35
1 キーワード方言共通語意識調査web アンケート,全国調査 要 旨 本稿では,2016 12 実施した全国 47 都道府県居住する 20 歳以上2 万人とした web アンケート調査づき,方言共通語意識最新動向報告分析った。その結果伝統的方言区画念頭においた 12 生育地ブロックは,「首都圏「その」に大区分された。その下位区分において,「沖縄」が東日本方言分布域分類されたことは従来調査結果づく地域分類とはきくなる。年代した検討からは,高年層共通語価値見出世代中年層方言価値見出世代若年層方言共通語区別があいまいしているものの共通語には価値見出 さない世代きくまとめられる。本稿は,元々調査企画趣旨である,類似項目いた調査方法なる大規模調査間対照のための基礎的報告という意味ももち,分析 いた 7 つの設問結果しくした。 1.はじめに 本稿は,2016 12 実施した全国 47 都道府県居住する2 万人から最新方言共通語意識についての web アンケート調査づく報告である。本報告は,調査 結果基本報告え,地域年代注目した分析方言共通語についての言語意識 づく地域のタイプ分類うことをたる目的とする。 2016 年全国方言意識 web 調査以下2016 web 調査)の背景には,つの問題意識 がある。は,方言共通語意識についての最新状態把握したいということで ある。えて 2016 web 調査ではより大規模調査目指した。生育地ブロックや育地ブロックごとの年代差分析可能にし,より分析うためである。は,類似項目いた調査方法なる調査結果対照することによって,調査方法特性検討したいという目的をもつことである 1。これらの問題意識づき筆者らは 全国 2 万人 web アンケート調査づく 方言共通語意識最新動向 田 中 ゆかり 344

webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

1

キーワード:方言,共通語,意識調査,webアンケート,全国調査

要 旨

本稿では,2016年12月に実施した全国47都道府県に居住する20歳以上の2万人を対象としたwebアンケート調査に基づき,方言・共通語意識の最新動向の報告と分析を行った。その結果,伝統的な方言区画を念頭においた12の生育地ブロックは,「首都圏」対「その他」に大区分された。その下位区分において,「沖縄」が東日本方言分布域と同じ群に分類されたことは従来の調査結果に基づく地域分類とは大きく異なる。年代に注目した検討からは,高年層は共通語に価値を見出す世代,中年層は方言に価値を見出す世代,若年層は方言と共通語の区別があいまい化しているものの共通語には価値を見出さない世代と大きくまとめられる。本稿は,元々の調査企画の趣旨である,類似項目を用いた調査方法の異なる大規模調査間対照のための基礎的報告という意味ももち,分析に用いた7つの設問の結果を詳しく示した。

1.はじめに

本稿は,2016年12月に実施した全国47都道府県に居住する約2万人から得た最新の方言・共通語意識についてのwebアンケート調査に基づく報告である。本報告は,調査結果の基本報告に加え,地域・年代に注目した分析と方言と共通語についての言語意識に基づく地域のタイプ分類を行うことを主たる目的とする。

2016年全国方言意識web調査(以下,2016年web調査)の背景には,二つの問題意識がある。一つ目は,方言・共通語意識についての最新の状態を把握したいということである。加えて2016年web調査ではより大規模な調査を目指した。生育地ブロックや生育地ブロックごとの年代差の分析を可能にし,より深い分析を行うためである。二つ目は,類似項目を用いた調査方法の異なる調査結果を対照することによって,調査方法の特性を検討したいという目的をもつことである 1)。これらの問題意識に基づき筆者らは

(  )

全国2万人webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

田 中 ゆかり

344

Page 2: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

2

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

2010年以来,同様項目を用いた方言・共通語意識についての大規模調査を共同研究の一環として繰り返し行っている。報告済みの2010年全国方言意識調査(以下,2010年調査)と2015年全国方言意識web調査(以下,2015年web調査)の結果との比較も本稿では適宜行う 2)。各調査の詳細については,田中ゆかり(2011 pp97-114;2012),田中ゆかり・前田忠彦(2012;2013),田中ゆかり・林直樹・前田忠彦・相澤正夫(2016)を参照。なお,狭い地域や地点に限定した単発的な方言・共通語意識についての調査報告は少

なからず存在する一方で,全国を網羅し,継続性を視野に入れた方言・共通語意識調査は,1978年と1996年に実施されたNHK全国県民意識調査の方言についての三項目 3)

(NHK放送文化研究所編1997)を除くと見当たらない。本稿は,方言・共通語を中心とした言語意識について,全国を網羅した大規模な継続的調査を目指す研究の一環と位置付けられる。言語意識と言語実態は一致する場合もあるが,齟齬することも多い。意識が実態に先行することもあるし,実態の後追いとなることもある。その齟齬が,実態を牽引あるいは抑制する働きをもつことはこれまでの研究からも明らかである。意識と実態の把握を言語動態研究の両輪と捉え,両者を継続的に調査していくことは,言語変化研究推進の一翼を担うものと考える。

2.2016年web調査概要

調査概要は,以下の通り。2016年web調査の設計・調査票作成は,筆者の他,付記に示した共同研究メンバー

の相澤正夫・前田忠彦・林直樹とともに行った。調査の実施は,調査会社(クロス・マーケティング株式会社)に委託した。調査方法は,web上に設置した調査サイトにアクセスして回答を求めるwebアンケー

ト方式を採用した。webアンケートは回答者の代表性についての疑念はありながらも,同数サンプル回収を目指す場合は相対的に安価で,短期間で大きなサンプル回収が見込める調査方法であるため,近年各種マーケティング調査や一部社会調査などにおける採用が拡大している 4)。本調査は,先述の通り,言語研究のための調査としての適切性を探るために,その調査方法やそれに由来するデータ特性の検証事例とする目的も兼ねている。

2016年web調査の具体的な調査依頼と回答方法は,次の通りである。委託した調査会社がモニター登録している全国に居住する20歳以上の登録者に回答を呼びかけ,それに従い各人がweb環境に応じてアンケートが設置されたサーバーにアクセスし回答を行った。事前に設定したすべてのセルにおいて回収目標数を充足した時点で調査を終了した。調査期間・サンプル回収過程等については2.1で,回収目標設定・配信数・回収数については2.2,分析対象数等については2.3,調査項目については2.4で詳述する。

(  )

343

Page 3: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

3

2.1. 調査期間・サンプル回収過程

調査期間は2016年12月19日~26日までの8日間。ただし,回収不足セルを補うために21日に追加配信を行った。一方で,大幅に回収

目標を超えるセルを抑制するために23日にアンケートをいったん終了,24日に不足セルに督促配信をすると同時にアンケートを再開した。さらに26日にはその時点での不足セルに追加配信または督促を行った。26日時点における不足セルは,北陸居住男性20

代,中国居住男性20代,四国居住男性60代以上,沖縄居住男性20代,沖縄居住女性60

代以上の5セル。沖縄居住女性60代はモニター登録者全数に配信済みであったため,督促のみ行った。

2.2. 回収目標設定・配信数・回収数

事前のサンプル回収目標総数は20,000に設定した。2010年調査以来踏襲している方言区画等を意識した地域12ブロック(北海道・東北・北関東・首都圏[東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県]・甲信越・北陸・東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄)別に性2層(男性・女性)・年代5層(20代・30代・40代・50代・60代以上)の120セルに,平成27

(2015)年国勢調査データの人口比に基づき,回収目標数の20,000を割り振った(表1)。

直近の国勢調査人口比に基づく割り付けを行ったのは,調査時点における全国の縮図を得たいという目的に基づくものである。モニター登録者を回答候補者とするwebアン

ケート調査では,全国居住者から回答候補者を無作為抽出することはできない。回答候補者はモニター登録者であるというバイアス 5)は回避できないが,できる限り地域・性・年代が現実に近いものとしたいと考えての選択である。ただし,インターネット普及率は都道府県ならびに年代等による差が大きい。このことが回収データに影響を与えている可能性は否定できない 6)。

配信総数は144,728。2.1の過程を経て回収された回答総数は24,929で,回収率は

(  )

342

表1.目標割り付け数内訳(平成27(2015)年国勢調査人口比に基づく割り付け)居住地ブロック 合計北海道 東北 北関東首都圏甲信越 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州 沖縄

男性 年代 20代 46 76 62 374 44 26 144 192 64 30 110 14 118230代 60 100 82 476 58 34 182 230 82 40 144 18 150640代 70 114 98 572 70 40 218 290 96 48 156 20 179250代 64 116 84 428 64 34 176 228 84 44 152 18 149260代以上 166 282 208 944 168 92 424 582 228 124 384 34 3636

女性 年代 20代 46 72 56 356 42 24 132 194 62 30 114 14 114230代 62 96 76 450 54 32 168 238 80 40 150 18 146440代 74 110 90 536 66 40 206 300 96 48 166 20 175250代 70 116 80 404 64 36 172 240 86 48 164 18 149860代以上 220 364 246 1128 210 118 512 732 294 162 510 40 4536

合計 878 1446 1082 5668 840 476 2334 3226 1172 614 2050 214 20000

Page 4: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

4

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

17.2%である 7)。無効回答 8)を除いた有効回答は24,654で,総配信数における回収率17.0%である。回収目標を超えたセルについては調査会社が有効回答を無作為抽出し 9),

回収目標として設定した20,000サンプルの回答が納品された(配信総数の13.8%)。こ

の際,沖縄居住女性60代以上のセルは回収目標数に14不足したため,回収目標数を超えた沖縄居住男性60代以上のセルに有効回答を14上乗せして補った。納品サンプル数のセルごとの内訳は,表2の通り。

配信総数に対する回収率を従前の同様調査と比較すると,無作為抽出対面調査の2010年調査(n=1,347,回収率32.1%),本調査と同じモニター登録者へのwebアンケー

ト調査である2015年web調査(n=10,689,回収率28.4%)のいずれと比較してもかなり低い。回収サンプル24,654における回答所要時間の平均は18.3分,10時間(600分)以上要したサンプル107を除くと5.8分,設問ごとの離脱率は0~0.6%の範囲に収まっており,回答負担や設問・選択肢が回収率の低さに影響を与えたとは思えない。調査時期が年末ということが影響したかと想像し,調査会社に問い合わせたところ,本調査の無効回答を含む回収率は17.2%であるため,当該委託会社におけるwebアンケートの平均的回収率16.9%と大差なかった。生育地ブロック別の回収率をみると,東北がもっとも高く(20.9%),沖縄がもっとも低い(11.5%)。性・年代別では,20代男女がいずれも6.5%と

もっとも低く,年代が高くなるほど高い。60代以上では男性35.0%,女性30.1%である。

沖縄の回収率は2015年web調査でももっとも低く(17.7%),共通する傾向を示す 10)。

2.3. 分析対象

結果の報告に際しては,生育地方言に対する意識を尋ねる設問が中心となるため,回答者の居住地ではなく生育地に基づく分析結果を示す。本稿では,居住地とは別に尋ねた「中学校卒業までに一番長く生活した都道府県」における回答を生育地とみなす。言語形成期については諸説あるが 11),本調査では5~15歳の範囲とみなし,その上限が

(  )

341

表2.納品数内訳居住地ブロック 合計北海道 東北 北関東首都圏甲信越 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州 沖縄

男性 年代 20代 46 76 62 374 44 26 144 192 64 30 110 14 118230代 60 100 82 476 58 34 182 230 82 40 144 18 150640代 70 114 98 572 70 40 218 290 96 48 156 20 179250代 64 116 84 428 64 34 176 228 84 44 152 18 149260代以上 166 282 208 944 168 92 424 582 228 124 384 48 3650

女性 年代 20代 46 72 56 356 42 24 132 194 62 30 114 14 114230代 62 96 76 450 54 32 168 238 80 40 150 18 146440代 74 110 90 536 66 40 206 300 96 48 166 20 175250代 70 116 80 404 64 36 172 240 86 48 164 18 149860代以上 220 364 246 1128 210 118 512 732 294 162 510 26 4522

合計 878 1446 1082 5668 840 476 2334 3226 1172 614 2050 214 20000

Page 5: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

5

中学卒業と重なるため,わかりやすさを優先し,このような問い方を採用した。納品サンプル数のうち,上述のように生育地を尋ねた設問に対して「海外(44)」「わ

からない(268)」と回答したサンプルを除いた19,688を以下の分析対象とする。そのセルごとの内訳は表3の通り。

分析対象者の平均年齢は51.4歳(SD=15.3),もっとも若い回答者は20歳で,最高齢の回答者は99歳である。99歳の回答者が本当の回答者であるかは確かめようがない。これはどのような非対面調査にも共通する問題で,web調査固有の問題とはいえない 12)。90代以上の高齢な回答者を除くことも可能だが,本当の回答者も含む可能性は否定できないので,今回はこのまま分析を進める。ちなみに90代の回答者は17人と分析対象者数の0.1%に満たない。80代は166人で分析対象者数の0.8%で,併せても1%に満たない。60代以上の平均年齢は66.4歳(SD=5.2)である。

