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グローバルな連携の下、 SAP に特化された レッドハットLinux OS RHEL for SAP 富士通のプラットフォームが、 今、全体最適化を高度に加速する。 3社のアライアンスでベストなソリューションを提供 全体最適化時代の SAP プラットフォーム 富士通株式会社 レッドハット株式会社 SAP ジャパン株式会社 "Red Hat""Red Hat Enterprise Linux""JBoss"および"Shadow Man"ロゴは、米国およびその他の国におけるRed Hat, Inc.の登録商標です。 Linuxは、 Linus Torvalds氏の登録商標です。 SAPSAPロゴ、 mySAPSAP NetWeaverおよびその他のSAP製品は、ドイツおよびその他の国におけるSAP AGの登録商標または商標です。 その他、記載されている会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。 TC0012 20119Red Hat Enterprise Linux for SAP Applications 富士通株式会社 富士通SAPコンピテンスセンター 105-6125 東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービル TEL 03-5401-7006 jp.fujitsu.com/solutions/sap/ レッドハット株式会社 150-0013 東京都渋谷区恵比寿4-1-18 恵比寿ネオナート TEL 03-5798-8500 (代表) www.jp.redhat.com SAP ジャパン株式会社 100-0004 東京都千代田区大手町1-7-2 東京サンケイビル TEL 03-3273-3333 (代表) www.sap.com/japan/

SAPプラットフォーム これからのSAPソリューショ …jp.fujitsu.com/solutions/sap/brochures/pdf/RHELforSAP.pdf富士通、レッドハット、SAPのアライアンス体制化に取り組んでいますが、

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全体最適化のポイント、それはロックインからの解放と仮想化も含めたスケーラビリティ

Webサービスからミッションクリティカルなシステムまで、

Linuxを採用してICTの標準化を行う企業が増えている

全体最適化において、基幹業務も聖域ではなくなっている時代。これからのSAPソリューションのあり方とは?

アライアンスを超えたコラボレーションへ。富士通とレッドハット、SAPがお客様のビジネスをさらに加速。

メインフレームクラスの信頼性、スケーラブルで安定した仮想環境を実現したRHEL 6がSAPに最適化されて登場。

SAPのプラットフォームでもLinuxの導入が増加。富士通もRed Hat Enterprise Linuxを採用

メインフレームクラスの信頼性、次世代の仮想化を実現した

Red Hat Enterprise Linux 6

3社の強固なアライアンスの下、実証済のパフォーマンスを

すぐに導入できるRHEL for SAP

富士通、レッドハット、SAPのアライアンスを強化し、お客様にさらなる付加価値を提供

RHEL for SAPの仮想化機能はSAPユーザーにとって朗報

グローバルな連携の下、SAPに特化されたレッドハットのLinux OS「RHEL for SAP」と富士通のプラットフォームが、今、全体最適化を高度に加速する。

3社のアライアンスでベストなソリューションを提供

全体最適化時代のSAPプラットフォーム

富士通株式会社

レッドハット株式会社

SAPジャパン株式会社

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◎"Red Hat"、"Red Hat Enterprise Linux"、"JBoss"および"Shadow Man"ロゴは、米国およびその他の国におけるRed Hat, Inc.の登録商標です。Linuxは、Linus Torvalds氏の登録商標です。◎SAP、SAPロゴ、mySAP、SAP NetWeaverおよびその他のSAP製品は、ドイツおよびその他の国におけるSAP AGの登録商標または商標です。◎その他、記載されている会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。 TC0012 2011年9月

Red Hat Enterprise Linux for SAP Applications

富士通株式会社富士通―SAPコンピテンスセンター〒105-6125 東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービルTEL:03-5401-7006 jp.fujitsu.com/solutions/sap/

レッドハット株式会社〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4-1-18 恵比寿ネオナートTEL:03-5798-8500(代表) www.jp.redhat.com

