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Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. 2008 高砂熱学工業 環境報告書

TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

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Taka

sag

o T

her

mal

En

gin

eeri

ng

Co

.,Ltd

.

2008

本 社東 京 本 店大 阪 支 店名 古 屋 支 店横 浜 支 店九 州 支 店東 北 支 店札 幌 支 店広 島 支 店関 東 支 店関 信 越 支 店産業空調事業本部海外事業本部 総 合 研 究 所

〒101-8321〒101-8321〒530-0013〒450-6037〒220-8126〒812-0011〒980-0811〒060-0003〒730-0011〒130-0026〒101-0062〒163-1020〒101-8321〒243-0213

TEL03-3255-8212TEL03-3255-8221TEL06-6377-2800TEL052-582-8400TEL045-224-1570TEL092-431-8050TEL022-227-9552TEL011-261-2531TEL082-221-2871TEL03-5600-2201TEL03-3255-8303TEL03-5323-3881TEL03-3255-8710TEL046-248-2752

東京都千代田区神田駿河台4-2-5(トライエッジ御茶ノ水)東京都千代田区神田駿河台4-2-5(トライエッジ御茶ノ水)大阪府大阪市北区茶屋町19-19(アプローズタワー)愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4(JRセントラルタワーズ)神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1-1(ランドマークタワー)福岡県福岡市博多区博多駅前2-19-24(大博センタービル)宮城県仙台市青葉区一番町2-4-1(興和ビル)北海道札幌市中央区北3条西4-1-1(日本生命札幌ビル)広島県広島市中区基町13-7(朝日ビル)東京都墨田区両国2-10-8(住友不動産両国ビル)東京都千代田区神田駿河台4-2-1(お茶の水ビル)東京都新宿区西新宿3-7-1(新宿パークタワー)東京都千代田区神田駿河台4-2-5(トライエッジ御茶ノ水)神奈川県厚木市飯山3150

http://www.tte-net.co.jp

お問い合わせ先

高砂熱学工業株式会社 技術本部 品質・環境部

〒101-8321 東京都千代田区神田駿河台4-2-5 トライエッジ御茶ノ水

TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443

Taka

sag

o T

her

mal

En

gin

eeri

ng

Co

.,Ltd

.

Printed in Japan2008.06.SND

高砂熱学工業環境報告書

Page 2: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

■報告対象組織 : 高砂熱学工業株式会社国内全店■報告対象期間 : 2007年4月1日~2008年3月31日■発   行  日 : 2008年6月5日(環境の日)■次回発行予定 : 2009年6月5日■報告対象分野 : 環境側面■参考にしたガイドライン : 環境報告書ガイドライン 2007年度版  (2007年4月環境省) 環境会計ガイドライン  2005年度版  (2005年2月環境省)

Environmental Report 2008 Environmental Report 2008

編集方針

 当社の環境活動内容を正しく開示し、取り組みへのご理解とご評価をいただくことを目的に、2001年から環境報告書を毎年発行しています。� 本年度は、当社の生産活動での環境活動とお客さまと協働しての環境活動(環境ビジネス)を明確に区分すると共に、現場施工段階における地球環境活動の成果報告に多くの紙面を割きました。また、より読みやすくを目指して編集を行いました。�

1 2

(人)

社員数�(4月1日現在)�2,000

1,500

1,000

500

02003年� 2004年� 2005年� 2006年� 2007年�

売上高�3,000

2,500

2,000

1,500

1,000

500

02004年度�2005年度�2006年度�2003年度�

(億円)

2007年度�

■ ごあいさつ�

■ 会社概要�

■ Green Air¤ 活動への取り組み�

■ CSR活動への取り組み�

■ グリーンエア¤ 事業�

■ Green Air¤ 技術�

 ■ Green Air¤ 技術による環境負荷低減�

 ■ 環境負荷低減 研究/開発技術�

 ■ 環境負荷低減 計画/設計技術�

 ■ 環境負荷低減 施工技術�

■ Green Air¤ 活動成果�

 ■ 目標と成果�

 ■ 生産活動の場における成果�

 ■ オフィス活動の場における成果�

 ■ 学・協会受賞物件�

 ■ 地域活動と関連会社の活動�

 ■ 環境会計�

■ 関連情報�

■ 第三者意見�

■ おわりに�

10

16

17

19

24

25

27

28

29

30

30

CONTENTS社  名:高砂熱学工業株式会社�

     (Takasago Thermal Engineering Co., Ltd.)�

代 表 者:代表取締役会長  石井 勝�

     代表取締役社長  石田 栄一�

設  立:1923年(大正12年)11月16日�

資 本 金:13,134百万円(2008年3月31日)�

売 上 高:216,446百万円(2007年度)�

業務内容:空気調和設備�

     クリーンルーム及び関連機器装置�

     地域冷暖房施設 コージェネレーション設備�

     電気・計装・通信設備 給排水衛生設備�

     設備診断・故障診断システム�

     除湿・乾燥設備 原子力施設空調設備�

     高度精密空調設備 廃棄物真空搬送設備�

     建築工事�

     排熱回収設備 加熱・冷却設備�

     冷凍・冷蔵設備�

     エネルギーソリューション ESCO事業�

     その他各種環境制御・熱工学システム�

     上記事業内容の設計・施工・製作・据付�

従業員数:1,695名(2008年4月1日現在)�

株  式:東証、大証1部上場�

支店・事業所:東京本店、大阪支店、名古屋支店、横浜支店、�

     九州支店、東北支店、札幌支店、広島支店、�

     関東支店、関信越支店、産業空調事業本部、�

     海外事業本部�

 地球誕生から46億年、海に生命が誕生し、生命の光合成によって

私たちが呼吸する酸素や、宇宙からの紫外線を遮断するオゾン層が作

られ、地上に生物が生息できるようになって5億年。その間、多様な植

物、動物が生存できる豊かな地球環境が作られ、人類の祖先と�

なる霊長類が6,500万年前に誕生しました。�

 この気の遠くなるような年月を経てつくられた地球環境を、人類が�

この数十年という時間で壊そうとしています。その一つがフロンによる

オゾン層破壊でした。これはモントリオール議定書に代表される国際的な

取り組みにより、歯止めをかけることに成功しました。しかしながら、

もう一つの破壊、最大の危機としての地球温暖化が止まりません。

ますます温暖化が加速している今、対策のスピードこそが肝心です。�

 2008年、世界は温暖化対策の第一シナリオ「京都議定書」の約束実行開始年を迎えました。また我国に

とっては、7月の洞爺湖サミットでポスト京都議定書の枠組みを設定できるかどうか、議長国としての鼎の軽重を問わ

れる重要な年となりました。そのためにも我国は、京都議定書で約束したCO2排出量6%削減に真摯に取り組み、

実績を世界に示さなければなりません。�

 当社は、技術力を駆使して民生部門の約40%を占める空調に起因するCO2排出量を削減することこそが、空調

を生業とする当社の社会的責務であると考えます。そのために省エネリニューアルの一層の推進を図り、省エネ

空調システムの設計・施工の提供はもちろん、“お客さまと協働しての空調運転の省エネルギー化”にも更に注力し、

CO2削減に貢献してまいります。�

 同時に当社は、空調設備・製品およびサービスを高品質で提供すること、すなわち施工のやり直し、製品のリ

コールなどを必要としない品質の提供こそが、CO2削減・省資源に直結する環境活動そのものと考えます。

オフィスや工事現場での CO2削減・省資源の徹底、建設廃棄物やアスベストそしてフロンの適法処理を実践し、

業務の場でのGreen Air® 活動(地球環境活動)を更に強力に推進してまいります。�

 そのための新たなる環境技術の創造とその展開に、当社はフロンティアスピリットを持って積極果敢に挑戦しつづ

ける所存です。�

2008年6月�

会社概要�ごあいさつ�

代表取締役社長�

1,717�1,961� 1,804�

1,973�2,164�

1,695�1,660�1,601�1,609�1,638�

かなえ�

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ISO認証�

ISO14001実績�ISO9001実績�

登録日 1999年10月19日�登録日 1998年6月29日�

登録日 1999年6月16日�登録日 1998年7月27日�

名古屋支店�

大阪支店�

登録日 1999年12月3日�登録日 1998年6月29日�広島支店�

登録日 1999年11月19日�登録日 1997年12月24日�九州支店�

登録日 1999年11月26日�登録日 1998年7月27日�札幌支店�

登録日 1999年10月19日�登録日 1998年9月28日�東北支店�登録日 1999年8月31日�登録日 1998年9月28日�関東支店�

登録日 1999年12月16日�登録日 1998年11月30日�

登録日 1999年10月15日�登録日 1998年2月25日�横浜支店�

東京本店�関信越支店�産業空調事業本部�

Green Air® 活動�

・ 建築設備廃棄物の削減と適正処理�・ フロンの適正処理�・ 現場および事務所の省エネルギー化�・ 現場および事務所の省資源化�・ グリーン購入 等�

環境ビジネス活動�・ 顧客への省エネ設備の提供�・ 顧客と協働した省エネ運転の実現�・ フロンの適正処理�・ グリーン調達�・ 環境配慮商品の提供 等�

地球環境活動�

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

Green Air® 活動への取り組み�Green Air® 活動への取り組み� CSR活動への取り組み�CSR活動への取り組み�

 当社は空調設備・製品およびサービスを高品質で提供することが地球環境活動だと考えています。高品質(高効率の省エネ)の空調システムが提供できれば、お客さまが使用する場面で省CO2

に貢献できます。その設備を作りこむ施工の場での省エネ・省CO2・省資源はもちろんのこと、やり直しやリコールなどを必要としない製品の提供、すなわち施工品質・製品品質の確保こそがCO2削減・省資源の地球環境活動に直結すると考えます。�

 活動方針� 1. 環境関連の法令遵守を一層徹底し環境汚染防止を実現すると共に、  当社の施工現場やオフィスでの省エネルギー化と省資源化を着実に   実施する。� 2. 顧客への省エネルギー技術の積極的な提供と、顧客との協働による   省エネルギー化を推進し、地球温暖化の抑制に積極的に貢献する。�

 重点活動項目�     産廃・フロンのマニフェスト管理と適切なアスベスト処理の組織力     による徹底�     施工段階での省エネルギー・省CO2、省資源の更なる実践�    運用・メンテナンス・改修段階での顧客と協働しての省�    エネルギー化�    環境活動の正確な情報開示(環境報告書“Green Air®”の充実)�

■2008年 Green Air®活動(地球環境活動)方針� ■CSR活動への取り組み�

 環境マネジメントシステム14001を1999年12月に、品質マネジメントシステム9001はその2年前1998年11月に全店で認証取得し、支店毎に外部機関の監査を受審し、継続的な改善を図っています。�

■環境と品質のマネジメントシステム�

 1993年に「環境経営理念」と「環境基本方針」を社則に定め、全社を挙げて地球環境活動を展開しています。�

■環境方針�

3 4

 当社では、企業の社会的責任のあり方を追い求め、『経営の誠実さ』を基盤として、当社の「市場価値」、「環境価値」、「社会価値」並びに「従業員価値」を高めていくためにCSR活動を展開しております。� これまでは、2005年3月に制定した「CSR活動規程」に則り、「CSR

推進会議」並びに「CSR推進委員会」を設置し、全社的に課題を洗い出し、企業の社会的責任を果たすべく、着実に歩みを進めてまいりました。� このところ「コーポレートガバナンスの構築」、「コンプライアンスの

強化」、「地球環境保全」などに関して、社会の一員としての企業に責任ある取組みがますます強く求められるようになっております。その中でも「地球環境保全」については、Green Air®活動をCSR

活動の一つの大きな柱と位置づけ、強力に推進しております。� 今年度から新たにスタートした「中期経営計画」におきましても、CSR経営を一段と強化することにしており、全てのステークホールダーに評価され、社員が誇れる企業グループ作りを目指してまいります。�

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■GODA®は、設備運転データをグラフ化し、運転状況を分かりやすく可視化する� 当社開発のデータ収集分析ツールです。�

■MAT®は、設備外表面へのセンサ取付による計測で設備の性能評価を行う当社� 開発の計測・解析・評価システムです。��

 カスタマーセンターは、お客さま建物の資産価値向上につながるサービスと提案を目的に、設備運用と省エネルギーに関するコンサルテーションを行います。� 当センターでは、全国の当社本支店および高砂グループ各社と連携し、お客さまの運用状態を見える形に加工して設備の省エネルギー実現を総合的にサポートします。��● 設備運用コンサルテーション� お客さまの運用データを基にした設備運用・省エネルギーに関するコンサルテーションを行います。� データ収集分析ソフトGODA®(ゴォーダ)を活用して、お客さまの省エネルギー推進活動に参画し提案を通して積極的に支援します。さらに、省エネ法に基づく中長期設備保全計画や定期報告等の書類作成を支援します。��

● 現地ウォークスルー調査� 設備機械室や監視室をウォークスルー調査し、省エネ項目を見つけ出して報告書を作成します。��

● 運用データ分析� お客さま設備の運用データの分析を行い、運用改善分析報告書を作成します。��

● 設備診断パッケージ� 計測解析評価システムMAT®(マット)を活用して設備の診断レポートを作成します。��● チューニングサービス� 設備運用コンサルテーションの実現のため、調整や制御設定値の適正化(チューニング)を支援します。���

お客さまの�省エネルギーへの�

ニーズ�

データが取れていない�データはあるが活用�できていない�

運用の�  最適化�

カスタマー�センター�

本支店�地区事務所�

省エネルギー�改修�

お客さまの判断�

データを�見える形で�

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

グリーンエア®事業(Green Air® 事業)�グリーンエア®事業(Green Air® 事業)�

■ワンストップサービス� 建物全体の消費エネルギー最適化を実現するためには、空調設備を主体として、建設段階から運用段階までの一貫したサポートが不可欠です。当社は、現在ご使用中の建物の運用相談やエネルギー診断に始まり、省エネルギーとリニューアル全般の企画・提案・設計から施工、そしてお引き渡し後のアフターサービスに至るまで、建物のライフサイクルの全てのサポートをワンストップでご提供します。�

 熱とエネルギーのリーディングカンパニーとして、高い技術力と創意工夫でお客さまのベストパートナーを目指します。�

■グリーンエア® サービス� グリーンエア® サービスは、当社の持つ建築設備の設計施工ノウハウとファイナンススキームを活用した、社会と地球環境保全に貢献する当社独自のエネルギーソリューションサービスです。� 建築設備の生涯にわたる最適環境を提供し、環境性と経済性の両立を図ってまいります。� 省エネルギーの第一歩は“運用改善”からが基本です。まずは、“ノーリスク”で“低コスト”な“E-COntrol(イーコントロール)”導入を手始めに、データを基にしたコンサルティングを通して、お客さまの設備の状態とニーズにあった省エネルギー改善やサービスをご提案します。�

■ESCO事業(エネルギー・サービス・カンパニー)� ESCO事業は、省エネルギー対策によって生じるランニングコスト削減を原資として、省エネルギーに関する設備投資を実施するエネルギーサービスです。� その特徴は、省エネルギー効果を当社が保証することにあります。そのため、お客さまは初期投資することなく効果の確実な省エネ設備導入が可能になります。� 空調設計・施工で培った高度な技術とノウハウを活かし、最適なファイナンスと組み合わせて、お客さまにとってより経済効果の高いESCO事業をご提案いたします。�

■E-COntrol(イーコントロール)�

光熱費支出光熱費支出�光熱費支出�

お客さま利益お客さま利益�お客さま利益�

ESCOESCOの経費の経費�(含固定資産税等含固定資産税等)�

ESCOの経費�(含固定資産税等)�

ESCO事業�実施前�

ESCO事業�契約期間中�

契約期間�終了後�

光熱費支出光熱費支出�光熱費支出� 光熱費支出光熱費支出�光熱費支出�

お客さま利益お客さま利益�お客さま利益�保 証�

■設備受託�

■カスタマーセンター�

5 6

運用改善�

機能改善�

制御改善�

機器更新�

リニューアル�

運用改善�

機能改善�

制御改善�

機器更新�

リニューアル�3%�

15%�

30%�

省エネ効果�

投資コスト�設備受託�ESCOE-COntrol

E-COntrol

起動・停止� 水 量� 圧 力� 温 度�

冷凍機� ポンプ� ボイラー� AHU

ご提案� ご契約� サービス運用�省エネ性能確認�

■サービスの流れ�

制御設定値を自動で最適化�

お客さま建物�

■燃料転換�

■エネルギー指定工場�

★コスト削減�

★省エネルギー�

★環境負荷低減�

★オフバランス化�

★アウトソーシング�

★合理化・省力化�

設 備 受 託�

電 気�

冷温熱�

蒸 気�

サービス料�

高砂熱学工業�

グループ会社�

★設計・施工の実績�

★運用・維持のノウハウ�

★省エネ技術・商品�

★運転管理の実績�

★メンテナンス体制�

★ファイナンス�

電力・ガス�

省エネルギー効果による

省エネルギー効果による�

ランニングコストの低下

ランニングコストの低下�

省エネルギー効果による�

ランニングコストの低下�

 E-COntrolは、お客さまの設備の制御を最適化するコントローラを設置し、省エネ効果を確認した上で運用を行う省エネルギーサービスです。� お客さまの設備に対して、よりきめ細かな運転制御(外気変動や使われ方の変更など)や二次側と熱源の相互連携などを行うことで、 3~5%の消費エネルギーを低減します。� E-COntrolは、お客さまの設備に対して、機器の更新やダクト・配管の改修工事を行わずに、制御の最適化を実現することで、経済的で確実な省エネ・省コストを実現できます。��

 設備受託は、これまでお客さま自身が保有して運用管理されていた熱源設備を、建設から運用・維持管理まで全てアウトソーシングしていただけるエネルギーサービスです。� 当社はお客さまに代わって設備を建設し、運用維持してお客さまへ電気・冷温熱・蒸気などを供給し、サービス料金をいただきます。お客さまは本業への人的資源の集中と共にオフバランスによる経営資金の有効活用が図れ、また当社の持つ建設と運用のノウハウによって、コストパフォーマンスの高いエネルギーをご利用いただけます。��

■ワンストップサービス(空調設備のライフサイクルの全て)�

企画・提案� 設 計� 施 工� 運転・管理� リニューアル�

各種機器�

運転状態の�計測�

計測機器�設置�

MAT ®プログラムと弊社スタッフによる解析�

Page 5: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

〔コンサートホール〕低騒音空調低騒音空調�〔コンサートホール〕低騒音空調�〔病院病院〕除菌除菌・清潔空調清潔空調�〔病院〕除菌・清潔空調�

〔工場工場〕作業環境空調作業環境空調�〔工場〕作業環境空調�〔クリーンルーム〕高清浄度高清浄度・低湿空調低湿空調�〔クリーンルーム〕高清浄度・低湿空調�

〔空港空港ターミナル〕大空間空調大空間空調�〔空港ターミナル〕大空間空調�〔オフィス〕快適空調快適空調�〔オフィス〕快適空調�

CO2�排水�

一般�ゴミ�

排熱�NOx,SOxCO2�

産業廃棄物�

未利用�エネルギー�

電力・ガス・水�電力・ガス�資 源�

最適制御E-COntrol�運転分析・評価ソフトGODA®,MAT®�ESCO�設備診断

水素エネルギー利用(P.9)�雪利用�

海水・河川水熱利用�

〔グリーンエア¤事業事業〕(P.5.6P.5.6)�〔グリーンエア®事業〕(P.5.6)�

旋回流成層空調旋回流成層空調 SWITSWIT®(P.10)�省エネ喫煙喫煙ルーム i-smoking i-smoking(P.11)�デリベントシステム�

旋回流成層空調 SWIT®(P.10)�省エネ喫煙ルーム i-smoking(P.11)�デリベントシステム�

床吹出し空調 LUFT¤(P.10)�冷媒サブクール(P.12)�ペリメータレス空調�

地域冷暖房�

置換換気空調�超低騒音空調�

プラズマ空調(P.15)�デシカント空調�簡易型クリーンブース�

旋回流成層空調SWIT®(P.10)�トップベントシステム�

ケミカルワッシャ T-GET®,G-GET®(P.14)�クリーンドライエアCDASSシリーズ(P.14)�微差圧制御 LO-VST(P.15)�

産廃産廃ゼロエミ�(P.23P.23)�産廃ゼロエミ�(P.23)�

フロン回収回収�(P.23P.23)�フロン回収�(P.23)�

環境環境負荷低減荷低減ダクト G・COCO®(P.P.16)�設備資材設備資材の削減削減(P.P.22)�設備架台最適化設備架台最適化(P.P.16)���

環境負荷低減ダクト G・CO®(P.16)�設備資材の削減(P.22)�設備架台最適化(P.16)���

高砂型統合熱源高砂型統合熱源(P.13)�フリークーリング(P.13)�氷蓄熱氷蓄熱SISSIS®-M-MⅡ(P.11)�省エネ水循環水循環GLIPGLIP®(P.12)�コ・ジェネレーション�

高砂型統合熱源(P.13)�フリークーリング(P.13)�氷蓄熱SIS®-MⅡ(P.11)�省エネ水循環GLIP®(P.12)�コ・ジェネレーション�

〔熱源熱源・搬送搬送〕省エネシステム�〔熱源・搬送〕省エネシステム�

排水処理技術(P.9)�

Environmental Report 2008Environmental Report 20087

Green Air®技術による環境負荷低減�Green Air®技術による環境負荷低減�

8

■Green Air®技術による環境負荷低減� 空調設備の企画・設計、施工から運用・管理、リニューアルに至るまで、特徴あるGreen Air®技術を駆使して、環境負荷低減を実践しています。� 建設段階では、産業廃棄物削減活動や環境負荷低減工法の採用、フロン回収などを行っています。� 運用・管理段階では、使用するエネルギーを未利用エネルギー�(水素、雪、海水・河川水などの利用)で低減すると共に、建物・�地域環境Green Air®技術(高砂型統合熱源、GLIP®など)�や室内環境Green Air®技術(LUFT®、SWIT®など)、�グリーンエア®事業(E-COntrol、GODA®など)で、�省エネ・省資源・資源循環に取り組んでいます。�

■地球環境保全� 地球温暖化防止、オゾン層保護などの空調に深く関わる環境保全活動を中心に、更にもう一つの大切な水質の保全にも取り組んでいます。� ● 温暖化防止 �

 ● オゾン層保護 �   �

 ● ヒートアイランド抑制 �

 ● 水環境保全�

 ● 大気汚染防止�

Green Air® 技術�

建 物・地 域 環 境 �

室 内 環 境 �

地 球 環 境 �

運 用・管 理 �

建設・リニューアル�

Page 6: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

低床フリーアクセスフロアにも対応

省エネルギー性と快適性の両立

可変風量機構付により間仕切り対応も可能

移設・増設容易性

床下整流技術 均一給気技術 低床用吹出し口

 SWIT®は、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に向かう自然原理を利用した空調システムです。汚れた熱気を天井に持ち上げ、作業域だけを快適で清浄な環境に保ちます。従来よりも少ない風量で、しかも室温に近い吹出し温度で空調できるため、省エネルギーで低コストな空調システムが構築できます。大空間や、発熱負荷、外気負荷、発塵などが大きな場所に最適なシステムです。現在、工場や体育館、アトリウムなど、約50物件で稼働中です。

 ● 送風動力と外気負荷低減により、年間空調エネルギーを     約40%低減 (内部発熱100W/m2の工場での試算) ● 高い換気効率で、作業域を清浄環境に維持 ● 旋回流を活用し、給気ユニットをコンパクト化 ● 空調容量を小さくできるため、設備費も低減

旋回流誘引型成層空調システム SWIT®(スウィット)

低床型床吹出し空調システム LUFT®(ルフト)

(特許 第4006196号他)(特開2002-277095号他)

 LUFT®は、オフィスビルなどで電気や通信配線を敷設するためのフリーアクセスフロアを空調ダクトとして利用する空調システムです。OA機器などによって温められた空気は浮力により室上部へ上昇し、居住域だけを空調します。省エネルギーで快適なオフィス環境を創造する当社独自の床吹出し空調技術です。

 ● 熱源ならびに送風動力の低減により、年間空調エネルギーを   36%低減(可変風量方式時) ● 天井の高い開放感のある空間を構築し、レイアウト変更も  容易 ● 100mmの低床二重床も活用でき、リニューアルにも最適 ● 可変風量タイプへの変更や採用により、個別制御も可能

(特許第3365526号,特許第3040910号他)

 水素によるエネルギーの高密度貯蔵と電気・熱・水素の同時供給(ポリ・ジェネレーション)が可能なエネルギー利用システムです。 建物の負荷需要に応じて3者を安全に高効率で安定的に供給するために、システム制御技術ならびに水素貯蔵装置と可逆セル(燃料電池・水電解の一体型セル)を対象にした要素技術の確立に取り組んでいます。

 ● 自然エネルギー、エネルギー回収装置等との組合せによる    エネルギーの有効活用 ● 自然災害等の非常時対応による建物機能の強靭化 ● 高い夜間移行率による炭酸ガス排出量の削減

水素エネルギー利用システム

オゾン利用排水処理技術

 当社では、既存設備の環境負荷低減と処理性能の高性能化を同時に達成する排水処理技術の確立に取り組んでいます。微量オゾン添加による高性能化技術は以下のような特徴を有しており、既に複数の実証試験で有効なデータを取得しています。

 ● 処理能力(処理水量と処理水質)UP�  ● 余剰汚泥の削減� �    ● 処理性能の安定化�  ● 臭気低減 ● 維持管理コストの低減

【従来の活性汚泥処理法の課題】 ● 大量の余剰汚泥が発生し大きな環境負荷になっている ● 設備設置面積が大きい ● 余剰汚泥処理コストが高い�  ● 負荷変動等による微生物の不活化によるトラブルが多い� �

研究開発中

研究開発中

エネルギー有効活用 エネルギー負荷平準化エネルギー長期貯蔵(非常時対応)

自然エネルギー 直流電力マイクログリッド ポリ・ジェネレーション

系統電力交流電力

直流電力

発電水車

電力負荷(交流)

電力負荷(交流)

冷熱負荷

水素負荷

温熱負荷熱負荷

直流電力マイクログリッド

統合型水素利用システム

エネルギー回収装置

ACDC

O2 H2

H2 O2業務用ビル

燃料電池運用

可逆セル

水素貯蔵(水素吸蔵合金)

酸素貯蔵(酸素ガスタンク)

水電解運用

温熱

冷熱

H2

エネルギーの回収(揚程、蒸気圧、室圧、搬送系の圧力損失、温度差等)

太陽光パネル

発電風車

■統合型水素利用システム

■冷房・暖房時の室内気流性状 ■給気ユニット

■LUFT®

■省エネ効果

(特開2006-314911号他)

Environmental Report 2008Environmental Report 20089

■空気の流れを上手に活用して、快適性と省エネルギー性を両立:空調エネルギー40%低減

環境負荷低減 研究/開発技術環境負荷低減 研究/開発技術 環境負荷低減 計画/設計技術環境負荷低減 計画/設計技術

■低床フリーアクセスフロアを活用したオフィスの省エネ:空調エネルギー36%低減

■持続可能な社会に向けた創エネルギーシステム

■環境負荷および処理コストの低減

Green Air® 技術

10

36%低減LUFT®

可変風量方式

LUFT®

定風量方式

従来天井定風量方式

0 20 40 60 80 100年間消費エネルギーの比率

●年間運転時間2,500h、照明・コンセント負荷50W/m2、熱源COP(空冷ヒートポンプ相当。 冷房4.0、暖房3.4)、外気条件(東京)とした場合です。

熱源熱源 送風送風 13%低減

微量オゾン添加による微生物浄化能力の向上

空気+微量オゾン

排水

曝気槽

処理水

沈澱槽

多数の旋回流を組み合わせ、吹出し近傍の誘引量を増加

旋回ガイドベーンは固定されています

フェース多孔板

給気ユニット内の旋回ガイドベーン

誘引

誘引

吹出 誘引

吹出

吹出

誘引

誘引により少ない風量で作業域温度を均一化

汚れた熱気

誘引循環層

冷房

作業域に滞留しやすい冷気を誘引により天井へ搬送

暖房

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氷蓄熱システム SIS®-MⅡ(スーパーアイスシステム MⅡ)�

省電力の喫煙ルーム i-smoking(アイ・スモーキング)�

 SIS®は水の過冷却現象を利用してシャーベット状の氷を製造する大規模氷蓄熱システムです。電力負荷平準化を目的とした用途のほかに、低温冷水を長時間安定して供給する設備としても利用できます。�� ● 製氷時の能力に比べて3~5倍の放冷能力が得られるので、ピ  ーク時間帯に冷凍機を停止させるなどの環境にやさしい運転  を実現� ● 高性能なチルド水供給設備の構築(24時間0~1℃の低温冷水  を供給する装置)� ● 安価で環境負荷の無い水道水をそのまま蓄熱材として使用� ● 製氷部が小型で密閉構造のため、狭い機械室への導入が容易��

 i-smokingは、少ない換気量で煙草煙を速やかに排出する完全分煙型の省電力喫煙ルームです。足元から清浄な空気を給気し、上部のパンチングメタル面から煙草煙を排出する置換型の換気方式を採用しています。従来の喫煙ルームのように煙がこもることがなく、消費電力を抑えた理想的な分煙環境が実現します。� パーティション内部には、竹炭を配合した特殊塗料を塗装しました。竹炭の持つ浄化作用によりタバコの嫌な臭いを吸着・分解し、汚れが付きにくく、付着しても落ちやすく、メンテナンスに関わるエネルギーやコストを低減します。�� ● 喫煙ルーム内に煙草煙がこもりにくい� ● 煙草臭が喫煙ルームの外に漏れにくい� ● 換気量を1/3に減らし、消費電力を60%低減� ● 小口径ダクトで済み、喫煙ルームの導入が難しかった    ビルにも設置が可能� ● 汚れが付きにくく、かつ落とし易い特殊粉体塗装の    パンチングパネル採用によって、メンテナンスが容易��

(特開2006-288282号他)�

■冷媒サブクールシステム�

ビル用マルチ冷媒サブクールシステム�

���

 空冷ビル用マルチの冷媒管に冷媒/水熱交換器(サブクールユニット)を付加し、冷房運転時の液冷媒を冷却水で冷やして室外機能力を増強します。ピークカットや省エネ、ヒートアイランド現象の緩和に貢献します。� ● ビル用マルチ自体の性能に頼らない省エネ技術� ● 既設のビル用マルチにも導入可能� ● 多様な冷却水(冷却塔、井水、ボイラ補給水など)を活用� ● 室外機水噴霧方式のようにフィンを腐食させず、中間期も有効��

実証番号050-0502

「ビル用マルチ冷媒サブクールシステム」は、平成17年度の環境技術実証モデル事業(ヒートアイランド対策技術)の実証対象技術に選定されました。「ビル用マルチ冷媒サブクールシステム」(サブクールユニットSTK-HE280Aを使用)の性能に関する情報は、環境技術実証モデル事業のウェブサイト(http://etv-j.eic.or.jp/)でも入手することができます。環境技術実証モデル事業の名前やロゴマークの使用は、この技術やその性能に関して、環境省等による保証・認可等を謳うものではありません。�

(特開2004-211998号,特開2005-249221号他)�

(特許第3855068号,特開2003-106716号他)�

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

■省スペースな大規模氷蓄熱システム:電力負荷平準化による環境負荷低減技術�

■換気量低減による省エネルギー:搬送エネルギー約60%低減� ■ビル用マルチの省エネルギー:15%以上の空調エネルギー低減�

Green Air® 技術�

環境負荷低減 計画/設計技術�環境負荷低減 計画/設計技術�

 GLIP®(Green Loops & Individual Pumps)は、ポンプを分散配置することで、水循環を最小のエネルギーで搬送することができる理想的な省エネルギーシステムです。さらに、空調機などの負荷毎にポンプを配置することにより、制御弁を無くすことが可能です。���

 ● ポンプを分散配置することで定格動力を低減� ● 中央機械室のポンプと各所の制御弁を無くし、配管抵抗を�  低減� ● 部分負荷時の水搬送動力を大幅に低減� ● 従来の水搬送省エネルギーに比べて、年間で50~90%の�  電力を低減� ● 部分負荷特性に優れ、高い費用対効果��納入実績(2008年3月末現在)�  イオンモール名取エアリ(宮城県)�  千代田区立総合体育館ESCO事業(東京都)�  調布市市庁舎ESCO事業(東京都)�

  ��

��

分散ポンプ式空調用水循環システム GLIP®(グリップ)���■理想的な水循環系の省エネルギーシステム:搬送動力50~90%低減�

(特許第3708660号、特許第3733371号他)�

年間省エ効果�

制御弁�

ポンプ�

熱源機�

中央機械室にポンプを取り付け、必要とする水量は、空調�機ごとに取り付けた制御弁で調整するシステムです。�

1

0.8

0.6

0.4

0.2

0

ポンプヘッド率(-)�

(G

Pポンプ/中央方式ポンプ)�

ポンプの揚程は、ポンプ各々の必要揚程にて選定する�ので、最適な容量となります。�

ポンプ定格容量:225kWポンプの揚程は、最遠端の揚程で選定するので、近く�の空調機には、ムダな揚程です。�

ポンプ定格容量:450kW

B2-

OE1

C-O

NC

-OS

B2-

ON

B1-

ON

B2-

OE2

B2-

OS

C-F

NB

1-O

SC

-FS

B2-

FNB

1-O

W1

B1-

OW

2B

2-FS

B1-

OW

3B

1-FN

A-O

NE

A-O

NW

A-O

SEB

1-FS

1B

1-FS

2A

-FN

WA

-OSW A-F

EA

-FSW

揚程:700kPa

水量:1,150m3/h

ポンプ動力:75kW×6台�

空調機�

ポンプ�熱源機�

インバータ付きのポンプを空調機ごとに取り付け、各々�が必要とする水量を最小動力で循環するシステムです。�

1�

0.8�

0.6�

0.4�

0.2�

0�基本計画時� 従来方式� GLIP

年間消費電力率�

システム�

ポンプ能力�

方式�

評価項目�

年間消費電力�(GWh)�

省エネルギー率�(%)�

基本計画�従来方式� GLIP

2.03� 1.02� 0.19�

50� 91�

■従来方式との比較例�

給気�排気�

従来方式(吐出圧一定制御)�GLIP®

■SIS®-M Ⅱ�

■SIS®-M Ⅱデモ機�

■SIS®

■ i-smoking

11 12

Page 8: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

■超高効率・省エネルギー熱源システム:最大70%のエネルギー低減 ■低圧損で、省エネ省コストシステム:最大で35%の省エネルギー(G-GET®)

■外気の自然冷熱エネルギーを回収利用:年間冷房エネルギーの30%を低減

Green Air® 技術

■適切な圧力/流量で省エネ・省コスト化

環境負荷低減 計画/設計技術環境負荷低減 計画/設計技術

13 14

 高砂型統合熱源システムは、エネルギー消費の無駄を可能な限り排除して理想的な運転状態を維持することで、世界最高の省エネルギー性能を誇る熱源システムです。システムを構成する機器は全て市販の汎用品ですが、お客さまの実情にあわせてオーダーメイドでシステムを設計します。 数多くの導入実績を通じてノウハウを蓄積し、多様なお客さまのニーズを実現するため進化しつづけています。さらに熱源だけでなく二次側空調設備をも含めた建物全体の空調最適化を実現するシステムもご提供しています。

 ● 高精度シミュレーションを駆使した最適予測システム設計 ● 冷却塔で外気冷熱を回収する年間フリークーリング ● 水搬送動力を限界まで低減するなどの省エネ技術 ● 冷凍機の効率を極限まで引き出す運転制御技術 ● 配管抵抗低減などの省エネ施工 ● 高性能維持のモニタリング機能とエネルギー管理機能

高砂型統合熱源システム

 ケミカルワッシャ®とは、外気中に含まれるガス状汚染物質がクリーンルーム内に進入するのを防ぐために、クリーンルームの外調機に設置されるエアワッシャであり、当社独自の製品です。 T-GET® Cでは、当社従来品に比べて圧力損失を60%、装置長さを50%低減しており、送風機動力の低減や装置設置スペースの低減ができます。 このケミカルワッシャを利用したG-GET®システムは、クリーンルームの循環空調機と融合することで、空調エネルギー・コストの大幅

な削減も可能です。

 ● 小型で低圧力損失 ● 少ない補給水量 ● 水滴のキャリーオーバを防ぐエリミネータ内蔵 ● ガス除去性能を安定化させる独自のpH制御方式 ● 空調エネルギー最大35%低減(G-GET®システムとして) ● 空調コスト最大30%低減(G-GET®システムとして)

ケミカルワッシャ® T-GET® C(ティーゲットC) G-GET®システム

フリークーリング

(特開 4022383号)(特開 2005-114295号)

統合コントローラ

個別分散制御

高効率冷凍機

INV可変流量

2温度送水

外気冷熱回収

低抵抗配管

統合型冷却塔

(特許第3260894号他)

クリーンドライエア供給装置 CDASS(シーダス)シリーズ

 CDASSは、半導体などの先端製造プロセスで、製造の阻害要因となる空気中の水分や分子状汚染物質から製品を守るため、製造装置やウエハ搬送装置にクリーンドライエア(CDA)を供給する装置です。 CDAは、窒素ガスに比べて製造コストが低く、窒息の危険が無いため、窒素ガスの代替として用途が拡大しています。

 「CDASS-100」、「CDASS-mini」  ● ロータ方式で露点温度マイナス100゚C、各分子状汚染物質   1ppb以下を達成  ● 大流量/低コストの大気圧レベルのCDAをダクトで供給  ● キャスター装着で可搬型の「CDASS -mini」も用意 「CDASS-HP」  ● 圧縮空気を吸着塔切替方式で精製し、CDASS-100と同等   のCDAを供給  ● 窒素ガス供給システムと同等の0.5~0.7MPaの供給圧力に   対応  ● 小型、可搬型で、現行の製造・搬送装置への適用が容易

 低圧から高圧までラインアップしたCDASSシリーズによって、幅広いCDAニーズに応えつつ、適切な圧力/流量で省エネ・省コストを図る最適なCDA供給方法を提案します。

■T-GET® C ■G-GET®空調システム

標準タイプ

ポンプ・制御盤一体タイプ

600mm

制御盤コルゲート型親水性ガス吸収ユニット

(特開2008-93535号他) (特許第3179700号他)

(特許第3483752号,特許第3762138号他)

2件

9件

11件

4件 機械・自動車

6件 電子部品

その他

FPDパネル

半導体

冷凍機容量累計 106,000 USRT

HT

G-GET

温湿度センサ

風量制御

冷水量制御

12℃7℃

純水プラント

クリーンルーム(年間冷房負荷)23℃45%

12℃~14℃

外調機

マイナスヒャク ミ ニ

エイチピー

0.01

0.1

10

100

供給流量

﹇m3

(N

)/min

1M 100k10k1k100

CDASS-100

CDASS-100, mini大風量・省エネ型

CDASS-mini

ウエハストッカ有機EL封止環境 etc.

高静圧型CDASS

レチクルストッカ露光装置エアナイフ

エアベアリングetc.

Fan Blower Compressor

CDASS-HP-0.6

CDASS-HP-0.1供給圧力[Pa-G]

CDASS-HP小流量・圧空型

 フリークーリングは、冷却塔を利用して冬期の低温外気冷熱を回収し、冷凍機を運転せずに自然エネルギーで冷水を製造できる省エネルギーシステムです。

 ● CO2排出などの地球環境負荷が極めて小さい ● 既設冷却塔を利用して設置できるため省エネ改修に最適 ● 外気が低温となる時期や冷熱負荷が小さい時は、冷却塔送風  機を停止したり冷却水ポンプの水量を減らすなどによって、省  エネ効果がさらに向上

 工場への導入事例では、年間冷房エネルギーの30%をフリークーリングによって低減できました。

■高砂型統合熱源システム

■システム導入例の内訳(2008年3月実績)

■CDASSシリーズ適用領域

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プラズマ空調

 プラズマ空調は、調理臭、医療介護臭、ペットなどの動物臭や、空気中の細菌やウイルスの浮遊微生物、さらには大気汚染物質“光化学オキシダント”を除去できる室内環境浄化装置です。その原理は、プラズマ放電ユニットと、触媒と粒子除去の機能を併せ持つフィルタユニットを組み合わせて、オゾンが分解される過程で発生する活性酸素の強い化学作用で脱臭・除菌を行います。

 ● 嗅覚の麻痺作用に頼った健康に害のある“オゾン脱臭”と異なり、  触媒作用でオゾンと悪臭物質を同時に分解する安全な脱臭法 ● 春から夏にかけて急増する有害物質オキシダント(光化学スモ  ッグ成分の90%以上はオゾン)の取り入れ外気中の濃度100ppb

