vol. 13 May.2018 特集 学修成果の 多面的な評価 獲得プロセスを学生と 教員が共有・把握する 官学連携PBL 学習支援室のSLA紹介

vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

vol.13M a y . 2 0 1 8

渺望 vol.13 2018年3月31日発行

20186月17日(日)7月21日(土)・28日(土)・29日(日)8月19日(日)・9月9日(日)入試説明会、個別相談(入試・奨学金・就職・資格・留学など)、講義体験、キャンパス見学、クラブ見学・相談、学食ランチ体験 ほか※詳細については本学ホームページでご確認ください

10:00~15:00(受付開始:9:30~)

特集学修成果の多面的な評価獲得プロセスを学生と教員が共有・把握する官学連携PBL

学習支援室のSLA紹介

Page 2: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

02 01

教育プログラムを評価する視点

│学生と教員が獲得プロセスを共有する│

1.ルーブリック評価とは何か

 耳慣れない言葉である「ルーブリックとは何か」につい

て学生に説明する場合、試行錯誤を経て、次のように説

明する方が理解してくれそうだということがわかった。

つまり、目標やゴールを山頂とし、その山を征服する登

山ルートに例えて、山頂までの獲得プロセスを❶目標設

定、❷スケジュール管理、❸達成志向とする方法である

(3観点)。そして、各段階の特徴を等間隔に5段階の文

章で表現する。こうして、観点および基準を説明したう

えで、現在の基準

を自己評価させて

答えさせることが

望ましい。

 今回の調査は予

備調査として、1

部は汎用的な能

力・資質に関して、

2部は経済学部が

特に力を入れてい

る学修成果につい

ての質問項目を用

意した。

2.汎用的な能力・資質の11項目の獲得状況

 本学の汎用的な能力・資質に関してのアンケート項目

は11

項目であり、「①経済学分野・コースの専門分野の

知識」、「②分析力や問題解決能力」、「③リーダーシッ

プの能力」、「④人間関係を構築する能力」、「⑤他の人

と協力して物事を遂行する能力」、「⑥日本の経済が直

面する問題を理解する能力」、「⑦文章表現の能力」、「⑧

プレゼンテーシ

ョン能力」、「⑨

コンピューター

の操作能力」、

「⑩時間を有効

に活用する能

力」、「⑪視野の

広い見方をする能力」とした。実際の問いは入学した時

点と比べて、どの程度伸びたかを尋ねるもので、入学時

点を3とすると3年次のポイントから3を減じたものが

入学時から上昇したポイントである。結果は、表1に示

すとおり、最も上昇が見られたのは「①経済学分野・コ

ースの専門分野の知識」0・74ポイントであり、次いで「⑪

視野の広い見方をする能力」の0・67、「④人間関係を構

築する能力」の0・61であった。

 一方、上昇が

小さかった能力

は、「⑧プレゼ

ンテーション能

力」の0・29、次

いで「③リーダ

ーシップの能

力」の0・30、「⑦

文章表現の能

力」の0・39であ

った。

 図2に11項目

について上昇の

高かった能力順

に示した。

3.経済学部3年次生の学

修成果の獲得状況

 経済学部の学位授与方針に示し

ている学生が身につける学修成果

は、「①論理的思考力」、「②課題

に対する問題意識」、「③社会を多

面的に把握する視点」、「④コミュ

ニケーション能力」であり、5段階

のルーブリックを作成した。これ

らの問いも入学時および現在の獲

得状況であるルーブリックの基準

を記入させた。①〜③は経済活動を

理解するための基礎的スキルであ

り、④は人間関係を構築する能力で

ある。測定の結果を表2に示したが、最も上昇の大きか

ったのは「①論理的思考力」1・32であり、次いで「③社

会を多面的に把握する視点」であった。視野の広い実務

人の育成という建学の精神を考慮すると、経済学部の教

育課程の適切性が窺える結果であった。

 この結果を視覚的に理解しやすくするために、ヒスト

グラムを用いて、最も上昇の高かった「①論理的思考力」

と最も上昇の小さかった「④コミュニケーション能力」の

入学時からの獲得状況を調べた(図3)。結果は④のコミ

ュニケーションスキルの3年次の獲得状況において基準

2に留まる学生がある程度見受けられた。

はじめに

 文科省は各大学に学生が卒業時に学修成果がどの程

度、身についたかを把握することを求めている。そして、

私立大学等改革総合支援事業のタイプ(1)「建学の精神

を生かした大学教育の質向上」(教育の質的転換)の⑮に

おいては、その測定について次のように言及している。

 『学修成果の把握とは、学修前と学修後の双方の時点

において、より客観的な測定・調査等を実施することに

より、成績推移等から得られる。学生全員を対象とし、

記名式により在学期間中に少なくとも2回以上測定・調

査等を実施し、学生個人に着目して把握することが必要

になる。』また、調査方法に関しても、外部の標準化され

たテスト、学生の学修経験を問うアンケート調査やルー

ブリック・学修ポートフォリオの活用を要件としている。

本学では、3年前から短期大学部において、学位授与方

針に示された3つの文章に含まれる9つの学習成果につ

いて5段階のルーブリックを作成し、その達成状況を調

べてきた。また、学部に関しては、平成30年度からの全

学的な実施に先立ち、学生数の最も多い経済学部の3年

次生に協力を願い、「学修成果の測定アンケート」(予備

調査)を昨年末に実施した。

 今回、調査に用いた5段階のルーブリック評価に関し

ては、学生に「ルーブリックとは何か?」をわかりやすく、

説明する必要を感じた。

4.短期大学部における学習成果の測定

  短期大学部に

関しては、これ

まで卒業時に3

ヵ年調査を行っ

てきた。経営実

務科では学位授

与方針に示して

いる3つの文章

からさらに9つ

の学習成果に分

解し、9観点5

段階のルーブリ

ックの基準を記

入させている。

今春卒業した学

生については、ルーブリックの基準の上昇が大きかった

要素は4点あり、①・④・⑥・⑦であった(上昇は1・

4)。

 一方、3ヵ年を通してみても、比較的低かった学習成

果は「③論理的な思考力」であり、16年度生では唯一、基

準の上昇が0・9と低かった。

5.ヒストグラムによる分析

 ルーブリックの基準の上昇の大きかった4つの要素に

ついて、ヒストグラムを見ると、結果は、図4に示すと

おり、⑥および⑦は入学時に比べ、基準の上昇は、専門

知識がほぼ基準1あるいは2であったと答えた学生が多

かったが、2年間の学習の成果が窺われ、大きく右に移

行していたが、基準5と答える学生がいなかった。

 一方、「①コミュニケーション能力」と「④基礎的なI

Tスキル」のように入学時にある程度、基準値が高い学

生がおり、さらに、2年間の学習によって、基準5に達

する学生もいることがわかる。これらの結果からは、短

期大学部のカリキュラムによって、9つに分解した学習

成果の5段階のルーブリックの基準値の平均および度数

分布を見ると比較的順調に成長しているのではないかと

考える。

6.今後の展開

 今後の課題としては、学修成果の多面的な把握に関し

て、ルーブリックを活用した「学生の自己評価による学

修成果の測定」だけでなく、「教員の成績評価による学

修成果の測定」を追加しようと検討している。すなわち、

カリキュラムマップを介して履修した科目と評価からポ

イント化して、学生の自己評価した結果と併せ、次学期

の学修計画を考える資料を作成することを計画してい

る。教育課程の適切性や教育改善には欠かせないデータ

として、蓄積していく必要を感じている。現在は、短期

大学部をモデルとして、学習成果を多面的に把握するシ

ステムのプロトタイプを構築している。

図1. ルーブリックの説明(イメージ)註)観点や基準の説明は登山ルートに例えて説明している。

表1.経済学部3年次生の汎用的な能力・資質の獲得状況

① 経済学分野・コースの専門分野の知識 3.74 0.74② 分析力や問題解決能力 3.55 0.55③ リーダーシップの能力 3.30 0.30④ 人間関係を構築する能力 3.61 0.61⑤ 他の人と協力して物事を遂行する能力 3.59 0.59⑥ 日本の経済が直面する問題を理解する能力 3.48 0.48⑦ 文章表現の能力 3.39 0.39⑧ プレゼンテーション能力 3.29 0.29⑨ コンピューターの操作能力 3.48 0.48⑩ 時間を有効に活用する能力 3.57 0.57⑪ 視野の広い見方をする能力 3.67 0.67

3年次 上昇汎用的な能力・資質

図2.入学時と比較した能力の定量化(上昇の大きい順)註)入学時と比較して汎用的な能力は伸びたかの問いには、伸びたと回答する回答が多かった。伸びの大きかった順に、経済の専門知識、視野の広い見方、人間関係を構築する能力、チームワーク、時間の有効活用、問題解決能力であった。また、伸びの小さかった能力は、プレゼン能力、リーダーシップ、文章表現とコンピューターであった。

表2.経済学部3年次生の学修成果の測定結果

① 論理的思考力 2.10 3.42 1.32② 課題に対する問題意識 2.00 3.17 1.17③ 社会を多面的に把握する視点 1.96 3.19 1.23④ コミュニケーション能力 2.10 3.19 1.09

経済学部の学修成果 入学時 3年次 上昇

図3.①論理的思考力と④コミュニケーション能力のヒストグラム註)上昇の大きかった①論理的思考力では3年次で基準1および2は少数であったが、④のコミュニケーション能力では基準1あるいは2に留まる学生がある程度見られる。

④コミュニケーション能力

①論理的思考力

ルーブリックの基準

ルーブリックの基準

表3.経営実務科16年度生の自己評価による学習成果の測定

①コミュニケーション能力 2.0 3.4 1.4②語学力を含めたリテラシー 1.9 2.9 1.0③論理的な思考力 1.6 2.5 0.9④基礎的なITスキル 2.1 3.5 1.4⑤課題を発見し、解決する能力 2.0 3.3 1.3⑥実務に必要な基礎的な専門知識 1.4 2.8 1.4⑦業界において必要な専門知識 1.2 2.6 1.4⑧視野を広げるための基礎教養 1.5 2.5 1.0⑨主体性・チームワーク・マナー 1.8 3.1 1.3 1.71 2.94 1.23

ディプロマポリシーの9観点 入学時分類

平均

基礎的学習

能力

実務処理

能力

生き

る力

卒業時 上昇

①コミュニケーション能力

⑥実務に必要な基礎的な専門知識

ルーブリックの基準(5段階) ルーブリックの基準(5段階)

図4.基準値の上昇の大きかった4つの要素における入学時と卒業時の基準の度数分布

④基礎的なITスキル

⑦業界において必要な専門知識

度数(回答数)

度数(回答数)

度数(回答数)

度数(回答数)