SAPジャパン株式会社〒100-0004 東京都千代田区大手町1-7-2 東京サンケイビルTEL:03-3273-3333(代表) www.sap.com/japan/

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■ 富士通、レッドハット、SAPのアライアンス体制 ■

 企業のICT部門は一方では予算を抑制され、他方では新たなビジネスの実現、効率化のためのシステム導入が求められています。過去から現在までを振り返るとICT分野はテクノロジーの進歩が速く、そのときどきで業務部門の要求に応えるベストなソリューションを選択した結果、さまざまなOSやデバイスが混在しています。その課題を解決するために多くの企業が全体最適化に取り組んでいますが、各部門が慣れ親しんだシステムや ICT資産の償却期間の問題などから根本的な見直しを先送りにしているケースもあります。特に企業の根幹となる基幹業務システムにおいては、その傾向が顕著です。 しかし仮想化やクラウドが登場し、前述のような課題も解決されはじめています。仮想化を上手に活用すれば、既存の ICT資産をムダにすることなく全体最適化を行え

るからです。 とはいえ、仮想化やクラウドにも落とし穴があります。それは現状で標準のテクノロジー(相互互換性)が確立されていないがゆえ、仮想化やクラウドを構築するにあたりベンダー固有の技術が利用され、将来的に別のシステムに移行しようとした際、妨げになるケースがあることです。そもそも全体最適化のポイントは、個別最適化により異なるハードウェアやアプリケーションが混在してきた過程で特定のベンダーに依存せざるを得なかったロックイン状態から解放されることにあります。それをクリアすれば、ICT調達の選択肢を増やし、導入選定のイニシアティブをユーザーサイドに取り戻せるのです。もちろん、既存のハードウェアリソースの最適活用を考えると、仮想化やクラウドも重要となります。さらに、すべてのICTインフラを一度に仮想化、クラウド化するのは困難なことから、物理環境と仮想環境が混在するインフラを容易に管理するテクノロジーやソリューション、サービスも必要となります。

 ベンダーロックインからの解放、そして相互互換性が明確になっていない中で仮想化やクラウドを導入し、将来の拡張性や柔軟性を維持しながら全体最適化を行うためにどうすれば良いのでしょうか?それを紐解く鍵はオープンソースソフトウェア(OSS)にあります。OSSならベンダーだけでなくSIer、企業の ICT部門、各種研究機関、学生にいたるまで幅広い人がプログラムのソースを閲覧でき、開発に参加可能です。つまり、将来の変化に対してユーザーが自力で、そして必要に応じてパートナーの力を借りながら対応できるのです。 実際に従来はWeb系のシステムという印象が強かったLinux OSをミッションクリティカルなシステムにも適用し、ICTの標準プラットフォームとして採用する企業が増えていると言います。パートナーとの協業を通

じ、サービスを止めることが許されない企業を担当しているレッドハット株式会社

OEM営業本部 部長 宮原 範征氏は最近の傾向について次のように語ります。 「ミッションクリティカルな分野において、かつてはメインフレームからUNIXへマイグレーションをする企業が多かったと思いますが、IAサーバーの性能の向上にともない、メインフレームからLinux、UNIXからLinuxへとマイグレーションしたいというお客様が増えていて、実績も上がっています。同時にLinuxで全社的な共通基盤を構築し、その上で基幹業務から部門業務、顧客向けサービスのシステムを導入・運用しているお客様も数多くいらっしゃいます。例えば、当社にはLinuxとOSSの導入において顕著な成果を上げられた企業を表彰するワールドワイドなアワードがあるのですが、2011年は日本の某製造業様が受賞されました。これは、当社のRed Hat Enterprise

Linux(RHEL)を核としてOSSなどを活用したエンタープライズ標準を定め、プライベートクラウドでコスト削減とICTの効率化を実

現した事が評価されたものです。また、某物流企業グループでも、OSSを共通基盤として導入することでハードウェア調達コストを1/6、ソフトウェア調達コストを1/9にまで削減できたとお聞きしています。もちろん、基幹システムには従来のメインフレームと変わらない信頼性やパフォーマンスが求められ、そこに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。しかし当社のRHELとIAサーバーの組み合わせは既に世界の26

