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vol. 133 令和時代の 人材育成 Special Feature

Special Feature 令和時代の 人材育成 · (コーチング、ファシリテーションなど) 思考系研修 (日々の戦略思考、キャリアデザインなど)

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vol.133

vol.133

令和時代の人材育成

SpecialFeature

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企業の現場は、今、多忙を極めています。日々進化するIT技術へのキャッチアップ、多様化する顧客ニーズへの対応、コンプライアンスの徹底やハラスメント防止に向けた対策など、現場が対応すべきことは従来よりも増しています。その上、働き方改革で、時間は短く、少ない人数で大きな成果を上げることが求められています。こうした中では、本来は後進の教育に注力する役割を担うはずのマネージャー層も、自らプレーヤーとして働くプレーイングマネージャーにならざるを得ない状況です。現場としては、集合研修やOJTに十分な時間を割く余裕がないというのが実情でしょう。そこで、注目されているのが、ICTを活用した教育です。デジタル技術やデバイスの発展によって、「すき間時間を活用

した学習(マイクロラーニング)」や「個々に合わせた学習の提供(アダプティブラーニング)」など、効率的な学習が可能となりました。学習データを蓄積していくことで、個人の特性に合った学習コンテンツを提供することもできるようになります。今後さらに発

社会が大きく変動し続ける中で、企業における組織のあり方も変化しています。人生100年時代が到来するといわれ、生涯現役が当たり前の時代を迎えようとしています。少子高齢化がますます進展し、働き手が減り、労働力不足という社会的な課題を前に、女性のさらなる活躍やシニア人材の活用が推進されています。そのため、組織を構成する人たちを見ても、働き方や雇用形態が多様化しています。さらに、昨今ではテクノロジーの進歩により、国や地域の境界を越えて必要に応じてチームをつくって業務を遂行することも可能となり、組織のあり方・考え方を根本から変えざるを得ない状況にあるといっても過言ではありません。このような状況下で企業の現場では、世代や価値観、雇用形態や能力の異なる人々の力を集め、多様性を活かしながら成果を創出する仕組みづくりが必要とされており、人材育成のあり方や手法も、従来とは異なるものが求められています。

社会の変動に伴って、組織のあり方と人材育成にも変化が求められる

充実した現場教育の実現が厳しい中でICTを活用した教育が注目される

人生100年時代の社会人基礎力

3つの能力

3つの視点

社会の変化(外的要因) 組織の変化(内的要因)

S p e c i a l I n t e r v i e w

変化の時代を乗り越え未来へとつなぐ人材育成のあり方加速する少子高齢化やグローバル化、それらに伴う価値観の多様化や社会構造の変化など、企業とビジネスパーソンを取り巻く環境は激しく変動を続けています。このような時代を乗り越えて未来に向かうために、組織や個人はどのような考えを持って人材育成に臨めばいいのでしょうか。これからの時代に求められる人材育成のあり方や重要なポイントについて、個人と組織の成長を促す研修を通じて企業の組織づくりを支援する、トッパン マインドウェルネス代表取締役社長 岩崎玲子がお話しします。

●少子高齢化の進展●労働人口の減少●グローバル化●ICTの進歩 など

●人手不足●働き方改革●生産性向上●ダイバーシティ推進●コンプライアンス強化 など

どう活躍するか

どのように学ぶか

何を学ぶか

前に踏み出す

考え抜く力

チームで働く力

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展が進めば、例えばVR/AR技術を使った遠隔コミュニケーションによる遠隔教育も可能になるでしょう。

ICTによってより良いコンテンツやツールが登場し、学びやすくなった一方で、それを活用しようとする個人と、学びを活かす上司、そしてその取り組みを評価する組織でなければ活用できません。先進のテクノロジーとコンテンツを取り入れるにしても、教育の目的が共有され、個人が納得して、学ぶことができるような組織・文化と学習環境が必要です。デジタル化が進んでも、組織が人の集まりである限り、人の担う役割があり、企業の役割もあります。企業に求められるのは、学校教育のような一定の知識を供与

するものではなく、経験を通じた教育です。いかに日常業務の中で経験の機会を提供し、そこからの学びを促すか。この「経験をデザインする力」が企業の教育に必要とされています。中でも、リーダーシップ開発は変わらぬ大きな課題です。ビジ

