ドラッカー早朝Skype勉強会「利益／利潤教育」

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利益に対する正しい理解を教育する

ドラッカー早朝 Skype 勉強会

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「ドラッカーさんの著作を読めば，経営について本当に大切なこ

とはすべて言い尽くされている．それにしてもドラッカーさん

がゼロからすべてを思いついたわけではありません．（中略）

ローマ帝国の軍団長やアレクサンダー大王も経営とか戦略につい

て大体同じことを考えていたのではないでしょうか」

ー　楠木　建（「ストーリーとしての競争戦略」著者）

http://muchasuerte.blog78.fc2.com/blog-entry-275.html


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「利益の本質的な機能」を理解するマップ

利益の正しい意味合いを分かることが成長要因の一つ

① 資本主義の正当化

③ 私得と公益

⑤ 利潤動機の利点

⑦ 利益の役割

⑥ 利益の倫理性

⑧ 利益幅信奉の危険

② 資本主義を越えるもの

④ 企業の社会的責任 ⑨ 利益以外の目標

⑩ 今日の利益と長期の成長力

付録：利益のまとめシート

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資本主義の正当化

資本主義は利潤を積極的に評価した最初で唯一の信条だった

組織活動が社会的な目的の実現に貢献していなければ，資本主義自体は正当化されない

　　　　　　　　　　

資本主義とは

自由で平等な社会を自動的に実現するための手段である

自由で平等な社会を作るためには

私的利潤を社会行動の最高の規範とすることが必要

但し…


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資本主義を越えるもの：守るべき道義

資本主義の正当性が「守られる」ために：マネジメント指針

経済を最終目的とした「偶像化」によってもたらされる

資本主義の失敗は何によってもたらされるか

怒りとしらけが蔓延する

自らと組織の成員との間の所得格差が 20 倍以上になると…

・経営陣が大金を懐に入れつつレイオフを行うことは，社会的にも道義的にも許されない・人間として生き，人間として遇されるということの意味は，資本主義の金銭的な計算では表せない

【ドラッカーは，組織にとって重要なものは「人」だと繰り返し言ってき

た】


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・リーダーとしての唯一の正統性の根拠・リーダーが実現すべき第一の責務

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私徳と公益：個人の美徳と公益

リーダーとしての正統性に必要なもの


企業にとってよいこと

社会にとってよいこと

懸命な仕事

優れたマネジメント

高度の責任感

大きなビジョン

… が必要だが

これだけでは足りない

公共の利益を実現／重視すること

リーダー的存在としての正統性を与える

私人の得を社会の福利の基盤にすることが

同じ流れにすること


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企業の社会的責任

良き意図だけでは社会的責任を果たすことができない


● それがなければ，他のいかなる責任も果たせないもの● よき雇用者，よき市民，よき隣人としての地位を保証するもの

利益とは

そのため，企業は資本コスト以上の利益をあげることが求められる

● 組織の社会的責任　　　従業員，環境，顧客，そのほか何者に対してであれ，自らが関わりをもつあらゆるものに対して与える　　　インパクトについて責任がある

● 能力のある分野でのみ行動する責任　　　本来の目的を遂行する能力を傷つけるような責任を受け入れたり，買って出たりすることは無責任．

しかし，経済的成果だけが企業の唯一の責任ではない


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利潤動機の利点：利益動機の効率性

人に対する支配欲を，物に対する支配欲に換える

色んな支配欲があるけれども…

物に対する支配欲

人に対する支配欲

Ａに対する支配欲Ｂに対する

支配欲Ｃに対する支配欲

利潤動機（物に対する支配欲）以外の支配では，野心ある者に直接的な支配力を与え，人を支配する満足を与えてしまう

人に対する支配欲

物に対する支配欲

人に対する支配欲と比べたら，物に対する支配欲のほうがまだマシ


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利益の倫理性：利益の道徳規範

利益の位置づけ，根拠，説明


利益とは資本主義の倫理的なシステムから生まれるものとしての位置づけである必要がある

● コストとしての利益● 雇用を創出するためのものとしての利益● 利益は雇用と所得の唯一の厳選である

倫理的なシステムにおける利益の機能


自己完結的，閉鎖的，静的な経済観念によってではなく，資金のコストを賄い，イノベーションを行い，そして雇用を創出し，組織の成員の所得を保証するという観念に立つからこそ，利益に対する倫理性を認められる