本調査における年代を,日本語社会における方言・共通語に対する意識の変化に基づく大括りな世代区分と対照すると,60歳以上の高年層が1970年代までの方言スティグマの時代に言語形成期を過ごした世代,50代以下が共通語化完了を受けての方言プレスティージ黎明期からこんにちにかけての時代に言語形成期を過ごした世代といえる。40・50代はテレビ世代でもあり,1980年代の「地方の時代」「個性の時代」に青年期を過ごし,方言に新たな価値を見出す世代,20・30代の若年層はインターネット普及以降のデジタルネイティヴで,ヴァーチャル方言世代とみることもできる(田中ゆかり2011;2016)。よって,本調査の回答傾向には,生育地ブロックによる地域差以外に,この60代以上の高年層・中年層(40・50代)・若年層(20・30代)という大きく3つの年層区分による違いも予想される。生育地を尋ねる設問とは別に「中学校卒業までに一番長く生活した場所」が調査時居

住地と一致しているかどうかを尋ねた。この結果,12の居住地ブロックごとの一致率は,北から順に北海道(82.1%),東北(86.3%),北関東(65.8%),首都圏(64.4%),甲信越(76.9%),北陸(87.5%),東海(80.5%),近畿(81.1%),中国(82.1%),四国(83.5%),

(  )

340

表3.分析対象者内訳(納品数から生育地「海外」44、「わからない」268を差し引いたもの)生育地ブロック 合計北海道 東北 北関東首都圏甲信越 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州 沖縄

男性 年代 20代 46 89 66 310 54 27 151 187 81 34 114 13 117230代 78 111 89 369 70 36 177 238 100 45 152 14 147940代 83 122 91 480 79 47 216 313 99 52 171 16 176950代 66 127 69 344 69 43 178 238 103 44 177 11 146960代以上 214 344 169 622 202 129 419 586 269 154 474 23 3605

女性 年代 20代 45 92 65 268 59 29 142 179 68 38 128 11 112430代 73 125 89 335 57 37 161 248 87 51 157 16 143640代 67 135 90 456 64 47 218 302 107 49 169 15 171950代 75 129 75 325 67 42 183 248 94 53 173 8 147260代以上 234 440 206 821 230 140 489 723 345 198 600 17 4443

合計 981 1714 1009 4330 951 577 2334 3262 1353 718 2315 144 19688

Page 6: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

6

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

九州(86.5%),沖縄(60.3%)であった。居住地と「中学校卒業までに一番長く生活した場所」が一致している回答者を当該地域ブロックの生え抜き(Native)群 13),そうで

ない回答者を非生え抜き(Non-Native)群とみると,生え抜き率は沖縄居住者でもっとも低く,北陸居住者でもっとも高い。

2.4. 調査項目

調査の設問カテゴリと項目数は,表4の通り。

3節以下では,生育地ならびに生育地方言・共通語意識の7項目(Q6は3つの場面別に回答を求めたので実質質問は9つ)について分析・報告する。この9つについての具体的な設問と選択肢を質問番号順に示す(選択肢は設問のあとの( )内)。いずれも複数の選択肢を示し択一的な選択をラジオボタンによって求めた 14)。これらの設問は,2015

年web調査と同じ項目設定だが,Q4とQ8の選択肢の数については他の設問とあわせるために,程度差のある選択肢を設け,3から5に増やした 15)。

Q3_ 生育地好悪(1=好き 2=どちらかというと好き 3=どちらでもない 4=どちら

かというと嫌い 5=嫌い 6=わからない)

Q4_ 生育地方言有無(1=はっきりとある 2=どちらかというとある 3=どちらとも

いえない 4=どちらかというとない 5=全くない 6=わからない)

Q5_ 生育地方言好悪(1=好き 2=どちらかというと好き 3=どちらでもない 4=ど

ちらかというと嫌い 5=嫌い 6=わからない)

Q6_1 生育地方言使用程度_A=家族(1=よく使う 2=使うことがある 3=使わない

4=わからない)

(  )

339

表4.設問カテゴリと項目数内訳設問カテゴリ(項目数) 設   問

フェイス項目(7)性/年齢/職業(定年等無職者への前職含む)/学歴/居住地(都道府県)/居住地と生育地の異動/生育地(中学校卒業までに一番長く生活した都道府県) 

生育地ならびに生育地方言・共通語意識項目(7)

Q3_ 生育地好悪/Q4_ 生育地方言有無/Q5_ 生育地方言好悪/Q6_ 生育地方言使用程度_A=家族・B=同郷友人・C=異郷友人/Q7_ 方言と共通語の割合/Q8_ 方言と共通語の使い分け/Q9_ 共通語好悪

メディア接触・志向性項目(5)

新しいことば使用意識/文化資本への投資行動/インターネットへのアクセス方法/インターネット利用頻度/各種メディア利用 (A=インターネットのホームページ B=パソコンメール C=携帯メール D=SNS E=ブログ F=Twitter G=LINEなどのメッセージアプリ H=ネット調査への参加 )

居住地居住期間・愛着・結びつきの程度など(4)

現住所居住期間/現住所居住継続志向/近所づきあいの程度/町内会・自治会所属の有無

Page 7: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

7

Q6_2 生育地方言使用程度_B=同郷友人(1=よく使う 2=使うことがある 3=使わない 4=わからない)

Q6_ 3 生育地方言使用程度_=C異郷友人(1=よく使う 2=使うことがある 3=使わない 4=わからない)

Q7_ 方言と共通語の割合(1=方言のみ 2=どちらかというと方言が多い 3=方言と共通語半々 4=どちらかというと共通語が多い 5=共通語のみ 6=その他 7=

わからない)

Q8_ 方言と共通語の使い分け(1=使い分けていると思う 2=どちらかというと使い分けていると思う 3=どちらともいえない 4=どちらかというと使い分けていないと思う 5=使い分けていないと思う 6=わからない)

Q9_ 共通語好悪(1=好き 2=どちらかというと好き 3=どちらでもない 4=どちら

かというと嫌い 5=嫌い 6=わからない)

3.報告・分析

3節では,生育地ならびに生育地方言・共通語意識の計7項目についての分析結果の報告を行う。まず,3.1において単純集計に基づく結果を概観する。単純集計結果については,過

去に筆者らが実施した方言意識調査の結果と簡単に比較する。その後,3.2で設問ごとに生育地ブロックと,3.3では生育地ブロックごとの年代のク

ロス集計表に基づく分析を行う。3.4でクロス集計に基づく分析を大まかな見取り図として示し,その背景についての簡潔な解釈を行う。以下,小数点以下の数値については第二位を四捨五入し,第一位までを示す。 

3.1. 単純集計結果

「Q3_ 生育地好悪」についての結果は図1の通り。

(  )

338

44.2%

27.9%

20.8%

3.4%

1.8%

1.8%

図1.Q3_ 生育地好悪(n=19,688)

Page 8: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

8

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

「好き(好き+どちらかというと好き)」が7割を超え,「嫌い(嫌い+どちらかという

と嫌))」は1割に満たない。「どちらでもない」「わからない」が2割強である。「Q4_ 生育地方言有無」(図2)は,「ある(はっきりとある+どちらかというとある)」

が7割を超え,「ない(全くない+どちらかというとない)」は2割弱,「どちらともいえない」「わからない」が1割強である。共通語化が完了したとされるこんにちではあるが,生育地に方言があると意識する人が多数派ということになる。この結果は,2015年web

調査の結果とほぼ同様である。「Q5_ 生育地方言好悪」(図3)は,「好き(好き+どちらかというと好き)」が4割強,「嫌い(嫌い+どちらかというと嫌い)」が1割弱,「どちらでもない」が約4割,「わからない」が1割弱である。図1「Q3_ 生育地好悪」に比べ,「好き」が少なく,その分「どちらでもない」が多い。対面調査の2010年調査では「好き」が6割強,「どちらでもない」が3割弱であった。2015年web調査では「好き」が4割弱,「どちらでもない」が5割強であっ

(  )

337

46.4%

26.0%

9.9%

7.4%7.9%

2.5%

図2.Q4_ 生育地方言有無(n=19,688)

22.5%

22.3%40.2%

5.8%

2.5%6.7%

図3.Q5_ 生育地方言好悪(n=19,688)

Page 9: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

9

た。今回の結果は,後者に近い。次に「Q6_ 生育地方言場面別使用程度」(図4)をみる。

すべての場面は親しい相手で構成されており,従来の研究において方言使用に傾く場面とされる。それぞれの場面の特徴として,家族・同郷友人は生育地方言を共有し,異郷友人は共有しない。そのため,生育地方言を共有する前者に方言使用が傾くことが予想される 16)。一方,家族は一般的にはもっともリラックスした場面といえるが,二世代・三世代同居家族では年代の異なるメンバー構成となる。同郷友人・異郷友人には幅広い年代の「友人」が想定されるが,同世代が想定されることが多い場面といえよう。生育地方言の共有・非共有と年代差が想定されやすいか否かによる三場面についての生育地方言使用程度を尋ねた設問ということになる。「家族」「同郷友人」が相手の場合は生育地方言を「使う(よく使う+使うことがある)」が6割前後で,「異郷友人」が相手の場合は「使う」が4割弱である。この結果は,2010

年調査・2015年web調査いずれともほぼ一致する。一方,「家族」と「同郷友人」では「同郷友人」に使用程度が若干高いという点は,2015年web調査と一致するが,「同郷友人」より「家族」に使用程度が若干高い2010年調査とは異なる。「Q7_ 方言と共通語の割合」(図5)は,「方言より(方言のみ+どちらかというと方言が多い)」が2割強,「共通語と方言半々」が2割弱,「共通語より(共通語のみ+どちら

かというと共通語が多い)」が5割強,「わからない」が1割を切る。同じ質問文・選択肢で調査した2015年web調査とほぼ同様である。「Q8_ 方言と共通語の使い分け」(図6)は,「使い分けている(使い分けていると思う

+どちらかというと使い分けていると思う)」が約4割,「使い分けていない(使い分けていないと思う+どちらかというと使い分けていないと思う)」が3割強,「どちらともいえない」が約2割,「わからない」が1割を切る。2010年調査と2015年web調査では,

(  )

336

11.7

30.5

32.1

26.0

33.3

29.1

45.4

24.4

28.7

16.9

11.8

10.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

図4.Q6_ 生育地方言場面別使用程度(n=19,688)

Page 10: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

10

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

「どちらともいえない」という選択肢のないかたちで尋ねたため直接的な比較はできないが,「使い分けている」はそれぞれ4割前後とほぼ同様である。一方,「使い分けていない」は2010年調査では5割強,2015年web調査では4割強で,「わからない」は2010年調査で1割を切り,2015年web調査では1割強であった。いずれも「使い分けていない」が2016年web調査に比べ1~2割高い結果を示す。「Q9_ 共通語好悪」(図7)は,「好き(好き+どちらかというと好き)」が3割強,「嫌い(嫌い+どちらかというと嫌い)」が1割を切り,「どちらでもない」が5割強である。これも2015年web調査と類似した結果だが,2010年調査とは異なる。2010年調査では「好き」が5割強,「嫌い」が5%未満,「どちらでもない」が4割強であった。2010年調査から2015・2016年web調査にかけて共通語に対する「好き」が2割程度減じ,その分「どちらでもない」が2割程度増加していることになる。

(  )

335

5.1%

17.4%

17.6%

34.1%

18.4%

0.3%

7.1%

図5.Q7_ 方言と共通語の割合(n=19,688)

16.2%

24.0%

20.9%

9.9%

21.5%

7.6%

図6.Q8_ 方言と共通語の使い分け意識(n=19,688)

Page 11: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

11

単純集計結果を総合すると,2016年web調査の結果は2015年web調査に近く,2010年調査とはいくつかの点で相違することがわかる。これは,三つの調査における調査実施年の近さ・遠さ,あるいは調査方法の相違―無作為抽出による対面調査かモニター登録者の人口比割り付けwebアンケート調査か―といったことに基づくと想像される。

3.2. 生育地ブロックによるクロス集計表に基づく比較

ここでは,7つの設問の生育地ブロックとのクロス集計表を用いて,12の生育地ブロックごとの特徴を把握する(表5-1~表5-3)。

クロス集計表を用いて,その多寡に言及する際は,次の手続きを踏んでいる。まず,χ二乗検定を行い,p値が0.05未満の場合を「差がある」とみなす。差があるものについては,クロス集計表はすべて2×3以上であるため,さらに残差分析を行う。調整済み残差が2以上のセルについて「多い」とする。調整済み残差が -2以下の場合は「少ない」ということになるが,おおむね「多い」と表裏の関係にあるため,ここでは煩雑を避けるために「多い」セルに注目する。各表において,設問タイトル右にχ二乗検定の結果を,表下にある凡例の通りアステ

リスクの数で示す。調整済み残差が2以上のセルをボールドと下線で表し,そのうちのもっとも調整済み残差が大きなセルを白黒反転させ目立つようにした。以下では,それらを中心に生育地ブロックの特徴をみていく。本文中「とくに多い」と言及する場合は,調整済み残差が10以上のセルである。言及は百分比ではなく,調整済み残差の多い順に行う。百分比と調整済み残差の大きさは並行しないケースもある。表5-1は「Q3_ 生育地好悪」「Q4_ 生育地方言有無」「Q5_ 生育地方言好悪」,表5-2は

「Q6_ 場面別生育地方言使用程度」,表5-3は「Q7_ 方言と共通語の割合」「Q8_ 方言と共通語の使い分け」「Q9_ 共通語好悪」についてのクロス集計表である。

