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エンジンシミュレーション TESIS en TESIS en-DYNA DYNA 製品カタログ 製品カタログ Neorium Technology provides safe and environmentally friendly mechanical dynamics, control design, systems design and technical training. Neorium Technology

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エンジンシミュレーション

TESIS enTESIS en-DYNADYNA 製品カタログ製品カタログ

Neorium Technology provides safe and environmentally friendly mechanical dynamics, control design, systems design and technical training.

Neorium Technology

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COPYRIGHT 2006 by TESIS DYNAwareTechnische Simulation Dynamischer System GmbH.All Rights Reserved.

DYNA is a registered trademark of TESIS DYNAware.R

THEMOS is a registered trademark of the TechnicalUniversity of Berlin and Hamamatsu Photonics K.K.

R

MATLAB , Simulink , and Real-Time Workshop areregistered trademarks of The MathWorks, Inc.

R R R

Other products or brand names are trademarks orregistered trademarks of their respective holders.

C

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Editorial 3

お客様へお客様へ

主要なOEMと世界の多くのサプライヤの方々には、特に車両シミュレーションのフィールドで電子制御装置の

Hardware-in-the-Loopテストについて弊社のソフトウェアツールとサービスに信頼を頂いています。

弊社は3D道路、ドライバモデルと交通環境を含む高精密なモデルからなる車両ダイナミクス(veDYNA)、エンジン力学

(enDYNA)、ブレーキ力学(Realtime Brake Hydraulics)によるECUソフトウェアとハードウェアのためのモデルベースでの

開発プロセスと効果的なテストを仮想車両環境を全体的にわたって提供しています。

特に、最新のリリースにおける弊社の新しい革新的なモデルとソフトウェアツールに注目して頂きたいと思います。

また これまでリアルタイムエンジンモデルでは不可能であった詳細なレベルでのリアルタイムでエンジン燃焼

シミュレーションの新世代製品、enDYNA Themos を紹介します。

これは、ターボチャージャやカムレスエンジン、ディーゼルパティキュラフィルタのような最新のエンジンの仕組みのためのソ

フトウェアとHardware-in-the-Loopテストと同様にモデルベースデザインの可能性を広げるユニークな物理モデリング

です。

効率的な車軸設計プロセスのために、私どもの車両力学シミュレーションモデルは、新しいサスペンション分析ツールボック

スでサポートします。K&Cテスト装備から測定されたデータを使って自動的にパラメータ化されたサスペンションモデルは、パ

ラメータスタディからリアルタイムテストまでに有効なモデルを保証します。作成したモデルの特性が簡単に変更でき、自動

的にその場で概念研究を可能にします。

シミュレーションしているダイナミックシステムのふるまいを直接的でビジュアルにフィードバックすることができる新しいリア

ルタイムアニメーションツールDYNAanimationを取り扱い始めました。プレミアムなグラフィックとビデオ出力機能は、注目を

あびるシミュレーション結果のプレゼンテーションの作成を可能にします。

最新のシミュレーションテクノロジーと自動車産業のお客様のため絶え間なく責務を果たしていくことをソフトウェア開発の

いしずえにしていきます。

エグゼクティブ ディレクター

Dr. Cornelius Chucholowski

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Content4

カタログ概要カタログ概要

ご挨拶 3 カタログ概要(目次) 4 Simulation Models for HiL, Sil and Fast Concept Studies 5 Overview 7 Simulation Base Packages 8

en-DYNA basic 9 Model Basics 10 Air Path 10 Ful Path 11 Cylinder Simulation 12 en-DYNA THEMOS - The New Generation of Real-time Engine Simulation 13 en-DYNA THEMOS CRTD Package 14 Gas Path 14 Cylinder Simulation 15 Exhaust System 16 en-DYNA THEMOS SITC Package 17 Gas Path 17 Inlet and Outlet Valves 18 Cylinder Simulation 18 Add-ons Exhaust System Advanced (for SI/SITC and FDI/FDITC) 19 Cooling System Advanced 20 Powernet System Advanced 21

Drive Train 22

Driver 23

ECU Emulator 23

Preprocessing 24 Concept 24 Implementation 24 Graphical Data Filter and Fit Tool 25

Specifications Supported Platforms 26 Licensing 26 Operating System and Software Requirements 26