の主要証券取引所で採用されています。世界経済を動かすバックボーンに採用されているという事実が、あらゆる企業のミッションクリティカルなシステムを支えるに足る信頼性を示していると思います」。

 では、基幹業務システムにおけるLinux

の導入状況はどうなのでしょうか? SAP

ジャパン株式会社 PDMSハードウェア&OSコンピテンス・センター Co-Innovation

Lab Tokyo(共同研究開発センター)SAPリサーチ ディレクター 渡邊 周二氏にお聞きしました。 「SAPのシステムにおいてもLinuxの導入実績は豊富です。データベースの運用で1

万台、さらにアプリケーションのみを運用し

ているケースが1万台(ともにサーバー導入実績)。リーマンショック以降は、さらにその傾向が強くなっています」。 富士通ではSAPジャパン、レッドハット、それぞれとアライアンスを組んでおり、双方のソリューションを数多く手がけた実績を誇っています。さらに自社のSAPプラットフォームにRHELを採用していると言います。SAP関連のシステムにおいて最先端の技術開発・検証を行う富士通 -SAPコンピテンスセンター SAP認定テクノロジコンサルタント 河原 哲也氏は、次のように語ります。 「自社の基幹業務システムにSAP製品を選んだこと、さらにそのプラットフォームにRHELを採用したのは、さまざまな検討をした上でベストプラクティスを選んだ結果です。一方で当社はSAP、レッドハットとグローバルなアライアンスを組んでいます。実際に当社がその組み合わせを選択し、企画、構築、運用、拡張というサイクルにおいて、自社で経験とノウハウを積み上げているという事実は、今後より多くのお客様にベストなソリューションを提供していく上で、大きな強みになると思います」。 また、さらに全体最適化という面でも大きなメリットがあると言います。 「SAPのシステムだけにクローズしてしまえばプラットフォームはさほど重要ではないかも知れません。しかし全体最適化を行う中で、どうすればコストダウンできるの

すべての企業のICT部門において、コストダウンをしながら、利益の向上に貢献する事が求められています。そのためには、ビジネスの要求に対して

ICTソリューションを迅速に展開・整備できるよう全体最適化が不可欠となります。一方で基幹業務システムに目を向けると、信頼性の問題やシステム移行にともなう負担などを考慮し、手つかずになりがちでした。しかし、基幹業務システムは多くの予算が必要なことはもちろん、今や基幹業務だけにクローズしたものではなく、すべての社内ユーザーや顧客が日々利用するフロントエンドシステムなどと連携してあらゆる情報を見える化し、意志決定のスピードを上げる役割を担わなければなりません。 では具体的にどう組み込むべきなのでしょうか?今回は基幹業務パッケージのマーケットをリードするSAPジャパン株式会社、プラットフォームOSを提供するレッドハット株式会社、基幹 IAサーバー「PRIMEQUEST」などのハードウェアからシステム構築までをトータルに手がける富士通株式会社のスペシャリストが一堂に会し、これからのあるべき姿を探ります。3社は相互に強固なアライアンスを結んでおり、数々のプロジェクトを成功させた実績があります。

全体最適化のポイント、全体最適化のポイント、それはロックインからの解放とそれはロックインからの解放と仮想化も含めたスケーラビリティ仮想化も含めたスケーラビリティ

WebWebサービスからミッションサービスからミッションクリティカルなシステムまで、クリティカルなシステムまで、

LinuxLinuxを採用しを採用してICTてICTの標準化をの標準化を行う企業が増えている行う企業が増えている

全体最適化において全体最適化において、基幹業基幹業務も聖域ではなくなっている時代。聖域ではなくなっている時代。これからこれからのSASAPソリソリューションのあり方とは?ーションのあり方とは?