入学時 卒業時20

15

10

5

01 2 3 4 5

20

15

10

5

01 2 3 4 5

20

15

10

5

01 2 3 4 5

20

20

15

10

5

01 2 3 4 5

100

150

50

01

66

11

45

83 76

18

99

49

172

2 3 4 5

100

150

50

01

79

520

92 103

13

848461

6 3

2 3 4 5

入学時 3年次

上昇度

10.80.60.40.2

0

0.740.740.670.67 0.610.61 0.590.59 0.570.57 0.550.55

0.480.48 0.480.480.390.39

0.300.30 0.290.29

専門知識

視野の広い見方

人間関係

チームワーク

時間の有効活用

問題解決能力

問題理解

コンピューター

文章表現

リーダーシップ

プレゼン

Page 3: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

02 01

教育プログラムを評価する視点

│学生と教員が獲得プロセスを共有する│

1.ルーブリック評価とは何か

 耳慣れない言葉である「ルーブリックとは何か」につい

て学生に説明する場合、試行錯誤を経て、次のように説

明する方が理解してくれそうだということがわかった。

つまり、目標やゴールを山頂とし、その山を征服する登

山ルートに例えて、山頂までの獲得プロセスを❶目標設

定、❷スケジュール管理、❸達成志向とする方法である

(3観点)。そして、各段階の特徴を等間隔に5段階の文

章で表現する。こうして、観点および基準を説明したう

えで、現在の基準

を自己評価させて

答えさせることが

望ましい。

 今回の調査は予

備調査として、1

部は汎用的な能

力・資質に関して、

2部は経済学部が

特に力を入れてい

る学修成果につい

ての質問項目を用

意した。

2.汎用的な能力・資質の11項目の獲得状況

 本学の汎用的な能力・資質に関してのアンケート項目

は11

項目であり、「①経済学分野・コースの専門分野の

知識」、「②分析力や問題解決能力」、「③リーダーシッ

プの能力」、「④人間関係を構築する能力」、「⑤他の人

と協力して物事を遂行する能力」、「⑥日本の経済が直

面する問題を理解する能力」、「⑦文章表現の能力」、「⑧

プレゼンテーシ

ョン能力」、「⑨

コンピューター

の操作能力」、

「⑩時間を有効

に活用する能

力」、「⑪視野の

広い見方をする能力」とした。実際の問いは入学した時

点と比べて、どの程度伸びたかを尋ねるもので、入学時

点を3とすると3年次のポイントから3を減じたものが

入学時から上昇したポイントである。結果は、表1に示

すとおり、最も上昇が見られたのは「①経済学分野・コ

ースの専門分野の知識」0・74ポイントであり、次いで「⑪

視野の広い見方をする能力」の0・67、「④人間関係を構

築する能力」の0・61であった。

 一方、上昇が

小さかった能力

は、「⑧プレゼ

ンテーション能

力」の0・29、次

いで「③リーダ

ーシップの能

力」の0・30、「⑦

文章表現の能

力」の0・39であ

った。

 図2に11項目

について上昇の

高かった能力順

に示した。

3.経済学部3年次生の学

修成果の獲得状況

 経済学部の学位授与方針に示し

ている学生が身につける学修成果

は、「①論理的思考力」、「②課題

に対する問題意識」、「③社会を多

面的に把握する視点」、「④コミュ

ニケーション能力」であり、5段階

のルーブリックを作成した。これ

らの問いも入学時および現在の獲

得状況であるルーブリックの基準

を記入させた。①〜③は経済活動を

理解するための基礎的スキルであ

り、④は人間関係を構築する能力で

ある。測定の結果を表2に示したが、最も上昇の大きか

ったのは「①論理的思考力」1・32であり、次いで「③社

会を多面的に把握する視点」であった。視野の広い実務

人の育成という建学の精神を考慮すると、経済学部の教

育課程の適切性が窺える結果であった。

 この結果を視覚的に理解しやすくするために、ヒスト

グラムを用いて、最も上昇の高かった「①論理的思考力」

と最も上昇の小さかった「④コミュニケーション能力」の

入学時からの獲得状況を調べた(図3)。結果は④のコミ

ュニケーションスキルの3年次の獲得状況において基準

2に留まる学生がある程度見受けられた。

はじめに

 文科省は各大学に学生が卒業時に学修成果がどの程

度、身についたかを把握することを求めている。そして、

私立大学等改革総合支援事業のタイプ(1)「建学の精神

を生かした大学教育の質向上」(教育の質的転換)の⑮に

おいては、その測定について次のように言及している。

 『学修成果の把握とは、学修前と学修後の双方の時点

において、より客観的な測定・調査等を実施することに

より、成績推移等から得られる。学生全員を対象とし、

記名式により在学期間中に少なくとも2回以上測定・調

査等を実施し、学生個人に着目して把握することが必要

になる。』また、調査方法に関しても、外部の標準化され

たテスト、学生の学修経験を問うアンケート調査やルー

ブリック・学修ポートフォリオの活用を要件としている。

本学では、3年前から短期大学部において、学位授与方

針に示された3つの文章に含まれる9つの学習成果につ

いて5段階のルーブリックを作成し、その達成状況を調

べてきた。また、学部に関しては、平成30年度からの全

学的な実施に先立ち、学生数の最も多い経済学部の3年

次生に協力を願い、「学修成果の測定アンケート」(予備

調査)を昨年末に実施した。

 今回、調査に用いた5段階のルーブリック評価に関し

ては、学生に「ルーブリックとは何か?」をわかりやすく、

説明する必要を感じた。

4.短期大学部における学習成果の測定

  短期大学部に

関しては、これ

まで卒業時に3

ヵ年調査を行っ

てきた。経営実

務科では学位授

与方針に示して

いる3つの文章

からさらに9つ

の学習成果に分

解し、9観点5

段階のルーブリ

ックの基準を記

入させている。

今春卒業した学

生については、ルーブリックの基準の上昇が大きかった

要素は4点あり、①・④・⑥・⑦であった(上昇は1・

4)。

 一方、3ヵ年を通してみても、比較的低かった学習成

果は「③論理的な思考力」であり、16年度生では唯一、基

準の上昇が0・9と低かった。

5.ヒストグラムによる分析

 ルーブリックの基準の上昇の大きかった4つの要素に

ついて、ヒストグラムを見ると、結果は、図4に示すと

おり、⑥および⑦は入学時に比べ、基準の上昇は、専門

知識がほぼ基準1あるいは2であったと答えた学生が多

かったが、2年間の学習の成果が窺われ、大きく右に移

行していたが、基準5と答える学生がいなかった。

 一方、「①コミュニケーション能力」と「④基礎的なI

Tスキル」のように入学時にある程度、基準値が高い学

生がおり、さらに、2年間の学習によって、基準5に達

する学生もいることがわかる。これらの結果からは、短

期大学部のカリキュラムによって、9つに分解した学習

成果の5段階のルーブリックの基準値の平均および度数

分布を見ると比較的順調に成長しているのではないかと

考える。

6.今後の展開

 今後の課題としては、学修成果の多面的な把握に関し

て、ルーブリックを活用した「学生の自己評価による学

修成果の測定」だけでなく、「教員の成績評価による学

修成果の測定」を追加しようと検討している。すなわち、

カリキュラムマップを介して履修した科目と評価からポ

イント化して、学生の自己評価した結果と併せ、次学期

の学修計画を考える資料を作成することを計画してい

る。教育課程の適切性や教育改善には欠かせないデータ

として、蓄積していく必要を感じている。現在は、短期

大学部をモデルとして、学習成果を多面的に把握するシ

ステムのプロトタイプを構築している。

図1. ルーブリックの説明(イメージ)註)観点や基準の説明は登山ルートに例えて説明している。

表1.経済学部3年次生の汎用的な能力・資質の獲得状況

① 経済学分野・コースの専門分野の知識 3.74 0.74② 分析力や問題解決能力 3.55 0.55③ リーダーシップの能力 3.30 0.30④ 人間関係を構築する能力 3.61 0.61⑤ 他の人と協力して物事を遂行する能力 3.59 0.59⑥ 日本の経済が直面する問題を理解する能力 3.48 0.48⑦ 文章表現の能力 3.39 0.39⑧ プレゼンテーション能力 3.29 0.29⑨ コンピューターの操作能力 3.48 0.48⑩ 時間を有効に活用する能力 3.57 0.57⑪ 視野の広い見方をする能力 3.67 0.67

3年次 上昇汎用的な能力・資質

図2.入学時と比較した能力の定量化(上昇の大きい順)註)入学時と比較して汎用的な能力は伸びたかの問いには、伸びたと回答する回答が多かった。伸びの大きかった順に、経済の専門知識、視野の広い見方、人間関係を構築する能力、チームワーク、時間の有効活用、問題解決能力であった。また、伸びの小さかった能力は、プレゼン能力、リーダーシップ、文章表現とコンピューターであった。

表2.経済学部3年次生の学修成果の測定結果

① 論理的思考力 2.10 3.42 1.32② 課題に対する問題意識 2.00 3.17 1.17③ 社会を多面的に把握する視点 1.96 3.19 1.23④ コミュニケーション能力 2.10 3.19 1.09

経済学部の学修成果 入学時 3年次 上昇

図3.①論理的思考力と④コミュニケーション能力のヒストグラム註)上昇の大きかった①論理的思考力では3年次で基準1および2は少数であったが、④のコミュニケーション能力では基準1あるいは2に留まる学生がある程度見られる。

④コミュニケーション能力

①論理的思考力

ルーブリックの基準

ルーブリックの基準

表3.経営実務科16年度生の自己評価による学習成果の測定

①コミュニケーション能力 2.0 3.4 1.4②語学力を含めたリテラシー 1.9 2.9 1.0③論理的な思考力 1.6 2.5 0.9④基礎的なITスキル 2.1 3.5 1.4⑤課題を発見し、解決する能力 2.0 3.3 1.3⑥実務に必要な基礎的な専門知識 1.4 2.8 1.4⑦業界において必要な専門知識 1.2 2.6 1.4⑧視野を広げるための基礎教養 1.5 2.5 1.0⑨主体性・チームワーク・マナー 1.8 3.1 1.3 1.71 2.94 1.23

ディプロマポリシーの9観点 入学時分類

平均

基礎的学習

能力

実務処理

能力

生き

る力

卒業時 上昇

①コミュニケーション能力

⑥実務に必要な基礎的な専門知識

ルーブリックの基準(5段階) ルーブリックの基準(5段階)

図4.基準値の上昇の大きかった4つの要素における入学時と卒業時の基準の度数分布

④基礎的なITスキル

⑦業界において必要な専門知識

度数(回答数)

度数(回答数)

度数(回答数)

度数(回答数)

入学時 卒業時20

15

10

5

01 2 3 4 5

20

15

10

5

01 2 3 4 5

20

15

10

5

01 2 3 4 5

20

20

15

10

5

01 2 3 4 5

100

150

50

01

66

11

45

83 76

18

99

49

172

2 3 4 5

100

150

50

01

79

520

92 103

13

848461

6 3

2 3 4 5

入学時 3年次

上昇度

10.80.60.40.2

0

0.740.740.670.67 0.610.61 0.590.59 0.570.57 0.550.55

0.480.48 0.480.480.390.39

0.300.30 0.290.29

専門知識

視野の広い見方

人間関係

チームワーク

時間の有効活用

問題解決能力

問題理解

コンピューター

文章表現

リーダーシップ

プレゼン

Page 4: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

04 03

Ⅰ「学生の自己評価による学習成果の測定」(成長実感調査) 経営実務科の学習成果の多面的な把握Ⅰ「学生の自己評価による学習成果の測定」とⅡ「教員の成績評価による学習成果の測定」の融合

学習成果1. 学習に必要な基礎的能力(問題を発見し解決する能力、コミュニケーション能力、アカデミックスキル)

→a. コミュニケーション能力、b.語学力を含めたリテラシー、c. 論理的な思考力、d. 基礎的なITスキル、e. 課題を発見し、解決する能力の5観点5段階2. ビジネス社会に必要な専門知識・技能を併せ持った実務処理能力

→f. 実務に必要な基礎的な専門知識、g. 業界において必要な専門知識の2観点5段階3. 実社会で生きていくための視野を広め、責任を持って行動する能力

→h. 視野を広げるための基礎教養、i. 行動に必要な主体性・チームワーク・マナーの2観点5段階

Ⅱ「教員の成績評価による学習成果の測定」(客観的調査)学生の履修した科目の成績評価からカリキュラムマップを介して、学習成果をポイント化して⒈、⒉、⒊の総合点を算出し、可視化する。また、カリキュラムツリーからSTEP1、STEP2、STEP3のGPAを求め、成績評価から入学後の学びによる成長の経緯を可視化する。また、次学期の学修計画を立てるシミュレーション機能が付いている。

経営実務科のAさんの成績表

学習成果の可視化メニュー

1.現在の教育目標の達成度□A 人材育成の達成度□B カリキュラムツリー

2.学習成果のシミュレーション□A 人材育成の達成度

3.自己評価による測定との比較□(両者による多面的評価)

履修した科目のカリキュラムマップを介したポイント化

教員による成績評価による学習成果の測定

学習成果のポイント

●シミュレーション機能付き 次学期に履修する科目と評価を入力すればどれだけ学習成果がUPするかを調べます。次学期に履修予定の科目コードを入力してください。

⒈基礎的能力

⒉実務処理能力

⒊実社会での責任能力

学習成果のポイント

⒈基礎的能力

⒉実務処理能力

⒊実社会での責任能力

教員による成績評価による学習成果の測定

入学後の学びによる現時点の成長と

学部の教育目標の達成度を可視化する。

教員による成績評価による学習効果の測定学習成果のポイント

「学生の自己評価」と「教員の成績評価」に

よる達成度を同時に比較して可視化できる。

次学期に履修する科目と成績を入力すると学習成果の達成度がどれだけアップするかを確認できる。

教員による成績評価による学習成果の測定学習成果のポイント

□A 人材育成の達成度 □B カリキュラムツリー

カリキュラムツリーによるSTEP区分のGPA

1

32

①基礎的能力

②実務処理能力

③実社会での責任能力

どの科目群を閲覧しますか?□してください。□1. 学習に必要な基礎的能力を高める

科目□2. ビジネス社会に必要な専門知識を

高める科目□3. 実社会で生きていくための

視野を広め、責任を持って行動する能力を高める科目

履修する科目を□してください。

1. 学習に必要な基礎的能力を高める科目□総合基礎ゼミナールⅠ(3点)□総合基礎ゼミナールⅡ(3点)□情報基礎演習(3点)□ビジネス数学(3点)□文章表現学(3点)□経済学(3点)□文書管理(3点)

履修する科目を□してください。

履修予定科目のめざす成績評価を入力してください。

よろしいですか?