(  )

334

14.6%

20.2%

55.0%

3.6%

1.0%

5.6%

図7.Q9_ 共通語好悪(n=19,688)

Page 12: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

12

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

3.2.1. 「Q3_ 生育地好悪」「Q4_ 生育地方言有無」「Q5_ 生育地方言好悪」

まず,表5-1をみる。

「Q3_ 生育地好悪」では,「好き」が「北海道」「九州」「近畿」「沖縄」,「嫌い」が「東北」「北関東」「北陸」に多い。「どちらでもない」は「東海」「北関東」「東北」「首都圏」に,「わからない」は「東北」に多い。「Q4_ 生育地方言有無」は「ある」は首都圏以外のすべての生育地ブロックに多く,とくに「九州」「中国」「東海」「近畿」「東北」「四国」に多い。「ない」は首都圏のみである。「どちらともいえない」は「首都圏」がとくに多く,「北海道」にも多い。「わからない」は「首都圏」「東北」に多い。「Q5_ 生育地方言好悪」では,「好き」が「九州」「近畿」に,「嫌い」は「北関東」にそれぞれとくに多い。「どちらでもない」「わからない」は「首都圏」にとくに多い。表5-1を総合すると,現代の共通語基盤方言分布域である「首都圏」対「その他」という構造が明確である。方言があるとする生育地ブロックのうち,「九州」「北海道」「近畿」が方言に対する肯定的態度が顕著で,「東北」「北関東」に否定的な傾向がうかがえる。ただし,「東北」は生育地が「嫌い」で生育地方言は「好き」と「嫌い」が多く,「北関東」は生育地が「どちらでもない」「嫌い」で生育地方言は「嫌い」「どちらでもない」が多いという違いがある。

3.2.2. 「Q6_ 生育地方言場面別使用程度」

次に,家族,同郷友人,異郷友人に対してどの程度方言を使用するか尋ねたものを生育地ブロックごとに比較した表5-2をみる。

(  )

333

表5-1.生育地ブロックごとのクロス集計表(Q3_生育地好悪・Q4_生育地方言有無・Q5_生育地方言好悪)

Q3_生育地好悪*** Q4_生育地方言有無*** Q5_生育地方言好悪***

好き どちらでもない

嫌い わからない

あるどちらともいえない

ないわからない

好き どちらでもない

嫌い わからない

北海道 (n=981) 80.7% 13.8% 4.1% 1.4% 77.7% 12.5% 8.1% 1.7% 51.2% 39.9% 6.3% 2.7%

東北 (n=1714) 64.1% 23.3% 9.0% 3.6% 86.8% 6.3% 3.2% 3.7% 49.3% 34.9% 11.6% 4.3%

北関東 (n=1009) 63.3% 24.9% 9.5% 2.3% 81.6% 10.5% 5.7% 2.2% 32.5% 43.2% 20.4% 3.9%

首都圏 (n=4330) 71.9% 22.1% 3.8% 2.1% 21.8% 17.5% 56.6% 4.2% 20.3% 54.8% 4.1% 20.9%甲信越 (n=951) 71.3% 21.6% 6.1% 1.1% 83.8% 8.9% 5.6% 1.7% 46.4% 43.4% 7.6% 2.6%

北陸 (n=577) 71.6% 18.2% 8.1% 2.1% 91.9% 3.8% 2.3% 2.1% 46.1% 38.1% 12.8% 2.9%

東海 (n=2334) 70.4% 23.5% 4.6% 1.5% 85.4% 9.2% 3.3% 2.1% 39.5% 45.0% 12.8% 2.7%

近畿 (n=3262) 74.1% 20.4% 4.0% 1.5% 82.9% 10.0% 5.0% 2.1% 60.4% 30.4% 6.2% 3.0%

中国 (n=1353) 73.8% 20.2% 4.6% 1.5% 92.7% 5.1% 1.0% 1.3% 52.4% 35.6% 10.3% 1.8%

四国 (n=718) 71.0% 22.4% 5.3% 1.3% 90.8% 5.2% 2.5% 1.5% 51.7% 38.9% 7.8% 1.7%

九州 (n=2315) 77.1% 16.5% 5.0% 1.3% 94.0% 3.7% 1.2% 1.1% 64.0% 27.9% 6.5% 1.6%

沖縄 (n=144) 79.9% 11.8% 6.3% 2.1% 91.7% 4.2% 1.4% 2.8% 63.9% 25.7% 7.6% 2.8%

72.2% 20.8% 5.2% 1.8% 72.4% 9.9% 15.3% 2.5% 44.7% 40.2% 8.4% 6.7%※項目名右:***:p<0.001,**:p<0.01,*:p<0.5※ボールド・下線:調整済み残差≧2のセル 白黒反転:ボールド・下線のうち調整済み残差が最大値のセル

Page 13: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

13

家族に対して,「使う」は「近畿」「九州」「中国」「東海」にとくに多い。「使わない」「わからない」ともに「首都圏」はとくに多い。「使わない」は「北関東」にも多い。同郷友人に対して,「使う」は「近畿」「九州」「中国」「東海」にとくに多い。「使わない」

「わからない」は「首都圏」にとくに多く,「北関東」に多い。異郷友人に対して,「使う」は「近畿」のみとくに多い。「使わない」「わからない」は「首都圏」のみとくに多い。表5-2を総合すると,すべての場面で生育地方言を「使う」のとくに多い「近畿」と,

すべての場面で「使わない」「わからない」のとくに多い「首都圏」という対立が鮮明である。伝統的に都のあった圏域と現代の首都圏とのあいだの,方言と共通語に対する意識における対立を読み取ることができる。「近畿」の他,「九州」「中国」「東海」「四国」は生育地方言を「使う」ことが多く,「北関東」は「使わない」「わからない」が多く「首都圏」に似たタイプといえる。「甲信越」「沖縄」は異郷友人場面のみ「使わない」が多い。 

3.2.3. 「Q7_方言と共通語の割合」「Q8_方言と共通語の使い分け」「Q9_共通語好悪」

表5-3をみる。

「Q7_ 方言と共通語の割合」では,「方言より」に「近畿」「九州」「中国」,「共通語より」に「首都圏」「北海道」,「わからない」に「首都圏」がとくに多い。「共通語より」は「北関東」「甲信越」といった「首都圏」に隣接するブロックだけでなく,「沖縄」にも多い。「Q8_ 方言と共通語の使い分け」では,「使い分けている」が「九州」「中国」「東北」「近畿」に,「使い分けていない」「わからない」に「首都圏」がとくに多い。「Q9_ 共通語好悪」では,「好き」「わからない」が「首都圏」に,「嫌い」が「近畿」にとくに多い。「好き」は他に「北海道」「甲信越」「沖縄」に多い。表5-3を総合すると,現代の共通語基盤方言分布域である首都圏とその他という対立

(  )

332

表5-2.生育地ブロックごとのクロス集計表(Q6_生育地方言場面別使用程度)

Q6_1 生育地方言使用_家族*** Q6_2 生育地方言使用_同郷友人*** Q6_3 生育地方言使用_異郷友人***

使う 使わない わからない 使う 使わない わからない 使う 使わない わからない

北海道 (n=981) 65.3% 24.1% 10.6% 65.6% 21.3% 13.0% 38.9% 40.5% 20.6%東北 (n=1714) 68.9% 23.0% 8.1% 70.7% 19.5% 9.8% 32.9% 51.4% 15.7%

北関東 (n=1009) 55.1% 33.0% 11.9% 57.1% 27.7% 15.3% 30.1% 49.9% 20.0%首都圏 (n=4330) 22.8% 57.7% 19.5% 23.4% 55.7% 20.9% 20.2% 57.6% 22.2%甲信越 (n=951) 62.8% 30.4% 6.8% 66.0% 24.8% 9.1% 29.5% 54.3% 16.2%

北陸 (n=577) 76.1% 16.8% 7.1% 78.5% 13.5% 8.0% 36.7% 49.6% 13.7%

東海 (n=2334) 71.0% 21.1% 7.9% 74.2% 16.0% 9.8% 43.0% 41.2% 15.8%

近畿 (n=3262) 77.2% 14.7% 8.2% 80.7% 10.0% 9.3% 57.3% 27.5% 15.2%

中国 (n=1353) 77.6% 16.9% 5.5% 82.0% 11.4% 6.7% 44.6% 42.6% 12.8%

四国 (n=718) 74.7% 18.8% 6.5% 80.2% 12.0% 7.8% 43.0% 42.1% 14.9%

九州 (n=2315) 77.1% 18.5% 4.4% 81.9% 11.9% 6.2% 42.5% 45.0% 12.5%

沖縄 (n=144) 63.9% 31.3% 4.9% 66.7% 27.1% 6.3% 21.5% 62.5% 16.0%

61.1% 28.7% 10.1% 63.8% 24.4% 11.8% 37.7% 45.4% 16.9%※項目名右:***:p<0.001,**:p<0.01,*:p<0.5※ボールド・下線:調整済み残差≧2のセル 白黒反転:ボールド・下線のうち調整済み残差が最大値のセル

Page 14: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

14

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

がここからも読み取れる。「Q7_方言と共通語の割合」「Q9_共通語好悪」において首都圏との対比が顕著な伝統的都の「近畿」,さらに「Q8_方言と共通語の使い分け」において使い分け意識の高さが顕著な特徴を示す「九州」という対立軸が主要なものとして浮かび上がる。多くの生育地ブロックはこの「首都圏」「近畿」「九州」との地理的距離によっていずれかのタイプに類似する。ただし,「沖縄」は,「共通語より」「使い分けている」「(共通語)好き」が多く,いずれのタイプとも異なる。

3.3. 生育地ブロックごとの年代によるクロス集計表に基づく比較

7つの設問についての12の生育地ブロックと年代(20代~60代以上)のクロス集計表が表6-1~6-3である。3.2でみた通り,生育地ブロックにより回答パターンはかなりの程度異なる。よって,年代のみで多寡を論ずることはこの地域差を無視することになるため,ここでは,年代差を生育地ブロックごとにみていく。クロス集計表に基づく分析に際しての手続きは3.2冒頭で述べた内容に同じ。表6-1(表6-1-1~表6-1-12)は「Q3_生育地好悪」「Q4_生育地方言有無」「Q5_生育地方言好悪」,表6-2(表6-2-1~表6-2-12)は「Q6_場面別生育地方言使用程度」,表6-3(表6-3-1~表6-3-12)は「Q7_方言と共通語の割合」「Q8_方言と共通語の使い分け」「Q9_共通語好悪」をまとめた示したクロス集計表である。それぞれ北から順に「北海道」から「沖縄」までの結果を配列しており,各12枚の表からなる。各表において,設問タイトル右にχ二乗検定の結果を,表下に示した凡例の通りアス

テリスクの数で示す。調整済み残差が2以上のセルについてはボールドと下線を付し,調整済み残差が最大値をとるセルを白黒反転させ,目立つようにした。ここでは,もっとも大きな特徴を示すセルである白黒反転セルの出現パターンに焦点を絞り,設問ごと

(  )

331

表5-3.生育地ブロックごとのクロス集計表(Q7_方言と共通語の割合・Q8_方言と共通語の使い分け意識・Q9_共通語好悪)

Q7_方言と共通語の割合*** Q8_方言と共通語の使い分け意識*** Q9_共通語好悪***

方言より

方言と共通語半々

共通語より

その他 わからない

使い分けている

どちらともいえない

使い分けていない

わからない

好き どちらでもない

嫌い わからない

北海道 (n=981) 8.0% 14.6% 71.0% 0.2% 6.2% 31.2% 25.9% 36.2% 6.7% 40.2% 53.9% 1.4% 4.5%

東北 (n=1714) 25.1% 19.7% 47.4% 0.0% 7.7% 53.1% 18.2% 21.2% 7.5% 33.9% 55.0% 4.4% 6.7%北関東 (n=1009) 10.6% 16.6% 65.6% 0.0% 7.2% 33.3% 24.1% 35.3% 7.3% 37.3% 52.7% 3.6% 6.4%

首都圏 (n=4330) 3.3% 4.3% 81.4% 0.4% 10.6% 11.6% 18.0% 56.1% 14.2% 43.6% 45.1% 2.3% 9.0%甲信越 (n=951) 10.2% 17.1% 65.6% 0.2% 6.8% 41.7% 22.8% 29.1% 6.3% 38.1% 56.0% 1.6% 4.3%

北陸 (n=577) 32.9% 23.1% 36.7% 0.5% 6.8% 55.1% 17.5% 21.0% 6.4% 32.6% 57.9% 4.3% 5.2%

東海 (n=2334) 16.7% 24.0% 52.2% 0.4% 6.6% 41.3% 25.8% 27.0% 5.9% 33.7% 58.5% 3.3% 4.5%

近畿 (n=3262) 44.7% 21.4% 27.2% 0.3% 6.4% 48.1% 21.1% 25.0% 5.8% 23.9% 60.4% 10.4% 5.3%

中国 (n=1353) 34.4% 23.6% 36.1% 1.0% 5.0% 56.0% 22.2% 18.0% 3.7% 32.5% 59.8% 5.1% 2.6%