アライアンスを超えたコラボレーションへ。富士通とレッドハット、SAPがお客様のビジネスをさらに加速。

メインフレームクラスの信頼性、スケーラブルで安定した仮想環境を実現したRHEL 6がSAPに最適化されて登場。

SAPSAPのプラットフォームでものプラットフォームでもLinuxLinuxの導入が増加。富士通もの導入が増加。富士通もRed Hat Enterprise Linuxを採Red Hat Enterprise Linuxを採用

メインフレームクラスの信頼性、次世代の仮想化を実現した

Red Hat Enterprise Linux 6

3社の強固なアライアンスの下、実証済のパフォーマンスを

すぐに導入できるRHEL for SAP

富士通、レッドハット、SAPのアライアンスを強化し、お客様にさらなる付加価値を提供

RHEL for SAPの仮想化機能はSAPユーザーにとって朗報

全体最適化時代のSAPプラットフォーム

2 3

SAP Global Technology/ Services/ Hosting Partnership

・日本企業で唯一、3つのグローバルパートナー契約を締結・世界3拠点(EMEA、米州、APAC)に

SAPコンピテンスセンターを開設

Global OEM Partnership・Linuxの開発、サポート協業・レッドハットに富士通エンジニアが常駐

Global Technology Partnership・サポートシステムを連携・ドイツSAP Linux Labにて技術的協業・PaloAltoの技術開発グループとの協業

・ ・

・ ・

SAP Red Hat

FUJITSU

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か、ベンダーロックインから逃れられるのかということを考え、オープンなLinuxを選択されるお客様も増えています」(河原氏)。 また渡邊氏は、SAPのプラットフォームにLinuxを導入する日本企業のほとんどがレッドハットを選択していると証言します。 「日本のお客様のほとんどはLinuxと言うとレッドハットを選んでいます。それはエンタープライズレベルでの信頼性が認知されているからだと思います」。 実際、Linuxでのトラブル発生率の低さは、今やUNIXと肩を並べるか、それを逆転する勢いになっており、信頼性が格段に向

上していると言います。 さらに今回取り上げる R e d H a t

Enterprise Linux 6(RHEL 6)をベースとしたRed Hat Enterprise Linux for SAP

Applications(RHEL for SAP)では、仮想環境も踏まえたスケーラビリティ(拡張性)、アベイラビリティ(可用性)がこれまで以上に進化しています。

 レッドハットの創立以来、コミュニティやパートナーの協力の下で常に進化してきたRHELは、Linuxのマーケットリーダーとしてエンタープライズレベルで活用できる最高峰のOSとして多くの企業の信頼に応えてきました。そして、2010年11月に発表されたRHEL 6では、最大で4096CPU、64TBのメモリー、100TBのストレージに対応し、また、RAS(Reliability、Availability、Serviceability)に関する機能の増強を行い、メインフレームクラスの信頼性を実現したのです。 ミッションクリティカルなシステムでのRHEL 6の有効性をレッドハット株式会社

グローバルサービス本部 プラットフォーム

ソリューショングループ ソリューションアーキテクト 平 初氏は次のように説明します。 「CPU数やストレージ容量など IAサーバーが持つポテンシャルを最大限に引き出すことはもちろんですが、ミッションクリティカルなシステムで利用する場合に求められるオンラインでのCPU、メモリーリソースの追加等がRHEL 6では実装されています。これにより一時的に特定のアプリケーションサーバーに負荷がかかった場合でも、迅速に対応できます。また万が一、障害が起こった場合でもシステム全体を停止することなく、障害が起こった箇所のみをオンラインで切り離すことができるので、システムの稼働率を向上させるとともに、システム管理者の負担も軽減できます」。

