2 実験用クライアント 富士通ノートパソコン(FMV) 情報システム課

② ソフトウェア構成

1) AI-OCR

用 途 機 種 等 設置場所

1 AI-OCRソフト AI Inside製 「DX Suite」 クラウド

2) RPA

用 途 ソフトウェア名称 設置場所

1 RPAソフト NTTアドバンステクノロジ製 「Winactor」 トーテック

小牧市(評価版)

2 OAソフト Microsoft製 Office2010 小牧市

3 業務システム1 G-COAS住民情報システム 小牧市

4 業務システム2 R-STAGE総合福祉システム 小牧市

【参考】 製品紹介

○ AI-OCR サービス

AI Inside株式会社製 AI-OCR ソフト 「DX Suite」

<DX Suite の紹介>

AI Inside 株式会社が開発したAI機能が実装された OCR ソフトウェアです。AI OCR とは、従来の

OCR とは異なり、収集した大量の文字データから文字の特徴をディープラーニングし、高精度な文字認識を可

能とするソフトウェアであり、今まで OCR で実現困難とされていた書類(手書き文字や住所欄など)も高精

度でOCRできます。従来型OCRが苦手だった手書きのフリーピッチを高精度で認識が可能で、文字と文字の

つなぎ目や切れ目を判別できます。

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RPA実証実験結果報告書 3 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

○ RPAソフトウェア

NTTアドバンステクノロジ株式会社製 RPA支援ソフトウェア 「WINACTOR」

<WINACTOR の紹介>

NTT グループにより開発・利用されてきた長い歴史と豊富な導入実績に裏打ちされた機能を備えた純国産

のRPAソリューションです。主な特長としては、利用できるアプリケーションに制限がない。プログラミングの知識

は不要であり情報システム部門でない利用者でもメンテナンスが可能。純国産であるため完全日本語化され

ている。Windows パソコン上で動作するためサーバが不要でありスモールスタートが可能。などがあります。

(6) セキュリティ対策

実証実験を実施するにあたり、以下のセキュリティ対策を講じた。

① 覚書の締結

本プロジェクトは、通常の契約を締結して実施するプロジェクトでないため、情報の取扱い等を定めた覚書を

締結して作業を行った。

② 実証実験用テストデータの使用

本プロジェクトで使用する書類は、実際の用紙を使用するが、そこに記入される情報は、すべて実在しない

架空の情報を使用した。但し、個人情報を扱っていない業務や公開情報のみを扱っている業務については、

実際の業務で使用している情報や書類を使用した。

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RPA実証実験結果報告書 4 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

2. 実証実験の詳細

(1) 業務の選定

各担当課様からRPA適用の対象の可能性のある業務を抽出して頂いた。(19部署 40業務)

所属 業務名(事務名) 業務(事務)の内容 対象 シナリオ№

広報広聴課

広報係 市民(読者)アンケート集計

広報こまき市民(読者)アンケートを EXCEL入

力し集計

市政モニターアンケート集計 市政モニターアンケートを EXCEL入力し集計

行政経営課

人事係 研修受講報告書集計 報告書を EXCEL入力し集計

行政経営課

給与厚生係 新年度手当支給に係る作業 申請書の内容をシステムに入力

CP課

にぎわい創出係 市民まつりアンケート調査結果集計 市民まつりのアンケートを EXCEL入力し集計

商工振興課

新産業創出係 こまきプレミアム商品券市民アンケート集計

こまきプレミアム商品券アンケートを EXCEL入力し

集計 ○ ①

こまき応援寄附金申込書手入力 申込書に記載されている事項をふるさと納税管理

システムへ入力

こまき応援寄附金領収日及び公金日手入

領収日及び公金日のデータをふるさと納税管理シ

ステムへ入力

商工振興課

商工労政係 中小企業退職金共済助成金業務

外部団体から紙媒体で入手する情報より、対象者

に案内を送付、助成金申請を受付け EXCEL入

計量器定期検査業務 市内の事業者が所持する対象計量器の種類・数

量の事前調査結果の EXCEL入力

市民安全課

相談係 市民アンケート集計 市民アンケートを EXCEL入力し集計

出前講座アンケート集計 出前講座アンケートを EXCEL入力し集計

講演会アンケート集計 講演会のアンケートを EXCEL入力し集計

法律相談集計 法律相談で記入された相談票を EXCEL入力し

集計

市民相談集計 市民相談記録票を EXCEL入力し集計

外国人相談集計 外国人相談記録票を EXCEL入力し集計

市民税課

税制係 賦課徴収データ作成委託

申告書(軽自)の内容を委託業者でデータ化、イメ

ージデータの取り込み

市民税課

市民税係 賦課徴収データ作成委託

申告書(給報・年報等)の内容を委託業者でデー

タ化、イメージデータの取り込み

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RPA実証実験結果報告書 5 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

