N o . 328(令和元年 11月)
新石川県立図書館整備工事起工式
目 次
新石川県立図書館整備工事起工式 P1
図書館つれづれ P2
クローズアップ県立図書館 〃
わたしのまちの図書館・わたしたちの読書活動 P3
よもやまレファレンス・読書にヒント 〃
Bookshelf(本棚から一冊) P4
お知らせ 〃
地上 3 階(一部 4 階)
地下 1 階
延床面積:22,000 ㎡
開架冊数:30 万冊
閲覧席数:500 席
書庫収蔵能力:200 万冊
駐車台数:400 台
令和元年 10 月 14 日(月・祝)、新石川県立図書館建設予定地(金沢市小立野 2 丁目地内)にて、新石
川県立図書館整備工事起工式が行われました。
建物外観は、大型パネルとガラス面とが交互に折り重なる形で、本のページをめくるイメージを表現し、
館内はめぐりながら本との出会いを楽しめるよう、多くの書物に囲まれた円形劇場のような大閲覧空間を
備えます。令和 3 年度内に竣工の予定です。
石川県立図書館報 第 328号(令和元年 11月) (2)
◇ 図書館つれづれ
真夏の夜の朗読会
8 月 20 日(火)、1 階ライブラリーサロンにおいて
「金沢大学放送局 web-KURSあざみ色朗読隊」による真
夏の夜の朗読会を開催しました。朗読隊のメンバーの
うち 5 人が夏らしい浴衣姿で、小説やエッセイなど幅
広い短編作品を朗読しました。参加者からは「若々し
いスピード感があり、
勉強になった」「自分
で読むのとまた違う楽
しみ方で良い」などの
声が聞かれました。
図書館実務講習会
石川県公共図書館協議会では年に数回、県内の公共
図書館職員向けの研修会を開き、図書館員のスキルア
ップをはかっています。10月 17日(木)に実施した今
年度第 3回は、「健康・福祉サービスと認知症サポート」
をテーマに取り上げました。昨今、人々の関心が高ま
っている医療・健康情報
を図書館で提供する際に
役立つ知識や注意点を学
びました。
親子 de 読書会
8 月 4 日(日)に、親子 de 読書会を開催し
ました。『かさどろぼう』(シビル・ウェッタシ
ンハ/作・絵 いのくまようこ/訳 徳間書店)、
『おなかのかわ』(瀬田貞二/再話 村山知義/
絵 福音館書店)の 2冊の絵本を親子で読みあ
い、思ったことや気が付いたことなどを話し合
いました。5組の親子が参加し、それぞれ熱心
に話し合っていました。親子で絵本をじっくり
読むことで、絵本の魅力を再発見することがで
きたようです。今年度初めての開催でしたが、
参加者からは「ゆっくり絵本を読めてよかっ
た」「絵を見ることの楽しさを味わえた」など
の感想を聞くことができました。
宮下奈み や し た な
都つ
× 陸秋槎りくしゅうさ
トークショー「小説を書くこと」
10月 27日(日)に、作家宮下奈都さんと陸秋槎さんによるトークショーを開催しました。
「小説を書くこと」にちなみ、小説のアイデアや登場人物の作りこみ方、小説と音楽など多岐にわ
たるお話をうかがうことができました。宮下さんは、3人目の子どもを妊娠している時に、「産まれる
前でなければ小説は書けない」と思い、書いた小説を雑誌に投稿したことが小説家デビューのきっかけ
になったとお話しされました。また、自身が影響を受けた小説や作家について語られ、川端康成の『伊
豆の踊子』を読むと小説が書きたくなることなども紹介されました。
陸さんは、「陸秋槎」という名前が、自分のミステ
リー小説に登場する女子高生の名前からとったこと
を明かされ、会場の笑いを誘いました。また、現在
金沢在住ということに触れ、金沢は執筆に向いた土
地だとの感想をお持ちでした。
トークショー後のお二人のサイン会は、作家と
直接言葉を交わす機会となり、サインをもらっ
た方は大変満足されていました。
石川県立図書館報 第 328号(令和元年 11月) (3)
Q 能登地方にみられる「ホウライ(宝来・蓬莱)」について知りたい。
A 「ホウライ」とは、石川県の能登地方で正月の縁起物として神棚に飾られるものです。奉書紙に「福
寿」などの縁起が良い字を書いた紙ホウライと、「宝舟」や「鶴亀」など吉祥柄や文字を切り抜いた切り
紙細工のホウライがあります。切り紙細工のホウライは、高野山や出羽三山を中心とした一帯でも作ら
れ、サゲガミ、キリコなどと呼ばれています。また『日本の伝承切紙』(文化出版局 1981.5)では、能
登ホウライの特色として「一般に宗教切り紙は小刀がもっぱら使われているなかで、能登のノミは全く
例外的な存在といってよい」と、制作におけるノミの使用をあげています。図柄としては漁村、農家、商
家、一般向けの 4傾向があり、豊年満作だけでも 20~30種類の
図柄が知られています。
参考資料 『書府太郎』上巻(北國新聞社 2004.11)
『日本の伝承切紙』(熊谷清司/著 文化出版局 1981.5)
あかり読書会 あかり読書会は平成 20年に発足し、今年で
12 年目に入りました。活動は月に 1 回、石川
県立図書館で行っています。毎年 4 月の総会
で各自が推薦図書を持ち寄り、年間計画を立
てています。読書会では推薦者が司会を担当
し、活発な意見交換を促すと同時に、事前に学
んだ作家論などを発表しますので、会員はそ
れを参考に作品を深く掘り下げていきます。
これからも各自が研鑽を積み、楽しい読書会
活動を続けていきたいと思っています。
(代表 小網)
わたしたちの読書活動
Tea break
読書にヒント (ブックタワーのイメージ図)