 また、RHELではカーネルレベルで仮想環境を実現するKVM〈=Kernel-based

Virtual Machine〉を標準で搭載しており、仮想環境でのサポートCPU数、メモリー容量なども業界トップクラス。OSの一部として組み込まれていることでパフォーマンスに優れていることはもちろん、物理環境と仮想環境の混在にも強いというメリットがあります。また仮想環境はリソースの有効活用に着目されがちですが、仮想マシンをテンプレート化して必要に応じてコピー展開することも可能で、サーバーの調達やOS、アプリケーションのセットアップなど、システムの展開のためにかかっていた時間を大幅に短縮できます。 平氏はさらに続けます。 「当社では物理サーバー環境上のRHEL

で稼働するアプリケーションが、仮想環境でも同様に稼働することを保証しています。

また、OSのコアであるカーネルベースで仮想環境を実現していることもあり、例えばデータベースは物理環境で、アプリケーションは仮想環境でという運用も可能になります。つまりWebサービスからミッションクリティカルな基盤まで企業のみなさまのニーズに応じたシステム基盤の構築や段階的移行に柔軟に対応できます。今回、SAPに最適化されたRHEL for SAPが登場したこともあり、フロントエンドから基幹業務まで、より幅広い ICT基盤としてRHELが選ばれるだろうと自負しています」。

 UNIXなどでSAPを稼働させているSAP

ユーザーがリプレイスを躊躇する理由は「現在、使っているアプリケーションが問題なく動くか?」という不安にあるでしょう。 RHEL for SAPはそんな不安を払拭するSAP認定のプラットフォームです。SAPに必要なJava開発環境、レガシーなSAPロケー

ルに加え、仮想環境でのSAPアプリケーションと連携するモジュールや、クラスタのSAP監視スクリプトを実装し、標準でSAPのフェイルオーバー機能に対応。まさに全体最適化の中でSAPを活用するにふさわしいプラットフォームとなったのです。 しかも今回のリリースに当たっては、富士通、レッドハット、SAP、3社の強固なアライアンスの下で実環境に即した検証が行われており、その優位性が実証されています。 その内容は大きく3つに大別され、インストール、クラスタ環境の構築・検証、仮想化機能の検証が行われました。河原氏はその目的と結果について次のように語ります。 「SAP ERPのように企業の基幹業務を担うミッションクリティカルなシステムでは、決して失うことが許されない重要な情報を扱うため、クラスタリング構成(図1)により高可用性を実現することが不可欠となります。しかもCRMやBIなどと連携させるなど、ニーズに応じて巨大化しつつある現在ではさらに重要となります。今回の検証においては最適なパラメーターの設定などの構築手順、意図しない障害への対応など、必要な項目をすべてテストしていますが、UNIX

やメインフレームから移行しても問題ない数値を得られました。 次に仮想化機能のパフォーマンスをテストしました。これは今後ニーズの拡大が予想されるプライベートクラウド構築などを

考えても重要となる指標です。特に仮想化やプライベートクラウドのメリットは、リソースの有効活用というだけでなくICTの迅速な展開という意味でも有利となります。例えば、予め仮想マシンのマスターになるテンプレートを作成しておき、それをコピーして展開すれば、今までサーバーの調達やシステムの展開のためにかかっていた時間を大幅に短縮できます。RHEL 6ではウイザードに従うだけでこうした作業〈=プロビジョニング〉(図2)を実行でき、複数のクローンを作成できるのですが、SAP環境でもそれが問題なく活用できることが確認できました。またバックアップのため、容易にシステムの状態を保存できるスナップショット機能(図3)もあります。これにより、万が一、仮

全体最適化のポイント、それはロックインからの解放と仮想化も含めたスケーラビリティ

Webサービスからミッションクリティカルなシステムまで、

Linuxを採用してICTの標準化を行う企業が増えている

全体最適化において、基幹業務も聖域ではなくなっている時代。これからのSAPソリューションのあり方とは?