所属 業務名(事務名) 業務(事務)の内容 対象 シナリオ№

収税課

収税係 口振依頼書入力作業

手書きの口座振替依頼書の内容をシステムにデー

タ入力 ○ ②

地域包括ケア推進課

地域支援係 地域協議会データ EUC抽出 小学校区別人口表を抽出し、定型の表に入力

圏域別人口統計のデータ抽出 圏域別の人口を抽出し、定型の表に入力

認定情報送信 認定情報を確認後に抽出、加工し、各地域包括

支援センターへメールで送信

認知症サポーター養成講座申込書・報告

書の入力

各地域包括支援センターにて実施する講座の申

込書・報告書をインターネットサイトへ入力

長寿・障がい福祉課

障がい福祉係 市扶助料における所得状況届処理

市の扶助料受給者からの所得状況届を判定し、

システムへ入力

日常生活用具の給付 申請内容をデータ入力

障害支援区分認定事務 認定申請情報をシステム入力

障害者手帳交付業務 申請情報をシステムに入力

障害福祉サービスの支給事務 申請情報をシステムに入力

自立支援医療の支給決定 申請情報をシステムに入力

在宅重度障害者手当(現況)事務 申請情報を判断し、システムに入力

保険年金課

国保係

特定健康診査、健康診査データ作成業務

委託

手書きの健康診査結果の内容を委託業者でデー

タ化、システムに取り込み

市民課

住民登録係 住民異動届入力業務

手書きの住民異動届の内容をシステムへ入力、内

容の確認後、反映

こども政策課

子育て支援係 児童手当の認定業務 児童手当の申請内容を審査、システム入力 ○ ③

児童クラブの加入申込書データ入力 児童クラブ加入申込書の内容をシステムへ入力

児童クラブ口座振替依頼書のデータ入力 口座振替依頼書の内容をシステムへ入力

上下水道業務課

排水係

排水設備等計画確認申請書等のデータ入

力業務 手書きの申請書等の内容を 3 つのシステムに入力

東部市民センター

庶務係 市民企画講座アンケート集計・入力作業 講座ごとに行うアンケートを EXCEL入力し集計

ゆうゆう・つつじ学級アンケート集計・入力 学級ごとに行うアンケートを EXCEL入力し集計

社会教育法調査基礎資料集計 施設予約システムから実績データを集計

図書館

図書係 利用者登録事務

児童に記入してもらった申込書の内容をシステムに

入力し、利用券のバーコード番号と紐付ける

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RPA実証実験結果報告書 6 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

(2) 選定業務の概要

各担当課様より抽出していただいた業務より、下記観点に基づき対象業務を選出しました。

・ 定型処理でかつ専門知識を求めない業務

・ 自動入力の対象システムは、それぞれ別システムとする

・ 一度の入力で、入力対象となる件数が多い(運用サイクルの見直しで対応可能な業務も含む)

・ 入力パターンが少ない(自動入力のシナリオがシンプルとなる) ① プレミアム商品券市民アンケート

【業務概要】

住民より回収したアンケートの内容(選択式、記述式)を EXCEL へ入力し集計結果、自由意見をレポート

へまとめる。 【業務作業の流れと RPA適用工程】

① 市民よりアンケート回収 ② アンケートの回答を EXCEL へ入力 ③ EXCEL で入力内容の集計 ④ 集計結果、自由意見をレポートにまとめる 自動化

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RPA実証実験結果報告書 7 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

② 口座振替依頼書

【業務概要】

金融機関より届いた口座振替依頼書(市役所控)について、記載内容の誤り等を確認し、口座管理システ

ムへ入力する。入力完了後、別の職員で入力内容の確認を行う。 【業務作業の流れと RPA適用工程】

② 金融機関より依頼書(市役所控)を受領 ③ 該当個人を特定し、システムへ入力 ④ 別の職員により入力内容のチェックを行う ① 住民より金融機関へ口座振替依頼書提出

自動化

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RPA実証実験結果報告書 8 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

