メキシコにおける水・衛生セクター
現状と統計
上水・排水・下水設備総務部 飲用化・処理管理
2017年1月
メキシコの地理的位置
メキシコの北の緯度 北緯32度43分06秒 サハラ アラビア 北回帰線 北緯23度26分
メキシコの南の緯度 北緯14度32分27秒
赤道
南回帰線 南緯23度26分
メキシコの人口推移
地理的・社会経済的状況
1億人
5000万人
1億2080万人 (2015)
都市部の人口
地方の人口
メキシコにおける水の使用可能量 (1人当たり年間m3)
1人当
たりの
自然平均使用
可能
量
出典:メキシコの水に関する統計、2015年版、国家水委員会
水資源の状況
地表水
河川や小川が全長63万3000キロメートルの水系を形成する。
主な河川は51あり、これはメキシコの地表を流れる水の87%に当たる。
主な湖は7つあり、水量は10,410 hm3である。
地下水
メキシコには653の帯水層がある。
2015年12月31日現在で105の帯水層が汲み上げ過ぎである。
すべての利用のうち、地下水の55.2%が汲み上げ過ぎの帯水層から採取されている。
使用されている水の100%が消費的水需要である
アメリカ合衆国
メキシコ湾
太平洋 帯水層
汲み上げ過ぎの帯水層 海水が浸入している汲み上げ過ぎの帯水層 塩類集積が起こり地下水が塩分を含んでいる汲み上げ過ぎの帯水層 海水が浸入し、塩類集積が起こり地下水が塩分を含んでいる汲み上げ過ぎの帯水層 水文学的に管理されている地域
メキシコにおける帯水層の汲み上げ過ぎは年々深刻になっている。1975年に32カ所だったのが2015年には105カ所になっている。 出典:メキシコの水に関する統計、国家水委員会、2016年
水資源の状況
メキシコの水使用
発電 5% 41億m3
産業用 4% 33億m3
自給している産業(自身で井戸を持つ国家水委員会の顧客)
メキシコは世界でもっとも多くの灌漑設備を持つ国の1つである。
農業・牧畜用 77% 330万haを灌漑するための86の灌漑地区
612億m3
390万haを灌漑するための46,924の灌漑施設
総供給量は年間
798億m3
都市の住民 14% 112億m3
現在の状況 水・衛生セクター
飲料水普及率の推移 2014~2018年の国家水計画の目標:94%
飲料水普及率
普及率
サー
ビスを受ける人口(
100万
人)
出典: 人口および住居の調査 1990年、2000年、2010年;人口および住居の集計 1995年、2005年 国家水委員会が12月に推定した情報
水・衛生セクター
上水道システムにおける全体的な平均効率
総生産量 漏水 請求済みで、未徴収の量
使用者名簿の不備
補助金
非合法的な使用
徴収済みの量
出典:上水および下水道網の研究・計画の管理、上水・排水・下水設備総務部、国家水委員会
水・衛生セクター
2015年12月における国内の下水設備普及率
下水設備普及済み
1040万人が下水道サービスを受
けられない
下水設備が普及している人口:1億1040万人
2018年目標 93%
出典:上水および下水道網の研究・計画の管理、国家水委員会
下水設備普及率
下水設備普及の推移
普及
率(
%)
記号 到達済み 目標
集められ処理された水量
(%)
年
年 処理施設数 集められた
水量(m3/s)
処理された水量
(m3/s) 普及率(%)
*2016年12月時点の推計値
地表水域の汚染
汚染されていない 受容できる 少し汚染されている 汚染されている 非常に汚染されている 毒物がある
オキシデーションディッチ
インホフタンク + 湿地法
インホフタンク
酵素反応槽
上向流または上向流嫌気性 スラッジブランケット
最初沈殿池または沈殿
活性汚泥
曝気式ラグーン
浄化槽 + 湿地法
浄化槽
デュアル
生物的処理
好気性細菌
国内処理施設の処理のタイプ 処理の
タイ
プ
処理施設数
2016年12月時点で2,560の下水処理施設が稼働中である。
下水処理施設の成功 アトトニルコ下水処理場
恩恵:
• バジェ・デ・メヒコで排出される下水の60%以上を処理
• 処理済み下水によるバジェ・デ・トゥラ(Valle de Tula)の8万ヘクタール以上の灌漑は農業の可能性を高めた。
• 下水の流れ込む水域と河床表面の浄化
