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Webアプリケーションの性能ボトルネック解析からユーザビリティの改善までをトータルに支援するCosminexus「クライアント性能モニタ機能」
Webユーザビリティを高めるため、優れた操作性や魅力的なデザインを持つ、リッチなWebアプリケーションが増えています。しかし、リッチ化が極端に進みすぎると、クライアントPCでの処理に時間がかかってしまい、応答性能の悪化を招いてしまうケースが少なくありません。従来は、負荷テスト・ツールなどを利用しサーバに負荷をかけることで、サーバやネットワークの性能を測定してきました。しかし、これらの方法では、ユーザーが体感する応答性能との間にギャップがあるという問題が生じていました。 こうした課題を解決するには、サーバの稼働状況だけでなく、ユーザー視点での応答性能モニタリングが必要です。これまでは、ストップウォッチで測定する方法、ユーザーのPCに応答性能測定用のツールをインストールする方法、応答性能の測定機能をWebアプリケーションに作り込む方法などがありましたが、これらの手法ではユーザーや開発者の協力に加え、アプリケーションや環境ごとに対応が必要だったり、継続的かつ多数の同時測定が困難だったりと、それぞれに問題点が指摘されていました。 そこでCosminexusでは、Webアプリケーションの操作にかかった時間をユーザー視点で自動的に測定・取得し、その結果をWebブラウザ上で容易に分析できる「クライアント性能モニタ機能」を提供しています。
まず、クライアント性能モニタ機能の仕組みについてご説明します(図1)。同機能はアプリケーションサーバ側で実行するフィルタ(クライアント性能フィルタ)の形で提供され、Webアプリケーションの定義ファイルに設定するだけで使用できます。クラ
イアントからのリクエストを取得すると、クライアント性能フィルタは測定用スクリプトをWebアプリケーションのサーブレット※2やJSP※3が生成したレスポンスに自動的に埋め込み、クライアントに送信。その後、レスポンスを受信したブラウザ上で、表示処理と並行してクライアント性能測定用スクリプトが動作し、性能データが取得されます。 これにより、「Webアプリケーションへの通信に要する時間」「Webブラウザで描画に要する時間」「ユーザーがWebブラウザ上で操作を実行するまでの時間」を正確に測定・取得することが可能となります。
Webサイトへのアクセス数をアップさせ、ビジネスチャンスの拡大を図るには、Webアプリケーションの応答性能や操作性の改善によるWebユーザビリティの向上が不可欠です。そこで日立は、SOA※1プラットフォーム「Cosminexus」において、サーバからクライアントまでの応答性能を通して測定し、問題点をスピーディに摘出できる「クライアント性能モニタ機能」を提供しています。Webアプリケーションの応答性能悪化の原因究明にお悩みのお客さまは、ぜひクライアント性能モニタ機能をご活用ください。※1 Service Oriented Architecture
13 はいたっく2010-8
コズミネクサス
図1 「クライアント性能モニタ機能」の仕組み
ユーザー視点で応答性能を分析できる「クライアント性能モニタ機能」
「クライアント性能モニタ機能」の特長
※2 webサーバと連携してJavaのプログラムを動作させる仕組み※3 HTMLの中にJavaのコードを埋め込んで実行させるための仕組み
クライアント アプリケーションサーバ
・クライアント性能 スクリプト生成・生成したスクリプトを レスポンスに自動挿入
クライアント性能フィルタ
リクエスト受信
レスポンス送信
性能データの取得
スクリプトの実行
測定結果を保存
モニターページの表示
応答性能・操作時間の統計値ページ特性の分析に利用
ページのアクセス回数ページのアクセス傾向分析に利用
サーブレット、HTMLファイルなど
All Rights Reserved,Copyright ©2010,Hitachi,Ltd.