③ 児童手当認定請求書

【業務概要】

住民より提出された認定請求書より、申請者を EXCEL入力し、認定請求書の内容を審査する。審査後、認

定請求書の内容をシステムへ入力し、入力内容の読み合わせを行う。 【業務作業の流れと RPA適用工程】

① 住民より認定請求書受領 ② 申請者情報を EXCEL へ入力 ③ 届出の内容を審査、異動日、事由等を追記 ④ 認定請求書の内容をシステムへ入力 ⑤ 入力内容の読み合わせを実施 自動化

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RPA実証実験結果報告書 9 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

(3) 読取対象書類の様式イメージ

① プレミアム商品券市民アンケート

【選択欄】

【意見記入欄】

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RPA実証実験結果報告書 10 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

② 口座振替依頼書

③ 児童手当認定請求書

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RPA実証実験結果報告書 11 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

(4) 読取対象書類の読み取り項目

① プレミアム商品券市民アンケート

【選択欄】

№ 項目名 属性 備考

1 問1 数字

2 問2 数字

3 問3 数字

4 問4 数字

5 問5 数字

6 問6 数字

7 問7 数字

8 問8 数字

9 問9 数字

10 問10 数字

11 問11 数字

12 町名 日本語

【意見記入欄】

№ 項目名 属性 備考

1 問3_記入欄 日本語

2 問4_記入欄 日本語

3 問5_記入欄 日本語

4 問7_記入欄 日本語

5 その他意見 日本語

② 口座振替依頼書

№ 項目名 属性 備考

1 契約 数字 チェックボックス

2 名義人カナ 日本語

3 名義人漢字 日本語

4 金融機関コード 数字 マス有

5 金融機関(支店) 数字 マス有

6 口座種別 数字 1、2、3から選択式 該当に○

7 口座番号 数字 マス有

8 振替開始_年度 数字

9 振替開始_期 数字

10 通知書番号1 数字 マス有

11 通知書番号2 数字 マス有

12 通知書番号3 数字 マス有

13 通知書番号4 数字 マス有

14 通知書番号5 数字 マス有

15 通知書番号6 数字 マス有

16 通知書番号7 数字 マス有

17 通知書番号8 数字 マス有

18 通知書番号9 数字 マス有

19 通知書番号10 数字 マス有

20 振替方法1 数字 前納、期別から選択式 該当に○

21 振替方法2 数字 前納、期別から選択式 該当に○

22 振替方法3 数字 前納、期別から選択式 該当に○

23 振替方法4 数字 前納、期別から選択式 該当に○

24 振替方法5 数字 前納、期別から選択式 該当に○

25 振替方法6 数字 前納、期別から選択式 該当に○

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RPA実証実験結果報告書 12 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

③ 児童手当認定請求書

№ 項目名 属性 備考

1 提出年月日 日付

2 宛名番号 数字

3 氏名 日本語

4 電話番号 数字 ハイフン付

5 年金加入状況 数字 ア~エから選択式 該当に○

6 配偶者職業 数字 ア~カから選択式 該当に○

7 金融機関コード 数字 マス有

8 支店コード 数字 マス有

9 口座番号 数字 マス有

10 口座種別 数字 普通、当座から選択式 該当に○

11 名義人カナ 日本語 マス有

12 児童氏名_1 日本語

13 児童氏名_2 日本語

14 認定番号 数字 マス有

15 受給者所得 数字

16 配偶者所得 数字

17 扶養親族及び児童の数 数字

18 老人扶養親族の数 数字

19 譲渡所得 数字 有、無から選択式 該当に○

20 雑損控除額 数字

21 医療費控除額 数字

22 掛金控除額 数字

23 障害者控除額 数字

24 学生控除額 数字

(5) 出力ファイルの仕様

① プレミアム商品券市民アンケート 【レコードレイアウト】

【選択欄】

№ 項目名 属性 備考

1 問1 数字

2 問2 数字

3 問3 数字

4 問4 数字

5 問5 数字

6 問6 数字

7 問7 数字

8 問8 数字

9 問9 数字

10 問10 数字

11 問11 数字

12 町名 日本語

【意見記入欄】

№ 項目名 属性 備考

1 問3_記入欄 日本語

2 問4_記入欄 日本語

3 問5_記入欄 日本語

4 問7_記入欄 日本語

5 その他意見 日本語

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RPA実証実験結果報告書 13 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

