4
モータの逆起電力を用いた電気自動車のスリップ抑制制御 , , ( 大学) Back-EMF based Slip Prevention Controller for EV utilizing Characteristics of DC Motor Shinya Kodama, Lianbing Li and Yoichi Hori (University of Tokyo) In this paper, a novel slip prevention controller with a load torque disturbance observer using the signal of back EMF is proposed. When slip occurs, the equivalent inertia of EV system will change, and the acceleration of the drive wheels will also change. By constructing an observer, the value of the back EMF is acquired, which includes the information of wheel speed. Then a load torque observer is designed using the signal of back EMF to limit the torque (current) command, and keep the status of EV within a safe area. By selecting observer gain properly, the torque reduction can be adjusted freely in some range. The experimental results of the slip phenomenon simulator utilizing Motor-Generator set verified the effectiveness of the proposed approach. キーワード: 電気自動車,スリップ抑制,増粘着制御,直流モータ Keywords: EV(Electric Vehicle), Skid Prevention, Adhesion Control, DC Motor 1 はじめに エネルギー 題を するために されてきた。 かに に耐えうる する。しかし がら,「 モータ ルク ある」 いう これま あまり いられてい かった。モータ ラクションコントロール ,タイヤ に多 える。す わち,モータ トルク によって させるこ ある。あらゆる において,より るために ,ス リップ ある。 じるスリップ たらす。スリップ ために,これま 多く されてきた。 MFC Model Following Control(1) (2) ,スライディングモード フィードバック (3) ,スリップ ファジィ (4) がそ ある。 巻モータ トルク をま るこ によるスリップ (5) 々が 案してきた。 いた しいスリップ アルゴリズ ムを 案する。 2 車両のダイナミックモデル スリップ 1 した モデルを いて するこ きる。こ モデルに する 2 がある。 ˙ ω = T Fdr Fw(ω)r Jw ························ (1) ˙ V = Fd FV (V ) M ······························ (2) ように きる。ここ T トルク わしている。つまり,T = Td Tb る。Fd Fw FV をそれぞれ している。M ある。つまり,M = Mv + Mw る。 タイヤ ,スリップ いて される。V VW より,スリップ λ (3) - (4) される。 λ = VW V VW (Driving) ······················ (3) λ = V VW V (Braking) ···················· (4) ここ VW V ある。 タイヤ- µ ,ス リップ λ µ = f (λ) わすこ き,µ に依 する。 わち,乾 れた によっ µ λ する。 Fd する。 µ λ いて,スリップ λ から µ Fd Fd = (λ) ··································· (5) る。ここ N タイヤに ある。以 り, ブロック 2 る。 3 逆起電力によるスリップ抑制の仕組み 3 1〉 逆起電力オブザーバ センサ ,スリップ 1

Shinya Kodama, Lianbing Li and Yoichi Hori (University of Tokyo)hflab.k.u-tokyo.ac.jp/hori_lab/paper_2004/paper/EV/...小玉晋也,李練兵,堀洋一(東京大学) Back-EMF based

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Page 1: Shinya Kodama, Lianbing Li and Yoichi Hori (University of Tokyo)hflab.k.u-tokyo.ac.jp/hori_lab/paper_2004/paper/EV/...小玉晋也,李練兵,堀洋一(東京大学) Back-EMF based

モータの逆起電力を用いた電気自動車のスリップ抑制制御小玉 晋也, 李 練兵, 堀 洋一 (東京大学)

Back-EMF based Slip Prevention Controller for EVutilizing Characteristics of DC Motor

Shinya Kodama, Lianbing Li and Yoichi Hori (University of Tokyo)

In this paper, a novel slip prevention controller with a load torque disturbance observer using the signal of back EMF isproposed. When slip occurs, the equivalent inertia of EV system will change, and the acceleration of the drive wheels willalso change. By constructing an observer, the value of the back EMF is acquired, which includes the information of wheelspeed. Then a load torque observer is designed using the signal of back EMF to limit the torque (current) command, and keepthe status of EV within a safe area. By selecting observer gain properly, the torque reduction can be adjusted freely in somerange. The experimental results of the slip phenomenon simulator utilizing Motor-Generator set verified the effectiveness ofthe proposed approach.

