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一般財団法人化学物質評価研究機構 SDSとGHS <混合物のGHS分類とSDS作成ノウハウ> 1 2016.6.2(大阪) 2016.6.9(東京)

SDSとGHS 混合物のGHS分類とSDS作成ノウハウ...2SDS作成例と実際の作成ノウハウ 3最新動向(国連GHS改訂・安衛法・ 毒劇法) 2 ©2016 CERI,Japan

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  • 一般財団法人化学物質評価研究機構

    SDSとGHS

    1

    2016.6.2(大阪)2016.6.9(東京)

  • ©2016 CERI,Japan

    本日の内容

    1 混合物のGHS分類

    2 SDS作成例と実際の作成ノウハウ

    3 最新動向(国連GHS改訂・安衛法・毒劇法)

    2

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    1 混合物のGHS分類

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    国連GHS文書とJIS、ガイダンスの関係

    ※1 政府向けGHS分類ガイダンス 平成25年度改訂版(Ver.1.1)http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/files/ghs/h25ver1.1jgov.pdf

    ※2 事業者向けGHS分類ガイダンス 平成25年度改訂版(Ver.1.1)http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/files/ghs/h25ver1.1jenter.pdf

    ※3 GHS混合物分類判定システム(平成25年度版)http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_auto_classification_tool_ver4.html

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    SDS 三法(安衛法、化管法、毒劇法)

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    事業者向けGHS分類ガイダンス

    クリックしてPDF版をダウンロード!

    http://www.meti.go.jp/policy/c

    hemical_management/int/files

    /ghs/h25ver1.1jenter.pdf

    5

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    事業者向けGHS分類ガイダンスの構成

    第1部:序

    第2部 :物理化学的危険性ガイダンス

    第3部:健康有害性分類ガイダンス

    第4部:環境有害性分類ガイダンス

    付録:

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    事業者向けGHS分類ガイダンスの構成

    第1部 序1-1 「GHS 分類ガイダンス」について1-2 GHS の対象となる化学物質1-3 GHS 分類を行う際の基本的考え方1-4 分類結果の表現方法1-5 混合物の分類基準及び分類手順

    第2部 :物理化学的危険性ガイダンス2-1 分類作業の概要2-2 分類判定に利用可能な情報源2-3 物理化学的危険性の分類のための物理的、化学

    的状態及び化学構造による対象2-4 物理化学的危険性の分類

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    事業者向けGHS分類ガイダンスの構成

    第3部:健康有害性分類ガイダンス3-1 分類作業の概要3-2 分類判定に利用可能な情報3-3 健康有害性の分類

    第4部:環境有害性分類ガイダンス4-1 分類作業の概要4-2 分類判定に利用可能な情報4-3 環境有害性の分類

    (1)定義、(2)分類、(3)情報源及びデータに関する事項、(4)分類・判定等に係る指針、(5)分

    類結果の表示、(6)混合物の分類方法

    健康有害性に準じて記述8

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    混合物のGHS分類/SDS作成の準備

    作成前に・対象物質の特定(できればCAS番号で管理)・副生成物や不純物も含めた物質の一覧表があると良い・既存のGHS分類やSDS(成分の一致性、組成比、他化合物の有無等)の有無を確認(業界団体で作成していることもある)

    成分1 成分2 成分3

    化学名または一般名

    CAS番号濃度又は濃度範囲(wt%)急性毒性(経口)LD50(mg/kg)

    急性毒性(経皮)LD50(mg/kg)

    急性毒性(吸入:ガス)LC50(ppm)急性毒性(吸入:蒸気)LC50(mg/L)

    急性毒性(吸入:ミスト粉塵)LC50(mg/L)

    皮膚腐食性/刺激性眼損傷性/刺激性

    物質一覧表の例

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    Step 1: SDS作成の目的を確認・製品がGHSの危険有害性分類に該当するか

    ・SDS作成要件(法的要求)を満たす成分が含まれるか

    Step 2: 成分情報の同定・危険有害性の根拠となる成分・法的要求を満たす成分

    Step 3: 製品の危険有害性概要(GHS分類)、成分情報の開示状況を検討

    Step 4: 製品の安全な取扱いのための注意事項等を整理

    Step 5: 法令情報、許容濃度等の記載

    情報源参照

    GHS対応SDS作成のステップ

    10

    物質一覧表に整理

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    SDSの構成(16項目)項目1 製品及び会社情報

    GHS分類 区分に対する措置など

    項目3 組成及び成分情報

    項目9 物理的及び化学的性質

    項目11 有害性情報

    項目12 環境影響情報

    項目2 危険性有害性の要約

    項目4 応急措置

    項目5 火災時の措置

    項目6 漏出時の措置

    項目7 取扱い及び保管上の注意

    項目8 ばく露防止及び保護措置

    項目10 安定性及び反応性

    項目13 廃棄上の注意

    項目14 輸送上の注意

    項目15 適用法令

    項目16 その他の情報

    法令

    赤:基本情報、要約青:危険防止等に関わる情報緑:化学品の性質や危険・有害性の情報ピンク:廃棄/輸送上の注意黒:法規制情報、その他

    (* JIS Z 7253:2012による) 11

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    混合物の物理化学的危険性の分類は、混合物を対

    象として測定したデータに基づき分類する

    (可燃性又は引火性ガス、支燃性又は酸化性ガスは、計算式が適用

    可能)

    混合物のGHS分類

    混合物の物理化学的危険性の分類

    12

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    1. 混合物自体のデータがあればそれを使用

    2. なければ「つなぎの原則」※による推定

    3. 1、2が利用できない場合は、構成成分について

    の有害性情報から推定

    混合物の健康有害性、環境有害性の分類

    ※つなぎの原則(bridging principle)

    当該混合物についてのデータはないが、個々の成分及びその類似の

    混合物の有害性についての十分なデータがある場合の推定方法。

    希釈、製造バッチ、有害性の高い混合物の濃縮、一つの危険有害性区

    分内での内挿、本質的に類似した混合物、エアゾールの6つがあり、適

    用できる有害性がそれぞれ定められている。13

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    (A)毒性値と含有量について加算式を適用するもの

    例:急性毒性、水生環境有害性(試験データがある場合)

    (B)個々の成分の含有量を合計し、濃度限度を適用するもの

    (含有量に係数を掛ける場合あり)

    例:皮膚腐食性及び刺激性、眼に対する重篤な損傷性又は

    眼刺激性、水生環境有害性

    (C)個々の成分の含有量に濃度限度を適用するもの

    (個々の成分の含有量を加算しない)