2. ビジネス社会に必要な専門知識を高める科目□SOHOの基礎知識(3点)□インターンシップ(2点)□ビジネス数学(2点)□人間関係の心理学(3点)□文書管理(3点)□仕事とコミュニケーション(2点)□秘書学概論(3点)

3. 実社会で生きていくための視野を広め、責任を持って行動する能力を高める科目□キャリアデザイン(3点)□就業への道(3点)□業界研究(2点)□インターンシップ(3点)□人間関係の心理学(2点)□PBL演習(2点)

①基礎的能力

②実務処理

能力

③実社会での責任能力

履修する科目を□してください。 履修する科目を□してください。

学習成果のポイント

①基礎的能力

②実務処理能力

③実社会での責任能力

教員による成績評価による学習成果の測定No. 科目名称 成績1 情報基礎演習 S2 経済学 S3 インターンシップ A4 人間関係の心理学 A5 仕事とコミュニケーション B

60

50

40

30

20

10

0

現在の状態

教員による成績評価による学習効果の測定学習効果のポイント

①基礎的能力

②実務処理

能力

③実社会での責任能力

60

50

40

30

20

10

0

STEP 1 STEP 2

GPA 5.4 GPA 5.6

STEP 3文章表現学(S)英語で学ぶコミュニケーション(A)ビジネス実務総論(A)

簿記 Ⅰ(S)簿記演習 Ⅰ(S)キャリアデザイン(A)総合基礎ゼミナール ⅠPBL演習

情報基礎演習(A)簿記 Ⅱ(S)簿記演習 Ⅱ(S)

コード 学期

3. 64GPA=

授  業  科  目文章表現学英語で学ぶコミュニケーションビジネス実務総論情報基礎演習キャリアデザイン簿記 Ⅰ簿記演習 Ⅰ簿記 Ⅱ簿記演習 ⅡPBL演習総合基礎ゼミナール Ⅰ

評 価20001152000550200155120015142001585200140220014442001405200144520015172001700

前期前期前期前期前期1 1 2 2 通年通年

SAAAASSSS

履修中履修中

コード 履修予定の科目 評 価200020220002542000552200155520015672001450200151520015162001554200153120015392001590

AABAABBAAABAB

経済学ビジネス・ロービジネス数学ビジネス実務演習人間関係の心理学企業と会計情報活用演習統計実務情報とコンピュータ業界研究就業への道インターンシップ

コード 学期 授  業  科  目

文章表現学英語で学ぶコミュニケーションビジネス実務総論情報基礎演習キャリアデザイン簿記 Ⅰ簿記演習 Ⅰ簿記 Ⅱ簿記演習 ⅡPBL演習総合基礎ゼミナール Ⅰ

評 価

20001152000550200155120015142001585200140220014442001405200144520015172001700

前期前期前期前期前期1 1 2 2 通年通年

SAAAASSSS

履修中履修中

Point

433334444──

1290900000──

0090012121212──

ポイント合計 30 57 9

000090000──

現在の「人材育成の達成度」は②=57ポイント、①=30ポイント、③=9ポイントです。実社会で生きていくための視野を広め、責任を持って行動する能力を高める科目群の履修をお勧めします。

Ⅰ「学生の自己評価による学習成果の測定」経営実務科の学習成果に基づいて作成されたルーブリック評価(9観点5段階)によって得られた学習成果の獲得状況をグラフ化したもの。Ⅱ「教員の成績評価による学習成果の測定」の結果と自己評価の結果を重ね合わせて比較したもの。

【将来展望】カリキュラムマップを①、②、③ を基に作成するのではなく、a ~ i のルーブリックの9観点を基にカリキュラムマップを作成し、それを介してポイント化すれば、「学生の自己評価」と「教員の成績評価」による学習成果が1対1の対応で比較できるので、学生は可視化しやすくなる。

履修予定の科目および成績の結果、①、②、③はこのようにアップします。頑張って、良い成績を取るようにしてください。

①「学生の自己評価による学習成果の測定」と②「教員の成績評価による学習成果の測定」を比較できるようにグラフ化する

STEP1、STEP2、STEP3ごとのGPAを算出し、その推移から「基礎力」から「ビジネスの専門性」の広がりと深さを診断する。

項目段階

a.コミュニケーション 能力

b.語学力を含めた リテラシー c.論理的な思考力 d.基礎的なITスキル e.課題を発見し、

解決する能力f.実務に必要な 基礎的な専門知識

g.業界において必要な 専門知識

h.視野を広げるための 基礎教養

i.行動に必要な主体性・チームワーク・マナー

プレゼンテーションや議論などで必要な能力

日本語だけでなく、英語などでレポートを書くための能力。

数学や、議論などで相手を説得するための能力。

インターネットでの検索能力、Word、Excel、PowerPointなどのITスキル

授業における課題の意義を理解し、その解決方法を理解している。

簿記や経営、ビジネスマナーなどのビジネスにおける基礎知識。

金融や販売、ホスピタリティなどの各業界における専門知識。

社会人として必要な教養。例えば、文学、哲学、法律、政治、数学、物理、医療、スポーツなど

団体行動における協調性、マナー、リーダーシップ

入学時の段階卒業時の段階

段階

1.学習に必要な基礎的能力(問題を発見し解決する能力、コミュニケーション能力、アカデミックスキル)を備えた人材の育成。 2.ビジネス社会に必要な専門知識・技能を併せ   持った実務処理能力を身につけた人材の育成。

3.実社会で生きていくための視野を広め、責任を   持って行動する能力を身につけた人材の育成。

a.コミュニケーション能力 b.語学力を含めたリテラシー c.論理的な思考力 d.基礎的なITスキル e.課題を発見し、解決する能力 f.実務に必要な基礎的な専門知識 g.業界において必要な専門知識 h.視野を広げるための基礎教養 i.行動に必要な主体性・

チームワーク・マナー

1人とのコミュニケーションは、できれば避けたい。

文章を書くことは、できれば避けたい。

数学などの計算は、できれば避けたい。

PCなどを用いるよりも時間がかかっても、PCを使うことは避けたいと思う。

授業において、何が課題かわからず、その課題の解決方法も理解できない。

簿記や経営などの知識については、十分でない。

各業界における専門知識について十分でない。

教養科目は十分に学んでいない。

団体行動は得意ではない。

話を聞くだけもしくは、話すだけのコミュニケーションはできる。

授業において学んだ国語や英語については理解することができるが、文章を作るのは苦手。

簡単な数学の計算問題は解けるが、文章題の場合、数式を組み立てたり、方程式を導いたりするような問題は苦手意識が強い。

インターネットで の 検 索 やWord、Excelを単独で使用することはできる。

授業において、課題の解決方法を学びそのことについては理解することはできたが、その課題が現実の何に役立つかが理解できない。

簿記や経営などの知識については、おおむね授業で学習した。

各業界における専門知識については、授業で学習した。

教養科目を履修し、その内容に関して興味関心を持っている。

団体行動をおこなうための最低限のマナーは身につけている。

ビジネスの場において、話を聞いたり、話をすることはできる。

日本語で簡単なレポートを作ることはできるが、長文は苦手。

数学の問題はある程度解けるが、文章題から数式や方程式を導いたりする問題の場合、解法がパターン化した問題なら解ける。

学習に必要な情報をインターネットを用いて収集し、レポートの作成はWordを使ってできる。

課題の解決方法を学び、その課題の意義も理解できた。しかし、現実の課題には挑戦しようと試みるが、失敗することがある。

簿記や経営などの専門知識を十分に学んでおり、これらにどのような関連があるかは、おおよそ理解している。

各業界における専門知識については十分に学んでおり、これらと簿記や経営などの専門知識とどのような関連があるかをわかろうと努力している。

教養科目を複数履修し、その内容に関して興味関心を持っている。

団体行動をおこなうための協調性やマナーを身につけているが、リーダーとしてリーダーシップを発揮することは難しい。

議論の場において、自分の意見を述べたりすることはできる。

日本語で、レポートなどの長文をまとめることができる。

数学などで、文章題の場合、状況に応じて論理的な思考が求められた場合、何とか表やグラフ化しながら答えを導こうとする努力ができる。

WordやExcelを複合的に利用し、視覚的に美しい報告書を作成することができるが、高度な分析ができないこともたまにある。

実際の課題に取り組み、何が問題かを理解することができ、実際に解決しようとする習慣が身についている。

簿記や経営などの専門知識を学び、これらに関連があることはわかり、現実に当てはめて理解しようと試みている。

各業界における専門知識と簿記や経営などの専門知識について十分に理解できており、実際の業界の状況に当てはめようとする態度が見て取れる。

複数の教養科目を受講し、社会のニュースに興味を持つようになった。

団体行動におけるリーダーとして、リーダーシップを発揮することができる。

自分の意見を積極的に述べるだけでなく、他者の話を聞き、その意見を取り入れ、議論をまとめることができる。

日本語だけでなく、英語などにおいて、レポートなどの長文をまとめることができる。

数学などで論理的な考え方ができるだけでなく、実際の議論でも、例や根拠を示しながら、他人を説得でき、納得させられる。

インターネットを用いて、情報を収集するだけでなく、情報を取捨選択したり、課題の解決法に合わせた様々な分析をしたり、それらを活用した報告書を作ることは得意である。

現実の課題に取り組み、その課題と授業との関連を理 解し、課題を分析し、それらの問題解決方法を提案し、実行することができ、問題解決ができる。

基礎的な知識を体系的に身につけ、各専門知識との関係を明確に理解し、それを現実当てはめて理解することができる。

各業界における専門知識を身につけ、基礎知識との関連を明確に理解し、それを業界の状況に当てはめて理解しようとする習慣が身についている。

社会人として必要な様々な教養科目を履修し、理解することができる。また、社会のニュースに興味を持ち、生涯学習しようとする意欲がある。

団体行動における協調性、マナー、リーダーシップを身につけ、それを実践し、集団を導くことができる。

皆さん、ご卒業本当におめでとうございます。短期大学部では、より一層の教育改善のため、皆さんに最後のアンケートを行いますのでご協力をお願いします。私たち教職員は、短期大学部での学修や課外活動などの学生生活を通して、次のような3つの人材育成をめざしてきました。 ディプロマポリシー  1.学習に必要な基礎的能力(問題を発見し解決する能力、コミュニケーション能力、アカデミックスキル)を備えた人材の育成。           2.ビジネス社会に必要な専門知識・技能を併せ持った実務処理能力を身につけた人材の育成。           3.実社会で生きていくための視野を広め、責任を持って行動する能力を身につけた人材の育成。

そこで、皆さんが本学を巣立つこの日に、本学の人材育成像に対して、皆さんの「学びによる成長の度合い」を自己評価してください。まず、入学した当時のことを思い出して、入学時の各項目の基準を記入してください。そして、卒業するにあたり、今の状態の基準を記入してください。そのことで皆さんの成長を可視化しようと考えています。

短期大学部 経営実務科 ディプロマポリシーのルーブリック

学籍番号̶̶̶̶̶̶̶̶̶ 氏名̶̶̶̶̶̶̶̶̶

60

50

40

30

20

10

0

60

50

40

30

20

10

0

60

50

40

30

20

10

0

60

50

40

30

20

10

0

Page 5: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

04 03

Ⅰ「学生の自己評価による学習成果の測定」(成長実感調査) 経営実務科の学習成果の多面的な把握Ⅰ「学生の自己評価による学習成果の測定」とⅡ「教員の成績評価による学習成果の測定」の融合

学習成果1. 学習に必要な基礎的能力(問題を発見し解決する能力、コミュニケーション能力、アカデミックスキル)

→a. コミュニケーション能力、b.語学力を含めたリテラシー、c. 論理的な思考力、d. 基礎的なITスキル、e. 課題を発見し、解決する能力の5観点5段階2. ビジネス社会に必要な専門知識・技能を併せ持った実務処理能力

→f. 実務に必要な基礎的な専門知識、g. 業界において必要な専門知識の2観点5段階3. 実社会で生きていくための視野を広め、責任を持って行動する能力

→h. 視野を広げるための基礎教養、i. 行動に必要な主体性・チームワーク・マナーの2観点5段階

Ⅱ「教員の成績評価による学習成果の測定」(客観的調査)学生の履修した科目の成績評価からカリキュラムマップを介して、学習成果をポイント化して⒈、⒉、⒊の総合点を算出し、可視化する。また、カリキュラムツリーからSTEP1、STEP2、STEP3のGPAを求め、成績評価から入学後の学びによる成長の経緯を可視化する。また、次学期の学修計画を立てるシミュレーション機能が付いている。

経営実務科のAさんの成績表

学習成果の可視化メニュー

1.現在の教育目標の達成度□A 人材育成の達成度□B カリキュラムツリー

2.学習成果のシミュレーション□A 人材育成の達成度

3.自己評価による測定との比較□(両者による多面的評価)

履修した科目のカリキュラムマップを介したポイント化

教員による成績評価による学習成果の測定

学習成果のポイント

●シミュレーション機能付き 次学期に履修する科目と評価を入力すればどれだけ学習成果がUPするかを調べます。次学期に履修予定の科目コードを入力してください。

⒈基礎的能力

⒉実務処理能力

⒊実社会での責任能力

学習成果のポイント

⒈基礎的能力

⒉実務処理能力

⒊実社会での責任能力

教員による成績評価による学習成果の測定

入学後の学びによる現時点の成長と

学部の教育目標の達成度を可視化する。

教員による成績評価による学習効果の測定学習成果のポイント

「学生の自己評価」と「教員の成績評価」に

よる達成度を同時に比較して可視化できる。

次学期に履修する科目と成績を入力すると学習成果の達成度がどれだけアップするかを確認できる。

教員による成績評価による学習成果の測定学習成果のポイント

□A 人材育成の達成度 □B カリキュラムツリー

カリキュラムツリーによるSTEP区分のGPA

1

32

①基礎的能力

②実務処理能力

③実社会での責任能力

どの科目群を閲覧しますか?□してください。□1. 学習に必要な基礎的能力を高める

科目□2. ビジネス社会に必要な専門知識を

高める科目□3. 実社会で生きていくための

視野を広め、責任を持って行動する能力を高める科目

履修する科目を□してください。

1. 学習に必要な基礎的能力を高める科目□総合基礎ゼミナールⅠ(3点)□総合基礎ゼミナールⅡ(3点)□情報基礎演習(3点)□ビジネス数学(3点)□文章表現学(3点)□経済学(3点)□文書管理(3点)

履修する科目を□してください。

履修予定科目のめざす成績評価を入力してください。

よろしいですか?

