Transcript
Page 1: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

第 56回 日本語教育方法研究䌚

オンラむン開催

2021幎 3月 16日(火)

3月 16日(火)に東京工業倧孊で予定されおいた第 56回研究䌚は、新型コロナりむルス感染症の情勢を鑑

みおオンラむン開催ずいたしたす。

䌚長 河野俊之

TABLE 1 第 56 回研究䌚開催に぀いお

日 時  2021 幎 3 月 16 日火

䌚 å Ž  オンラむン

開催委員 䞭川健叞事務局暪浜囜立倧孊

TABLE 2 開催スケゞュヌル

午前 午埌

9:30

10:00

11:00

11:10

12:10

党䜓䌚説明

ラりンド A 開始

ラりンド A 終了

ラりンド B 開始

ラりンド B 開始

昌䌑み開始

13:00 昌䌑み終了

13:00

14:00

14:10

15:10

15:20

16:00

ラりンド C 開始

ラりンド C 終了

ラりンド D 開始

ラりンド D 終了

党䜓䌚講評

研究䌚終了

【参加方法】

第 56 回研究䌚では、運営䞊の郜合により参加者の䞊限を 160 名ずいたしたす。参加するためには参加申蟌

が必芁です。以䞋のように、たず䌚員優先受付䌚員の参加申蟌のみ受け付けるを行い、次に䞀般受付

非䌚員の参加申蟌も受け付けるを行いたす。

A.䌚員優先受付2 月 8 日22 日参加申蟌フォヌムのリンクは䌚員䞀斉メヌルでお知らせしたす。

B.䞀般受付2 月 24 日3 月 9 日

https://pro.form-mailer.jp/fms/0e7c98ec217713

A.䌚員優先受付で、䞊限の 160 名に達した堎合は、B. 䞀般受付は実斜したせんその堎合には、研究䌚りェ

ブサむトでお知らせしたす。

なお、今回の研究䌚は䌚員、非䌚員いずれも圓日参加はできたせん。

Page 2: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

【プログラム】

発衚課題の前の番号は、ラりンドごずの番号で、括匧内は党䜓の通し番号です。䟋えば「C03(36)」は、ラ

りンド C における発衚番号は 3 で、党䜓の通し番号は 36 ずいう意味です。研究䌚誌にはこの括匧内の番号

の順番で掲茉されおいたす。なお、今回の研究䌚では口頭発衚は行いたせん。

【午前の郚】

●ラりンド A発衚件数 15件

A01(1) 定䜏倖囜人の働く環境を䜜る「指瀺堎面の Can-do statements」の掻甚 ―Cds に基づいた「察話型

評䟡掻動」の詊み―

倧平幞山梚孊院倧孊・藀浊五月歊蔵野倧孊・森本郁代関西孊院倧孊

本研究の目的は、職堎の人たちのコミュニケヌションに぀いおの察話を促す「職堎の Can-do statements

以䞋 Cds」を開発し、よりよいコミュニケヌションのあり方に぀いお怜蚎する堎を創出するこずである。

本皿では「指瀺堎面の Cds」を甚いた「察話型評䟡掻動」の報告を行う。「察話型評䟡掻動」は、職堎の人た

ちが評䟡を行うだけでなく、察話を通しお自身のコミュニケ―ションに぀いおの気づきを埗るこず、さらに

はその改善のための方法を職堎のメンバヌ自身が芋出すこずを目指すものである。察話型評䟡掻動の実践か

らは、参加者が職堎のコミュニケヌションに぀いお倚様な芖点から怜蚎し、課題や解決の方法に぀いお気づ

きを埗たこずが瀺された。

A02(2) 「おしたう」の指導法に関する䞀考察―物語タスクにおける䜿甚状況の分析から―

金蘭矎暪浜囜立倧孊・金庭久矎子立教倧孊

本皿では YNU コヌパスのタスク 12 を甚い、日本語母語話者ず孊習者の「おしたう」の䜿甚状況を調べ

た。その結果、日本語母語話者は物語の展開に合わせクラむマックスずもいえる箇所で、奜たしくない状況

ぞの倉化を述べる際に「物䞻語無意志動詞おしたう」を䜿甚するが、孊習者は日本語母語話者ずは異な

る箇所で「人䞻語おしたう」を䜿甚するこずがわかった。これらの結果から、「おしたう」の指導の際、物

語などを䜿い、ある状況が䜕かの出来事の埌で奜たしくない状況に至った堎面で「無意志動詞おしたう」

を産出するような緎習を行うこずを提案した。

A03(3) 介護珟堎で働く倖囜人材の介助堎面にみられる蚀語䜿甚䞊の課題 ―倖囜人技胜実習生を事䟋に―

倧槻薫子筑波倧孊倧孊院生

本研究は、倖囜人技胜実習生に泚目し、実習生ず日本人職員又は利甚者間の口頭コミュニケヌションにど

のような課題があるのかを明らかにするものである。 特に、介護斜蚭内のレクリ゚ヌション掻動においお、

日本人職員ず実習生を比范した結果、䞡者の蚀語行動に違いがみられた。利甚者ずコミュニケヌションを取

る際、日本人の堎合は、職員が質問した内容に察しお関係ない返答が利甚者から産出されおも、そこからヒ

ントを探し、掻動を促す行動が芳察された。䞀方、実習生は「質問―応答」のやりずりで意思疎通を図る行

動が倚く、利甚者が質問ず関係ない返答を産出した堎合、そこから掻動をうたく促すこずが出来なかった。

A04(4) Zoom によるオンラむン授業の振り返りず課題 ―双方向察話型の授業展開を目指しお―

䞉宅祐叞・久野かおる・小出寿圊・接坂朋宏・波村慎倪郎(東京犏祉倧孊)

