サイラムザ+ドセタキセル療法をお受けになる患者さんとご家族へ もくじ
2 3
この冊子では、非小細胞肺がんの治療をお受けになる方を対象として、サイラムザの作用、治療方法、副作用、治療中のすごし方などについてご紹介しています。治療開始前に治療への理解を深めていただき、また、治療中に気になる症状が出たときに、ぜひ手にとってご覧ください。なお、冊子の最後に治療ダイアリーと緊急時連絡カードを収載しています。日々の体調や症状を記録し、受診時には担当の医師にみせて、ご自身の状態を伝える冊子としてご活用ください。わからないことや、不安に思うことがありましたら、担当の医師や看護師、または薬剤師に遠慮なくご相談ください。
薬物治療のながれ
薬物治療の種類
サイラムザとは?
サイラムザ+ドセタキセル療法について
治療を始める前にご確認いただきたいこと
サイラムザ+ドセタキセル療法の副作用について
サイラムザ+ドセタキセル療法によっておきる可能性のある症状
あらわれやすい副作用は?
頻度は高くないが、注意が必要な重大な副作用は?
治療中のすごし方
治療ダイアリー
公的助成・支援制度について
制度が検索できるウェブサイト
病院へ連絡が必要な症状
緊急時の連絡先
里内 美弥子
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8
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50
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薬物治療のながれ 薬物治療の種類
非小細胞肺がんの薬物治療(抗がん剤治療)では、組織診断や遺伝子検査を行った後、患者さんの年齢や全身状態を考えて、使用する抗がん剤を決定します。はじめて行う薬物治療を「1次治療」と呼び、治療の効果が得られず、がんが大きくなってしまった場合は、次の「2次治療」に移ります。同じように、「2次治療」の後に行うのが、「3次治療」です*。
薬物治療で使用される薬は、殺細胞性抗がん剤、分子標的薬、免疫療法薬の3つに大きく分けられます。がんのタイプや患者さんの状態をみて、これらを組み合わせたり、単独で使用したりします。
さつ さい ぼう せい ぶん し ひょうてき
組織診断
遺伝子検査
1次治療
2次治療
3次治療
薬物治療(抗がん剤治療)
非扁平上皮がんひ へんぺいじょう ひ
へんぺいじょう ひ扁平上皮がん
薬の分類
殺細胞性抗がん剤(化学療法とも呼びます)
分子標的薬
血管新生阻害剤
免疫療法薬
薬の作用
がんが細胞分裂を活発に繰り返して増える過程にはたらきかけ、がん細胞を死滅させようとする薬です。がん細胞だけでなく正常な細胞にも作用し、副作用があらわれます。
がんに関わる特定の分子を狙って作用し、がん細胞を死滅させたり増えるのを抑える薬です。正常な細胞に与える悪影響は少ないとされていますが、副作用がまったくみられないわけではありません。
分子標的薬の一種です。がんは大きくなるために、新しい血管をつくって栄養や酸素を得ようとします。この新しい血管をつくれなくすることで、がんの成長を抑える薬です。
がん細胞が免疫による排除を逃れるために、免疫細胞の攻撃に対してかけている「ブレーキ」を解除し、がん細胞に対する免疫の攻撃を回復させる薬です。
参考資料:国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科編著:最先端治療 肺がん, 法研, 東京(2016)
*国立研究開発法人 国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科 編著:最先端治療 肺がん, 法研, 東京(2016)
さつさいぼうせい
ぶん し ひょうてき
4 5
サイラムザとは?
