入門実験 B 2011 年①9 月 26 日 ガイダンス,生産性を考える②10月 3日 生産性① ( 紙飛行機 第1回)③10月10日 生産性② ( 紙飛行機 第2回)④10月17日 生産性③ ( ミニ四駆組立 )⑤10月24日 ライフサイクルエンジニアリング①⑥10月31日 ライフサイクルエンジニアリング②⑦11月 7日 ライフサイクルエンジニアリング③⑧11月14日 ミニ四駆 品質①⑨11月21日 ミニ四駆 品質②⑩11月28日 ミニ四駆 品質③⑪12月 5日 起業計画①⑫12月12日 起業計画②⑬12月19日 起業計画③⑭1 月 16 日 特別講義
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生産性:生産性を考えよう• 製品・サービスを生み出す為の生産活動のリソー
スである材料と人の生産性について考えてみましょう
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生産性:生産性を考えよう講義日 担当教員 テーマ 概要
10/3 ( 月)大成
生産性①(紙飛行機 第 1 回) リソース(材料、人)の生産性について · 材料を利用方法と作業分担ルール · 生産性評価のための指標 · 作業の優先順位とバランス
10/10 ( 月)(体育の日) 生産性②(紙飛行機 第 2 回)
10/17 ( 月) 吉本 生産性③(ミニ四駆組立)
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ライフサイクルエンジニアリング
• ライフサイクルエンジニアリングとは,– 循環型生産を実現するために必要な,製品ライフサ
イクルの計画,実現,評価のための工学である.• 本実験では,
– 製品ライフサイクルの計画に関する基本的な考え方を,ライフサイクルシミュレーションを通じて学ぶ.
講義日 担当教員 テーマ 概要
10/24 ( 月)
高田
ライフサイクルエンジニアリング① ライフサイクルエンジニアリングに
ついて · 寿命分布とその推定 · 部品寿命と部品リソース · 部品リユースのと部品共通化戦略
10/31 ( 月)ライフサイクルエンジニアリング②
11/7 ( 月)ライフサイクルエンジニアリング③
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品質:製品設計と実験計画法• 製品設計:
– 製品企画で検討した製品のコンセプトを具現化するために,要求品質を具体的な物理特性に変換
– その物理特性を満たすための製品の仕様を決め,図面に展開
• 部品や形状をどのようにすればよいかを決定するには,– いろいろな部品や形状を選んで実験を行い,その製品に要求されている品
質特性値を計測– 品質特性値が要求を満たしているものの中から,コストや作り易さなど
を考慮して最終的にどれを採用するか決定
• このような実験を行う際には,– 工数や予算は限られていますので,なるべく効率的に行うことが必要– 今回の実験項目では,製品設計における実験を効率的に行う手法である
実験計画法が,どのような手法であるかを学ぶのが目的
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品質:製品設計と実験計画法講義日 担当教員 テーマ 概要
11/14 ( 月)
棟近
ミニ四駆 品質①製品設計と実験計画法について · 要求品質と製品仕様 · 実験計画と因子分析
11/21 ( 月) ミニ四駆 品質②
11/28 ( 月) ミニ四駆 品質③
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起業計画• 企業を立ち上げ運営するには,いったい
どんなものを用意し,何を考慮しなければならないか?
• その答えを習得することが今回の実験テーマである「起業計画」の狙い
講義日 担当教員 テーマ 概要12/5 ( 月)
大野
起業計画① 企業計画(立ち上げ運営)について · 経営の 4 要素( 4M )の意義 · 需要と供給能力のバランス · 経営分析と決算書の役割 · 経営政策と経営環境条件
12/12 ( 月) 起業計画②
12/19 ( 月) 起業計画③
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○○ アクティビティ( 作業・意思決定 )
インプット( 投入素材 : 費用 )
アウトプット( 出力製品 : 価値 )
コントロール( 制約条件 : ルール )
メカニズム( リソース:人、設備
等 )
生産性指標を考える:生産活動 / 事業経営 / 産業出力
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製品・サービスの創造と提供‐価値創造技術経営専攻が対象とする領域‐
企画
開発
製造
サービス
リサイクル
販売 流通 調達 購入顧客 サプライヤ
技術
環境
CRM
CRM (Customer Relationship Mangement)PLM (Product Lifecycle Management)SCM (Supply Chain Management)
SCM
PLM
情報システム戦略・マネジメント知的財産戦略マネジメント
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[ 投 入 物 ][ 変 換 過 程 ]
[ 産 出 物 ]
生産対象
生産労働力
生産手段
生産情報(生産技術・管理技術)
生 産 工 程
多段階プロセス
生産性=産出物
投入物
生 産 財(高価値体)
有形財(製品)
(生産機能)
(販売機能)生 産 要 素(素価値体)
主要材料
補助材料
直接生産手段(生産設備)
間接生産手段
工具
機械
装置
物的・価値
要素・総
無形財(サービス)
効用
形態
場所
時間
所有
生産(プロダクション/マニュファクチャリング)の基本的内容
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生産活動の評価指標(例)
①Q : Quality (価値・品質)②C:Cost (費用・利益)③D:Delivery (生産量・所要時間) 生産性(狭義)④L:Lifecycle (寿命・耐用性)
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生産能力マネジメントの狙い前提条件
Q : Quality C: Cost
目的D: Delivery
① 生産率(生産量 / 単位時間):rサイクルタイム:t = 1/r
② リードタイム: LT