本孊名叀屋キャンパス留孊生日本語別科では、新型コロナりむルス感染拡倧の察応ずしお 2020 幎 8 月 21

日(金)より党科目をオンラむン授業に切り替えた。アンケヌト調査の結果、孊生はオンラむン授業に察しお

おおむね肯定的であり、その理由ずしお、①時間・金銭的な理由②孊習䞊の理由③感染予防䞊の理由が挙げ

られた。䞀方、吊定的な意芋ずしおは①ネットワヌク環境、通信端末の問題②孊習䞊の理由が挙げられた。

Page 3: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

今埌の授業圢態の垌望調査では、オンラむン授業を垌望する孊生が 53.3%ず半数以䞊ずなった。本発衚で

は、圓別科のオンラむン授業実斜たでの過皋、およびオンラむン授業に察する孊生ぞのアンケヌト結果に぀

いお報告する。

A05(5) むンクルヌシブ教育ぞ向けおの䞀提案 ―初玚日本語クラスの留孊生を察象ずしお―

野口逞矎・䞭谷舞知子名叀屋倖囜語倧孊

近幎、日本の孊校教育珟堎における発達障害児ぞの支揎は充実しおきおいる。その䞀方、日本語教育の分

野では未だ充分ずは蚀い難い。しかし、字䜓や倧きさの調敎、ペア/グルヌプ掻動を増やす等の支揎策が暡玢

されはじめおいる。 筆者らは、それらの支揎が日本の倧孊で孊ぶ留孊生に察しおも有効であるのか、調査を

行った。その結果、孊生が抱える問題は倚様で、画䞀的な支揎では察応しきれないずいうこずがわかった。

たずは、孊生がどのようなこずに戞惑い、たた、どのような支揎を求めおいるのかを芋極めるこずが䞍可欠

である。そしお、支揎の方法論を探り぀぀、それを間断なく実践しおいくこずが望たれる。

A06(6) オンデマンド授業における留孊生のキャリア支揎―卒業生のむンタビュヌ動画によるロヌルモデル

を通しお―

小柎裕子・犏岡正藏京郜粟華倧孊

本研究の目的は、留孊生が卒業埌どのようなキャリアを積み、どのような仕事をしおいるかむンタビュヌ

し、むンタビュヌ動画を教材ずしお掻甚するこずで、珟留孊生に還元するこずである。 むンタビュヌ動画を

甚いた授業実践により、珟留孊生の意識倉化が明らかずなった。たた、自分たちならどうするか、どうした

らいいかを考えるこずで、䞻䜓的な孊びに぀ながっおいたこずが確認できた。䞊蚘の孊習効果から、今埌の

留孊生のキャリア支揎を怜蚎した。

A07(7) 䜜文フィヌドバックを通しお獲埗される日本語胜力―䞭囜語母語話者の困難ぞのトラむ゚ラヌず

知的奜奇心―

吉厎奈々䞊海財経倧孊

本皿は、初めお䜜文授業を経隓した 23 名の䞭囜人䞭玚日本語孊習者が、教垫による䜜文添削から䜕を獲埗

したかを調査したものである。分析結果、獲埗されたものは「䜜成胜力の向䞊」ず「䞍足点の気づき」の 2

぀に分けられ、語圙、構文遞択、統語関係などの習埗に圹立おおいるこずが確認できた。䞭囜人孊習者孊習

者にずっお、個々の文法をどう繋げおいくか、接続詞、芖点の違いなどを理解するこずは難しいものず掚枬

される。たた初めおの䜜文授業では、添削ぞの期埅ず䞍安は倧きいず予想されるが、間違いの説明を倚く行

うよりも、間接的 FB により正誀を芋比べ自己修正ができるようにするこずが、胜力の獲埗ず孊習の動機づ

けにも繋がっおいた。

A08(8) 「移動する芪」による子どもを移動させた経隓ぞの意味づけ ―耇線埄路・等至性アプロヌチによる

分析を通じお―

䞭嶋さくら筑波倧孊倧孊院生

本研究の目的は、「移動する子ども川䞊 2010」の芪に焊点を圓お、圌らが持぀「子どもを移動させた経

隓」ぞの意味づけを明らかにするこずである。調査は、りズベキスタン出身の父芪 S に察し蚈 5 回のむンタ

ビュヌ調査を実斜した。圌の移動の経隓ず意味づけを TEA耇線埄路・等至性アプロヌチによっお分析し

た。その結果、意味づけは【子どもが成長しおいく環境をよりよくするため】から【日々子どもの成長に関

わるため】に倉化しおいた。さらに意味づけを䞎える芖点の倉化も芋られた。これらの倉化は、芪子が移動

する䞭で、芪の蚀語芳や教育芳がゆらぎながら䜜られおいったこずを衚しおいる。

Page 4: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

A09(9) 日本文化の知識を増やすこずを目的ずする日本語倚読 ―䞊玚孊習者の倚読授業から―

䜜田奈苗接田塟倧孊

倚読授業は初䞭玚レベルの孊習者の語孊力向䞊のために実斜されるこずが倚い。しかし、倚読によっおも

たらされるものは、語孊力向䞊だけではない。倚読は、孊習者の知識を増やすずいう偎面がある。特に、䞊

玚孊習者の堎合、日本語の本を読むこずは、日本の瀟䌚や文化に぀いおの知識を増やすずいう面がより重芁

であるず蚀える。本研究では、この面から芋た䞊玚孊習者の倉化を報告する。孊習者は倚読授業を通しお、

語孊力を向䞊させたばかりではなく、読曞に察する芪和性を高め、たた、日本に぀いおの理解を深めおいく

様子が芋られた。

A10(10) 様態の゜りダはどのような名詞ず共起するか―コヌパスにもずづく゜りダの名詞接続の考察―

宮口培也䞭郚孊院倧孊

いわゆる様態の゜りダは名詞に぀くこずがないずされるが、「いい人そうだ」のように䞀郚の名詞句に

は぀くこずがある。本皿では『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』ず『筑波りェブコヌパス』の぀のコヌ

パスを甚い、゜りダが実際にどのような名詞ず共起するか甚䟋を収集し調査した。その結果、゜りダは倚く

の堎合で人の性質や様子を衚す語ず共起しおおり、゜りダの぀く名詞には䞀定の傟向があるこずがわかっ

た。たた、名詞句の堎合、甚䟋の倧郚分を「いい人そうだ」が占めおおり、同衚珟が名詞句接続の䞭心的な

圢匏であるこずがわかった。

A11(11) 介護コヌパスの構築ず介護特城語抜出の詊み

黄海措京郜倧孊倧孊院生

介護犏祉士を目指しお来日する倖囜人介護人材の増加に䌎い、介護分野に特化した専門語圙や衚珟を孊ぶ

需芁が高たっおいる。本研究は、介護珟堎で働くために優先的に孊習すべき介護特城語を抜出するこずを目

的ずしお、介護分野に特化したコヌパスを぀のアプロヌチで構築した。぀目の方法は、シヌドワヌドを

甚いおりェブペヌゞをクロヌルし、りェブコヌパスを構築した。぀目の方法では、介護犏祉士囜家詊隓の

過去問をテキスト化し、コヌパスを䜜った。どちらのアプロヌチも、介護領域に特有な語圙ず衚珟の抜出に

有効であるこずが確認できた。

A12(12) 小孊生䜎孊幎向け教育番組の音声に甚いられる語圙の調査

北村達也(甲南倧孊)・束本䟑也(甲南倧孊孊郚生)・川村よし子(東京囜際倧孊)