7
また、がんがつくりだした血管は異常な形をしているため、がんをやっつけるために薬を投与しても、がんまで届きにくくなっています3)。このような薬とサイラムザを一緒に使うと、サイラムザが異常な血管を整備して、一緒に使う薬をがんに届きやすくすると考えられます4)。
サイラムザは、分子標的薬の一種である「血管新生阻害剤」と呼ばれる薬の1つです。がんが大きくなるためには、たくさんの栄養や酸素を血液から取り込む必要があります。そこで、がんはすでにある血管を利用し、がんにとって都合のよい血管を新たにつくりだします(血管新生と呼びます)1)。サイラムザは、がんが新しい血管をつくる過程を遮断することで、がんが大きくなるのを抑えると考えられます2)。
がんが大きくなるのを抑える
サイラムザ
がんがつくりだした異常な形の血管
薬
がんがつくりだした新しい血管
がん
サイラムザ
血管が整備され、薬が届きやすくなる
新しい血管から栄養を取り込み大きくなったがん
血管新生も抑える
血管が退縮し、がんは栄養不足
血管
ぶん し ひょうてき
1)Folkman J.:N Engl J Med. 285(21), 1182-1186, (1971)2)Fontanella C. et al.:Ann Transl Med. 2(12), 123, (2014)3)McDonald DM. et al.:Nat Med. 9(6), 713-725, (2003)4)Hicklin DJ. et al.:J Clin Oncol. 23(5), 1011-1027, (2005)
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サイラムザ+ドセタキセル療法について
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非小細胞肺がんと診断され、手術がむずかしい進行または再発のがん患者さんが対象となります。
サイラムザは約60分かけて点滴します。サイラムザの点滴が完了してからドセタキセルを約60分かけて点滴します。また、副作用を軽減させるため、サイラムザやドセタキセルを点滴する前に、ほかの薬を投与することもあります。
サイラムザはドセタキセルという薬と一緒に投与を始めます。
サイラムザとドセタキセルは、同じ日に投与します。3週間に1回、入院または外来で投与します。
通常、がんが大きくなったり、治療効果が乏しいと判断されるまで投与を継続します。副作用や患者さんの状態をみて、薬の量を減らしたり、投与を中止することもあります。患者さんの体重や体表面積から必要な量を計算します。
ドセタキセルとは?がん細胞の分裂をくい止めることにより、がん細胞の増殖を抑える薬です(殺細胞性抗がん剤、p.5)。
サイラムザ+ドセタキセル療法 投与日のスケジュール例
ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン薬)等
投与 サイラムザ点滴(約60分)
ドセタキセル点滴(約60分)
点滴開始直後から点滴中にかけて、さむけ、呼吸困難、おう吐、めまい、発熱などの症状があらわれたときは、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師にお伝えください。
投与日は?
2回目 3回目投与開始
1週 2週 3週 1週 2週 3週 1週
注意!
さつさい ぼうせい
対象となる方は?
サイラムザと併用する薬は?
薬の量は?
いつまで投与しますか?
8
治療を始める前にご確認いただきたいこと
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該当する場合は、治療を始める前に、担当の医師、看護師や薬剤師にお知らせください。
過去に薬によってアレルギー症状があらわれたことのある方は、サイラムザの投与によっても、同じようにアレルギー症状がおこる可能性がありますので注意が必要です。
高血圧の方は、悪化することがあります(p.16)。
喀血をおこしたことのある方は、サイラムザの投与を慎重に行います。また、過去に経験がない方でも、投与により喀血をおこすことがあります(p.24)。
胃や腸に穴があいたりすることがあります(p.27)。
出血があらわれることがあります(p.17、18、24、25)。
血が止まりにくい体質ではありませんか?
出血があらわれることがあります(p.17、18、24、25)。
血を固まりにくくする薬を服用中ではありませんか?
抜歯など出血をともなう治療を行う場合、傷が治りにくくなることがあります(p.26)。
歯の治療などを予定していませんか?
手術などで出血をともなう場合、傷が治りにくくなることがあります(p.26)。
手術の予定はありませんか?
動脈や静脈に血のかたまりができやすく、心筋梗塞、脳血管障害、肺塞栓症などがあらわれるおそれがあります(p.28)。
血のかたまりができる病気になったことはありませんか?
