Transcript
Page 1: 救急のIVR(301)59 救急のIVR 聖マリアンナ医科大学 救急医学, 同放射線医学1) 新美 浩, 松本純一, 箕輪良行, 明石勝也, 岡本英明1), 中島康雄1)

(301)59

救急のIVR

聖マリアンナ医科大学 救急医学, 同 放射線医学1)

新美 浩, 松本純一, 箕輪良行, 明石勝也, 岡本英明1), 中島康雄1)

IVRマニュアル/2004日本血管造影・IVR学会「技術教育セミナー」より:新美 浩, 他

・・・・・・・・・・・・・IVRマニュアル/2004日本血管造影・IVR学会総会「技術教育セミナー」より・・・・・・・・・・・・・連載 3

はじめに

外傷診療におけるIVR, 中でも鈍的外傷による腹部実質臓器損傷や骨盤損傷に対する出血制御の治療法として,経カテーテル的動脈塞栓術(TAE : Transcatheter ArterialEmbolization)の有用性は広く認識されている。しかし,外傷におけるTAEの適応条件は未だcontroversialな要素も多く, 各施設における診療体制の違いなども加わり,必ずしも一定の適応条件のもとに施行されていない。そこで本稿では, 現在の段階で, 腹部・骨盤外傷におけるTAEの適応決定をどのように考えるべきであるのか述べる。

外傷診療の流れ

1. 外傷初期診療の標準化1)

TAEの適応を理解するには, まず外傷診療全体の流れを理解する必要がある。現在, 外傷診療においては,preventable trauma deathの回避と治療成績向上を目的として, JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation andCare)と呼ばれる共通のプロトコールに基づいた初期診療の標準化が普及しつつある。この初期診療は,primary survey(生命危機を示唆する生理学的徴候・バイタルサインの迅速評価から緊急蘇生治療までの段階)とsecondary survey(各臓器損傷の診断と治療方針を決定する段階)に大きく分けられる。Primary surveyの過程で施行される画像検査は, 胸部・骨盤のポータブル単純撮影と, FAST(Focused Assess-ment with Sonography for Trauma)と呼ばれる出血源の検索のみに目的を絞った迅速簡易超音波検査に限られる。この段階で循環動態が不安定な場合は, CTなどの検査を行って患者を危険にさらすことなく, 緊急蘇生治療に移行する。特にFASTで大量腹腔内出血を呈し, 初期輸液に反応

しない重篤なショックの場合は緊急開腹術が選択される。また, 骨盤単純撮影で不安定型骨盤骨折を認め, 循環動態が不安定な要因が後腹膜出血に起因すると考えられる場合はTAEが選択される。従って, primarysurveyで肝心なことは, 限られた部位の単純撮影やFAST所見の適切な解釈と, 循環動態の評価にある。一方, primary surveyで循環動態の安定が得られた場

合secondary surveyのプロセスが進められるが, この段

階でその他の単純撮影やCTを中心とした画像診断による各臓器損傷の診断と重症度評価が行われる。

2. 循環動態の評価1)

循環動態の評価はTAEの適応を考える場合に最も重要な点で, それには収縮期血圧の評価と初期輸液に対する反応性の評価が含まれる。ここで重要なことは, 出血性ショックとは収縮期血圧が90aHnを下回る場合のみならず, ショック指数(Shock Index:脈拍/収縮期血圧)が1を超える場合もショックと認識すべきことにある2)。初診の段階で出血性ショックを呈し, 初期輸液により

収縮期血圧が90aHn以上に回復しても, ショック指数が1を超える場合には依然としてショックを離脱していないと想定すべきである。JATECにおける初期輸液とは, primary surveyからの初期30分程度で1~2Lの細胞外液の急速投与を意味し, この初期輸液に対する反応性から循環動態の評価が行われる。また, 初期輸液に対する反応性を基準に, 出血性ショ