四国 (n=718) 35.5% 22.1% 36.8% 0.1% 5.4% 54.6% 19.9% 20.6% 4.9% 29.9% 59.9% 6.7% 3.5%

九州 (n=2315) 34.9% 24.8% 36.0% 0.4% 4.0% 59.2% 19.4% 17.8% 3.7% 34.0% 58.5% 4.4% 3.0%

沖縄 (n=144) 4.9% 18.1% 72.9% 0.0% 4.2% 58.3% 13.2% 22.9% 5.6% 45.8% 48.6% 1.4% 4.2%

22.5% 17.6% 52.5% 0.3% 7.1% 40.2% 20.9% 31.4% 7.6% 34.9% 55.0% 4.6% 5.6%※項目名右:***:p<0.001,**:p<0.01,*:p<0.5※ボールド・下線:調整済み残差≧2のセル 白黒反転:ボールド・下線のうち調整済み残差が最大値のセル

Page 15: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

15

の大きな傾向をみる。生育地ブロックを示す際は,北から順に示す。なお,以下で詳しくみていくが,「沖縄」に年代差の認められないパターンが多出する。

これは,「沖縄」を1つの県で1ブロックとしているため,他の生育地ブロックに比べサンプル数が極端に少ないことによる可能性を否定できない。北海道も同じ条件だが,沖縄に比べサンプル数が多い。また,「沖縄」は2.2で示したように居住地と生育が一致する生え抜き率ももっとも低い。さらに60代以上女性のみ回収目標数に達せず,60代以上男性で補充した経緯もある。

3.3.1. 「Q3_生育地好悪」「Q4_生育地方言有無」「Q5_生育地方言好悪」

表6-1からみていく(左16頁~左19頁)。「Q3_生育地好悪」は,「甲信越」「北陸」「沖縄」を除く生育地ブロックにおいて共通して「好き」が60代以上,「わからない」が20代または30代に多い。これに「嫌い」が30

代または40代に多いという特徴が加わるのが「東北」「北関東」「東海」「近畿」「四国」「九州」である。「近畿」は「どちらでもない」が40代に多いという特徴も示す。「沖縄」は年代による特徴は認められない。「Q4_生育地方言有無」では,「ある」が60代以上,「どちらともいえない」「ない」「わからない」のいずれかあるいはすべてが30代以下の年代に多いというパターンが主流で,これに「北海道」「沖縄」以外のすべての生育地ブロックが該当する。「北海道」のみ「ある」が40代に多い。「沖縄」は年代による特徴が認められない。「Q5_生育地方言好悪」では,年代による特徴が認められない「北陸」「沖縄」を除き,すべての生育地ブロックにおいて「わからない」が20代に多いことが共通する。これに「好き」「嫌い」「どちらでもない」が特徴的に多い年代の有無を加味することによってさらに細分化できる。「好き」が60代以上に多いのは「東北」「首都圏」,50代に多いのが「近畿」である。「嫌い」が50代に多いのが「甲信越」,60代に多いのが「東海」である。表6-1を総合すると,「Q3_生育地好悪」と「Q5_生育地方言好悪」は高年層ほど「好き」

で若いほど「わからない」という共通傾向を示し,中年層の好悪が生育地ブロックの特徴を形成する背景となっていることがわかる。「Q4_生育地方言有無」についても高年層ほど「ある」,若いほど「どちらともいえない」「ない」「わからない」に傾く傾向が共通する。若いほどいずれの設問でも「わからない」が増加する背景には,共通語化により「方言」と「共通語」の区別があいまい化しているためと推測される。生育地・方言ともに「嫌い」の多い年代を含むのは「東海」で,生育地のみ「嫌い」の多い年代を含むのは「東北」「北関東」「近畿」「四国」「九州」,方言のみ「嫌い」の多い年代を含むのは「甲信越」である。3設問すべてにおいて年代による特徴の認められない生育地ブロックは「沖縄」である。

(  )

330

Page 16: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

16

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

(  )

329

表6-1 Q3_生育地方言好悪、Q4_生育地方言有無、Q5_生育地方言好悪(生育地ブロック×年代クロス集計表)

表6-1-1 北海道×年代

Q3_生育地好悪

*Q

4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

**

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

北海道

20代

(n=

91)

72.5%

18.7%

4.4%

4.4%

63.7%

17.6%

11.0%

7.7%

44.0%

39.6%

7.7%

8.8%

北海道

30代

(n=

151)

72.8%

18.5%

5.3%

3.3%

74.8%

13.2%

8.6%

3.3%

51.7%

36.4%

6.6%

5.3%

北海道

40代

(n=

150)

82.7%

12.7%

4.0%

0.7%

84.0%

9.3%

5.3%

1.3%

53.3%

38.0%

7.3%

1.3%

北海道

50代

(n=

141)

78.7%

13.5%

6.4%

1.4%

82.3%

12.8%

5.0%

0.0%

56.7%

35.5%

7.1%

0.7%

北海道

60代以上

(n=

448)

85.0%

11.6%

2.9%

0.4%

77.9%

12.3%

9.2%

0.7%

50.0%

43.1%

5.4%

1.6%

北海道計

(n=

981)

80.7%

13.8%

4.1%

1.4%

77.7%

12.5%

8.1%

1.7%

51.2%

39.9%

6.3%

2.7%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-1-2 東北×年代

Q3_生育地好悪

***

Q4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

***

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

東北

20代

(n=

181)

56.4%

22.7%

10.5%

10.5%

70.7%

9.9%

7.2%

12.2%

39.2%

32.6%

14.4%

13.8%

東北

30代

(n=

236)

57.2%

24.6%

13.1%

5.1%

76.7%

11.4%

6.8%

5.1%

45.8%

36.0%

12.7%

5.5%

東北

40代

(n=

257)

58.8%

24.9%

13.6%

2.7%

86.8%

7.0%

3.9%

2.3%

46.7%

37.4%

12.8%

3.1%

東北

50代

(n=

256)

64.8%

24.6%

7.4%

3.1%

90.6%

5.5%

1.2%

2.7%

52.0%

33.2%

11.7%

3.1%

東北

60代以上

(n=

784)

69.5%

22.2%

6.4%

1.9%

92.2%

4.0%

1.7%

2.2%

52.7%

34.8%

10.1%

2.4%

東北計

(n=

1714

)64

.1%

23.3%

9.0%

3.6%

86.8%

6.3%

3.2%

3.7%

49.3%

34.9%

11.6%

4.3%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-1-3 北関東×年代

Q3_生育地好悪

**Q

4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

*

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

北関東

20代

(n=

131)

61.1%

22.1%

10.7%

6.1%

64.1%

19.1%

10.7%

6.1%

32.1%

44.3%

15.3%

8.4%

北関東

30代

(n=

178)

58.4%

27.0%

10.1%

4.5%

74.2%

14.0%

8.4%

3.4%

32.6%

43.8%

18.5%

5.1%

北関東

40代

(n=

181)

58.6%

26.0%

13.8%

1.7%

83.4%

9.4%

5.5%

1.7%

30.9%

38.1%

25.4%

5.5%

北関東

50代

(n=

144)

65.3%

25.7%

7.6%

1.4%

90.3%

4.9%

3.5%

1.4%

34.0%

41.7%

21.5%

2.8%

北関東

60代以上

(n=

375)

68.0%

24.0%

7.5%

0.5%

86.9%

8.5%

3.7%

0.8%

32.8%

45.6%

20.3%

1.3%

北関東計

(n=

1009

)63

.3%

24.9%

9.5%

2.3%

81.6%

10.5%

5.7%

2.2%

32.5%

43.2%

20.4%

3.9%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 17: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

17(  )

328

表6-1-4 首都圏×年代

Q3_生育地好悪

***

Q4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

***

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

首都圏

20代

(n=

578)

67.5%

24.6%

4.8%

3.1%

15.7%

16.1%

61.9%

6.2%

18.7%

49.7%

4.3%

27.3%

首都圏

30代

(n=

704)

67.8%

23.6%

5.0%

3.7%

17.6%

18.8%

56.8%

6.8%

17.2%

55.1%

4.3%

23.4%

首都圏

40代

(n=

936)

69.3%

23.0%

4.9%

2.8%

18.8%

19.0%

57.7%

4.5%

17.8%

54.3%

4.7%

23.2%

首都圏

50代

(n=

669)

70.7%

24.8%

3.4%

1.0%

24.1%

17.9%

55.3%

2.7%

21.8%

55.8%

3.6%

18.8%

首都圏

60代以上

(n=

1443

)78.0%

18.5%

2.4%

1.1%

27.2%

16.1%

54.2%

2.5%

23.4%

56.5%

3.7%

16.4%

首都圏計

(n=

4330

)71

.9%

22.1%

3.8%

2.1%

21.8%

17.5%

56.6%

4.2%

20.3%

54.8%

4.1%

20.9%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-1-5 甲信越×年代

Q3_生育地好悪

Q4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

*

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

甲信越

20代

(n=

113)

68.1%

21.2%

8.0%

2.7%

69.0%

12.4%

12.4%

6.2%

47.8%

38.1%

7.1%

7.1%

甲信越

30代

(n=

127)

69.3%

24.4%

3.9%

2.4%

75.6%

14.2%

7.9%

2.4%

44.9%

46.5%

5.5%

3.1%

甲信越

40代

(n=

143)

68.5%

25.2%

6.3%

0.0%

87.4%

7.7%

2.8%

2.1%

45.5%

44.1%

7.7%

2.8%

甲信越

50代

(n=

136)

65.4%

27.9%

5.1%

1.5%

81.6%

8.8%

8.1%

1.5%

41.9%

43.4%

14.0%

0.7%

甲信越

60代以上

(n=

432)

75.5%

17.6%

6.5%

0.5%

89.6%

6.9%

3.2%

0.2%

48.1%

43.8%

6.3%

1.9%

甲信越計

(n=

951)

71.3%

21.6%

6.1%

1.1%

83.8%

8.9%

5.6%

1.7%

46.4%

43.4%

7.6%

2.6%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-1-6 北陸×年代

Q3_生育地好悪

Q4_生育地方言有無

*Q

5_生育地方言好悪

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

北陸

20代

(n=

56)

60.7%

23.2%

10.7%

5.4%

82.1%

7.1%

3.6%

7.1%

41.1%

39.3%

10.7%

8.9%

北陸

30代

(n=

73)

69.9%

20.5%

8.2%

1.4%

87.7%

5.5%

5.5%

1.4%

50.7%

37.0%

9.6%

2.7%

北陸

40代

(n=

94)

72.3%

16.0%

8.5%

3.2%

88.3%

6.4%

2.1%

3.2%

46.8%

36.2%

12.8%

4.3%

北陸

50代

(n=

85)

65.9%

20.0%

10.6%

3.5%

94.1%

3.5%

0.0%

2.4%

47.1%

34.1%

15.3%

3.5%

北陸

60代以上

(n=

269)

75.8%

16.7%

6.7%

0.7%

95.5%

1.9%

1.9%

0.7%

45.4%

40.1%

13.4%

1.1%

北陸計

(n=

577)

71.6%

18.2%

8.1%

2.1%

91.9%

3.8%

2.3%

2.1%

46.1%

38.1%

12.8%

2.9%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 18: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

18

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

(  )

327

表6-1-7 東海×年代

Q3_生育地好悪

*Q

4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

***

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

東海

20代

(n=

293)

68.6%

22.9%

6.5%

2.0%

72.0%

16.7%

6.8%

4.4%

42.3%

41.6%

10.6%

5.5%

東海

30代

(n=

338)

65.1%

24.3%

8.0%

2.7%

79.6%

12.1%

4.1%

4.1%

40.2%

42.6%

12.4%

4.7%

東海

40代

(n=

434)

70.5%

25.8%

3.0%

0.7%

88.5%

8.5%

2.5%

0.5%

41.0%

47.9%

10.4%

0.7%

東海

50代

(n=

361)

69.5%

24.4%

4.7%

1.4%

89.8%

6.6%

2.2%

1.4%

42.7%

42.4%

12.7%

2.2%

東海

60代以上

(n=

908)

73.1%

22.0%

3.4%

1.4%

88.8%

7.0%

2.6%

1.5%

36.3%

46.7%

14.9%

2.1%

東海計

(n=

2334

)70

.4%

23.5%

4.6%

1.5%

85.4%

9.2%

3.3%

2.1%

39.5%

45.0%

12.8%

2.7%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-1-8 近畿×年代

Q3_生育地好悪

***

Q4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

**

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

近畿

20代

(n=

366)

71.0%

21.0%

4.1%

3.8%

72.1%

14.8%

8.5%

4.6%

53.0%

33.3%

7.4%

6.3%

近畿

30代

(n=

486)

70.6%

21.4%

6.2%

1.9%

82.5%

11.1%

3.5%

2.9%

60.9%

29.0%

6.8%

3.3%

近畿

40代

(n=

615)

69.6%

24.4%

4.2%

1.8%

83.4%

9.4%

4.4%

2.8%

63.3%

28.5%

5.2%

3.1%

近畿

50代

(n=

486)