キーワード: 電気自動車,スリップ抑制,増粘着制御,直流モータKeywords: EV(Electric Vehicle), Skid Prevention, Adhesion Control, DC Motor

1 は じ め に

近年,環境問題やエネルギー問題を解決するために様々な電

気自動車が開発されてきた。なかには実用に耐えうる十分な性

能の電気自動車も存在する。しかしながら,「電気モータはト

ルク応答が高速で正確である」という電気自動車の最も注目す

べき利点はこれまであまり用いられていなかった。モータのト

ラクションコントロールは,タイヤと路面間の増粘着特性に多

大な影響を与える。すなわち,モータのトルク制御によって車

両の安定性と安全性を向上させることが可能である。あらゆる

路面状況下において,より良い増粘着性能を得るためには,ス

リップ抑制制御が不可欠である。加速時,減速時,制動時に生

じるスリップは車両の運転に危険をもたらす。スリップ抑制の

ために,これまで多くの技術が開発されてきた。例えば,MFC

(Model Following Control)(1) (2),スライディングモード測定

フィードバック制御 (3),スリップ率ファジィ制御 (4) などがそ

うである。最近では,直流分巻モータのトルク垂下特性をまね

ることによるスリップ抑制制御 (5) を我々が提案してきた。本

稿では,逆起電力を用いた新しいスリップ抑制制御アルゴリズ

ムを提案する。

2 車両のダイナミックモデル

車輪のスリップは,図 1に示した車両の一輪モデルを用いて

解析することができる。このモデルには,回転する車輪と車体

の 2つの慣性がある。車両の運動方程式は,

ω̇ =T − Fdr − Fw(ω)r

Jw· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (1)

V̇ =Fd − FV (V )

M· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (2)

のように表現できる。ここで,T は駆動及び制動トルクの和

を表わしている。つまり,T = Td − Tb となる。Fd は駆動力,

Fw は加速時の駆動輪の平均摩擦力及び減速時の全車輪の平均

摩擦力,FV は空気抵抗をそれぞれ示している。M は車体と車

輪の重量の和である。つまり,M = Mv + Mw となる。

タイヤと路面間の増粘着特性は,スリップ率の概念を用いて

表される。V,VW より,スリップ率 λ は,式 (3) - (4)で定義

される。

λ =VW − V

VW(Driving) · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (3)

λ = −V − VW

V(Braking) · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (4)

ここで,VW は車輪の速度,V は車両の速度である。

タイヤ-路面間の摩擦係数 µ は,スリップ率 λ の関数

µ = f(λ) で表わすことができ,µ は路面状況に依存する。

すなわち,乾燥路面,濡れた路面,雪道などの路面状況によっ

て µと λの関係は変化する。

車両の駆動力 Fd は,摩擦係数及び垂直抗力に比例する。

µ − λ曲線を用いて,スリップ率 λから摩擦係数 µ を得れば,

駆動力 Fd は,

Fd = Nµ(λ) · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (5)

となる。ここで,N はタイヤに働く垂直抗力である。以上よ

り,車両のブロック線図は図 2となる。

3 逆起電力によるスリップ抑制の仕組み

〈3・1〉 逆起電力オブザーバ

速度センサのない条件下では,スリップ抑制制御器は例えば

1

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M

V

road Fd

r

ω

TVw

図 1 車両の一輪モデルFig. 1. One-wheel vehicle model.

Torque

+

r

Js

1 r

),max( VV

VV

w

w −=

N

Ms

1

Vw

V

Slip ratio - function

Fd

図 2 車両の一輪モデルのブロック線図Fig. 2. Block diagram of the vehicle.

CT RLs +

1

CE

V Vehicle

Model ACR

Back EMF

Torque

Vw

i* i u

*

+

1+

+

s

RLs

τ1

1

+sτ

Back EMF Observer

v*

emfV̂

図 3 逆起電力オブザーバFig. 3. Back-EMF observer.

逆起電力のような信号を用いて実現することができる。この種

のスリップ抑制制御器は,信頼性が高く,ロバスト性も高い。

しかし,逆起電力は直接検出することができないので,逆起電

力の値を推定するオブザーバを組む必要がある。様々なゲイン

と時定数を用いた電流の外乱オブザーバについては,我々が過

去に提案し議論してきた (5)。この方法では,スリップが発生し

た時に直流分巻モータが本来持つトルク垂下特性をうまく活か

すことによりスリップの抑制を試みている。本稿では,図 3に

示すような逆起電力オブザーバを推定に用いる。

推定逆起電力は,式 (6)のように表現できる。

V̂emf =u∗ − (Ls + R)i

τs + 1· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (6)

ここで, 1τs+1 は推定値のノイズを抑制するローパスフィル

タである。

また,制御器の内側のループでは,電流指令に瞬時に追従す

るために ACR(Appropriate Current Regulator)を設計し

ている。

CT RLs +

1

CE

V Vehicle

Model ACR

Back EMF

Td

Vw

i* i u*

+

1+

+

s

RLs

τ

1

1

+sτ

1

1

1 +sτ

1

)/(

1

2

+s

sCJ

τ

)1( 2 +s

K

τ

iH

iL

id

emfV̂

Load Torque Observer

図 4 負荷トルクオブザーバFig. 4. Load torque observer.