アライアンスを超えたコラボレーションへ。富士通とレッドハット、SAPがお客様のビジネスをさらに加速。

メインフレームクラスの信メインフレームクラスの信頼性、スケーラブルで安定した性、スケーラブルで安定した仮想環境を実現し仮想環境を実現したRHEたRHEL L 6がSAP6がSAPに最適化されて登場。に最適化されて登場。

SAPのプラットフォームでもLinuxの導入が増加。富士通もRed Hat Enterprise Linuxを採用

メインフレームクラスの信頼性、メインフレームクラスの信頼性、次世代の仮想化を実現した次世代の仮想化を実現した

Red Hat Enterprise Linux 6Red Hat Enterprise Linux 6

3社の強固な社の強固なアライアンスの下、アライアンスの下、実証済のパフォーマンスを実証済のパフォーマンスを

すぐに導すぐに導入できできるRHEL for SAPRHEL for SAP

富士通、レッドハット、SAPのアライアンスを強化し、お客様にさらなる付加価値を提供

RHEL for SAPの仮想化機能はSAPユーザーにとって朗報

全体最適化時代のSAPプラットフォーム

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宮原 範征 氏 Noriyuki Miyahara

レッドハット株式会社OEM営業本部部長

河原 哲也 氏富士通株式会社富士通-SAPコンピテンスセンターSAP認定テクノロジコンサルタント

Tetsuya Kawahara

図2 仮想マシンのテンプレートからコピーして展開するプロビジョニング機能

図3 容易な手順でシステムの状態を保存し、万一の状態に備えることができるスナップショット機能

図4 システムを止めることなく、別の物理サーバーへ仮想マシンを移動できるライブ・マイグレーション

図1 RHEL for SAPのクラスタリング構成例

SAP Primary Application Server

SAP Enqueue Replication Server

SAP Central Services・ メッセージサーバー ・ エンキューサーバー

RDBMS

RHEL High Availability Add-On・ cman,rgmanager,ricci

SAP Primary Application Server

SAP Enqueue Replication Server

SAP Central Services・ メッセージサーバー ・ エンキューサーバー

RDBMS

RHEL High Availability Add-On・ cman,rgmanager,ricci

High Availability NFSサーバー

基幹IAサーバー

ストレージシステム

フェイルオーバー

サービスネットワークハートビートネットワーク管理ネットワーク

フェイルオーバー

フェイルオーバー

クラスタサービス

ハイパーバイザー ハイパーバイザー

ストレージ

サーバー

ゲスト

中断せずにライブ・マイグレーション

1時間前

仮想ディスク

仮想マシン

1日前1週間前仮想マシンのイメージ

仮想マシンのテンプレート

開発機 B開発機 A 開発機 C

テンプレート作成

テンプレートによる仮想マシン作成(クローン)

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想マシンのアップグレードや構成変更に失敗しても、従来の環境へと瞬時に戻すことができるので、システム管理者にとって有効な機能となります。さらに、ライブ・マイグレーション機能(図4)を活用すれば、物理サーバー上で稼働している仮想マシンを止めることなく、別の物理サーバーへと移動することができるので、仮想環境により多くのリソースが必要となったり、物理サーバーの老朽化にともなうリプレイスが必要になった場合でもダウンタイムをなくすことができます。もちろん、これらもSAP環境で活用できることが検証されています」。 自らがRHELをプラットフォームにSAPを運用している富士通が、製品のリリース前から実環境に即した検証に取り組み、信頼性やパフォーマンスが実証されているという事実は、SAPプラットフォーム刷新のきっかけになるのではないでしょうか。