• 灌漑地域に住む30万人以上の衛生状態を改善
従来型の処理: 化学的処理: 総処理量:
浄水場 稼働中
年 処理施設数 処理能力(l/s) 上水流量(l/s)
稼働中の自治体の浄水場 処理プロセスごとの処理量と浄水場数
*2016年12月時点の推計値
水軟化 吸着 従来型処理 特許取得法による処理
その他 直接ろ過 緩速ろ過 活性炭ろ過 逆浸透膜 鉄・マンガン除去
水供給のための代替法 メキシコの主な除塩施設
州 処理場数 処理量(m3/日)
モレロス 21 110
ヌエボ・レオン 5 2,847
オアハカ 4 14,256
キンターナ・ロー 124 53,339
サン・ルイス・ポトシ 1 60
ソノーラ 22 9,349
タマウリパス 4 5,100
ベラクルス 15 12,168
ユカタン 1 700
小計 197 97,929
合計 435 311,377
州 処理場数 処理量(m3/日)
バハ・カリフォルニア 38 51,938 バハ・カリフォルニア・スル 73 36,971
カンペチェ 19 5,456
コアウイラ 33 7,668
コリマ 18 2,856
メキシコ州 4 7,000
連邦区 17 95,471
ドゥランゴ 26 868
ゲレーロ 6 2,355
ハリスコ 4 2,865
小計 238 213,448
ロス・カボスの除塩施設は都市部の住民用の全国最初の施設である。入札額は2億3500万メキシコペソで単位当たりのコストは8.50 $/m3である。
進行中の関連プロジェクト
飲料水需要に応えるため、沿岸都市での除塩施設、貯蔵および供給用のダム、送水路が建設中である。
ダム 投資額 (100万
メキシコペソ)
送水路 投資額 (100万
メキシコペソ)
除塩施設 投資額 (100万メキシ
コペソ)
エル・サポティージョ
16,162 モンテレイVI 18,283 エンセナダ、バハ・カリフォルニア州(250 l/s)
(落札済み)
517
エル・プルガトリオ
6,788 チャプルテペック (アカプルコ、ゲレーロ州)
2,164 ラ・パス、バハ・カリフォルニア・スル州(200 l/s)
(調査中)
545
エル・レアリート 3,527 リベラ・ベラクルサーナ(Rivera Veracruzana)シス
テム
979 ロス・カボス、バハ・カリフォルニア・スル州
(200 l/s)
300
ラ・ラハ 1,537 ピカチョス~マサトラン (調査中)
521 サン・カルロス、ソノーラ州(100 l/s)
250
エル・カリサル~ラ・パス (建設中)
160 ティファナ(IおよびII)、 バハ・カリフォルニア州
(1,000 l/s)
1,100
処理済み下水の再利用と交換
年 再利用(%)
交換(%) 直接 間接 合計
2010 20.2 63.9 84.1 9.5
2011 20.0 68.6 88.6 9.0
2012 20.1 60.1 80.2 8.8
2013 21.6 64.5 86.0 8.7
2014 21.8 69.4 91.2 8.9
2015 18.9 88.1 106.9 5.14
下水処理場
処理場 日最大汚水量(l/s) ピーク流量(l/s) 再利用
レチェリア、メヒコ州 400 205 モンテレイの業者に売却
メヒカリ、バハ・カリフォルニア州 1,300 791 500 l/sが発電所用の産業再利用
サン・ルイス・ポトシ、サン・ルイス・ ポトシ州 1,050 1,050
450 l/sがビジャ・デ・レジェスの発電所で交換
600 l/sが農業用
処理済み下水の再利用をする主な下水処理場
問題点 環境面 帯水層の汲み上げ過ぎ
地表水および地下水の水源の枯渇 汚染
管理面 全体的に低効率 漏水による遺失が大きい 管理者が頻繁に交代 不適切な料金体系
財政面 旧式のインフラ 予算不足 低い徴収率
政策面 政治化された決定 水を節約したり水にお金を払う文化の欠如
政策
処理済み下水と一次利用水の交換の強化 エネルギーおよび処理場の汚泥処理にかかるコストを低減させるための代替技術の分析、評価、提案
水の使用に関して量と質を維持する。 水域の生態系のバランスを維持 対象の住民の健康を保つ。 水質を考慮に入れた工業製品のコスト低減 材料の規則遵守の強化 資源を持続可能にする。 供給源としての地表水の利用促進