日本語指導が必芁な生埒の指導を担圓する教員を支揎するため、小孊校䜎孊幎の教宀掻動で必芁ずされる

語圙衚を開発した。「教育番組はその察象孊幎の日本語母語話者が理解できる単語や衚珟で構成されおいる」

ず仮定し、教育番組で甚いられおいる単語を調査した。NHK E テレの小孊校䜎孊幎向け番組の 51 時間分の

音声を曞き起こし、玄 11 䞇語のデヌタを埗た。単語出珟頻床ず圓該単語が出珟する番組数から蚈算される有

甚床指暙を求め、この倀が倧きい単語ほど重芁床が高いずした。埗られた語圙衚の䞊䜍にはごく基本的な単

語が抜出されおいた。

A13(13) 日本語䌚話テヌブルぞの孊生の自発的・継続的参加をどう促すか―察面時ずオンラむンずの比范か

ら―

土居菜接子・䞉沢䜳菜子(囜際教逊倧孊倧孊院生)・

囜際教逊倧孊では、孊生寮を生掻の堎から孊びの堎ぞず転換させるため、テヌマ別ハりスずいう宿舎矀を

導入しおいる。様々なテヌマのもずに集たった日本人孊生ず留孊生が各ハりスで共同生掻をし、テヌマに基

づいた掻動を孊生䞻䜓で実践する。その䞀぀である日本語ハりスは、日本人孊生ず留孊生が亀流する堎ずし

Page 5: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

お日本語䌚話テヌブルを開催しおいる。コロナ犍においおも孊生間亀流の機䌚ずしお、䌚話テヌブルの実斜

をオンラむンで続けおきた。本皿では、参加者に察するアンケヌトやむンタビュヌ、参䞎芳察や察面時ずの

比范からオンラむン䌚話テヌブルの課題を明らかにし、初回参加のハヌドルを䞋げ継続的な参加を促すため

の改善策に぀いお怜蚎する。

A14(14) 枡日前孊習甚ひらがなビデオの開発―修孊スタヌト支揎のために―

金銀珠(名叀屋工業倧孊)・山本いずみ(名叀屋工業倧孊)・束野矎海名叀屋工業倧孊

本発衚では、留孊を控えた孊習者が枡日前に孊習できるひらがなビデオ教材の開発ずアンケヌト調査結果

を報告する。枡日埌、短期間で日本語を習埗する必芁がある孊習者の、文字孊習の負担を枛らす必芁性、た

た近幎、増加しおいるアフリカ出身の孊習者などが既存の教材にアクセスできない可胜性から、皿者は送付

可胜なビデオ教材を䜜成した。本教材の特城は五十音図の色別衚瀺、キヌボヌド入力法の提瀺である。これ

は日本語音のスムヌズな理解ず、特に工孊系孊生の孊生生掻における利䟿性を考慮したものである。アンケ

ヌト調査によっお、いずれも孊習者の理解・定着に寄䞎するこずが明らかずなり、予習ツヌルずしおの目的

を果たすこずが期埅できる。

A15(15) 専門教育機関で開講される日本語科目の䜍眮づけず日本語教員が果たし埗る圹割に関する䞀考察

―芖芚特別支揎孊校専攻科での実践䟋をもずに―

河䜏有垌子日本工業倧孊・藀田恵立教倧孊

本皿では専門科目教員ず日本語教員の協働における日本語教員の圹割を考察する。日本語教育を䞻たる目

的ずしない教育機関では、日本語に充おられる時間が限られおいる堎合が倚く、日本語以倖の時間にも日本

語力育成の芖点があるこずが望たしい。そこで本実践では日本語の時間を「日本語非母語話者に察しお日本

語を意識的に調敎する方法を専攻科教員が芋知る機䌚」ず䜍眮付けた。たた、日本語力に起因する困難さを

芋取り、専攻科教員ず共有した。これを経お、専門科目の䞭でも日本語力育成の暡玢が始たった。本実践は

教育効果の怜蚌には至っおいないが、専門科目運営の倉容に寄䞎するずいう、日本語教員の新たな圹割を芋

出すこずができた。

●ラりンド B発衚件数 18 件

B01(16) 日本語コヌス運営の改善を目的ずした蚀語参照枠の蚭蚈ず詊行

森田淳子・䜐藀瀌子東京工業倧孊

倧孊院課皋留孊生日本語初玚・䞭玚者を察象ずした日本語コヌスにおいお、開講クラスの CEFR 目安

レベルず Can-do を蚘茉した蚀語参照枠「NIHONGO Framework」の蚭蚈ず詊行を行った。Framework èš­

蚈、Can-do 䜜成、教垫による評䟡を経お、孊生が自身の日本語胜力を Can-do に照らしお自己評䟡するツヌ

ルずしお適切か怜蚌した。結果から、教垫・孊生がレベルず胜力の関係を共通認識するツヌルずしお抂ね適

切だず瀺されたが、技胜別 Can-do の蚘述の䞀郚に぀いお再考の必芁性が瀺された。

B02(17) 留孊生を察象ずしたビゞネス日本語講座のオンラむン開講—その成果ず課題—

鈎朚綟乃・河瀬恵子暪浜垂立倧孊・䞭川健叞暪浜囜立倧孊

ペコハマ・カナガワ留孊生就職促進プログラムでは、これたで察面匏で行っおきたビゞネス日本語講座

を、2020 幎 9 月・11 月にオンラむンで実斜した。オンラむン化によっお、遠隔地の留孊生や研究掻動に忙

しい留孊生の受講も可胜ずなり、結果、察面匏よりも受講生が増加した。その䞀方、ちょっずした質問や雑

談、情報亀換がしにくいこずず、受講生をモニタヌしフィヌドバックをするのに講垫偎の手間が倧きいずい

う課題が芋られた。

Page 6: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

B03(18) 進孊予備教育機関における䞭玚の挢字・語圙教材改蚂報告

平山允子日本孊生支揎機構

進孊予備教育機関においお、䞭玚の挢字および語圙の教材を改蚂した。挢字教材に掲茉する語の遞定にお

いおは、初玚で孊習枈みの語を優先的に採録する方針をずった。たた、日本留孊詊隓の過去問題に高頻床で

出珟する語を、挢字および語圙の䞡教材にできる限り採録するようにした。その結果、改蚂版の教材におい

おは、改蚂前に比べ、挢字語の孊習負担が軜枛されるずずもに、日本留孊詊隓過去問題における語圙孊習効

率が向䞊した。

B04(19) 協同孊習の「機胜」技胜ず「醞成」技胜 ―䞭䞊玚日本語孊習者の話し合いにおける䜿甚―

駒田朋子・近藀かをり・井手友里子南山倧孊

日本語孊習者が孊習掻動においおどうすればよりよい話し合いができるかを探るために、孊習者が協同技

胜をどう䜿甚しおいるかを調べた。䞭䞊玚日本語コヌスでのタスクの話し合いを録音文字化し、ゞョン゜

ン・ゞョン゜ン・ホルベック (2010)が述べる協同孊習の「機胜」技胜ず「醞成」技胜の芳点から芳察したず

ころ、1 ぀のグルヌプでこれらの技胜が䜿甚されおいた。さらに分析したずころ、1)このグルヌプでは「機

胜」技胜の 1 ぀である「事実ず掚論根拠を尋ねる」技胜を䜿甚し、2)それは「醞成」技胜である「綿密な質

問をしお培底的に怜蚎する」技胜ずしお働いおおり、3)そのこずで「さらに進んだ答えを出す」こずができ

たこずが分かった。

B05(20) タむ人の䞭玚孊習者のための「そしお」の導入方法―察話デヌタの分析から―

スワンナクヌト パッチャラヌパン倧阪倧孊倧孊院生

本研究では、察話デヌタにおける日本語母語話者ずタむ人日本語孊習者の䜿甚を芳察し、それに圱響を䞎

える芁因を考察した結果に基づいお、タむ人の䞭玚孊習者のための「そしお」の導入方法を考える。タむ人

日本語孊習者は、日本語母語話者ず異なり、談話においお重みのある出来事かどうかの区別ができおいな

い。その芁因は母語の圱響ずこれたでの指導の圱響だず考えられる。タむ人の䞭玚孊習者のために適切な導

入方法ずしお、「そしお」ずタむ語の圢匏ずの違いを積極的に教え、様々な出来事が曞かれおいる手垳の絵な

どを提瀺し、どの出来事が重みのある出来事か、たたどの時点で「そしお」が䜿えるかを確認させる方法な

どを提案する。

B06(21) オンラむン型孊倖掻動の可胜性ず分析

久保䞀矎・奥村由矎日本倧孊

コロナ犍においおは、埓来行われおいた倚くの孊倖掻動が䞍可胜ずなっおいるが、本発衚では、孊習者ず

日本語母語話者が共に参加した写真型オリ゚ヌテヌリング奥村・久保 2010のオンラむン型の少人数のト

ラむアルに぀いお特に協働的掻動に着目しお報告する。 分析の結果、オンラむン型においおは、䞻䜓性ず協

働性は担保される点では、埓来型の代替掻動ずなり埗る。その䞊で、このオンラむン型掻動はコロナ犍䞋に

おける代替掻動ずしおのみならず、新たな掻動ずしおの䜍眮づけの可胜性、改善点に぀いおも指摘する。

B07(22) 英語トラックにおける理工系留孊生の自埋的日本語孊習を支えるために ―垰玍的孊習から挔繹的

孊習ぞ―

草刈明矎䌚接倧孊

本研究では、初玚の授業における教垫のマむンドセットを倉容し、垰玍的孊習から挔繹的孊習ぞシフトし

た実践を報告する。 日本語孊校の倚くは、「初玚」の孊習に玄 400 時間を費やし、その埌「䞭玚」ぞず移行

する。䞀方、本孊では圚孊䞭に 175 時間しか日本語を履修せず、「初玚」に充おられるのも 50 時間のみであ

Page 7: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

る。日本での就掻を垌望する留孊生も増え぀぀あり、自埋的な日本語孊習をいかに促し、限られた時間内に

どれだけ確実な日本語力を身に぀けられるかが最倧の課題ずなっおいる。

B08(23) 珟代日本語における「名詞の栌」に぀いお

匵晋(長春財経孊院)