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仕事に掛かる時間① リードタイムとは、 仕事を受け付けてから(仕事が到着して
から) 完成させるまで(出発するまで)の 時間(期間)② サイクルタイムとは(生産率の逆数)、 完成する(出て行く)仕事の間隔(時
間)③ プロセッシングタイムとは、 仕事に必要な作業時間(工数) 13
リードタイム、生産率と仕掛(仕事の投入量)
w2 w3
w1 :機械1の仕掛数
リードタイム : LT
生産率 : Pr
(単位時間当たりの生産量)
全体の仕掛数 :WIP
WIP = w1+w2+w3
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Little の公式
定常状態( input = output )でのシステム内の平均滞在時間( T )は平均到着(又は出力)間隔( )と仕掛り数( W) の積に等しい。
1P
P
WT W
P
1又は
T : リードタイム
W : 仕掛り数
P : 生産率(単位時間当たりの生産量), : 到着(又は出力)間隔
1P
1P( )
1P( )
( T )
( W )
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生産性の定義(広義)
P= Productivity
P = × DQC
Q= Quality (製品・サービス1単位の価値)
C= Cost (1単位生産するのに必要な リソースの価値)
D= Delivery ( Quantity , Due-Date )(単位時間当たりの生産量)
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生産性の向上
Q=v(製品・サービスの価値)
C=r(リソースの消費・占有量)
× i(リソースの単位コスト)
D=n(生産量)/t(スループットタイム)
P=(v × n)/(r × i × t)
v:売価のアップ
n:生産量の増加
r:資産の削減(設備、在庫、労働力の低減)
i:資本コストの低減
t:リードタイムの短縮
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SCプロセスの能力
設計する
工程・作業量の計画を立てる
資材を調達する
生産指示票を作成する
会議をする
製造する
インプット アウトプット
プットプット
プロセス
処理頻度
処理容量 所要時間
γβα cccfCi ,,
iCFT
・プロセス i
・スループット T
αcβcγc
:所要時間
:処理容量
:処理頻度
※但し
の能力 iC
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生産能力( Ability )の定義
A1: Speed (オペレーションの実時間の短縮)
A2: Capacity (同時に処理できるワーク数の増加)
A3: Response (オペレーション開始までの待ち時間の短縮)
Delivery の改善に影響する生産能力
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リードタイム、生産率と仕掛(仕事の投入量)
w2 w3
w1 :機械1の仕掛数
リードタイム : LT
生産率 : Pr
(単位時間当たりの生産量)
全体の仕掛数 :WIP
WIP = w1+w2+w3
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リードタイムは短い方が良い何故?
• 客を待たせない(待てない客は買わない)
• 仕掛が少ない(売る前の状態は費用となる)
• 需要に合わせ易い(余分、不足が出る) ↓ 機会損失 不良在庫
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リードタイム0
発生頻度 顧客納期( 要求リードタイム )
製造リードタイム
納期遅れ
平均
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企業(事業)の経営評価指標(例)
1.経営の規模 ①売上高 ②利益額 ③総費用
2.経営効率 ①売上高利益率( ROS ) ②総資産利益率( ROA) ③総資本利益率( ROE)
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ROS• 売上高利益率もしくは利益対売上高比率は、損益計
算書上の利益の額を売上高で除した値である。分子としてどのような利益を使用するかによって、以下のような指標がある。
• 売上高総利益率(粗利率) = 売上総利益 ÷ 売上高• 売上高総利益率は、売上高から売上原価(製造原
価)を差し引いた、売上総利益(粗利益)を元に算定されることから、企業が提供する商品(またはサービス)の競争力を測るために利用され、製造活動(製造コスト)の巧拙を示す指標として用いられる。
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RO A• 総資産利益率(そうしさんりえきりつ、英: Return
On Assets )は財務分析の概念の一つ。• 自総資産利益率は、当期純損益を総資産で割った数値
である。経営資源である総資産を如何に効率的に活用して利益に結びつけているかを示している。
• 総資産利益率は、「売上高利益率 ×総資本回転率」という形でも表される。売上高利益率は収益性を示す指標であり、総資本回転率は効率性の指標であるが、総資産利益率は収益性と効率性を同時に示す指標である。
• 総資産の額は総資本の額と等しいので、総資本利益率(そうしほんりえきりつ)と実質的には同じものである。
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ROE• 自己資本利益率(じこしほんりえきりつ、 return on
equity )は、収益性分析で用いられる株価指標の一つであって、株主資本(払込資本金と内部留保との和)に対する当期純利益の比率である。
• 頭字語の ROEは、日本国内でも用いられている。かつては株主資本利益率(かぶぬししほんりえきりつ)とも呼ばれていたが、 2006 年 5 月の会社法制定とこれに前後する会計基準の改正において、「株主資本」と「自己資本」とが異なる値として明確に定義されたことで、現在では「自己資本利益率」が正確な呼称として位置づけられる。
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I.
