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患者さんとご家族の快適な生活のためにそれぞれの症状に合わせた治療で改善を

松浦こどもメンタルクリニック院長 杉8甫秀弦佳先生

初診時、大輔君の行動で一番目立ったのは、落ち蒼き からです。ただ、発達を期待する一方で、困っていること

のないことでした。診察室では室内をウロウロしたりお がたくさんあるのなら、お薬の力を借りた方がご本人やもちゃで遊んだりして、椅子に座って話を聞くことは難 保護者の方々の生活がより快適になる場合もあると考

しい状態でした。名前を聞いたり、大輔君が通っている

幼稚園のことを尋ねたりすると、反応はあっても質問に

答えることもありませんでした。ご両親のお話では、集中が長続きしなかったり、思うようにならなかったりす

ると、「キーキー」と奇声をあげることもあったようです。

そうした状態とご両親からお聞きした 大輔君の様

子、そして当日行った田中ビネー知能検査の結果から、

大輔君はADHDと自閉症であり、知的な発達の遅れがあると診断し、ご両親に 病名をお伝えしました。また、ADHDや自閉症の特性などについてご説明し、ご両親が就学を心配されていたことを考慮した上で、治療目標

を立 てました。大輔君のように早期に治療を開始することはとても

重要だと考えています。なぜならADHDのお子さんは、一生懸命やってもご本人の特性のせいでうまくいかな

いと、責められたりマイナス評価をされて辛い思いをす

るからです。そうならないためにも、早い段階で 治療を

行って特性を改善して成功体験を重ね、自尊心を育むことは非常に重要だと考えています。もちろん、多くのこ

とをすぐに改善することはできませんから、保護者の

方々には「ご本人の持っている特性を理解した上で、気長に指導していきましょう」とお話していますし、大輔君

の場合も同様のご説明をしています。さらに大輔君の

ご両親には、お薬を使えば行動が調整できる可能性が

あることもお話しました。今は複数のお薬があるので、

ご本人と保護者の方々にそれぞれの薬の特徴、作用と

副作用をご説明し、選択していただいています。お薬の

剤形もさまざまなので、飲みやすさや受け入れやすさは

えています。たとえば、不注意症状のあるお子さんの場合は、夕方から朝にかけての時間帯に落ち篇いてテキ

パキ動いてくれると、保護者の方々は怒らなくて済みま

すし、ありがたいですよね。実際、治療を始めてからしばらくすると、ご家族から「怒ることが減った」とお聞きし

ます。感情的に怒ってしまった後、多くのご両親はその

ことを後悔しますし、お子さんは自分自身をマイナス評

価してしまいますから、服薬を併用した治療はご本人にも周囲の方々にとっても重要なことではないでしょう

ヵ%小さなお子さんの多くはお薬や治療が苦手だと思い

ますが、何よりも大切なのは継続することです。ですか

ら、治療を始めてから何かうまくできるようになったら、

ちゃんと褒めて、治療を続けるモチベー ションを維持し

てあげてほしいと思います。

「では、いつまで服薬を続ければいいの?」と疑問に

思う保護者の方もいらっしゃいますが、それは患者さんによって異なります。ADHDのお薬を併用した治療は、

病気そのものを治す手段ではなく、発達の面に特性を持っているお子さんが、より快適に生活できるよう手助

けをする方法のひとつです。ですから、お薬を併用した

治療は、患者さんが自分の力でやれるまで成長された時だと判断しています。

発達に関する心配事が相談できる場所は、病院だけ

ではありません。各地区にも相談所が設けられていると思いますので、気になることがあれば相談に行かれるこ

とをお勧めします。相談に行くと受診を勧められると思います力文 治療を受けるというより、お子さんをどのよう

に育てていけばよいかを教えてもらうつもりで相談して

違うようですね。 いただければ、と思います。

大輔君にはお薬による治療もお勧めしましたが、服

薬をしないという選択肢もあります。なぜなら、服薬し

なくてもご本人の 発達とともに改善できる部分もある

紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したものです。

また、治療効果は薬物治療だけではなく、

様々な治療の結果として得られたものです。

日本イー ライリリー株式会社

ADHD治憲患者さんインタビュ ー

●大輔くん , ●7歳 ●舅の子\●●治療開始約1年前

松浦こどもメンタルクリニック院畏 松浦秀雄先生

こちらは臨床症例の一 部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。

妥STR-P459(R2) 2019年6月作成

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