23
Title アメリカの産業構造と八大財閥の変遷 Author(s) 金田, 重喜 Citation 經濟論叢 (1959), 84(1): 72-92 Issue Date 1959-07 URL https://doi.org/10.14989/128915 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University

Title アメリカの産業構造と八大財閥の変遷 經濟論 …...アメリカ白産主構造と八大耐問の変遷 第八十四巻 第 号 七 七 I アメリカの産業構造と八大財閥の変遷は

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Title アメリカの産業構造と八大財閥の変遷

Author(s) 金田, 重喜

Citation 經濟論叢 (1959), 84(1): 72-92

Issue Date 1959-07

URL https://doi.org/10.14989/128915

Right

Type Departmental Bulletin Paper

Textversion publisher

Kyoto University

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経務言命叢普Jl--r回春揮一課

概念としての帝問主義回目回目・ u ・H ・H ・.....静 岡

租税と利潤の費用化目……・・・ -…田品

社会保険概念についての一考察...・H ・・・与 田

ドイツ民主共和国における社会主義

工業管理制度の発展について… -ー:金

課業設定の評価 ーー ー 一-....-・ノj、野手

ア s 9カの産業構造と八六財閥の変遷

...回全国

社会主義背生産の特有法則と経済的範町立什

長砂

書評

E当

恭 EZ 18

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錯碩 44

孝 61

重菩 72

仁R台 93

F. E ハイド『ブルー・ファネノレ』・・・・山 田 浩 之 1口4

京大経済 l全部j1li.1):四十周年記念、記')1:'...・・・・・・・ー ・・・・・ ・・ 109

昭和三十四年七月

東郡太事経 科 事 奮

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アメリカ白産主構造と八大耐問の変遷

第八十四巻

アメリカの産業構造と八大財閥の変遷

I

i1;

大恐慌kその改良主義的危機克服策としてのエュ

1ディ

lル、

次いで第二次大戦とそり後の「平和時」の恒久的半軍事経済へ

申移行が米国経済の構造に大きな変化をも士らした事は云うま

でもない

G

所得革命論、株式民主化論、経営者革命論、銀行支

配消滅論、人民資本主義論等はこの「構造変化」の代表的「理

論」であるが、本柄では経済構造変化の一側面として、この時

期に米同の各財閉がどの様に不均等発展し士か、その理由は何

かを考察する事にしよう。

この考察を行う第一の理由は、財閥の理論的実証的研究を前

進させる事が現代資本主義研究の鎚ではないかという事である。

人民白内部に矛盾がある如く、土配階級l独占資本家階級の

内部にも矛庖があり、これは其々産業的金融的利害に従って各

財閥の対立(お互の問での〕と統一(労働者階級その他の勤労

日干

市民諸層に対する)として現われている。そして各財閥の最大

限の「支配利潤」を求める運動が、所謂最大限利潤法則白木質

とその形態を明らかにする之思われるからである。亡」の三つ

の源泉は既に説明済である。)

文各財閥はその産業的金融的利害に従って異った諸要求を政

府に提掘し、その実現の為に大衆に訴え、大衆を動員して相戦

っているので、各町闘の産業的余融的特質を明らかにする事は、

古記階級の内部矛盾を明らかにし、現代国家の経済・財政金

融・外交諸政策の矛庸を解明する基健在なるからであるロ

第二の理由は不均等発展法則への接近を試みる事である。経

済的政治的発展町一不均等性は帝国主義の一大特刑判とされている

が、この法則の理論的実一市的研究は少数の秀れた研究を除き殆

んどなされていないからである。

それでは八大財閥の不均等発展を統計的に考察する事から始

めよう。

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ω4-n古門司O門-0・『吉岡旦昔話。同同NhpLmA音量2・]u・2・酬稿

ヴィクタl

バl

ロ「故一曲の金融苛国」(経情論叢第八二

巻第一号所収)参照。(最大限支配利潤法則心理論的解明

は他日を期している)。

国E

PEE-甲宮岡

EEEEO間宮町旬何回同凸

Z同皇居富国

。。。po弓臼田邦訊大月版三四人頁u

ωマル百四エン選集第二巻五

00頁。

ωレlニン二巻選集第一巻第六分冊二三五頁a

MW

例えば島恭彦教指『現代地方財政論』。

E

八大財閥の不均等発展(統計的考察)

一九三九年に発表された、最も著名な財閥の研究である全国

資瀕委員会の『アメりカ経済の構造」はアメリカの金融寡頭制

の中心として、モルガンHH第一ナショナル、ロックプーヲ!、

タンロェフ、メロン、シカゴ、〕アュポン、グリヴラソド、

ボストンの八財閥をあげ、これらが最大二五

O社の全資産の六

二%を支配

Lていると述ベ、一九三五年現在の支配資産官部門

別に表示している。(前1表参照)

この研究は最大二五

O社以外の小会社と共同支配の会社を除

外しているので、若干不十分ではあるが当局の各財閥の大体の

力関係を表現しているk云って良いであろう。

ここで第一に確認しておきたい事は、最も強大なモルガソ。

アメリカ白産業構造と八大財閥の変遷

八大財閥の支配置産〈百万弗)1935年

,---_._--IPe五福戸函;了同記訂正五Z7「Z71il ;-jJJ:|{淵勺!:i-11!ifjU空fir-F2・ロックフエラー I{品?iめ 1 1 2til印 16,6町 〉

3クーン ロヱプ|{% 品川 1213(吐38〔1〕|1明叩)

ン|{判的 129(2〕立!12E竺竺E シカゴ I{O/~Ti4〕 lfi3| |i認7(4)I 4.266山!

6デムポ0/I{抗予川 l i!?61 制民4了|τ五コ子二子関I下一一! 市町立町||土ニ三ニン |{J54〉lZ4〔わ I l.tO(I) I 1,719(7) I

合 計 I{説得|部5912炉問161|仰お

National Resources Committee. The Stγucture of Ameγican Economy,

Part 1, pp. 314, 161.より作製( )内は社数,%は支配率.

第 1表

4 メ

第八l+

四巻

b

第一号

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アメリカの産業構造と八λ肘閥の変遷

第一デショナル(

J

l〉財閥は最大二五

O社のうち三六社

を支配し、産業、公益、鉄道、銀行とあらゆる分野で優位を占

め、特に公銭と鉄道で圧倒的な強味を持っている事である。

第二に、総資産において第二位にあるクンロェプ財問は

主として鉄道部門に立脚して、工業的基礎を持たない事であるe

第三に、石袖産業主銀行に強刀な足場をもっロックフェラー

財閥は支配資産額において第三位を占めている。

その他メロン財閥は右油、アルミ、電機、鉄鋼と範囲が広く、

デでホ

γは自動車、化学、ゴムの三大会社を支配し、クリlヴ

ラシドは鉄鋼業で毛ルガンに次ぐ権力をもっている

Q

ボストン財閥は主として軽工業を支配するが、金融力では弱

体であり、シカゴ肘閥がモルガンに次ぐ金融力を持っている事

に注意しておこう。

ではこれが戦後どの様に変化したであろうか。

lロは-九五四年に、モルガン、ロッグプエラ

1、シカゴ、

メロン、デュポン、クり

1ヴランド、第一ナショナル・ジティ

銀行、アメりカ銀行(ジァニ

l

ニ)の八大財閥が、全会社総資

産の

1一4

以上に当る一二八

O億弗の資産を支配し、彼らの結

合せる経済的影響は経済の「殆んど完全な支配」を意味すると

述べ、五五年現在の入大財閥の支配資産を部門別に表示してい

る。(第2表参照)