■ 定義ファイルの変更だけで導入可能 クライアント性能モニタ機能で応答性能を測定・取得する際、測定用のツールを別途追加する必要はありません。アプリケーション開発時にサーブレットフィルタの設定を行うだけで使用できます。従来のモニタリング技術で必要だった測定者の確保やユーザーおよびWebアプリケーション開発者の協力も不要になります。 性能データの測定中も、ユーザーはクライアント性能モニタ機能が動作していることを意識することなく、Webアプリケーションを操作できます。これにより、モニタリング機能を容易に導入できるほか、導入コストも大幅に低減できます。
■ Webアプリケーションの応答性能をモニターページに表示 クライアント性能モニタ機能で取得された測定結果は、応答性能を評価するための性能データとして使用できます。性能データは、同機能で提供するモニターページ(Webページ)で「アクセスごと」「Webページごと」に確認することができます。
(1)アクセスごとの応答性能の表示 応答性能の測定値がアクセスごとに、アクセス時刻、アクセス先URL、応答性能の測定値(処理ごとの測定値、操作時間)など、わかりやすく表示されます。
(2)Webページごとの応答性能の表示 Webページごとのアクセスの傾向やアクセスごとの応答性能のばらつきを把握できます。処理に時間がかかるページや画面遷移に問題があるページの特定も可能です。 統計結果はWebページのURLごとに、アクセス回数、応答性能の統計値(処理ごとの最小値、最大値、平均値)、操作時間の統計値が表示されます。
■ サーバからクライアントまでの性能ボトルネックを解析 応答性能に異常がある場合、モニターページ上で該当する処理時間を赤く表示できるため、問題点を一目で確認できます。例えば、描画時間が赤く表示された場合はクライアントに問題があり、通信時間が赤く表示された場合はサーバ側に問題があることがわかります。また、クライアント性能モニタ機能では、リクエストごとに問い合わせIDが付与されており、この問い合わせIDと対になる情報が、同じくCosminexusで提供している「性能解析トレース機能」に出力される仕組みになっています。このため、問い合わせIDをキーに、クライアントがリクエストを送信してから応答結果を描画するまでのすべての処理をトレースでき、性能ボトルネックを詳しく解析できるようになります(図2)。
このように、Cosminexusのクライアント性能モニタ機能は、業務アプリケーションの性能情報を画面上で見える化しながら、性能ボトルネック解析を容易に行うことが可能です。また、この機能はユーザビリティ評価にも適用できます。代表的な2つの適用モデルをご紹介します。
■ Webアプリケーションの性能評価 Webアプリケーションの性能評価では、主にブラウザ上の動作にボトルネックが存在しないかを確認します。この場合、アプリケーション開発者がテスターとなり、実際にWebアプリケーションを実行して性能評価を行います。また、収集した性能データは、クライアント側でモニターページを表示して解析します。
■ ユーザビリティ評価 ブラウザの操作ログを解析し、ユーザビリティ改善のポイントを発見できます。性能データを分析し、各ページの利用頻度や平均的な応答時間、操作にかかっている時間からWebアプリケーションの改善項目の検討を行うことが可能です。
以上にご紹介したように、クライアント性能モニタ機能は、ユーザー視点でのモニタリングによって、Webアプリケーションの応答性能・操作性能にかかわる幅広い問題をスピーディに解決することができます。また、特別なツールや人手を使わずに自動的に測定できるため、分散拠点での自動測定や大規模な開発テストなどにも利用できます。 お客さまのビジネスを成功に導くWebユーザビリティの向上に、ぜひCosminexusのクライアント性能モニタ機能をお役立てください。
14はいたっく2010-8
お問い合わせ先
HMCC(日立オープンミドルウェア問い合わせセンター) 0120-55-0504利用時間 9:00~12:00、13:00~17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)
■ 情報提供サイト http://www.cosminexus.com/
図2 性能解析トレースとクライアント性能モニタ機能のマッチング
「クライアント性能モニタ機能」の適用モデル例
Cosminexus アプリケーションサーバHTTPServer
応答性能収集
通信時間
クライアント
描画時間
応答性能の測定結果 性能解析トレース データベースサーバログ
トレース収集
ログ収集
Webコンテナ
データベース
EJBコンテナ
データデータデータデータデーータ
ブラウザ操作からアプリケーションサーバ、データベースに至るまでを通してトレース
共通の ID=一貫した解析
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