◇ よもやまレファレンス
わたしのまちの図書館
小松市立空とこども絵本館
当館は、0歳からの絵本との出会いを推進するため、
石川県では初めて絵本に特化した図書館として平成
18 年に開館し、今年で 13 年目を迎えます。開館当初
より、県内外から年間 3 万人前後の方々にご利用いた
だいています。
当館顧問であり、児童文学者
の松居直氏の「絵本は大人が
子どもに読んでやるもの」と
いう言葉どおり、家族の声で
読んであげてほしいということを常に伝えています。
そのため、館内のどこででも声を出して読むことがで
きます。また、家族とのふれあいを深めてもらうため、
家庭の延長のようにくつろいでいただける空間づくり
に努めています。
次世代へふるさとの民話をつなぐため、小松の民話
を絵本にする取り組みも行ってきました。また、子ど
もだけでなく大人へも絵本の魅力を味わっていただく
ため出張絵本館を実施し、施設等へ出向いておはなし
会などを行っています。
これからも絵本の持つ力や楽しさをお届けできるよ
うスタッフ一同努めていきたいと思っております。
図書館の本の背にラベルが
貼られています。そのラベル
には「2△△」や「9△△」な
どの数字が書かれています。
本の内容によって、歴史・地理が「2」、文学
は「9」のように、0~9の数字で大まかな分類
がなされます。図書館では、この番号に応じて
分野ごとに本が書架に配置されていますの
で、本を探すときや書架に戻すときの目安と
なります。
参考資料:『図書館のすべてがわかる本2』
(岩崎書店 2012.12)
石川県立図書館報 第 328号(令和元年 11月) (4)
○一般書・・・10 月、当館で作家陸秋槎氏とトークショーを行った作家宮下奈都氏の作品を 1 冊紹介します。
『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。』(宮下 奈都/著 扶桑社 2018.6)
小説『羊と鋼の森』で 2016年の本屋大賞を受賞した宮下奈都さんのエッセイ。巻末には書き下ろし短編「ウ
ミガメのスープ」があります。食にまつわる、ごくありきたりの日常を、水の流れのように淡々と続く文章で
描いています。鋭く知的でありながらほのぼのとした味わいがあり、作家の魅力が詰まった 1冊です。
○児童書・絵本・・・雪が舞う寒いこれからの季節に、ホッと心温まる 1 冊を紹介します。
『火曜日のごちそうはヒキガエル』
(ラッセル・E・エリクソン/作 ローレンス・ディ・フィオリ/絵 佐藤凉子/訳 評論社 2008.2)
ヒキガエルのウォートンは、弟のモートンが作ったおいしいお菓子をおばさんに届けるために、雪の中を
出かけていきます。ところが、途中でミミズクにつかまってしまいました。ミミズクは、自分の誕生日のご
ちそうにウォートンを食べるつもりなのです。誕生日まではあと6日しかありません。ウォートンは食べ
られてしまうのでしょうか。
◇ Bookshelf(本棚から一冊)
ご参加ください
◇ お知らせ 当館のおもなイベントを紹介します。
編集・発行 石川県立図書館
〒920-0964金沢市本多町 3-2-15
TEL 076-223-9581 FAX 076-222-2531
http://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/
石川県立図書館利用カレンダー 開館時間 月~金 9:00~20:00
土・日 9:00~17:00 ■は、完全休館 □は、自習室・新聞コーナーのみ利用可
(但し、9:00~17:00)
※ 1 月 14 日~2月 2 日は、システム更新の
ため休館。
○講座「『加能史料』はいま」(11/16)
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授 高橋典幸氏を
講師に、加賀・能登の中世史像を探ります。
○クリスマスおはなし玉手箱(12/17・18)
クリスマスをみんなで楽しむ特別なおはなし玉手箱です。
サンタクロースも楽しみにしているよね。
○早春のおはなし会(2/16)
県立図書館の職員が、早春にふさわしいおはなしを語り
ます。一足早く、春を感じてみませんか。
○一般財団法人真柄教育振興財団講演会(3/21)
作家 池澤夏樹氏を招いて、お話を伺います。
※ 詳しくは、チラシまたは当館ホームページで
休館のお知らせ 当館は、1月14日(火)~2月2日(日)の間、システム更新
のため休館させていただきます。休館中は、貸出、相互貸借、複写、
レファレンス等のサービスを停止いたします。利用者の皆様には、
ご不便をおかけいたしますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。
なお、自習室・新聞コーナーは、この期間もご利用いただけます。
日 月 火 水 木 金 土
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
日 月 火 水 木 金 土
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
日 月 火 水 木 金 土
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
日 月 火 水 木 金 土
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
12月
1月
2月
3月