2. ビジネス社会に必要な専門知識を高める科目□SOHOの基礎知識(3点)□インターンシップ(2点)□ビジネス数学(2点)□人間関係の心理学(3点)□文書管理(3点)□仕事とコミュニケーション(2点)□秘書学概論(3点)

3. 実社会で生きていくための視野を広め、責任を持って行動する能力を高める科目□キャリアデザイン(3点)□就業への道(3点)□業界研究(2点)□インターンシップ(3点)□人間関係の心理学(2点)□PBL演習(2点)

①基礎的能力

②実務処理

能力

③実社会での責任能力

履修する科目を□してください。 履修する科目を□してください。

学習成果のポイント

①基礎的能力

②実務処理能力

③実社会での責任能力

教員による成績評価による学習成果の測定No. 科目名称 成績1 情報基礎演習 S2 経済学 S3 インターンシップ A4 人間関係の心理学 A5 仕事とコミュニケーション B

60

50

40

30

20

10

0

現在の状態

教員による成績評価による学習効果の測定学習効果のポイント

①基礎的能力

②実務処理

能力

③実社会での責任能力

60

50

40

30

20

10

0

STEP 1 STEP 2

GPA 5.4 GPA 5.6

STEP 3文章表現学(S)英語で学ぶコミュニケーション(A)ビジネス実務総論(A)

簿記 Ⅰ(S)簿記演習 Ⅰ(S)キャリアデザイン(A)総合基礎ゼミナール ⅠPBL演習

情報基礎演習(A)簿記 Ⅱ(S)簿記演習 Ⅱ(S)

コード 学期

3. 64GPA=

授  業  科  目文章表現学英語で学ぶコミュニケーションビジネス実務総論情報基礎演習キャリアデザイン簿記 Ⅰ簿記演習 Ⅰ簿記 Ⅱ簿記演習 ⅡPBL演習総合基礎ゼミナール Ⅰ

評 価20001152000550200155120015142001585200140220014442001405200144520015172001700

前期前期前期前期前期1 1 2 2 通年通年

SAAAASSSS

履修中履修中

コード 履修予定の科目 評 価200020220002542000552200155520015672001450200151520015162001554200153120015392001590

AABAABBAAABAB

経済学ビジネス・ロービジネス数学ビジネス実務演習人間関係の心理学企業と会計情報活用演習統計実務情報とコンピュータ業界研究就業への道インターンシップ

コード 学期 授  業  科  目

文章表現学英語で学ぶコミュニケーションビジネス実務総論情報基礎演習キャリアデザイン簿記 Ⅰ簿記演習 Ⅰ簿記 Ⅱ簿記演習 ⅡPBL演習総合基礎ゼミナール Ⅰ

評 価

20001152000550200155120015142001585200140220014442001405200144520015172001700

前期前期前期前期前期1 1 2 2 通年通年

SAAAASSSS

履修中履修中

Point

433334444──

1290900000──

0090012121212──

ポイント合計 30 57 9

000090000──

現在の「人材育成の達成度」は②=57ポイント、①=30ポイント、③=9ポイントです。実社会で生きていくための視野を広め、責任を持って行動する能力を高める科目群の履修をお勧めします。

Ⅰ「学生の自己評価による学習成果の測定」経営実務科の学習成果に基づいて作成されたルーブリック評価(9観点5段階)によって得られた学習成果の獲得状況をグラフ化したもの。Ⅱ「教員の成績評価による学習成果の測定」の結果と自己評価の結果を重ね合わせて比較したもの。

【将来展望】カリキュラムマップを①、②、③ を基に作成するのではなく、a ~ i のルーブリックの9観点を基にカリキュラムマップを作成し、それを介してポイント化すれば、「学生の自己評価」と「教員の成績評価」による学習成果が1対1の対応で比較できるので、学生は可視化しやすくなる。

履修予定の科目および成績の結果、①、②、③はこのようにアップします。頑張って、良い成績を取るようにしてください。

①「学生の自己評価による学習成果の測定」と②「教員の成績評価による学習成果の測定」を比較できるようにグラフ化する

STEP1、STEP2、STEP3ごとのGPAを算出し、その推移から「基礎力」から「ビジネスの専門性」の広がりと深さを診断する。

項目段階

a.コミュニケーション 能力

b.語学力を含めた リテラシー c.論理的な思考力 d.基礎的なITスキル e.課題を発見し、

解決する能力f.実務に必要な 基礎的な専門知識

g.業界において必要な 専門知識

h.視野を広げるための 基礎教養

i.行動に必要な主体性・チームワーク・マナー

プレゼンテーションや議論などで必要な能力

日本語だけでなく、英語などでレポートを書くための能力。

数学や、議論などで相手を説得するための能力。

インターネットでの検索能力、Word、Excel、PowerPointなどのITスキル

授業における課題の意義を理解し、その解決方法を理解している。

簿記や経営、ビジネスマナーなどのビジネスにおける基礎知識。

金融や販売、ホスピタリティなどの各業界における専門知識。

社会人として必要な教養。例えば、文学、哲学、法律、政治、数学、物理、医療、スポーツなど

団体行動における協調性、マナー、リーダーシップ

入学時の段階卒業時の段階

段階

1.学習に必要な基礎的能力(問題を発見し解決する能力、コミュニケーション能力、アカデミックスキル)を備えた人材の育成。 2.ビジネス社会に必要な専門知識・技能を併せ   持った実務処理能力を身につけた人材の育成。

3.実社会で生きていくための視野を広め、責任を   持って行動する能力を身につけた人材の育成。

a.コミュニケーション能力 b.語学力を含めたリテラシー c.論理的な思考力 d.基礎的なITスキル e.課題を発見し、解決する能力 f.実務に必要な基礎的な専門知識 g.業界において必要な専門知識 h.視野を広げるための基礎教養 i.行動に必要な主体性・

チームワーク・マナー

1人とのコミュニケーションは、できれば避けたい。

文章を書くことは、できれば避けたい。

数学などの計算は、できれば避けたい。

PCなどを用いるよりも時間がかかっても、PCを使うことは避けたいと思う。

授業において、何が課題かわからず、その課題の解決方法も理解できない。

簿記や経営などの知識については、十分でない。

各業界における専門知識について十分でない。

教養科目は十分に学んでいない。

団体行動は得意ではない。

話を聞くだけもしくは、話すだけのコミュニケーションはできる。

授業において学んだ国語や英語については理解することができるが、文章を作るのは苦手。

簡単な数学の計算問題は解けるが、文章題の場合、数式を組み立てたり、方程式を導いたりするような問題は苦手意識が強い。

インターネットで の 検 索 やWord、Excelを単独で使用することはできる。

授業において、課題の解決方法を学びそのことについては理解することはできたが、その課題が現実の何に役立つかが理解できない。

簿記や経営などの知識については、おおむね授業で学習した。

各業界における専門知識については、授業で学習した。

教養科目を履修し、その内容に関して興味関心を持っている。

団体行動をおこなうための最低限のマナーは身につけている。

ビジネスの場において、話を聞いたり、話をすることはできる。

日本語で簡単なレポートを作ることはできるが、長文は苦手。

数学の問題はある程度解けるが、文章題から数式や方程式を導いたりする問題の場合、解法がパターン化した問題なら解ける。

学習に必要な情報をインターネットを用いて収集し、レポートの作成はWordを使ってできる。

課題の解決方法を学び、その課題の意義も理解できた。しかし、現実の課題には挑戦しようと試みるが、失敗することがある。

簿記や経営などの専門知識を十分に学んでおり、これらにどのような関連があるかは、おおよそ理解している。

各業界における専門知識については十分に学んでおり、これらと簿記や経営などの専門知識とどのような関連があるかをわかろうと努力している。

教養科目を複数履修し、その内容に関して興味関心を持っている。

団体行動をおこなうための協調性やマナーを身につけているが、リーダーとしてリーダーシップを発揮することは難しい。

議論の場において、自分の意見を述べたりすることはできる。

日本語で、レポートなどの長文をまとめることができる。

数学などで、文章題の場合、状況に応じて論理的な思考が求められた場合、何とか表やグラフ化しながら答えを導こうとする努力ができる。

WordやExcelを複合的に利用し、視覚的に美しい報告書を作成することができるが、高度な分析ができないこともたまにある。

実際の課題に取り組み、何が問題かを理解することができ、実際に解決しようとする習慣が身についている。

簿記や経営などの専門知識を学び、これらに関連があることはわかり、現実に当てはめて理解しようと試みている。

各業界における専門知識と簿記や経営などの専門知識について十分に理解できており、実際の業界の状況に当てはめようとする態度が見て取れる。

複数の教養科目を受講し、社会のニュースに興味を持つようになった。

団体行動におけるリーダーとして、リーダーシップを発揮することができる。

自分の意見を積極的に述べるだけでなく、他者の話を聞き、その意見を取り入れ、議論をまとめることができる。

日本語だけでなく、英語などにおいて、レポートなどの長文をまとめることができる。

数学などで論理的な考え方ができるだけでなく、実際の議論でも、例や根拠を示しながら、他人を説得でき、納得させられる。

インターネットを用いて、情報を収集するだけでなく、情報を取捨選択したり、課題の解決法に合わせた様々な分析をしたり、それらを活用した報告書を作ることは得意である。

現実の課題に取り組み、その課題と授業との関連を理 解し、課題を分析し、それらの問題解決方法を提案し、実行することができ、問題解決ができる。

基礎的な知識を体系的に身につけ、各専門知識との関係を明確に理解し、それを現実当てはめて理解することができる。

各業界における専門知識を身につけ、基礎知識との関連を明確に理解し、それを業界の状況に当てはめて理解しようとする習慣が身についている。

社会人として必要な様々な教養科目を履修し、理解することができる。また、社会のニュースに興味を持ち、生涯学習しようとする意欲がある。

団体行動における協調性、マナー、リーダーシップを身につけ、それを実践し、集団を導くことができる。

皆さん、ご卒業本当におめでとうございます。短期大学部では、より一層の教育改善のため、皆さんに最後のアンケートを行いますのでご協力をお願いします。私たち教職員は、短期大学部での学修や課外活動などの学生生活を通して、次のような3つの人材育成をめざしてきました。 ディプロマポリシー  1.学習に必要な基礎的能力(問題を発見し解決する能力、コミュニケーション能力、アカデミックスキル)を備えた人材の育成。           2.ビジネス社会に必要な専門知識・技能を併せ持った実務処理能力を身につけた人材の育成。           3.実社会で生きていくための視野を広め、責任を持って行動する能力を身につけた人材の育成。

そこで、皆さんが本学を巣立つこの日に、本学の人材育成像に対して、皆さんの「学びによる成長の度合い」を自己評価してください。まず、入学した当時のことを思い出して、入学時の各項目の基準を記入してください。そして、卒業するにあたり、今の状態の基準を記入してください。そのことで皆さんの成長を可視化しようと考えています。