たんぱく尿があらわれることや悪化することがあります(p.20)。
検査などでたんぱく尿を指摘されたことはありませんか?
かっけつ
こうそく
そくせん
薬によってアレルギー症状があらわれたことはありませんか?
血圧が高めではありませんか?
血を吐いたことはありませんか?
胃潰瘍などではありませんか?
10
サイラムザ+ドセタキセル療法の副作用につ いて
13
サイラムザ+ドセタキセル療法でみられる可能性のある副作用です。副作用は人によってあらわれ方が異なりますが、正しく理解し対応することで、症状を軽減させることもできます。
気になる症状があらわれたとき、いつもと体の様子が違うと感じたときは、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師にご相談ください。
※点滴開始直後から点滴中にかけて、さむけ、呼吸困難、おう吐、めまい、発熱などの症状があ らわれること。 参考資料: 改訂版 がん化学療法副作用対策ハンドブック, 羊土社, 2015
副作用のあらわれやすい時期の目安
当日(投与中) 当日~1週間前後 1週間前後~数週間 数週間~数ヵ月
●インフュージョン リアクション※
●吐き気、おう吐、食欲不振●疲労
●粘膜からの出血 (鼻血、歯肉出血など)●痰に血が混じる(血痰)●白血球数・好中球数の減少●下痢●脱毛●口内炎
●高血圧●たんぱく尿●むくみ(浮腫)●爪の変化・変形●頭痛●血を吐く(喀血・吐血)●消化管(胃や十二指腸)の出血 (吐血・血便)●傷が治りにくくなる(創傷治癒遅延)●胃や腸に穴があく(消化管穿孔)●動脈血栓塞栓症、 静脈血栓塞栓症
副作用によりあらわれる症状は様々です。サイラムザ+ドセタキセル療法によっておきる可能性のある症状は、p.14~15をご参照ください。
かっけつ
せんこう
そうしょう ち ゆ ち えん
と けつ
けっ たん ふ しゅ
けっ せんそく せん
けっ せんそく せん
12
サイラムザ+ドセタキセル療法によってお きる可能性のある症状
出血症状
顔部・皮膚の症状·鼻血、歯肉出血(p.17)·脱毛(p.22)·口内炎(p.22)·爪の変化・変形(p.23)·傷が治りにくい(p.26)
全身性の症状·高血圧(p.16)·全身のむくみ、体重の増加(p.20、23)·体がだるい、疲れやすい、やる気が出ない(p.22)·脱毛(p.22)·発熱(38℃以上) (p.19、28)·冷や汗(p.28)
脳・神経の症状・頭痛(p.16、17、23)・めまい(p.17、28) ・意識の低下、意識障害(p.28)・判断力の低下(p.28)・しゃべりにくい、ろれつが回らない、半身まひ(p.28)
胸部の症状(呼吸器・心臓)
詳しい説明は、( )内のページをご確認ください。青字:あらわれやすい副作用赤字:頻度は高くないが、注意が必要な重大な副作用
腹部の症状(消化器・泌尿器)·尿の泡立ち(p.20)·下痢(p.21)·腹痛(p.25、27)·吐き気、おう吐(p.25、27)·血便(血が混じった便、黒色便)(p.25)
15
·せき(p.24、28) ·息苦しい(p.28)
·胸の痛み(p.28)·胸が締め付けられる(p.28)
·鼻血、歯肉出血(p.17)·血痰(p.18)·血を吐く(喀血・吐血) (p.24)·消化管の出血(吐血・血便) (p.25)·傷が治りにくい(p.26)
かっけつ と けつ
けっ たん
14
あらわれやすい副作用は?