この研究は戦前の研究の後に明白かとなった資料を採用して

第八十四巻

七回

第一号

七回

いるので比較的完全であり、従前の研究と長なって、各財閥O

力闘係の劇的な変化を示している。

第一に、この八大財閥は全国資県委員会の入財閥と長なり、

人大財閥の支配資産1955年(百万針J)第 2表

「-金市商副輸送公益|問財

65,306 36,261 16,495 12,550 ユ〆カ日" 弓壬

61,4日9

13,183

35,023

8,107

9,083

2,394

17,303

2,682

ロッグフエラー

7 ア スト・ナシ三ナル・シティ銀行

デュポ ン 16,021 6,655 O 9,o6り

10,500 2,208 252 8,040 ンメ

15,664 5,154 5,383 5,127

クリ ヴラ γ ド

22,005 9,527 2,914 9,564 カ

14,402 13,127 57 1,218

アメリカ 銀 行

卯4

8

つtu

Victo工 Per1o,The EmPire of IIigh Fi問 ance,p. 128

65,850 言トA R

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戦前の八財閥のうち支配資産において第二位のクン

E

ロェプ

財問と、同七位のボストン財閥とはもはや主要財閥之みなされ

ないで脱落し、代ってニューフェイスである司REZEH。E-

3

ロHH

可回MM

ロ骨(スチルマン

HW

ロックフェラー)とカリフォル

ニヤの出何回甘え

kpE25p同財閥が況模と範囲を拡大して入大

財閥の陣列に加わフた事である。

第二点はそルガンとロックフェラの二頭支配は法本的に維

持きれているが、この枠内でそルガンの相対的一読退とロッグフ

一二フ

lの急速な膨脹がみられる事だある。そんガンの永年目同

盟者第一ナシ豆ナル銀行ハ一一ュ当

lク)がナシ塁ナルシテ

ィ銀行と合併して、そんカンの勢hH圏を離れ、又その他若干の

重要会社。支配を失ったのに対し、ロヴクフエラーは製造業鉱

業において第一位を占品、愉送公益にも進出

Lて第二位主なり、

金融力においてもそルガンとほぼ措抗するに至っている。

その帥クリヴランド財閥がそルガンの犠牲において輸送公

誌に進出した事、第一ナショナル・シティ銀行、アメりカ銀行

の両新人は共に金融力において秀れている革、シカコ財閥削があ

らゆる分野に足場をもち、ウォiル街の阿巨頭に続いて第三位

にある事(シカゴは伝統的に反ウォ

lル街の指導者である)。デ

ェポン主メロンの工業的基盤は県固である事等に注意しなけれ

4

ばならない。

次に各財閥の得た利潤の増大率を調べてみよう。(第3表山空間川〕

アメリカの産業構造と八λ財閥心変遷

第3表入大財閥の利潤

(,)"1後利潤)の増大1929ー 1955

ユ600/0増刻

23811 11

38511 "

376!1 I!

:=149 f! !I

32511 /1

14411 11

fL 311/ 11

1 11%減少;

Victor Per1o, The E由主ireof

High Finance, p. 127.

全会社平均

8 肘間合計

メ ロ ン財閥

デュポン"

ロヅタフ~ヲー- "

クリーグラ γ ド H

シカコ H

モルガン"

ポストン H

クー γ ・ロェプ"

資産の比較と利潤の比較とは、産業部門が具ると固定資本の

比重や資本の回転率等が具るので意義を具にするからである。

例えばコ放的に製造業、鉱業会社白百万弗の資産は、公益

輸送の百万弗の二乃至三倍、同じく令融機関の主乃至一O伯の

利潤を生色号、成長の可能性をより良く表現するからであ

ヲ匂。

一九二九五五年の期間の各財閥の主要会社の利潤の変化率

をみると、入財閥のうちメ戸ン、デュポン、ロヴタフエラl、

クリ!ヴラゾドの四財閥は三二五%からさ一八五%迄の非常に高

い増大半世一がしている凶に対し、

Vカゴとモルガンは八財閥平

均の二三八怖はおろか、全会社平均の一六O%。噌大率巴も達

せず、ボストンは僅か=一一%の増大、(物仰が二倍になった事

第八十四巻

七百

第一号

七五

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アメりカり産業構造と八大財問。変遷

を考慮せよぱタlγ

る。

ロェプの如きは逆に絶対的に減少してい

ではこの様な不均等発展はEうして生じたのであろうか下

この原因として考えられるのは、各産業部門の不均等発展

ハ各企業の一小均等発展)、金融構造の変化(各機関の相対的重要

性の変色、地域的不均等発浜、政治権力への司会加における不

均等HH経済政策の不均等な影響、(亦以上全てを通じて客観情

勢に対応する政策転換の適切さと誤謬)等であるが、本稿では

紙数の都合上産業構造の変化に問題をしぼり各部門の不均等発

展を財閥の不均等発展の原悶主してのみ考察し、不均等発展そ

りものの原因については、各部門についての独立論文で取扱う

事にしよう。

ωZEF自己目ZE耳呂円。

EE言。入以後

Z回口〉

M-Eh同判官官高。¥』遣。コ町内富岡町。き苦い子唱門「H

V

ω

ω〈-MUO口。姐晶EN・}唱

H

呂田

ωJ・D-ロックフェラーの弟ウィリアムロックフェラ

ーの一子孫はナショナル・ジティ銀行のヌチルマン一族と結

婚によって結合し、ロックフェラー本家しζ

は尚密按である

が拙自の財閥とな。ている。

Z

同-n・

4・2F3・日目出品と

Hlzoh

問自

ERE

hrωmOGE5F(以後HL

同・匝〉出向言。yfuヨEHから計算

した、一九一二丘凶八年の民主党政権期の各財閥り資産の

第八十四巻

七ノ、

第一号

増大事も同様。傾向を示している山

切戸可耳目0

・4丘町4

UHS

E

産業構造の変化

七六

け経済白重化学工業化

一一一

0年代

μ後、特に第二次大戦後、北小国産業の部門別構成は

明僚に重化学工業化の似向を示している。(第4表参照)

即ち一九三九1五四年の期間に、軽工業部円である宜品、煙

草、繊維、衣服、印刷出版、皮草目木製品各工業がいずれも比

重吉減じ、合計四

0・四%から二九・三%へと減少Lたのに対

し、重化学工業である化学・加工金属、機械工業、電気機械、

輸送設備、持具工業はいずれも比重を高出、パ片プ製紙工菜、

第一次金属を加えると合計四六・四弘から一主北

-odwへと増大

している。

川村に織維工業の衰退と、電気機械、輸送設備、機械工業の増

大は印象的である。

一般的にいってこの軽工業の京退、置化学工業化の傾向が、

重化学工業に有力な足場を持たなかったクiン

E

ロェァ、ボス

トン、シカコ財闘の相対的弱化を規定した最も重要な要因であ

ろう。

!lJ

歴次史にa'j カ変プイ七ヲをン検の討liIfL 究"よ t亡う従

(て第5 最表大参百日司王:)業

会社の部

「可J]I] 構成

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一4

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10

ヰ寸白川

第 4表

工業と二位に践んでいる。

その他化学了一業、電気機械工

業、小売業、ゴム及映画産業の

進出に対して、非鉄金属、食品

工業、私的輸送、石炭工菜、皮

革業、繊維産業の相対的衰退に

注意しなければたらない。

ここから吾々は一般的に

ω重

化学工業の軽工業に対する優位

の増大、具体的には、

ω輸送手

段における重要件の変化(自動

車、航空機対鉄道三期エ不ル

ギl供給構造の変化(石油対石

炭)、

ω鉄鋼金属鉱業における

重要性白変化(鉄、銅対アルミ)、

ω某他祈興産業部門主衰退する

部門(例えば化学対綿繊維産業)