77.0%

18.3%

3.1%

1.6%

84.2%

10.7%

4.1%

1.0%

66.0%

27.6%

4.5%

1.9%

近畿

60代以上

(n=

1309

)77.4%

18.7%

3.3%

0.6%

85.3%

8.3%

5.2%

1.1%

58.9%

32.1%

6.7%

2.3%

近畿計

(n=

3262

)74

.1%

20.4%

4.0%

1.5%

82.9%

10.0%

5.0%

2.1%

60.4%

30.4%

6.2%

3.0%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-1-9 中国×年代

Q3_生育地好悪

**Q

4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

***

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

中国

20代

(n=

149)

69.8%

22.1%

5.4%

2.7%

81.2%

14.1%

1.3%

3.4%

50.3%

34.9%

8.1%

6.7%

中国

30代

(n=

187)

67.4%

21.9%

7.0%

3.7%

88.8%

6.4%

1.6%

3.2%

48.1%

36.9%

12.3%

2.7%

中国

40代

(n=

206)

68.9%

23.8%

6.3%

1.0%

92.7%

4.9%

1.0%

1.5%

52.9%

35.0%

11.2%

1.0%

中国

50代

(n=

197)

71.1%

20.3%

7.1%

1.5%

96.4%

3.0%

0.5%

0.0%

56.3%

28.9%

12.7%

2.0%

中国

60代以上

(n=

614)

79.2%

17.9%

2.3%

0.7%

95.4%

3.3%

0.8%

0.5%

52.8%

37.6%

9.1%

0.5%

中国計

(n=

1353

)73

.8%

20.2%

4.6%

1.5%

92.7%

5.1%

1.0%

1.3%

52.4%

35.6%

10.3%

1.8%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 19: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

19(  )

326

表6-1-10 四国×年代

Q3_生育地好悪

**Q

4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

*

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

四国

20代

(n=

72)

62.5%

26.4%

6.9%

4.2%

72.2%

18.1%

6.9%

2.8%

55.6%

36.1%

2.8%

5.6%

四国

30代

(n=

96)

60.4%

25.0%

12.5%

2.1%

87.5%

4.2%

3.1%

5.2%

47.9%

38.5%

8.3%

5.2%

四国

40代

(n=

101)

69.3%

23.8%

5.9%

1.0%

90.1%

5.0%

4.0%

1.0%

54.5%

33.7%

10.9%

1.0%

四国

50代

(n=

97)

72.2%

20.6%

6.2%

1.0%

91.8%

4.1%

2.1%

2.1%

45.4%

45.4%

8.2%

1.0%

四国

60代以上

(n=

352)

75.9%

21.0%

2.6%

0.6%

95.5%

3.1%

1.1%

0.3%

52.8%

39.2%

7.7%

0.3%

四国計

(n=

718)

71.0%

22.4%

5.3%

1.3%

90.8%

5.2%

2.5%

1.5%

51.7%

38.9%

7.8%

1.7%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-1-11 九州×年代

Q3_生育地好悪

***

Q4_生育地方言有無

***

Q5_生育地方言好悪

*

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

九州

20代

(n=

242)

71.9%

17.8%

8.7%

1.7%

86.8%

7.0%

3.3%

2.9%

63.2%

26.9%

7.0%

2.9%

九州

30代

(n=

309)

69.9%

18.8%

8.7%

2.6%

90.6%

6.8%

1.0%

1.6%

61.5%

28.8%

6.5%

3.2%

九州

40代

(n=

340)

77.6%

16.8%

4.1%

1.5%

92.6%

4.7%

1.5%

1.2%

68.8%

25.0%

4.4%

1.8%

九州

50代

(n=

350)

74.9%

18.3%

6.0%

0.9%

96.6%

2.0%

1.1%

0.3%

66.9%

24.0%

8.6%

0.6%

九州

60代以上

(n=

1074

)81.0%

15.0%

3.0%

1.0%

96.3%

2.3%

0.7%

0.7%

62.4%

30.1%

6.4%

1.1%

九州計

(n=

2315

)77

.1%

16.5%

5.0%

1.3%

94.0%

3.7%

1.2%

1.1%

64.0%

27.9%

6.5%

1.6%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-1-12 沖縄×年代

Q3_生育地好悪

Q4_生育地方言有無

Q5_生育地方言好悪

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

ある

どちらとも

いえない

ない

わからない

好き

どちらでも

ない

嫌い

わからない

沖縄

20代

(n=

24)

79.2%

12.5%

4.2%

4.2%

87.5%

8.3%

0.0%

4.2%

58.3%

25.0%

12.5%

4.2%

沖縄

30代

(n=

30)

83.3%

6.7%

6.7%

3.3%

90.0%

3.3%

3.3%

3.3%

53.3%

36.7%

6.7%

3.3%

沖縄

40代

(n=

31)

80.6%

9.7%

6.5%

3.2%

96.8%

0.0%

0.0%

3.2%

83.9%

6.5%

6.5%

3.2%

沖縄

50代

(n=

19)

89.5%

5.3%

5.3%

0.0%

89.5%

10.5%

0.0%

0.0%

68.4%

15.8%

15.8%

0.0%

沖縄

60代以上

(n=

40)

72.5%

20.0%

7.5%

0.0%

92.5%

2.5%

2.5%

2.5%

57.5%

37.5%

2.5%

2.5%

沖縄計

(n=

144)

79.9%

11.8%

6.3%

2.1%

91.7%

4.2%

1.4%

2.8%

63.9%

25.7%

7.6%

2.8%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 20: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

20

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

3.3.2. 「Q6_場面別生育地方言使用程度」

表6-2をみる(左21頁~左24頁)。家族・同郷友人・異郷友人の場面を問わず,40・50代の中年層が生育地方言「使う」,

60代以上の高年層に「使わない」,20・30代の若年層に「わからない」が多いのが共通傾向である。このパターンから大きく逸脱するのは「沖縄」で,家族・同郷友人における年代差は

認められず,異郷友人に対しては50代に「使わない」が多い。「東北」は同郷友人場面では20代に「使わない」が多く,特徴的である。また,共通パターンからはずれる若年層に「使う」がいずれかの場面に多く現れる生育地ブロックとして「近畿」(30代,家族・異郷友人),「四国」(30代,家族),「北陸」「東海」の30代と「中国」20代(異郷友人)を指摘できる。場面による違いに注目すると,60代以上の高年層において生育地方言を「使わない」

が多いのは,家族11生育地ブロック,同郷友人4生育地ブロック,異郷友人10ブロッ

クである。家族場面が異郷友人場面なみに生育地方言を「使わない」が多いことは目をひく。これは,家族場面の多くは年代の異なるメンバーで構成されることがあるためと推測される。同郷友人の多くは生育地方言を共有する同年代と仮定すると,60代以上の高年層が子や孫世代に対しては,生育地方言を共有しない異郷友人場面なみに生育地方言の使用を控えていることが浮かび上がる。一方,40・50代の中年層の生育地方言を「使う」に注目すると,家族7生育地ブロック,同郷友人5生育地ブロック,異郷友人5生育地ブロックに多く,高年層とは対照的に家族場面でより「使う」が多い。20・30代の若年層の生育地方言「わからない」は家族場面10生育地ブロック,同郷友人9生育地ブロック,異郷友人10生育地ブロックに多く,場面による差はあまりなさそうである。

3.3.3. 「Q7_方言と共通語の割合」「Q8_方言と共通語の使い分け」「Q9_共通語好悪」

表6-3をみる(左25頁~左28頁)。「Q7_方言と共通語の割合」をみると,40・50代の中年層に「方言より」,60代以上の高年層に「共通語より」,20代に「わからない」というパターンが目立つ。このパターンと大きく異なるのはすべてにおいて年代差の認められない「沖縄」と20代「わからない」以外の年代差の認められない「北関東」「甲信越」である。「方言より」が中年層ではなく20・30代の若年層に多いのは「首都圏」「北陸」「九州」である。「方言と共通語半々」に多い年代が認められるのは「北海道30代」「東北40代」「東海40代」である。「Q8_方言と共通語の使い分け」をみると,「沖縄」を除くすべての生育地ブロックにおいて「わからない」が20代に多い。「使い分けている」が50・60代以上のいずれかに多いのは「東北」「北関東」「首都圏」「東海」「近畿」「中国」「九州」である。「北海道」は40代に多い。「使い分けていない」は「北海道」「首都圏」「東海」「九州」の60代以上,「東北」の20代に多い。

(  )

325

Page 21: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

21(  )

324

表6-2 Q6_1 生育地方言使用_家族、Q6_2 生育地方言使用_同郷友人、Q6_3 生育地方言使用_異郷友人

(生育地ブロック×年代クロス集計表)

表6-2-1 北海道×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

***

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

**Q

6_3 生育地方言使用

_異郷友人

**使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

北海道

20代

(n=

91)

59.3%

17.6%

23.1%

58.2%

18.7%

23.1%

39.6%

31.9%

28.6%

北海道

30代

(n=

151)

66.9%

19.2%

13.9%

66.9%

19.2%

13.9%

38.4%

35.8%

25.8%

北海道

40代

(n=

150)

72.7%

17.3%

10.0%

74.0%

12.0%

14.0%

50.0%

31.3%

18.7%

北海道

50代

(n=

141)

72.3%

19.9%

7.8%

70.9%

19.1%

9.9%

39.7%

41.8%

18.4%

北海道

60代以上

(n=

448)

61.4%

30.6%

8.0%

62.3%

26.3%

11.4%

35.0%

46.4%

18.5%

北海道計

(n=

981)

65.3%

24.1%

10.6%

65.6%

21.3%

13.0%

38.9%

40.5%

20.6%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-2-2 東北×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

***

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

***

Q6_

3 生育地方言使用

_異郷友人

***

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

東北

20代

(n=

181)

63.5%

20.4%

16.0%

56.4%

26.0%

17.7%

28.7%

45.9%

25.4%

東北

30代

(n=

236)

66.5%

18.6%

14.8%

66.1%

17.8%

16.1%

33.9%

44.5%

21.6%

東北

40代

(n=

257)

70.8%

20.2%

8.9%

72.8%

14.4%

12.8%

36.6%

44.7%

18.7%

東北

50代

(n=

256)

79.7%

14.8%

5.5%

78.5%

14.5%

7.0%

42.2%

43.8%

14.1%

東北

60代以上

(n=

784)

66.7%

28.4%

4.8%

72.2%

21.8%

6.0%

29.3%

59.4%

11.2%

東北計

(n=

1714

)68

.9%

23.0%

8.1%

70.7%

19.5%

9.8%

32.9%

51.4%

15.7%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-2-3 北関東×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

**Q

6_2 生育地方言使用

_同郷友人

*Q

6_3 生育地方言使用

_異郷友人

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

北関東

20代

(n=

131)

54.2%

26.7%

19.1%

49.6%

28.2%

22.1%

32.1%

40.5%

27.5%

北関東

30代

(n=

178)

54.5%

32.0%

13.5%

52.2%

30.9%

16.9%

30.9%

47.8%

21.3%

北関東

40代

(n=

181)

57.5%

30.4%

12.2%

60.2%

23.8%

16.0%

32.0%

48.6%

19.3%

北関東

50代

(n=

144)

65.3%

26.4%

8.3%

68.8%

20.1%

11.1%

31.9%

48.6%

19.4%

北関東

60代以上

(n=

375)

50.7%

39.5%

9.9%

56.0%

30.7%

13.3%

27.5%

55.2%

17.3%

北関東計

(n=

1009

)55

.1%

33.0%

11.9%

57.1%

27.7%

15.3%

30.1%

49.9%

20.0%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 22: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

22

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

(  )

323

表6-2-4 首都圏×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

***

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

**Q

6_3 生育地方言使用

_異郷友人

**使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

首都圏

20代

(n=

578)

21.8%

52.8%

25.4%

22.1%

51.6%

26.3%

20.4%

52.2%

27.3%

首都圏

30代

(n=

704)

24.0%

54.5%

21.4%

23.2%

54.3%

22.6%

22.0%

54.5%

23.4%

首都圏

40代

(n=

936)

21.7%

58.7%

19.7%

21.6%

56.6%

21.8%

20.0%

57.7%

22.3%

首都圏

50代

(n=

669)

24.5%

56.1%

19.4%

23.9%

55.3%

20.8%

19.3%

58.3%

22.4%

首都圏

60代以上

(n=

1443

)22

.6%

61.3%

16.1%

24.9%

57.7%

17.4%

19.8%

60.7%

19.5%

首都圏計

(n=

4330

)22

.8%

57.7%

19.5%

23.4%

55.7%

20.9%

20.2%

57.6%

22.2%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-2-5 甲信越×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

***

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

*Q

6_3 生育地方言使用

_異郷友人

**使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

甲信越

20代

(n=

113)

63.7%

22.1%

14.2%

56.6%

25.7%

17.7%

25.7%

49.6%

24.8%

甲信越

30代

(n=

127)

64.6%

27.6%

7.9%

63.0%

25.2%

11.8%

35.4%

46.5%

18.1%

甲信越

40代

(n=

143)

72.7%

18.9%

8.4%

70.6%

20.3%

9.1%

30.1%

46.9%

23.1%

甲信越

50代

(n=

136)

67.6%

27.2%

5.1%

65.4%

27.2%

7.4%

33.1%

55.1%

11.8%

甲信越

60代以上

(n=

784)

57.2%

38.2%

4.6%

68.1%

25.2%

6.7%

27.5%

60.0%

12.5%

甲信越計

(n=

1714

)62

.8%

30.4%

6.8%

66.0%

24.8%

9.1%

29.5%

54.3%

16.2%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-2-6 北陸×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