-100

-50

0

50

Mag

nit

ude

[dB

]

100

102

104

-135

-90

-45

Phas

e [d

eg]

K=0.1

K=0.8

K=1

K=2

K=10

K=0.1

K=0.8

K=1

K=2

K=10

図 5 開ループ伝達関数のボーデ線図Fig. 5. Bode diagram of open loop transfer function.

〈3・2〉 逆起電力を用いたトルクオブザーバによるスリッ

プ抑制の仕組み

逆起電力はモータの回転速度に比例するので,式 (6)は,式

(7)のようになる。

V̂emf = ωCe1

τs + 1· · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · (7)

すなわち,図 4に示すように逆起電力オブザーバの出力を用

いた負荷トルクオブザーバを設計することができる。この手法

を用いれば,負荷トルクの外乱は速度センサを用いずに観測す

ることができる。図 4において,電流とトルクは比例関係にあ

るので,負荷トルクは電流 iL を用いて表わすことができる。

また,id は駆動電流である。

内側のループの時定数は,外側のループの 110であるから,

システムの力学的解析を容易にするため,i∗ から iまでの伝達

関数を 1とみなす。人間の駆動指令 iH から駆動電流 id までの

開ループ伝達関数は,式 (8)のようになる。

GOL =K

(τ1s + 1)(τ2s + 1) − K· · · · · · · · · · · · · · · · · (8)

図 5 に示すように,開ループ伝達関数のボーデ線図を描く

と,システムのダイナミクスは次のように解析できる。

ボーデ線図から,K ≤ 1 のときはゲイン余裕と位相余裕は

十分大きいが,K > 1 のときは余裕が少ないので,システム

2

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の低周波域及び高周波域においてはロバスト性に欠ける。

iH から id までの閉ループ伝達関数は,式 (9)のようになる。

GCL =(τ1s + 1)(τ2s + 1)

(τ1s + 1)(τ2s + 1) + K(Jn/J − 1)· · · · · · (9)

式 (9)において J = Jn のとき閉ループ伝達関数は 1となり,

電流指令がそのまま実現されることが分かる。スリップが発生

して,慣性モーメント J が減少した場合,伝達関数も J の変

化に伴って減少する。一方,J が増加した場合,加速度を一定

に保つために伝達関数も増加する。

4 シミュレーション及び実験結果

車両が走行中に,乾いた路面から濡れた路面へと路面状態が

変化した場合,タイヤと路面の間の摩擦は急激に減少する。仮

に電気自動車のモータがそれまでと同じ駆動トルクを出し続

けたなら,車輪が大空転を起こすことが考えられる。図 2 及

び 4 に示した電気自動車のシステムを用いて,MATLAB で

スリップ現象のシミュレーションを行う。乾いた路面上で車両

は t = 0[s]で加速を開始し,t = 3[s]で濡れた路面に入るもの

とする。電気自動車のシステムのパラメータには,我々の研究

室の実験用電気自動車「東大三月号 I」のものを用いる。なお,

実験結果との比較のため,シミュレーション結果のグラフの範

囲は実験結果に合わせている。

〈4・1〉 シミュレーション結果

スリップ制御器の性能と負荷トルクオブザーバのゲインと

の関係を調べるために,ゲイン K を 0 から 10 まで変化させ

た。シミュレーション結果を図 6 に示す。図 6(a) 及び (c) で

は,K = 0 の時,スリップ発生後に車輪速度は急激に増加し

ている。しかし、K = 1 の時,加速度が一定に保たれるため,

車輪速度の急激な上昇は抑制されている。K > 1の時,スリッ

プ発生後に車輪速度が減少している。図 6(b) 及び (d)におい

ても,トルク及びオブザーバの出力に同じことが言える。以上

より,図 6(e) に示すように,K が増加するに伴ってスリップ

率が抑制されることが分かる。

〈4・2〉 実 験 結 果

本研究では,電気自動車におけるスリップ現象をシミュレー

ションするために,図 7 に示す実験装置 MG セット (DC

Motor-Generator Setup) を用いている。システム全体のブ

ロック線図を図 8に示した。MGセットにおいて,駆動側モー

タ及び負荷側モータはそれぞれ独立に制御することが可能であ

る。また,実際の電気自動車と同様に慣性の変化をシミュレー

ションする慣性シミュレータも設計した。

実験結果を図 9 に示した。多少のノイズを除けば,実験結

果の曲線は,図 6に示したシミュレーション結果と同じ特徴を

0 2 4 6 8 100

500

1000

1500

Time [sec]