等白傾向を指摘する事ができる。

ではその各々が各財閥にどの様な影響を甘えたか、を見る事

にしよう。

ω同P1DP町帯同誌な

43詰

shM円。

EY書、ぬ旬、

asp

一九

O九年から同八年迄り構成の変化はまことに著しいもの

があり、九年に百社中十四社総資産の三

0・八%を占めた鉄鋼

業は四八年には九社十一・九%へと減少して、七社七・四%か

ら十七社二八八特へと急激に成長した石油産業に指導権を奪

われ、八社七・五%から七社十一・九%へと飛躍した輸送設備

アメリカの産業構造と八六財閥の買運

第八十四巻

七七

七七

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アメリカ内産業柏造と八大財閥の変遷

百大工業会社の部門別府成

〈会社数と資産%)

ー仁三ιコ二豆:鉄鋼業 111社 30.8%19社 11.9~も

非 鉄 金 属 1 12社 9.4% 1 7社 5.7%

』食料品工業 1 10社 8.2% 1 7社 4.3悌

輸送設備! 8社 7.5% I 7社 11.Q特

石油工業 1 7祉 7.4% 1 17社 28.8%

私 的 輸 送 1 5社 5.6% 1 --一化学工業 I8社 4.5% 石炭鉱業 1 6社 4.2%

煙草産業 1 2社 3.8%

電気設備及機械 I4社 百円特

皮草業 1 2社 2.2% コム産業 I 4社 1.9ljも

融維製品 I2社1.3骨

小売業 I 1社 0.65%

材木及製紙 I3社 1.80/0

映 画

ガラス工業

第八十四巻

第一号

ノ'"

七戸、

して一入・七%主なり、石油バイア管輸送も九・七

%から一五・六%へ主増大している。この傾向は旅

客輸送についても見ら九、五四年には自動車が企旅

客運輸の九一・九%を占めゐのである。交通業国民

所得での鉄道の比重は二九年の六九・三%から五五

年の四回目九%へと大巾に低下している。この鉄道

の「衰退L

とそ!タリゼ

1シ宮ンの増大は財閥の勢

力配置を大きく変えたのである。即も一九年には十

億弗会社六社のうち四社迄鉄道会社である事実が示

す様に鉄道業を二分したモルガンとクンロ

L

が八財閥の一、二位を占めたのであったが、鉄道の

低利潤率k不安定性は主として鉄道に立脚Lたター

ンロェフの没落とモルガンの損失、クりlヴヲン

ドの鉄道への侵入を招いたのである。

三五年に

N-Yセγトラル、アレゲィユ

l、大北

部、アチソントベカ&サンタフヱ、南部太平詳、西部太平洋

等六大鉄道、総資産九六

-b八億、全体の一二九・九%を支配し

たモルガン問、四八年末には十四鉄道八二・五払馬主資産額

を減じ、アレゲィ一一、

N-Yセントラルの支配権かクリlヴ

ランド財閥り

R・ヤングによって奪われたのである。

叉三五年にペンシルヴァ一一ア、ユエオンム平洋、南部大平洋

と十億弗鉄道三社を含めて七鉄道、九九六三億弗、全体の四

8.4 %

0.34')も

3.4 %

6.9 ちも

4社 2.8%

2肘 0.2%

8社 5.880/',

3社 1.4悌

一一一 ←一一 I 4社 1.5 ')もl社 0.35')も 1 2社日目83%

Kaplan, ot 出 t..pp. 136-140 より作成。

10社

1社

3社

6社

第 5表伺輸送手段における重要性の変化

レlzvJは鉄道統計がもって「全世界経済における資本主義

及び金融資本の発達速度の相違に関する甑めて正確な資制町」と

考えて重要視したが、今や輸送手段の技術革新によって円動車、

航空機、パイプライン等の主要性が増大

L、鉄道の比重は減退

の一路を辿っている。第6哀が一日ヂ様に鉄道は全貨物輸送の六

四・四%から丘

0・四私へと低下したが、同動車は比重を倍加

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全運送量日午よら~ i8 {i[ 3;2r| 常世-229

直望 5iii11;2ii4|官庁|

竺里E2!!112;;担戸竺(パプ管倍 5iI12 1出511部Til空路{しiHoEilai竺

第6表

次に自動車化、と鉄道の電化ディーゼル化が輸送設備業界に及

ぼした影響をみよう。(第7表)九年に百大会社の中に入った

入社のうち六社迄鉄道設備工業、そして五社迄モルガン財閥で

あったが、二五年に全機関平の九九%を占めた蒸気機関車は五

四年には二五九州刊に激減し代ってディゼル電気機関車が七

一-一二怖を占め

12いう技術革新の結呆、旧鉄道設備会社は没

落しモルガ

γ財閥に損害を与えた。即ち五ハ年の百大会社に僅

か一つ浸った有名なプルマンはメロン財閥系となり、

Mケロy

グを合併して主製品を右泊加工製品に変えハこの場合合同は不

利な部門からの資本移動の形態)、旧モルガン系蒸気機関車会

社の合同の結果成立したボールドウィシ・リマハミル

l

〔戸ッタフエラ1

Hメロン財閥)にとって、機関車は第三位の

製命》売L古一三

opnなすに士ぎない。そして今

hd・-叫

1弐

が機関車の七六%(五丘年)誌を生産して、自動車と鉄道設備

と航中山惜エ

γ。Jy、輸送設備の

G-M

となったのである。

次に白動車産業をみよう。

フォードシステム巳より安価な大衆車の生産に成功した自

動車工業は二

0年代以来急速に発展して米国の重要崖哀の一つ

kなった。

米経済におけるその重要性は宅人に一台の自動毛L

純所得の

nv

1了、四CO億弗以上が自動車の購入維持費、自動車工業は鉄

鋼り二O%、鉛の四C%、ラジオの半分、レーヨン、ナイロン

つ 平は の弗ーた洋 N そ 支 主の、. L 配支ーで N Y て権配%あ・セ戦 を 資 唱 どる y ""/萌失産支。 シト鉄つを配品

カラ道て減 LV

コノレ}にし、じiij;こ、関るG五》ク

セチ係。v五 lンヱの 年ントザな にノレピカ工ロイ l つへエ

スク t~ ンプを&ク シは支オリ ノレ四配 J、 l ヴ入L イヴ ア年て臼オラ ニに、》、ンア f,

ミド とノ一、

大 ス は 南鉄勢ヴ主 部道力り'5 太八と・年 平七な太に 洋億

アメリカの産業構造と八大財閥り変遷

第八十四巻

七九

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ド六~;ミ E制維堪摺 AI <-1く韮歪Qj闘削 結<i一回講和 <0 接1il)ト <0

第 7表 百大工業会社に入る輸送設備会社の構成

1 9 0 9 年 1 9 5 6 年

百互'I'( li 1;土干~ • 11'11ii!LI!1I! I,i! I 子一二E5 自動車iInternational Harvester I Morgan 11 1 自動車3 -eneralMotors