    例:発がん性など(A)、(B)以外

    構成成分の有害性情報からの推定

    14

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    15

    混合物については、GHS分類、SDS作成に考慮する必要がある各有害性項目に対する右表のような濃度限界がある。

    GHS分類、SDS作成に考慮する濃度限界

    1515

    有害性の種類 濃度限界

    急性毒性 1.0%以上(区分1、2は1%未満で存在する成分が混合物の急性毒性の分類に影響しないことを確認する)

    皮膚腐食性/刺激性 1.0%以上

    眼に対する重篤な損傷性/

    眼刺激性

    1.0%以上

    呼吸器感作性又は皮膚感作性 0.1%以上

    変異原性 0.1%以上

    発がん性 0.1%以上

    生殖毒性 0.1%以上

    特定標的臓器毒性(単回ばく露) 1.0%以上

    特定標的臓器毒性(反復ばく露) 1.0%以上

    吸引性呼吸器有害性 10%以上

    水生環境有害性 1.0%以上(区分1は0.1%以上)

    オゾン層への有害性 0.1%以上

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    ケーススタディ トルエン(経口LD50 = 2,600 mg/kg) 92 wt% m-クレゾール (経口LD50 = 242 mg/kg) 8 wt%の混合物(混合物の試験データなし)

    242

    8

    600,2

    92100 ATEmix

    ⇒ ATEmix = 1,461 mg/kg

    i ATEi

    Ci

    ATEmix100

    区分4に該当

    混合物のGHS分類のケーススタディ(1)急性毒性

    混合物の急性毒性推定値

    (急性毒性値未知成分が10%未満の場合の式)

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    この混合物において、皮膚区分1は1%未満であり、考慮されない。

    皮膚区分2は10%未満であり、GHSに従った分類として、この混合物の皮膚刺激性は分類されない。

    (なお、1%未満でも分類に考慮する場合がある。)

    ケーススタディ区分1の物質 0.6%区分2の物質 6%の混合物(混合物の試験データなし)

    (2)皮膚刺激性

    混合物のGHS分類のケーススタディ

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    濃度合算(加成方式)が適用できない物質(酸、アルカリ、アルデヒド類、フェノール類、界面活性剤等)の場合の皮膚刺激性又は腐食性物質に該当する成分を含有する混合物分類のための濃度限界

    (2)皮膚刺激性

    混合物のGHS分類のケーススタディ

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    区分1の成分が0.1%以上含まれるため、混合物の分類も区分1相当

    ケーススタディ区分1の物質 0.5%区分2の物質 6%の混合物(混合物の試験データなし)

    (3)発がん性

    発がん性物質に該当する成分を含有する混合物分類のための濃度限界

    混合物のGHS分類のケーススタディ

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    区分1の成分が1%、M=1、区分2の成分が15%含まれるため、混合物の分類は区分2相当

    ケーススタディ区分1の物質 1%区分2の物質 15%の混合物(混合物の試験データなし)、区分1の毒性値EC50=0.12mg/L

    (4)水生環境有害性(急性)

    混合物のGHS分類のケーススタディ

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    混合物中の成分と含有量の特定 GHS分類に寄与する成分とその含有量の把握は特に重要

    サプライヤーからの情報提供が必要となる場合あり

    適切な分類手法の選択分類項目やデータの存在状況に応じてケースバイケースで分類手法を選択する必要あり

    混合物のGHS分類の際の留意点

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    GHS混合物分類判定システム(ver 2.0)20160401http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_auto

    _classification_tool_ver4.html

    ラベル要素出力例22

  • ©2016 CERI,Japan

    GHS国連文書(和訳)http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_text.html

    GHS分類ガイダンス、分類マニュアルhttp://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/ghs_tool_01GHSmanual.html

    GHS分類結果(約2,800物質)http://www.safe.nite.go.jp/ghs/ghs_download.html

    モデルSDS・ラベル(厚生労働省・職場のあんぜんサイト)http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/GHS_MSD_FND.aspx

    NITE CHRIP(化学物質総合情報提供システム)http://www.safe.nite.go.jp/japan/db.html

    ICSC (International Chemical Safety Cards )<国立医薬品食品衛生研究所サイト>http://www.nihs.go.jp/ICSC/

    国連危険物輸送勧告(和訳、日本大学城内先生)http://jonai.medwel.cst.nihon-u.ac.jp/index.php?cid=000000000009

    日本産業衛生学会許容濃度等の勧告http://joh.sanei.or.jp/pdf/J55/J55_5_06.pdf

    ACGIH TLVs and BEIs、ACGIH Guide to Occupational Exposure Values緊急時応急措置指針(日本規格協会)

    SDS作成のための情報源

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    混合物のGHS分類/SDS作成注意点①混合物製品のGHS分類、SDS作成は原則として、「対象製品(混合物)のデータ」を用いて実施する

    ②特に、物理化学的危険性については、対象製品そのもの(形状等にも注意)のデータが必要とされることが多い

    ③ただし、有害性項目については、各成分の情報により分類を実施することができる

    自社で実施した安全性データがある場合は必ず記載する自社の製造現場で運用している取扱い情報を参考にする

    ④作成後に・定期的に見直されている情報(発がん性分類や許容濃度等)の更新状況の確認・GHSやSDSに関して定めた法律の更新情報の確認 24

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    頂いたQ&A

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    例えば、商社を通じて購入した輸入品の外国語版SDSにおいて、項目2「危険有害性の要約」にあるGHS分類結果に区分がついているにもかかわらず、項目9「物理的及び化学的性質」、項目11「有害性情報」や項目12「環境影響情報」には情報がない、あるいは有料のデータベースを参照したとなっておりデータの確認ができないような場合は、日本語版作成時に「分類できない」へと変更することに問題はないでしょうか(背景としては、SDS三法の規制対象外物質ではあるものの、国内顧客からSDSを求められるような場合を想定しています)

    ⇒SDS三法の規制対象外物質でもNITE分類を確認する。NITE分類がない時は、必要に応じて、有害性情報を確認することが望ましい。例えば、発がん性の既存分類などがある場合は記載する。