17
血圧測定のポイント
●同じ時間に測定しましょう。●測定ごとに2~3回測り、平均値を 記録しましょう。●喫煙、運動、食事、入浴の前後は 避けて測定しましょう。
・安静時、繰り返し測定しても最高血圧が180mmHgまたは最低血圧が120mmHgを超える・強い頭痛がある・吐き気がする
止血のポイント
鼻を強くかんだり、歯を強く磨かないように気をつけましょう。ただし、口のなかを清潔に保つことは大切ですので、柔らかい歯ブラシを使ってケアしましょう。
●安静にしましょう。●鼻血が出たときは、小鼻を圧迫して止血しましょう。●出血部位は清潔に保ちましょう。
高血圧高血圧は自覚症状が少ないため、定期的に血圧を測定することが大切です。高血圧は、心臓や血管などに影響を与える場合もあるので、降圧薬を使って血圧をコントロールすることもあります。
粘膜からの出血(鼻血、歯肉出血など)鼻や歯肉の粘膜が傷つき、出血がみられることがあります。鼻血などの症状があらわれた場合は、圧迫するなどしてしばらく様子をみてください。
次のような場合は、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
・出血がなかなか止まらない・頭痛、めまい、ふらつきなどの貧血症状がある
次のような場合は、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
自宅でも、できるだけ毎日、血圧を測定し、記録しましょう。
16
あらわれやすい副作用は?
18 19
・血痰の量が増える・血痰が続く
感染症予防のポイント
鼻や口のなかに出血はないか確認しましょう。また、混じった血液の量や色などを観察しましょう(p.24)。
●帰宅時には手洗い、 うがいをしましょう。●人ごみは避けましょう。●外出時はマスクを着用しましょう。●十分な睡眠と休息をとりましょう。
痰に血が混じる(血痰)気道粘膜が傷ついて出血し、痰に血が混じることがあります。また、鼻血や口のなかの出血(p.17)が原因で、痰に血が混じることもあります。
白血球数・好中球数の減少体に侵入してきた細菌やウイルスなどから体を守る白血球・好中球の数が減少することがあります。薬の影響で白血球・好中球が減少すると、細菌やウイルスに対する抵抗力が低下し、感染症にかかりやすくなります。
次のような場合は、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
・38℃以上の発熱
次のような場合は、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
治療中は定期的に血液検査を行います。
けっ たん
あらわれやすい副作用は?
20 21
たんぱく尿のサイン
●むくみ●体重の増加●尿の泡立ち
下痢が生じたときのポイント
下痢がおこったときは、脱水症状に気をつけましょう。
ひどい下痢が長く続くときは、担当の医師、看護師や薬剤師にご相談ください。
●1回の食事量を減らす●こまめにスポーツドリンクや スープなどで水分補給をする
たんぱく尿尿のなかにたんぱく質が混じることがあります。
下痢消化管の粘膜が傷つき、下痢を生じることがあります。整腸剤や下痢止めを使うことがあります。
治療中は定期的に検査を行います。
このようなサインがみられたときは、担当の医師、看護師や薬剤師にご相談ください。
あらわれやすい副作用は?
22 23
脱毛治療を始めて2週目ぐらいから脱毛がおこります。髪だけでなく、まつげやまゆげをはじめ全身の体毛でもみられます。
口内炎口内炎ができることがあります。歯みがき、うがいなどで口のなかを清潔に保つことが予防につながります。
むくみ(浮腫)水分が体内に溜まることでおこります。自然に治ることもありますが、まれに靴が履けなくなったり、肺や心臓に負担をかけることもあるので、注意が必要です。
頭痛高血圧により生じることもありますが、ほかの副作用により生じることもあります。
治療を始める前に、髪を短くしたり、カツラや帽子、スカーフなどを準備しておくとよいでしょう。
疲労「だるい」「疲れやすい」「やる気が出ない」などといった身体的・精神的な疲れが生じることがあります。
治療中は、無理せず十分に休息をとるように心がけましょう。
むくみが出たり、体重が増加したときは、担当の医師、看護師や薬剤師にご相談ください。
ふ しゅ
爪の変化・変形特に投与を長く続けている方でよくみられます。陥凹(へこみ)、色素沈着、炎症、爪床剥離(爪がはがれてくる状態)などがおこります。爪を短く切って清潔に保つことが予防につながります。
かん おう
そうしょうはく り
頻度は高くないが、注意が必要な重大な副 作用は?