S 鉄占設備1Pul1man ,, 4 1 " 1 Ford Mo印け

17 I " I American Car & Foundry I !I 11 6 " I Chrysler

32 I 11 i American Locomotive " I1 21 I I! I International Harvester同

53 1 " 1 Baldwin Locomotiv:....L. " 11 26 1航空機IDouglas Aircraft

oJoJ I works I

日配引 " 1 p加工悶田s副e品dS悩t加刷肥吋1C伽a回工 げ幻 |い" 1閃Gen配即町吋e町的削r叩剖a吋l町 恥n闘a拍 lCS

70 1い!! I Ra耐刷a剖ail江lwaySteel S刷p戸卯rm皿n時g ,Ii 3恥1川" I Bo町1口叫I

1口∞D造 船 American5hi甲PBu山ildi加.Dg 1 11 34 1 " 1 Un血it恒edAi汀rc口rftt

一一一一一一一 一一一一一一 I35 i 11 I North American Aviation

45 I 11 I Lockhead Aircraft

50 1自動判 CaterpillεrTractor**

62 I航 空 機IBendix Aviatioll

• 1955年

キキ 農機具トラッグが主製品

t Studeba'ker-Pachardを実質的に合折

1909年については

Kaplan目 Bil!Enterpγise in a Comtetitive System. Curtiss Wrightt

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閥一町

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First National City Bank

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Los Angeles

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First National City Bank

Page 12: Title アメリカの産業構造と八大財閥の変遷 經濟論 …...アメリカ白産主構造と八大耐問の変遷 第八十四巻 第 号 七 七 I アメリカの産業構造と八大財閥の変遷は

ハ叩

ω》

繊維の町一吉か消費し全工業生産{品の二五%、全労働者の

1一7

を占めるといった事実からも窺い知る事が出来ょう。

かくて九年には一社もなかフた百大会社に、一九年に

G・M、

フォード、クライスラ

l三社が初登場し、五六年には

G-M首

位、フォード四位、タライスラ!六位、その他三社合計六社が名

を列ねている。そして八年に二主O社が完成車を生産1ていた

この産業は激しい競争により三八年には十一社、そして現在五

社(乗用車)に減少している。デトロイ}・オトメ

1ション、

スタイル変更など技術革新の為の巨大な固定資本投資、服売金

司UUUU石

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アメリカの産業構造と八大財閥の変遷

融に必要な令融力の独占、販売網の独占、部品供給の独占、国

)

防注文の独占に立脚した漁Lい独占的問争の結果、」アでれγ

H

モ片ガ)〆両財閥の金融力をバァクにする

G

Mがその他二社を

追越し、三O年の一二四%から五八年には五一一%と北重を高

めたが、独立王国フォードは凹O%から三人七%へと比重を

低めている。そして一六・六豆%を占めた独立会社は木刀打で

きず、岐収、合併で姿を消したのである。

自動車の王者G・Mは自動車のみならず、パスの八O%、機

問中加の七六%を生産し、航中機エンジン三大メ

n叫ヵ!の一であ

り、トラクター工業固定設備の四一%を所有

L、その他土木設

備、電気冷蔵庫の最大メカーであり、五O年の全会社利潤凹

(nv

O二億弗のうち、

G-Mのみで一八億弗即四・五%を占め、六

O億の資産を所有、六二四万人を雇川しで一二四億弗を売上

げる(在五年)というベストテン第一位への躍進には軍事経済

の影響か忘れてはならないりであヮて、

G-Mは最大の軍需注

(mM》

文の契約畠であり、八億弗の国有工場を用いて、全軍需注文の

ハ犯》

七弘を独占している死円一商人である。

そしてG

M

の勃興こそデュポン化学とともにプュポン財閥

が頭角を現わすに至っ士主要な原因である。

次に航空機産業をみ土う。

四八年にはカ1チス・ライトのみが百大会担であった航古属

産業は、五六年には十社が笠場し(第7表参照)、今や従業員数

第八十凹巻

/、、

/又

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アメリカの産業構造と八大財閥の変遷

凡そ九

O万人で.世界最大を誇る自動車産業より一

O引も多い

米国最大の雇用産制ドなった。この急速な発展は勿論軍事経済

のお蔭で、技術研究でも需要の面でも殆んど軍事

KY存する。

四01五O年の生産四

O万台の内、八

CM判迄が軍用であり、又

国防注文の七

O%以ょが航空機ミサイルで、

f-oi五五年の十

大軍事契約者の入社迄が航空機産業である。政府工場を利用L、

H前払wをえての軍需注文は高利潤の源吟で同八年の五よ会社

町利潤率は六

O%と推定される。

か〈て三

0年代には投機的産業主

4なされG・Mがノ1

アメリカン、ベ

γディジクス、ググヲ

At、ナショナル・シテ

ィ(第一ナショナル・シティの前身)がユナイテッド、ボーイ

(

ンクを支配し、その他メ戸ンの影響がみられる以外は中小財闘

が参加していたが、今平第7表に明らかな和三最大十社は第

-+YZ

ナル・シティ四社、カりフ才ル一一ヤ二社、モルガン二

社、デュポン、メロン

nロックフェラ各一社主主要財閥に分

割されている。第一ナショナル》」カP7ォル一一ヤが八大財閥の

中に入り得たのは、利潤平の高い戦略的部円である航空機産業

の支配による所が大きいのである。しかしムワキミサイル切換え

ハ州側》

の為、航空機生産能力の六

O%は過剰となるが、転換しうるの

は、従来からミザイルを手掛けてきたか、戒は同系列に電子工

業を有するものに限られるだろう。かくてノス・アメりカン

(デュポ

γ)、マ!ナン(メロンH

戸ザグフエラl〕、ダグラス

ゼネラルダ

4ナミヴタ弐

(カりフォルヱヤ)、

G

D

へ第一ナジ4

ナル・シティ)

ハ円引》

四社の独占支配は一層強まるだろう。

ω

ν

lニ

ν二巻選集第一巻第六分冊一八五頁。

ω同む五N苫。コ内Eぬ巳目臼包目官宣ぬミ忌吋泣昏"白足句礼昼時毘宮NR5nE仇。ミh峠宰詐宮ぬ

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ω戸間・』、国NHRoss、呂町ミ官、皇室・官・∞・

的仰向宮内g円宗主人山富吉立。hqh・5日目、百品Elp

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pzoF2司目HCU・幸照。

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4・2r]予「司噌臼(UUiω

川明

F-Fpw』争請。hg守

Mg昔、-邦訳九一頁。

川明

4ME。円]VO

己。"叶吉岡道官、。。片岡唱-w

』勺号室内会旬日目ωe

M

判官・同

-poロ・口「司-UHN

凶岡、同

p・国hS49NVUE昔、.邦訳一口七

i一一

O頁。

〈eHVmw

円-0

・4・2r匂・区間クンロェプ財閥没落の

主要原因は鉄道の衰退であとが、その他には重役を派遣し

ない支配方法の欠陥、一二ヲィル金融改革、欧州のユダ

ヤ系資本の弱化が挙げられる。

ノに

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~ Ibid., p. 332 涯枇豆~京事t! 題担「ト穴む宍説明制割前 Ind%try, llarvaγd B,山 nessReview, vol. XVII, No. 4,

Q r悩用リ「図書記日岨ささJJU繕,f\~~.H心.H ~Q p.388

g Statzstical Abstract of U. S., 1956, p. 562. 窓 辺部長制紙日語ヨ呂揺守包革県川主主再'甲旧矧謹E認11

~ Magazine 01 Wail Street, 3, IX, 1955, p. 6卯 Fユyt:"単回「ト穴 b 吹田画時需主包装羽""匝様 Q~己

~ Stanley Vance, Americσn Indust円四, p. 192. 百EJ~枇濡今"'0 i+'出。

:; H. :MHOTOJI眠 F町 rro,凹.80MOIIono四日 B T.lIJKelIO白 IIpo- ~ Bigness and Concentl叫切符 ofEconomic POω町s,p. 3.