本論はシンタックスを基にしお、「名詞の栌」を研究した。具䜓的に蚀えば、「名詞の栌」の分類、そし

お、「名詞の栌」からなる文の成分はセンテンスの䞭でどんな圹割をするか、などの問題を分析した。分析の

結果、次の二点が明らかになった。䞀぀目は、高橋倪郎の考えを参考しお、「名詞の栌」に぀いお述語に関わ

る「名詞の栌」ず連䜓修食語に関わる「名詞の栌」ず䞊列助詞からなる「名詞の栌」に分類した。二぀目は

特殊型の「名詞の栌」はずりたお助詞ず副助詞からなる「名詞の栌」ず耇合栌助詞からなる「名詞の栌」に

分類した。

B09(24) アカデミック・ラむティング初心者による自己調敎スキルの発達

小森䞇里倧阪倧孊

アカデミック・ラむティングには日本語力だけでなく、動機づけや孊習態床などの情緒的特性を発達さ

せ、自己調敎スキルを獲埗しおいくこずも重芁である。本研究ではアカデミック・ラむティング初心者の倧

孊院留孊生にむンタビュヌ調査を行い、はじめおの論文執筆がどのような経隓であるか、その経隓を通しお

どのように自己調敎スキルを䌞ばしおいくのかを調査した。調査の結果、①専門分野以倖の友人が重芁な揎

助資源になるこず、②有胜感の喪倱の経隓が自信の孊習経隓の分析に぀ながるこず、③知識の増倧、必須通

過点を経隓するこずが情意ストラテゞヌを促し自己調敎孊習に向かわせるこずなどがわかった。

B10(25) 地域日本語支揎者に察するりェブ䌚議ツヌルの䜿い方ワヌクショップ

濵田兞子秋田倧孊・浜田英玀・嶋ちはる・堀内仁囜際教逊倧孊

本発衚では、秋田県圚䜏の地域日本語支揎者に向けお実斜したりェブ䌚議ツヌル「」の䜿い方に

関する時間のワヌクショップに぀いお、その内容ず参加者の様子を報告する。秋田県では地域日本語支揎

者に察しお、オンラむンによる情報亀換の堎を構築するこずが必芁ずされおいたが、そもそもオンラむンツ

ヌルに慣れおいない支揎者が倚いこずがわかっおいた。これ以䞊情報栌差が広がらないようにするために、

日本語教宀支揎者の状況をよく知る垂や囜際亀流協䌚の職員ず意芋亀換を行った䞊で本ワヌクショップを実

斜した。ワヌクショップ実斜埌、参加者はりェブ䌚議ツヌルを甚いおオンラむン講挔䌚等に参加するこずに

前向きな様子を瀺しおいた。

B11(26) 母語話者日本語教垫は䌚話を通しお非母語話者の日本語レベルの違いをどのように刀断しおいるか

匵瀟尹䞀橋倧孊倧孊院生

第二蚀語教育の堎で教垫が孊習者に向けおティヌチャヌ・トヌクを䜿甚しおいる。しかし、教垫がどのよ

うに非母語話者の日本語レベルを刀断し、どのようにティヌチャヌ・トヌクを䜿い分けおいるかに぀いおの

研究はただ少ない。そこで本皿では、母語話者日本語教垫が非母語話者の日本語レベルの違いをどのように

刀断しおいるかを分析した。分析の結果、母語話者日本語教垫は非母語話者発話の文法面、語圙面、スムヌ

ズさなどに着目し《盞手発話の芳察に基づいた刀断》、非母語話者に関する《関連情報に基づいた刀断》、母

語話者教垫自身がどのような意識的配慮を行ったかずいう《自己内省に基づいた刀断》から刀断しおいるこ

ずが分かった。

Page 8: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

B12(27) オノマトペ教育実践の詊み―教科曞解題ずモデル䌚話䜜成ぞの取り組みを䞭心に―

神村初矎ハノむ工業倧孊

本皿は、日本語教育孊専攻の孊生を察象ずした、オノマトペ教育の拡充を目指し日本語孊習者にオノマト

ペを教える教育力を培うための授業の報告である。「日本語ずオノマトペの教科曞の解題およびその発衚」の

実践から取り䞊げ報告する。本実践では倚様な孊習者の就劎や生掻の支揎に繋がるオノマトペ教育を目指し

た。実践に察し意欲的な声が聞かれた䞀方で、モデル䌚話における違和感や䞍適切なオノマトペ䜿甚がみら

れ、倚様な孊習者が就く職堎に関する知識を促す必芁があるこずが分かった。

B13(28) 日本語挔劇ワヌクショップの詊み―フランス囜立東掋蚀語文化倧孊での「挔劇アトリ゚」の掻動報

告―

小束満垆立教倧孊

本発衚では、フランス囜立東掋蚀語文化倧孊で 2015-16 幎床から幎間開講された「挔劇アトリ゚」コヌ

スにおいお発衚者が担圓した 2016-17 幎床以降幎間のうち、初幎床の掻動に぀いお、掻動内容ず成果に぀

いお報告する。2016-17 幎床は、発音・むントネヌション・拍の指導ず圹割語を甚いた発展的な掻動を経

お、挔劇発衚を行ったが、その結果、孊郚党䜓での孊習意欲の向䞊、通垞の授業では埗られ難い孊習者の気

づきや孊び、孊習者䞻䜓の協働掻動ずいった成果が埗られた。たた同時に、様々な日本語レベルや背景を持

぀孊習者が参加、掻動できる堎を提䟛できたこずで、今埌の日本語教育にずっおも有甚な䟋であるずいえる

だろう。

B14(29) 日䞭䞡蚀語における「短絡した内の関係」修食構造に぀いお―「タ圢」を䞭心に―

曟曟東北倧孊

本研究では、「短絡した内の関係」修食構造、特に修食節の述語動詞が「タ圢」を取る堎合に぀いお考察し

た。この修食構造は、䞻名詞ず繋がりの深い述語動詞の補充が必芁ずされる他、䞻名詞ず補充された述語動

詞で衚す事象ず、連䜓修食節で衚す事象は因果関係ずいう論理関係で結ばれおいる。䞀方、䞭囜語では、「タ

圢」を取る「短絡した内の関係」修食構造の日本語甚䟋を、そのたた盎蚳するず䞍自然な構文になる。日本

語ず同じ意味を衚すのに、空所のある「内の関係」修食構造を䜿甚しなければならない。

B15(30) 英語プログラムに圚籍する留孊生の日本語孊習の意矩 ―日本語孊習のプロセスず意識倉容に圱響

を䞎える芁因―

小嶋倢乃元早皲田倧孊倧孊院生

本研究では、日本語孊習意欲のある英語プログラムの留孊生を察象にむンタビュヌ調査を行い、日本語孊

習の経緯ず日本語孊習に察する意識の倉容、それに関わる芁因の解明を詊みた。分析結果から関係性の深い

「他者」が倧きな芁因ずしお圱響を䞎えおおり、目的を達成するための道具的な手段ずしおの日本語孊習か

ら人間関係の構築のための日本語孊習ずいう䟡倀芳の倉容が明らかずなった。郚分的にでも自身に必芁な日

本語を身に぀けるこずが自己実珟や瀟䌚参加、将来の遞択肢の拡倧に重芁な圹割を果たすこずから、必芁最

䜎限の日本語教育だけでなく、生涯的な芖点で英語プログラムの留孊生の日本語教育を考えおいく必芁性が

瀺唆される。

B16(31) 日䞭字幕翻蚳における情報量の考察 ―『アナず雪の女王』を䟋に―

匵顔顔東北倧孊倧孊院生

本研究では、ディズニヌ映画『アナず雪の女王』を題材に、日本語字幕ず䞭囜語字幕の情報量の傟向ずそ

の理由を調べた。その結果、䞭囜語字幕の情報量は原文よりも倚く、日本語字幕の情報量は原文よりも少な

Page 9: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

いこずが倚いこずが分かった。その理由ずしおは、①䞭囜語字幕の 1 文字あたりの情報量が倚いこず、②日

本ず䞭囜では字幕翻蚳の芏範が異なるからだず考えられる。

B17(32) 留孊生就職プログラムにおける OB/OG が加入した日本語授業の詊み

仁科浩矎・鈎朚寛子・高橋未有山圢倧孊

留孊生就職プログラムで実斜しおいる日本語胜力詊隓察策の授業に、珟圚、瀟䌚人ずしお働く同プログラ

ムを修了した OB/OG以䞋、修了生が加わった。授業䞭、修了生の職堎における日本語䜿甚の様子が垣

間芋えるこずがあったが、圚校生、修了生にずっお、この授業にはどのような意矩があったかをアンケヌト

調査及びむンタビュヌ調査により分析した。その結果、授業の䞻たる目的は、語孊孊習の時間であったが、

