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2009.11.15 vol.23 しんのみ畑 Heart to Heart 「治療を通じて学んだこと」 こうのとり外来の成績 編集後記

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2009.11.15 vol.23

しんのみ畑

Heart to Heart

「治療を通じて学んだこと」こうのとり外来の成績編集後記

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婚して10年、転勤族でひたすら仕事の忙しい夫との間に会話はほとんどなくなり、心の支えは愛犬だけでした。家の中にじっとしていても良い事はなく、自分も外に出て仕事をと思ったのですが、それがストレスになり子供ができない要因になってもいけないと止められ、また家にこもる日々でした。以前かかった病院で子宮筋腫と診断されていて、このごろ出血量が増えたり便秘にもなって心配になり、地元ではどこの病院へ行ったらいいのかわからずにいたところ、丁度テレビで代理出産の報道で諏訪マタニティークリニックを知り、ここなら車で通える、そしてもしかしたら私の心の悩みが解決できるかもしれないと思い受診しました。 その結果、私の筋腫はとても大きく、それでも年齢的には手術をしたら不妊治療に入るのが遅くなってしまう、どちらを優先したらいいのかその選択は難しいものがありました。 できることならば不妊治療をせずに自然に妊娠したい。だけども、40歳以上の自然妊娠の確率は1%程度ときき、そこへきて筋腫も大きくて手術が必要となれば、さらに自然に授かる事は難しいでしょう。そしてもうひとつ、私は 4 年前に大好きな母を亡くしていてその寂しさから立ち直れずにいました。自分のこの年(43歳)で母親が居ないことをこんなにも切なく感ずるのに、私がこれから子づくりをして子供が今の私の年になった時、私は生きていられるだろうか ? そんなことをふと考えた時、子供を持つということ自体、望まない方がいいのでは、という思いも湧いていました。出来ない運、と悟り人生の目的は他にあると考えを切り替えた方が良いのかも、とも思いました。 その日、相談室に寄ってぐるぐると巡る気持ちを話してみました。そして、“ 妊娠にトライするかどうか、今決められないことは今決めなくてもいいや。とりあえず筋腫をとることから始めてみよう。”という気持ちになりました。

 手術をしてそれから、今まであまり深い話しをしてこなかった夫と話しをしました。そしていろいろな人と出会い、いろいろな意見を聞き、いろいろな本も読みました。 そんな中で里子を育てていらっしゃる方と偶然知り合いになりました。そのご夫婦には実のお子さんはいらっしゃらず関わりを持ってきた里子さん達とも養子縁組をする訳ではなく、あくまでも一時的な保護関係である里子の養育に、ご夫婦の愛情を傾けていらっしゃったのです。 その方の生き方をみて、子供が居ない、ということは『1人の人間としての小さな特徴』でしかないということを感じました。子供を持てずに子育てができない人が駄目な人間ということは絶対にないし、それ以外に、その人には何か果たすべき役割があるのではないか、と考えられるようになりました。すると全てのことに感謝できて全ての人に愛を持つことができるようになりました。今まで私自身がつまずいてきたような事柄は、とても小さなことではないかとも思えるようになりました。 そうしたら、打たれ弱く自信がなかった私は、強い子が育てられるのではと思うようになり、もしできるなら子供を生み育てたいと湧きあがる愛が芽生えてきて、今までずっと怖くて避けて来ていた不妊治療も挑戦してみようという気持ちになれたのです。随分と遅いスタートなのですが、これが今の私。一回目の体外受精を終えて次のチャレンジを待っています。 このような決断が出来た自分自身を、褒めたい気持ちでいます。 私は子供に『全てに感謝の気持ちと愛を持つこと』を教えたいと思います。そしてその子がまた子供を持っても、この教えは引き継がれていって欲しいと、そう思ってまずは自分の子供と出逢いたいと思っています。 そして自分の子供が授かろうとそうでなくとも、里子を育てていきたいと思います。生めなかったとしても、子供を育てることで、きっと魂が成長していけると思うから。

は今年の5月からこちらのクリニックでお世話になっています。長野市に住んでいるので、こちらのクリニックまでは高速で1時間半ほどかかりますが、評判と実績を聞き信頼して通っています。 「赤ちゃんが欲しい」と思ってから1年3ヵ月が経ちました。もっと長い間頑張っていらっしゃる方からすればまだ短いのかもしれませんが、私にとってこの時間はとてもとても長く感じられます。友達や職場の同僚の妊娠報告にショックを受け、義母の一言一言に敏感に反応しイライラする自分が本当に苦しく、辛いです。「毎日前向きに楽しく過ごさなくちゃ!!」と思っても妊婦さんや赤ちゃん連れの母親を見ては羨ましく思い、そして落ち込み・・・の繰り返し。そんな時、友達に誘われて相談室に一歩足を踏み入れました。短い時間でしたが、先生