ックにおける循環動態を分けて考える必要がある。すなわち, 出血性ショックは治療効果から, 1)初期輸液により速やかにショックからの離脱を認め, 維持輸液により循環の安定が得られるResponder, 2)初期輸液により一時ショックからの離脱を認めるが, 維持輸液に変更後, 短時間のうちに再度ショックに陥るTransientResponder, 3)初期輸液によりショックからの離脱が全く得られないNon-responder, の三者に分けて考えることが可能である。この結果, 循環動態は以下のように捉えることができ

る。一般に, 「循環動態が安定」とは非ショックであるか, 初期輸液に対する反応がresponderである場合を意味する。また, 「循環動態が不安定」とはショックを呈し, 初期輸液に対する反応がtransient responderかnon-responderである場合を意味し, 出血源のコントロールが不十分なため積極的な止血が必要なことを示唆する。この基本的な循環動態の把握は, TAEの適応を考える際に極めて重要な点である。

3. Damage Control Surgery1, 3)

Damage Control Surgery(以下DCS)とは, 重症外傷に対する初回手術を出血と感染の制御を目的とした救命手術に留め, 一旦ICUに戻り, 生理学的指標の改善後

Page 2: 救急のIVR(301)59 救急のIVR 聖マリアンナ医科大学 救急医学, 同放射線医学1) 新美 浩, 松本純一, 箕輪良行, 明石勝也, 岡本英明1), 中島康雄1)

60(302)

IVRマニュアル/2004日本血管造影・IVR学会「技術教育セミナー」より:新美 浩, 他

技術教育セミナー/救急のIVR

に改めて根治手術を展開する治療戦略を意味する。循環動態が不安定な重症肝損傷に対するDCSは開腹ガーゼパッキングによる圧迫止血手技が主体で, 肝切除や縫合術などは二期的に行われる。DCSは循環動態から考えた場合, 出血性ショックで初期輸液に対するnon-responderにおいては絶対適応と考えられるが, 原則的にはtransient responderも適応となり得る。このようにDCSとは, 本来緊急性の高い外科的介入

治療を意味する。重症骨盤骨折など後腹膜出血に起因する難治性ショックに対しては, 迅速な出血制御のため当初から IVRを選択すべきであることから, IVRもdamage controlの一つとする考え方もある。しかし,IVRの基本的な位置付けは, 重症外傷に対する出血制御を目的とした治療選択として, DCSとの相補的な役割を有する存在と考えるべきである4~6)。

TAEの適応

1. TAEの適応に関する基本的考え方1, 4~6)

Primary surveyから治療選択に至る診療の流れを図1に示す。鈍的腹部外傷に対するTAEの適応を決定する場合, TAEを第一選択と考える条件として, 基本的にはprimary surveyの段階で循環動態の安定が得られていることが必要である。この考え方は, 以下のように大きく三つに分けて考えることができる。1)ショックの原因が主に腹腔内出血, すなわち腹腔内臓器損傷に起因する場合, primary surveyで循環動態が不安定であればTAEは第一選択とはならず,

DCSが選択される。2)ショックの原因が主に腹腔内出血, 腹腔内臓器損傷に起因する場合でも, primary surveyで循環動態の安定が得られれば, TAEの適応となり得る。

3)ショックの原因が主に後腹膜出血, すなわち骨盤骨折など後腹膜損傷に起因する場合は, 循環動態が不安定でも出血制御の手段としてTAEを第一選択とすることが可能である。Primary surveyで一旦循環動態の安定が得られた場合

には, secondary surveyにおける適切な造影CT検査により ①各臓器損傷の有無と程度, ②活動性出血の有無(造影剤のextravasation), ③出血量とその分布(腹腔内・後腹膜)などが評価される。CT所見はそれ自体がTAEの適応を左右する単独因子とはなり得ないが, 一般的には日本外傷学会臓器損傷分類Ⅲ型の重症損傷でCT上造影剤のextravasationを認める場合, 初期輸液に対する反応性がresponderであればTAEの適応となる。CT上, 造影剤のextravasationは, 積極的な出血制御