ネスパーソンは職位や立場に関係なく、「一人ひとりがリーダーである」という意識を持つことが重要で、人材育成でもそうしたマインドを醸成していかなければなりません。従来は過去の成功例をモデルとして学び、自社に適用する方法が主流でしたが、多様性の時代には、リーダーシップのあり方も一様ではありません。日々の経験と結果から学ぶことが大切になります。そのためには、失敗するかもしれないという恐怖を乗り越えて挑戦し、ときには失敗の痛みに耐える必要もあるでしょう。リーダーには、それを可能とする「適応力(レジリエンス)」が重要であり、その上で、リーダーが自分自身のミッションを自覚し、自分の言葉で語り、人々をひきつける力を持つ必要があります。そのためには、「なぜ」を伝えられるコミュニケーション力が求められています。

変化への対応を求められる時代にあり、今後どのような能力が必須となるか、見通すことが難しい今、「この知識・スキルさえ学んでおけば大丈夫」と断言できるものはありません。しかし、そういうときだからこそ身につけておくべきは、どんな変化にも対応できる力の源となる「基礎力」です。例えば、「社会人基礎力」(左図参照)は、人生100年時代の到来を踏まえて、これまで以上に長くなる企業・組織・社会との関わりの中で、個人がライフステージの各段階で活躍し続けるために必要な力として、経済産業省が定義したものです。主に3つの能力――「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」と、3つの視点――「どう活躍するか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」から構成されています。基礎力といっても、中間層やシニア層も常に更新が必要です。パソコンやスマートフォンに例えるなら「OS」のようなもの。3つ

変化に流されない基礎力と専門性を持ち意志を持って行動できる人材へ

■■Special Feature■■ 令和時代の人材育成

株式会社トッパン マインドウェルネス代表取締役社長

岩崎 玲子

デジタル技術が進化し、時代が変わってもリーダーシップの重要性は変わらない

の視点を意識して自分自身の学びのテーマや学び方を振り返りながら、時代に合わせてアップデートしていくことが求められています。このOSの上に、具体的な成果をもたらす専門知識、例えばデ

ジタル領域でのAI、IoT、環境や宇宙開発のような学際的テーマなどが乗ってきます。こうした専門性を一人ひとりが追加し、高めていくことが望ましいでしょう。先の見えない未来を「不安」と思うか、「可能性がある」と捉え

るか。これからの時代には、自分で物事をいかに捉え、どう考えていくかが重要になります。当社は創業以来、自分と組織を俯瞰して客観視する視点を持ち、思考する人材の育成を重視してきました。この視点は社会人基礎力における3つの視点そのものであり、これからもこの視点を大切にしながら、時代に合う人材育成をお手伝いしていきます。

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対話と内省を通じて客観的な「目」を育て人の成長と組織の変革を支援する

人材育成・コンサルティングサービストッパン マインドウェルネス

 トッパン マインドウェルネスが大切にしているのは、「現場実践主義」。受講者が、研修やワークショップで得た知識や気づきを、いかに職場(現場)で活かせるようになるか。社員や組織が自律的に成果を生み出せるように支援する各種サービスを提供しています。

戦略、マネジメント、組織構造を踏まえ、一人ひとりの内発的変革を支援し、事業目標達成につながる組織能力向上を推進します。

●働き方改革●組織の関係性構築●企業理念やビジョンの浸透●組織の体制や方針変更への理解

テーマ例

個人を育てる「研修」と組織を育てる「組織開発コンサルテーション」

「組織開発コンサルテーション」の流れ

個人の主体性やモチベーションの向上、人と人とのコミュニケーションの観点から、組織と個人を活性化し、対話のある組織をつくるための人材育成・コンサルテーションサービスを提供しています。

サービスコンセプト——「トリの目®」とは自分自身を含めた組織の現状を、目的、時間、周囲との関係性から客観視する目であり、組織が変化に対応するために、リーダーが「トリの目®」を持ち、思考することを人材育成の基盤として重視しています。

※「トリの目」は、株式会社トッパン マインドウェルネスの登録商標です

トリの目

主体性を引き出す研修プログラム

成果を上げる組織づくりを支援する

組織・人材の戦略的開発を支援するアセスメント

研修で学んだ人々が「トリの目®」を持ち、主体的に行動する(相手に行動させる)ことに主眼を置いたプログラムを開発、提供しています。  

●コミュニケーションスキル系研修 (コーチング、ファシリテーションなど)  ●思考系研修 (日々の戦略思考、キャリアデザインなど)