  ~200ppbを数ppb以下に低減して給気 ● 半年から1年に一度の粒子除去フィルタと放電ユニットの清掃  以外はメンテナンスフリー

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

■臭気とオキシダントの同時除去:臭気強度1以下、オキシダント分解率90%以上

Green Air® 技術

環境負荷低減 計画/設計技術環境負荷低減 計画/設計技術 環境負荷低減 施工技術環境負荷低減 施工技術

■プラズマ空調による脱臭

外気処理空調機

外気中性能フィルタ

処理外気

プラズマ放電ユニット

拡散版

オゾン分解+粒子除去

室内へ

フィルタユニット

: 臭気: 光化学オキシダント

: オゾン(O3) : 酸素(O3)

高安定性微差圧制御システム LO-VST(ロバスト)

■ドアの開閉、運転モードの変更により生じる室間差圧の逆転を抑止

 LO-VSTは、医薬製造工程、実験動物飼育室など、気密性の高い部屋の室圧を安定的に、しかも高い精度で制御するシステムです。ドアの開閉、空調機の起動停止・風量設定の変更など運転モードの変更では、室間差圧の逆転が生じやすくなります。LO-VSTは、独自の制御技術により、この逆転現象を完全に抑止しました。

【室圧の安定に向けた制御技術】 ドアスイッチと室圧制御用ダンパの連動制御 ダンパの作動速度を可変にするVSTD※機構【早期立上げを可能にした制御システム】 汎用の制御コントローラを採用したシステム構成  ※VSTD:Variable Stroke Time Damper

(特開 2004-295832号)

微差圧制御コントローラ 汎用PLC、又は汎用PC

給気ファン VSTD機構付 定風量装置 ドアスイッチ

 連動制御型 室圧制御

排気ファン

INVINV

風量設定の変更時は、ダンパを緩やかに作動

システムの稼動性能の確認を省力化ドアが開いている時は、ダンパ開度を保持

 G・CO®(ジーコ)ダクトシステム(Green Air Cooperation Duct System)は、「地球環境保全のため、当社と協力会社とが協働して開発したダクトシステム」です。

 ● はぜ部の気密化により、ダクトからの空気漏洩量を低減し、 送風  機動力を約6%低減 ● 4幅鉄板(1,130mm)の採用、鉄板の絞り補強、板幅基準の板厚  選定により資材使用量を約20%削減 ● 折りたたみ搬入等により、運搬車両の台数を約25~75%低減 ● ダクトサイズを規格化し、作り置きすることにより、現場への即納が  可能実績(2008年3月末現在) ・採用物件 32現場 (ダクト延べ面積 約80,000m2 (前年比1.6倍)) ・計画物件 27現場 (ダクト延べ面積 約100,000m2 (前年比3.3倍))  

新共板ダクト工法を用いた G・CO®(ジーコ)ダクトシステム

■送風機動力削減・資材量削減・物流の効率化:輸送エネルギー最大75%低減

G・規格ダクト(低圧ダクト)

4 幅鉄板の採用

はぜ部の気密化

鉄板の絞り補強

運輸効率の向上板厚の比較例ダクトサイズ 1500×450の場合

国交省 G・規格長辺0.8t

短辺0.8t

長辺0.6t

短辺0.5t

【タイルリブ】

【スピンはぜ】

【Zリブ】

1,130

1,130

1,130 シール

(特開2007-292321号,特開2007-147102号他)

設備架台等構造物最適化システム

 機器や配管などを支える設備架台を最適化し、設備架台の耐震性の確保と鉄骨部材の省資源化に取り組んでいます。 設備架台の最適化システムは、耐震性確保の観点から機器配置やダクト及び配管ルートの工夫とメンテナンス動線・スペースを考慮し、当社の永年に培われた建築設備耐震設計・施工技術によって、設備架台の工事を最適化するものです。 設計段階において、建築物との境界条件や各設計条件を整理して、設備架台をモデリングします。これを、構造解析ツールで応力解析と変形シミュレーションを実施し、最適化を実施します。 これにより、設備架台の架構全体及び各部材の性状を把握し、耐震性の確保だけでなく、鉄骨部材の無駄を徹底的に排除します。

■変形シミュレーション

■設備架台の最適化による耐震性確保と資材有効利用:資材量最大25%削減

(特開 2006-75402号他)

■G・CO®ダクトシステム

■LO-VSTシステム

15 16

Page 10: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

Environmental Report 2008 18Environmental Report 200817

■環境活動の目標と成果 ■環境活動のインプットとアウトプット

目標と成果目標と成果Green Air® 技術

※1 一定規模以上の自社設計物件※2 基準値とは、CEC基準値相当の年間エネルギー量  又は物件毎に定めた数値※3 一定規模以上の元請物件(新築)

達成率評価基準120%以上100~120% 80~99% 50~79%49%以下

★★★★★★★★★ ★★★ ★★★

設計・施工・運用各段階での省エネ活動の推進

基準値30%削減※8

原設計10%削減※8

原設備30%削減※8

提案実施率100%

管理実施率100%

購入率100%

実施率100%

6件

リサイクル率※5

新築:80%改修:70%

2005年度比30%削減※8

一般廃棄物処分量22kg/人

生 産 活 動

オフィス活動

研究開発

活  動

地域活動

環境活動実施項目 目 標 実績および評価

現場における資源循環の推進

法令遵守※6

オフィスにおける省エネ活動の推進

オフィスにおける資源循環の推進

クリーンアップ活動や植樹活動など地域に根差した環境活動の実施(P.27参照)

環境保全に結びつく新規研究開発テーマの推進

2007年度環境活動の目標と成果 2010年度目  標

省エネ設計提案※1

(P.19参照)

施工段階の省資源化※3

(P.22参照)

省エネ運転提案※1

(P.20参照)

ゼロミッション活動※4

(P.23参照)

グリーン調達の提案※3

(P.21参照)

フロン回収の徹底 (P.23参照)

産廃マニフェスト管理 (P.23参照)

使用電力量の削減 (P.24参照)

1人当たりの対前年比省エネ率

一般廃棄物の削減(P.24参照)

事務用品のグリーン購入(P.24参照)

実施件数/対象件数 90%以上

★★★★90%

★★★★10%

★★★★12%

★★★★★17%

★★★9%

★★★★93%

★★★★★29%

★★★★95%

★★61%

★★46%

★★★★90%

★★★★★46%

★★★★100%

★★★★100%

★2%

★★8母店

10%以上

90%以上

10%以上

90%以上

90%以上

80%以上

70%以上

90%以上

100%

11母店各1件以上

3件

基準値※2/エネルギー削減量

原設計エネルギー削減量

ダクト削減量

配管削減量

架台削減量

運用エネルギー削減量

実施件数/対象件数

新築現場リサイクル率※5

改修現場リサイクル率※5

実施件数/対象件数

採用率

実施件数/対象件数

分野が異なる研究開発テーマの実施件数

5%以上

100%

設計意図の詳細検討による省エネ※3 (P.19参照)

実施件数/対象件数

実施件数/対象件数

実施件数/対象件数

1人当たりの対前年比削減量

12品目の購入率

10%以上

10%以上

10%以上

10%以上

10%以上

100%

5%以上

★★75%

★★★★★36%

★★★★★11%

★★★★100%

★★★★3件※7

※4 一定規模以上の元請物件(新築+改修)※5 リサイクル率=1-最終処分量/廃棄物総量※6 全元請物件※7 水素エネルギー利用、水精製、排水処理

※8 京都議定書対応の目標※9 主な資材量から概算。原単位は、「空気調和・衛生設備の環境負荷削減対策マニュアル(社)空気調和・衛生工学会)」を使用。施工時の資材削減量を含む。※10 CO2排出原単位は、0.425 kg-CO2/kWhとした。

 現場での生産活動、オフィス活動、地域活動、研究開発活動別に定量目標を立てて環境活動を実施しました。全目標の達成には至りませんでしたが、生産活動における設計・施工・運用各段階で

のエネルギー削減目標は、ほぼ達成することができました。  主なインプットとアウトプットを以下に示します。お客さまと協働した運用時の推定CO2削減量は654千t-CO2であり、当社の生産活動とオフィス活動による排出量93千t-CO2の約7倍のCO2削減に寄与できたと評価しています。ただし、生産活動に伴うCO2排出量は、

資材輸送や揚重、設置時の排出量などの全てを評価するには至っておらず、評価方法を検討してさらなる削減に努め、来年度の環境報告書に公開する予定です。

I N P U T GreenAir®活動 O U T P U T

空調施工面積※4 :      2,678,000 m2

施工段階の資材削減量※3

 ダクト・配管・架台削減量: ▲ 3,900t

 CO2削減量:      ▲ 5,800 t-CO2

一般廃棄物処分量:    19 t

2006年度:      27.4 kg/人

2007年度:      24.3 kg/人

前年度削減量:    ▲ 3.1 kg/人

オフィス活動に伴うCO2排出量※10:

        614 t-CO2

2006年度:      0.795 t-CO2/人

2007年度:      0.778 t-CO2/人

前年度削減量:   ▲ 0.018 t-CO2/人

省エネ提案活動によるCO2削減量※1:

           ▲ 654,000 t-CO2

          (▲ 5,540,000 GJ/年)

産業廃棄物総量※6:   5,500 t

最終処分量:       2,800 t

リサイクル率※5:      49 %

特定フロン回収量:    11.9 t

指定フロン回収量:    13.5 t

新冷媒回収量:      0.3 t

合計フロン回収量※6:   25.7 t

空調システム構築のための主な資材量※4

生産活動

冷房機器総量: 490,000 kW

暖房機器総量: 317,000 kW

ダクト 総 量:2,373,000 m2

配 管 総 量: 13,000 t

電力消費量:1,444,000 kW

コピー紙使用枚数:9,530,000 枚(A4 換算)

グリーン購入品目: 12 品目

オフィス活動

施工段階の省資源化

現場における資源循環の推進

法令遵守フロン回収の徹底

計画・運用の段階での省エネ活動の推進

オフィスにおける省エネ活動の推進

オフィスにおける資源循環の推進

主な生産活動に伴うCO2排出量※9:

           92,300 t-CO2

Page 11: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

エネルギー有効利用

■省エネ設計提案件数 ■設計意図の詳細検討による省エネルギー実施件数

■なんばウォーク

■省エネ提案・診断件数

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

【事例紹介】なんばウォーク(大阪支店)