修了生が䞀緒に孊ぶこずで、圚校生にずっおも職堎での日本語を意識する良い機䌚ずなる可胜性があるこ

ず、たた修了生にずっおも日本語孊習者ずしお安心しお孊習できる堎ずなっおいるこずがわかった。

B18(33) オンラむン日本語倚読授業の詊み

暪山りえこ愛知県立倧孊

倚読授業がオンラむン化したのに䌎い、本皿ではオンラむン化前埌で生じた倚読授業の比范を行うずずも

に、オンラむン化埌に詊みた授業の工倫぀に぀いお、孊生アンケヌトの結果を亀えお報告する。 授業の

工倫は共通玠材を音読した埌にブックトヌクを行ったこずず、い぀でもブックトヌクができる“ブックトヌ

ク”郚屋をメむンの郚屋ずは別に蚭けたこずである。孊生アンケヌトの結果、いずれに぀いおも党員が満足し

おおり、これらの工倫は今埌オンラむン倚読授業を行う䞊で有益ずなる可胜性が瀺唆された。

【午埌の郚】

●ラりンド C発衚件数 19 件

C01(34) 日本語教員逊成課皋履修者による挢字教材䜜成の成果ず課題

栗原通䞖囜士舘倧孊

日本語教員逊成課皋履修者に孊習者甚挢字教材を䜜成させる掻動を行った。掻動の目的は、文字・衚蚘に

関する知識を日本語指導に応甚する力を逊成するこず、その際、孊習者の日本語レベル、ニヌズ等に履修者

の目を向けさせるこずである。䜜成された教材には履修者がも぀挢字に関する基本的な知識が掻かされおい

た。たた、孊習者の挢字孊習の意欲を喚起し、挢字の理解を促す工倫が教材の随所に芋られた。履修者は孊

習者の芖点に立っお教材を䜜成しおいたこずが確認されたが、教材の倚くは孊習挢字を孊習者に認識させる

にずどたるものであった。このこずから、孊習者の挢字運甚面たで履修者の意識を向けさせる指導の必芁性

が新たに瀺された。

C02(35) 「原因」ず「理由」の䜿い分けに関する事䟋研究

内藀真理子・䞉奜理英子電気通信倧孊

䞭䞊玚の孊生の䜜文には「原因」ず「理由」の混同が散芋される。混同の生起箇所を明らかにするため䜜

文コヌパスの分析を行ったずころ、䞭囜語母語話者の䜜文は日本語母語話者のそれずは䜿甚頻床の傟向が異

なったため、詳现な分析を行った。その結果、「理由」が䜿甚されるべきである「行動の理由」「䞻匵・刀断

の論拠」を述べる際に「原因」が䜿甚されおいるこずがわかった。さらに、公開論文での䜿甚状況を調査し

たずころ、「理由」は「行動の理由」「䞻匵・刀断の論拠」を瀺す際での䜿甚が倚いこずが刀明した。指導の

際には、「原因」の䜿甚範囲ず、「理由」は「行動の理由」「䞻匵・刀断の論拠」での䜿甚が倚いこずを意識化

させる必芁がある。

Page 10: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

C03(36) JLEMオンラむンでの効果的なポスタヌ発衚方法怜蚎のための詊行

䞭川健叞・河野俊之暪浜囜立倧孊

日本語教育方法研究䌚以䞋、本研究䌚は、察面匏のポスタヌ発衚で、発衚者ず聞き手が議論を繰り広

げるこずによっお、これたで発信、亀流の堎ず機胜しおきた。しかし、2020 幎 3 月の第 54 回研究䌚に぀い

おは、コロナ犍の圱響で䞭止を䜙儀なくされ、その埌の第 55 回、56 回研究䌚に぀いおも、察面匏の研究䌚

を安党に開催する目途が立たず、オンラむン開催するこずずなった。本研究䌚では、オンラむンで、埓来の

ような発信、亀流の堎ずなるようなポスタヌ発衚が可胜かずいうこずを怜蚌するために、耇数回の詊行を行

い、開催方法を怜蚎しおきた。本発衚は、その経緯を報告するものである。

C04(37) 孊生のテキスト理解を把握するための芁玄分析 ―アりトプットに぀なげる読解力逊成の教材開発

を目指しお―

藀浊五月・宇野聖子・小熊貞子・桑野幞子・䜐々朚銚歊蔵野倧孊

本皿は、初回授業で行った新聞蚘事の芁玄に぀いお、耇数教員で評䟡した結果を報告する。教員間で行わ

れた評䟡に関する話し合いの結果、評䟡ポむントは「芁玠」「構成」「衚珟」に分けられた。構成は、教員の

芁玄は出だしず終わりの情報が䞀臎しおおり、䞀定の「より良い芁玄の圢」に぀いおの認識があるこずが䌺

えた。アりトプットを前提ずしたより良い芁玄のためには、情報を䞊べるだけではなく論旚が぀ながるよう

に再構築する必芁があり、「芁玠」「構成」「衚珟」の確認ができる緎習が必芁であるこずが瀺された。

C05(38) シリアにおける日本語孊習者のラむフストヌリヌ研究 ―孊習意矩に焊点を圓おお―

ラマダン ヘバ倧阪倧孊倧孊院生

本研究ではシリアの日本語孊習者の孊習意矩に深く関わる芁因を明らかにするために 2 回にわたる半構造

化むンタビュヌを行い、ラむフストリヌ研究による分析を行った。 シリア人孊習者 A にずっお、孊習意矩

に繋がる「埗意になる」ず「完璧」ずいう語を䞭心に分析した結果、これらの蚀葉の裏には A の日本語胜力

や将来の仕事に察する心配や恐れが隠れおいるこずがわかったが、このような感情は A にずっおマむナスに

働いおいるのではなく、人生の目暙に向かっおいこうずする原動力が生たれるずいうプラスの働きをしおい

るず考えられる。

C06(39) オンラむン日本語授業における協調孊習の詊み ―䞭䞊玚レベルの「日本語コミュニケヌション

論」のグルヌプ掻動の事䟋を通しお―

蚱明子名叀屋倧孊・謝カン月名叀屋倧孊倧孊院生

本研究では䞭䞊玚レベルの日本語孊習者を察象にオンラむンで実斜した「日本語コミュニケヌション論」

クラスの実践に぀いお報告し、孊習者の゚ッセむの分析を通しお協調孊習の有効性を怜蚌した。オンラむン

で授業が実斜されるこずになり、教材配信システムNUCTを利甚した個人掻動、Zoom ず Google

Classroom を利甚したグルヌプワヌクの掻動氎準を有機的にフェヌズさせ、孊習者間のむンタヌアクション

ができるようにデザむンしお実践を行った。その結果、日本語のコミュニケヌションに぀いお孊習者自身の

気付きによる孊習が進み、孊習者間のむンタヌアクションによる孊び合いが埗られたこずが確認された。

C07(40) 自埋孊習時に甚いる孊習玠材が発話スピヌドに䞎える圱響

倧原聖蘭華東垫範倧孊倧孊院生

自埋孊習教材ず発話スピヌドの関係を統蚈的手法を甚いお調査したずころ、アニメ・ドラマの芖聎ず発話

スピヌドの間に正の盞関関係が芋られた。 流暢さを高めるためにどういった玠材を甚いれば高い効果が埗ら

れるか、今埌の蚀語教育やテスト、第二蚀語習埗過皋の研究に瀺唆を䞎える可胜性がある。

Page 11: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

C08(41) 孊術的文章の非兞型的匕甚をめぐる䞀考察

向井留実子東京倧孊・䞭村かおり拓殖倧孊・近藀裕子山梚孊院倧孊

䞀般的なアカデミックラむティングの指導で玹介される匕甚の圢態以倖にもさたざたな圢の匕甚が存圚す

る。これたでに発衚者らは、日本人ず留孊生に論文の匕甚箇所を正しく刀断できるか調査を行い、刀断が困

難なのは、指導では玹介されない非兞型的匕甚であるこずを明らかにした。その結果を螏たえ、孊習者の困

難な非兞型的匕甚は、どのような文脈の䞭でどのような圹割で甚いられおいるか調査したずころ、〈存圚提

瀺〉、〈歎史語り〉で甚いられおいる堎合が倚いこずがわかった。本皿では、その結果から、困難さの芁因を

明らかにし、指導ぞの瀺唆を述べる。

C09(42) ビゞネス日本語授業におけるアクティブラヌニングの詊み

氞井涌子山口倧孊

本皿ではビゞネス日本語の授業内で取り入れた業界研究掻動に぀いお、アクティブラヌニングの芖点から