の必要性を示唆する所見である。しかし, 造影剤のextravasationを認めなくてもTAEの施行が望ましい場合があることや, 逆にextravasationを認めてもTAEの適応とはならない場合があることから, その臨床的意義は必ずしも一概には言及できない(各論参照)。また, 注意すべき点は短時間での循環動態の変化で,

CT検査の段階では循環動態が安定していても, 血管造影施行直前に再度循環動態が悪化する場合も少なくない。この様なtransient responderの場合, 原則的には治療方針を変更し外科治療に踏み切るべきであるが7),transient responderに対する治療戦略には, 必ずしも一致した見解はないのが現状である。最悪の事態を回避するためには経時的な循環動態の評価が極めて重要で,TAEの適応と判断した場合でも常に外科手術のスタンバイが望ましい。

2. 各臓器損傷における考え方と問題点a)肝損傷5, 7, 8)(表1)

肝損傷においては, CT上日本外傷学会肝損傷分類Ⅲ型損傷で , 循環動態の安定が得られた場合(Responder)は, 原則的にTAEの適応と考えられる。その際, CTで造影剤のextravasationを認める場合と認めない場合があり得る。Ⅲ型損傷で, 初期輸液療法後においても循環動態が

不安定な場合は, TAEの適応外である(図2)。Ⅲ型損傷で, CT上門脈損傷や肝静脈・下大静脈損傷の合併が強く疑われる場合もTAEの適応外である。一方, Ib型損傷と考えられる場合には, 損傷範囲が

広くても腹腔内出血は認めないか少量のため, CTで造影剤のextravasationを認める場合でも, 循環動態が安定していれば保存的治療が可能である(図3)。ただし, 経過中に仮性動脈瘤の増大や進行性の貧血, 胆道内出血などを認めた場合には, TAEの適応になる。

図1 外傷診療の流れ-初期診療から治療選択まで

Primary Survey

ResponderNon-responder

造影CT

保存的治療

Secondary SurveyTransient Responder

腹腔内出血

根本手術

後腹膜出血

TAEDCS

Page 3: 救急のIVR(301)59 救急のIVR 聖マリアンナ医科大学 救急医学, 同放射線医学1) 新美 浩, 松本純一, 箕輪良行, 明石勝也, 岡本英明1), 中島康雄1)

(303)61

損傷など, 脾門部血管損傷と考えられる場合もTAEの適応外である(図5)。

b)脾損傷9)(表2)脾損傷においては, CT上日本外傷学会脾損傷分類

Ⅲ型損傷で , 循環動態の安定が得られた場合(Responder)は, 原則的にTAEの適応と考えられる(図4)。その際, CTで造影剤のextravasationを認める場合と認めない場合があり得る。ただし, Ⅲd型(粉砕型)と想定される場合には, 塞栓術後膿瘍などの合併症を考慮すると, 基本的には手術適応と考えた方がよい(図4)。Ⅲ型損傷で, 初期輸液療法後においても循環動態が

不安定な場合には, 原則的にTAEの適応外と考えるべきであるが, transient responderに対する治療選択は意見が分かれている。また, IV型損傷やⅢ型+HV

IVRマニュアル/2004日本血管造影・IVR学会「技術教育セミナー」より:新美 浩, 他

技術教育セミナー/救急のIVR

図2 肝損傷Ⅲb型(Transient Responder)急速輸液と大動脈閉塞バルーンを用いて一時的に血圧を維持し, CT検査を施行し得た。広範なⅢb型肝損傷と考えられ, 損傷域から腹腔内にかけて造影剤のextravasationを認める。DCSの適応と考えられる典型例である。