Mh11l1JI即日。GTHCIllA, [MupoJla.II 臼恥IIOllIllKaII MemiJ:Y 重 Federal Trade Commission, (再起 F.T. C.)Report叩

HapO);Hhle OTHomeIIlIHJ 1957, No. 3, CTp. 128. the Concentration of produclive Facilities, p; 16

g AJialleM:illI HayK CCCP, MOHonoll町 T凹 eCKlm K田llIT叫 草 M.口.!1p町 Jf.lleB, AMep皿 aRCKueMOHorro耳目立 BIIoroHe

CIITA nocrre BTOpO首M町OBO量Boflllhl,crp. 93. 袖 CBepxnpn6耳目:/.1lI, CTJl. 46

~ Senate Committ田 onJudiciary, St8ff Report, Bigness 塞 V.Perlo, op. cit., p. 191

and Concentration o[ Economic Powers-ー-ACase StuJy 耳宝供4在地邑『孟~J 1 ~ 1 ¥式。 Magazrneof Wall St何 a,

of G四 町alMotors Corp., p. 3. Apr. 17, 195~

5 4陣E4E宮~ (λ='1¥キ :ム 〈阿'ó ~0 悼耕 J嚇度。 喜 V. Pcr1o, op. cit., p. 191.

~ W. Adams, ed. The Structure o[ Amertcan Industry, 意 SmallerWar Plant Corp., Economic Concentration

庶民 ilg]Q岡。 四 dWoァldWar I!, pp. 29-30.

~ S. Vance, ot. cit., p. 172 富 剖士1,1珪'剥院←"'*回忌孟権組制民=~ 11ヘ仰,"ム1 1

5 経樫~~tl宣言『ト、 τ" -R ~出楳識者 0$$ てi!U i 11刊岡。 子4 同-\l叶 II~II ロZ 中, 111く同。

言 。Hml肝間L MlIU{lBOff K札口市aJTIlC'l'lI'leCIill晶PhlHORABTO- ~ 又 V::.nrF' ()ゐ (';f n lQ,Q.

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アメリカの産業構造と八丈財閥の変造

n自国。nF20円祖国誌な3ミ』言コ町会邦訳下巻八九頁。

凶』三望号量足代崎町

Fsz・0z・NH唱日甲山戸U・HNM

ω出国呂品自昌同部・]吉田弓宮園田民団。

FE困吋

E203吉富岡田

ロ目F〔冨唱。凶器官宣車間宮民出富垣同問団ロ旨図。雪国

OEE同い

忌日∞-zpu・2]u・宮尚詳細な分析は仮題「アメりカ航宅

時産業主国家独占資本主義」に譲らねばならない。

伺エネルギ「草命」

内燃機関、ディーゼル・エンジ

γ、百動機の発明による交通

「革命」即ち経済のモーター化、鉄道円一電化ディーゼル化、航

空輸送の発展や農場の機械化、海軍・商船隊の重油切換、火力

発電の重油ガλ

切換、家庭暖房としての用途開拓により、石油

、とガスは急速に発展し、庫業革命以来の基本的なエネルギー源

であった石炭の消費は相対的絶対的に減少したのである。そし

て石油の経済的地位の上昇がロックフェラ財閥、次いでメロ

ン財閥の勃興の主凶である事は既に詳細に分析したの百あるが、

石炭業空一衷退は特にそルガン財閥に打撃を与えたのである。即

ち九年の百大会社には大証登場した石炭会社は四八年にはピヅ

ツパグ布炭一社となるのである。これを財閥別にみると、三

三年一月一日の非金融最大二百社に入る石炭五社のうちそルガ

ンがグレン・オルデ

γ、リ

1ハイ石炭船舶、フィラデルプィ/・

りディング石炭製鉄の三社合計資産三億八九二四万弗、メロ

第八十四巻

ノL四

第一号

ノ丈

ンぷピアッパーグ石炭、資産一億六

O一一万弗、ロザタアァラ

3

がコソソリディション石炭、資産八九七四万州で、モルガン

が圧倒的優位を占めていたので、石炭栄の衰退は戦後白メロン

とロックフヱラlu同盟による強力なピγ

ツパグ・コ

γソリ

ディションの成立と相まってモ片ガンの相対的弱化の原因の一

つである。

そして電力公益六優勢であったモルガンは

TVA政策によっ

A一

て集中的打撃をうけ、戦後ロックフェラーが激し一い侵略を試み

ている。

又今の所石油右炭等燃料独占によって抑匝さ九産業的利用は

されていないが、原子力産業の発展は将来り財閥の力関係を決

定するだるう。

ω拙稿「アメりカ石油産業の発達と出家の役割」(経済論

法第八一巻第{ハ号い一安照e

ω岡

4FP42F8・HM由

iEC

同州』同。nrom仲良唱邦訳上巻二八心頁。

lズヴェルト政権白主要対立はロックフェラーH

シカ

コ財閥同盟+人民対モルガンH

デュポン財間同盟であゐ。

伺例えば、ディグソン・イヱ

1ツ疑獄事件はこの現われで

ある区民・

4・HVO己Q

唱。均一

2TnFmMH》〈同

制独占一般が技術進宇を阻止すると考えてはならない。例

ぇぽ燃料部門に既成の地盤を持たないデュポソ財閥は出子

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刀の平和利用の為にな年斗している“

W

詳論は似題「アメリカ原子力産栄と岡山話独占資本主義」

に譲る

G

肘鉄鋼及び金属鉱業における重要祉の変化

技術革新による金制利川の質的変化は著しいものがあり、最

近アルミ、錫、マグネシヮム、チタニウム等軽金属と合金町発

展が、鉄銅等「旧」金属を駆逐しつつあるc

第9表が一部す如く、

三一年を百として五五年の生産指数は銑鉄一七七、制銅四

O二、

銅一七五、鉛一一二三に対し、勃興する「新」金属アルミ、マグ

ネジクム、相酬は何れも千倍から七千倍の激哨である。

一八九

O年に家庭川品、として出発したアルミは航空機用材と

Lて戦争以来急速に発達

L、ムつや木材鋼鉄剣の分野に侵入して

いる。即ち電線(銅)、料理用品(鉄)建築用材(木材鋼鉄)

