ユーザー企業における標準化のあり方
形ではない、型としての標準を目指して
グロースエクスパートナーズ(株)ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー/チーフITアーキテクト
日本Javaユーザー会/日本Springユーザー会幹事
アークランプ(http://www.arclamp.jp/)
鈴木雄介
Tokyo 2010
自己紹介
• 鈴木雄介– 所属
• グロースエクスパートナーズ(株)– ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマ
ネージャー/チーフITアーキテクト
– コミュニティ• 日本Javaユーザー会 幹事
• 日本Springユーザー会 幹事
– ブログ/記事/書籍など• アークランプ(http://www.arclamp.jp)
• 「ソフトアーキテクトが知るべき97のこと」監修
• 「拡張する空間」共著
http://gxp.co.jp
今日のテーマ
標準化
http://www.flickr.com/photos/cocreatr/4440894876/
ユーザー企業にとっての
“ユーザー企業にとっての”標準化
http://www.flickr.com/photos/mhartford/1285459212/
プロセスの標準化:・標準プロセスの策定・同じ手続きと同じ文書フォーマットによって同じ品質が得られる
内部構造の標準化:・標準フレームワークの定義・同じ構造によって同じ品質が得られる
従来の標準化
同じことの繰り返し、が前提
http://www.flickr.com/photos/sualk61/3116650631/
企業内に同じシステムは2つない
http://www.flickr.com/photos/coral/3630575683/
大規模
汎用
特殊
小規模
http://www.flickr.com/photos/digitalart/1351407421/
http://www.flickr.com/photos/digitalart/415921952/
http://www.flickr.com/photos/digitalart/3721459363/
http://www.flickr.com/photos/digitalart/3654905233/
パッケージスクラッチ+ベンダー
自社開発
パッケージカスタマイズ
調整重要リーダシップ
重要
試行錯誤重要
コントロール重要
http://www.flickr.com/photos/melissambwilkins/2352107323/
開発から保守運用まで
同じモノがないなら同じコトをしても同じ品質にはならない
コトそのものではなく、コトの成り立ちを標準化する
“形”としての標準から“型”として標準へ
環境、視点、メタ的
1.開発環境の整備2.アーキテクチャ標準
1.開発環境の整備
• IDE(Eclipse+プラグイン)
• 構成管理(Maven2)
• 継続的インテグレーション(Hudson)
• 課題管理(JIRA)
• ドキュメント管理(Confluence)
• バージョン管理(Subversion)
• デプロイ管理
http://www.flickr.com/photos/kamoda/295893828/
• 課題管理とドキュメント管理
• 厳密なユーザー権限の管理
• プロジェクト横断のカスタマイズ対応
• プロジェクト毎のカスタマイズ対応
ツール採用のポイント
2.アーキテクチャ標準
• 8つの特性を利用して、アーキテクチャの基本方針を定義
• 基本方針に従い、 11の構成要素毎に、アーキテクチャを定義
• それぞれのプロセスでレビューを実施
http://www.flickr.com/photos/left-hand/3510633193/
8つの特性
• 生産性と品質
• 認証認可
• セキュリティ
• 可用性
• パフォーマンス
• 運用保守性
• ユーザビリティ
• ポータビリティ
11の構成要素
• インフラ関連
• デプロイ関連
• プロジェクトマネジメント関連
• アプリケーション階層横断
• プレゼンテーション層
• ビジネスロジック層
• パーシステンス層
• クライアント層
• インテグレーション層
• バッチ
• 製品やミドルウェア
Developers Summit 2010 23
プロセス
アーキテクチャhttp://www.flickr.com/photos/seandreilinger/1247300270/
プロセス+アーキテクチャ柔軟なハンドルさばきに対応できる足回り
もっとも大事なこと
事務局重要。
事務局超重要。
大事なことなので2回(ry
– 実施計画• 経営課題として定義
– 導入サポート• 説明会、ドキュメント• カスタマイズ、使い方支援
– 各種申請の受付• ユーザー新規登録• 古い情報の削除
– 効果測定• 定量的な活性度の測定• インタビューの実施
– 改善支援• ノウハウの展開
http://www.flickr.com/photos/stejahen/1326013625/
標準化の効果
アセスメント性の向上
視点が同じであればプロジェクト外部からの評価や査定を簡易化できる。プロジェクトリスクの引き下げ
品質の適正化
AプロジェクトのプロセスやアーキテクチャがBプロジェクトでも有効とは限らない。品質とコストのバランスを調整する
要員流動性の向上
手法が同じであれば毎回の学習コストを抑えられる。要員調整力の向上。人と共にノウハウが移転していく
個別最適から全体最適
「うちのプロジェクトは特別」という意識の排除。特別な部分も大事だけど、共有化するメリットを理解する
[Subversion]
[JIRA]
新機能
アサイン
作業中オープン
実装
解決済
アサイン デプロイ
V1.1
タグ打ち
1.1
次Ver登録
V1.1
テスト
クローズ 再オープン
※バグ有
デモ開発プロセスJIRA+SVN+Maven2
報告
応用例
・バージョン番号やバグ番号のトレーサビリティ(現場~内部統制)
・JIRAに「バグの種類」の項目を足して、品質監査の基礎資料に
・Hudsonのソースコードメトリクス、SVNのコミット数などでアクティビティ診断
・Confluenceで環境構築手順(インストール、設定各種)や運用手順書を記述
・JIRAで問い合わせ管理、仕様管理
※サーバ+全ソフトで50万円(25ユーザー)、その価値は間違いなくある。
まとめ1/3
開発者の視点だけで議論してはダメ。 ユーザー視点の現場で考えてますか?
まとめ2/3
言うだけでできる人は少ない。環境や視点を用意して傾向性を与える。誰も無理しないのが一番大事。
まとめ3/3
結局は人。事務局が本当に大事。上にも下にも、あきらめずに働きかけて、常に改善していく。
最後に
標準化って新しい仕事のスタイルを考えるってコト。実はクリエイティブな仕事なんだよ!
ユーザー企業における標準化のあり方
形ではない、型としての標準を目指して
グロースエクスパートナーズ(株)ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー/チーフITアーキテクト
日本Javaユーザー会/日本Springユーザー会幹事
アークランプ(http://www.arclamp.jp/)
鈴木雄介
Tokyo 2010