II.
III.
生存力
成長力
競争力
資本コスト低減
コアコンピタンス集中
生産性向上
企業体力の強化と経営戦略
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アウトソーシングの位置づけ
10
20
30
40
50
60
70
80通 信
計測器
軍用機器
自動車
産業用医療
コンピュータ
周辺機器
データ通信
市場規模 (10億ドル)
低 高← アウトソーシング率 →
市場規模とアウトソーシング (メリルリンチ証券、1999年)
0
製造原価 (億ドル)
250
200
150
- 通信機器メーカー -
ルーセント
モトローラ
アルカテル
エリクソン
ノキア
ルーテル
低 高← アウトソーシング率 →
製造原価とアウトソーシング (メリルリンチ証券、1999年)
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EMSとは?
●エレクトロニクス・メーカーの製造を請け負う企業
●最近は、設計・調達・物流・修理まであらゆる エンジニアリングサービスを提供
●CM( Contract Manufacturing )下請けから パートナー企業に成長した OEM
●最高の生産性に裏付けられた生産技術のサービス業
* Original Equipment Manufacturer
EMS: Electronics Manufacturing Service
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経営業績比較
99年度売上高
売上高 営業 利益率
棚卸 回転率
総資産 利益率 (ROA)
株主 資本 利益率 (ROE)
ソレクトロンSCIシステムズセレスチカフレクストロニクスジェイビル・サーキット
社 名No
12345
8,9487,2245,2973,2192,433
5.3%3.5%3.4%4.2%7.1%
6.4回7.6回7.4回8.4回8.8回
8.2%6.4%8.4%6.3%12.8%
14.9%14.4%14.7%17.0%23.1%
99年度売上高
売上高 営業 利益率
棚卸 回転率
総資産 利益率 (ROA)
株主 資本 利益率 (ROE)
IBMHPルーセント・テクノロジーズシスコシステムズデルコンピュータ
社 名
87,54842,37038,30312,15418,243
13.6%8.0%14.1%17.0%11.2%
9.6回5.4回4.1回8.2回59.9回
8.8%9.9%8.9%14.2%21.2%
38.1%19.1%25.5%17.9%62.9%
EMS業界上位5位の経営業績 (単位:売上高は100万ドル)
主要エレクトロニクス企業の業績 (単位:売上高は100万ドル)
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基本概念: 生産性=アウトプット(価値) / インプッ
ト(投入物)①資本生産性②労働生産性③全要素生産性④国民経済生産性
経済(産業)の生産能力評価
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日本の名目GDP(国内総生産)内訳 【 2007年】
民間最終消費支出56.5%
政府最終消費支出18.1%
総固定資本形成23.2%
在庫品変更0.6%
純輸出1.6%
経済成長の3要素とは?
労働投入量
勤務時間又は仕事をする人を増やし処理
量が増える
(労働力人口)
資本投入量
新しい機能のついたレジが入って処理が速くなった
(設備投資)
全要素生産性
レジの操作に習熟して一定時間内の処理
量が増えた
(組織 ×知識・スキル)
経済成長
期間当たりの処理量が増えた
コンビニのレジの仕事量に例えると・・・
+ + =
労働投入量 資本投入量 全要素生産性 経済成長
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資本生産性、労働生産性
①資本生産性 資本(機械・貨物自動車等の設備) 1 単位に対してどれだけ価値
が生めたかを指す。
通常、資本が遊ばないようになるだけ多く労働者を充てると、資本の回転率が上昇し資本生産性が高まる。ただ、この場合は労働生産性が低下する。
②労働生産性 労働力(単位時間当たりの労働投入) 1 単位に対してどれだ
け価値を生めたかを指す。 通常、労働力が遊ばないようになるだけ多く資本を装備する
と、労働力の回転率が上昇して労働生産性が高まる。ただ、この場合は資本生産性が低下する。
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全要素生産性、国民経済生産性
③全要素生産性 ①②の二つの生産性を含めて、全投入要素 1 単位に対
してどれだけ価値が生めたかを指す。 通常は緩やかな上昇基調であるが、技術革新の際に高
い上昇を見せる。交通革命や IT革命などが、その革新に該当する( IT革命による全要素生産性改善については、なお、議論の余地がある)。
④国民経済生産性 産出量としての GDPを投入量としての就業者総数で除
したもの。 労働生産性の国際比較において使用される際には、
購買力平価でドル換算した各国GDP が用いられる35