K=0

K=0.2

K=0.5

K=1

K=10

K=5

K=2

Whee

l S

pee

d [r

pm

]

(a) Wheel speed

0 2 4 6 8 100

0.5

1

1.5

2

2.5

3

Time [sec]

Curr

ent

A[]

K=0 K=0.2

K=0.5

K=1

K=2 K=5 K=10

(b) Current (Torque)

0 2 4 6 8 100

10

20

30

40

50

60

70

80

Time [sec]

Acc

eler

atio

n [

rad/s

ec ]

K=1

K=0.5

K=0.5

K=0

K=2

K=0.2

K=10

2

(c) Acceleration

0 2 4 6 8 10-0.5

0

0.5

1

1.5

Time [sec]

Fee

db

ack

Cu

rren

t [A

] K=1

K=0.5

K=0.2

K=0

K=2 K=5 K=10

(d) Feedback Current

0 2 4 6 8 100

0.2

0.4

0.6

0.8

1

Time [sec]

Sli

p R

atio

K=0

K=10

.....

(e) Slip Ratio

図 6 MGセットを用いたスリップ抑制制御のシミュレーション結果

Fig. 6. Simulation results of EV system.

持っていることが分かる。すなわち,K の上昇に伴って,加速

度,スリップ率ともに効果的に抑制されている。

3

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図 7 実験装置 MG セットFig. 7. Experimental system.

Controller

Controller

PWM,

Motor

(Load)

Motor

(Drive)

Tachogenerator

Rotary Encoder

CounterADDA

s+1 s+1τ τ

1 Ls+R

ACR

ω

i

ii

i

e

e

ωθ,

i * e*

ω

i *

*

Har

dw

are

So

ftw

are

1ch 2ch

'

'

'

'

'

connected

Driver

e* i*

1

1

+sτ

1+

+

s

RLs

τ

1

1

1 +sτ

1

)/(

1

2

+s

sCJ

τ

)1( 2 +s

K

τ

iH

図 8 実験装置のブロック図Fig. 8. Block diagram of experimental system.

5 む す び

逆起電力を用いることで,今回提案した新しいスリップ抑制

制御手法は車輪エンコーダを必要としないため,スリップ抑制

制御の信頼性を向上させることができた。実験において,ス

リップ制御器の応答時間を 0.1[s]以内とすることができた。シ

ミュレーション及び実験結果から,逆起電力制御器のトルクの

垂下によって,電気自動車の加速時におけるスリップ現象を効

果的に抑制可能なことが確認できた。

文 献

(1) Y. Hori, “Traction Control of Electric Vehicle: Basic Exper-

imental Results Using the Test EV UOT Electric March,”

IEEE Trans. on Industry Applications, Vol. 34, No. 5,

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 100

500

1000

1500

K=0

K=0.2

K=0.5

K=1

K=2

K=5

K=10

Whee

l S

pee

d [r

pm

]

Time [sec]

(a) Wheel speed

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 100.5

1

1.5

2

2.5

Time [sec]

Curr

ent

[A]

K=0

K=0.2

K=0.5

K=1

K=2 K=5

K=10

(b) Current (Torque)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 100

10

20

30

40

50

60

70

80

Acc

eler

atio

n [

rad

/sec

]K=0

K=0.2

K=0.5

K=1 K=2 K=5 K=10

Time [sec]

2

(c) Acceleration

0 2 4 6 8 10-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

Time [sec]

Est

imat

ed b

ack E

MF

[V

]

K=0 ... K=10

(d) Estimated Back-EMF

図 9 MG セットを用いたスリップ抑制制御の実験結果Fig. 9. Experimental results.

pp.1131–1138, 1998.

(2) S. Sakai and Y. Hori, “Advantage of Electric Motor for Anti

Skid Control of Electric Vehicle,” EPE Journal, Vol.11, No.4,

pp.26–32, 2001.

(3) C. Unsal and P. Kachroo, “Sliding Mode Measurment Feed-

back Control for Antilock Braking System,” IEEE Trans.

on Control Systems Technology, Vol. 7, No. 2, pp.271–281,

1999.

(4) F. Yu, J. Z. Feng and J. Li, “A Fuzzy Logic Controller Design

for Vehicle ABS with an On-Line Optimized Target Wheel

Slip Ratio,” International Journal of Automotive Technol-

ogy, Vol. 3, No. 4, pp. 165-170, 2002.

(5) S. Kodama, L. Li and Y. Hori, “Skid Prevention for

EVs based on the Emulation of Torque Characteristics of

Separately-wound DC Motor,” in Proc. IEEE International

Workshop on Advanced Motion Control, Kawasaki, Japan,

2004, pp.75-80.

4