**Q

6_2 生育地方言使用

_同郷友人

Q6_

3 生育地方言使用

_異郷友人

*使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

北陸

20代

(n=

56)

83.9%

7.1%

8.9%

75.0%

10.7%

14.3%

48.2%

33.9%

17.9%

北陸

30代

(n=

73)

83.6%

9.6%

6.8%

80.8%

11.0%

8.2%

49.3%

37.0%

13.7%

北陸

40代

(n=

94)

81.9%

7.4%

10.6%

83.0%

6.4%

10.6%

38.3%

44.7%

17.0%

北陸

50代

(n=

85)

76.5%

15.3%

8.2%

81.2%

10.6%

8.2%

34.1%

50.6%

15.3%

北陸

60代以上

(n=

269)

70.3%

24.5%

5.2%

76.2%

18.2%

5.6%

31.2%

57.6%

11.2%

北陸計

(n=

577)

76.1%

16.8%

7.1%

78.5%

13.5%

8.0%

36.7%

49.6%

13.7%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 23: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

23(  )

322

表6-2-7 東海×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

***

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

***

Q6_

3 生育地方言使用

_異郷友人

***

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

東海

20代

(n=

293)

68.3%

17.1%

14.7%

66.9%

17.4%

15.7%

47.4%

32.4%

20.1%

東海

30代

(n=

338)

75.7%

14.2%

10.1%

76.3%

11.5%

12.1%

48.5%

35.5%

16.0%

東海

40代

(n=

434)

78.1%

16.4%

5.5%

80.0%

13.6%

6.5%

46.5%

39.9%

13.6%

東海

50代

(n=

361)

77.3%

16.9%

5.8%

80.3%

11.1%

8.6%

47.1%

38.2%

14.7%

東海

60代以上

(n=

908)

64.1%

29.0%

6.9%

70.6%

20.3%

9.1%

36.2%

48.0%

15.7%

東海計

(n=

2334

)71

.0%

21.1%

7.9%

74.2%

16.0%

9.8%

43.0%

41.2%

15.8%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-2-8 近畿×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

***

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

***

Q6_

3 生育地方言使用

_異郷友人

***

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

近畿

20代

(n=

366)

75.1%

10.7%

14.2%

75.7%

9.3%

15.0%

60.9%

18.0%

21.0%

近畿

30代

(n=

486)

82.5%

10.1%

7.4%

83.3%

8.0%

8.6%

63.2%

21.4%

15.4%

近畿

40代

(n=

615)

80.0%

10.7%

9.3%

81.6%

7.5%

10.9%

60.0%

23.3%

16.7%

近畿

50代

(n=

486)

81.5%

12.8%

5.8%

83.5%

9.3%

7.2%

61.7%

26.7%

11.5%

近畿

60代以上

(n=

1309

)72

.9%

20.0%

7.1%

79.6%

12.5%

7.9%

51.1%

34.8%

14.1%

近畿計

(n=

3262

)77

.2%

14.7%

8.2%

80.7%

10.0%

9.3%

57.3%

27.5%

15.2%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-2-9 中国×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

***

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

***

Q6_

3 生育地方言使用

_異郷友人

***

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

中国

20代

(n=

149)

75.8%

9.4%

14.8%

75.2%

8.1%

16.8%

52.3%

28.2%

19.5%

中国

30代

(n=

187)

81.8%

10.2%

8.0%

80.2%

11.8%

8.0%

47.6%

33.2%

19.3%

中国

40代

(n=

206)

79.1%

15.5%

5.3%

80.1%

12.6%

7.3%

45.1%

39.8%

15.0%

中国

50代

(n=

197)

84.3%

12.7%

3.0%

85.3%

9.1%

5.6%

44.2%

46.2%

9.6%

中国

60代以上

(n=

614)

74.1%

22.6%

3.3%

83.7%

12.4%

3.9%

41.9%

48.7%

9.4%

中国計

(n=

1353

)77

.6%

16.9%

5.5%

82.0%

11.4%

6.7%

44.6%

42.6%

12.8%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 24: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

24

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

(  )

321

表6-2-10 四国×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

***

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

Q6_

3 生育地方言使用

_異郷友人

***

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

四国

20代

(n=

72)

79.2%

8.3%

12.5%

73.6%

11.1%

15.3%

45.8%

26.4%

27.8%

四国

30代

(n=

96)

83.3%

8.3%

8.3%

80.2%

10.4%

9.4%

44.8%

37.5%

17.7%

四国

40代

(n=

101)

78.2%

12.9%

8.9%

81.2%

8.9%

9.9%

50.5%

30.7%

18.8%

四国

50代

(n=

97)

80.4%

15.5%

4.1%

84.5%

8.2%

7.2%

58.8%

33.0%

8.2%

四国

60代以上

(n=

352)

68.8%

26.4%

4.8%

80.1%

14.5%

5.4%

35.5%

52.3%

12.2%

四国計

(n=

718)

74.7%

18.8%

6.5%

80.2%

12.0%

7.8%

43.0%

42.1%

14.9%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-2-11 九州×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

***

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

***

Q6_

3 生育地方言使用

_異郷友人

***

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

九州

20代

(n=

242)

80.2%

10.3%

9.5%

79.8%

8.7%

11.6%

50.8%

29.8%

19.4%

九州

30代

(n=

309)

82.5%

12.3%

5.2%

83.2%

10.4%

6.5%

49.2%

37.2%

13.6%

九州

40代

(n=

340)

84.4%

10.9%

4.7%

84.7%

8.2%

7.1%

52.4%

34.1%

13.5%

九州

50代

(n=

350)

80.6%

16.6%

2.9%

86.3%

8.3%

5.4%

44.0%

45.4%

10.6%

九州

60代以上

(n=

1074

)71

.3%

25.1%

3.5%

79.7%

15.4%

4.9%

35.1%

54.0%

10.9%

九州計

(n=

2315

)77

.1%

18.5%

4.4%

81.9%

11.9%

6.2%

42.5%

45.0%

12.5%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-2-12 沖縄×年代

Q6_

1 生育地方言使用

_家族

Q6_

2 生育地方言使用

_同郷友人

Q6_

3 生育地方言使用

_異郷友人

**使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

使う

使わない

わからない

沖縄

20代

(n=

24)

66.7%

20.8%

12.5%

58.3%

29.2%

12.5%

25.0%

37.5%

37.5%

沖縄

30代

(n=

30)

70.0%

30.0%

0.0%

70.0%

26.7%

3.3%

23.3%

70.0%

6.7%

沖縄

40代

(n=

31)

61.3%

32.3%

6.5%

77.4%

16.1%

6.5%

38.7%

48.4%

12.9%

沖縄

50代

(n=

19)

78.9%

21.1%

0.0%

73.7%

26.3%

0.0%

5.3%

84.2%

10.5%

沖縄

60代以上

(n=

40)

52.5%

42.5%

5.0%

57.5%

35.0%

7.5%

12.5%

72.5%

15.0%

沖縄計

(n=

144)

63.9%

31.3%

4.9%

66.7%

27.1%

6.3%

21.5%

62.5%

16.0%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 25: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

25(  )

320

表6-3 Q7_方言と共通語の割合、Q8_方言と共通語の使い分け意識、Q9_共通語好悪(生育地ブロック×年代クロス集計表)

表6-3-1 北海道×年代

Q7_方言と共通語の割合

***

Q8_方言と共通語の使い分け意識

***

Q9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

北海道

20代

(n=

91)

8.8%

18.7%

53.8%

0.0%

18.7%

17.6%

27.5%

35.2%

19.8%

35.2%

50.5%

2.2%

12.1%

北海道

30代

(n=

151)

7.3%

20.5%

60.9%

0.0%

11.3%

29.8%

25.8%

31.1%

13.2%

36.4%

50.3%

2.0%

11.3%

北海道

40代

(n=

150)

16.0%

15.3%

64.0%

0.0%

4.7%

39.3%

26.0%

30.7%

4.0%

40.7%

55.3%

0.7%

3.3%

北海道

50代

(n=

141)

9.9%

15.6%

70.9%

0.0%

3.5%

36.9%

25.5%

34.0%

3.5%

43.3%

52.5%

2.8%

1.4%

北海道

60代以上

(n=

448)

4.7%

11.2%

80.4%

0.4%

3.3%

29.9%

25.7%

40.6%

3.8%

41.3%

55.8%

0.9%

2.0%

北海道計

(n=

981)

8.0%

14.6%

71.0%

0.2%

6.2%

31.2%

25.9%

36.2%

6.7%

40.2%

53.9%

1.4%

4.5%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-3-2 東北×年代

Q7_方言と共通語の割合

***

Q8_方言と共通語の使い分け意識

***

Q9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

東北

20代

(n=

181)

16.6%

19.3%

43.1%

0.0%

21.0%

33.1%

17.7%

29.8%

19.3%

34.3%

38.7%

8.8%

18.2%

東北

30代

(n=

236)

24.2%

16.1%

47.0%

0.0%

12.7%

48.7%

18.2%

21.6%

11.4%

33.5%

51.3%

5.5%

9.7%

東北

40代

(n=

257)

28.8%

24.9%

40.9%

0.0%

5.4%

55.6%

19.8%

17.5%

7.0%

28.0%

60.3%

5.1%

6.6%

東北

50代

(n=

256)

32.4%

17.6%

44.5%

0.0%

5.5%

60.9%

20.3%

12.9%

5.9%

32.0%

58.2%

4.7%

5.1%

東北

60代以上

(n=

784)

23.9%

19.9%

51.7%

0.0%

4.6%

55.6%

17.1%

23.0%

4.3%

36.5%

57.1%

2.7%

3.7%

東北計

(n=

1714

)25

.1%

19.7%

47.4%

0.0%

7.7%

53.1%

18.2%

21.2%

7.5%

33.9%

55.0%

4.4%

6.7%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-3-3 北関東×年代

Q7_方言と共通語の割合

**Q

8_方言と共通語の使い分け意識

**Q

9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

北関東

20代

(n=

131)

9.2%

14.5%

59.5%

0.0%

16.8%

26.0%

22.1%

35.9%

16.0%

32.8%

50.4%

3.8%

13.0%

北関東

30代

(n=

178)

9.6%

12.9%

69.1%

0.0%

8.4%

28.7%

28.1%

32.6%

10.7%

33.1%

50.6%

6.7%

9.6%

北関東

40代

(n=

181)

11.6%

16.0%

64.1%

0.0%

8.3%

30.4%

23.2%

37.6%

8.8%

35.4%

51.9%

4.4%

8.3%

北関東

50代

(n=

144)

11.8%

18.8%

64.6%

0.0%

4.9%

39.6%

24.3%

31.3%

4.9%

37.5%

58.3%

1.4%

2.8%

北関東

60代以上

(n=

375)

10.7%

18.4%

67.2%

0.0%

3.7%

37.1%

23.2%

36.8%

2.9%

41.6%

52.8%

2.4%

3.2%

北関東計

(n=

1009

)10

.6%

16.6%

65.6%

0.0%

7.2%

33.3%

24.1%

35.3%

7.3%

37.3%

52.7%

3.6%

6.4%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 26: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

26

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

(  )

319

表6-3-4 首都圏×年代

Q7_方言と共通語の割合

***

Q8_方言と共通語の使い分け意識

***

Q9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

首都圏

20代

(n=

578)

5.9%

4.8%

70.4%

0.2%

18.7%

11.1%

16.3%

50.9%

21.8%

42.4%

38.8%

4.0%

14.9%

首都圏

30代

(n=

704)

3.8%

4.8%

75.3%

0.1%

15.9%

9.9%

17.5%

52.0%

20.6%

37.1%

46.7%

3.1%

13.1%

首都圏

40代

(n=

936)

3.2%

4.4%

80.9%

0.5%

11.0%

9.9%

19.8%

55.0%

15.3%

37.0%

51.5%

2.1%

9.4%

首都圏

50代

(n=

669)

2.2%

4.9%

84.8%

0.6%

7.5%

14.5%

18.8%

56.7%

10.0%

44.2%

45.9%

2.2%

7.6%

首都圏

60代以上

(n=

1443

)2.

5%3.

4%87

.5%

0.6%

6.1%

12.4%

17.5%

60.6%

9.4%

51.4%

42.3%

1.3%

5.0%

首都圏計

(n=

4330

)3.

3%4.