 今回、富士通、レッドハット、SAPが共同で行ったRHEL for SAPにおける検証の取り組みは、日本はもちろん海外から見ても初め

ての事が多く、日本からドイツのSAP Linux

Labに常駐する開発者に対してフィードバックを行い、改善された点もあると言います。 平氏はその経緯を次のように振り返ります。 「今回の検証に当たっては、今まで経験したことのない状況に直面したと言って良いかもしれません。製品のリリース前から検証を行なったため、ドイツの技術者でも、まだ検証できていない部分もありました。しかし、河原様をはじめとする富士通のスタッフのみなさんと一緒にソースコードを読み解いて海外の開発スタッフにフィードバックし、さらに製品の完成度をあげることができました。これはオープンソースだからこそ成し得た出来事だと思います。俗にプロプライエタリと呼ばれる商用ソフトウェアの場合、ベンダーがソースの権利を占有しているので第三者に公開することはできず、より多くの工数と時間を必要としたはずです。オープンソースと3社のグローバルなアライアンスを活かした今回のプロジェクトにより、新しいRHEL for SAPは1stリリースからいつでもお客様に安心して活用いただけます」。  また、富士通とレッドハットのアライアンスによる取り組みは今回のRHEL for SAPに限りません。河原氏は次のように語ります。 「私はSAP専門のチームに属していますが、レッドハットとのアライアンスに関しては別のチームも関わっています。実際にOS

の日本語環境に関してカーネルレベルから検証・開発に寄与した実績があり、海外のレッドハットの拠点にも数多くの富士通の技術者が常駐しています。そのアライアンスはグローバルレベルです。国内でもミッションクリティカルな分野での実績が上がっており、東証のアローヘッドや法務省の登記情報システムなどにも導入されています」。 富士通、レッドハットともSAPと技術レベルでアライアンスを組んでおり、お客様は3

社のパートナーシップの下でさまざまなメ

リットを享受できます。特に富士通においては、日本企業で唯一、独SAP本社とテクノロジー、サービス、ホスティングの3つの分野でグローバールパートナー契約を締結しており、また、SAPパートナーサポートセンター認定制度において、日本で最初のパートナーとして認定されたと言います。しかも、独SAP本社では、富士通からサーバー3,000

台以上とクライアント8,000台以上を導入し、次世代SAPの開発を行っているのです。 もともと、長期かつ強固なアライアンスで結ばれていた3社(図5)。今回、RHEL for

SAPの検証プロジェクトをきっかけに、その絆は一層深くなったと言います。宮原氏はそれを次のように語ります。 「今回、3社によるRHEL for SAPへの取り組みをきっかけに、サポート面においてもさらに緊密になり、万が一の際、OSレベルでの問題はレッドハット、アプリケーションはSAP、プラットフォームは富士通といったように、明確な切り分けができるようになりました。もちろん、切り分けと言っても3社が密に連携していることで、お客様はスペシャリストのサポートを迅速に受けることができるのです」。 また河原氏は技術者の立場から次のようにメッセージします。 「経験上、日本のお客様はSAP製品をそのまま導入するのではなく、日本の商習慣にあわせてカスタマイズされるケースが多いです。その中でSAP、Linuxともに豊富な導入実績を誇る私ども富士通の提案力を組み合わせれば、RHEL for SAPの力を最大限に活用していただけると思っています。今後も3社アライアンスと個々のソリューションで、お客様に価値を提供していきます。また当社は、SAPの導入・リプレイスなどについてビジネス課題からシステム課題まで、幅広い視点でお客様のご要望に応えるソリューションメニューを揃えています。それを入口に、まずお気軽にご相談ください」。

 「レッドハットとしましては、最大限に富士通、SAPとのアライアンスをさらに強固にし、コラボレーションと言えるレベルに高め、より満足度の高いソリューションとサービスを提供していきたいと思います」(宮原氏)。

 最後に渡邊氏は、今後のLinuxそしてRHEL for SAPへの期待について次のように語ります。 「先にお話しした通り、リーマンショック以降、Linuxを採用する企業が増えています。実績という点でも、データベースで1万台、アプリケーションのみで1万台に上っているという紛れもない事実があります。 とはいえ、私どもがLinuxに注力したのはここ最近の話ではありません。実際にSAPはミッションクリティカルな分野で初めてLinuxをサポートした企業です。研究機関であるSAP Linux Labやパートナーやカスタマーと共同で技術開発・検証を行う