椛詰その他に巾場を拡大してレる。そしてアルミ産業の急速な

発展こそ原料と特許の独占、政府の手厚い保護により百%独占

を諮ったメロン財閥の勃興の主要以闘である。

そして鉄鋼設においても力関係の大きな変化が起っている。

産業構巡の変化、刊に鉄道の衰退と自動車、耐久消費財の発展

はレール、型鋼など重畳製品に代って、一時板、プリキ板等軒量

鋼と合金銅に里山川が移り、重量制に生広能力を集中していた

U

S目スチールに対L軽量制中心の新興勢力を有利にし、叉屑鉄

アメジカの民業相浩と八大財閥の変泣

軍要企属の生産〔単位千メートルトン〕

| | 1 1 9 3 1 1叩日31 I 1日 |(品ム志

銑鉄 1 18,715 1 70,回1 訂 7

粗鋼 1 26,363 ,106,176 1 4口2

銅 537.2 940.8 1 175

鉛 374.2' 496.8 1 133

亜鉛 264.9 1 870.0 1 329

アノレミェウム 80.5 1 1,420.8 1 176日

マ グ ネ γ ウム 263 ホ63.257 2410

錫 30 1 22.680 7570 L_ イ

ネ 1954年

外国経済統計一年字社, 1955年版〔日本銀行統引 j司〕

工り主1出ー

節目表

にス 1 屑 の をおチノレ鉄側中11け!の供値)11 るノレ地給をすi七は位i!ii!減る霊技を〉殺銅を術不にし掛薯同利移、生L でに す 又 産くも、に立方低斗霊童つ摺訟め i星中れ構のi::" tui者て造発。、)をピをIJ>J経右 ツ 石 は

叫営利 ツ 炭 Uち政にノミ生

世策し l産 E作をた グ 地ゴ切~~の中骨;ス明るで心がチ?事。あのら l堕に3る~U i自ノレ庖上。円.ぞ?のは 己叉 S 而原銑て U ・場料鉄業.~ス〈独凹界?テ 11 占9)

都八十四巻

八五

第一号

八王L

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部10表 百冗工業会社における鉄鋼及全国会社 1948年

「ー| 一一十一一「一一 一一1*""(R7,i>lilil 順向 会 社 s I l虫類 j 州 閥 1i1!産〔百万町ノ

11~いJ l司…芯F!I T'"J~"'_'_1..__ C"'c__' Rockef巳ller=12 I Bethlehem Steel I! l'-VL..l¥.vl<;;;llvl -T • I 1.029.0 I .....'-'CLHvJL'-'LiL '-'C'-''-'L Kuhn . Loeb

[ 初……;凶川川An加n回a一c2勾4I Ke叩n叩n即1日悶e田c印ottCopper /1 : Morgan

i 2担8I Alumi山nn孔旧u凹1叩1mC白o.0ぱfA田 e町n出c8 I アルミ 1 Mello町凹n 1

29 I Republic Steel Corp. 鉄鋼 ICleveland

35 I Jones & Laughlin Steel 11 I Mellon 43 I National Steel Corp目"! Cle、凶ann

44 1 Inγ1 Nickel Co. of Canada Iユッケ

American Rolling Mill 叫

〔且 ArmcoSteel) I削

Youngstown Sheet & Tube I! I Cleveland IrJland Steel Co. I Chicago

American Smelting i Morgan= &-'ORefining I 銅 |Rockefe11er

'1 58 I Phelps D吋 ge i " 1M叫 an 274.4

i 84 I National Lead Co. 鉛幻5

巴竺竺1竺竺竺竺 l三~ ~1inl 巴eve1竺 」1竺 |i王aplan,Big Enterp門 sein a Comtetitive System, pp. 136-140 より作成

アメリカの産業構造と八六財闘の変造

660.3

575.4

503.6

489.1

::17Sl.1

329.9

323.2

316.2

311.7

292.8

29日4

Rockefeller ,19

50

53

51

第八ぃl四埠】

八六

¥一、ノF/

三・二%、鋼塊六五・七%、引抜鋼板八二・八

uu

併と圧倒的であったが、五三年には銑鉄三五-

四%、鋼塊二二・O%、熱闘圧延鋼材三三・七

(M)

%と比重は宅減L代ってクリ

1ヴランド系四社

が進出したのである。

鉄鋼業の財閥別制成は第印表の如くで、依然

として強力ではあるが.九年には百大会社全資

産の二二%を占めて断然首位にあり、国民経済

における

l

壬ルガンの覇権を象徴Lていた

U

5・

ハH2

スチルは凹八年にはスタンダド石油

(N

I)(ロY

クフ三ラ

l)とG

M

(デュポン)

に抜かれて第三位に落ち、昔日目権威を失った

ハdm》

のである

G

鉄鋼業におけるこの変動一」そモルガンの相対

的衰退とクリ

1ヴランドの上昇の主要な原同で

ある。九

年の百大会担に十社、総資産の七・九%を

占めた銅産業は四八年には四社三

ι引と比重

を低めたが、内部の力関係の変化も顕著である。

mv

0年代の研究によれば、技大会社アナコンダ

はモルガン、ケキコ

γ

トはグッゲンハイムH

ルカン、米館融精錬はクヴケンハイム(モルガ

Page 18: Title アメリカの産業構造と八大財閥の変遷 經濟論 …...アメリカ白産主構造と八大耐問の変遷 第八十四巻 第 号 七 七 I アメリカの産業構造と八大財閥の変遷は

ガヲのモを後で上ノレソン 1 みル集ロ、とガのほので"ガ中ッ銅、ン最多後共、》γ 寸《グの~が響退同米はる哲フ「主銅)を支鉛ケアエ停下の詰余配融不ナラ滞?一主儀に精ココよ番位な移錬ッ γ のり抹強の〈行はトダ進打掘力フさしグとは出品撃慢なヱれ た ツ フ 第 ヵγを 間 単 ノ レたかゲエーみ集亨独プのらンノレナら中"惟スででハプシ le的主力・ああイス室、に引と γる る23ム ナ業うりしツ。 Q'-"11 ドル界け大てヂかそツ 第 7こ部米は

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同戦後一二分割されレイノルズとバ

lマネント両社が設立さ

れたaa・』品自己自己DEMF晶

EF2uロ∞JωN

川町〈]ぜ-0

・0喝

qR-u・5∞

川町米鉄鋼業の独占構造については中村忠一氏「米国鉄鋼業

に於ける経済力の集中」(韮済論叢第七

O巻第一号〉参照。

仙川市川弘勝『アメリカ鉄鋼業の発展』三心九一

O頁。

アメリカめ産業構造と八大財閥の変遷

川明

K

戸田onFSZF同提言句。『』喜32-v・N色

PEEPE目。hEr邦訳一九心頁。

川叫印4mwHMn0・。唱・丘町田一・司∞ロ

川wn同開・国〉置。ュzmHM何回国・開冨EE・同E苦言20H

』さG3mm冨宮岳民号・司寸団内・・df寸司胃J-0・0喝

2rHV・日同日・

州問有沢広己「カルテルaトラスト

E

コンツZ

ルン』上告一

二三頁。

H

m

-

E

ET邦訳一人人頁

D

同州毛凡ガンのUSスチール支配方式は司同V2E・4・

里子咽-v・色匂]ECIAHM:出回・問。pmo円悶ロロ口〉Gcr。F

M1Mdaぬ亘弘円。、~宮、ミgs官、。~vrs♂の何百世阿国円、何回戸、邦

語文献では鎌田正三『アメリカの独白企業』第一章

u

小原

敬士「アメリカ独占資本主義の形成』第凹章。

同州同mwuEF品aNS唱回目・

綱同ESZ・呂町lE0・

同阿』・問。nESZF出RHSヨミ』まぬ32目

間百円件。可唱。門戸O-

』ヨヰ目SHS官、首『

aF邦訳六二頁。

側但し固定資本額。同戸川門'ロ4・q子、切・5

ω4・HV耳目。・U寸言同器官zohh喝、"可草書記-V回日由

同判」『目立子恒-UN印

同四「同〉・足言。し宮守叫寸見ミ・邦訳三六頁。

第八十四巻

ノに

八じ

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アメリカの産業構造と八大財開の変遷

同其の他新興産業部門と表返する部門

其の他財閥の力関係の変化に関係のある重要部門としては化

学、電機、繊維が挙げられねばならない。

化学産業はその著しい技術革新によって医薬品、塗料、化粧

品、肥料、燥薬から、人絹レーヨン、合成ゴム、プラスチッ》

迄続々之新製品新過程が出現し、今や「アメリカ第一の産業」

に成長している。

こうして九年に百大会社中入社総資産の四

4%を占めた化

学産業は四八年には十社八回世と比重を倍加してレぉ。(第

日表)