R

R R

R R

R R

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Simulation Models 5

電子制御システム開発は、自動車産業の革新的な一大フィールドです。そして ECUソフトウェアとハードウェアの開発やテストに

おいて、時間とコストの削減にはフレキシブルなシミュレーション環境が不可欠です。

SIMULATION MODELS FOR HIL, SIL AND FAST CONCEPT STUDIES

TESIS DYNAware は、メカニカルな自動車コンポーネントと同様に電子制御システムのラピッドプロトタイピングをサポートする

ための総合的な仮想車両環境を提供します。弊社製品は、コントロールシステム開発者、テストや設計技師の方々の様々な

ご要求に対応しています。

多くのOEMとサプライヤでは、仮想テストのために弊社製品を使うことで全世界的に効果を上げています。

・ テストセットアップの正確さ

・ 任意の環境状況の生成

・ プロトタイピングと現実のテストのためのコスト削減

・ 結果の再現性

・ 報告書の自動作成

・ OEMとサプライヤの間のモデルとデータ共有化

弊社のシミュレーションモデルは、リアルな車両運動を再現するために、リアルタイムで実行可能であり、高い精度と安定性を

兼ね備えています。概念段階からハードウェアプロトタイプによるオートメーション化したテストアプリケーションまで、お客様の

開発プロセスの様々なステージで弊社のソフトウェアを利用して頂けます。

MATLAB/Simulink環境で開発されたオープンでモジュール化されたモデル構造により、制御アルゴリズムや特定の自動車部品の

モデルを直感的に私どものシミュレーション環境に組み込むことができます。

お客様のアプリケーションをサポートするために、代表的な車両挙動評価テスト条件と既製の車両モデルを我々は提供します。

弊社の経験豊かなエンジニアによるトレーニングも利用でき、お客様の特定のニーズに合わせることができます。

弊社のコンサルタントとアプリケーションエンジニアはカスタマイズされたシミュレーションモデル、モデルパラメータ、

最新のテストベンチ、自社開発ツールのインテグレーションを提供します。

弊社にご連絡いただき、専門家のソフトウェアソリューションにより、お客様のCAEプロセスを向上するため、私どもの専門知識を

効果的にご利用ください。

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OverviewSimulation Base PackagesModel

enDYNA basicenDYNA ThemosAdd-OnsPreprocessing

en-DYNA R

en-DYNA R6

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OVERVIEW

enDYNAはドイツTESIS DYNAware社で開発されたエンジン・シミュレーション・ツールです。

enDYNAはエンジン制御アルゴリズム、オンボード診断(OBD)、コントローラの開発及び検証、HILテストベンチでの

実験車両の単体テストや統合テストに適用できます。

またエンジントルクとエンジンスピードはクランク角と同期するように計算しているので、エンジンスピードの不規則性を

考慮しながら制御アルゴリズムを検証することができます。

その他にもユーザが定義した条件や、触媒が劣化している状態など様々なミスファイヤパターンの検証が可能です。

新バージョンenDYNA Themosでは、バルブタイミング、マルチインジェクション、EGR、ターボチャージャ制御等に

関連したガスダイナミクスと燃焼のモデルが用意してあります。さらに、シリンダ圧力を計算するクランク角ベースの

制御アルゴリズムを検証することができます。

enDYNAには一般的なエンジンモデルが一式用意されており、すぐに利用することができます。モデルはモジュールで

構成され、モジュールはSimulink ライブラリのブロックを使用しています。モジュールを利用して自由にエンジンモデルを

作成することが可能で、モデルのコンパイルやシミュレーションも実行できます。enDYNAライブラリに用意されている

モジュールは、モデルや形状、コンポーネントの動作過程には依存していないので全てのエンジンモデルで利用することが

できます。それぞれのモジュールには、ブロックの入出力やパラメータ、モデル定義などをまとめたオンラインヘルプが

あるので、モジュールの詳細についても簡単に調べることができます。

モデルとパラメータは別々のデータセットとして保存します。

例えばシリンダの容量が異なった6気筒エンジンでは、一つ一つのシリンダモデルに対し、別々のパラメータファイルを

設定してシミュレーションすることができます。Simulinkマスクブロックでは、マスクパラメータをブロックGUI上で編集し、

プロットすることが可能です。

走行条件をまとめたユーザーシナリオが、mスクリプト形式のテンプレートとして複数用意してあります。例えば、エンジンを

一定負荷トルクで回転させるシナリオやenDYNAによるシミュレーション結果とエンジン実測値とを比較するシナリオが

用意してあります。

enDYNA v6 Engine Model

en-DYNA R7

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SIMULATION BASE PACKAGES

en-DYNA ベーシックには、7種類のパッケージが用意されています。

en-DYNA R8

R

1.ベーシック SI パッケージ:(BASIC Spark Ignition ) 自然吸気スパーク・イグニション・エンジン。

2.ベーシック FDI パッケージ:(BASIC Fuel Direct Injection) 直噴型スパークイグニションエンジン。コモンレールシステムやユニットインジェクタシステムのシミュレーション、

成層や準成層でのトルク計算が可能。(ベーシック SI パッケージを含んでいます。)3.ベーシック CRTD パッケージ :(BASIC Common Rail, Turbo Diesel ) コモンレールターボディーゼルエンジン。インレットメータバルブと圧力制御バルブのコモンレールシステム

4.ベーシック SITC パッケージ:(BASIC Spark Ignition, Turbo Charger ) ターボチャージャ付スパークイグニションエンジン (ベーシック SI パッケージを含んでいます。)5.ベーシック FDITC パッケージ:(BASIC Fuel Direct Injection, Turbo Charger ) ターボチャージャ付直噴型スパークイグニションエンジン (ベーシック FDI、SITC パッケージを含んでいます。)6. THEMOS CRTDパッケージ( THEMOS Common Rail, Turbo Diesel ) コモンレールターボディーゼルエンジンの熱力学に基づくシミュレーションモデル。マルチインジェクション、EGR、