短期大学部 経営実務科 ディプロマポリシーのルーブリック

学籍番号̶̶̶̶̶̶̶̶̶ 氏名̶̶̶̶̶̶̶̶̶

60

50

40

30

20

10

0

60

50

40

30

20

10

0

60

50

40

30

20

10

0

60

50

40

30

20

10

0

Page 6: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

06 05

はじめに

 吹田市と本学との連携の基本協定書の締結は平成16年

に遡り、その後、定期的に「吹田市との連携推進協議会」

を開催している。教育開発支援センターは平成26年度か

ら「キャリアデザインⅡ」(公務員クラス)において、吹田

市の職員をゲストスピーカーとして招聘してきた。また、

平成28年度からは吹田市都市魅力部シティプロモーショ

ン推進室の協力を得て、吹田市との官学連携PBLをス

タートさせた。大学卒業後の社会を想定した未来志向の

課題に、学生は取り組んでいる。今回は平成29年度後期

開講の「キャリアデザイン入門Ⅰ」(1年次生対象)におい

て、吹田市からの課題に取り組んだ様子を報告する。

1.吹田市からの課題

 平成29年度後期開講の「キャリアデザイン入門Ⅰ」にお

いて実施される吹田市との官学連携PBLの課題提示に

関し、事前の打ち合わせが、平成29年7月に吹田市都市

魅力部シティプロモーショ

ン推進室において行われた。

 平成28年度に実施した官

学連携PBLの省察の結果、

平成29年度の課題は広報媒

体として急速に普及してい

るSNSの活用等について

「①効果的な情報発信に関

し、Instagram

の活用、②市

のイメージキャラクターの

効果的な活用」の2つに決定

した。

 平成29年11月15日(水)2

講時、吹田市都市魅力部シ

ティプロモーション推進室

の堀氏から、課題提示があっ

た。課題の説明を聞いた学

生たちは、早速、4つのグ

ループに分かれ、課題解決

に向けた取り組みを始めた。

2.課題解決に

 際しての事例発表

 学生グループが課題解決に

取り組むにあたって、大学広

報におけるSNS(Social

Netw

orking Service

)活用の

事例紹介のため、宮原広報課

長から講演を聞いた。本学で

は近年、フェイスブック(Facebook

)、ユーチューブ(YouTube

)、

ツィッター(Tw

itter

)、インスタグラム(Instagram

)を順次

開設し、人と人との社会的なつながりを維持・促進するこ

とに注力している。本学学生や受験生・一般市民とのコミュ

ニケーションを大学広報に活用し、新たな人間関係を構築

する場を提供するサービスで、Webサイトや専用のスマー

トフォンアプリなどで閲覧・利用することができる。講演内

容は、「実践経営学会」で発表されたものである。SNSは今

や「企業」・「大学」における新しいコミュニケーションツー

ルでもあり、吹田市における「自治体コミュニケーション」

を考える際のヒントになった。SNSを活用した吹田市の

ブランディング力の強化にもつながるものであった。

3.課題解決発表会

 課題解決発表会は平成29

年12月20日(水)に、白川教

育開発支援センター所長に

よる次のような挨拶によっ

て始まった。

 「平成28年度からキャリ

アデザイン科目に吹田市の

協力を得て、官学連携

PBLを開始しました。学

部で学んだ専門知識を社会

に出て、活用できるように

するためです。大学での学

修は机に向かってするものだけではありません。皆さん

自身が情報収集し、それを分析して、課題を解決するた

めにグループで討議することも大切です。そして、その

経験がきっと社会に出て役立ちます。さあ、これから皆

さんの取り組んだ学習の成果をグループごとに、発表し

てほしいと思います。」

 課題解決発表会にはシティプロモーション推進室から

2名の参加があった。教育開発支援センターの司会進行

によって、4つの学生グループの発表が行われた。ここ

では、優秀賞に選ばれたチーム「TMY」の『Instagram

用いたシティプロモーションの促進』と題した作品を紹介

したいと思う。彼らのプレゼンテーションの概要は、〝シ

ティプロモーションとは〞の定義、目標を明確にするこ

とからスタートした。Instagram

というコミュニケーショ

ンツールを利用する年代や男女割合について調べ、昨年

に比べ今年は男性の利用が増えたという。また、ツール

としてのメリットやデメリットをあげ、ハッシュタグの

有効な活用にも言及した。Instagram

の例として、「吹田市

を1日で回れるプラン」を提案した。最後には、「20代、30

代に焦点を当て、Instagram

を見て吹田市に訪れた人がま

たInstagram

で吹田市について発信することでより活性化

すると考える。」、「吹田市に住んでいる人にはリアルタイ

ムで発信できるストーリーを使用することで自分の市に

興味を持ってもらえる」ことを提案した。さらに、ハッ

シュタグについて、「太陽の塔などの吹田市の宣伝になる

ようなものと、投稿件数の多いワードを使うことで日本

中の人に見てもらえる機会を増やす。」と発表した。

 彼らの課題解決のプレゼンテーションを聴いた参加者

は、優秀賞選定の理由として、「現状分析、Instagram

の特

徴を踏まえて、具体的な方向性、対象者、手法が提案さ

れていた。」、「一番まとまりがあった。一人ひとりの役割

がしっかりしていて、声も出ていた。」、「メリットとデメ

リットをしっかり書いていた。」、「データの分析、事業の

目的などが明確にまとまっていた。」、「具体的な提案が明

確な点、さらにまとめてプラスの提案を入れ、実現の可

能性を広げている。」、「具体的なInstagram

の利用法の提示

があったので。ハッシュタグや吹田めぐりのプランが素

晴らしいと思う。」との声が聞かれた。

 また、グループ「TMY」のメンバーたちも、課題解決発

表までの取り組みを振り返り、次のように感想を述べた。

 「Instagram

は普段から使用しますが、プレゼンするに

あたって調べてみるとどう提案したらいいのか悩みまし

た。聞いてくださる方にどう作れば伝わるか自分なりに

何度も試行錯誤しました(商学部

田中

智大さん)。」、「吹田

のことを調べるにあたって自分は吹田に住んでいないの

で、一から調べないといけませんでした。友達

に聞いたり調べていく中で吹田の良さなどが

わかってよかったです。将来は吹田に住んで

みたいと思いました(経営学部

亮太さ

ん)。」、 「今回のグループワークをして改めて

集団で行動するうえでの1つ1つの重要さを

知ることができました(情報学部

山本

敬太さ

ん)。」

 こうして、平成29年度後期の「キャリアデ

ザイン入門Ⅰ」の官学連携PBLの実践記録

として、小冊子を制作した。

 最後に、優秀賞の賞品は株式会社

神光様か

ら、3D立体特殊印刷の技法を用いて製作さ

れた、吹田市のイメージキャラクター「すいた

ん」の〝栞〞と〝写真シート〞を提供いただい

た。また、都市魅力部シティプロモーション

推進室の職員より、優秀賞のリーダーには

2018年の特製カレンダーが贈られた。こ

こに、株式会社神光様に、謹んで御礼申し上

げる。

吹田市との官学連携PBL

│知識の活用を体験する未来志向の課題に挑戦!│

図1. 吹田市都市魅力部シティプロモーション  推進室の堀氏から課題を聞く学生

図4.白川所長の挨拶

図6.グループ「TMY」の発表の様子

図7.「TMY」へ優秀賞の贈呈

図2.グループ活動を開始した学生(平成29年11月22日)

図3. 宮原広報課長の講演で使用されたスライドの一部

図5. チーム「TMY」のプレゼンスライドの一部

授業担当者

香坂千佳子

経営実務科准教授

Page 7: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

06 05

はじめに

 吹田市と本学との連携の基本協定書の締結は平成16年

に遡り、その後、定期的に「吹田市との連携推進協議会」

を開催している。教育開発支援センターは平成26年度か

ら「キャリアデザインⅡ」(公務員クラス)において、吹田

市の職員をゲストスピーカーとして招聘してきた。また、

平成28年度からは吹田市都市魅力部シティプロモーショ

ン推進室の協力を得て、吹田市との官学連携PBLをス

タートさせた。大学卒業後の社会を想定した未来志向の

課題に、学生は取り組んでいる。今回は平成29年度後期

開講の「キャリアデザイン入門Ⅰ」(1年次生対象)におい

て、吹田市からの課題に取り組んだ様子を報告する。

1.吹田市からの課題

 平成29年度後期開講の「キャリアデザイン入門Ⅰ」にお

いて実施される吹田市との官学連携PBLの課題提示に

関し、事前の打ち合わせが、平成29年7月に吹田市都市

魅力部シティプロモーショ

ン推進室において行われた。

 平成28年度に実施した官

学連携PBLの省察の結果、

平成29年度の課題は広報媒

体として急速に普及してい

るSNSの活用等について

「①効果的な情報発信に関

し、Instagram

の活用、②市

のイメージキャラクターの

効果的な活用」の2つに決定

した。

 平成29年11月15日(水)2

講時、吹田市都市魅力部シ

ティプロモーション推進室

の堀氏から、課題提示があっ

た。課題の説明を聞いた学

生たちは、早速、4つのグ

ループに分かれ、課題解決

に向けた取り組みを始めた。

2.課題解決に

 際しての事例発表

 学生グループが課題解決に

取り組むにあたって、大学広

報におけるSNS(Social

Netw

orking Service

)活用の

事例紹介のため、宮原広報課

長から講演を聞いた。本学で

は近年、フェイスブック(Facebook

)、ユーチューブ(YouTube

)、

ツィッター(Tw

itter

)、インスタグラム(Instagram

)を順次

開設し、人と人との社会的なつながりを維持・促進するこ

とに注力している。本学学生や受験生・一般市民とのコミュ

ニケーションを大学広報に活用し、新たな人間関係を構築

する場を提供するサービスで、Webサイトや専用のスマー

トフォンアプリなどで閲覧・利用することができる。講演内

容は、「実践経営学会」で発表されたものである。SNSは今

や「企業」・「大学」における新しいコミュニケーションツー

ルでもあり、吹田市における「自治体コミュニケーション」

を考える際のヒントになった。SNSを活用した吹田市の

ブランディング力の強化にもつながるものであった。

3.課題解決発表会

 課題解決発表会は平成29

年12月20日(水)に、白川教

育開発支援センター所長に

よる次のような挨拶によっ

て始まった。

 「平成28年度からキャリ

アデザイン科目に吹田市の

協力を得て、官学連携

PBLを開始しました。学

部で学んだ専門知識を社会

に出て、活用できるように

するためです。大学での学

修は机に向かってするものだけではありません。皆さん

自身が情報収集し、それを分析して、課題を解決するた

めにグループで討議することも大切です。そして、その

経験がきっと社会に出て役立ちます。さあ、これから皆

さんの取り組んだ学習の成果をグループごとに、発表し

てほしいと思います。」

 課題解決発表会にはシティプロモーション推進室から

2名の参加があった。教育開発支援センターの司会進行

によって、4つの学生グループの発表が行われた。ここ

では、優秀賞に選ばれたチーム「TMY」の『Instagram

用いたシティプロモーションの促進』と題した作品を紹介

したいと思う。彼らのプレゼンテーションの概要は、〝シ

ティプロモーションとは〞の定義、目標を明確にするこ

とからスタートした。Instagram

というコミュニケーショ

ンツールを利用する年代や男女割合について調べ、昨年

に比べ今年は男性の利用が増えたという。また、ツール

としてのメリットやデメリットをあげ、ハッシュタグの

有効な活用にも言及した。Instagram

の例として、「吹田市

を1日で回れるプラン」を提案した。最後には、「20代、30

代に焦点を当て、Instagram

を見て吹田市に訪れた人がま

たInstagram

で吹田市について発信することでより活性化

すると考える。」、「吹田市に住んでいる人にはリアルタイ

ムで発信できるストーリーを使用することで自分の市に

興味を持ってもらえる」ことを提案した。さらに、ハッ

シュタグについて、「太陽の塔などの吹田市の宣伝になる

ようなものと、投稿件数の多いワードを使うことで日本

中の人に見てもらえる機会を増やす。」と発表した。

 彼らの課題解決のプレゼンテーションを聴いた参加者

は、優秀賞選定の理由として、「現状分析、Instagram

の特

徴を踏まえて、具体的な方向性、対象者、手法が提案さ

れていた。」、「一番まとまりがあった。一人ひとりの役割

がしっかりしていて、声も出ていた。」、「メリットとデメ

リットをしっかり書いていた。」、「データの分析、事業の

目的などが明確にまとまっていた。」、「具体的な提案が明

確な点、さらにまとめてプラスの提案を入れ、実現の可

能性を広げている。」、「具体的なInstagram

の利用法の提示

があったので。ハッシュタグや吹田めぐりのプランが素

晴らしいと思う。」との声が聞かれた。

 また、グループ「TMY」のメンバーたちも、課題解決発

表までの取り組みを振り返り、次のように感想を述べた。

 「Instagram

は普段から使用しますが、プレゼンするに

あたって調べてみるとどう提案したらいいのか悩みまし

た。聞いてくださる方にどう作れば伝わるか自分なりに

何度も試行錯誤しました(商学部

田中

智大さん)。」、「吹田

のことを調べるにあたって自分は吹田に住んでいないの

で、一から調べないといけませんでした。友達

に聞いたり調べていく中で吹田の良さなどが

わかってよかったです。将来は吹田に住んで

みたいと思いました(経営学部

亮太さ

ん)。」、 「今回のグループワークをして改めて

集団で行動するうえでの1つ1つの重要さを

知ることができました(情報学部

山本

敬太さ

ん)。」

 こうして、平成29年度後期の「キャリアデ

ザイン入門Ⅰ」の官学連携PBLの実践記録

として、小冊子を制作した。

 最後に、優秀賞の賞品は株式会社

神光様か

ら、3D立体特殊印刷の技法を用いて製作さ

れた、吹田市のイメージキャラクター「すいた

ん」の〝栞〞と〝写真シート〞を提供いただい

た。また、都市魅力部シティプロモーション

推進室の職員より、優秀賞のリーダーには

2018年の特製カレンダーが贈られた。こ

こに、株式会社神光様に、謹んで御礼申し上

げる。

吹田市との官学連携PBL

│知識の活用を体験する未来志向の課題に挑戦!│

図1. 吹田市都市魅力部シティプロモーション  推進室の堀氏から課題を聞く学生

図4.白川所長の挨拶

図6.グループ「TMY」の発表の様子

図7.「TMY」へ優秀賞の贈呈

図2.グループ活動を開始した学生(平成29年11月22日)

図3. 宮原広報課長の講演で使用されたスライドの一部

図5. チーム「TMY」のプレゼンスライドの一部

授業担当者

香坂千佳子

経営実務科准教授

Page 8: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

08 07

平成29年度

 初年次教育および学修支援に関するアンケート

本アンケートは、2017年度入学の7学部の1年次生1536名を対象に「初年次教育」の

改善を検討する目的で2017年7月におこなった。アンケートの回収は1289名であり、

回収率83.9%である。回答は、5段階のリッカート尺度とし、5・4段階を「肯定的」な回

答、2・1段階を「否定的」な回答とし、どちらにも偏りが見られないものを「中立的」としてま

とめている。なお、今年度の分析結果の全体的な傾向としては、昨年度同様であった。ただし、

これまでに比べ、今年度前期の修得単位数や前期末でのGPAは、高くなっている。

1

本学への進学理由・学習意欲・能力の変化

 本学への進学理由についての結果は、自分の意思

での進学(肯定的52・2%)や学部の内容(肯定的46・

0%)を重視し、本学への進学を選択しており、昨

年度と同様の傾向である。

 次に、学習意欲(学習方法の理解)については、大

学での勉強の仕方がわかっていない現状が明らかに

なった(否定的32・1%)。また、勉強への集中(否

定的34・9%)やなぜそうなるのか原因・理由を探

索することへの態度(否定的33・7%)についても、

昨年度と傾向は同じであるが、割合については前

年度より否定的な割合が減少している。その結果

は、修得単位数の増加に表れており、フレッシュマ

ンスキルなどの授業によるアカデミックスキルなど

の徹底の効果の1つと考えられる。

 大学での能力および知識の変化については、これ

まで概ね肯定的な回答の多かったPCの操作能力

についてはわずかに肯定的な意見が減少(肯定的

32・2%)している。一般的な教養や専門知識、人

間関係や協調性、文章表現、コミュニケーション能

力、時間管理については中立的であり、前年度と同

様である。また、リーダーシップ能力(否定的46・

6%)、プレゼンテーション能力(否定的43・5%)