+ 10

利益の役割：利益の目的

利益の３つの機能を抑え，必要性を理解する


事業活動の有効性を評価測定する

事業活動の健全性を評価測定する

自らの事業や製品・サービスの陳腐化をカバーする

更新をカバーする

事業のリスクをカバーする

事業の不確実性をカバーする

社内留保による自己金融の道を拓く

事業のイノベーションと拡大のために

利益

評価測定

カバーリング

資金調達


+ 11

利益幅信奉の危険


利益幅の設定は「最適」であることをマネジメントする

価格の決定の基本

利益の「幅」は，顧客が支払いの価値を認める幅である

利益の「幅」の本質を考える

顧客が支払えるのは…

① 顧客が支払える程度である

顧客が支払えるのは…② 製品が顧客のためにできること　に対してである

顧客が支払えるのは…③ 顧客の事情に合うものに対して　である

製品の価格は…「顧客が価値とするもの」を第一としなければならない

成長意欲のために，利益幅を信奉することで，却って「顧客自らが欲する側」に流れてしまう

↓「最適な利益幅」は，顧客のニーズと現状の正確な分析によって設定できるのではないか？


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利益以外の目標：目的と測定評価とのバランス

マネジメントが目標を設定すべき領域


利益の最大化を唯一の目標にすることは間違い

事業の存続と繁栄に直接かつ重大な影響を与えるすべてに領域において，目標設定が必要

目標の設定

マーケティング

イノベーション

生産性

物的資金的資源

マネジメント能力

人的資源

社会的責任

利益


+ 13

今日の利益と長期の成長力：長期と短期のマネジメント

利益に対して傲慢になってはならない


長期の成長力短期の利益

長期の成長力と短期の利益が容易に両立するというようなことはない

だから選択になる（今日の利益のために長期の成長力を傷つけてはならない）

しかし企業には役割があり，マネジメントには責任がある

【企業の役割】　　・企業にとっての利益の追求は，社会的責任の遂行を前提とし，社会の目的と安定に貢献することを条件とする

【トップマネジメントの役割】　　・トップマネジメントは，全体を見，全体に関わることに対して責任をもたなければならない．そのため，トップマネジメントは，　　　全体，一体性，未来に関わる意思決定を行う必要がある






+ 14

付録：著作からの利益論抜粋

+ 15

まとめ：意思決定のプロセス【「われわれの事業」を，資本主義の下でいかに「守る」か】

● 社会的な目的の実現にコミットする　・企業の永続と成功の条件は，企業目標の第一義を経済的目標にしないこと　　　…　顧客が離れていくような愚は犯さない

① 外側から守る

● 自企業内において，成員間の所得格差のバランスを守る　・成員の士気を削いではならない

● 組織としての社会的責任を果たす　・社会の目的と安定に貢献することを目標にする　　…　組織内文化を醸成する．また，正しい利益観も必要　・能力のある分野でのみ行動する　　…　自らの能力で責任が負える範囲外のものに手を出すと，強みが薄れる／無くなる恐れもある

② 内側から守る

【利益とは】　・自らの存立条件　　・自らの目標を達成するための資源　　・雇用を創出するための資源　・自らの組織の成員に所得をもたらすための資源　　・自らの事業の有効性と健全性を評価するための指標　・事業における不確実性をカバーするためのもの　　・資金調達の源泉／手段

正しい利益観

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ミッション

ビジョン

戦略

戦術

計画

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企業が「健康」であれば，自然と利益は創出される

我々は○○という社会を創る

我々は○○という社会の創出を目指すことにより，正統性に基づいて社会的な目的を実現する

利潤動機を最高の規範とする（自由で平等な社会を創るために必要）

利益感について正しい教育感を培い，また育成する

ROIC （投下資本利益率）の改善に向けて，具体的に行動に落とし込む（利益　＝　価格　－　コスト　を改善するために「協働」させること）

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「貢献」を考える

利益の本質を共有する

● 企業の経済活動に正当性をもたせるために利潤動機は必要　　・利潤動機がなければ，野心ある者の専制的な人に対する支配が跋扈する恐れがある

● 利益観を正しくもつ　　・利益に対する正しい見立てを組織内において醸成しておくことで，組織の成員は，自らの　　　仕事に誇りをもって利益を追求することができる　　　（誇りをもって正しい仕事をした結果としての利益は，組織と社会に貢献するものとして　　　　誇ってよい）

そのために…

　１）参加者の暗黙知を引き出すためのコミュニケーションについて細心する．

　２）プレゼンテーションを共有する（学びの機会を平等化する）

何を共有することで貢献するか？

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● 私は，今週の課題から，次のようなことを学びました．それは…　　・「事業」という，社会的指弾を受けやすいものに対して，事業の正統性を高めることで，自企業の　　　　成長を守り，組織の成員の成長を促進することができるということを改めて学びました．

● 「知った」と「学んだ」は違う．「学んだ」ので，次のことを実践します．それは…　　１）利益なるものの機能について，正しい見方を倦むことなく語りながら，組織内における利益観の　　　　教育と醸成に貢献します．　　

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情報を知識に変える，とは…

宣言し，行動を起こす

宣言し，行動するということ

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