② 口座振替依頼書 【レコードレイアウト】

№ 項目名 属性 備考

1 契約 数字 契約に○の場合に1

2 名義人カナ 日本語

3 名義人漢字 日本語

4 金融機関コード 数字

5 金融機関(支店) 数字

6 種別_普通 数字 1に○の場合に1

7 種別_当座 数字 2に○の場合に1

8 種別_納準 数字 3に○の場合に1

9 口座番号 数字

10 振替開始_年度 数字

11 振替開始_期 数字

12 通知書番号1 数字

13 通知書番号2 数字

14 通知書番号3 数字

15 通知書番号4 数字

16 通知書番号5 数字

17 通知書番号6 数字

18 通知書番号7 数字

19 通知書番号8 数字

20 通知書番号9 数字

21 通知書番号10 数字

22 振替方法1 数字 前納に○の場合に1

23 振替方法2 数字 前納に○の場合に1

24 振替方法3 数字 前納に○の場合に1

25 振替方法4 数字 前納に○の場合に1

26 振替方法5 数字 前納に○の場合に1

27 振替方法6 数字 前納に○の場合に1

③ 児童手当認定請求書 【レコードレイアウト】

№ 項目名 属性 備考

1 提出年月日_年 数字

2 提出年月日_月 数字

3 提出年月日_日 数字

4 宛名番号 数字

5 氏名 日本語

6 電話番号 混在 ハイフン付

7 加入年金_ア 数字 アに○の場合に1

8 加入年金_イ 数字 イに○の場合に1

9 加入年金_ウ 数字 ウに○の場合に1

10 加入年金_エ 数字 エに○の場合に1

11 配偶者職業_ア 数字 アに○の場合に1

12 配偶者職業_イ 数字 イに○の場合に1

13 配偶者職業_ウ 数字 ウに○の場合に1

14 配偶者職業_エ 数字 エに○の場合に1

15 配偶者職業_オ 数字 オに○の場合に1

16 配偶者職業_カ 数字 カに○の場合に1

17 金融機関コード 数字

18 支店コード 数字

19 口座番号 数字

20 口座種別_普通 数字 普通預金に○の場合に1

21 口座種別_当座 数字 当座預金に○の場合に1

22 名義人カナ 日本語

23 児童氏名_1 日本語

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RPA実証実験結果報告書 14 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

№ 項目名 属性 備考

24 児童氏名_2 日本語

25 認定番号 数字

26 受給者所得 数字

27 配偶者所得 数字

28 扶養親族及び児童の数 数字

29 老人扶養親族の数 数字

30 譲渡所得_有 数字 有に○の場合に1

31 譲渡所得_無 数字 無に○の場合に1

32 雑損控除額 数字

33 医療費控除額 数字

34 掛金控除額 数字

35 障害者控除額 数字

36 学生控除額 数字

※出力ファイルはすべて CSV形式ファイル(区切り文字は“,”カンマ)

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RPA実証実験結果報告書 15 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

3. 実証実験の結果

(1) 業務の評価

シナリオ№ 対象業務 現状時間 想定削減時間

① こまきプレミアム商品券市民アン

ケート

80時間(年間) 75時間(年間)

【評価・課題】

アンケート用紙は数字記入欄と意見記入欄の 2パターンあり、AI-OCRの読取精度は数字記入欄が 97%、意見記

入欄が 95%と高い正読率が得られたため、今回の実証実験の結果より RPA を使用することで、アンケート集計は

完全自動化が可能であると考えられます。

アンケートの回答の転記、集計の手作業で実施している時間が、複合機等で一括PDF変換、AI-OCRへのデータ変

換指示(アップロード)、変換内容の確認、RPA の実行指示だけの時間に削減することが見込めます。

シナリオ№ 対象業務 現状時間 想定削減時間

② 口振依頼書入力作業 7,000件×2分=234時間

(年間)

185時間(年間)

※解約分及びエラーが全体の

20%と仮定した場合

【評価・課題】

今回の実証実験ではテストデータを用いるということで、契約分のみのシナリオを作成しました。

小牧市プレ環境で動作させたところ、1件 30秒程度で画面入力が完了しており、RPAの動作環境(端末のスペック

等)によって、入力時間は多少前後するが、十分に効果が期待できます。

本運用に向けては、解約分の検討、及び業務特有の注意点等を職員様、弊社業務 SE、RPA担当SEで協議する

ことにより、より精度を高めることができます。

シナリオ№ 対象業務 現状時間 想定削減時間

③ 児童手当の認定業務 システムへの入力時間

2,900件×5分=240時間

(年間)