と話をするとすっと肩の力が抜け、心が軽くなるのを感じました。親身になって話を聞いて下さり、本当に嬉しく「また来たい!!」という気持ちになりました。 クリニックに通うようになって悩んでいる方も沢山いるということも知り、こんなことを言われて嫌な気持ちになった、逆にこんな言葉をかけてもらって嬉しかったという気持ちも味わうことが出来ました。私にとって今は、心も大きく成長させてもらっている時なのかもしれません。これを乗り越えたらきっと強くて素敵なママになれるかもなんて思います。今はまだ先の見えないトンネルの中にいるようで落ち込むことも沢山ありますが、いつかかわいい赤ちゃんが授かることを願い、そして素敵なママになれるように笑顔で過ごしたいと思います。

さん

さん

全てに感謝と愛情を

強くて素敵なママを目指して私

結治療を通じて学んだこと

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は、39才で結婚して、すぐに不妊治療をはじめ、5年目になります。 最初は、家の近くの総合病院の産婦人科に受診しましたが、先生から、私の年齢と子宮内膜症である為、不妊治療の専門の外来のある病院に転院を勧められ、治療を始めて1年後に70km 離れた県内の総合病院に転院しました。そこで、初めて体外受精をしましたが採卵ができず、このままでは、治療は難しいという事で、望みをかけてチョコレートのう腫を腹腔鏡で切除しました。体外受精ができるようにはなりましたが、妊娠には至らず 3 年がたった時に先生が退職される事になりました。この時、初めて私の中で治療をやめようかと思いはじめました。しかし、心の奥では、諦めきれない気持ちの方が強くて、以前、知人に勧められた諏訪マタの事を考えるようになりました。 この時点で、仕事を辞めて治療に専念させてもらっていて、病院までの交通費、治療費もかなりかかってしまっており、この上、県外の150kmも離れた病院に行ってよいものかと悩みましたが、主人は、これまで私を責めることなく支えてくれていて、私が後悔しないようにやれば良いと言ってくれたので、諏訪マタに受診する事にさせてもらいました。最後の病院として選んだこの病院は、

総合病院とは違っていて産婦人科の専門の病院は、すべてに患者さん本位になった病院で、もっと早く受診すればよかったとまず思いました。治療を始めて1年たちますが、この間なかなか結果が出せず、治療を続けようか辞めようかと葛藤しながら通院してきました。そして、これからどう考えて、どうやっていくべきか悩んでしまい思い切ってカウンセリングを受けました。 この5年間、主人は私を励まし、後悔しないようにやりたいだけすればよいと言って支えてくれたこと。両家の両親も、子供は授かりものだから無理をしないでと私の体を気づかい、精神的に経済的にも支えてもらったこと。これまで、支えてくれた家族のためにも絶対に子供を授かりたいと強く思うこと。しかし、もし授からなくても悔いはないこと etc...。カウンセリングが終わったら目の前に光の射した明るい道が見えて来ました。どのような結果になっても、いろいろな経験をさせてもらったこの治療は私の財産。私の心の中で節目をつけることができる日はまだわかりませんが、もう少しがんばってみたいと思います。そしてここまで私を見守ってきてくれた家族に恩返しをするという新たな目標も持ってやっていきたいと思っています。

新たな目標を持って ... さん

さん婚して 2 年経っても子供が出来ないので個人病院に

行ったのが約一年半前のことでした。その病院では何の説明もなく最初からクロミッドを出されました。丁度漢方薬を知人から勧められ飲んでいたので、受診時にそのことを医師に伝えると、ものすごい剣幕で怒られ態度の豹変ぶりに驚いて、すぐに別の病院へ移りました。そこではタイミング指導でしたが、妊婦さんと同じ待合室で、プライバシーへの配慮も全くなく、待ち時間もひどい時には 2 時間以上、通院は苦痛になっていきました。そんな矢先、夫の転勤で諏訪マタの近くに引っ越しになりました。きっとこれは神様が私を諏訪マタに行きなさい、と導いてくれたんだと思い早速受診させて頂きました。初めて諏訪マタへ行った時、なんていい病院なんだ、ここでなら頑張れる ! と思いました。「赤ちゃんが授かれるように一緒に頑張りましょう」と初診時に院長先生に言ってもらいとても心強く思いました。今までの病院ではしたことのない不妊の原因を調べる検査が始まりました。卵管造影検査で異常がみつかった時、“ あぁ、本当に病院を変えて良かった。卵管に原因があれば、タイミング治療を続けていても妊娠できるはずはなかった ”と思うと同時に正直ショックもありました。夫には「体外受精での治療ができるんだからやってみよう」と励まされ、また一から頑張ろうという気持ちになれました。 二度目の体外受精にチャレンジする前に初めて相談室へ寄ってみました。その時に私は心の中でモヤモヤしたものを抱えていました。まず一つは、私自身の原因によって体外受精という治療方法になってしまったこと。その方法があるのだから、と一旦は割り切っていたはずなの

