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SplenectomySplenectomy forfor Immune Immune Thrombocytopenic Thrombocytopenic PurpuraPurpura
Guidelines for ITPGuidelines for ITP
Idiopathic thrombocytopenic purpura: A practice guideline developed by elicit methods for the American Society of Hematology
~ Blood 1996; 88:3
Guidelines for the investigation and management of idiopathic thrombocytopenic purpura in adult, children and in pregnancy
~ British J of Haematology 2003; 120:574
EpidemiologyEpidemiology
小児に発症する ITP と成人に発症する ITP は それぞれ異なった特徴を有しており別々に 考える必要がある
↓↓
最大の相違点は自然治癒率自然治癒率である
なぜこの問題が重要かというと・・・
自然治癒率が高いとそれを予測して治療対象を決定することが必要であり、かつ、治療成績の評価も難しいからである
Epidemiology of child ITPEpidemiology of child ITP
onset が比較的はっきりしている先行感染が認められることが多い80 %は 2 ヶ月以内に、 85 %は 6 ヶ
月以内に自然治癒
それでは残りの 15 %を治療対象とすればよいかというと、ある study では・・・
6 ヶ月以上経過した ITP (chronic ITP) 患児 85 人を追跡した結果、
「「 1515 年以内の自然治癒率は年以内の自然治癒率は 6161 %に達%に達し、 さらにし、 さらに chronic ITPchronic ITP による死者はによる死者は一人もいなかった」一人もいなかった」
このような特性から小児の ITP 治療は、根治を求めるものから、症状が出た場合に一時的に治療を行い自然治癒を待つといったスタンスに変化してきた
↓↓ つまり小児 ITP の治療に関しては、脾脾
摘の適応範囲は非常に狭い摘の適応範囲は非常に狭い
Treatment for child ITPTreatment for child ITP
経過観察 (血小板数 3 万 /μl 以上で無症状の場
合) 対症・維持療法 1 ) steroid therapy 2 ) immunoglobulin 根治療法 1 ) splenectomy
Treatment for child ITPTreatment for child ITP
血小板数 3 万 /μl 以下が治療開始の目安 口腔内 blister や重篤な皮下出血あれば治療対
象 high dose prednisolone(4mg/kg/day を最長 4
日間 ) immunoglobulin は重度の出血傾向や手術待機
時などに使用
Splenectomy for child ITPSplenectomy for child ITP
脾摘の適応は chronic ITPのみ しかも自然治癒を考慮していない不完
全な study が多く、適応に関し evidence は確立されていない
~ The American Society of ~ The American Society of Hematology ~Hematology ~
steroid therapy の効果が持続せず、かつ、 12 ヶ月間血小板数 1 万 /μl 以下 or 12 ヶ月間 1 万~ 3 万 /μl で出血傾向持続、の場合を今回の guideline において脾摘適応の consensus とした
~ British Journal of~ British Journal of HaeHaematology ~matology ~
長い年月を経ても自然治癒すること、小児の chronic ITP の mortality は低いこと( 死亡は 500 人に 1 人以下 ) 、 splenectomy の mortality は 1.4 %前後、その後の sepsis の可能性、などを考慮するとその適応範囲は極めて狭い、との見解のみではっきりとした基準は示していない
Epidemiology of adult ITPEpidemiology of adult ITP
onset がはっきりしない 明らかな先行感染なく偶然発見される
ことが多い 自然治癒率は 9 %程度とされる
10 年間追跡したある study では・・・
85 %は無治療で長期にわたり血小板数 3 万 /μl 以上を維持 (mortality は健常人と差がなかった ) 6 %は薬物療法によって血小板数 3 万 /
μl を維持 9 %は薬物治療不応性の重度 ITP
よって adult ITP において splenectomy の適応は
血小板数 3 万 /μl 以上の人 → 適応なし 薬物療法で血小板数 3 万 /μl を維持している人 → グレーゾーン 薬物療法不応性の人
→ 適応
このグレーゾーンに関して guideline でははっきりとした目安を提示していない
ちなみに 2002 年の NEJM の review では・・・
「「 33 万万 /μl/μl 以上の血小板数を保つのに以上の血小板数を保つのに PSLPSL1010 ~~ 20mg/day20mg/day 以上必要とするとき」以上必要とするとき」
を多くの hematologist の consensus と記し
ている
Platelet count & bleeding riskPlatelet count & bleeding risk 血小板数 3 万 /μl 以下での出血死の risk は
0.0162 ~ 0.0389 人 / 人年、年齢調整後の比較では 0.004(40歳以下 ) 、 0.012(40 ~60歳 ) 、 0.130(60歳以上 )
