3月10日の三遠ネオフェニックス戦では惜

しくも敗北を喫したものの、5本の3P

シュートと8リバウンドをマーク。2年ぶ

りの石垣島開催でも攻守共に躍動し、3

月28日の大阪エヴェッサ戦では連続8得

点と、その勢いはとどまるところを知らな

い。ステップアップする過程で視野が広が

り、自分がどう動くべきか、何を求めら

れているのかを瞬時に見極めているのだろ

う。単にポイントゲッターとしてだけでな

く、いい流れを引き込み、チームの潤滑油

としての機能も果たしている。自らがそ

うなりたいと語ったように、後半戦のキー

マンとして見事に成長したのだ。

「重要な試合の重要な場面で、自分が常

に最前線で戦える選手でありたいです」

　

こう話していた田代選手。かつてはベン

チで悔しい思いをしていた彼が、今まさに

自分の実力で最前線に立っている。有言実

行を果たした熱く激しい彼のプレーを、最

後までしっかりと見届けたい。

キングスの〝点取り屋〟

多彩なプレーが魅力

大きく躍動

後半戦はキーマンに

「純粋に、ここでプレーできたら幸せだろ

うなと思ったんです」

　

昨季のキングス入団の決め手をそう語っ

た田代直希選手。学生時代に沖縄でキン

グスの試合を観た時、その会場の雰囲気

に圧倒されたのだという。

　

端正な顔立ち、爽やかな笑顔が印象的

な千葉県出身の24歳。小学生の頃からバ

スケを始め、高校までは全国大会と無縁

だったというが、バスケの強豪校・専修大

学に入り一躍脚光を浴びた。3年の時に プレーの幅が広がった田代選手。今後の活躍にも期待したい。

はエースとして活躍し、ミドル、3P、ド

ライブからのシュートと多彩なスコアバリ

エーションで、2015年のインカレでは

大学ナンバーワン・フォワードにも選ばれ

た。しかし、そんな栄光ばかりではない。

4年の時に負ったケガもあり、密かに苦

しんでいた時期があるという。

「キングス入団後もずっとリハビリをして

いたので、昨季のシーズン前は練習に参

加できない状態でした。しかもプロ1年

目だったこともあり、何がどう通用する

のか、プロの世界というものを掴めていな

かったんです。でも、今までの経験を通し

て自分に足りないものが明確になり、今

季はいいスタートが切れました」

　

パスやシュートにも迷いがなくなり、確

かな手応えを感じていると以前語っていた

通り、プロ2年目の今季は、彼にとって大

きな飛躍のシーズンになったことは間違い

ない。

　

昨年11月5日のレバンガ北海道戦以

降、1試合を除くすべての試合にスター

ターとして出場※。なかでも、シーズン後

半戦の活躍ぶりは目を見張るものがある。

1月2日の島根スサノオマジック戦では、

チームトップの17得点を記録。リバウンド

争いにも積極的に参加するなど、得点以

外の部分でも貢献度の高い試合となった。

P rof i le1993年6月24日、千葉県生まれ。188cm、90kg。ポジションはスモールフォワード / パワーフォワード。専修大学時代から関東学生リーグでもトップクラスのスコアラーとして活躍し、大学卒業後に琉球ゴールデンキングスに入団。今季はプロ2年目。

※2018年4月時点

重要な試合では常に最前線で戦っていたい重要な試合では常に最前線で戦っていたい

N a o k i T a s h i r oN a o k i T a s h i r o

田代 直希

SF/PF