クランク角ベースの筒内圧計算、酸化触媒やDPFといった排気システムのシミュレーションが可能。

(ベーシック CRTD パッケージを含んでいます。)7.THEMOS SITCパッケージ( THEMOS Spark Ignition, Turbo Charger ) ターボチャージャ付スパークイグニションエンジンの熱力学に基づくシミュレーションモデル。タービン、コンプレッサ、

EGR、クランク角ベースの筒内圧計算、吸排気バルブのエアマスフローのシミュレーションが可能。

(ベーシック SITC パッケージを含んでいます。)

enDYNA basic には、以下の機能が用意されています。

・エンジンモデル

・プリプロセッシング機能と例題データ

・各種運転条件(ユーザシナリオ)の例題

・各種エンジンのシミュレーションに必要なSimulinkライブラリ

・ドキュメント類(チュートリアル、データ仕様、処理関数のオンラインリファレンス

オプション

enDYNA basic パッケージには、以下のオプションを追加することができます。

1.Cooling System Advanced マルチ回路冷却システムのシミュレーション

2.Powernet System Advanced バッテリ,オルタネータ,スタータ,電気負荷等を含むパワーネットシステムのシミュレーション

3.Exhaust System Advanced SI/SITCオプション

   SIとSITCエンジンの詳細な排気システムのシミュレーション FDI/FDITCオプション

FDIとFDITCエンジンのNOx触媒とNOxセンサーを含む詳細な排気システムのシミュレーション.

(SI/SITCオプションを含んでいます。)

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en-DYNA BASICS

Model of Combustion Engine for Development and Test of Electoric Controlls.Schematic Illustration of Main Model Components and Signals.