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    例えば、商社を通じて購入した輸入品の外国語版SDSにおいて、項目9「物理的及び化学的性質」中に引火性や可燃性といったデータがないままに項目2「危険有害性の要約」や項目14「輸送上の注意」には非危険物と読み取れるような記載がされていれば、国内でも非危険物として扱うことに問題はないでしょうか。また、同様に項目11「有害性情報」に急性毒性試験結果がなく、項目2「危険有害性の要約」には急性毒性に関する記載がないのに項目14「輸送上の注意」には非危険物と読み取れるような記載がされていれば、国内でも非危険物として扱うことに問題はないでしょうか。あるいは、国連輸送勧告では品名もしくは包括名・用途名に該当しなければ、試験をおこないN.O.S.名を持つ危険品であるかを確認することになっているので、項目14で非危険品であることが謳われていればSDSの情報だけをみると根拠はわからないものの、建前上それらの確認が行われていると見なせはしますが、国内に入ったあとのSDS上の扱いとしては上記二つのような場合「分類できない」としておくほうが好ましいでしょうか(背景としては、SDS三法の規制対象外物質ではあるものの、国内顧客からSDSを求められるような場合を想定しています)。

    ⇒基本的に製品で試験を行い判定するかサプライヤー様に確認する。なお、14項記載のUN番号だけから、GHS分類は通常しないと考えられる。 27

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    GHSラベルとUNラベルの関係GHS分類 GHS区分

    国連危険物輸送勧告(UNRTDG)( )は容器等級

    1 引火性液体

    区分1 3 (Ⅰ)

    区分2 3 (Ⅱ)

    区分3 3 (Ⅲ)

    区分4 非危険物で国連番号は付かない

    2 急性毒性

    区分1 6.1 (Ⅰ)

    区分2 6.1 (Ⅱ)

    区分3 6.1 (Ⅲ)

    区分4 非危険物で国連番号は付かない

    3 皮膚腐食性

    区分1A 8 (Ⅰ)

    区分1B 8 (Ⅱ)

    区分1C 8 (Ⅲ) (8(Ⅲ)は金属腐食性も含む)

    4 水生環境有害性

    急性区分1

    慢性区分1,2

    9 (Ⅲ)(9(Ⅲ)はその他の危険性物質も含む)

    急性区分2,3

    慢性区分3,4非危険物で国連番号は付かない

    可燃性固体、酸化性液体·固体等にもGHSとUNRTDGの対応関係がある 28

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    海洋汚染物質の弊社の以下の考え方は妥当か

    1.メーカーのSDSは国連番号に非該当だが、NITE等のデータを使用すると魚のマークが出る場合、国連番号(3077もしくは3082)を記載する。

    2. 魚マークがつかない場合は、国連番号の変更がないため、NITEのデータを使用した分類とする。

    3.メーカーSDSは国連番号に該当の場合は、NITEのデータを使用した分類そのままを採用する。

    ⇒混合物のGHS分類で、水生環境有害性(急性)区分1、(長期間)区分1、2が付く場合、UN3077、3082にも該当すると考えられるが、実際に輸送する際には、製品で試験をして判断する場合もある。

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    金属腐食性の区分の付け方

    UNクラス8の場合、金属腐食性物質:区分1を付ければよいか。皮膚腐食性/眼損傷性の区分が付いている場合は、金属腐食性の区分は付けなくてよいか。

    ⇒UNクラスのみを根拠に、GHS分類区分は通常付けられません。UNクラス8の場合、GHS分類では、金属腐食性物質と皮膚腐食性のどちらか判断できないと考えられる。

    30

  • ©2016 CERI,Japan

    メーカー日本支社の和文SDSの扱い

    弊社で直接輸入している商品であっても、グローバルメーカーで日本支社が和文SDSを提供している場合には、弊社では作成不要か。また、弊社でSDS作成した場合、メーカー日本支社の和文SDSとGHS分類が異なるときは、どうすればよいか。

    ⇒輸入する会社がSDSを作成する。GHS分類は採用するデータにより異なる場合も生じる。どのデータを採用するかは事業者の判断となる。

    31

  • ©2016 CERI,Japan

    混合物のGHS分類について

    有害性成分が数%の水溶液や混合物であっても、パープルブックに基いて分類すると、有害性成分の区分が反映され、単一製品と同程度の区分が付くことがある。ほとんどが水の製品であっても、どくろ等のマークが出てしまい、顧客に嫌がられたり、本当にこのGHS分類で合っているのか自分でも不安になるが、どうすればよいか。

    ⇒つなぎの原則で、水溶液の場合、水は無害の物質として、希釈した毒性値を採用してよい。

    32

  • ©2016 CERI,Japan

    非開示成分の記載

    混合物のSDSで、弊社が「急性毒性:区分2」と分類した理由(成分由来であれば、成分データの根拠も)について、顧客から問合せを受けた。パープルブック(表3.1.2)に基き、成分由来の急性毒性の推定値により分類した結果だが、社外秘の成分のため(通知物質等にも該当しない)、SDSには記載できない。どうすればよいか。

    ⇒法規制上開示しないでよい成分は「物質A」などと呼称して記載してよい。

    33

  • ©2016 CERI,Japan

    混合物のGHS分類で、毒性情報がなく、NITEでも情報が得られない場合は、GHS分類できないためピクトグラム等も付かず、非危険物のように見えてしまうが、問題ないか。

    ⇒NITE分類がない時は、必要に応じて、有害性情報を確認することが望ましい。例えば、U.S. National Library of Medicine、TOXNETのHazardous Substances Data Bank (HSDB)

    http://toxnet.nlm.nih.gov/cgi-bin/sis/htmlgen?

    HSDB、などで情報がある場合は記載する。

    34

  • ©2016 CERI,Japan

    危険有害性がない(?)と分類された物質のSDSについて

    ある物質は急性毒性試験や水生毒性試験のデータがなく、「分類できない」という状態で、安衛法のSDS交付の努力目標にあたる「危険有害性を有するもの」に該当するか不明であるが、顧客要望もあり、SDSを作成する必要がある。SDS項目2の危険有害性の要約、項目11の有害性情報はどのように記載すればよいでしょうか。

    ⇒2項は「分類できない」、11、12項は類似物質のデータがあれば、参考として記載するなどの方法がある。

    35

  • ©2016 CERI,Japan

    2 SDS作成例と実際の作成ノウハウ

    36

  • ©2016 CERI,Japan

    アセトン50%、イソプロピルアルコール50%からなる溶剤のSDSを作成する

    37

  • ©2016 CERI,Japan

    「1.化学品及び会社情報」名称は製品のラベルと一致していること

    「2.危険有害性の要約」GHS分類結果を記載

    絵表示が1つでもあると、危険有害性がある*1

    *1:絵表示が付かない危険有害性もある

    SDSの作成例①

    38

  • ©2016 CERI,Japan

    「3.組成及び成分情報」GHS分類に基づき危険有害性があると判断された物質については、化学名及び濃度(範囲)を記載する(特に混合物の分類に寄与する成分に注意)