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・血を吐く 吐いた血の色や性状、量なども伝えてください。
●血を吐く(吐血)●吐き気●おう吐●腹痛●血が混じった便●黒色便
血を吐く気道や肺からの出血で血を吐く場合(喀血)と、胃や十二指腸からの出血で血を吐く場合(吐血)があります。喀血と吐血には次のような違いがあります。
消化管(胃や十二指腸)の出血治療により、胃や十二指腸から出血することがあります。便に血が混じったり、血を吐いたり(p.24)と、出血の場所や量によって症状が異なるので注意が必要です。
次のような場合は、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
・激しい腹痛・血を吐く
次のような場合は、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
また、気道からの出血で痰に血が混じることもあります(p.18)。
主な症状喀血 吐血
鮮やか、暗いなど泡状、かたまり、食べたものまたは痰が混じる、せきと一緒に吐いた、など
色性状
かっけつ
かっけつ
と けつ
と けつ
と けつ
気道や肺からの出血 胃や十二指腸からの出血
鮮やかな紅色で泡状 暗い赤色でかたまり
せき込むことがある 食べたものが混じることがある
24
頻度は高くないが、注意が必要な重大な副 作用は?
26 27
・傷から出血が続く・傷口が開く
●吐き気 ●おう吐 ●激しい腹痛
傷が治りにくくなる(創傷治癒遅延)治癒していない傷が治りにくくなる場合があります。大きなけがや手術をした方は注意が必要です。
胃や腸に穴があく(消化管穿孔)胃や腸など消化管のどこかに穴があき(穿孔)、内容物がもれ出ることがあります。緊急手術が必要になる場合もあります。
次のような場合は、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
・突然、激しい腹痛がおきる
次のような場合は、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
主な症状
そう しょう ち ゆ ち えん せん こう
せん こう
A
頻度は高くないが、注意が必要な重大な副作用は?
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●冷や汗 ●息苦しい ●胸が締め付けられる
・吐き気・胸が締め付けられる・胸の痛み・ろれつが回らない
動脈血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症動脈や静脈に血栓(血のかたまり)ができ、心臓や脳、肺の動脈を塞ぐことがあります。
長時間にわたり同じ姿勢を続けないようにしましょう。ストレッチなどをすると血栓の予防になります。
食事、運動など日常生活に特に制限はありません。規則正しい生活を心がけましょう。
点滴をした日も、入浴していただけます。
市販の薬を服用する場合や健康食品・サプリメントの摂取については、担当の医師に相談しましょう。
質問や心配なことがあれば、いつでも担当の医師、看護師や薬剤師にご相談ください。
次のような場合は、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
主な症状心臓(心筋梗塞)の場合
●めまい ●意識がうすれる ●おう吐 ●半身まひ ●しゃべりにくい ●判断力の低下
脳(脳血管障害)の場合
●発熱 ●息苦しい●意識の低下 ●せき ●胸の痛み
肺(肺塞栓症)の場合
治療中のすごし方
けっ せん そく せん けっ せん そく せん
こう そく
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治療ダイアリー
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日々の体調や症状を記録することは、健康状態を把握し、最適な治療を受けていただくうえでとても大切です。受診時には担当の医師にみせて、ご自身の状態を伝える冊子としてご活用ください。
・毎日決まった時間に体温、体重、血圧を測定し、記録しましょう。・受診時に医師に伝えたいこと、気になったことなどを自由にメモしてください。
記入例 日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
◯
36.5
58
128
80
1
1
◯
0
1
食欲がない
36.6
58
130
76
0
1
1
2
◯
36.6
57
125
76
2
0
0
2
8 1 8 2 8 3 8 4
◯
36.6
57
128
76
0