200時間(年間)

(月に一度の入力に集約する

ことができた場合)

【評価・課題】

今回の実証実験ではテストデータを用いるということで、児童が 1 人のみのシナリオを作成しましたが、R-STAGE でも

RPA の運用が可能であることが実証実験で証明されました。

運用では届出内容の審査済みとなった分をシステムへ入力しているため、自動入力でのエラー率も低くなると想定され

ます。今回は、単純なテストデータであったため、実際の運用で認定請求書の欄外や空いている項目に記入している、

画面入力に必要な項目等の扱いや記入される様々なケースを想定し、入力欄を設け入力方法のルール化などの様

式も含めた見直し、業務 SE,職員様と協議が必要です。

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RPA実証実験結果報告書 16 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

(2) 読取速度性能の結果

口座振替依頼書について、速度性能を計測しました。

① 紙 → イメージ化(PDF形式変換)

読取枚数 読取時間 1,000枚あたり(想定時間)

100枚 73秒 730秒(約 12分)

※スキャナの性能に依存します。

② イメージ → テキスト化(PDF から文字データ化)

変換枚数 変換時間 1,000枚あたり(想定時間)

100枚 103秒 1,030秒(約 17分)

※操作端末からクラウドへのアップロード時間も含みます。

(3) 読取認識精度の結果 ※正読率…正しく文字を認識した比率

資料名 区分 項目数 エラー数 正読率 エラー率

アンケート

【選択欄】

枚数単位 100枚 22枚 78.0% 22.0%

項目単位 1,200項目 31項目 97.4% 2.6%

アンケート

【意見記入欄】

枚数単位 100枚 20枚 80.0% 20.0%

項目単位 500項目 26項目 94.8% 5.2%

文字単位 2,651文字 59文字 97.8% 2.2%

口座振替依頼書

枚数単位 100枚 8枚 92.0% 8.0%

項目単位 2,700項目 9項目 99.7% 0.3%

内)文字項目 1,700項目 9項目 99.5% 0.5%

内)文字数 3,991文字 9文字 99.8% 0.2%

内)チェック項目 1,000項目 0項目 100.0% 0%

児童手当認定請求書

枚数単位 100枚 37枚 63.0% 37.0%

項目単位 3,600項目 52項目 98.6% 1.4%

内)文字項目 2,200項目 44項目 98.0% 2.0%

内)文字数 6,109文字 52文字 99.1% 0.9%

内)チェック項目 1,400項目 8項目 99.4% 0.6%

※ アンケート(選択欄)、口座振替依頼書(チェック項目)、児童手当認定請求書(チェック項目)については、1項目 1文字のため文字数での正読率は項目単位と同じになります。

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RPA実証実験結果報告書 17 TOTEC AMENITY LIMITED 2019

(4) 読み取り結果の具体例

(小牧市様事例)

① 誤読の代表的なパターン

誤読パターン:「ン」を「ニ」と誤読。 また姓と名が結合されてしまう。

⇒ 対応策:姓と名を別項目とする。(様式見直し)

誤読パターン:書き手の字体によっては誤読する。

⇒ 対応策:AI が学習することで精度は高まる。

【参考】読み取り結果の具体例(他団体様事例)

① 正読例

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② 画像編集例

画像補正機能により、「赤色を読み取らない」と設定すると印鑑等が重なっていても読み取ることができます。

③ 誤読の代表的なパターン

誤読パターン:郵便記号を読み取ってしまう。

⇒ 対応策:郵便記号の領域を読み取らないよう設定。または郵便記号をデータ加工し除去。

(設定変更・データ加工)

誤読パターン:隣の項目の読取領域にかかる。

⇒ 対応策:項目間を広くするか、○やレ点チェックを無くし、番号記入形式に変更する。(様式見直し)

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誤読パターン:縦線を「1」と誤読。

⇒ 対応策:縦線の廃止や線の高さを調整等。(様式見直し)

(5) 入力速度の結果

シナリオ№ データ件数 入力時間 100件あたり(想定時間)

① 1件 約 10秒 1,000秒(約 17分)

② 1件 約 30秒 3,000秒(約 50分)

③ 1件 約 70秒 7,000秒(約 117分)