    ラベル要素を記載

    「CAS番号」とは・・・米国化学会の一部門であるChemical Abstructs Serviceが運営・管理する化学物質登録システムから付与される化学物質に固有の識別番号のこと

    「4.応急措置」4つの経路に分けて記載

    SDSの作成例②

    39

  • ©2016 CERI,Japan

    「6.漏出時の措置」人体、環境、回収などに分けて記載

    「5.火災時の措置」消防法危険物の消火設備については、危険物の規制に関する政令別表第5を参照

    SDSの作成例③

    40

  • ©2016 CERI,Japan

    「8.ばく露防止及び保護措置」管理濃度・許容濃度は最新情報を確認する

    「7.取扱い及び保管上の注意」製品としての注意事項を確認する

    SDSの作成例④

    41

  • ©2016 CERI,Japan

    「10.安定性及び反応性」製品(混合物)としてのデータを記載

    「11.有害性情報」

    製品(混合物)としてのデータがない場合、構成成分のデータを記す

    SDSの作成例⑤

    「9.物理的及び化学的性質」製品(混合物)としてのデータを記載

    消防法の規定する危険物に該当する恐れのある場合、引火点を測定する必要がある。引火点がはっきりしないと、消防法のどの危険物に該当するかを特定することができない。

    42

  • ©2016 CERI,Japan

    「12.環境影響情報」

    製品(混合物)としてのデータがない場合、構成成分のデータを記す

    SDSの作成例⑥

    43

  • ©2016 CERI,Japan

    海洋汚染物質は水生環境有害性で急性区分1、慢性区分1,2の場合は該当(平成21年1月施行)

    「14.輸送上の注意」UN番号(国連危険物輸送番号)が付いている場合には注意!

    「13.廃棄上の注意」残余廃棄物、汚染容器、包装について記載

    SDSの作成例⑦

    44

  • ©2016 CERI,Japan

    「15.適用法令」“SDS三法”の確認

    SDSの作成例⑧

    45

  • ©2016 CERI,Japan

    「16.その他の情報」参考文献などを記載

    SDSの作成例⑨

    46

  • ©2016 CERI,Japan

    SDSの項目(JISZ7253準拠) 安衛法 化管法 毒劇法

    1.化学品及び会社情報 記載(毒劇法は毒物劇物営業者)

    2.危険有害性の要約 GHS対応 GHS対応の記載を奨励

    3.組成及び成分情報 名称、成分、含有量

    4.応急措置 記載 記載 記載

    5.火災時の措置 記載 記載 記載

    6.漏出時の措置 記載 記載 記載

    7.取扱い及び保管上の注意 記載 記載 記載

    8.ばく露防止及び保護措置 記載 記載 記載

    9.物理的及び化学的性質 記載 記載 記載

    10.安定性及び反応性 記載 記載 記載

    11.有害性情報 記載 記載 記載

    12.環境影響情報 - 記載 -

    13.廃棄上の注意 - 記載 記載

    14.輸送上の注意 - 記載 記載

    15.適用法令 記載 記載 毒劇物の別

    16.その他の情報 出典等を記載

    各法規制でSDSに記載する項目の相違

    JISZ7253に準拠すればSDS三法に対応できる47

  • ©2016 CERI,Japan

    GHS分類/SDS作成時の確認事項<チェック項目の例>

    ★製品/成分情報に間違いないか?

    ★法規制への対応は十分か?

    →安衛法通知対象物質は、GHS対応SDS作成が義務

    ★危険有害性情報はGHS分類結果と整合がとれているか?

    ★適用法令の記載は適切か?

    ★文章表現は適切か?

    ★最新情報がもれなく記載されているか?48

  • ©2016 CERI,Japan

    SDS(Safety Data Sheet)とは?化学品の危険有害性等に関する情報を記載した資料事業者間における化学品の取引時に添付し、化学品の危険有害性や適切な取扱方法に関する情報を供給者から受取り側の事業者に提供する役割

    ラベルとは?危険有害な製品に関する書面、印刷又は画像による情報物質に直接あるいはその外部(ケースなど)に貼付、印刷又は添付されるもの

    GHSの情報伝達手段 -SDSとラベル-

    49

  • ©2016 CERI,Japan

    注意喚起語(Signal word)

    危険有害性の程度を示す二つの語句

    「危険(Danger)」、「警告(Warning)」

    危険有害性情報(Hazard statement)

    危険有害性の種類とその程度(重篤度)を表す文言

    例)「熱すると爆発のおそれ」、「飲み込むと生命に危険」

    絵表示(Pictogram)

    特定の情報を伝達することを意図したあらかじめ決められたシンボル(絵表示)

    注意書き(Precautionary statements)

    危険有害性をもつ製品へのばく露、又は、その不適切な貯蔵や取り扱いから生じる被害を防止し、あるいは最小化するために取るべき推奨措置を記した文言及び絵表示

    例)「換気のよい場所で取り扱うこと」、「使用時に喫煙、飲食をしないこと」、保護具の絵表示を記載しても良い

    製品の特定(Product identifier)

    SDSで使用した製品の名称と一致させる

    (単一)物質であれば、物質の化学名を含む

    供給者の特定(Supplier identification)

    物質又は混合物の製造業者又は供給者の名前、住所及び電話番号の表示

    GHSラベルに必要な要素

    50

  • ©2016 CERI,Japan

    GHSにおけるSDSの様式

    1.化学品及び会社情報 10.安定性及び反応性2.危険有害性の要約 11.有害性情報3.組成及び成分情報 12.環境影響情報4.応急処置 13.廃棄上の注意5.火災時の措置 14.輸送上の注意6.漏出時の措置 15.適用法令7.取扱い及び保管上の注意 16.その他の情報8.ばく露防止及び保護措置9.物理的及び化学的性質