については、前年度と同様に、否定的で身について

いないと考えられる。しかし、1年次前期を対象と

しているため、ゼミナールなども授業が終了してお

らず、リーダーシップやプレゼンテーション能力を

必要とする授業も多くないのも一因だと考えるが、

アクティブラーニングの積極的な導入などにより、

改善を図らなければならない課題でもある。

2

学修への満足度と学修支援

 満足度については、各項目の平均点を計算して

いる。5段階で「5」が肯定的であることから、点数

が高い方が肯定的である。

 学修への満足度については昨年度と比較して、上

がっている科目および項目としては、専攻科目

(3・13)、フレッシュマンスキル(3・19)、ゼミナ

ール(3・38)、教職員による学習支援(3・01)、個

別の学習指導(2・90)、履修のアドバイス(2・98)

などである。

 一方、下がっている、もしくは変わらない項目と

しては、共通科目(2・97)、授業の全体的な質(2・

93)、クラスの学生数(3・02)学生の一体感(2・77)、

学生の交流(2・79)がある。

 満足度の平均値を見てみると、肯定的(3以上)

は、ゼミナール、フレッシュマンスキル、専攻科目、

クラスの学生数、教職員の学修支援である。否定的

(3未満)なのは、学生の一体感、学生の交流、個別

の学習指導、授業の質、共通科目、履修のアドバイ

スであり、前年度も高かったゼミナールや導入教

育、専攻科目は、さらに満足度が向上している。満

足度が否定的な項目も、前年度と同様であるが、

学生の一体感や学生の交流についてとなっており、

授業の点よりも学生生活の満足度が得られていな

い点は、より顕著になっている。

3

フレッシュマンスキル、1年次配当専

攻科目、学習支援室についての調査

 前年度まで調査してきた「学びの基盤」と「学びの

扉」は「フレッシュマンスキル」と「1年次配当の専攻

科目の学習」についての調査に変更した。

 アカデミックスキルや建学の精神やDPなどにつ

いて学ぶ、「フレッシュマンスキル」については、先

の結果でも示したように、満足度は高く、建学の精

神やDPなど60%以上の認知度となっており、満足

度と併せ、効果的であったと考えられる。

 また、1年次配当「専攻科目」についての調査は前

年度までの「学びの扉」を発展させたものである。

「自分なりにものの見方が広くなり、成長した気が

する」、「大学での授業は難しいが、その分やりがい

がある」等の専攻科目の窓口としてのやりがいにつ

いての質問項目については、前年度と同様に中立的

であることが明らかになった。

 「学習支援室」については、学習支援室の認知度

が上昇し、昨年度よりも大きく改善していること

が明らかになった(肯定的40・6%)。しかし、利用

している学生(肯定的12・1%)は一部であり、今後

の活用方法について、さらなる検討が必要である。

4

集計結果とGPAとの関係

 本アンケートから以上のような集計結果を得た。

しかし、態度項目(満足度)など中立的な項目も多

く、成績(GPA)との関係を見ることにした。

 GPAについては中央値が2・05であるため、

2・0を閾値として上位層と下位層に分け、t検定

およびw

ilcoxon

検定をおこなった。

 その結果、本学への進学理由として、「自分の意思

で入学した」「学部・学科で学ぶ内容に興味があっ

た」は、GPA上位層の回答が下位層よりも値が高

く統計的に有意であった。

 「大学での勉強の仕方がわかっている」、「勉強への

集中」、「なぜそうなるのか原因・理由を探索するこ

とへの態度」など、否定的な項目も統計的有意

(1%有意)となった。なお、全体としても低い「リ

ーダーシップ能力」と「プレゼンテーション能力」に

ついては有意な結果ではなかった。

 満足度においては、否定的であった学生の一体感、

個別の学習指導、授業の質、履修のアドバイスなど

が統計的有意(1%有意)となった。

 学習支援室についても、GPAの高い層ではその

存在が知られていることが統計的有意となった。

 そのため、GPA上位層と下位層でのt検定およ

びwilcoxon

検定の結果から統計的有意となる結果

については、大きな問題はないものの、一方で、統

計的有意とならないものは、上位層と下位層で差

がないことが考えられ、以下は全学的な問題であ

るといえる。

 「授業をつまらないと感じたことがある」「リーダ

ーシップ能力が向上した」「プレゼンテーション能力

が向上した」などである。

 学部の内容に興味を持ち、自らの意思で本学に

進学したものは、共通科目、専攻科目により、その

知識能力を身につけ、授業に対する満足度も高く、

その結果、高いGPAが獲得できると考えられる。

しかし、リーダーシップの能力とプレゼンテーショ

ン能力に課題があり、それを修得するような

PBL等の科目設置および充実が必要であると考

えられる。

初年次生の不安に思っていることを知る!

 このアンケートには、自由表記の質問が含まれ

ており、今回は、①最も不安だったこと、②最も不

満なことの関係性について調べた。

 初年次教育の大きな目的に、不安や不満を取り

除くことがあげられる。そして、学生が自らの学

びに入るためには、重要なことであると考えられ

る。アンケート調査の結果、学生にとっての3大

不安は、「単位が取れるか」、「友人ができるか」、「授

業についていけるか」であった。しかし、授業や単

位に対する不安をあげる学生の「不満」を見ると、

必ずしも「授業」や「単位修得」に関する不満を

持つ学生は多くなかった。このことは、大学の授

業を経験して、受講や単位修得の仕組みがわかる

と不満は解消するのではないかと考えられる。つ

まり、時間が解決してくれるのを待つしかない。

 一方、「友人作り」は、大学の色々な情報収集だ

けでなく、悩み等の相談相手としても重要である。

すなわち、多くの不安を抱える学生たちには、友

人の存在は、大学生活を継続するセーフティー

ネット的な役割を果たしているのではと考えられ

る。また、「友人作り」に不安を持っている学生の

うち、「友人ができない」不満を持つ学生も多く、

不安が不満にまで拡大していることが分かった。

平成29年度第1ターム「フレッシュマンスキル」の評価・検証

初年次教育「フレッシュマンスキル」の概要

 本学では平成29年度から4学

期制を導入し、第1タームにキ

ャリア教育の視点から見た初年

次教育を履修義務科目である、

「フレッシュマンスキル」を実施

した。全7回の講義中(1回

105分)、初回と最終回に自

己評価によるルーブリック評価

およびポートフォリオを実施

し、学修成果の測定を試みた。

 「フレッシュマンスキル」のク

ラス分けは入学時に実施した

「基礎学力チェック」に基づい

て、S1、S2、S3クラスの

3つとした。S1クラスは総数

210名で1クラス定員35名、

S3クラスは得点の上位の学生

240名、S2クラスは得点が

中位の学生1064名でクラス

定員54名とした。

⒉ 「フレッシュマンスキル」の講義内容

⑴S1クラスおよびS2クラスの講義内容は表1に示すと

おりである。3回目および5回目に基礎・標準SPIの

課題を出し、提出期限を守らせるよう指導した。

⑵一方、S3クラスの内容は、商学部金丸准教授による

もので、大学の講義科目のような〇〇論といった勉強

ではなく、4名のゲストスピーカーを招き、人間の志

や心の持ち方とい

った人間の本質や

生きるうえでの「大

切な志」について学

んだ。

S1・S2・S3

クラス別の出席

状況

 第1ターム全7回の

出席状況を表2に

S1・S2・S3クラス

別に示した。結果は、

どのクラスの学生も概

ね4回以上は出席して

おり、皆出席の学生はS1ク

ラスでは約2割、S2クラス

では約5割、S3クラスでは

約7割であった。

クラス別のルーブリック

評価と学びによる成長

 ルーブリックは社会人基

礎力(3観点5段階①一歩踏

み出す力、②考え抜く力、③

チームで働く力)、自己実現

力(3観点5段階①目標設

定、②スケジュール管理、③達成志向)、コミュニケーシ

ョン力(3観点5段階①傾聴力、②提案力、③議論力)の3

つについて作成し、学生の1回目および7回目の基準を

表3に示した。

 その結果、7回目のルーブリックの基準値は社会人基

礎力、自己実現力、コミュニケーション力のいずれの観

点においても、概ねS1<

S2<

S3の傾向が見られた

が、差(基準値の上昇)についてはその傾向は見られなか

った(表3)。

 ルーブリック評価については、これまで、キャリアデ

ザイン科目や「農業経済論」、「ワークショップA」で実施

してきたが、授業形態が異なっていても概ねルーブリッ

ク評価は活用できることを明らかにしてきた。基礎学力

チェックの得点によってクラス分けした「フレッシュマ

ンスキル」でも最終授業において測定したルーブリック

の基準は、成

績の良いクラ

スほど高くな

っていた。特

に、自己実現

の「①目標設

定」ではその

傾向は顕著

であった。

表1.S1・S2クラスでの講義内容

第1回 ①ルーブリック、❶ポートフォリオ、大学について知る、 建学の精神、学位授与方針、施設設備を活用する。

第2回 社会人基礎力の養成、コミュニケーション力、 考える力、チームワーク、社会貢献、働くことの意味。第3回 学修行動・学修時間、時間管理力。第4回 学生行動基準、社会規範、モラル意識の高い大阪学院大生。第5回 大学での学修、将来設計、4年間の学修計画。第6回 大学生活において最も大切なこと、新入生へのメッセージ。

第7回 ②ルーブリック、❷ポートフォリオ、本学のキャリア教育、 アクティブ・ラーニング、産学連携PBL等の紹介。

講義回数 講義内容

表2.S1・S2・S3クラス別の出席状況

0回 5 (2.4%) 14 (1.4%) 2 (0.8%) 1回 7 (3.3%) 22 (2.2%) 1 (0.4%) 2回 4 (1.9%) 18 (1.8%) 3 (1.3%) 3回 2 (0.9%) 15 (1.5%) 1 (0.4%) 4回 18 (8.5%) 54 (5.4%) 7 (2.9%) 5回 50 (23.7%) 143 (14.2%) 17 (7.1%) 6回 75 (35.5%) 273 (27.1%) 38 (16.0%) 7回 50 (23.7%) 521 (51.6%) 169 (71.0%)

出席回数 S1(211) S2(1009) S3(238) (名)

表3. S1 ・S2 ・S3クラス別の学びによる成長測定(自己評価によるルーブリックの基準)

社会人基礎力(平均) 2.7 2.6 -0.1 2.7 3.1 0.4 2.9 3.2 0.3 ①一歩踏み出す力 2.7 2.7 0.0 2.7 3.0 0.3 2.8 3.1 0.3 ②考え抜く力 2.2 2.9 0.7 2.2 3.2 1.0 2.6 3.4 0.8 ③チームで働く力 3.0 2.0 -1.0 3.0 3.0 0.0 3.2 3.1 -0.1 自己実現力(平均) 2.6 2.8 0.2 2.6 3.2 0.6 2.7 3.3 0.6 ①目標設定 2.5 2.7 0.2 2.5 3.5 1.0 2.6 3.8 1.2 ②スケジュール管理 2.6 2.8 0.2 2.8 3.0 0.2 3.0 3.1 0.1 ③達成志向 2.6 3.0 0.4 2.4 3.0 0.6 2.5 3.1 0.6 コミュニケーション力(平均) 2.6 3.1 0.5 2.0 3.2 1.2 2.9 3.3 0.4 ①傾聴力 3.0 3.1 0.1 3.2 3.2 0.0 3.4 3.3 -0.1 ②提案力 2.5 2.9 0.4 2.5 3.0 0.5 2.7 3.1 0.4 ③議論力 2.4 3.3 0.9 2.4 3.3 0.9 2.7 3.3 0.6

出席回数 S1クラス1回目 7回目 差 1回目 7回目 差 1回目 7回目 差

S2クラス S3クラス

図1.S2クラス(定員54 名)およびS3クラス(定員240 名)の授業の様子

教育開発支援センターは平成29年度から新入生に対して、キャリアデザインの視点からの初年次教育プログラム「フレッシュマンスキル」を

第1タームに実施した。その評価・検証については日本教育情報学会第33回年会において発表したものを、要約して掲載する。

白川雄三

教育開発支援センター所長

分析者

喜田昌樹

経営学部教授

  後藤晃範

経営実務科教授

Page 9: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

08 07

平成29年度

 初年次教育および学修支援に関するアンケート

本アンケートは、2017年度入学の7学部の1年次生1536名を対象に「初年次教育」の

改善を検討する目的で2017年7月におこなった。アンケートの回収は1289名であり、

回収率83.9%である。回答は、5段階のリッカート尺度とし、5・4段階を「肯定的」な回

答、2・1段階を「否定的」な回答とし、どちらにも偏りが見られないものを「中立的」としてま

とめている。なお、今年度の分析結果の全体的な傾向としては、昨年度同様であった。ただし、

これまでに比べ、今年度前期の修得単位数や前期末でのGPAは、高くなっている。

1

本学への進学理由・学習意欲・能力の変化

 本学への進学理由についての結果は、自分の意思

での進学(肯定的52・2%)や学部の内容(肯定的46・

0%)を重視し、本学への進学を選択しており、昨

年度と同様の傾向である。

 次に、学習意欲(学習方法の理解)については、大

学での勉強の仕方がわかっていない現状が明らかに

なった(否定的32・1%)。また、勉強への集中(否

定的34・9%)やなぜそうなるのか原因・理由を探

索することへの態度(否定的33・7%)についても、

昨年度と傾向は同じであるが、割合については前

年度より否定的な割合が減少している。その結果

は、修得単位数の増加に表れており、フレッシュマ

ンスキルなどの授業によるアカデミックスキルなど

の徹底の効果の1つと考えられる。

 大学での能力および知識の変化については、これ

まで概ね肯定的な回答の多かったPCの操作能力

についてはわずかに肯定的な意見が減少(肯定的

32・2%)している。一般的な教養や専門知識、人

間関係や協調性、文章表現、コミュニケーション能

力、時間管理については中立的であり、前年度と同

様である。また、リーダーシップ能力(否定的46・

6%)、プレゼンテーション能力(否定的43・5%)