※①は EXCEL への入力であるため、端末の性能に依存します。

※想定時間は、自動入力処理の実行時間の想定であるため、職員が拘束される時間ではありません。

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4. まとめ

(1) 総評

AI-OCR の検証では、項目単位の正常読取率が90%超えるスコアがでたことから、現在がすべて手入力

運用であれば、かなりの時間短縮ができると思われます。しかし、100%で読み取ることは現段階では不可能

であり、読取補正の運用が必須であることから、完全自動化にはまだまだほど遠いという印象です。

しかし、エラー内容を分析すると様式の見直しを実施し、書き方の個人差(ゆれ)を少なくすることによって劇

的に改善するものと思われる項目も多くあるため改善の余地はあると思います。優れた AI エンジンを実装してお

り学習機能による読取率の改善も期待できるが、利用者側の積極的な改善対策が成功のカギになります。

RPA の検証では、3 つの異なるアプリケーション(MS-Excel、G-coas、R-STAGE)の検証を行いました。

いずれも RPA を導入することで業務の効率化が期待できます。また、入力対象システムがシンプルであるほど、

RPA のシナリオが簡素化され効率が上がることが想定されます。

RPA のシナリオ作成には、業務の運用方法及びアプリケーションの特徴を考慮する必要があり、職員様、業務

担当 SE、RPA 担当 SE、3者での協議が不可欠です。より精度が高く、かつシンプルなシナリオ作成のために、

実証実験を通じて感じた改善項目とその改善内容を以下にまとめましたので、積極的かつ継続的な改善対策

を実施できることを期待します。

(2) AI-OCR・RPA の課題と改善点

№ 改善項目 改 善 内 容

1 帳票様式の見直し ・氏名記入欄を姓と名の項目に分ける

・口座振替申請書について、種目毎に振替開始日の項目を設ける

・選択式の項目は、該当を○で囲む方式から選択番号を記入する方式へ

変更する

・日付記入欄は、年、月、日の項目を分ける

・AI-OCR による誤読を抑えるため、記入項目は大きめにする

・住所記入欄を郵便番号、住所、方書の項目に分ける

・現在余白に記入している読取り、入力が必要な項目は、職員様による記

入項目欄を設る

・複合機等で連続して PDF化するために用紙の強度を上げる

2 事務フローの見直し ・一度の実行でより多くの件数を対象とする(申請分の入力サイクルの見

直しなど)

3 選定業務の見直し ・RPA のシナリオが複雑化しないよう自動入力先のシステムがシンプルな業

務を選択する

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№ 改善項目 改 善 内 容

4 導入形態 ・すべてに対してデータ化、自動入力一式を適用対象とするのではなく、

AI-OCR、RPA の特性を理解し、導入範囲を検討する。

例)

・ AI-OCR で紙媒体をデータ化し、その後は EXCEL での作業とする。

・ AI-OCR で紙媒体をデータ化し、既存システムでのバッチ処理の入力

データとして使用する。

・ 外部より提供されるデータを使用して、RPA のシナリオを実行し、既存

システムへ自動入力を実行する。

(3) 適用業務拡大に向けての提言

№ 項 目 提 言 内 容

1 人材育成 【技術者育成】

・AI-OCR、RPA共に専門的なプログラミング知識を必要としないので、職

員で読取りや自動入力の設定、修正を行う体制を職員で確保すること

で対象業務を拡大することが見込めます。

【適用業務選別者育成】

・実際の AI-OCR、RPAの動作を複数パターン確認することで、実施にあ

たり適している業務を判断することができるようになります。

2 導入後の保守と作業分担 【保守が必要となる事例】

・RPA で自動入力するシステムの大規模改修時(画面構成が著しく変

更される場合等)

【保守業者との作業分担】

・役所内で技術者を育成することで、通常の保守は保守業者を必要とし

ない

・技術的な不明点等は保守業者より助言を行う

3 システム形態 【適用方式にあったシステム形態の選定】

・RPA の特性を理解し、より RPA を活用し易いシステムを選定する

(画面遷移が少ない、操作がシンプル等)

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№ 項 目 提 言 内 容

4 集中管理 【適用方式にあったシステム形態の選定】

・RPAのシナリオの管理部署を設け、同一シナリオを使用する担当課間で

シナリオの内容が異ならないように管理する。

・同じ内容のシナリオが複数存在したり、シナリオの流用による新規作成

作業の作成時間の圧縮を図る。