負荷平準化と省エネルギー  なんばウォークは大阪を代表する地下街です。この事業は、「先導的負荷平準化機器導入普及モデル事業」「高効率空調機導入支援事業」「住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業」の対象として、負荷平準化と省エネに配慮した熱源改修を実施しました。 MATで運転実態を正確に把握した上で、高効率冷凍機と氷蓄熱システムを採用し、夜間電力の利用や大温度差搬送などで、大幅な省エネを図りました。

【事例紹介】富士通(株)三重工場(産業空調事業本部)

廃熱・自然エネルギーの有効利用  富士通(株)三重工場は、熱源機器の最適運転制御、搬送動力の低減及び廃熱や自然エネルギーの有効活用により年間を通して省エネルギーとなる設備を採用しました。 ● 年間運転のターボ冷凍機冷却水の廃熱を有効利用して空調  用などの温水を製造し、加熱用エネルギーを低減   ● 冬季の低外気温度を利用して冷却塔で生産冷却水を製造し、  冬季の冷却用エネルギーを低減

■設計段階での省エネシステム提案の実施年間2,493,000GJの低減  自社設計物件を対象に、省エネ設計提案を行いました。2007年度は対象物件142件に対して107件実施し、実施率は75%となり、目標の100%は達成できませんでした。なお、この提案による省エネ推定エネルギー量は、年間2,493,000GJ、平均省エネ率は36%でした。

■設計意図の詳細検討による省エネルギー年間195,000GJの低減  施工計画段階において、設計意図の詳細検討を行い、空調設備の運転エネルギーの低減を図りました。 2007年度は、一定規模以上の新築工事を対象に157件で実施し、年間195,000GJの低減が図られました。平均省エネ率は10%で、目標の10%を達成しました。

■設備運用コンサル(省エネ提案・診断など)の実施 年間3,100,000GJの低減  お客さまの空調設備の運用状況を現地調査やデータ収集分析ソフト「GODA®(ゴォーダ)など」を活用して診断し、運用改善、機器更新、システム改善などの省エネ提案を実施しました。 2007年度は、提案目標件数の303件に対して実施件数は283件となり、達成率は93%でした。なお、この提案による運用省エネ推定エネルギー量は、年間3,100,000GJ、平均省エネ率は29%でした。

生産活動の場における成果生産活動の場における成果Green Air® 活動成果

【事例紹介】ヒルトン小田原リゾート&スパ(横浜支店)

高効率機器による大幅なCO2削減  ヒルトン小田原は、種々の省エネ技術を採用することでNEDO

の認定を受け、小田原市、ヒルトン小田原、東京電力が事業者となり、当社の設計施工で推進した事業です。当事業では年間約3,000トンのCO2削減を見込んでいます。� ● 高効率熱源システムへの改修(排熱回収システムの導入) ● 空調機の変風量制御� ● プール系統空調機への顕熱交換器設置� ● 高効率給湯システムへの改修(未利用エネルギーの活用) ● プール・浴槽の循環ろ過設備の変流量化�

【事例紹介】イオンモール名取エアリ(東北支店)

GLIP®による大幅な省エネルギー  イオンモール名取エアリは、東北一の規模を誇るショッピングモールで、独自技術のGLIP®(分散ポンプ式空調用水循環システム)による大幅な省エネや、系統分けやルート見直しなどによる省資源を図りました。� ● GLIP®の採用により、水搬送消費電力を80%低減� ● 熱負荷詳細検討によるFCU動力の低減 ● 個別分散温水器採用による搬送動力の低減

50

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

100

150

200

(件)

191 197217

249

283

50

100

150

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

(件)

132

62

80

130

157

50

100

150

(件)

71

115104

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

144

107

■富士通(株)三重工場 ■イオンモール名取エアリ

■ヒルトン小田原

■運搬エネルギーの削減折りたたみ角ダクトによる運搬車両数の削減  2006年度から、ダクト業者と協働して開発した「折りたたみ角ダクト(スピンハゼダクト)」の採用推進を図り、施工時の角ダクト運搬車両を少なくし、運搬エネルギーの削減を図りました。 2007年度は、新築工事の8現場で約27,500m2の「折りたたみダクト」を採用し、運搬車両を189台削減できました。その結果、7.4t-CO2が削減できました。

■折りたたみ角ダクトによる運搬車両数の削減

折りたたみダクト( )m2

運搬車両削減台数(4t換算)﹇台﹈

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

100

200

300

8,000

2007年2006年

27,500

189

55

ダクト面積車両削減台数

エネルギー有効利用

19 20

Page 12: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

生産活動の場における成果生産活動の場における成果Green Air® 活動成果

【事例紹介】名古屋大学豊田講堂(名古屋支店)

徹底した分別・回収による廃棄物の削減

 名古屋大学豊田講堂の改修工事では既存設備の解体工事で不要となった機器、配管、ダクト、保温材にいたる、あらゆる廃棄物を徹底して分別・回収を行いました。その結果、設備解体品の約9割を再生利用可能な資材として処理することができました。

【事例紹介】日本大学芸術学部江古田キャンパス(東京本店)

廃グラスウールの再生  日本大学芸術学部江古田キャンパスの整備事業は、2004年7月に着工し2010年8月に竣工を迎える6年間の工事です。環境負荷低減活動のひとつとして、保温材の「グラスウールの再生処理」に取り組みました。現場から排出される保温くずをグラスウールと銀紙に剥離分別して、グラスウールのみを再生処理しています。保温くず:180袋(60m3)を分類し、100袋(33m3)のグラスウールを再生しました。

■銀紙をはがしたグラスウールの回収

■保湿材の撤去作業【事例紹介】産経新聞東京印刷センター(関東支店)

ダクト軽量化による省資源  産経新聞東京印刷センターでは、G・CO®ダクトの採用でダクトの軽量化による省資源とダクトの気密化による送風動力の低減を図りました。ダクトの軽量化は、約6,000m2のダクトを高所(約10m)に施工しなければならない制約があり、さらに高所足場上で約50mのダクト手運びが必要であったため、施工性の向上と安全性から必要不可欠でした。その結果、ダクトの鉄板量を約35トンから約22トンまで低減でき、約13トンの鉄板の省資源を達成できました。その結果約20t-CO2が削減できました。

【事例紹介】本田技研工業(株)熊本製作所(九州支店)

加工管による配管フラッシング水の削減  本田技研工業(株)熊本製作所新二輪工場動力棟では全配管の90%を加工管で施工しました。加工管を使用することで現場での溶接を低減し、配管フラッシング水の削減を図りました。加工管搬入時や施工中も管端養生をすることで、施工時に埃などが配管内に入り込まないように徹底しました。 この加工管の採用により、フラッシングに使用する水を従来の1,650トンから550トンに削減することができました。

■G・CO®ダクト採用の印刷センター

■管端養生した加工管の搬入

オゾン層保護

■梱包材の削減機器・機材の梱包材削減  2007年度は、現場に搬入する制気口など設備機材の梱包を簡素化することによる梱包材の削減量を11現場で確認しました。梱包材の削減によってダンボール換算で1t当たり76kgのCO2削減が見込まれます。簡易梱包化によるダンボール削減量は、1現場当たり平均1tでした。

■設備資材の削減施工段階での設備資材の省資源化  施工計画段階において、ダクト・配管のルートやサイズ、設備架台の最適化などの見直しを実施し、資材の省資源化を図りました。 2007年度から、一定規模以上の新築工事の157現場でダクト、配管、架台の削減量の把握を開始しました。竣工時の各資材の削減率は、ダクト12%、配管17%、架台9%であり、目標削減率10%をほぼ達成でき、3,900tの資材の削減ができました。その結果、製造に伴う5,800t-CO2が削減できました。

■制気口の簡易梱包化

原設計 竣工0

40,000

30,000

20,000

10,000

■設備資材削減とCO2削減

原設計 竣工

資材重量(t)

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000ダクト

配管

架台  排出量(t-

  )

CO2

CO2

資源循環

長尺フレキダクトによる運搬車両数の削減  東京本店では環境負荷と施工コストを同時に低減するために、長尺フレキの採用を推進しています。長尺フレキダクトは、1/3~1/7に圧縮した長さでの運搬や揚重が可能であり、従来のスパイラルダクトよりも運搬、揚重時のエネルギーを低減することができます。 2007年度の東京本店での施工実績は200φ換算で250kmであり、1,539台の運搬車両を削減できました。その結果、60t-CO2が削減できました。

■運搬エネルギーの低減

222

■運搬車両数の削減

運搬車両削減台数(4t換算)﹇台﹈

100

200

300

1,000

2,000

3,000

500

1,500

2,500

2007年2006年

275

1,5391,384

長尺フレキ延長車両削減台数

長尺フレキ延長(    換算)﹇ ﹈km

200φ

■グリーン調達提案件数

資源循環

■グリーン調達提案お客さまのグリーン購入73件提案  お客さまの建築設備機材に対して、環境省告示の「グリーン調達の対象機材」の環境負荷情報と環境負荷比較表などを提供し、お客さまのグリーン購入に協力しました。 2007年度は、対象物件81件に対して、73件提案を行いました。グリーン調達提案の採用率は46%でした。

50

100

150

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

(件)

6769

111

57

73

エネルギー有効利用

21 22

Page 13: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

エネルギー有効利用 資源循環資源循環 オゾン層保護

■フロン回収作業

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

【事例紹介】ハラ・ミュ-ジアム(関信越支店)

フロン回収  ハラ・ミュージアムでは、改修工事時にパッケ-ジユニットのフロン回収を行いました。フロン回収はH19年10月施行の「改正フロン・回収破壊法」に則り、顧客に「事前説明書」でフロン回収機器の有無を説明し、さらに「フロン回収行程管理票」を使用し、登録業者にてフロンの回収・破壊を確実に実施しました。

■フロン回収の徹底年間約26トンのフロンを回収  当社は、業界に先駆け1995年度からフロン回収活動を実施してきました。 2007年度は、95現場で合計約26トンのフロンを回収しました。活動開始以来のフロン回収量は192トンになりました。

■産業廃棄物のゼロエミッション化マニフェスト管理の徹底と産業廃棄物のリサイクル率向上  元請工事の建築設備廃棄物マニフェスト管理の徹底を図ると共に、建築設備廃棄物の低減に取り組み、プレハブ化、無梱包、リサイクルの推進、分別収集の徹底などの活動を実施しています。 2007「年度は、全元請現場(481現場)のマニュフェスト管理を実施し、一定規模以上の現場(357現場)でのリサイクル率は、48%でした。