    SDSがあれば、GHS対応のラベルは作成可能

    ★がラベルに使用される部分「2.危険有害性」の中に「ラベル要素」があり、ラベルに記載する事項は全て含まれている

    51

  • ©2016 CERI,Japan

    日本におけるラベル対応(JISZ7253準拠)XYZ溶液 NET Wt. 15 kg 成分:X, Y, Z

    危 険危険有害性情報

    ・引火性の高い液体及び蒸気

    ・眼刺激

    ・生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い

    注意書き

    【安全対策】

    ・すべての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。

    ・使用前に取扱説明書を入手すること。

    ・熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけること。-禁煙

    ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    【救急処置】

    ・火災の場合には適切な消火方法をとること。

    ・吸入した場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。

    ・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・

    【保管】

    ・容器を密閉して涼しく換気の良いところで施錠して保管すること。

    【廃棄】

    ・内容物や容器を、都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業者に業務委託すること。

    消防法 危険物 第四類第二石油類 危険等級Ⅲ 水溶性液体 火気厳禁

    容器イエローカード 指針番号 131 国連番号 1993

    XXXXXXX 株式会社

    〒xxx-xxxx 東京都○○区XXXX

    Tel:03-XXX-XXXX Fax:03-XXX-XXXX

    GHS分類結果に基づく・絵表示・注意喚起語・危険有害性情報・注意書き

    製品名

    ・・・

    赤枠で表示すること

    大きさは1㎠以上

    法規制情報、国連番号等

    52製造者又は供給者

    52

  • ©2015 CERI,Japan

    注意書きの編集

    適切な事故予防ができ、 法規順守ができる条件で注意書きを

    編集してもよい

    編集するケース 編集例

    法規で注意書きが具体的に規定されていて、GHSの文言と異なる

    法規表示を採用しGHSの表現を省略する

    GHSで法規や製造者/供給者が具体的な方法や対象等を指示することができる

    具体的事項がある場合は記載する

    注意書きが重複するものや類似のものがある

    重複を避けて簡潔にまとめる

    補足情報を注意書きの中に織り込んで表示する

    GHSの文言 を生かし、簡潔に記載(GHSにない危険性等)

    注意書きが多く、重要な注意書きの伝達効果が低下する可能性がある

    化学品の形態や取扱状況等を考慮し、削除しても事故発生の可能性が少ないと判断する場合は供給者の責任 で削除

    53

  • ©2016 CERI,Japan

    法規制 追加項目

    安衛法※ 成分(表示対象物質の名称)⇒法改正で記載不要となる

    毒劇法「医薬用外」、「医薬用外毒物(赤地に白色の文字)」、「医薬用外劇物(白地に赤色の文字)」、毒物及び劇物の名称、成分、含有量、解毒剤の名称等(規定品のみ)

    消防法危険物の品名、危険等級、化学名、水溶性、危険物の数量、注意事項 (「火気厳禁」等)、一部除外規定がある

    化審法物質の名称、特定化学物質であること、当該化学物質の含有率、貯蔵又は取扱い上の一般的な注意事項等

    航空法、船舶安全法標札又は標識(同じカテゴリーに属するGHSの絵表示は省略する)、品名、国連番号、取扱い上の注意事項、その他の当該危険物に係る情報

    海洋汚染防止法標札(GHSの絵表示の環境有害性と同様であるが大きさは省令による)、品名

    各法規制でラベル表示に追加する項目

    54※表示対象の他、変異原性が認められた化学物質も含む

    その他の法規制(火薬類取締法、農薬取締法等)にもラベル表示義務がある54

  • ©2016 CERI,Japan

    GHS分類/ラベル作成時の確認事項<チェック項目の例>

    ★製品/成分情報に間違いないか?

    ★法規制への対応は十分か?

    →安衛法表示対象物質は、GHS対応ラベル表示が義務

    6月以降は成分名の表示義務はなくなる

    ★危険有害性情報はGHS分類結果と整合がとれているか?

    ★適用法令の記載は適切か?

    ★文章表現は適切か?

    ★最新情報がもれなく記載されているか? 55

  • ©2016 CERI,Japan

    頂いたQ&A

    56

  • ©2016 CERI,Japan

    化学品を輸入した場合、輸入時に外国から添付されてきた外国語のSDSをそのまま添付してよいか?

    ⇒日本の法規制に対応した日本語のSDSを作成する必要があります。

    化学品を輸入した場合、輸入時に外国から添付されてきた外国語のSDSには、不明成分が含まれており、輸入元からは秘密であるとして情報が得られません。このような場合どうすればよいか?

    ⇒国内で、SDS作成の法規制対象物質を規定量以上含む製品は、SDSの提供義務があり、該当する場合は記載を省略することはできません。この場合、例えば、秘密保持契約を結んで情報を入手し、販売先にも秘密保持契約を結んで提供するなどの対応が考えられます。

    57

  • ©2016 CERI,Japan

    「試験を求められる国際輸送」とあるデータのみで判断するGHSについて、どのように運用していくのがよいか例示いただけないでしょうか。

    ⇒基本的に製品で試験を行い判定するかサプライヤー様に確認する。「試験を求められる国際輸送」であれば、輸送の際にはUN番号を確定するために試験の実施が望ましいと考えられる。

    58

  • ©2016 CERI,Japan

    事業者向け GHS 分類ガイダンスの18ページに「化学物質の安全性に係る情報提供に関する指針(平成5年3月26日)」が紹介されています。本指針は平成五年に出ており、ほぼ現在のSDSに則った書式で、別表にあげられた危険有害化学物質について情報提供を求めています。SDS提供が義務化されていない消防法や高圧ガス保安法についても「文書を交付するものとする」とあり義務のように読めます。また、この指針以外にも文書交付を求めている指針等はありますか。

    ⇒指針は行政指導(努力義務)です。「化学物質等の危険有害性等の表示に関する指針」(平成4年労働省告示60号)があり、すべての危険有害な化学物質について譲渡提供時の表示および文書交付が望ましいとあります。

    59

  • ©2016 CERI,Japan

    SDSで最も困っているのは、商社を介さず販売している海外への輸出品です。SDSの作成義務は輸入者にあると考えてはいますが、取引上、輸出者である弊社にて外国語版のSDSを準備し提供するように要請を受けます。その際、海外特有の追記事項や項目15の「適用法令」について難しいところがあり苦労します。また、国内ではSDS三法による規制対象物質以外でもSDSを発行するのが標準となっています。

    ⇒輸出の通関時にSDSが必要になる場合があり、和文のSDSからISO準拠の英文を作成する。相手国の法規制対応は、この場合には必要ないと考えられる。 60

  • ©2016 CERI,Japan

    混合物の場合、適用法令は、どのように決定するのか

    ⇒SDS三法は濃度の閾値により判断する(毒劇法は閾値がない場合がある)。

    混合物の製品で、組成を秘密にしたい場合でも、物質名・混合量を公開しなければならない物質は、どのようなものがあるのか

    ⇒SDS三法の対象物質は記載が義務です。

    61

  • ©2016 CERI,Japan

    3 最新動向(国連GHS改訂・安衛法・毒劇法)