考察する。この授業では毎回特定の業界を取り䞊げ、予習ずしお圓該業界における日本の動向に぀いおの蚘

事を読んだ䞊で自囜の動向に぀いお調べ、その共通点ず盞違点をたずめおくる。それを授業内で倚囜籍のグ

ルヌプに分かれお共有し、その業界党䜓の動向に぀いお議論をする。この授業に参加した留孊生ぞのアンケ

ヌトから、留孊生が業界に぀いお知識を埗たこずだけでなく、グルヌプディスカッションによっお埗た議論

の進め方、情報の䌝え方、情報のたずめ方、倚囜籍の孊生から広く情報を埗たこずに授業の意矩を芋出しお

いるこずが明らかになった。

C10(43) 自己の教育方針ずは異なる授業実践 ―指定されたテキストずのゞレンマ―

山智子東京犏祉倧孊・倧孊院

本研究は、教育機関にお指定されたテキストが自己の教育方針ずは異なるずいう状況䞋で、筆者がどのよ

うに察凊したか報告し、参考に䟛するこずを目的ずする。筆者が孊習者に蚭定した孊習目暙は圓該機関のそ

れにも沿ったもので、「資料を正しく読み取り芁玄する力を逊う」及び「レポヌト䜜成で䜿える衚珟を身に付

ける」ずいうものであった。しかし、シラバスを䜜成した他の教垫が孊習目暙に沿っおいないテキストを遞

定した䞊に、そのテキストも孊習者にずっお芏範ずなるような内容ではなかったのである。最終的には、筆

者の個別事䟋の怜蚎を超え、教育䜓制そのものを問い盎す契機ずしたい。

C11 (44) 䞭囜人日本語孊習者の䜜文に芋られる誀甚に関する考察

匵圀 倧連科技孊院

日本語で文章を曞くのは䞭囜人日本語孊習者にずっお難しいこずである。䞭囜語ず日本語は、語圙、文法

においお違うずころがたくさんあるので、孊生たちは文章を曞く時にずきどき混乱しおしたう。䞭囜語の習

慣で文章を曞くため、蚀葉䜿い及び文法䞊の間違いを招きやすい。本論文は筆者が勀めおいる倧孊の䞉幎生

を察象に、䜜文の授業で提出した文章を通じ、調査分析を行った。その結果、孊生たちは䞻に語圙、文法の

面で誀りが倚いこずがわかった。語圙の面においおは母語による干枉が倚く、文法の面においおは、䞻に時

制、掻甚及び助詞の誀甚が倚い。

C12(45) 日本語孊習者の動機づけに関しお教員はどのようにアプロヌチし埗るのか ―日本語孊校の孊習者

を察象ずしお―

池田咲月愛知淑埳倧孊倧孊院生

日本語孊習者の動機づけの匱さに関しお教員が孊習者に察しおどのようにアプロヌチするべきであるかず

いう点に぀いお瀺唆を埗るため質問玙調査を行った。調査により、本研究で䜜成した理論的枠組みの構成芁

Page 12: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

玠である党おの芁因間でかなり匷いもしくはやや匷い盞関がみられるこずが分かった。盞関分析、パス解析

から教員から自埋性支揎が行われおいるず孊習者が感じれば、教員ぞの高評䟡に぀ながり、教員ぞの高評䟡

が動機づけを匷めるに至るこずも明らかずなった。孊習者の動機づけにアプロヌチするために教員ができる

効果的なこずは自身の教授スタむルを芋盎し、孊習者の自埋性を尊重したスタむルにするこずだず考えられ

る。

C13(46) 倖囜に぀ながる子どものためのオンラむン教宀の実践報告―教員逊成倧孊の孊生による孊習支揎―

高橋亜玀子宮城教育倧孊

孊校では日本語支揎を必芁ずしおいる子どもが増えおいるが、子どもが支揎できる教員は䞍足しおいる。

そこで、教員を目指す孊生が倖囜に぀ながるこどもの孊習を支揎する「オンラむン教宀」を講矩の䞭で行っ

た。目的は(1)日本語支揎が必芁な倖囜に぀ながる子どもに぀いお理解するこず、(2)子どもず日本語でコミ

ュニケヌションをずり、どのような支揎が必芁かを考えお支揎するこず、の぀である。孊生は名で

名の子どもを担圓し、子どもぞの理解を深め、必芁な支揎を考えお行うこずができたが、子どもの日本語

力に合わせお話す、䌝えるずいうこずに課題を抱えおいるこずが分かった。

C14(47) 日本語孊習者の実生掻における耇数テキスト読みの実態

田川麻倮明海倧孊・方穎琳䞭南倧孊

日本語孊習者の実生掻においお、䞀぀のテキストだけでなく耇数のテキストを読む機䌚が増えおきた。本

皿では、JSL 環境ず JFL 環境の日本語孊習者を察象に、普段の生掻においお耇数の日本語テキストを読む堎

面があるかどうか調査した。その結果、JSL 環境、JFL 環境に関わらず実生掻の䞭で耇数テキストを読む堎

面はあり、生掻、情報収集、趣味、孊習に関わる玠材を読んでいた。たた、耇数の文章を読むこずに察しお

難しさも感じおいるこずがわかった。

C15(48) 日本語教育予備課皋留孊生を察象ずした異文化理解亀流䌚の実践

二口和玀子開智囜際倧孊

本皿では、異文化理解をテヌマずした留孊生ず日本人孊生の亀流䌚に぀いお報告する。留孊生は、日本語

教育予備課皋に盞圓する系列校の日本語孊校ず倧孊留孊生別科に圚籍しおいる。圓該の留孊生は来日しお間

もないため、異文化適応の初期の段階に眮かれおいる。日本の生掻習慣や文化に順応しおいけるように、日

本人孊生ず共に異文化理解に぀いお孊び合う機䌚を提䟛した。アンケヌトより、留孊生においお、孊習意欲

が向䞊したこず、自己の日本語力をモニタリングする機䌚ずなったこずがわかり、぀の芳点から本亀流䌚

の意矩があったず蚀える。䞀方で、日本文化適応ぞの葛藀を感じる留孊生もいたこずから、亀流䌚実斜の手

順に぀いお課題が残った。

C16(49) 日本語アカデミック・ラむティング支揎のためのパタヌン・ランゲヌゞに関する探玢的研究

黒田史圊東京郜立倧孊・倧森優神田倖語倧孊

留孊生のための日本語アカデミック・ラむティング支揎AWSでは、熟緎支揎者が優れた実践を展開し

おいる。本皿では、熟緎支揎者の蚀動を調査し、実践䞊のコツを 10 パタヌン抜出した䞊で、パタヌン・ラン

ゲヌゞPLずいう圢匏にたずめた。PL は、それぞれの蚀動が芋られた【文脈】、その文脈で起こりやすい

【問題】、その問題を解消・回避するための【解決】、そしお【パタヌン名】から成る。PL の掻甚により、

AWS 支揎者は実践を振り返る芳点を獲埗し、自らの経隓を蚀語化しお仲間ず共有できる。経隓・知識䞍足の

Page 13: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

新人支揎者は、PL を拠り所ずするこずにより、実践のポむントをいち早く把握し、心理的䞍安を軜枛するこ

ずができる。

C17(50) 『できる日本語』を甚いた日本語教育の実践 ―初玚留孊生を察象ずしお―

菅野沙也銙筑波倧孊倧孊院生

近幎、孊習者の䞻䜓性を逊成するための教育が求められおいる。日本語教育の分野でも課題解決型の日本

語教材が倚数出版され、日本語教育機関で䜿甚されるこずが倚くなっおきたが、その実践報告はあたりな

い。本発衚では、著者が日本語教育機関にお『できる日本語』初玚、初䞭玚を甚いお行った授業及び掻動に

おける特城や工倫を玹介し、その効果ず課題に぀いお報告する。

C18(51) 䞊玚キャリア日本語クラスにおけるオンラむン授業の実践

岩本穣志立呜通倧孊

新型コロナりむルス感染拡倧の圱響を受け、立呜通倧孊の留孊生を察象ずした日本語クラスのほずんどは

2020 幎床の授業をオンラむンで行うこずずなった。筆者が担圓する䞊玚キャリア日本語クラスでは、Zoom

や Microsoft OneNote、Word Online 等のオンラむンツヌルを掻甚した同期型の授業を行ったが、孊生ぞの

アンケヌトからは孊習意欲の䜎䞋や孊生間のコミュニケヌション䞍足等の課題が瀺唆された。䞀方で、クラ

スを進める䞭でオンラむン授業ならではのメリットも感じられた面もあった。本皿ではこうした課題ず成果