■フロン回収 行程管理票

【事例紹介】土佐市民病院(広島支店)

産業廃棄物の削減  土佐市民病院では、施工計画時点から現場で発生する産業廃棄物の徹底したゼロエミッション化を実施しました。特に、機器の簡易梱包化、通い箱の利用によるバルブ類の無梱包化、廃棄物の分別収集の徹底等を実施しました。分別回収した廃棄物のなかで、鉄がリサイクル100%、ダンボール類が約75%を達成し、現場から発生する産業廃棄物を削減しました。

■消費エネルギーの低減全母店の電力消費量の削減  全母店の電力消費量の削減に取り組んでいます。昼休みの消灯や未使用場所の消灯、時間外の空調運転届出の徹底、夏期のクールビズ、冬期の冷房中止などを実施しました。 2007年度の全母店の電力消費量は152kWh/人月となり、2006年度からは2%、2005年度からは25%の消費エネルギーの低減ができました。

■グリーン購入循環型社会への参加  グリーン購入対象製品は、全店で使用するコピー紙やコピー機・プリンター・パソコン・名刺などを年度始めに指定して、推進を行っています。 2007年度は、12対象製品に対してグリーン購入を実施し、購入額は1.18億円でした。

■一般廃棄物削減とコピー紙の削減分別の徹底と電子化の推進  コピー紙使用量は、1,007枚/人・月で、昨年度より増加しましたが、母店での処分ゴミ排出量は昨年より11%少ない2.0kg/人・月でした。

生産活動の場における成果生産活動の場における成果 オフィス活動の場における成果オフィス活動の場における成果Green Air® 活動成果

■全店フロン回収件数と回収量

指定フロン回収量新冷媒

特定フロン回収量回収件数

25

20

15

10

回収量(トン)

回収件数(件)

26■建築設備廃棄物管理件数

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

件数(件)

100

200

300

400

500

600

481

550600 597

568

■簡易梱包した室外機の搬入

0

50

100

150

200

17 17

13

17

■グリーン購入額

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

購入額(億円)

0.5

1.0

1.5

1.18

0.85

1.46

1.181.28

■母店電気使用量

250

200

150

100

50

電気使用量( /人・月)

kWh

218202

156 152

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

■クールビズや冬期の冷房中止による省エネ性

3,500

3,000

2,500

2,000

1,500

1,000

500

04月 5月2006 2007

6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

▲35%減 ▲53%減

冷房の中止

月別空調電力量( )

kWh

年間で▲34%減

実施階未実施階

 夏期に冷房設定温度を高めて軽装としたクールビズは、2007年度は全ての母店で実施しました。 東京本店のある事務所ビルで夏期に設定温度27~28℃としたクールビズと、冬期の自動運転を止めることによる冬期冷房の中止を実施して、オフィスレイアウトや在籍人員がほぼ同じ未実施階との空調電力量を比較しました。検証の結果、夏期に35%、冬期に53%、年間で34%の電力が削減される検証結果が得られました。

■全母店コピー紙使用量

200

400

600

800

1,000

使用量(枚/人・月)

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

728764

586

742

1,007

■全母店処分ゴミ排出量

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

処分ゴミ排出量( /人・月)

kg

2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

2.3

3.0

2.3 2.32.0

クールビズ

23 24

Page 14: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

遠くの空調機 遠くの空調機

近くの空調機

FCUなど FCUなど

INV

INV

INVポンプ ポンプ

2次側 2次側

1次側 熱交換器 1次側 熱交換器

GLIP®

近くの空調機

INV

二方弁

各々の必要水量を各々の必要最低限のパワーで搬送!

遠くの空調機に水を送るパワーは、近くの空調機にはムダ!

従来システム

10~40%の

圧力損失

10~40%の

圧力損失

10~40%の

圧力損失

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

■自然エネルギーを積極的に利用した省エネルギー ■冷涼な環境を徹底活用した高機能研究所 エプソンイノベーションセンターは、冷涼な気候風土を最大限活用しつつ、建築設備として100を超える環境配慮技術を採用しています。最高レベルの省エネルギーと快適環境の両立を実現した高機能研究施設で、本建物で具現化した省エネルギー技術と活動は以下の通りです。 ● 冷涼な環境を徹底利用した自然エネルギーの利用システム  (自然換気、ハイブリット空調、光ダクト、クール&ヒートトレンチ) ● 省エネルギーシステム  (冷却水熱回収システム、フリークーリング、VAV・大温度差送風  VWV・大温度差送水、水のカスケード利用) ● 竣工後のフォローアップ会議を中心として最適運用の実現 

学・協会受賞物件学・協会受賞物件Green Air® 活動成果

建築環境・省エネルギー機構 「第2回サステナブル建築賞」国土交通大臣賞:エプソンイノベーションセンター(東京本店)建築環境・省エネルギー機構 「第2回サステナブル建築賞」国土交通大臣賞:いわて県民情報交流センター(東北支店)

 いわて県民情報交流センターは、大規模なアトリウムを持つ寒冷地のガラス建築であり、主に以下の手法で快適性と環境性の両立を図りました。 ● 中間期の自然換気と居住域空調による快適性と効率性の両立 ● 大規模クールヒートトレンチ、井戸水の廃熱利用、並びに全熱  交換器による外気負荷の低減 ● ダブルスキンファサードの採用による開放性・透明性の確保と  ペリメーターレス空調の実現 ● 全熱交換器廃熱による機械室外気加熱と構造体床面負荷の  軽減 ● 全熱交換器排気流路への室外機設置による冬季の能力低下  防止とCOPの向上

■環境共生を図る建築設備の省エネルギー空気調和・衛生工学会 「第45回技術賞」建築設備部門:関電ビルディング/環境共生のモデルビルの実践(大阪支店)

 関電ビルディングは、「環境共生のモデルビル」をコンセプトとした、大阪市中之島西部地区に立地する延床面積約106,000m2、地下5階、地上41階の関西電力(株)の新本社ビルで、建築意匠と建築設備を高度に調和させた事務所ビルです。本建物の主な環境共生事項は以下の通りです。 ● エコフレームの採用等による、自然換気による省エネルギーや  自然採光システムによる照明電力の低減  ● タスクアンビエント空調と、照明人感センサー連動による「開閉  機構付タスク床吹出し口」の開発と省エネルギー化�  ● 電化厨房の採用と厨房置換換気システム等の採用による換気  風量と換気用エネルギーの低減 ● エネルギー低減を行うエネルギーマネジメントシステム(e-BEMS)  の開発とエネルギー管理の実践�

■寒冷地の特性を生かした開放型冷却塔によるフリークーリングシステム セイコーエプソン(株)千歳事業所は、新千歳空港近郊に建設された延べ27,000m2のクリーンルームを持つ大規模なTFT液晶パネル工場であり、下記の省エネルギー手法や環境対策を行ないました。 ● フリークーリングシステム ● 井水冷熱の回収 ● 高効率モータ、インバータの採用 ● ボイラ燃料として天然ガスの採用 この中でも寒冷地の特性を生かした開放型冷却塔によるフリークーリングシステムは、省エネルギー効果も大きく、年間約20%強の空調動力低減ができ、これに伴う二酸化炭素の低減量は約100t-

CO2でした。

空気調和・衛生工学会 「第21回技術振興賞」:セイコーエプソン(株)千歳事業所の空気調和設備(札幌支店)

■分散ポンプ式空調用水循環システムによる省エネルギー 「優秀省エネルギー機器表彰制度」は、日本機械工業連合会が、昭和55年度より国の省エネルギー推進政策に呼応して、機械工業の立場からこれを推進するため、省エネルギー効果の著しい産業用機器を開発し、実用化した企業等を表彰する制度です。 本表彰制度は、文字通り、産業用機器が対象であり、GLIP®のようなエンンジニアリング技術が表彰されることは稀なことであり、エンジニアリング会社の誉れでもあります。 今回の受賞は、GLIP®の省エネルギー効果とその普及への期待と受け留め、展開を進めて参ります。

日本機械工業連合会 「第28回優秀省エネルギー機器表彰」会長賞:GLIP®(グリップ)

■ESCO事業による省エネルギー 調布市市庁舎は昭和46年竣工の建物であり、熱源改修を機に平成18年4月よりESCOサービスを開始しました。調布市庁舎と隣接する文化会館との2棟合計で、導入前と比較して14%(平成18年度実績)の省エネルギーを達成しました。当社は、ESCO事業の共同事業者の一員としてESCOサービスを続けています。ESCO

事業の主な省エネ項目は以下の通りです。� ● 高効率熱源への改修(氷蓄熱化)� ● 冷温水ポンプの変流量制御� ● 高効率変風量型空調機への改修� ● 高効率照明安定器� ● 中央監視システムの更新・統合

省エネルギーセンター 「第3回優良ESCO事業」金賞受賞:調布市市庁舎、文化会館におけるESCO事業(東京本店)

第28回(平成19年度)優秀省エネルギー機器

社団法人日本機械工業連合会会長賞受賞機器名 分散ポンプ式空調用水循環システム(GLIP®グリップ)

Green Loops & Individual Pumps

25 26

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東 京

大 阪

名古屋

横 浜

九 州

東 北

札 幌

広 島

関信越

支 店 内 容 参加人数

千代田区クリーン活動�

クリーン活動&ハイキング�

クリーンキャンペーンなごや�

秋のクリーンキャンペーンなごや�

クリーンハイク&バーベQ�

ハウステンボス環境設備見学会�

青葉区一番町周辺クリーン活動�

秋田県森林祭�

植樹(野幌森林公園)�

清掃活動(大通り公園)�

平和記念公園樹木いきいきボランティア

日光杉並木保全活動

延22名

195名

29名

10名

114名

44名

62名

3名

23名

37名

19名

寄付

活動日

毎月1回

11/11

6/02

11/07

9/02

7/28

10/21

10/21

6/02

10/17

12/02

台 数(台)

HCFC(kg)

HFC(kg)

機械廃棄時

628

429

76

機械修理時

1,199

828

61

(1,049)

( 794)

( 73)

(1,314)

( 873)

( 197)

■フロン回収量 2007年度実績(2006年度)�

大項目 中項目 主な活動内容 保全コスト(百万円)

環境保全活動

資源循環活動

環境活動管理

環境保全の研究開発

環境保全コスト(合計)