R

en-DYNA R9

インジェクションシステムや吸気システムのガスダイナミクス、そして冷却器はマスフローモデルとしてシミュレーション

できます。エンジンダイナミクスモデルは全て、理想的な物理法則モデルに実測データより計算したパラメータ(特性曲線、

特性ダイアグラムの平均値)を組み合わせた準物理モデルになっています。

モデルは形状関数の平均値モデルとして評価され、クランク角と同期してシリンダごとに計算処理を実行しています。

インテークマニホールドダイナミクス、摩擦トルク、排気ガスの動態も平均値モデルを使用してシミュレーションしています。

速度変化を測定することによって、最新のECUについてもエンジン失火等の結果を出力することができます。通常操作、

またはエンジン失火時の速度変化は、シリンダごとに独立して、クランク角に同期したエンジントルクを計算することで

再現してあります。

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MODEL BASIC

Air Path

空気経路には、以下のサブモデルを用意してあります。

・ ターボチャージャ

・ スロットルバルブ ・ インテークマニホールド ・ シリンダへのエアチャージ

ターボチャージャモデルは汎用的モデルなので、一般的な排気ガスターボチャージャのシミュレーションに適しています

(ウェイストゲート、可変タービンジオメトリ 等)。ターボチャージャモデルはブースト圧制御を備えたECUによる

HILテストを実行するために開発され、主にユーザビリティに重点を置いています。パラメータ設定が容易で、様々な

種類のターボチャージャと互換性があるので、ユーザの要求に合わせて簡単に設定を変更することができます。

インテークパイプダイナミクスのモデルは、平均値モデルとして構成されています。

このモデルはスロットル、インテークパイプコンテナとポンプモデルから構成されており、インテークパイプコンテナから

エンジンへのエアマスフローをシミュレーションできます。外部からのエアマスフローは、インテークパイプの負圧に

よってスロットルを通りインテークパイプに入ります。

インテークパイプの負圧は、ポンプの吸入と同様のプロセスでエンジンの吸入により発生します。この技術は

フィリング法とエンプティ法と呼ばれています。インテークパイプからシリンダへの平均マスフローは、インテーク

バルブの閉弁後、シリンダーとインテークパイプはいずれも等しい状態にあるという仮定に基づいています。

実際のシリンダーチャージャは空気の消費特性ダイアグラムを利用して計算します。消費特性ダイアグラムは、

計測データからプリプロセシングを実行して求めることが可能です。

コンテナモデルの計算では、マニホールド容積が小さい場合やシミュレーションのステップサイズが大きい場合でも、

安定した陰積分による計算が可能です。

Volumetric Efficiency

en-DYNA RModel Basics ・10

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Fuel Path

enDYNAは、様々な燃料系システムのモデル・コンポーネントを提供しています。

全ての燃料系システムモデルで、シリンダ1本当たりの噴射燃料量を計算しています。

ポート噴射による燃料系システムモデルは、噴射時間に対する燃料噴射量、燃料圧とインテークマニホールド圧の

計算をします。燃料圧をシミュレーションするために電気燃料ポンプモデルが用意してあります。電気燃料ポンプと

インジェクションオフセットの電圧への依存性は考慮しています。

コモンレールターボディゼルエンジン用の高圧ポンプモデルでは、レール圧コントロールシステムの検証が可能です。

異なるエンジンタイプ(ポンプピストン数が異なる場合等)に簡単に合わせることができます。そして、圧送の割合は

インテークメータバルブによって制御されます。また、動作しないポンプシリンダを考慮することもできます。

噴射モデルは、噴射した燃料の体積を計算するために、レールとシリンダのカウンタ圧力を考慮しています。

配給タイプの燃料噴射ポンプに加えて、1つのインジェクションシステムをシミュレーションするモジュールも

用意しています。

低圧の燃料系システムでは、電気燃料ポンプと高圧ポンプに供給する燃料圧力とをシミュレーションすることが

できます。噴射のタイムオフセットと電気燃料ポンプでは、電圧に依存するように考慮しています。

直噴ガソリンエンジン用のコモンレールシステムでは、高圧ポンプにおける燃料マスフローの平均値を計算しています。

充填率はバイパスバルブによって制御されています。燃料をレールシステムに送るためにポンプは、レール圧より高い

圧力発生させなければいけないため、チェックバルブがポンプボリュームとレールボリュームの間に存在します。 インジェクタモデルは、噴射された燃料の体積を計算するためにレールとシリンダーのカウンター圧力を考慮しています。