を考察し、今埌のオンラむン授業の改善の䞀助ずしたい。

C19(52) 䞭囜の高等教育機関における「日本語非専攻」教育の珟状—各皮公開デヌタの分析を䞭心に—

菅田陜平北京第二倖囜語孊院

本研究は、䞭囜の高等教育機関における「日本語非専攻」教育の珟状に぀いお分析したものである。ここ

でいう「日本語非専攻」ずは、日本語を専門科目ずしお履修する必芁がないずいう孊習者の属性を指す。「日

本語専攻」や他の「非専攻倖囜語」ず比べ、「日本語非専攻」党䜓、或いは、「日本語非専攻」における特定

の芁玠に察する倧芏暡か぀長期的な研究の蓄積は、いただ乏しい。しかし、日本語教育の普及、そしお、孊

際的な孊びの実珟に぀ながる存圚であるため、幎々泚目床が䞊がっおいる。今回は、䞭囜の「教育芁領䞭

囜語“教孊倧綱”」をはじめずする各皮公開デヌタを分析し、党䜓像の把握を行った䞊で、今埌の動向を瀺

す。

●ラりンド D発衚件数 20 件

D01(53) 緊急事態宣蚀䞋におけるオンラむン䞊の日本語孊習支揎の取組み ―東京工業倧孊 オンラむン版

にほんご盞談宀の実践―

小束翠・抎原実銙(東京工業倧孊

本皿では、2020 幎 4 月、緊急事態宣蚀䞋で来日や登校困難ずなった留孊生を察象ずし、日本語孊習支揎の

ためのオンラむンにほんご盞談宀の実践報告を行う。参加者を察象ずしり゚ブアンケヌト調査を行った。質

問項目は参加満足床やフィヌドバック等で、54 件の回答が埗られた。その結果、参加者は、抂ね満足しおお

り、評䟡に぀いおは、埗られたデヌタを KJ 法を揎甚し分析した結果、掻動に察する「肯定的評䟡」「孊習・

亀流機䌚の提䟛」「今埌のにほんご盞談宀ぞの芁望・提案」の 3 ぀の倧カテゎリヌが埗られ、にほんご盞談宀

がオンラむン䞊の接觊機䌚の提䟛や留孊生間の共同孊習の堎ずしお機胜しおいたこずが明らかになった。

Page 14: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

D02(54) 日本語通蚳授業における反転授業の詊み

劉琳(江蘇倧孊

䞭囜の倧孊専攻日本語教育においお、「日本語通蚳授業」は必修科目であり、重芁な圹割を果たしおいる。

どのように教垫䞻導型の授業から孊生䞭心の授業ぞず転換しおいくか、劂䜕により効率的に授業時間を利甚

するかを解決しなければならない課題ずなった。本皿は、反転授業を実斜しお以降、教宀掻動の芳察、孊生

の孊習効果や評䟡などを通しお、日本語通蚳授業における効果的な教授法を探り、孊生の孊習効果を高める

ために、教宀内の教育掻動、教垫の圹割および孊生の事前孊習の圹割を改めお考えおみたい。

D03(55) 日本で孊ぶ倖囜人高校生向け日本語クラスにおける自埋孊習支揎 ―ポヌトフォリオ掻動の実践ず

その問題点―

浜田かおり・倧接友矎・飯島博子東京倖囜語倧孊

日本で孊ぶ倖囜人高校生を察象ずする日本語クラスにおいお、生埒の自埋孊習胜力を高めるためにポヌト

フォリオを甚いたプログラムを蚈画、実践し、その効果の怜蚌を行った。生埒ぞの聞き取り調査を行ったず

ころ、具䜓的な月間目暙を曞いおいないこず、ポヌトフォリオの意矩を感じおいない生埒もいるこず、ポヌ

トフォリオ䜜成自䜓が生埒ぞの負担になっおいるこずが問題点ずしお浮かび䞊がった。今埌の課題ずしお、

ポヌトフォリオの仕組みをシンプルにしお振り返りがしやすい方法に倉曎するこずや、玙媒䜓以倖の方法も

導入するこずが挙げられる。たた、コヌス開始時に、生埒に自埋孊習の意矩を十分理解させるこずが䜕より

も重芁である。

D04(56) 倖囜人技胜実習生を察象ずした遠隔授業による初玚日本語クラスの実践報告

深田絵里・髙橋志野愛媛倧孊

近幎増加の䞀途をたどる倖囜人技胜実習生の日本語孊習環境は千差䞇別で、日本語教宀空癜地域や、教宀

ぞのアクセスが困難な地域に居䜏する者も倚い。このような倖囜人技胜実習生に日本語孊習ず地域䜏民ずの

察話・亀流の機䌚を぀くるため、公財愛媛県囜際亀流協䌚ず愛媛倧孊が連携し、遠隔同期型で初玚日

本語クラスを実斜した。折しも、コロナ犍をきっかけに、地域日本語教育の珟堎では、今埌このような遠隔

による支揎は増すず考えられる。本皿では、この実践をもずに、地域日本語教育で初玚レベルクラスを遠隔

同期型で維持拡倧するための課題に぀いお、技胜実習生の孊習環境を䞭心に考察する。

D05(57) 孊䌚誌論文における接続助詞「から」

向坂卓也北京第二倖囜語孊院

孊術的文章の曞き方教材では、原因理由を衚す接続助詞「から」は話し蚀葉であり、孊術的文章では䜿う

べきではなく、曞き蚀葉「ので」「ため」を䜿うべきであるずされおいる。しかし、孊䌚誌論文を調査したず

ころ文系や数孊の分野では䞀定数「から」が䜿甚されおいるこずが分かった。先行研究が瀺しおいるように

原因理由を䞻芳的に述べるのが「から」であり、客芳的に述べるのが「ので」「ため」であるが、実際の研究

では原因理由を䞻芳的に述べる堎合もあり、そのこずが「から」を出珟させおいるず考えられる。孊習者に

察しお「孊術的文章では「から」は䜿っおはならない」ず䞀抂に蚀うのではなく、柔軟に指導するこずが求

められる。

D06(58) 日本語教員逊成課皋を履修した䞭囜人日本語教垫の成長 ―異なる孊習者ず環境からの考察―

井元麻矎囜際亀流基金ニュヌデリヌ日本文化センタヌ

本研究は、日本語孊習者が日本の高等教育機関においお、日本語教員逊成課皋を履修し、日本語教垫にな

った教垫の成長に関する研究である。埓来ずは異なる孊習者ずあうこず、新たな状況に出䌚うこずで、新た

Page 15: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

な察応策を求め考えるこずにより、教垫の成長に圱響を䞎える。本研究は、ラむフストヌリヌ・むンタビュ

ヌを甚いお、䞭囜人日本語孊習者が日本囜内倖での日本語教育実習ず日本語授業を経隓し、どのように察応

策を考え行っおいたのかを分析する。

D07(59) 粟読前埌の芁玄文においお内容がどう倉わったか

劉芞寒東京郜立倧孊倧孊院生

本研究は、䞭囜人䞊玚日本語孊習者 30 人を察象に、粟読前埌に産出された芁玄文を比范し、語圙ず内容の

倉化から粟読が芁玄文䜜成に䞎える効果を怜蚌したものである。KH Coder の関連語怜玢ず共起ネットワヌ

ク機胜を利甚した分析の結果、粟読を経た埌の芁玄文では、䞻旚に関わる語を䜿甚しおいる芁玄文が倚くな

った。たた、党䜓的に䞻旚に関わる内容に絞っお曞かれるようになるこずが芳察された。

D08(60) 初玚レベル非挢字圏理系院生を察象ずしたリテラシヌクラスの実践 ―「JF 生掻日本語 Can-do」・

『いろどり 生掻の日本語』を利甚しお―

田代桜子愛媛倧孊

本皿は日本での就職を目指す初玚レベルの非挢字圏出身理系院生に向け、文字・リテラシヌに比重を眮い

た遠隔クラスの実践報告である。理系院生の研究生掻は英語が䞭心であり、日本語孊習ぞの意欲が保おな

い。過幎床は受講前アンケヌトやヒアリングの項目に JF Can-do を䜿いニヌズの把握を詊みたが正確な把握

には至らなかった。そこで今回は「JF 生掻日本語 Can-do」を提瀺し、囜際亀流基金の『いろどり』で孊習

者が遞んだトピックを扱った。結果ずしお、生掻する䞊で圌らが必芁な情報が日本語で読めるようになり、

孊習意欲の向䞊がみられた。今埌の課題ずしおは、Can-do の効果的な利甚方法の怜蚎や、倚様な孊習者のニ

ヌズ把握ず察応があげられる。

D09(61) Python による日本語韻埋の描写法の怜蚎

石山友之(囜際亀流基金日本語囜際センタヌ)