図3 肝損傷Ib型(Responder)Ib型肝損傷と診断し, 損傷域内部には造影剤のextravasationを認めたが, 初期輸液により循環動態の安定を得たために保存的治療とした。

図4 脾損傷Ⅲc型(Responder)Ⅲc型脾損傷で肝脾周囲の腹腔内出血と損傷域から腹腔内にかけて造影剤のextravasationを認めた。初期輸液により循環動態の安定を得たため, TAEを施行した。

a

b

表1. 肝損傷におけるTAEの適応

適 応 III型損傷で循環動態が安定(Responder)

適応外 以下のいずれかを満たす場合●初期輸液療法後も循環動態が不安定●門脈・肝静脈・下大静脈損傷● Ib型で循環動態が安定

表2. 脾損傷におけるTAEの適応

適 応 III型損傷で循環動態が安定(Responder)

適応外 以下のいずれかを満たす場合●初期輸液療法後も循環動態が不安定●脾門部血管損傷(IV型・III型+HV)● IIId型

Page 4: 救急のIVR(301)59 救急のIVR 聖マリアンナ医科大学 救急医学, 同放射線医学1) 新美 浩, 松本純一, 箕輪良行, 明石勝也, 岡本英明1), 中島康雄1)

62(304)

IVRマニュアル/2004日本血管造影・IVR学会「技術教育セミナー」より:新美 浩, 他

技術教育セミナー/救急のIVR

表3. 骨盤損傷におけるTAEの適応

適 応 以下のいずれかを満たす場合●初期輸液療法後も循環動態が不安定●CT上大量の後腹膜血腫●CT上造影剤のextravasation陽性

適応外 循環動態が安定+以下のいずれかを満たす場合●後腹膜血腫が少量で造影剤のextravasa-tion陰性●後腹膜血腫が筋肉内血腫に留まる

c)腎損傷6, 10)

腎損傷の場合, 従来はCT上日本外傷学会腎損傷分類Ⅲ型損傷で, 循環動態が安定している場合はTAEの適応, 循環動態が不安定な場合には手術適応と考えられてきた。しかし, 現在では, 腎損傷の治療はより非手術的治療が選択される傾向にあり, TAEの適応に関する考え方はcontroversialである。現段階では, IV型損傷(腎茎部血管損傷)や循環動

態が不安定でnon-responderである場合はTAEの適応外(手術適応)とされているが, 循環動態を踏まえたⅢ型損傷の治療選択に関しては一定の見解が得られていない。また, Ⅲ型損傷で循環動態が安定している場合は多くの例で保存的治療が可能であり(図6),循環動態が安定している場合のTAEの適応も今後再検討が必要と考えられる。d)骨盤損傷4, 6)(表3)重症骨盤骨折(不安定型骨盤骨折)と後腹膜出血が原因と考えられるショックを認め, 循環動態が不安定な場合, TAEの適応と考えることには異論はない。しかし, 逆に循環動態が安定している場合, どのような付帯条件を認める場合にTAEの適応と考えるべきなのか, 未だに一定の見解は得られていない。循環動態が安定している場合にはsecondary survey

で造影CTが施行され, 損傷形態, 後腹膜血腫, 造影剤のextravasationに関する評価が行われる。一般的には大量の後腹膜血腫を認めるか, 造影剤のextravasation

図5 a, b:脾損傷Ⅲd+HV型(Responder, 膵損傷合併例)

脾の損傷域に広範な造影欠損と造影剤extravasationを認め, 脾門部血管損傷の合併を伴う粉砕型損傷が疑われた。循環動態の安定が得られたが, さらに膵損傷も疑われたため手術適応と考え, 緊急手術により確認された。