については、前年度と同様に、否定的で身について

いないと考えられる。しかし、1年次前期を対象と

しているため、ゼミナールなども授業が終了してお

らず、リーダーシップやプレゼンテーション能力を

必要とする授業も多くないのも一因だと考えるが、

アクティブラーニングの積極的な導入などにより、

改善を図らなければならない課題でもある。

2

学修への満足度と学修支援

 満足度については、各項目の平均点を計算して

いる。5段階で「5」が肯定的であることから、点数

が高い方が肯定的である。

 学修への満足度については昨年度と比較して、上

がっている科目および項目としては、専攻科目

(3・13)、フレッシュマンスキル(3・19)、ゼミナ

ール(3・38)、教職員による学習支援(3・01)、個

別の学習指導(2・90)、履修のアドバイス(2・98)

などである。

 一方、下がっている、もしくは変わらない項目と

しては、共通科目(2・97)、授業の全体的な質(2・

93)、クラスの学生数(3・02)学生の一体感(2・77)、

学生の交流(2・79)がある。

 満足度の平均値を見てみると、肯定的(3以上)

は、ゼミナール、フレッシュマンスキル、専攻科目、

クラスの学生数、教職員の学修支援である。否定的

(3未満)なのは、学生の一体感、学生の交流、個別

の学習指導、授業の質、共通科目、履修のアドバイ

スであり、前年度も高かったゼミナールや導入教

育、専攻科目は、さらに満足度が向上している。満

足度が否定的な項目も、前年度と同様であるが、

学生の一体感や学生の交流についてとなっており、

授業の点よりも学生生活の満足度が得られていな

い点は、より顕著になっている。

3

フレッシュマンスキル、1年次配当専

攻科目、学習支援室についての調査

 前年度まで調査してきた「学びの基盤」と「学びの

扉」は「フレッシュマンスキル」と「1年次配当の専攻

科目の学習」についての調査に変更した。

 アカデミックスキルや建学の精神やDPなどにつ

いて学ぶ、「フレッシュマンスキル」については、先

の結果でも示したように、満足度は高く、建学の精

神やDPなど60%以上の認知度となっており、満足

度と併せ、効果的であったと考えられる。

 また、1年次配当「専攻科目」についての調査は前

年度までの「学びの扉」を発展させたものである。

「自分なりにものの見方が広くなり、成長した気が

する」、「大学での授業は難しいが、その分やりがい

がある」等の専攻科目の窓口としてのやりがいにつ

いての質問項目については、前年度と同様に中立的

であることが明らかになった。

 「学習支援室」については、学習支援室の認知度

が上昇し、昨年度よりも大きく改善していること

が明らかになった(肯定的40・6%)。しかし、利用

している学生(肯定的12・1%)は一部であり、今後

の活用方法について、さらなる検討が必要である。

4

集計結果とGPAとの関係

 本アンケートから以上のような集計結果を得た。

しかし、態度項目(満足度)など中立的な項目も多

く、成績(GPA)との関係を見ることにした。

 GPAについては中央値が2・05であるため、

2・0を閾値として上位層と下位層に分け、t検定

およびw

ilcoxon

検定をおこなった。

 その結果、本学への進学理由として、「自分の意思

で入学した」「学部・学科で学ぶ内容に興味があっ

た」は、GPA上位層の回答が下位層よりも値が高

く統計的に有意であった。

 「大学での勉強の仕方がわかっている」、「勉強への

集中」、「なぜそうなるのか原因・理由を探索するこ

とへの態度」など、否定的な項目も統計的有意

(1%有意)となった。なお、全体としても低い「リ

ーダーシップ能力」と「プレゼンテーション能力」に

ついては有意な結果ではなかった。

 満足度においては、否定的であった学生の一体感、

個別の学習指導、授業の質、履修のアドバイスなど

が統計的有意(1%有意)となった。

 学習支援室についても、GPAの高い層ではその

存在が知られていることが統計的有意となった。

 そのため、GPA上位層と下位層でのt検定およ

びwilcoxon

検定の結果から統計的有意となる結果

については、大きな問題はないものの、一方で、統

計的有意とならないものは、上位層と下位層で差

がないことが考えられ、以下は全学的な問題であ

るといえる。

 「授業をつまらないと感じたことがある」「リーダ

ーシップ能力が向上した」「プレゼンテーション能力

が向上した」などである。

 学部の内容に興味を持ち、自らの意思で本学に

進学したものは、共通科目、専攻科目により、その

知識能力を身につけ、授業に対する満足度も高く、

その結果、高いGPAが獲得できると考えられる。

しかし、リーダーシップの能力とプレゼンテーショ

ン能力に課題があり、それを修得するような

PBL等の科目設置および充実が必要であると考

えられる。

初年次生の不安に思っていることを知る!

 このアンケートには、自由表記の質問が含まれ

ており、今回は、①最も不安だったこと、②最も不

満なことの関係性について調べた。

 初年次教育の大きな目的に、不安や不満を取り

除くことがあげられる。そして、学生が自らの学

びに入るためには、重要なことであると考えられ

る。アンケート調査の結果、学生にとっての3大

不安は、「単位が取れるか」、「友人ができるか」、「授

業についていけるか」であった。しかし、授業や単

位に対する不安をあげる学生の「不満」を見ると、

必ずしも「授業」や「単位修得」に関する不満を

持つ学生は多くなかった。このことは、大学の授

業を経験して、受講や単位修得の仕組みがわかる

と不満は解消するのではないかと考えられる。つ

まり、時間が解決してくれるのを待つしかない。

 一方、「友人作り」は、大学の色々な情報収集だ

けでなく、悩み等の相談相手としても重要である。

すなわち、多くの不安を抱える学生たちには、友

人の存在は、大学生活を継続するセーフティー

ネット的な役割を果たしているのではと考えられ

る。また、「友人作り」に不安を持っている学生の

うち、「友人ができない」不満を持つ学生も多く、

不安が不満にまで拡大していることが分かった。

平成29年度第1ターム「フレッシュマンスキル」の評価・検証

初年次教育「フレッシュマンスキル」の概要

 本学では平成29年度から4学

期制を導入し、第1タームにキ

ャリア教育の視点から見た初年

次教育を履修義務科目である、

「フレッシュマンスキル」を実施

した。全7回の講義中(1回

105分)、初回と最終回に自

己評価によるルーブリック評価

およびポートフォリオを実施

し、学修成果の測定を試みた。

 「フレッシュマンスキル」のク

ラス分けは入学時に実施した

「基礎学力チェック」に基づい

て、S1、S2、S3クラスの

3つとした。S1クラスは総数

210名で1クラス定員35名、

S3クラスは得点の上位の学生

240名、S2クラスは得点が

中位の学生1064名でクラス

定員54名とした。

⒉ 「フレッシュマンスキル」の講義内容

⑴S1クラスおよびS2クラスの講義内容は表1に示すと

おりである。3回目および5回目に基礎・標準SPIの

課題を出し、提出期限を守らせるよう指導した。

⑵一方、S3クラスの内容は、商学部金丸准教授による

もので、大学の講義科目のような〇〇論といった勉強

ではなく、4名のゲストスピーカーを招き、人間の志

や心の持ち方とい

った人間の本質や

生きるうえでの「大

切な志」について学

んだ。

S1・S2・S3

クラス別の出席

状況

 第1ターム全7回の

出席状況を表2に

S1・S2・S3クラス

別に示した。結果は、

どのクラスの学生も概

ね4回以上は出席して

おり、皆出席の学生はS1ク

ラスでは約2割、S2クラス

では約5割、S3クラスでは

約7割であった。

クラス別のルーブリック

評価と学びによる成長

 ルーブリックは社会人基

礎力(3観点5段階①一歩踏

み出す力、②考え抜く力、③

チームで働く力)、自己実現

力(3観点5段階①目標設

定、②スケジュール管理、③達成志向)、コミュニケーシ

ョン力(3観点5段階①傾聴力、②提案力、③議論力)の3

つについて作成し、学生の1回目および7回目の基準を

表3に示した。

 その結果、7回目のルーブリックの基準値は社会人基

礎力、自己実現力、コミュニケーション力のいずれの観

点においても、概ねS1<

S2<

S3の傾向が見られた

が、差(基準値の上昇)についてはその傾向は見られなか

った(表3)。

 ルーブリック評価については、これまで、キャリアデ

ザイン科目や「農業経済論」、「ワークショップA」で実施

してきたが、授業形態が異なっていても概ねルーブリッ

ク評価は活用できることを明らかにしてきた。基礎学力

チェックの得点によってクラス分けした「フレッシュマ

ンスキル」でも最終授業において測定したルーブリック

の基準は、成

績の良いクラ

スほど高くな

っていた。特

に、自己実現

の「①目標設

定」ではその

傾向は顕著

であった。

表1.S1・S2クラスでの講義内容

第1回 ①ルーブリック、❶ポートフォリオ、大学について知る、 建学の精神、学位授与方針、施設設備を活用する。

第2回 社会人基礎力の養成、コミュニケーション力、 考える力、チームワーク、社会貢献、働くことの意味。第3回 学修行動・学修時間、時間管理力。第4回 学生行動基準、社会規範、モラル意識の高い大阪学院大生。第5回 大学での学修、将来設計、4年間の学修計画。第6回 大学生活において最も大切なこと、新入生へのメッセージ。

第7回 ②ルーブリック、❷ポートフォリオ、本学のキャリア教育、 アクティブ・ラーニング、産学連携PBL等の紹介。

講義回数 講義内容

表2.S1・S2・S3クラス別の出席状況

0回 5 (2.4%) 14 (1.4%) 2 (0.8%) 1回 7 (3.3%) 22 (2.2%) 1 (0.4%) 2回 4 (1.9%) 18 (1.8%) 3 (1.3%) 3回 2 (0.9%) 15 (1.5%) 1 (0.4%) 4回 18 (8.5%) 54 (5.4%) 7 (2.9%) 5回 50 (23.7%) 143 (14.2%) 17 (7.1%) 6回 75 (35.5%) 273 (27.1%) 38 (16.0%) 7回 50 (23.7%) 521 (51.6%) 169 (71.0%)

出席回数 S1(211) S2(1009) S3(238) (名)

表3. S1 ・S2 ・S3クラス別の学びによる成長測定(自己評価によるルーブリックの基準)

社会人基礎力(平均) 2.7 2.6 -0.1 2.7 3.1 0.4 2.9 3.2 0.3 ①一歩踏み出す力 2.7 2.7 0.0 2.7 3.0 0.3 2.8 3.1 0.3 ②考え抜く力 2.2 2.9 0.7 2.2 3.2 1.0 2.6 3.4 0.8 ③チームで働く力 3.0 2.0 -1.0 3.0 3.0 0.0 3.2 3.1 -0.1 自己実現力(平均) 2.6 2.8 0.2 2.6 3.2 0.6 2.7 3.3 0.6 ①目標設定 2.5 2.7 0.2 2.5 3.5 1.0 2.6 3.8 1.2 ②スケジュール管理 2.6 2.8 0.2 2.8 3.0 0.2 3.0 3.1 0.1 ③達成志向 2.6 3.0 0.4 2.4 3.0 0.6 2.5 3.1 0.6 コミュニケーション力(平均) 2.6 3.1 0.5 2.0 3.2 1.2 2.9 3.3 0.4 ①傾聴力 3.0 3.1 0.1 3.2 3.2 0.0 3.4 3.3 -0.1 ②提案力 2.5 2.9 0.4 2.5 3.0 0.5 2.7 3.1 0.4 ③議論力 2.4 3.3 0.9 2.4 3.3 0.9 2.7 3.3 0.6

出席回数 S1クラス1回目 7回目 差 1回目 7回目 差 1回目 7回目 差

S2クラス S3クラス

図1.S2クラス(定員54 名)およびS3クラス(定員240 名)の授業の様子

教育開発支援センターは平成29年度から新入生に対して、キャリアデザインの視点からの初年次教育プログラム「フレッシュマンスキル」を

第1タームに実施した。その評価・検証については日本教育情報学会第33回年会において発表したものを、要約して掲載する。

白川雄三

教育開発支援センター所長

分析者

喜田昌樹

経営学部教授

  後藤晃範

経営実務科教授

Page 10: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

10 09

京 都

神 戸

大阪北

進学説明会(教員対象)開催日程

大阪南

ホテルグランヴィア京都京都市下京区烏丸通塩小路下ル JR京都駅中央口tel.(075)344-8888

ザ・リッツ・カールトン大阪大阪市北区梅田2-5-25tel.(06)6343-7000

天王寺都ホテル大阪市阿倍野区松崎町1-2-8tel.(06)6628-3200

ホテルクラウンパレス神戸神戸市中央区東川崎町1-3-5tel.(078)362-1155

5月22日(火)