3%81

.4%

0.4%

10.6%

11.6%

18.0%

56.1%

14.2%

43.6%

45.1%

2.3%

9.0%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-3-5 甲信越×年代

Q7_方言と共通語の割合

*Q

8_方言と共通語の使い分け意識

*Q

9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

甲信越

20代

(n=

113)

8.8%

10.6%

66.4%

0.0%

14.2%

38.1%

23.0%

28.3%

10.6%

38.1%

50.4%

3.5%

8.0%

甲信越

30代

(n=

127)

7.9%

22.0%

61.4%

0.0%

8.7%

30.7%

26.8%

34.6%

7.9%

38.6%

52.8%

1.6%

7.1%

甲信越

40代

(n=

143)

12.6%

20.3%

58.0%

0.7%

8.4%

42.0%

21.0%

27.3%

9.8%

29.4%

64.3%

0.7%

5.6%

甲信越

50代

(n=

136)

12.5%

14.0%

69.1%

0.0%

4.4%

45.6%

22.1%

30.9%

1.5%

27.2%

69.9%

1.5%

1.5%

甲信越

60代以上

(n=

432)

9.7%

17.4%

68.1%

0.2%

4.6%

44.7%

22.5%

27.8%

5.1%

44.2%

51.4%

1.4%

3.0%

甲信越計

(n=

951)

10.2%

17.1%

65.6%

0.2%

6.8%

41.7%

22.8%

29.1%

6.3%

38.1%

56.0%

1.6%

4.3%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-3-6 北陸×年代

Q7_方言と共通語の割合

***

Q8_方言と共通語の使い分け意識

**Q

9_共通語好悪

**

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

北陸

20代

(n=

56)

28.6%

30.4%

30.4%

0.0%

10.7%

46.4%

10.7%

25.0%

17.9%

28.6%

46.4%

10.7%

14.3%

北陸

30代

(n=

73)

47.9%

16.4%

21.9%

0.0%

13.7%

47.9%

12.3%

28.8%

11.0%

27.4%

54.8%

8.2%

9.6%

北陸

40代

(n=

94)

42.6%

27.7%

23.4%

0.0%

6.4%

61.7%

19.1%

11.7%

7.4%

31.9%

60.6%

3.2%

4.3%

北陸

50代

(n=

85)

35.3%

21.2%

31.8%

1.2%

10.6%

57.6%

16.5%

18.8%

7.1%

31.8%

61.2%

0.0%

7.1%

北陸

60代以上

(n=

269)

25.7%

22.3%

48.3%

0.7%

3.0%

55.8%

20.1%

21.9%

2.2%

35.3%

59.1%

3.7%

1.9%

北陸計

(n=

577)

32.9%

23.1%

36.7%

0.5%

6.8%

55.1%

17.5%

21.0%

6.4%

32.6%

57.9%

4.3%

5.2%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 27: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

27(  )

318

表6-3-7 東海×年代

Q7_方言と共通語の割合

***

Q8_方言と共通語の使い分け意識

***

Q9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

東海

20代

(n=

293)

15.7%

23.2%

47.4%

0.7%

13.0%

36.2%

22.2%

27.6%

14.0%

32.8%

50.5%

6.8%

9.9%

東海

30代

(n=

338)

22.2%

24.3%

42.9%

0.0%

10.7%

38.5%

25.1%

30.2%

6.2%

30.5%

58.0%

5.0%

6.5%

東海

40代

(n=

434)

20.3%

30.0%

42.9%

0.9%

6.0%

43.8%

27.9%

22.1%

6.2%

30.4%

63.1%

2.5%

3.9%

東海

50代

(n=

361)

17.2%

26.6%

53.2%

0.3%

2.8%

46.8%

29.1%

21.1%

3.0%

32.1%

63.4%

2.8%

1.7%

東海

60代以上

(n=

908)

13.0%

20.4%

61.3%

0.3%

5.0%

40.5%

25.0%

30.4%

4.1%

37.3%

57.2%

2.2%

3.3%

東海計

(n=

2334

)16

.7%

24.0%

52.2%

0.4%

6.6%

41.3%

25.8%

27.0%

5.9%

33.7%

58.5%

3.3%

4.5%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-3-8 近畿×年代

Q7_方言と共通語の割合

***

Q8_方言と共通語の使い分け意識

***

Q9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

近畿

20代

(n=

366)

49.2%

19.4%

16.9%

0.0%

14.5%

39.9%

20.5%

26.0%

13.7%

23.5%

49.7%

14.2%

12.6%

近畿

30代

(n=

486)

51.9%

21.0%

18.3%

0.4%

8.4%

50.4%

17.7%

24.7%

7.2%

24.7%

53.9%

13.4%

8.0%

近畿

40代

(n=

615)

54.8%

20.2%

17.7%

0.2%

7.2%

45.9%

21.3%

26.2%

6.7%

17.1%

64.9%

11.2%

6.8%

近畿

50代

(n=

486)

51.2%

21.4%

22.4%

0.6%

4.3%

54.1%

21.4%

21.4%

3.1%

22.2%

65.6%

9.9%

2.3%

近畿

60代以上

(n=

1309

)33

.5%

22.7%

39.6%

0.2%

3.9%

48.3%

22.2%

25.7%

3.7%

27.6%

61.8%

8.0%

2.6%

近畿計

(n=

3262

)44

.7%

21.4%

27.2%

0.3%

6.4%

48.1%

21.1%

25.0%

5.8%

23.9%

60.4%

10.4%

5.3%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-3-9 中国×年代

Q7_方言と共通語の割合

***

Q8_方言と共通語の使い分け意識

***

Q9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

中国

20代

(n=

149)

37.6%

21.5%

28.2%

0.7%

12.1%

47.0%

24.8%

20.1%

8.1%

35.6%

49.0%

8.7%

6.7%

中国

30代

(n=

187)

39.6%

23.0%

28.3%

1.6%

7.5%

52.4%

20.9%

18.2%

8.6%

26.7%

61.5%

6.4%

5.3%

中国

40代

(n=

206)

46.1%

26.2%

20.9%

1.0%

5.8%

56.8%

24.3%

15.0%

3.9%

28.2%

60.2%

8.3%

3.4%

中国

50代

(n=

197)

36.5%

23.9%

36.0%

0.5%

3.0%

62.9%

20.8%

14.2%

2.0%

29.9%

63.5%

5.1%

1.5%

中国

60代以上

(n=

614)

27.4%

23.3%

45.4%

1.0%

2.9%

56.8%

21.8%

19.7%

1.6%

35.8%

60.6%

2.8%

0.8%

中国計

(n=

1353

)34

.4%

23.6%

36.1%

1.0%

5.0%

56.0%

22.2%

18.0%

3.7%

32.5%

59.8%

5.1%

2.6%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 28: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

28

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

(  )

317

表6-3-10 四国×年代

Q7_方言と共通語の割合

***

Q8_方言と共通語の使い分け意識

**Q

9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

四国

20代

(n=

72)

30.6%

25.0%

31.9%

0.0%

12.5%

43.1%

22.2%

20.8%

13.9%

31.9%

48.6%

11.1%

8.3%

四国

30代

(n=

96)

40.6%

28.1%

21.9%

0.0%

9.4%

55.2%

16.7%

20.8%

7.3%

26.0%

51.0%

15.6%

7.3%

四国

40代

(n=

101)

43.6%

19.8%

30.7%

1.0%

5.0%

51.5%

27.7%

14.9%

5.9%

21.8%

68.3%

5.0%

5.0%

四国

50代

(n=

97)

44.3%

26.8%

24.7%

0.0%

4.1%

60.8%

17.5%

17.5%

4.1%

27.8%

64.9%

6.2%

1.0%

四国

60代以上

(n=

352)

30.4%

19.3%

46.9%

0.0%

3.4%

56.0%

18.8%

23.0%

2.3%

33.5%

60.8%

4.0%

1.7%

四国計

(n=

718)

35.5%

22.1%

36.8%

0.1%

5.4%

54.6%

19.9%

20.6%

4.9%

29.9%

59.9%

6.7%

3.5%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

, 1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-3-11 九州×年代

Q7_方言と共通語の割合

***

Q8_方言と共通語の使い分け意識

***

Q9_共通語好悪

***

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

九州

20代

(n=

242)

39.7%

27.7%

21.5%

0.4%

10.7%

53.3%

17.8%

19.4%

9.5%

30.2%

55.8%

7.9%

6.2%

九州

30代

(n=

309)

42.4%

28.8%

23.3%

0.3%

5.2%

55.0%

21.4%

17.2%

6.5%

25.6%

60.2%

7.1%

7.1%

九州

40代

(n=

340)

41.5%

27.9%

26.8%

0.3%

3.5%

60.0%

22.6%

14.7%

2.6%

26.8%

63.2%

6.5%

3.5%

九州

50代

(n=

350)

41.1%

23.4%

32.6%

0.0%

2.9%

68.9%

13.4%

14.9%

2.9%

31.1%

62.3%

4.9%

1.7%

九州

60代以上

(n=

1074

)27

.6%

22.3%

46.9%

0.6%

2.6%

58.3%

20.0%

19.5%

2.2%

40.6%

56.0%

2.1%

1.3%

九州計

(n=

2315

)34

.9%

24.8%

36.0%

0.4%

4.0%

59.2%

19.4%

17.8%

3.7%

34.0%

58.5%

4.4%

3.0%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

表6-3-12 沖縄×年代

Q7_方言と共通語の割合

Q8_方言と共通語の使い分け意識

Q9_共通語好悪

方言より

方言と共

通語半々

共通語

より

その他

わから

ない

使い分け

ている

どちらとも

いえない

使い分け

ていない

わから

ない

好き

どちらで

もない

嫌い

わから

ない

沖縄

20代

(n=

24)

4.2%

12.5%

75.0%

0.0%

8.3%

45.8%

4.2%

33.3%

16.7%

41.7%

41.7%

8.3%

8.3%

沖縄

30代

(n=

30)

10.0%

16.7%

70.0%

0.0%

3.3%

63.3%

13.3%

20.0%

3.3%

46.7%

50.0%

0.0%

3.3%

沖縄

40代

(n=

31)

6.5%

32.3%

58.1%

0.0%

3.2%

67.7%

16.1%

16.1%

0.0%

51.6%

45.2%

0.0%

3.2%

沖縄

50代

(n=

19)

5.3%

10.5%

84.2%

0.0%

0.0%

68.4%

10.5%

21.1%

0.0%

52.6%

47.4%

0.0%

0.0%

沖縄

60代以上

(n=

40)

0.0%

15.0%

80.0%

0.0%

5.0%

50.0%

17.5%

25.0%

7.5%

40.0%

55.0%

0.0%

5.0%

沖縄計

(n=

144)

4.9%

18.1%

72.9%

0.0%

4.2%

58.3%

13.2%

22.9%

5.6%

45.8%

48.6%

1.4%

4.2%

※χ

2検定有意水準:

5%:*

,1%

:**,

0.1%

:***

※ χ

2検定で有意差有りの場合の調整済み残差

2以上にボールド・下線、もっとも値の大きなセルは白黒反転

Page 29: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

29

「Q9_共通語好悪」は「好き」は60代以上の高年層,「嫌い」「わからない」は20代または30代の若年層,「どちらでもない」は40代または50代の中年層という傾向が認められる。このパターンから大きく逸脱しているのは,年代差の認められない「沖縄」,「わからない」以外の年代差が認められない「北海道」である。

3.4. 生育地ブロックと生育地ブロックごとの年代による差の背景

3.2と3.3において地域差と地域ごとの年代差についてみてきた。ここでは,それぞれから読み取れる大きな傾向と,推測されるその背景について簡単に述べる。地域差としては,現代の首都を含む首都圏対その他,首都圏タイプ対近畿タイプとい

う対立に加え,いずれとも地理的・言語的距離のある「沖縄」に独特なふるまいが認められるというパターンがおおまかに読み取れる。「沖縄」に独特な動きが認められる背景としては,2節で述べた通り,「沖縄」のサンプル回収が他地域に比べ不調で,最終的に60代女性については回収目標数に至らず60代男性で補充したデータを分析対象としていることが影響している可能性を指摘できる。また,その分析対象データは生え抜き(当該ブロックが生育地であり居住地であるケース)の比率が全生育地ブロックの中でもっとも低い。これらが「沖縄」の独特なふるまいに関与している可能性は否定できない。首都圏タイプ,近畿タイプのそれぞれ下位区分を形成する生育地ブロックのふるまいは,「東北」「九州」といった濃厚方言分布域として意識される地域か,「北関東」「甲信越」のような,そうとは意識されにくい地域かというようなことが効果を与えていると推測される。次に,生育地ブロックごとの年代差分析において広く共通する部分に注目すると,以下のような年層別特徴が認められる。

(1) 60代以上(高年層):生育地が「好き」で,生育地方言は「ある」,しかし自身は「共通語より」で使い分け意識は「ない」,世代の異なる構成員の含む家族や方言を共有しない異郷友人には生育地方言を「使用しない」。

(2) 40・50代(中年層):家族・同郷友人・異郷友人すべての場面における方言使用程度が他年層に比べ高く,方言と共通語の使い分け意識が高い生育地ブロックが多い。

(3) 20・30代(若年層):「共通語」が「嫌い」な他は,どの設問も「わからない」。一方,異郷友人に方言「使う」が多い生育地ブロックが西日本域に目立つ。

以上から,高年層は方言があると認識し使用程度は高いが共通語に価値を見出す世代,中年層は共通語化の進展の中で方言に価値を見出す意識的な使い分け世代,若年層は共通語化の完了に従い方言と共通語の区別があいまい化しているものの誰でも使えることばとして意識される共通語には価値を見出さない世代と,概略まとめることができ

(  )