そして三

0年代のデュポン、ユユオン、プライドの鼎立は戦

後デュリホン、ユ一一オ

γ両雄の対立に変化した。特にデュポ

νは

高い集中型全一市L、更に原子力産業へも進出した化学産業の王

者である。又ロソクフェラ

H

メロソ系ユニオンも原子力産業

に進出して激しい競争をしている。そして化学産業の急速な発

展こそデュポ

y財閥勃興の主要要凶の一つである。

電機産業も急速に発展した部門の一つである。

有沢教授は「帝国主義的時代の指標となるのは電力利用の発

達である」と指摘されているが、電力は技術的合理化(特にフ

ィード・バァク・オlトメ

1ンR

ン)の不叫欠の過程としてユ

説的消費が増大している計りでなく、最近では家庭的一電化が急

速に進んでいる。

第八十四巻

ノに

ノ¥

第一号

ノ1

ノ¥

この分野ではモルガンが首位の

G・E、国際電信電話、

国際事務機械を支配、

pv

クプェラがアリスよR・C-

Aを立配、ウェスチンクハウスはメロン、ウてスタンはモルぶ

ンと共同支配Lてそんガンとロァクフヱヲ!の優位が目立って

いる。そしてG-Eとウェスチングハウλ

は原子力産業でも激

Lい闘争をしている。そしてこの両社を同財閥が支配している

事は、原子力主オ!トメシ三

γの将来の経済においても一一頭

支配が続く事を活味するのである。

アダムス教夜間綿繊維産業を「士気泡喪、利益なき生直、地

域的移動左失業」と特徴づけているが、基本的には第一部門の

優先的発展法則により、具体的には大衆の消費を制限する軍事

経済と消費構造の変化、合成織維の進出によりニLl・イγグ

ランドの綿業は致命制打駆をうけてレる。この衰退こそこの中

心地ポ久トン財閥の落伍の主要原因と云わねばならないりであ

る。

ω三菱経済研究所『世界経済の現勢」凹七三頁。

川仰

aa

目。ロFOESEEEq=3SEEmsHmgL'

。国

右EP42T唱。・

5∞EC

ω』回。。EZZF邦訳(下巻)六六七二

HQPBPEF邦

れ二羽五六五参照。

TE2一回

h--2・』なさ一RK13MJ』苫

2Ea這日三宮山叫古川崎温

Page 20: Title アメリカの産業構造と八大財閥の変遷 經濟論 …...アメリカ白産主構造と八大耐問の変遷 第八十四巻 第 号 七 七 I アメリカの産業構造と八大財閥の変遷は

電機,繊維会社 1941年

鋲資産(首万弗〉 財 閥 |

* I 1云Z5 1D叩凶 !

機l,lけ.4 I Morg2lll

Rockefel1er~ Morgan

Rockefeller=-Mellol1

百大会社にお付る化学,

|誼「

イ七

第11去

|順位| 会 社

8 i E. 1. Dupont

9 i General Electnc

786.0 "

1司1estern Electr lc 14

722.7 台ξイヒU nion Carbide & Carbon 15

" 693.6

411.6 機

Westinghouse Electric

Eastman Ko白 ck

17

33

Rockefel1er

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岨回山山町田臼円河川間同町日刊

E

Morgall影響下

338.7 "

Allied Chemical & Dye 42

アメリカの産業構造主人大問関心変浩

第八十四巻

出血言。宮内示室th吉田喜F百江口・

ω有

γツエル

γ』上巻二三五頁。

EFDも・皇、足邸中

MU?

司印口⑦百円-えロ。

EE029回

E冒

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hN邑gNNqpE日

HuR》目

Nlω'】日報統計

局「外国経済統計年報』五主年版三九

頁。ω宅』色町民

MF。色白川、足立宅向。h』さねI

言語同誌を号E

納米人一人当りの綿、羊毛及び人造織

維の消費量は五の年の凹

O-四封度か

ら主五年の三六五封皮へと減少し、

消費者の全吏山中繊維品が占める割合

は三九年には八・七M初でありたが、主

O年から五二年までは七・六%乃至七

人明、五三年には七・一%、

ET年に

は六・七%と減少の一時をたどってい

る》日課統計局、前掲吾四四

l七瓦。

日本紡輯月報一九五六年九月号二三頁

参照。

品川W4 アメリカ資本主義成立期における

ノk

第一号

ノ1九

Page 21: Title アメリカの産業構造と八大財閥の変遷 經濟論 …...アメリカ白産主構造と八大耐問の変遷 第八十四巻 第 号 七 七 I アメリカの産業構造と八大財閥の変遷は

アメリカの産業構造と八大肘関心理選

l

・イングランド及び綿支の高い地位については小原敬

士『アメリカ資本主義心形成』第二茸、「アメりカにおけ

るし一場制度の発生」(横浜商事専門学問研究論集第二輯)

工場移動については〉EEF前掲J

ハロ頁。

tY

以上吾々は重要産業の財閥別編成とその不均等発展を検討し

たが、これから若干の理論的提言をしよう。

同日不均等発展は三方向で起っている。第一は事事的意義を

もっ部門(航空機、アル町二電子エ業原子力)。第三は新原料

を生産する分野(アルミ、プラスティヴク、合成繊維)。第三は

新しい消費財(自動車、テレピ、電気冷蔵庫、空気調節装置)

を生産する部門が急凍に発展している。

仲技術進歩の不均等性は財閥の不均等発展の原因の一つで

ある。例えば

U目

5・スチルは原料独占に立脚して基準価格

制、価格指導制を採用し自己の独占支配を強化しているのであ

るが屑鉄使用という技術革新がその原料独占の威力を弱め立地

構造を不利にし競争者を有利にした事。交通「革命」が鉄鋼界

で軽量鋼主々自クリグランド、燃料では元は不用物であった

ガソリ

γを主製品の-つに変え石炭対石田の比重を逆転L、ロ

ックフヱラーの急速な発展の原因となった如きEある。

伺財閥の支配分野の変化は財閥が全体として最大限の支配

第八十四巻

第一号

九。

九り

利潤をえんと寸る衝動から説明される。川ち生産の一小均等、利

潤率の不均等に従って各財閥は最も不利な部門から手を引き有

利な部門に資本を集中せん止するからである。かくて衰退財閥

ハ例クlン・ロェフ)は不利な部門(鉄道)から手を引き、勃

興部門に立脚する勃興財閥は同一部門に投資を拡大する事が不

剥な場合、他部門に進出する。これが哀退部門の場合侵入は容

易で支配株は安価に獲得できるが、強力な独占部門(例えば自

到車)の場合にはカイザの失敗が一万す様に侵入は梅度に困難

である。従勺て場在でも部門聞の資本移動(利潤率の均等化)