0
0
0
30
32 33
日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
34 35
日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
36 37
38 39
日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
40 41
日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
42 43
日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
44 45
日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
46 47
日付(月/日)
治療
体温(℃)
体重(kg)
血圧(mmHg)
鼻血や歯肉出血
疲労感0:なし 1:少し2:中くらい 3:強い
消化器症状
下痢(回)
吐き気
おう吐(回)
食事0:通常 1:やや少ない2:通常の1/2以下3:ほとんど食べられない
コメント(1週間の体調や担当の医師に伝えたいことなどを自由に記入してください)
上の血圧
下の血圧
48 49
病院や薬局の窓口で支払う額
治療にかかった費用の合計(総医療費)
●医療費の家計負担を軽くする制度がいくつかあります。
●治療や療養生活での支払いの領収書は、なくさないように保管しておきましょう。
<参考>高額療養費制度とは
「厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf(2019年10月閲覧)」を参考に作成
公的助成・支援制度について
※その他、生活の状況(介護が必要など)に応じて、適用となる制度があります。
「がん情報サービスhttps://ganjoho.jp/public/support/backup/index.html(2019年10月閲覧)」を参考に作成
● 1ヵ月間の自己負担が一定の限度額を超えた時に、超過分を医療保険がまかなってくれる制度です。
●自己負担の限度額は、年齢や収入などによって異なります。
実際の負担額
制度でまかなう分
通常の医療保険でまかなう分
制度 内容 窓口
傷病手当金
医療費控除
高額療養費制度
会社員や公務員の方で、働けなくなった場合に生活を支えてくれる制度。
1年間に一定以上の医療費の自己負担があった場合に、税金が軽減される制度。
1ヵ月間の医療費の自己負担が一定の限度額を超えた場合に、その超過分を公的医療保険でまかなうもの。
加入している公的医療保険
住まいの地域の税務署
加入している公的医療保険
保険給付高額療養費自己負担限度額
5150
詳細は、専門の窓口までご相談ください。
●「がん制度ドック」は、がん治療時に患者さんやご家族が利用できる「公的な支援制度」や「民間の支援サービス」を検索できるウェブサービスです。
使い方の流れ①あなた(患者さんご本人)の情報を入力します年齢・がんの種類・治療状況など、自分の状態にあったものを選んでいきます。
②あなたが利用できるがん制度がわかります検索結果が一覧で表示されます。各制度の詳しい内容を確認したい場合は、各制度名の横にある「詳細を見る」でご確認ください。
③調べた制度に申請しましょう制度の申請窓口や利用方法などを確認して、各申請窓口で実際に申請してみましょう。
がん制度ドックホームページhttp://www.ganseido.com/を参考に作成「がん制度ドック」は、日本イーライリリー株式会社の所有・管理するものではありません。サイト管理者「NPO法人がんと暮らしを考える会」のご厚意で掲載させて頂いております。
さらに詳しい制度の紹介を
見ることができます
がん制度ドック:http://www.ganseido.com/
制度が検索できるウェブサイト
5352
病院へ連絡が必要な症状
●38℃以上の発熱●激しい頭痛●激しい腹痛●血を吐く●出血が止まらず、吐き気・貧血がある●血便(血が混じった便、黒色便)●ろれつが回らない、半身まひ●胸の痛み、胸が締め付けられる
緊急時連絡カードに記載した項目のほか、いつから、どのような症状があらわれたかを伝えてください。
次のような症状があらわれたら、すぐに担当の医師、看護師や薬剤師に連絡してください。
外出時は、緊急時連絡カードを携帯するよう心がけてください。冊子から取り外して、必要事項を記入してください。
緊急時に電話で連絡するときは
症状に応じた治療、処置を行います。
緊急時の連絡先
医療機関名
診 療 科 名
担当医師名
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