316

Page 30: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

30

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

る。西日本域の若年層における異郷友人への方言「使う」は,他の項目への「わからない」を踏まえると,ヴァーチャル方言的な「使う」であると想像される 17)。

4.すべての項目を用いた生育地ブロックの分類

3節の分析を通じて,12の生育地ブロックはまったくばらばらな回答傾向を示すのではなく,いくつかのタイプに分類できることが確認された。本節では,本稿で検討してきた7設問すべてを用いた生育地ブロックの総合的なタイプ分類を試みる。12生育地ブロックごとの7設問34選択肢の回答率を変数とし,生育地ブロックをケースとしたケース間の類似度に基づく分類を試みる 18)。類似度に基づく分類には,それにもっとも適した多変量解析の一種であるクラスター分析(平方ユークリッド距離に基づくward法)を用いた 19)。その結果を樹状図(デンドログラム)として示したものが図8である。

図8からは,大きく「首都圏」対「その他」という構造が読み取れる。首都圏以外は,近畿を中心とした「西日本方言分布域」と「東日本方言分布域+沖縄」に中区分される。西日本方言分布域は近畿とそれ以外に,他方は「沖縄」と東日本方言分布域に小区分され,さらに「東北」「東海」と「北関東」「甲信越」「北海道」に細区分される。

(  )

315

図8.2016年web調査_生育地方言・共通語意識項目を用いた生育地ブロックの分類

Page 31: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

31

3節の分析を踏まえると,共通語主流社会と意識されているか否かと,共通語の基盤方言分布域である首都圏方言との言語的距離感覚の遠近が,生育地ブロックの回答に基づくタイプ分類の基底にある結果と解釈できる。それらを併せ示したものを以下に示す。

 【大】首都圏:共通語主流社会タイプ 【大】非首都圏:非共通語主流タイプ  【中】西日本方言分布域タイプ   【小】近畿   【小】中国・四国・北陸・九州  【中】東日本方言分布域+沖縄タイプ   【小】沖縄   【小】東日本方言分布域    【細】東北・東海    【細】北関東・甲信越・北海道

2010年調査データに基づくクラスター分析の結果(田中ゆかり2011pp.110-114),同じく2010年調査データに基づく確率論的話者分類(潜在クラス分析)による地域分類の結果(田中ゆかり・前田忠彦2012;2013)とは,重なるところは多いが異なるところも目に付く。

2016年web調査に基づく地域分類と従前の分類結果とのもっとも大きな違いは,地理的にも言語的にも距離のある「沖縄」が東日本方言分布域と同じ群に位置づけられたことである。「東海」が東日本方言分布域に分類されたことも従来の分類とは異なる点として注目される。これらの背景には,調査年・調査方法,調査方法に由来するデータ特性などが関わる。しかし,2010年または2015年から2016年の間に,「沖縄」と「東海」に関連する社会構造と方言・共通語意識に大きなインパクトを与えるような社会的事象は見当たらない 20。よって,調査方法と調査方法に由来するデータ特性の影響に基づくものと強く想像されるが,これについての詳細な検討は別の機会を設ける予定である。

5.おわりに

以上,2016年web調査に基づく最新の方言・共通語意識についての細かな報告・分析を行ってきた。本稿は,1節で述べた類似項目を用いた大規模な繰り返し調査間の対照のための予備的報告と分析という色彩ももつ。調査間のさまざまな対照に基づく分析と解釈については,今後の課題とする。

(  )

314

Page 32: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

32

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

一方,類似項目を用いた継続的な大規模調査を行う中での実感としては,非常に大きなフレームはともかく,無作為抽出や実態に近似させようとする人口比割り付けなどのさまざまな手法を試みたとしても,それぞれの調査における一回性的な結果が見いだされることは否定できない程度にあるように感じる。そう考えると,対人調査を単発で実施する意義とそこから読み取れたかのように思えるものは何か,という新しい疑問を抱かざるをえない。また,小規模な単発調査データから,どの程度一般的な構造などを読み解くことが可能なのかという,古いけれども,問い直すべき問題も浮かび上がる。むろん,筆者は調査規模の大小を問わず,それが単発であっても継続的なものであっ

ても,調査が示す結果からは,それぞれに読み取るべき意味があると考える立場に立っている。調査における一回性は否定できないとしても,その時のその設計によるその調査でないとすくい取れないことも多くあったし,今後もあると考えている。その上での,新しいあるいは古いけれども改めて考えるべき課題である。近年は調査拒否の増加などによって対人調査,とくに大規模対人調査の困難化が顕著

である。同時に,急速に社会の情報化が進み,従来の社会的属性観に基づく調査設計では解明が困難なテーマも少なからず存在するようになった。社会言語学的問題解明の有力な手法のひとつとして踏襲されてきた,社会調査をモデルとした大規模対人言語調査のあり方を改めて検討するという,おそらく筆者個人の手には余るかなり大きな課題を指摘し,本稿を閉じたい 21)。

付記

本稿は,下記共同研究ならびに研究課題の一環である。相澤正夫・前田忠彦・林直樹の各氏は,本調査をはじめとした方言・共通語意識調査プロジェクトにおいて相互に分担・協力する関係にある。

・ 国立国語研究所基幹型共同研究2010 ~2015年度「多角的アプローチによる現代日本語の動態の解明」(リーダー:相澤正夫)

・ 科学研究費基盤研究(C)(課題番号15K02577 代表者:田中ゆかり)2015~2017年度 「ヴァーチャル方言研究の基盤形成と展開」 ・ 大学共同利用機関法人統計数理研究所共同研究課題一般研究2(28-共研 -2024,35,代表者:田中ゆかり)2016年度「調査方法の異なる大規模言語意識調査データの比較分析」・ 大学共同利用機関法人統計数理研究所共同研究課題一般研究2(29-共研 -2024,85,代表者:田中ゆかり)2017年度「調査方法の異なる大規模言語意識調査データの比較分析」

文献一覧

NHK放送文化研究所編(1997)『現代の県民気質―全国県民意識調査―』日本放送出版協会大隅昇 (2002)「インターネット調査の適用可能性と限界―データ科学の視点からの考察―」『行

動計量学』29(1),行動計量学会 ,pp.20-44

(  )

313

Page 33: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

33

大隅昇 (2014)「ウェブ調査」社会調査協会編『社会調査事典』丸善大隅昇・前田忠彦(2007)「インターネット調査の抱える課題―実験調査から見えてきたこと―(その1)」『日本世論調査協会報』100,日本世論調査協会 ,pp.58-70

大隅昇・前田忠彦 (2008)「インターネット調査の抱える課題―実験調査から見えてきたこと―(その2)」『日本世論調査協会報』101,日本世論調査協会 ,pp.79-94

小野寺典子(2017)「NHK世論調査における調査方法論研究の系譜」『NHK放送文化研究所年報』61,NHK放送文化研究所,pp.51-112

北村甫(1952)「子どもの言葉は移住によってどう変るか」『言語生活』8,pp.15-20筑摩書房佐藤和之・米田正人(1999)『どうなる日本のことば―方言と共通語のゆくえ―』大修館書店田中ゆかり(2011)『「方言コスプレ」の時代―ニセ関西弁から龍馬語まで―』岩波書店田中ゆかり(2012)「「方言」 の受けとめかたの移り変わり―全国方言意識調査からみる年齢差・地域差―」『日本語学』31(11),明治書院,pp.16-27

田中ゆかり(2016)『方言萌え⁉ ―ヴァーチャル方言を読み解く―』岩波書店田中ゆかり・前田忠彦(2012) 「話者分類に基づく地域類型化の試み―全国方言意識調査データ

を用いた潜在クラス分析による検討―」『国立国語研究所論集』3,国立国語研究所,pp.117-

142

田中ゆかり・前田忠彦(2013)「方言と共通語に対する意識からみた話者の類型―地域の分類と年代による違い―」相澤正夫編『現代日本語の動態研究』おうふう,pp.194-210

田中ゆかり・林直樹・前田忠彦・相澤正夫(2016)「1万人調査からみた最新の方言・共通語意識―「2015年全国方言意識Web調査」の報告―」『国立国語研究所論集』11,国立国語研究所,pp.117-145

諸藤絵美(2007)「ウェブ調査の特性を探る―「食生活調査」での並行実験調査―」『放送研究と調査』2007年2月号,NHK放送文化研究所,pp.58-66

参照サイト

総務省「平成28年度版 情報通信白書」(2017年3月30日最終閲覧) http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc252110.html

1) 調査間比較を通じ,近年普及したwebアンケート調査の特性の把握をとくに目指したい。これについての検討は別稿を予定している。

2) 未報告の関連調査には,オムニバス調査の一環としての面接調査2回(2015年,2016年),比較的小規模なweb調査1回(2016年)がある。これらの報告ならびに通覧した比較については,今後の課題とする。

3) 居住地の方言に対する好悪,恥ずかしいか・誇らしいか,子や孫の世代に継承したいかの3項目。

(  )

312

Page 34: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

34

全国 2万人 webアンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

4) webアンケートの特性について指摘したものに,次のようなものがある。大隅昇

(2002;2014),大隅昇・前田忠彦(2007;2008),諸藤絵美(2007),小野寺典子(2017)。

5) 「インターネットに接続可能な環境とスキルをもち,かつ委託会社にアンケート回答のためのモニター登録をしている人」という条件を満たしている人が対象であるということ。

6) 総務省平成28年度版情報通信白書によると,以下のような年代・地域差が認められる。13

~59歳男女までは9割以上普及しているが,60代男女では7割前後,70代男女では5割前後,80代男女では2割前後である。都道府県別では首都圏を中心に高い傾向がある。全国平均普及率は80.3%でそれを超えるのは高い順に茨城・埼玉・千葉・東京・神奈川・石川・静岡・滋賀・京都・大阪・福岡・沖縄の12都府県。収入による普及率の差も大きく,年収200万円未満の世帯では6割前後に留まる。

7) 小数点以下の数値は,小数点第二位を四捨五入した数値を示す。以下,同様。 8) 「aaaaa」のような回答を含むもの,回答に矛盾のあるものなど。 9) 乱数を発生させ,有効回答から目標数に至るまでの無作為抽出。10) 注6の通り,沖縄県は全国平均よりインターネット普及率が高い。「沖縄」の回収率の低さはネット普及率とは別の問題ということになる。

11) 言語形成期仮説の根拠データとして代表的なものに北村甫(1952)がある。言語形成期を言語基盤の形成期と考えると3歳前後から15・6歳前後までの間が可変的期間と読み取れる。

12) ネット上では属性を詐称しやすい傾向にあることが否定できないが,本当の回答であることも否定できない。

13) この分類では生え抜き群に,中学校卒業までに移動経験がある回答者を含むことになるが,サンプル数を多くとっているため,傾向性を知るには大きな問題はないと判断した。

14) Q7で「その他」を選択した場合,具体的記述の可能な回答欄を設けたがほとんど無記入であったので,今回は分析対象としない。

15) 2015年全国方言意識web調査の選択肢はそれぞれ次の通り。Q4は,1=使い分けていると思う,2=使い分けていないと思う,3=わからない。Q8は,1=ある,2=ない,3=わからない。

16) 生育地方言が共有される相手に対して方言使用に傾く例としては,佐藤和之・米田正人(1999)がある。相手(地元方言話者vs共通語話者)と場所(地元vs東京)の2要因4場面で方言使用率を尋ねており,相手が地元方言話者であることが場所に優先して方言使用率を高めている。

17) 異郷友人に対して「使う」のは,「生活の中の素のことば」である伝統方言というよりも,地域アイデンティティーとしてふだんは使わないような「地元らしいことば」を用いていると想像する。このことを“ヴァーチャル方言的な「使う」”と表現した。

18) 「Q3_ 生育地好悪」は言語意識設問ではないので,これを外した試行も行ったが,本稿で示した結果と抽出された構造はまったく同じでクラスター結合の順番が「北関東」「甲信越」「北海道」において異なるだけであった。また,「Q7_ 方言と共通語の使い分け」の選択肢「その他」は選択率が低いためこれを除去した試行も行ったが,こちらは構造・クラスター結

(  )

311

Page 35: webアンケート調査に基づく - Nihon Universitydep.chs.nihon-u.ac.jp/japanese_lang/pdf_gobun/158/158_13...2 全国2 万人web アンケート調査に基づく方言・共通語意識の最新動向

35

合の順番も本稿で示した結果と一致した。以上から変数のもっとも多いものを結果として示すことにした。なお,生育地ブロックごとの年代をケースとした同様の解析も行ったところ,タイプの大枠については同様の結果となった。一方,生育地ブロックによっては年代による所属群の異なりなどがうかがえた。詳細な報告と分析は,別の機会に譲る。

19) 解析には IBM SPSS Statistics21 を用いた。20) 「東北」については2011年3月に発生した東日本大震災,「九州」については2016年4月に発

生した熊本大地震とそれを端緒とする「方言」を用いた各種支援活動などは,影響力をもつものといえるが,「沖縄」「東海」については,この間,とくに大きな影響力をもつ社会的事象は見当たらない。

21) 本稿脱稿後の2017年4月27日に,国立国語研究所と統計数理研究所が中心となって実施してきた社会調査をモデルとした日本における大規模経年調査を代表する「鶴岡調査データベースver.1.0」が公開された(http://www2.ninjal.ac.jp/longitudinal/tsuruoka.html)。公開された生データに基づく検証やそこから導かれる知見などによって,新たな調査観や調査手法,調査設計などが生まれるきっかけとなるのかも知れない。

(たなか ゆかり,本学教授)

(  )

310