低環境負荷設計提案

施工時の省エネ・省資源化

省エネ運転提案

フロン回収

グリーン購入、調達

建築設備廃棄物削減計画

建築設備廃棄物処理

一般廃棄物処理

環境マネジメントシステムの整備・運用

環境情報の開示

地域環境活動

低環境負荷設計提案に伴う費用など

省エネ・省資源化に伴う費用など

省エネ運転提案に伴う費用など

フロン回収の処理費用など

グリーン購入、調達に伴う費用など

               小 計

建設廃棄物削減計画に伴う費用など

建設廃棄物処理費用など

一般廃棄物処理費用など

               小 計

ISO14001登録審査に伴う費用など

環境報告書の発行に伴う費用など

地域環境活動に関わる費用など

               小 計

省エネ・省資源などの研究・開発・高度化伴う費用など

26

50

147

103

50

376

43

82

126

42

16

64

709

大項目 環境負荷低減項目 低減量 経済効果(百万円)

顧客施設におけるCO2削減量

オフィス活動における昨年度からの

CO2削減量※3

フロン回収量

建築廃棄物リサイクル量

一般廃棄物リサイクル量

654,000 t-CO2

(エネルギー削減量  5,540,000 GJ/年)

5,800 t-CO2 

(エネルギー削減量    87,200 GJ)

26 t   

2,635 t   

47 t   

1,635

15

293

132

1,275百万円

環境保全効果(合計) 2,076百万円

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

環境会計環境会計

■地域環境活動 全店で地域の環境活動に積極的に参加しています。   2007年度は、以下の支店で公共施設や地域の清掃活動および植樹など、地域に密着した環境活動を12件実施しました。

■関連会社の活動(日本ピ-マック株式会社) 日本ピ-マック株式会社は、業務用空調機器メ-カ-として『人と地球にやさしい快適空間を求める』を柱に、持続可能な社会作りのために、地球環境の保全活動を積極的に展開しています。環境マネジメントシステムISO14001:2004を2006年2月に取得し、2007年12月第2回定期サーベランスを受審し、継続認証の運びとなりました。

(認証番号:EC05J0351)

1. 環境マネジメントシステム上の主な取り組み� �  地球環境保全の活動については、11項目の目的・目標を設定し�活動を行っています。�   高効率製品の開発�   環境負荷を考慮した材料への移行(RoHS規制)�   省エネルギー活動の推進(電力・重油の低減)�   購入資材品の梱包荷姿改善(廃棄物の削減)�   製造段階でのフロン大気漏れ量の低減�   化学物質の削減と代替化の推進 他�

2. オゾン層保護活動�  1996年に「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」に基づく「第一種フロン類回収業者」として、全国から特定フロン(R-22),(R134a),(R407c)及び(R410A)の回収活動を実施しています。� [登録番号;神(央セ) 第1-79号(本社工場)]�

3. 環境にやさしい製品開発活動 �  更新需要の増加により、床置き/天吊り型ヒートポンプユニットを開発しました。  ●インバータコンプレッサーとDCモーター採用により、高効率化を  実現�  ●オゾン層破壊係数ゼロのR410A冷媒を使用

●環境保全コスト

●環境保全効果

地域活動と関連会社の活動地域活動と関連会社の活動Green Air® 技術

■環境保全コストと環境保全効果 環境会計※1の算出に当たっては、環境保全コストと環境保全効果の定量化を試みました。環境保全効果の試算方法は、昨年度までのエネルギー削減量に伴うエネルギー料金の試算からCO2削

減量に伴う金額※2への試算に変えて算出しています。

※1 「建設業における環境会計ガイドライン2002年度版」、「環境会計ガイドライン2007年度版」(環境省)を参考とした※2 環境省の国内排出権取引の実績から2,500円/t-CO2として試算※3 一定規模以上の新築元請物件(157物件)でのダクト、配管、架台削減に伴うCO2削減量から試算

■大阪支店「クリーン活動&ハイキング」2007年11月11日参加者195名

■名古屋支店「クリーンキャンペーンなごや2007」2007年6月2日参加者29名

[床置き型 ASPAC]  ・ APP22DA  ・ APP36DA 当社比:125%の高効率化

[天吊り型 ASPAC]  ・ ATP32DA 当社比:121%の高効率化

環境保全

資源循環

27 28

Page 16: TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443TEL 03-5256-7442 FAX 03-5256-7443 Takasago Thermal Engineering Co.,Ltd. Printed in Japan 2008.06.SND 高砂熱学工業 環境報告書 報告対象組織

エネルギー管理士

技術士(衛生工学)

技術士(機械、電気)

一級建築士

第三種電気主任技術者

工学博士、理学博士

一級管工事施工管理技士

建築設備士

工学会設備士(空調)

工学会設備士(衛生)

一級電気工事施工管理技士

一級計装士

105

37

30

20

11

資格名 人数 人数資格名

1018

295

1066

420

95

265

(2008年3月)

Environmental Report 2008Environmental Report 2008

関連情報関連情報 第三者意見第三者意見

おわりに

 環境報告書「Green Air®2008」は、高砂熱学工業の2007年度のGreen Air® 活動すなわち地球環境活動結果をまとめた

ものです。2001年度から発行を開始し、今回で8号目となりました。報告書では、空調設備工事の現場での省エネ・省CO2・

省資源化、法に則った建設廃棄物処理、フロン処理・アスベスト処理等の結果報告と、地球環境に配慮した空調設備・製品

およびサービスの提供といった当社の取り組みを報告しております。

 地球環境に配慮した空調設備・製品およびサービスを高品質で提供することこそが地球環境活動と認識し、品質クレーム

の絶滅や、その設備・製品を造りこむ現場やオフイスでの省エネ・省CO2・省資源化の徹底に努めてまいります。

 発刊にあたり本年度は公正な第3者の評価を受けるべく、空気調和・衛生工学会の地球環境委員会委員長を務められた

神奈川大学鎌田教授に本報告書の所感を述べていただきました。

 皆様におかれましてもご高覧の上、当社の地球環境活動にご理解をいただき、忌憚のないご意見を賜れば幸いです。

2008年6月

■環境報告書2008を読ませていただいて

 本報告書のゲラ刷りをもとに、読後感を自由に書いてほしいと言われ、全部に目を通さないまま、

比較的気楽に引き受けさせていただいた。御社のホームページ「環境活動」欄に、2001年からの環境

報告書がPDFの形で掲載されているのを知り、さっと目を通した後、ゲラ刷りをゆっくり読ませて

いただいたが、最後の技術本部長「おわりに」に読み進み“公正な第3者の評価を受けるべく、

空気調和・衛生工学会の地球環境委員会委員長を務められた”の後に私の名前があり、冷や汗

が出た。

 空気調和・衛生工学会に「地球環境に関する委員会」が設置されたのは1993年であり、御社に

「地球環境委員会」が設置されたのと同じ年である。同委員会は1997年に「地球環境委員会」と

名称変更し常置委員会とされ、その後2年間、確かに私が委員長であった。しかしながら、委員会

設置の前年、当時空調設備基準委員会委員長であった石福昭先生から、給排水衛生設備委員会

委員長であった私に委員会設置の話があった際、廃棄物の不法投棄のほとんどが建築関係である

こと、住宅内の環境などを考えると、地球環境以前の問題が山積みではないかと言った覚えがある。

 このような私の読後感で申し訳ないが、素直な感想を以下に記させていただく。御社の環境報告書では、最初の2001年版から

活動目標を掲げ、翌年の版から、状況・実績などタイトルは変更されているものの、前年度活動を適切に評価しており、今回の版で

は2010年度目標(京都議定書対応)をも示すなど、難しい地球環境問題に真摯に取り組まれていること、問題解決を、新技術駆使

により、室内環境悪化などを生じさせず達成しようとしている点にまず感心させられた。さらに、今回の版では、品質管理が環境

改善につながることを強調している点、地球環境活動(Green Air®活動)を事業として明確に位置づけている点を評価したい。

一言苦言を呈するとすれば、終わりまで読めば理解できるが、最初にカタカナ用語、略号が多く出てくるため、多少読みづらい点

であろうか。

 京都議定書の目標年である2008年~2012年の最初の年に当たり、御社の設計・施工・運用段階での地道なCO2削減努力が

実り多きものになるよう祈念し、終わりとさせていただく。

取締役専務執行役員技術本部長 兼 品質・環境担当

■特許 企業の技術力を示す特許取得件数は業界トップであり、2008年3月末現在の件数は512件(特許/実用新案/意匠/商標)、特許は国内281件海外48件です。

■受賞実績 空気調和・衛生工学会 空気調和・衛生工学会賞は,1963年以降優れた学術論文、建築設備の設計施工、技術開発などを対象として、個人または企業を表彰しています。当社は、1963年から2007年までに91件の学会賞を受賞しています。

■環境関連技術の社内発表会 全店および関係会社から選抜された環境関連技術に対する技術発表会が2008年3月に開催され、「社長賞」2件、「技術本部長賞」2件、「奨励賞」6件の賞が発表者に授与されました。また、技術社内報に掲載された23報文中の2報文に対して「技術だより賞」が授与されました。 受賞テーマ  ● 某ビルの省エネルギー検証  ● GLIP®による省エネルギー  ● 躯体蓄熱システムの省エネルギー 他

■資格

■安全

■特許を取得している代表的技術分野■公認資格 技術系主要資格者数

 企業の技術力を示す各種資格の取得状況は、以下の通りです。

空調システム

クリーンルーム

蓄熱

施工法

静電気除去

除湿

熱源システム

作業機械・治具

自動制御・中央監視

設備診断・故障予知

空調機

特殊環境室

排気処理

腐食・防食

吹出し口

556889101414152223264346件数   技術分野

(年度)0

10

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

件数

労働時間(万時間)

件数労働時間

■災害件数(休業4日以上)

98 99 00 01 02 03 04 05 06 07

 「工事現場の災害によって、我社のために働く作業員やその家族を苦しめたり悲しませたりすることが絶対あってはならない」との基本的な考え方に基づき、「安全第一」で工事に取り組んでいます。

10 8

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90(件)

■(社)空気調和・衛生工学会の受賞件数

高砂  熱学工業

A社

B社

C社

D社

E社

F社

第1回(昭和38年)~第45回(平成19年)までの上位7社

1 7 3746

428 11

22 1 17

17 2 6

14 333

13 1 10

鎌 田 元 康

神奈川大学工学部教授東 京 大 学名 誉 教 授

29 30