成人に関しては血小板数 3 万 /μl を維持す ることが現在の consensus と なっている
Platelet count & bleeding riskPlatelet count & bleeding risk
口腔内 blister の存在が脳出血と最も相関性があることが示されている
Treatment of adult ITPTreatment of adult ITP
prednisolone 1mg/kg/day を血小板数 3万 /μl 以上に回復するまで、その後 2~ 4週で tapering
約 60 %は治療に反応するが完全に離脱できる確率は 10 ~ 20 %程度
免疫グロブリンは奏効率が 75 %程度と反応性は高いが効果も一時的なものであるため術前の使用など用途が限定
Splenectomy for adult ITPSplenectomy for adult ITP
奏効率としてはだいたい 80 %前後多くは脾摘後 10 日以内に血小板数回復
Splenectomy for adult ITPSplenectomy for adult ITP
奏効率に関しての predictive factor は明ら かなものとしては年齢のみで、 40歳以下
で 脾摘術を施行され た群では 40歳以上 に比べ有為に再発 率が低い (p=0.005)
Review of the splenectomyReview of the splenectomy
1) Anatomy of the spleen
2) Perioperative management
3) Postoperative complications
4) Total gastrectomy ( ) ※
Anatomy of the spleenAnatomy of the spleen
脾は主に胃脾間膜、膵脾間膜、脾結腸間膜、横隔脾ヒダによって固定されている
Anatomy of the spleenAnatomy of the spleen
腹腔動脈より分岐した脾動脈は脾門部付近で上下枝に分岐、上枝は短胃動脈を分岐し、下枝は左胃大網動脈を分岐する
Perioperative managementPerioperative management
ASHでは術前の血小板数 2 万 /μl以上を維持するために steroid therapy や immunoglobulin の投与を推奨
術前の血小板輸血は 1 万 /μl 以下でなければ使用すべきでない
脾動脈を結紮した時点で血小板を輸血すべきとの議論があるがはっきりとした evidence はない
Postoperative complicationPostoperative complication
1) Immunosuppression
2) Portal vein thrombosis
3) chronic refractory ITP
ImmunosuppressionImmunosuppression
脾摘後の感染率は 0.73/1000 人年と低いが一度感染すると劇的な経過をとり死に至ることがあり注意が必要
pneumococcus 、 H.influenza b と meningococcus のワクチンは必須で、最低でも手術の 2週間前には投与することが CDCで推奨
(pneumococcus に関してはその後 5 年毎に投与 )
5歳以下の小児では有為に感染率が高くなるので、 5歳までは penicillin の予防内服が必要
Portal vein thrombosisPortal vein thrombosis
study 自体が少数だが発症率は大体 10 %前後 (主に color Doppler にて診断 )
ある資料では術後 2 ~ 3週前後が最も血栓を生じやすく、特に血小板数が 80万 /μl を超えるような人では血栓が出来やすいとされ、アスピリンの投与 (300 ~ 600mg/day) が有効との報告も
chronic refractory ITPchronic refractory ITP 定義は ① ITP が 3 ヶ月以上経過 ② splenectomy にて改善しない ③血小板が 3 万以下 つまり splenectomy に対し治療抵抗性のもの ↓ ↓accessory splenic tissue を必ず除外し、見つからなければ cyclophosphamide や azathioprine 、 vinca alkaloids などの免疫抑制剤を考慮する
Accessory splenic tissueAccessory splenic tissue
副脾は一般に腹腔内、特に脾門部から脾動脈周囲、膵尾部にかけて多く存在する
Accessory splenic tissueAccessory splenic tissue
剖検では 10 ~ 31 %の人が有しているとの結果
稀に睾丸や卵巣、肝臓や膵臓の内部に存在することがある
大きさは 0.2 ~ 1.0cm 前後のものが多く、中には 3cm に達するものもある
Accessory splenic tissueAccessory splenic tissue
ITP での脾摘後の再発では 10 ~ 18 %が residual spleen によるもの
US や CT ではその大きさのため検索が困難であり、核シンチでも肝や脾によってmask されてしまうため術前検索は困難
術後の副脾の存在は抹消血で変形した赤血球が無いことや核シンチで診断される
PancreaticosplenectomyPancreaticosplenectomy on total on total gastrectomygastrectomy
1999 年の NEJMで、胃癌での一群リンパ節郭清 (D1) と二群リンパ節郭清 (D2) を比較した RCT が発表され、結果ともに生存率に差はなく D2群のほうが D1群に比べ明らかに合併症の発症率が高いことが示された
二群リンパ節には脾門部のリンパ節No10 、脾静脈周囲のリンパ節No11b が含まれており「 D2=脾膵尾部切除術」を意味する
つまり今後は胃全摘術において脾膵尾部切除術を行わなくなる可能性が出てきたが、日本では伝統的に D2 手術が施行されており現在日本でも RCT が行われている最中である