Co-Innovation Lab、そして旧来からのコンピテンス・センターなどを通して、今後も継続してOSSの分野に取り組んでいきます。 RHEL for SAPについては今回のリリース前からの検証により、エンタープライズ環境に不可欠な信頼性はもちろんですが、仮想化環境の有用性も実証されました。SAP

のシステムを構築されている場合、ERPはもちろん、ポータルやEAIなどさまざまなコンポーネントの導入が戦略的に重要になっています。 また、 富士通やレッドハットとのアライアンスもグローバルに及ぶもので、今後も両社との関係もますます強化されていくと思います。RHEL for SAPにおいては、特に仮想化機能に期待しています。なぜなら近年においてCPUパフォーマンスが著しく向上したため、SAPの導入企業においても仮想化を活用し、サーバーの集約・統合をするケースが増えているからです。KVMでサポートされるCPU数の多さなどを考えるとSAPユーザーにとっても朗報だと思います。今後も富士通、レッドハットとCo-Innovation Labで

検証を行い、日本でのLinux、SAPビジネスの拡大を共同で進めていきます」。 今回の話にあるように富士通、レッドハット、SAPはそれぞれのプロダクトやサービスのアップデートにともない、必要に応じてアライアンスの見直しを行ってきました。企業のニーズが多様化する中、3社は今後も連携を強化し、常に最適なソリューションを提供し続けていきます。

全体最適化のポイント、それはロックインからの解放と仮想化も含めたスケーラビリティ

Webサービスからミッションクリティカルなシステムまで、

Linuxを採用してICTの標準化を行う企業が増えている

全体最適化において、基幹業務も聖域ではなくなっている時代。これからのSAPソリューションのあり方とは?

アライアンスを超えアライアンスを超えたコラボレーションへ。コラボレーションへ。富士通とレッドハット、SAPが富士通とレッドハット、SAPがお客様のビジネスをさらに加速。客様のビジネスをさらに加速。

メインフレームクラスの信頼性、スケーラブルで安定した仮想環境を実現したRHEL 6がSAPに最適化されて登場。

SAPのプラットフォームでもLinuxの導入が増加。富士通もRed Hat Enterprise Linuxを採用

メインフレームクラスの信頼性、次世代の仮想化を実現した

Red Hat Enterprise Linux 6

3社の強固なアライアンスの下、実証済のパフォーマンスを

すぐに導入できるRHEL for SAP

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1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

渡邊 周二 氏 Shuuji Watanabe

SAPジャパン株式会社PDMSハードウェア&OSコンピテンス・センターCo-Innovation Lab Tokyo(共同研究開発センター)SAPリサーチ ディレクター

平 初 氏レッドハット株式会社グローバルサービス本部プラットフォームソリューショングループソリューションアーキテクト

Hajime Taira

図5 富士通、レッドハット、SAP、協業の歩み

富士通-

レッドハット

レッドハット-

SAP

SAP-

富士通

1996年4月富士通がSAPジャパンとプラットフォーム・パートナー契約締結「富士通-SAPコンピテンスセンター」(東京)設立

2000年12月富士通が独SAP本社とグローバル・テクノロジー・パートナー契約締結

2006年 富士通が独SAP本社とグローバル・サービス・パートナー契約締結

2007年 富士通が独SAP本社とグローバル・ホスティングパートナー契約締結

1999年レッドハットがSAPと共同でSAP Linux Labを設立

2008年12月 SAPジャパンがSAPチャネルパートナー向けにサポートセンター認定制度を導入富士通が日本で最初のSAP認定サポートセンターに

2009年レッドハットが「Red Hat Enterprise Linuxfor SAP Applications」を発表

2003年5月富士通とレッドハットがグローバルな戦略的提携を開始

2004年レッドハットがSAPとグローバル・テクノロジー・パートナー契約締結

2008年11月富士通とレッドハットが基幹業務システム向けサポートサービスを提供開始

2011年1月富士通とレッドハットの提携をクラウドソリューションにまで拡大

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