5月25日(金)

5月29日(火)

6月 1日(金) お問い合わせは、入試事務室までTEL(06)6381-8434(代表)

14:30 受付開始

15:00 挨拶

本学の教育・サポート体制

学修システム・支援体制について

グローバルサポート キャリアサポートについて

平成31年度入学試験の概要(変更点) について

16:40 終了予定

第1回

SD講習会

開催

 大学設置基準の一部変更に伴い、平成29年4月より、

大学のSD活動が義務化されました。教育開発支援セン

ターでは、専門部会「SD義務化検討ワーキンググループ」

での検討の結果、SD活動の義務化が実施される経緯や背

景を読み解き、本学の教育の質向上に資するデータ分析に

欠かせないExcel

の基礎スキルを養う3日間の講習会を実

施しました〔平成29年8月1日(火)・2日(水)・3日(木)〕 。

 3日間の講習では、データ処理を自動化するマクロ、VB

(Visual Basic

)や解析した結果を可視化するためのグラ

 京都産業大学経済学部客員教授の荒山裕行氏を講師に

お招きし、「これからの大学教育とアクティブ・ラーニン

グ」と題し、平成29年度第2回目のFD・SD講演会を開

催しました。﹇平成29年11月6日(月)﹈

 今回のFD・SD講演会は、荒山氏がアメリカの大学院

で体験した教育に基づいた講演であり、アクティブ・ラ

ーニングの本質とは何かを考えさせられるものでした。

一般的に大学や教員が関心を持つのは「いかに教えるか」

ですが、同時に学生が「いかに学ぶか」を深く理解するこ

第1回

FD・SD講演会

開催報告

 大阪大学大学院経済学研究科教授の松村真宏氏を講師

にお招きし、「仕掛学―

魅力的な行動の選択肢を増やし、

目的を達成する」と題した、平成29年度第1回FD・SD

講演会を開催しました。﹇平成29年6月26日(月)﹈

 今回の講演会では、身近な社会の中に見られる仕掛け

を紹介しながら、仕掛けの公平性(Fairness

)・誘引性

(Attractiveness

)や目的の2重性(D

uality of purpose

)、

仕掛けのメカニズムなどについて説明していただきまし

た。また、自動消毒器の利用促進の事例では、仕掛ける

側の目的=「食事をとる場所だから衛生的に手を消毒させ

フ化について学びました。

とも重要です。「W

hy

」の問いを深める

ことが教育であることに基づいたアク

ティブ・ラーニングは、学ぶことの楽

しさを感じるものであり、また、大学

は学生との契約であるシラバスを精緻

にすることで、アクティブ・ラーニン

グの学修環境が整備されます。

たい」、仕掛けられる側の目的=「ライオンの口に手を入

れたい」という、2

つの目的が異なるこ

とで、上手い仕掛け

になることをご紹介

いただきました。

松村真宏氏による講演の様子3日間の講習会の様子 荒山裕行氏による講演の様子

平成29年度

第2回

FD・SD講演会

開催報告

平成29年度

平成29年度

学習支援室の

SLA (Student Learning A

dviser

紹介

 私は入学時、プログラミング経験などの情報に関する知

識が全くありませんでした。学習支援室で後輩の学習支援

をしたり、ゲーム制作ができるまでに成長するとは思って

もいませんでした。そんな私でも友達や、先生が教えてく

ださったおかげで、好成績を3年間維持できました。

 特に3年次には、 4カ月間をかけてゼミチームでVRゲー

ムを開発するなど、

自分の成長を実感できました。しかし、

無情にも発表の場であった大学の岸辺祭は、台風のため途

中で中止になり、せっかくの研究を多くの人に見てもらう

ことができず、大変悔しい思いをしましたが、活動内容を学

内の 「青春チャレンジコンテスト」に応募したところ、

銀賞

をいただきました。

 このような充実した時間を、情報学部の先生方、ゼミ仲間、

教育開発支援センター、学習支援室の先生方、学習支援を

通じて出会った後輩たちなど、

多くの方に支えられて過ごす

ことができました。残り1年、

勉学を怠らずに頑張りたいと

思います。

 最後に、最近覚えた言葉を紹介したいと思います。「鉄も

使わないと錆びる。怠惰もまた、心の活力を奪ってしまう。」

(レオナルド・ダ・ヴィンチ)物事を続けるのは辛いかもしれ

ませんが、サボってしまえばクセになってしまいます。そし

てクセになるといつの間にかそれに対する価値もどんどんわ

からなくなっていきます。

そのようことにならないよ

う、長い人生の道りをまっ

すぐに走り抜けたいと思

います。

情報学部4年次生 板谷 由菜さん

平成30年度SD活動の指針

 教育開発支援センターに設けられた「SD義務化検討ワーキンググループ」において、平成30年度の「SD活動の指針」が決定された。昨年度のSD指針を踏襲し、平成30年度は新たに、本学の国際化ビジョンに基づき、「大学教育のグローバル化」が加えられた。したがって、「本学の内部質保証システム」の充実や「教育のグローバル化」につながるSD活動を行うことにする。

1.内部質保証システムの管理手法としてのPDCAサイクルの実質化 PDCAサイクルの実質化のためには、PDCAの各ステップを精緻化する必要があり、PLAN(P)段階では、達成すべき目標の明確化(目標の構造化)に加え、達成に必要な条件整備や諸資源の投入計画などを可能な限り明らかにしておくことが求められる。また、CHECK(C)段階では、現況の適切な把握である「点検」に留まらず、目標と照合して、活動の進捗状況を「評価」することが必要である。 以上のことから、「Excel」を活用した教育プログラムを評価・検証するスキルを養うSD研修会を企画する。

2.教育のグローバル化 本学の国際化ビジョンに基づく、教育のグローバル化を推進させるためのSD活動を実施する。したがって、本学のグローバル化対応のための教育活動等の適切かつ効果的な運営を図るために必要な知識および技能を習得するためのSD活動を行うこととする。例えば、留学生に対するキャリア支援や、英語表記のシラバス作成等の推進を図る。

平成29年11月6日(月)

平成29年8月1日(火)・2日(水)・3日(木)

平成29年6月26日(月)

Page 11: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

10 09

京 都

神 戸

大阪北

進学説明会(教員対象)開催日程

大阪南

ホテルグランヴィア京都京都市下京区烏丸通塩小路下ル JR京都駅中央口tel.(075)344-8888

ザ・リッツ・カールトン大阪大阪市北区梅田2-5-25tel.(06)6343-7000

天王寺都ホテル大阪市阿倍野区松崎町1-2-8tel.(06)6628-3200

ホテルクラウンパレス神戸神戸市中央区東川崎町1-3-5tel.(078)362-1155

5月22日(火)

5月25日(金)

5月29日(火)

6月 1日(金) お問い合わせは、入試事務室までTEL(06)6381-8434(代表)

14:30 受付開始

15:00 挨拶

本学の教育・サポート体制

学修システム・支援体制について

グローバルサポート キャリアサポートについて

平成31年度入学試験の概要(変更点) について

16:40 終了予定

第1回

SD講習会

開催

 大学設置基準の一部変更に伴い、平成29年4月より、

大学のSD活動が義務化されました。教育開発支援セン

ターでは、専門部会「SD義務化検討ワーキンググループ」

での検討の結果、SD活動の義務化が実施される経緯や背

景を読み解き、本学の教育の質向上に資するデータ分析に

欠かせないExcel

の基礎スキルを養う3日間の講習会を実

施しました〔平成29年8月1日(火)・2日(水)・3日(木)〕 。

 3日間の講習では、データ処理を自動化するマクロ、VB

(Visual Basic

)や解析した結果を可視化するためのグラ

 京都産業大学経済学部客員教授の荒山裕行氏を講師に

お招きし、「これからの大学教育とアクティブ・ラーニン

グ」と題し、平成29年度第2回目のFD・SD講演会を開

催しました。﹇平成29年11月6日(月)﹈

 今回のFD・SD講演会は、荒山氏がアメリカの大学院

で体験した教育に基づいた講演であり、アクティブ・ラ

ーニングの本質とは何かを考えさせられるものでした。

一般的に大学や教員が関心を持つのは「いかに教えるか」

ですが、同時に学生が「いかに学ぶか」を深く理解するこ

第1回

FD・SD講演会

開催報告

 大阪大学大学院経済学研究科教授の松村真宏氏を講師

にお招きし、「仕掛学―

魅力的な行動の選択肢を増やし、

目的を達成する」と題した、平成29年度第1回FD・SD

講演会を開催しました。﹇平成29年6月26日(月)﹈

 今回の講演会では、身近な社会の中に見られる仕掛け

を紹介しながら、仕掛けの公平性(Fairness

)・誘引性

(Attractiveness

)や目的の2重性(D

uality of purpose

)、

仕掛けのメカニズムなどについて説明していただきまし

た。また、自動消毒器の利用促進の事例では、仕掛ける

側の目的=「食事をとる場所だから衛生的に手を消毒させ

フ化について学びました。

とも重要です。「W

hy

」の問いを深める

ことが教育であることに基づいたアク

ティブ・ラーニングは、学ぶことの楽

しさを感じるものであり、また、大学

は学生との契約であるシラバスを精緻

にすることで、アクティブ・ラーニン

グの学修環境が整備されます。

たい」、仕掛けられる側の目的=「ライオンの口に手を入

れたい」という、2

つの目的が異なるこ

とで、上手い仕掛け

になることをご紹介

いただきました。

松村真宏氏による講演の様子3日間の講習会の様子 荒山裕行氏による講演の様子

平成29年度

第2回

FD・SD講演会

開催報告

平成29年度

平成29年度

学習支援室の

SLA (Student Learning A

dviser

紹介

 私は入学時、プログラミング経験などの情報に関する知

識が全くありませんでした。学習支援室で後輩の学習支援

をしたり、ゲーム制作ができるまでに成長するとは思って

もいませんでした。そんな私でも友達や、先生が教えてく

ださったおかげで、好成績を3年間維持できました。

 特に3年次には、

4カ月間をかけてゼミチームでVRゲー

ムを開発するなど、

自分の成長を実感できました。しかし、

無情にも発表の場であった大学の岸辺祭は、台風のため途

中で中止になり、せっかくの研究を多くの人に見てもらう

ことができず、大変悔しい思いをしましたが、活動内容を学

内の 「青春チャレンジコンテスト」に応募したところ、

銀賞

をいただきました。

 このような充実した時間を、情報学部の先生方、ゼミ仲間、

教育開発支援センター、学習支援室の先生方、学習支援を

通じて出会った後輩たちなど、

多くの方に支えられて過ごす

ことができました。残り1年、

勉学を怠らずに頑張りたいと

思います。

 最後に、最近覚えた言葉を紹介したいと思います。「鉄も

使わないと錆びる。怠惰もまた、心の活力を奪ってしまう。」

(レオナルド・ダ・ヴィンチ)物事を続けるのは辛いかもしれ

ませんが、サボってしまえばクセになってしまいます。そし

てクセになるといつの間にかそれに対する価値もどんどんわ

からなくなっていきます。

そのようことにならないよ

う、長い人生の道りをまっ

すぐに走り抜けたいと思

います。

情報学部4年次生 板谷 由菜さん

平成30年度SD活動の指針

 教育開発支援センターに設けられた「SD義務化検討ワーキンググループ」において、平成30年度の「SD活動の指針」が決定された。昨年度のSD指針を踏襲し、平成30年度は新たに、本学の国際化ビジョンに基づき、「大学教育のグローバル化」が加えられた。したがって、「本学の内部質保証システム」の充実や「教育のグローバル化」につながるSD活動を行うことにする。

1.内部質保証システムの管理手法としてのPDCAサイクルの実質化 PDCAサイクルの実質化のためには、PDCAの各ステップを精緻化する必要があり、PLAN(P)段階では、達成すべき目標の明確化(目標の構造化)に加え、達成に必要な条件整備や諸資源の投入計画などを可能な限り明らかにしておくことが求められる。また、CHECK(C)段階では、現況の適切な把握である「点検」に留まらず、目標と照合して、活動の進捗状況を「評価」することが必要である。 以上のことから、「Excel」を活用した教育プログラムを評価・検証するスキルを養うSD研修会を企画する。

2.教育のグローバル化 本学の国際化ビジョンに基づく、教育のグローバル化を推進させるためのSD活動を実施する。したがって、本学のグローバル化対応のための教育活動等の適切かつ効果的な運営を図るために必要な知識および技能を習得するためのSD活動を行うこととする。例えば、留学生に対するキャリア支援や、英語表記のシラバス作成等の推進を図る。

平成29年11月6日(月)

平成29年8月1日(火)・2日(水)・3日(木)

平成29年6月26日(月)

Page 12: vol.1 3 - osaka-gu.ac.jp

vol.13M a y . 2 0 1 8

渺望 vol.13 2018年3月31日発行

20186月17日(日)7月21日(土)・28日(土)・29日(日)8月19日(日)・9月9日(日)入試説明会、個別相談(入試・奨学金・就職・資格・留学など)、講義体験、キャンパス見学、クラブ見学・相談、学食ランチ体験 ほか※詳細については本学ホームページでご確認ください

10:00~15:00(受付開始:9:30~)

特集学修成果の多面的な評価獲得プロセスを学生と教員が共有・把握する官学連携PBL

学習支援室のSLA紹介