    62

  • ©2016 CERI,Japan

    GHS国連文書とガイダンス、JISの関係

    63

  • ©2016 CERI,Japan

    GHS国連文書の改訂改訂5版の主な修正点(2013)

    エアゾールの判定基準を明確化(可燃性又は引火性の成分を1%を超えて含むエアゾールは区分1、2)

    酸化性固体の新しい試験方法の追加(燃焼速度で判定)

    皮膚腐食性及び皮膚刺激性でOECD TG430、431、435、439の追加と判定基準の明確化

    眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性でOECD TG437、438の追加と判定基準の明確化

    絵表示のコードでGHS01~GHS09追加

    注意書きでP221、P374、P422廃止、文言修正

    改訂6版の主な修正点(2015)

    鈍感化爆発物が新設され、4つの区分が設定

    引火性ガスの区分として新たに自然発火性ガスが追加

    爆発物、特定標的臓器毒性、吸引性呼吸器有害性、水生環境有害性などの判断基準の明確化

    ラベルの貼付が困難な小さい容器包装に対するラベル表記例などの追加、修正

    64

  • ©2016 CERI,Japan

    GHS改訂6版の小さな包装のラベル例

    65

  • ©2016 CERI,Japan

    JIS Z 7250:2010 MSDS記載内容 (2010年10月改訂)

    JIS Z 7251:2010 ラベル表示 (2010年10月改訂)

    ⇒JIS Z 7253:2012

    ラベル表示、作業場内の表示及びSDS (2012年3月改訂)

    JIS Z 7252:2009 GHS分類方法 (2009年10月制定)

    ⇒JIS Z 7252:2014 GHS分類方法 (2014年3月改訂)

    GHS国連文書改訂3版(2009)準拠

    GHS/SDSに対応したJIS(日本工業規格)

    GHS国連文書改訂4版(2011)準拠

    GHS国連文書改訂4版(2011)準拠

    GHS国連文書改訂2版(2007)準拠

    66

  • ©2016 CERI,Japan

    67

    JISの改訂状況JIS Z 7250:2010JIS Z 7251:2010

    JIS Z 7253:2012

    2014年3月25日付けで制定

    【主な改訂ポイント】MSDS→SDSへ改称JIS Z 7252に従って分類した結果、いずれかの危険有害性クラス及びいずれかの危険有害性区分に該当する場合には、ラベル及びSDSを作成し、作業場内の表示を行うラベルのGHS絵表示は必ず赤い枠で囲む

    移行(暫定)期間はどちらも2016年12月31日まで

    JIS Z 7252:2009

    67

    JIS Z 7252:2014

    2012年3月25日付けで制定

    主な改訂ポイント

    “火薬類”→“爆発物”

    “可燃性又は引火性ガス” →“可燃性又は引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む)” へ変更、区分A及びBの追加

    “可燃性又は引火性エアゾール”→“エアゾール”へ変更、区分3の追加

    “呼吸器感作性又は皮膚感作性”→ 細区分1A及び1Bの追加

    “水生環境有害性急性毒性、慢性毒性”→“水生環境有害性(急性)、水生環境有害性(長期間)”

    “オゾン層への有害性” 区分1の設定

    分類ガイダンス(2013)とどちらも整合性がある

    67

  • ©2016 CERI,Japan

    各国のGHS実施状況適用対象と適用時期

    適用法令

    対応義務 国連勧告にない独自要素(義務)

    単一 混合 成形物質 物 品

    GHS GHS 行政SDS ラベル 届出提供 貼付

    分類(独自リスト)

    GHS対応SDS

    GHS対応ラベル

    届出

    日本

    ○ ○ ―2010.12.31 2010.12.31

    安衛法、化管法

    毒劇法

    (JIS規格)

    ○ ○ ―日本語 日本語

    安衛法

    化管法

    毒劇法 ―

    EU○ ○ ○*

    2010.12.1 2015.6.1 公表後(SVHC)

    CLP規則

    旧法(DSD/DPD)○ ○ ○母国語 母国語

    PBTvPvBSVHC

    ○CLP

    米国

    ○ ○ ―2015.6.1

    危険有害性周知基準(HCS)

    ○ ○ ―英語 英語

    危険化学品リスト発がん性物質リスト

    環境有害性なし

    環境有害性なし

    韓国

    ○ ○ ―2011.7.1 2013.7.1

    産業安全衛生法

    化学物質管理法

    危険物安全管理法

    ○ ○ ―韓国語 韓国語

    約600物質を

    国が分類 ―

    台湾

    ○ ○ ―2008.12.31

    毒性化学物質管理法

    職業安全衛生法○ ○ ―中国語 中国語

    毒化物(270物質)

    職安法適用物質

    (約2100物質)

    管理濃度あり

    管理濃度あり ―

    中国

    ○ ○ ―2011.12.1

    危険化学品安全管理条例

    国家標準(GB)

    ○ ○ ―中国語 中国語

    危険化学品リスト(3700物質)

    24h対応Tel番号中国内

    24h対応Tel番号中国内

    ○*:高懸念物質(SVHC)を0.1重量%以上含むもの対応義務は、川下ユーザーへの情報提供のみ

    68

  • ©2016 CERI,JapanCopyrights©2014 CERI,Japan

    東南アジア諸国のGHS導入スケジュール国 GHS対応 言語

    タイ

    単一物質:2013.3.13-

    混合物 : 2017.3.13-

    *国のGHS分類結果あり

    (強制ではない)

    タイ語

    ベトナム単一物質:2014.3.30-

    混合物 : 2016.3.30-

    ベトナム語

    及び英語

    シンガポール単一物質:2012.2-

    混合物 : 製造者:2015.7.1-、使用者:2016.7.1-

    英語

    インドネシア単一物質:2010.3.24-

    混合物 : 2016.12.31-インドネシア語

    マレーシア

    単一物質、混合物:

    2015.4.17-

    *国のGHS分類結果あり(義務)

    マレー語

    及び英語 69

  • ©2016 CERI,Japan

    25年の労働安全衛生規則等改正• 表示の対象となる物質の追加

    物質名 対象となる範囲

    (重量%)

    施行時期

    インジウム化合物 0.1%以上 平成25年1月1日エチルベンゼン 0.1%以上 平成25年1月1日コバルト及びその無機化合物 0.1%以上 平成25年1月1日1,2-ジクロロプロパン 0.1%以上 平成25年10月1日

    • 文書交付の対象物質、濃度範囲の変更

    (法令改正前は、インジウム及びその化合物の対象となる範囲は1.0%以上)

    物質名 対象となる範囲

    (重量%)