研修と職場(現場)をつなぎ、実践による経験からの学習を促し、成果を生み出す組織づくりを支援する組織開発のコンサルティングサービスを提供しています。

●対話を通じたメンバーの関係づくりと 当事者意識の醸成●チームによる課題解決の推進など

組織とそこで働く個人の活力を測るアセスメントや、個人に対する多面評価などで組織開発・人材開発を支援します。

●組織活力調査●マネジメントフィードバック

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やること・決めること

フィードバックサイクル

①安心して話せる 場をつくる

③創って試す

②事実を見て 発見する

④結果から学んで活かす

論点抽出 プロセス設計 現場実践 結果からの学習

・サーベイ・インタビュー・観察・ブレスト・ワークフロー分析

・何/誰が 変えるか

・どんな 手法を使うか

・いつ行うか・何で 評価するのか

T O P P A N S O L U T I O N

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研修で得た“気づき”が現場で活きる。多様な「トリの目®」研修シリーズ

内省を通じて自己客観視する力を身につけるプログラムをご紹介!随時実施している体験セミナーでは、実際のプログラムで行われるワークや講義の一部を体感いただけます。

社会人基礎力のアップデートに対応

自律型リーダーを育てる 日々の戦略思考研修 変化の時代の新マネジメント研修

体験セミナー随時実施中! 詳しくは、https://www.mindupnavi.com/seminar-free/

プログラムの目的●VUCA(ブーカ)の時代のリーダーに求められる能力として、日々の業務を

戦略的に捉える力を知る●「日常業務において戦略的に思考し行動する」とはどういうことかが理解

できる●ものごとの本質を捉え、計画~行動するためのスキルを学び、職場で実践

できるようになる研修の特徴●VUCA時代を生き抜く次世代リーダーにとって欠かせない思考・行動スキ

ルを体系的に習得する。●自律型リーダーに必要な「戦略的に思考すること」とはどういうことかを、ケー

スを通じ、自分達の現状とあるべき姿を比較し、考察しながら学んでいく。●実際の自分自身のケースで考えてみることで、職場への適応を真剣に考え

る動機付けを図る。●個々人が仕事の最前線において、より戦略的に思考し、行動するためのプ

ロセスを、「日々の戦略思考モデル」として凝縮し、それぞれの職場に持ち帰ることができる。

プログラムの目的●これからのマネージャーの役割を理解する●マネジメントに必要な心構え・スキルを学ぶ●これまでの自分自身のマネジメントスタイルを振り返る●今後のために実践練習を行う研修の特徴

[コンセプト]一人ひとりを信頼し、自律型人材を育てる1.自己認識を深めイキイキと!  自らを客観視することにより、自分は何を大事にしているか、何のために

働いているかを一歩深く考えたり、周囲から助けられている自分を認識することができるようになり、意思を持って考え、動けるようになる。

2.マネージャーへの期待役割を果たすスキルを体系的に習得する  マネジメントで必要とされるスキルを体系的に理解することで選択肢が広

がり、自組織のために最も自分が取るべき行動を判断できるようになる。3.マネジメントスタイルの変革を動機付ける  マネージャーの仕事は複雑であり、かつ社会の変化に対応する必要があ

る。自組織の成果創出のために、いまの時代に即したかたちでマネジメントスタイルを変革していくことを支援する。

トッパン マインドウェルネスでは、対話によって内省を促し、「トリの目®を持つことの大切さ」、トリの目®を持つことで組織や人が「どう変わるのか」を理解・意識して行動できるように、系統別・階層別に、さまざまな研修メニューを実施しています。

お客さまの状況をヒアリングした上で、幹部・管理職・監督者・中堅・若手社員など、さまざまな役割やスキル習熟度、および求められる成果に応じて適切なアプローチを検討し、研修プログラムを提供しています。

PICK UP!

幹部

組織変革リーダーシップ

マナー

(メンティー)

マネジメント

コーチング

プレゼンテーション

部門業務スキル

専門知識

目標設定と

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メンタリング(メンター)

ファシリテーション

部下のやる気は上司次第

相手の意図をきく力

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システム思考

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日々の戦略思考

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ロジカルシンキング

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