傾向は存存するが、最も強力な独占部門(とくに自動車、石

油)では侵入は阻止される。(↓部門間利潤率格差の恒久化)

伺「独占」概念は往々にして単なる産出の集中と考えられ

ているが、独占主財閥の論理的関連を明確に

Lなければならな

い。例えば

G-Mとプォ

1ドを同列に自動車独占と規定するの

は不十分である。プォドは自動車のみり独占であるに刻し、

G・Mはデ品川市ン財閥(自動車独占十ゴム独占+化学独占十銀

行独占)系の自動車独占なので両者が競争すると

G

Mが有利

となるのである。

同様にしてそルガン(鉄道独占+鉄鋼独占+銅独占+電機独

占+右炭独占+公益独占+銀行保険独占)、ロy

タフみラ

(石油独占+電機独占+化学独占+鉄鋼独占+航空磯独占+銀

行保険独占)という様に産業的金融的基礎を具に

L、ここに

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利害対立の基礎がある。

伺独占と競争は四つの場合に区別される。第一は同一部門

を同一財閥が支配する場合。例えばジカゴ財閥は精肉業を支配

し、農民からは独占的低価格、消費者へは独占的高怖格kいち

有利な地位にありEつ競争製品がないので、技術革新は既存投

資を害さない範囲に制御抑制される。

第二は同一部門で数財閥、数巨人が競争する場合。この場合

には一面提携一面闘争で、生死を賭す闘争は行われない。(但

し中小会社は破滅させられる)。例えば、自動車の場合、一一

0

年代にフォードはコンベア・システムによって価格競争を挑ん

だが、戦後、三巨人は師格競争をきけている。「平和的」続苧

の時期には価格競平は抑制されるが、平和はいつまでも続くと

は限らない。不均等発展は市場再分割の為の闘争を不可避とす

る也五五年の電機産業の価格競争がこれである。

第三は競争部門を同一財閥がす記する場合である。例えば石

油宮支配するロザグフェラが原子力を支配

Lたならば、原子

力の平和的利用は石油投資に害を与えない様抑制されるだゐう。

第四は競争部門(例えば鉄道

l自動車

l航牢機〕を異った財

閥か支配する場合で、この場合激しい競争、技術革新は避けら

れないの鉄と銅か握るモルガンに対

Lアルミのメロンの闘争が

これであるa

メロンは欽に侍かしか権益を持たないので、遠直

なしに技術革新す進め、アル~、の価格低下により既成の鉄銅市

アメリカの産業構造と入大財閥の変遷

場に切込んでいる。

肘私的独占は国家独占Lよη

て補完補強されるc

「民主」

的政府は世論の手前と選挙の都合上犬衆の要求に譲事L、支配

的財閥の利能を擁護ずる為弱小財閥、反対派財閣の利誌を犠牲

にする事があるが(総資本的利益と考えてはならない)一般に

私的独占を補強する。例えばF・D-ルーズヴι

ルト政府によ

るそルガン財閥の「攻撃」(金融改革、

TVA、セント・ロ

νγス開発の場合)、石油水没地法に苅するトルlマン(そん芹

ソ系)とアイゼ

γハウア

1

(ロy

クブエラl系〕の態度の相違、

トル

lマン時代の政府工場処分において、共和党系財閥メロン

の支配するアルミの場合には三分割して民主党系政商カイザ1

kレイノルズを創出L、鉄鋼業の場合には大部分をU・5

チールに与えてモルガン財閥を強化した事。

G・M社長C・E-

ウィルソンの国防長官就任と

G・Mの国防注文独占、北米フイ

リップス社に対する海軍者のプヲソク・リストによる電機カル

テルの補強、テキサス川鉄道蚕員会による石油統制a

それ故財

閥にしrって世論と官僚の買収、政党献金は「正常な笛業にとっ

て不可欠」の経費となる。(現代資本主義国家における汚職の

必然性)。従って吾々は「全能の経済的独出の形成」から不可

避的に発生せざるをえない「支配関係とそれに関連する強制の

関係」としてレl

ニンの挙げた

ω原料の剥奪、倒労働力の剥奪、

制輸送の引奪、

ω販路の剥奪、同購買者との協定、制価格の計

第八十四巻

第一号

Page 23: Title アメリカの産業構造と八大財閥の変遷 經濟論 …...アメリカ白産主構造と八大耐問の変遷 第八十四巻 第 号 七 七 I アメリカの産業構造と八大財閥の変遷は

アメリカの産業構造と八大肘阿の夜遅

国的引下げ、同信刊の剥奪、似ボイコヅト宣言[レ

lユン「帝

国主義論』(凶民文庫コ一五

l七一且)。]に加えて、政治的独占の

形成に土る強制関係として、川開国家による原料、労働力、輸送、

信用の特恵と剥奪、M間出家注文の独占、阿国家による強制カル

テム戸、仰国家によるポイコy

ト、同制組税特権の授与、削固有財

踏の独内的略奪等を加えねばなら向。

帥政治的条件の経済及財閥に及ぼした不均等な影響を素描

すれば、先つ経済軍事化は

ω消費財の発展を抑制する事によっ

てボストン、シカコ財閥に不利に、倒航空機、アルミ、電子、

鉄鋼、化学、石油、自動車の急速な発達に、従ってそんげガン、

ロヅタフエラl、デュポン、メロン、第一ナショナル、カリフ

オルニヤの発肢に貢献し土事。叉現共和党政府がロy

クフエラ

ーの指導下にある事は

ω石炭から町石油合成の抑制、

ω原子力

発電の抑制、同明石油独占の為の帝国主義政銃ハ同円市場に立脚

する中西部は平和と軍縮を嬰求

)ω西独重点の欧州政鉱(伝統

的にモルガンは英仏色、ロァタアエラーは独と金融関係が深い)

伺中酉部の為にセント・ローレンλ

の開発(これはラプヲドル

から鉄鉱石を輸入するクリヴランド財閥を強め、且っそルガ

ンの鉄道の比重を弱化するのでそルガンは猛烈に反対

)ω一小況

対策としても自動車独占、中西部を中心と寸る公共事業主東西

第八十四巻

第一号

貿易より、後進国での制限戦辛政策のとられる司能性が強い。

伺総体としてロヅクフェラ

[Uメロンを中軸としてグりヴラ

ンド、第一ナショナル目シブィが相対的により利益を獲得した

左いいうる。そLて今後の発展の中心は原子力、電子、石油、

化学部門となり以上の戦略地点を撮るログタフ了プl、モルガ

ン、プュポy、メ

pyが将来一流財閥と

Lて発展

L、其他財閥

は落航するだろう。そして将来の変化についていえば後進国の

民族運動はロy

グフエラ!とメロンに怖に打撃を与えるであろ

うし、もし民主党政権が成立し、大衆的圧力の許に「新」=ュ

I一フィ

lル政策がとられるならば、今度はモルガンHぃデュポン

同盟が相対的優位をえるだろう。

刊一般に国家独占資本主義論は財閥問題を理論に汲み入れ

ねばならない。同家の経済に対する影響は財閥がその産業的金

融的利害、思想的立場によって分裂しているので、どの財閥

(財閥同盟)が政権を握るかに従って経済政策は当然異なり、

影響も不均等ならざるをえないのである。なお金融構造の変化

は則闘の力関係の変化の有力な原因であるが、この分析は後日

に譲らねばならない。

(本稿は五八年十月十六日京都大学経済字会でなされた報告

に加筆訂正したものである)。