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Page 1: AfterEarthQuake: Big Ideas for Japan Competition

均質な風景一度破壊されたまちは、通勤・通学・生活といった近代的生活の機能的利便性を追求した結果、均質的なまちなみが復元された。

Reflection/ 16 年前の神戸を振り返る

都市の余白 / urban void線路近傍には、都市の変遷にかかわらず、取り残された空間が存在する。そこは密集した都市空間の中に取り残された「余白」である。風・光・視線の通り道となり、都市生活を豊かにする可能性を秘めている。

Potentiality of railway / 鉄道空間の可能性 New Life-Line / 新しい都市インフラ

■自然エネルギーを活用する

■災害時の働き

鉄道の沿線に新たな都市インフラを構築する。自転車による人的交通網は、近隣住民の豊かなコミュニティを醸成し、災害時にも物資供給ルートとなる。太陽光パネル、貯水のシステムが組み込まれた新しい都市インフラは災害時の新たなライフラインとなり、避難者を受け入れる。

動脈 / connect urban and suburb都市に貼りめぐらされた鉄道網は都心・郊外を結び、災害時の物資供給ルートとなる。沿線に建つ公的機関・病院等の施設と接続することで災害時の線的拠点となりえる。

ハードなインフラに頼りすぎるあまり、災害時にもろさを露呈する現代社会。都市が粘り強く災害に応答するためには、より柔軟なインフラの創造が求められる。鉄道沿線に配された自転車のネットワークは、リニアなコミュニティを形成し、災害への社会的な抵抗力を醸成する。災害時には、ここが物資の輸送・供給の拠点となるだけでなく、自然エネルギーを利用したエコシェルターとなり、避難者を受け入れる。

脆弱なインフラ災害時にはもろさを露呈するインフラ。移動手段の役割を失った鉄道網は、災害時には都市空間から取り残される。

持続的なコミュニティ災害によって切断されたコミュニティは、再形成することが難しい。災害でも豊かなコミュニティを持続させる空間を再考する。

・日中線路の表面に吸収された熱を蓄熱し、シェルター内部の空気や水を温めるために利用

・線路面に降った雨水を貯蓄し、時間差で放水することで水災害を防ぐ。都市における線的なダム機能を果たす。

・線路と自転車道は緊急時には一体となって使用され、避難場所を供給

・鉄道が止まっても、自転車のルートは維持され、物資の輸送や移動に利用される

・交通機関が遮断された時も沿線の病院との接続は保たれる。

No.11007

・線路は緊急車両のための同線を確保する。

・雨水は保水性をもつ土で濾過され、災害時に飲料水として利用できるようにする。

・線路や自転車道表面で発生する振動を利用して蓄電し、災害時の電力供給源とする。

・太陽エネルギーが変換され、蓄電池内部に蓄えられる。

・災害時の拠点となる、線路沿いの公的機関と接続され、物資の供給ルートとなる。

・より迅速に地域の人々に物資を届けるためマーケットが展開される。

・運搬された物資は下層部の空間に備蓄され、災害時に利用される。

・自転車道の下部スペースは物資の倉庫となり緊急時にはシェルターとして機能

・ソーラーパネルによる発電装置緊急時にはシェルター内部に電力が供給

シェルター

線路自転車道

駅周辺に点的に形成されるコミュニティ

新しいインフラで線的に構築されるコミュニティ

■コミュニティの変化

station

station bike way

green way

rail way

store

・レンタサイクルの拠点となるキオスクが点在する。災害時には物資供給の拠点として働く。

life railの2重構造

・広いレーンは歩行者及び自転車のための動線である。線路に寄り添って配置されることで災害時にも機能するラインとなる。

・広いレーンと並行して狭いレーンが走る。自転車専用で、高速での移動を可能にする。

・構造体内部は貯水槽になっており、上記の雨水を常に溜めておくことができる。雨水放流調節と非常用水槽としての機能を併せ持つ。

・貯留した水とレーン表面で発生する熱を利用して災害時でも風呂に入ることができる。

・レーンに沿ってソーラーパネルが設置され、災害時のシェルターへの電力供給のために常時蓄電を行っている。

・レーンに沿って配置される緑地層は保水機能をもち、豪雨時の下水道への排水を抑制すると共に、浄水機能を持たせて下部の貯水槽へ上質の中水を貯留する。

・シェルター内部は平時は備蓄倉庫であるが、短期宿泊用の施設が備え付けられており、災害時には避難所となる。

 

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