に、どこかで自分を責めていました。そんな話しをすると、私もこの状態になりたくてなった訳ではない、ということと、私の場合は体外受精という乗り越えられる術があることを再認識できてすっと心が楽になりました。そしてもう一つは、私が治療をしていることを知っている友達が自然妊娠し、最初は、おめでとう、とメールを返せていたのですが再三に渡り妊娠の経過を報告する心ないメールを送ってこられ、それがとても辛い、嫌だ、もう友達と思いたくない、という話しを聞いてもらいました。 子供の顔写真入りの年賀状が辛いという人が結構居る話しも聞き、私もそうだったので“ あぁ、そんな感情を持つのは私だけじゃないんだな、そう思ってもいいんだな”とまたまたほっとしました。 諏訪マタに通い始めて同じ悩みを持つ友人に治療のことを色々話したら、今ではその人も一緒に通院するようになりました。そういう仲間がいることで勇気づけられ、一緒にがんばっていこうという気になります。実はこの日もその友達と一緒に通院していて、私がその事を話すと、それなら是非お友達もどうぞ、と言ってもらって彼女を相談室に呼んで3人で話しをしました。 不妊治療は辛い事もたくさんあるけれど、何も悩む事なく子供を授かっていたら、わからなかったことがあると思いました。命について、また人の痛みを感ずる事、思いやりの気持ちの大切さ、今まで以上に意識することができるようになりました。一回目の体外受精では分割が途中で止まってしまい移植ができず何日か落ち込みましたが、また今回前向きに挑戦していきたいと思います。

思いやりの気持ちの大切さ

治療を通じて学んだこと

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しんのみ畑

発行所:医療法人登誠会 諏訪マタニティークリニック  発行人:吉川文彦  編集部:こうのとり相談室

Vol.232009 AUTUMN vol.23 CLUB KOUNOTORI

2009年1月~3月治療成績

69

371

298

132

FREE P

APER

保科今年は山のキノコがなかなか採れないと聞いていましたが、先日思いがけずナラタケを頂きました。早速すき焼き風で食べましたがとてもおいしく季節を感じました。夏にはトマト、きゅうり、ピーマンなど、冬にはりんご、白菜、とご近所からいろいろなものを頂けてとてもありがたいのです。が、レパートリーが少ないため、同じようなメニューばかり。いろいろな料理に挑戦したいです。

小平私にとって秋、といえば食欲の秋。きのこ御飯やきのこ汁、栗御飯に栗の渋皮煮。食後のデザートには焼き芋や柿など、かなり秋を満喫しています。しかし、秋といえば紅葉、スポーツ、読書とも言いますから時間をみつけて紅葉を楽しみ運動、読書もして秋を満喫したいです。そう思いながらも今日の遠くに見える北アルプスの山には白く雪が積もっていました。もうすぐ、冬かぁ・・・。

中島オーブンレンジの調子が悪くなり新しいのを買おうかと調べたり電気屋に行くと、又調子良く動き出したりの繰り返しで一年が経ちました。いろいろな機能が増えていく中で、“こんな機能があるといいかも !?”なんて思っていたらその分値段も上がり迷っているとだんなから『どうせレンジしか使わないんじゃないの?』と言われ“時々オーブンも使うよ !!”と反抗しましたが、最近ほんとに年に数える程しか使わない・・・。この分だとまだ当分は新しくなる気配はなさそう?

小林近頃話しをしていても“思い出せないこと”が増えて来ました。『あのーー』とか『あれあれ』みたいな。脳を活性化するためには時間がかかっても思い出した方がいいそうです。脳年齢をアップさせるためにも日々思い出す努力をしていきたいと思うこのごろです。

岡村昨年一人暮らしをしてから初めて高熱を出し寝込みました。(インフルエンザではなかったです)食べるものがなくても、作る気力も買いに行く気力もなく・・・。だから食べない、のですが全く痩せず。汗をかくので着替えるとその着替えもなくなりはじめ、だるい体で洗濯をする。本当に大変でした。新型インフルエンザが流行っている様ですがもうあのような大変な思いはしたくないのでできる限りの予防をしたいと思います。

渡辺初めて相談室にお入りになった患者さんに、以前から気にはなっていたけれど中々入れなかった、と言われることがよくあります。一旦入ってしまうと次からは気楽なんだけど、最初の一歩に勇気がいったと。本当にその通りだと思います。私自身も、他の病院にお世話になるような時は、なるたけ優しそうで話しやすそうなスタッフの方を探してしまいます。聞くこと、話すことの勇気、それをしかと感じながらポストにカルテが入った時『寄ってみようとおもってくれてありがとう』そう思って皆さんを待っています。

倶楽部KQ&A