Common Rail System FDI

en-DYNA R・ ModelBasics 11

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Cylinder Simulation

ポンプや圧縮トルクに加えて燃焼トルクと、マスの振動の影響はクランク角に同期してシリンダごとに計算しています。

残りのトルク率、摩擦トルクは平均値で計算し、燃焼トルクに追加します。

クランク角に同期した燃焼トルクの計算によって形状関数を利用します。積分値と平均値モデルによる計算結果が

一致する形状関数によって、トルク変動をシミュレーションします。燃焼トルクの時間積分は燃焼の仕事量に相当し、

その仕事量は定常エンジン特性から求めます。

各シリンダのモーメント推移は、クランク角の関数として表現できると仮定しています。

Cylinder Bank

en-DYNA RModel Basics ・12

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en-DYNA THEMOS - THE NEW GENERATION OF REAL-TIME ENGINE SIMULATION

enDYNA Themosモデルは、最新のリアルタイム・エンジン・シミュレーションモデルです。

HILテストベンチでのエンジンECUの開発や検証ができるように、ガスダイナミクスや燃焼過程の物理モデルとして

構成されています。

燃焼過程の物理モデルにより、クランク角に同期してシリンダ圧力とトルクを計算します。Themosモデルは、マルチ

インジェクションと着火遅れの影響を十分に考慮しています。そして、吸気経路と排気経路のガスダイナミクスは、

マニホールドとバルブを基にした、質量流とエンタルピー流に関する熱力学の平均値モデルを考慮しています。

さらに、タービン、コンプレッサ、シャフト部分とを分けてモジュールを用意しているので、ターボチャージャ、

スーパーチャージャ等の多様なモデリングが可能です。

クランク角ベースによる特殊な積分法を使用しているため、計算時間がエンジンスピードとは独立になるので、

シミュレーションによるCPU負荷は保障しています。また、ステップサイズが1msec以上であっても、計算の安定性と

精度の高さを保障しています。排気ガス温度は、吸気経路と排気経路のガスダイナミクスに大きな影響を及ぼし、

同様に燃焼過程にも影響を与えます。シリンダ圧力はセンサ信号としてECUで計測しています。燃焼過程の物理

モデルと詳細なガスダイナミクスのシミュレーションには、EGR、燃料噴射タイミング、ターボチャージャ、排気ガス

処理の制御においてより正確な応答が必要になります。

Interactions of Model Components for Diesel Engine Simulation

RR

en-DYNA R THEMOS R・ 13

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en-DYNA THEMOS CRTD PACKAGE

Gas Path

ガス経路の基本設定は以下のコンポーネントを用意しています。

・ ターボチャージャ(コンプレッサ、タービン、シャフト)・ インタークーラ

・ サクションパイプ

・ スロットルバルブ

・ インテークマニホールド

・ シリンダーへのエアチャージ

・ エグゾーストマニホールド

・ 外部EGRバルブ

・ EGRクーラ

ターボチャージャライブラリに含まれているモジュールは、ガス経路、燃焼過程の物理モデルとターボの相互作用に

ついて焦点を当てて設計してあります。これらのモジュールはターボチャージャにあるブースト圧力コントロール

アルゴリズムの検証、開発に適しています。コンプレッサ、可変タービンジオメトリ、シャフト部分を表した

モジュールにより、ツインターボチャージャ、電子制御ターボチャージャ等について適切なモデル設定が可能です。

空気経路と排気ガスの圧力について、ガスダイナミクスに関係したコンテナモデルがいくつか用意してあります。

いずれのシミュレーションステップでも、サクションパイプ、インテークマニホールド、エグゾーストマニホールド内の

質量、エネルギーの流入、流失を合計して、圧力、温度、ガス組成値(理想気体と仮定)を出力します。マニホールド、

エアクーラ、EGRクーラは周囲への熱遷移を考慮しています。シリンダバンク、ターボチャージャ、バルブを表す

モジュールによりエアマスフローを計算します。EGRバルブ、スロットルバルブ、シリンダ吸気口に関するパラメータは

プリプロセシングによって計測データから計算します。

コンテナモデルの計算では、マニホールド容積が小さい場合やシミュレーションステップサイズが大きい場合でも

安定した陰積分による計算が可能です。

R R

Sketch and Simulink Model of Two-Stabe Turbochaging Configuration

en-DYNA RTHEMOS ・R14

Example Configuration of a Diesel Engine Model

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Cylinder Simulation

燃焼過程の無次元物理モデルは、個々のシリンダ圧力と温度をクランク角に同期して計算しています。

個々のシリンダは熱力学の法則と、化学反応キネティクスモデルに相当するコンテナモデルとして仮定しています。

また、エネルギー保存則を基本とし、燃焼中の発熱速度、シリンダ壁への放熱(Woschni's熱変換モデル)、エアマスフローの吸入と排出による熱エネルギーの遷移や、ピストンによる機械的仕事量も考慮しています。

複数回の噴射による着火遅れは、シリンダ内の熱力学的条件を基にした実験式から導出しています。

このアプローチでは、化学反応の反応相手の濃度と燃焼中の放熱率における複数回の噴射による影響を十分に

考慮しています。結果的に発生したトルクと温度がエンジン特性と一致することを確認するために、

プリプロセシング時には最適化アルゴリズムによって、計測データからキネティクスモデル由来のアレニウス係数を

計算します。排気ガス組成は特性マップと燃焼過程で計算された濃度に由来しています。

噴射、圧縮、燃焼トルクは直接シリンダ圧力により生じていますが、摩擦トルクと質量の振動の影響は

モジュールごとに計算され、トルク出力に追加されます。

Crank Resolved Cylinder Pressure and Temperature Simulation

en-DYNA R THEMOS R・ 15

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Exhaust System

排気システムの標準設定には酸化触媒、ディーゼル微粒子除去フィルタ(DPF)、計3箇所のラムダプローブの

シミュレーション・モジュールが用意してあります。排気ガス後処理とオンボード診断(OBD)を行うECUの開発や

検証に適しています。

排気システムでは、以下の値を計算しています。

・ 排気ガス組成、i.e.少量のO2、HC、N2、H2O、CO2、CO、NOXそして粒子状物質(PM)・ 排気ガス、ラムダプローブ、触媒コンバータ、ディーゼル微粒子除去装置(DPF)の温度