    施行時期

    インジウム 1.0%以上 平成25年1月1日インジウム化合物 0.1%以上 平成25年1月1日

    70

  • ©2016 CERI,Japan

    27年11月の労働安全衛生規則等改正• 表示の対象となる物質の追加

    • 文書交付の対象物質の追加

    (法令改正前は、人造鉱物繊維として1.0%以上)

    物質名 対象となる範囲

    (重量%)

    施行時期

    リフラクトリーセラミックファイバー 1.0%以上 平成27年11月1日ナフタレン 1.0%以上 平成27年11月1日

    物質名 対象となる範囲

    (重量%)

    施行時期

    リフラクトリーセラミックファイバー 0.1%以上 平成27年11月1日

    71

  • ©2016 CERI,Japan

    安衛法に基づく規制物質

    【法第57条】(義務)

    表示対象物質640種(+混合物)(製造許可対象含む)

    【法第57条の2】(義務)

    文書交付対象物質640種(+混合物)(製造許可対象含む)

    職場において使用される全ての

    危険有害化学物質(努力義務)

    表示・文書交付等の対象物質

    ・譲渡提供時のラベル表示及びSDS交付

    ・作業場内で取り扱う容器等へのラベル表示

    + =危険有害化学物質等=特定危険有害化学物質等

    72

  • ©2016 CERI,Japan

    「労働安全衛生法(安衛法)の一部を改正する法律」 平成26年法律第82号

    公布:2014 年 6 月 25 日施行:2016 年 6 月1日に施行

    ・化学物質に関する大きな改正点:化学物質におけるリスクアセスメントの実施を義務化

    改正労働安全衛生法(化学物質について)

    73

  • ©2016 CERI,Japan

    リーフレット http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000050905.pdf より

    改正労働安全衛生法(化学物質について)

    74

  • ©2016 CERI,Japan

    特別規則で未規制の化学物質が原因で胆管がんの

    労災事案が発生

    2012年 3月 大阪府の印刷事業場で、化学物質の使用に

    より胆管がんを発症した労災の請求

    2012年 6月 厚生労働省による全国の事業場への調査

    2012年 9月~2013年3月 専門検討会が開催され、洗浄剤中

    の1,2-ジクロロプロパンによる慢性的なばく露が胆管がん

    の原因であると報告

    →化学物質のリスクを考慮した取扱いの必要性

    リスクアセスメント実施義務化の背景

    75

  • ©2016 CERI,Japan

    リスクアセスメント義務の対象

    厚生労働省 労働安全衛生法の一部を改正する法律案の概要http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000036591.html を基に一部改変

    76

  • ©2016 CERI,Japan

    化学物質のリスクアセスメントの実施

    一定の危険性・有害性が確認されている化学物質のリスクアセスメントの実施が事業者の義務。

    リスクアセスメントの結果に基づき、労働安全衛生法令の措置の実施が義務、労働者の危険又は健康障害を防止するために必要な措置の実施が努力義務(第57条の3)。

    文書交付対象640物質

    取り扱う全ての事業者が対象

    実施のための指針が公表された

    化学物質のリスクアセスメントは、実施支援ツール、化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)を活用 77

  • ©2016 CERI,Japan

    化学物質のリスクアセスメント

    独立行政法人 製品評価技術基盤機構「化学物質と上手に付き合うために-化学物質のリスク評価-」http://www.nite.go.jp/chem/management/rc_index.html

    ばく露量 ばく露量

    ばく露量

    ばく露量

    78

  • ©2016 CERI,Japan

    リスクアセスメント実施支援システムStep1:GHSモデルラベル・SDS情報の取得

    Step2:リスクアセスメント実施支援システムの操作・作業の種類・液体・粉体・化学物質数・対象化学物質・GHS区分情報・沸点、取扱温度、使用量

    Step3:リスクアセスメント実施支援システムの結果・有害性ランク/揮発性(飛散性)ランク・リスクレベル・対策管理シート

    79

  • ©2016 CERI,Japan

    リスクアセスメント実施支援ツール

    (厚生労働省HPより)

    80

  • ©2016 CERI,Japan

    結果に基づく対策シートの出力

    81

  • ©2016 CERI,Japan

    拡大される表示対象物質(28年6月実施)

    (厚生労働省HPより)

    82

  • ©2016 CERI,Japan

    改正安衛法の改正後の裾切り値

    (厚生労働省HPより)

    83

  • ©2016 CERI,Japan

    化学物質等の譲渡又は提供時の名称等の表示義務の対象物質の拡大 基発0803第2号

    労働安全衛生法施行令、厚生労働省令、労働安全衛生規則改正(28年6月1日施行)① 譲渡又は提供の際に名称等の表示が義務付けられる表示義

    務対象物が文書交付義務対象物(640物質)まで拡大される。② 譲渡又は提供の過程(運搬や貯蔵)において固体以外の状態

    にならず、かつ粉状にならない物で、譲渡又は提供時に危険性又は皮膚腐食性を有しない物は、表示義務対象物から除外される。

    ③ GHSに基づく分類を踏まえ、新たに表示対象物となる物に係る裾切り値を設定、現行の表示対象物及び文書交付義務対象物の裾切り値は、GHSの濃度限界値に合わせ見直される。

    ④ 表示対象物の「成分」に係る表示事項が削除される。在庫品は平成29年5月31日までの1年間は猶予される。 84

  • ©2016 CERI,Japan

    改正安衛法に基づくラベル作成の手引き(日化協)

    労働安全衛生法の改正により成分の表示義務は削除される(28年6月1日施行)

    改正後のラベルへの成分表示の考え方a. 他の法規により、成分表示が要求されるものは必ず記載するb. それ以外の成分について、該当の化学品のラベルに表示する成分を選択する基準・労働安全衛生法通知対象物質・現行労働安全衛生法表示対象物質・有害性区分の高い物質(GHS分類 区分1、急性毒性区分

    1~3、皮膚腐食性、眼に対する重篤な損傷性、発がん性、生殖毒性)及び含有量の高い物質

    85

  • ©2016 CERI,Japan

    通知対象物質の追加(29年3月から)

    (厚生労働省HPより) 86

  • ©2016 CERI,Japan

    化管法に関する省令改正

    SDSの記載とラベル表示を新JISに基づき行うことを努力義務とする省令の改正・純物質:2012年6月1日から施行・混合物:2015年4月1日から施行

    ① SDSに関するGHS整合化化管法に基づくSDSで提供すべき情報は、GHSとの整合を図り、JISにより行うことを努力義務化② 表示に関する努力義務の創設SDSの提供に加えて、新たにラベル表示をGHS対応JISにより行うことを努力義務化③ 化学物質管理指針の改正事業者は、GHS対応JISを遵守し、化学物質の自主的な管理の改善に努める