図6 腎損傷Ⅲa+H3型(Responder)左腎損傷と腎周囲に大量の血腫, および血腫内に造影剤のextravasationを認めたが, 初期輸液により循環動態の安定を得たため, 保存的治療を選択し得た。

a

b

を認めれば, TAEの適応と考えられる。循環動態が安定していても後腹膜血腫が大量に認

められる場合は, たとえCTで造影剤のextravasationを認めなくても, 血管造影やTAEの適応と考えるべきである(図7)。しかし, 後腹膜血腫が少量で造影剤のextravasationも認めない場合や, 後腹膜血腫が主に筋肉内に留まる場合には, 保存的治療も選択可能である。

3. 多発外傷・重症例に対するアプローチ4~8)

多発外傷・多臓器損傷の場合には出血量が相対的に多く, 早期に凝固能異常を呈する可能性が高いため, 単

Page 5: 救急のIVR(301)59 救急のIVR 聖マリアンナ医科大学 救急医学, 同放射線医学1) 新美 浩, 松本純一, 箕輪良行, 明石勝也, 岡本英明1), 中島康雄1)

(305)63

図7a, b 骨盤損傷Ⅲ型(Responder, 重度不安定型)右仙腸関節の著明な離開を伴う骨盤骨折で, 著明な後腹膜血腫を認めたが, 循環動態は安定し造影剤のextravasationは認めなかった。血管造影では造影剤のextravasationと腸腰動脈, 上殿動脈の途絶を認め, TAEを施行した。

IVRマニュアル/2004日本血管造影・IVR学会「技術教育セミナー」より:新美 浩, 他

技術教育セミナー/救急のIVR

独損傷の場合に比してより積極的に出血制御を行う必要がある。単独損傷であれば保存的治療が可能でも, 多発外傷であるために積極的にTAEの適応と考えるべき場合もある。また, 単独損傷ならTAEの適応と考えられる場合でも, 消化管損傷や膵損傷など合併損傷の内容によっては手術適応となり, 多発外傷ではあくまでも個別のアプローチが必要である。循環動態が不安定なため, 最初にDCSが施行された

場合においても, 術後循環動態の安定が依然として得られない場合には, 追加治療としてのTAEが必要になる可能性がある。従って, 循環動態が極めて不良な重症例におけるDCSとTAEは二者択一の治療選択ではなく,状況に応じて, より効果的な併用治療を考慮すべき相補的な存在と考えるべきである。

【文献】1)改訂外傷初期診療ガイドライン, 日本外傷学会外傷研修コース開発委員会編. へるす出版, 東京, 2004.

2)桝井良裕, 明石勝也:ショック. 救急医学 28 : 287 -292, 2004.

3)Shapiro MB, Jenkins DH, Schwab CW, et al : Dam-age control : Collective review. J Trauma 49 : 969 -

978, 2000.4)中島康雄, 新美 浩 : Damage control surgeryとinterventional radiology. 救急医学 26 : 699 - 705,2002.

5)Johnson JW, Gracias VH, Gupta R, et al : Hepaticangiography in patients undergoing damage controllaparotomy. J Trauma 52 : 1102 - 1106, 2002.

6)Kushimoto S, Arai M, Aiboshi J, et al : The Role ofinterventional radiology in patients requiring dam-age control laparotomy. J Trauma 54 : 171 - 176, 2003.

7)溝端康光, 横田順一朗, 矢嶋祐一, 他:出血性ショックを呈する肝損傷における止血法選択基準の検討 ;TAEか開腹か. 日外傷会誌 14 : 222 - 229, 2000.

8)長屋昌樹, 窪田 倭, 新美 浩, 他:鈍的Ⅲ型肝損傷における治療指針. 日臨外会誌 65 : 594 - 600, 2004.

9)Liu PP, Lee WC, Cheng YF, et al : Use of splenicartery embolization as an adjunct to nonsurgical man-agement of blunt splenic injury. J Trauma 56 : 768 -773, 2004.

10)Hagiwara A, Sakai S, Goto H, et al : The Role ofinterventional radiology in the management of blunt renal injury : A practical approach. J Trauma 51 :

a b


Recommended