・ 様々な熱伝達

・ DPFの充填率

・ 触媒コンバータとDPF一面の圧力損失

上記パラメータの設定によって、DPFはその効果に応じて最大充填量に到達するまで、排気ガスからPMを

フィルタリングします。このとき、フィルタにPMが堆積し一時的にDPFの機能が低下しますが、DPFは強制的に

PMを燃焼させ捕捉機能を再生させます。例えばインジェクターの噴射遅れによるシミュレーションをした場合、

噴射遅れにより排気ガス中では未燃燃料の濃度が上昇します。すると、未燃燃料は触媒を通過する間に

酸化され温度が上昇し、閾値を越えるとDPFの再生現象が起こります。DPFの圧力損失は排気ガス流量率と

充填状態の関数として表現しています。ECUはこの充填率とフィルタ再生開始時間を推定するために圧力損失を

計測しています。

3箇所あるラムダプローブ・モデルでは、個々の測定点において排気ガス濃度と温度が計測され、排気ガス空燃比、

ラムダプローブの温度を計算しています。また、ラムダプローブの電気ヒーターのシミュレーションも可能です。

Working Principle of the Dieesel Particulate Filter Simulation Model

en-DYNA RTHEMOS ・R16

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en-DYNA THEMOS SITC PACKAGE

Gas Path

Air Path of the SITC Template Model

en-DYNA R THEMOS R・ 17

ガス経路は吸気及び排気ガスダイナミクスの熱力学反応をシミュレーションするように設計してあります。ブースト圧力、外部

EGRそしてシリンダ負荷変化によるECU機能のHILテストやSILテストに適しています。ガス経路モデルには以下のモジュールを

用意しています。

・ ターボチャージャ

・ インタークーラ

・ サクションパイプ

・ ブローオフ

・ スロットルバルブ

・ インテークマニホールド

・ 圧力アクチュエータ

・ エグゾーストマニホールド

・ 外部EGRバルブ

・ EGRクーラ

・ ウェイストゲート

ターボチャージャライブラリに用意してあるモジュールは、ガス経路、燃焼過程の物理モデルとターボの相互作用について焦点を

当てて設計してあります。これらのモジュールはターボチャージャにあるブースト圧力コントロールアルゴリズムの検証、開発に

適しています。コンプレッサ、可変タービンジオメトリ、シャフト部分を表したモジュールにより、ツインターボチャージャ、電子制御

ターボチャージャ等について適切なモデル設定が可能です。

ブースト圧力は電気または空気圧で動くウェイスゲート経由または様々なタービン配置経由で計測することができます。

サクションパイプ、インテークマニホールド、エグゾーストマニホールドのモデルは、コンテナの平均値モデルとして理想気体を

仮定しています。いずれのシミュレーションステップでも、サクションパイプ、インテークマニホールド、エグゾーストマニホールド

内の質量、エネルギーの流入、流失を合計して、

圧力、温度、ガス組成値(理想気体と仮定)を出力

します。マニホールド、エアクーラ、EGRクーラは

周囲への熱遷移を考慮しています。シリンダバンク、

ターボチャージャ、バルブを表すモジュールにより

エアマスフローを計算します。EGRバルブ、

スロットルバルブ、シリンダ吸気口に関する

パラメータはプリプロセシングによって

計測データから計算します。

コンテナモデルの計算では、マニホールド容積が

小さい場合やシミュレーションステップサイズが

大きい場合でも安定した陰積分による計算が

可能です。

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Inlet and Outlet Valves

Effect of Variable Valve Timing on Gas Mass Flow over Exhaust Valve

Cylinder Simulation

Conservation of Energy

en-DYNA RTHEMOS ・R18

シリンダの負荷変化は吸気バルブと排気バルブを通るガスマスフローの力学

モデルとして表現しています。

シリンダチャージ時のバルブタイミングとガスダイナミクスの効果を十分に

考慮することで、カムレスエンジン、VVT、VVL、ポート、

シリンダディアクティベーションをコントロールするECUをHILテストベンチで

検証するために検証に適したモデルを作成することができます。

プリプロセシングによるパラメータ化には、バルブリフトと圧力比に関する

幾何学データと計測されたマスフローが必要です。

燃焼過程の無次元化力学モデルでは、個々のシリンダ圧力、温度を

クランク角に同期して計算します。エネルギー保存則を基本とし、

燃焼中の発熱速度、シリンダ壁の放熱(Woschni's熱変換モデルによる)、マスフローの吸入と排出による熱エネルギーの遷移、ピストンによる

機械的仕事量を考慮しています。燃焼中の発熱速度は燃焼過程における

化学反応の動力学モデルを基にして計算しています。

スパークタイミングの影響は自動的に考慮しています。

結果として生じたトルクと温度がエンジン特性と一致することを確認する

ために、プリプロセシング時には最適化アルゴリズムによって、計測

データからキネティクスモデル由来のアレニウス係数を計算します。

排気ガス組成は特性マップと燃焼過程で計算された濃度に由来しています。

ポンプ、圧縮、燃焼トルクは直接シリンダ圧力により発生していますが、

摩擦トルクと振動質量の影響はモジュールごとに計算され、トルク出力に

追加されます。

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ADD-ONS

EXHAUST SYSTEM ADVANCED (for SI/SITC and FDI/FDITC)

Scheme of the Advanced Exhaust Line (FDI Version)

en-DYNA R Add-Ons ・ 19

Exhaust System Advancedモデルは、HILテストベンチによる制御システムの開発だけでなく、オンボード診断(OBD)関連の

テストもサポートしています。このモデルは酸素吸蔵能力の劣化、ラムダプローブの空気漏れ等、様々な排気システム異常の

シミュレーションに適しています。

Exhaust System Advancedモデルの標準設定には、上流にある2つの触媒コンバータが設定してあります。

(2in1排気システムによる標準仕様、1つのメイン触媒コンバータと計5箇所のラムダプローブ)Exhaust System Advancedモデルは全体を変更しなくても、排気システム部分の設定を変更するだけで利用できます。