    87

  • ©2016 CERI,Japan

    最近の毒劇法に関する改正

    ・毒劇法における毒物又は劇物の容器及び被包への表示に係る留意事項について(薬食化発0326第1号)

    ⇒毒劇法の表示、情報提供とJISZ7253の要求項目の相違についての注意点等(2012年3月26日)

    ・毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令2014年6月25日公布政令(政令第227号)(施行期日2014年7月1日)

    毒劇物に追加された物質の例①1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼン及びこれを含有する製剤⇒毒物

    ②ピロカテコール及びこれを含有する製剤⇒劇物

    88

  • ©2016 CERI,Japan

    毒物及び劇物指定令改正(28年6月予定)

    毒物 2物質追加

    (クロロメチル)ベンゼン

    メタンスルホニル=クロリド

    劇物 6物質追加

    グリコール酸(3.6%以下除外)

    2-セカンダリーブチルフエノール

    ビス(2-エチルヘキシル)=水素=ホスフアート(2%以下除外)

    ブチル(トリクロロ)スタンナン

    無水酢酸

    無水マレイン酸

    89

  • ©2016 CERI,Japan

    毒物及び劇物指定令改正(28年6月予定)

    除外等 3物質

    2-メルカプトエタノール(10%以下を含有する製剤について、毒物から劇物へ指定変更、0.1%以下を含有し、一容器中 20g以下の製剤について除外)

    メタバナジン酸アンモニウム(0.01%以下除外)

    2,2,2-トリフルオロエチル=[(1S)-1-シアノ-2-メチルプロピル]カルバマート

    90

  • ©2016 CERI,Japan

    GHS分類で危険有害性の分類(区分)が

    付いたもの

    SDS

    努力義務

    約500種(製剤含む)

    640物質

    ラベル

    義務

    約500種(製剤含む)

    第一種+第二種指定化学物質

    562物質

    640物質

    SDS

    第一種+第二種指定化学物質

    562物質

    化学物質排出把握管理促進法(化管法)

    毒物・劇物取締法(毒劇法)

    労働安全衛生法(安衛法)

    ラベル

    日本におけるSDS、ラベル対象義務(まとめ)

    GHS対応推奨

    GHS対応義務

    GHS対応推奨

    GHS対応義務

    GHS対応推奨

    GHS対応推奨

    GHS対応義務

    667物質へ改正予定

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    法規制の動向のまとめ

    “SDS 三法(安衛法、毒劇法、化管法)”は、SDS及びラベル表示にGHSを導入している

    安衛法表示・文書交付の対象物質はGHS対応を義務化している

    毒劇法、化管法はGHS対応を推奨している

    安衛法表示・文書交付の対象物質640物質は667物質に改正される

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    頂いたQ&A

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    各協会様、各社様は、法規制の情報を収集管理されていると認識しておりますが、情報整理のノウハウ等がありましたら御教授頂きたいです。

    ⇒日化協の安環ネット、製品評価技術基盤機構のNITEケミマガ等から最新情報は得られる。

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    GHSビルディングブロックの最新資料

    現在日本で採用しない区分(経口:区分5、皮膚:区分3、吸引性:区分2?)が分かる資料がほしい。

    ⇒適当な資料がないため、本資料(次頁)に記載しました。

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    日本におけるGHS分類対象項目(参考)

    ・健康有害性のうち、“急性毒性区分5”“皮膚腐食性/刺激性区分3”“吸引性呼吸器有害性区分2”の設定なし

    爆発物

    可燃性又は引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む)

    エアゾール

    支燃性又は酸化性ガス

    高圧ガス

    引火性液体

    可燃性固体

    自己反応性化学品

    自然発火性液体

    自然発火性固体

    自己発熱性化学品

    水反応可燃性化学品

    酸化性液体

    酸化性固体

    有機過酸化物

    金属腐食性物質

    急性毒性(経口、経皮、吸入)

    皮膚腐食性及び皮膚刺激性

    眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

    呼吸器感作性

    皮膚感作性

    生殖細胞変異原性

    発がん性

    生殖毒性

    特定標的臓器毒性(単回ばく露)

    特定標的臓器毒性(反復ばく露)

    吸引性呼吸器有害性

    水生環境有害性(急性)

    水生環境有害性(長期間)

    オゾン層への有害性

    1

    有害性クラス

    1 2 3

    JIS Z 7253:2012

    タイプE&F タイプG

    1 2 3

    1 2 3

    1

    1

    1 2

    1 2

    タイプA タイプB

    1 2 3 4

    1

    圧縮ガス 液化ガス 深冷液化ガス

    1 2

    1 2

    Type A Type B Type C&D Type E&F Type G

    1 2 3 4

    1 2A 2B

    1A 1B 1C 2

    1A 1B

    1A 1B

    1A 1B

    等級1.6

    タイプC&D

    3

    1 2 3

    1

    1 2

    等級1.3 等級1.4 等級1.5

    1 2 3

    1A 1B 2 追加区分(授乳影響)

    1

    不安定爆発物 等級1.1 等級1.2

    1 2

    2

    1A 1B 2

    3

    A B

    4

    溶解ガス

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    SDSとGHSがわかる本新刊「SDSとGHSがわかる本」は、

    2010年4月に出版したベストセラー

    書の改訂新版です

    化学物質管理に関する法規制や

    規格などの改正に基づいて今回、

    内容を見直し、旧版の分かりやす

    さはそのままに改訂しました

    コントロール・バンディングについ

    ても記載されています

    丸善出版ISBN 978-4-621-08811-1 C30582014年4月発行定価 本体2,800円+税

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    CERIの支援業務のご案内GHS/SDS対応、各国法規制対応に関するソリューションをご提供いたします

    ■ 日本、EU、米国、中国、韓国、台湾、その他向けSDS・ラベル作成

    (タイ、シンガポール、ベトナム、インドネシアについてもご相談ください)

    ■ 日本、EU REACH規則、中国、韓国等の化学品法令に関するコンサルティング

    ■ EU REACH登録試験、登録文書(テクニカルドシエ、CSR)作成

    ■ SVHCの分析、SVHC届出支援

    ■ その他、化学物質管理に関するオンサイトセミナーの実施等

    【お問合せ先】一般財団法人化学物質評価研究機構

    安全性評価技術研究所Tel:03(5804) 6136 E-mail: [email protected]

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