肘関節周辺の骨折
北海道社会事業協会帯広病院整形外科 高畑智嗣
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1.小児上腕骨顆上骨折
2.高齢者上腕骨顆上骨折
3.小児上腕骨外顆骨折
4.上腕骨顆部骨折
5.肘頭骨折
6.橈骨頭・頚部骨折
1.小児上腕骨顆上骨折 (1)
内旋(Yamamoto test)
Volkmann 拘縮: 5Pが有名だが・・・passive extension !
肘屈曲位外固定で変形治癒が多発
内反(Baumann 角) 伸展
1.小児上腕骨顆上骨折(2)
ズレわずか→徒手整復・肘強屈曲位外固定
Rockwoodより
伸展外傷は肘屈曲で安定する
1.小児上腕骨顆上骨折(3)
転位が高度→牽引療法・・悪くないです
垂直牽引がおすすめ皮膚牽引テープは上腕まで
・・・しかし・・・今やピンニングがスタンダード
1.小児上腕骨顆上骨折(4)
体位とイメージで難易度がまるで違う腹臥位で肘が曲がること患肢を動かさずにイメージ2方向が見えること
こういう特殊な支持器でなくても こういう板切れでよい
1.小児上腕骨顆上骨折(5)
Intrafocal pinは2本(上腕骨顆部の形状)
1.小児上腕骨顆上骨折(6)
ピン刺入方法には諸説あり
2.高齢者上腕骨顆上骨折(1)
Cannulated screw交叉刺入が良いです腕神経叢ブロック or 静脈内区域麻酔で可能
2.高齢者上腕骨顆上骨折(2)
体位とイメージで難易度がまるで違う仰臥位患肢を動かさずにイメージ2方向が見えること
板切れ
2.高齢者上腕骨顆上骨折(3)
Screw同士が当たらないように交叉させる
内側ネジ 内側ネジ(後方)外側ネジ 外側ネジ(前方)
3.小児上腕骨外顆骨折(1)< 診断が重要 >
(2)小頭骨核
(1)fat pad sign
3.小児上腕骨外顆骨折(2)
ズレほとんど無し→保存療法可か?と思っても・・・・・・開けるとグラグラ
治療 : 直視下整復・ピンニング
注意(1) : 外顆骨片への軟部組織の剥離を最小限に!特に後方!(栄養血管の温存のため)
注意(2) : 関節面を直視下に合わせる!外側縁を合わせてもあてにならない(外側縁が圧縮圧壊のことあり)
4.上腕骨顆部骨折(1)
とことんやるしか無い腹臥位場合によっては肘頭骨切り
しっかり内固定AOプレートの場合内側1/3円・後外側リコン
こっちは圧迫スクリューだがこっちは全ネジなのに注意
4.上腕骨顆部骨折(2)
その他のプレート
ONI plate<外側角度可変式ロッキング>
Mayo<内,外側アナトミカル>
5.肘頭骨折(1)
仰臥位で台に載せる
・K-wireの尾部は曲げて打込む
・wireは三頭筋腱の下を通す
・wireのねじりは2ヵ所
・ K-wireの先端は骨皮質
を貫く必要は無い
・三頭筋腱を縦に裂く必要がある
ほとんどがTBWで対応出来る
ウソ!ここにすき間はない
5.肘頭骨折(2)
< 複雑な折れ方,関節面の陥没 >
陥没骨片
二重TBW
< 複雑な折れ方,関節面の陥没 >
陥没骨片を引き起こし全ネジK-wire (Zimmer)で保持
6.橈骨頭・頚部骨折(1)
K-wireを上腕骨小頭を貫通して橈骨に刺してはいけない!
K-wireが折れる事がある
Rockwoodより
6.橈骨頭・頚部骨折(2)
Rockwoodより
様々な内固定・ミニスクリュー・ Herbert screw・ミニプレート
(safe zone)
6.橈骨頭・頚部骨折(3)
外顆骨切りで視野良好プレート2枚
safe zoneを逸脱
< 苦労した症例 >
開放骨折に髄内釘(1)
< 顆部開放骨折にEnder釘ネジ止め法 >
開放創を洗浄,肘頭骨切りで顆部を整復K-wireのみでは顆上部が不安定Ender釘ネジ止め法で一期的内固定 思ったよりきれいに治癒した
開放骨折に髄内釘(2)< 橈骨近位部開放骨折にRush pin >
開放創を洗浄Rush pinで一期的内固定
< 橈骨近位部開放骨折にRush pin >
思ったよりきれいに治癒した粉砕骨片は剥離せず
以上で終了です
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