Exhaust System Advancedでは、以下の値を計算します。

・排気ガス組成:O2, HC, N2, H2O, CO2, CO, NOx・排気ガス、ラムダプローブと触媒コンバータの温度

・触媒コンバータ前の排気ガスにおけるカウンター圧力

・冷却システムを通過する熱パワー

ラムダプローブモデルはパラメータの設定によって、広帯域、あるいは通常のラムダプローブのシミュレーションに関する

オプションをサポートしています。このモデルは個々の測定点において、排気ガス濃度と排気ガス温度に従い、排気ガスの

空燃比とラムダプローブの温度を計算します。ラムダプローブが取り付けられている場所での漏出量もシミュレーションが

可能です。

さらに、FDI/FDITC Exhaust System Advancedの標準構成は、メインの触媒コンバータの下流にNOxトラップモデルが用意して

あり、排気口側のラムダプローブと平行にNOxセンサーが付加してあります。

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COOLING SYSTEM ADVANCED

Layout of the Cooling System Advanced Model

en-DYNA RAdd-Ons ・20

Cooling System Advancedは熱管理機能や、オンボード診断(OBD)のようなエンジン熱反応の監視機能を開発することが

できます。

このモデルでは標準設定で、内部と外部の冷却水回路からなる二重回路の冷却システム、加熱可能なサーモスタットバルブ等、

様々なタイプのファンをシミュレーションすることが可能です。

Cooling System Advancedでは、冷却システムに関連する以下の状態を計算します。

・エンジンブロックの平均温度

・オイル温度

・冷却水回路の内部と外部の冷却剤温度

・クーラを流れた後の気温

・熱交換器を流れた後の気温

Cooling System Advancedでは、様々な要素の熱・温度作用をシミュレーションするために、熱的に不活性な物質をモデル化

しています。

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POWERNET SYSTEM ADVANCED

Battery Model Basic Electrical System

en-DYNA R Add-Ons ・ 21

自動車の燃料消費と需要増加により、電装システムの開発はますます重要になりつつあります。

Powernet System Advancedは電気システムのモデル化により、電力消費や電流を最適化した電気システムの開発をサポート

しています。

Powernet System Advancedでは、自動車電装システムに関連した以下のモジュールを用意しています。

・ 詳細が異なる様々なバッテリとオルタネータモデル

・ スタータモデル

・ 電気的負荷(直列、並列回路の抵抗とキャパシタ、インダクタ)・ DCマシーン

・ スイッチ

・ ワイヤ、トランス、コンバータ

Powernet System Advancedでは、シングルやマルチ電圧の電気システム(DC-DCコンバータで結合する14-42の電圧

システム等)を簡単に設定することができます。ライブラリ・ブロックを使用してコンパイルされている電気システムに基づき、

上位の電気システムによるエネルギー・マネジメントを開発することができます。(バッテリ電圧、バッテリ電流、バッテリ充電

状態の評価や、モデル化された電気的負荷の電流出力の連続的な可変コントロール等)

ステップサイズが小さいシミュレーションでは、ダイナミックな電装システムの過渡特性を調べることができます。

(負荷がオン/オフでスイッチする時の電圧ピーク等)

長い時間で値をゆっくりと変化させる解析(ドライブサイクルのバッテリ電圧と電流の負荷バランス、またはシステム特性曲線

など)では、シミュレーションをより速く行うためにステップサイズを大きくして計算することもできます。

Powernet System Advancedでは、すぐに利用できるように基本的な電気システムが用意してあります。また、

ライブラリでまとめられた30以上のモジュールから、ユーザー定義のモデルを作成することもできます。モデルに

使用するパラメータはプリプロセシングで設定することができます。

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DRIVE TRAIN

長時間の車両ダイナミクスをシミュレーションするために、enDYNAでは可変的なドライブトレインをサポートしています。

ドライブトレインには以下のモジュールが用意してあります。

・ スタータモデル

・ ブレーキモデル

・ クラッチモデル

・ コンバータモデル

・ トランスミッションモデル

トランスミッションの出力速度と車両速度は運動学的に関係しています。ドライブトレインのスリップや弾性など

低周波振動は考慮していません。ドライバーが運転中に操作する運転制御エレメントに従ってエンジンは動きます。

運転制御要素にはスタータ、クラッチ操作、ギアシフト、アクセルとブレーキがあり、機械的なパーキング・ロックと

登坂抵抗も設定可能です。

ある運転モードを選択すると、最初に指定したエンジン速度に合わせるように負荷トルクを調節するという方法で、

実エンジンのテストと同じように正確に調整することもできます。エンジンの動作点は、エンジンスピードと負荷の

ポジションによって決定しています。

もしエンジン負荷がエンジントルクで制御されるようになっていれば、負荷のポジション(アクセルペダル)は、

ドライバーモデルのエンジントルク制御で決めることができます。

DYNAmometer: Load Curves

en-DYNA RDrive Train ・22

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DRIVER

ECU EMULATOR

Driver: Driving Cycle

Soft-ECU

en-DYNA R Driver / ECU Emulator ・ 23

enDYNAのドライバーモデルは、設定された速度プロファイル(運転サイクル)で自動車をオペレーションするよう設計して

あります。プロファイルの仕様に従ってスタータ、アクセル、クラッチとブレーキを動かし、さらにギアをシフトします。

燃料消費の分析やオンボード診断機能の開発に役立つように、スムースな運転操作について焦点を当てています。

この点は、ドライバーが前の道路と交通状況を確認するように、速度に依存するプレビュー時間と負荷トルクのプレコントロール

とを考慮することによって満たしています。

コントローラパラメータは、マニュアルチューニングではないプリプロセシングによって生成される車両パラメータに

由来しています。ドライバーモデルは、様々なドライブトレインに対応しています。

・ マニュアルトランスミッション

・ オートマチック・トランスミッション(トルクコンバータを含む)・ CVT

標準的なドライビングサイクル仕様(NEDC、FTP、10.15モード等)は、簡単に設定されたシナリオとして使われます。

ECUエミュレータモデルを使用すると実際の

コントロールデバイスに接続しなくてもモデルを

操作することができます。ECUエミュレータ

モデルはエンジンやトランスミッションを

コントロールするために基本となる値を

計算します。

エンジンコントロールシステムによる簡単な

シミュレーションにより、イグニッション角、

噴射時間、クランク角、スロットル位置また

レール圧のような個々のエンジンに必要な

信号値を計算します。

トランスミッションコントロールユニット:

TCU (オートマチック・トランスミッション)の

シミュレーションによって、ギアシフトや

ロックアップクラッチの操作に関する

信号も計算します。

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PREPROCESSING

CONCEPTenDYNAのシミュレーション精度は、その大部分がモデルパラメータに大きく依存しています。

モデルを定義するためには、測定データからモデルパラメータを生成し、モデルのキャリブレーションを行う必要があります。

enDYNAにはこれらの処理を行うプリプロセシング機能が用意してあります。

プリプロセシングでは、マウス操作によって簡単にモデルパラメータを生成することができます。

また、計算結果をグラフ化し、スプライン補間やコサインフィットのような理論的なデータ処理法を使って簡単にパラメータ

生成が実行できます。

エンジン開発では一般的ですが、enDYNAのプリプロセシングでは、定常エンジン測定の結果に基づいて必要なモデル

パラメータを全て計算し、モデルデータセットをコンパイルします。プリプロセシングには多くの機能が用意してあり、

計測データからモデルパラメータを生成できるようにGUI上で簡単に操作できるようになっています。また、オンライン

ヘルプとチュートリアルを利用すれば割と簡単に手順に慣れることもできます。

新しくプリプロセシングを実行する場合には、以前使用した設定を利用して新しいパラメータ・セットを作成することが

できます。

IMPLEMENTATION

プリプロセシングではモデルパラメータを計算できるように、最初にエンジン測定データの単位系を自動変換します。

そしてGUI上でプリプロセシング関数を実行し、個々のモジュールのパラメータを段階的に生成していきます。

用意されているプリプロセシング関数は以下の通りです。

・ 燃料噴射のパラメータ表示

・ スロットル特性の計算

・ 最適点火角度(ECUデータまたはスパークアドバンスの変化による測定値)の計算 ・ 容積測定効率の計算

・ 燃焼トルクの計算

・空燃比ラムダの変化によるトルク効率の計算

プリプロセシングの各計算ステップでは、それぞれプリプロセシング関数が用意してあります。

プリプロセシング関数を実行するとエンジン測定データからシミュレーションに必要なパラメータが計算されます。それぞれの

モデル・コンポーネントに適合するように、GUI上で関数の選択ができます。また、プリプロセシング関数による計算結果は

全てグラフとして表示されます。

enDYNAでは一般的なエンジンのプリプロセシング設定例が用意してあります。

ユーザが作成したエンジンモデルでも、設定例を利用しすぐにプリプロセシングを実行することができます。

Preprocessing Configuratorを実行すると、プリプロセシングのテンプレートを個々のニーズによってカスタマイズする

ことが可能です。つまり、既に使用しているテンプレートに新しくプリプロセシング関数を追加することができます。

Preprocessing-Concept

en-DYNA RPreprocessing ・24

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PREPROCESSING WITH THE GRAPHICAL DATA FILTER AND FIT TOOL

Curve Fit for Throttle Characteristic with Special Consideration of Small Throttle Angles

en-DYNA R Preprocessing ・ 25

シミュレーションパラメータを計算するときの一般的な流れは、必要なエンジン測定データを適当な座標系に変換し、測定誤差を

除去した後、残りの有効なデータから特性曲線あるいはテーブルを近似することになります。そのためにプリプロセシングでは、

グラフィックデータのフィルタリングツールとフィッティングツールを用意しています。例を挙げると、はみ出した点を削除する、

ノイズが多いデータを平滑化する、グリッドを作成するかデータポイントのクラスターをマージングすることでデータ量を減らす、

というような方法があります。

フィルタリング、フィッティングには、様々なアルゴリズムを基にしたツールが複数用意してあります。

測定データに適したフィルタリングやフィッティングの手法をGUI上でカスタマイズしてシーケンスにまとめることによって、個々の

データに対してプリプロセシングを実行できます。また、既に用意されているデフォルトのシーケンスをユーザが作成したエンジン

データに対して利用することも可能です。マウス操作によってデータをプロットするツールもあり、データを変更するとその結果は

フィードバックされてグラフに直接表示されようになっています。

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SpecificationsSUPPORTED PLATFORMS

OPERATING SYSTEMS AND SOFTWARE REQUIREMENTS

LICENSING

Specifications26

試験シミュレーション車両の全てのシミュレーションモデルはリアルタイムハードウェアの上でもPCプラットホーム上でも操作

できます。

現在サポートしているのは下記の通り:

・Simulink・The Mathworks RTW's Rapid Simulation Target (RSIM) and Generic Real-Time Target (GRT)・ADI・dSPACE・ETAS・National Instruments・Opal-RT・The MathWorks xPC

リクエスト次第で、他のリアルタイムハードウェアもサポートします。

サポートしているオペレーティング・システム

・Windows 2000・Windows XP

最新の対応表は、下記にて確認できます。

http://www.tesis.de

DYNAwareソフトウェアは、MathWorks 環境を必要とします(R14SP1以上):・MATLAB・Simulink (veDYNA Entryを除く)・Real-Time Workshop (コード生成用)

Node Locked Licenseは、コンピュータの MAC アドレス、または外部ドングルで管理されます。

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