本研究では、任意の音声をモデルに蚭定できる、Python による日本語韻埋の自埋孊習甚プログラムの開発

に向けお、聎芚印象に近い音声の高さの芖芚的な描写法に぀いお怜蚎を行った。日本語母語話者に察する䞀

察比范法による実隓の結果、音声を CV 単䜍C は子音、V は母音に分節し、その単䜍内で回垰分析を行

い、回垰匏から掚枬される末端郚の基本呚波数をモヌラの高さずする手法が聎芚印象に近いず評䟡されやす

いこずがわかった。たた、無声化したモヌラの補完ず、長音の分節法がこの手法の改善点ずしお挙げられる

こずがわかった。

D10(62) 短期文化䜓隓プログラムの実斜ず教材開発のプロセス ―オンラむン時代を芋据えお―

長谷川由銙・村田晶子・池田幞匘・竹山盎子法政倧孊

高等教育のグロヌバル化に䌎い、蚀語ず文化を連携させた短期留孊プログラムが盛んに行われおきた。本

研究では、所属校における短期日本語日本文化プログラムの実斜抂芁を玹介するずずもに、文化䜓隓甚の教

材開発の経緯ずそこでの詊行錯誀に぀いお分析する。教材化にあたり、倚様な地域および察象者に察する汎

甚性、日本語レベルぞの配慮、知識むンプットから情報アりトプットに重きを眮いた掻動の提案、SNS 利甚

の可胜性、ファシリテヌタヌずしおの教垫ぞのサポヌトに぀いお改良を行った。さらにコロナ犍およびコロ

ナ埌を芋据えたオンラむン文化䜓隓の可胜性に぀いおも提案を行う。

Page 16: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

D11(63) 日本語孊習者コヌパスに芋られる耇合動詞の習埗 ―ベトナム語母語話者による産出実態―

ファム・ティ・タむン・タオ東京倖囜語倧孊倧孊院生

本研究は、孊習者コヌパスI-JASの䜜文デヌタにおいお、「ベトナム語母語話者ず、日本語母語話者に

よる耇合動詞の産出を比范し、ベトナム語母語話者による耇合動詞の習埗状況を分析する。分析結果ずし

お、ベトナム語母語話者による耇合動詞の産出は、日本語母語話者ず比べ、出珟頻床ず耇合動詞の皮類の豊

富さが非垞に䜎いこずが芳察された。今回の考察察象は共通蚀語にある「入り蟌む」や「飛び蟌む」、「飛び

出す」などのような「䜍眮倉化」を衚す耇合動詞、䞡蚀語における察応衚珟が芋られる項目であるが、䞭玚

レベルのベトナム語母語話者による産出がみられないこずが芳察された。

D12(64) 倚読授業を䜓隓した孊生の読みの倉化ず孊習芳の倉化

片山智子東京倧孊

日本語倚読授業を䜓隓した初玚孊生の 1 幎間の倉化を远った。調査察象の孊生は、文法や語圙の知識の積

み䞊げを重芖する孊習スタむルを奜んでいたが、自分で読みものを遞び、たくさん読むずいう倚読䜓隓を重

ねるうちに、未知語にこだわらずに内容を楜しんで読むようになり、自己肯定感も高くなった。たた、蚀語

孊習では、正しいかどうかよりもコュニケヌションのツヌルずしお䜿えるかどうかが倧切だずいうビリヌフ

の倉化も生たれた。

D13(65) 䞭囜語母語話者はなぜ日本語の動詞の自他で混乱するのか ―䞭囜語の動詞の埌ろの名詞句が日本

語のガ栌に察応する堎合―

北村よう東海倧孊

䞭囜語の動詞に自他同圢が倚いこずはよく知られおいる。しかし、䞭囜語母語話者が日本語の動詞の自他

で混乱する原因は、動詞の圢態だけではなく、構文的芁因も考えられる。䞭囜語には存珟文ずいう出珟・消

倱した物人や存圚䞻䜓が動詞の埌ろに眮かれる構文がある。通垞語順の他動詞文ずの違いは、動詞の前に

堎所の名詞句が来るこずであり、察象が動詞の埌に眮かれる点は同じである。日本語では動詞の自他の区別

は動詞の圢態ず助詞によっお衚されるが、䞭囜語では動詞の前の芁玠が動䜜䞻か堎所かによっお決たるこず

もある。

D14(66) 䞭囜人日本語孊習者ず日本語母語話者の補助動詞「おしたう」の䜿甚傟向 日本語孊習者コヌ

パス I-JAS の䜜文デヌタをもずに

蟻本桜子愛知淑埳倧孊

補助動詞「おしたう」には、アスペクト的意味ず感情・評䟡的意味がある。筆者はこれたでに䞭囜人孊

習者ず日本語母語話者に小論文やアカデミック・ラむティングを指導した経隓から、䞡者の「おしたう」

の䜿甚傟向には差異があるず感じおいる。管芋の限り、これたで日本語孊習者ず日本語母語話者の「おし

たう」の䜿甚傟向を比范した研究は、発話デヌタをもずに分析された研究しかなされおいない。本研究では

日本語孊習者コヌパス I-JAS の䜜文デヌタを分析し、曞き蚀葉における䞭囜人日本語孊習者ず日本語母語話

者の「おしたう」の䜿甚頻床ず傟向に぀いお明らかにする。

D15(67) 評䟡基準䜜成のための話し合いを通した孊習者の倉化

䞋薗䞀恵名叀屋倖囜語倧孊倧孊院生

本実践では、䞊玚日本語孊習者を察象に、評䟡基準を孊習者自身が話し合っお決定し、それをもずに互い

の発衚を評䟡する孊習者䞻䜓の評䟡掻動を行った。その結果、それたで授業では受身な姿勢であった孊習者

が、教垫が促さずずも自ら意芋を発するずいう倉化を芋せた。たた、他の孊習者に関心を持たず、教垫を介

Page 17: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

した間接的なやりずりしかしおいなかった孊習者が、互いの発話に関心を持ち、盎接向き合っお話し合いを

するようになる倉化が芳察された。本実践で、教垫ず各孊習者の䞀察䞀のやりずりから孊習者間でのやりず

りを行うようになった倉化の過皋の芳察がなされ、孊習者の䞻䜓性が芋受けられた。

D16(68) オンラむン授業における聎解掻動の䞀詊案 ―日本語䞭玚レベルにおける Youtube ANNnewsCH を

甚いた実践―

加藀䌞圊立呜通倧孊

本発衚はオンラむン授業における Youtube の ANNNewsCH を甚いた実践報告である。実践では、授業前

に各人で遞択したニュヌスを芖聎した埌、授業時にはそのニュヌスの内容ず䜿われる単語の意味を他の孊習

者に説明した。孊習者ぞのアンケヌト結果では、実践は抂ね奜評であったこず、聎解胜力の向䞊が実感でき

る掻動であったこず、教宀掻動に改善の䜙地があるこずの 3 点が明らかずなった。以䞊より本実践は、教宀

掻動の工倫次第では、察面授業でも䜿える媒䜓ず方法で汎甚可胜性が高いず考える。

D17(69) 台湟人倧孊生の日本語孊習意識の倉化 ―ホテル・レストラン実習の経隓に関する質問玙調査の結

果をもずに―

朘寧東呉倧孊

本研究は、日本においおホテル・レストラン実習を経隓した台湟人倧孊生を察象に、日本語孊習に関わる

意識の倉化に぀いお質問玙調査を行い、分析を加えたものである。その結果、①日本に察する興味・関心、

日本語を継続的に孊び、掻甚しおいこうずする意識の高たり、②日本語以倖の倖囜語に関する胜力ず倖囜語

胜力以倖の胜力の重芁性ぞの気づき、③異文化適応に関する自信ぞの増加ずいう 3 点が明らかになった。䞀

方で、実習終了埌に「教宀における倖囜語孊習の必芁性」に関する遞択肢に吊定的な回答が半数を占めおい

た。したがっお、実習経隓のある孊生に日本語を教える方法を調敎する必芁があるず考えられる。

D18(70) 理系倧孊院留孊生察象ハむブリッド型初玚日本語授業の詊案 ―コロナ犍におけるオンラむン授業

実践を掻かしお―

䜐々朚良造静岡倧孊

新型コロナりむルス感染拡倧を防止のため、初玚日本語クラスのコヌディネヌタヌである筆者は、2020 幎

床前期の授業をオンラむンで行うこずにした。埓来の察面授業のみのカリキュラムでは継続が困難であった

理系倧孊院留孊生が、オンラむン授業によっお日本語孊習の継続が可胜ずなった。こうした実践の知芋か

ら、筆者はハむブリッド型授業の必芁性を認識した。筆者は、本皿で取り䞊げるオンラむン授業の実践をも

ずに、察面授業ずオンラむン授業を組み合わせたハむブリッド日本語授業案を提瀺した。ハむブリッド型授

業には、授業担圓者の時間蚈算、孊習者のモチベヌション、授業蚈画など解決すべき問題点があるこずも指

摘した。

D19(71) オンラむン授業に察する孊習者の意識調査 ―日本語孊校を察象に―

犏島奈緒矎長沌スクヌル東京日本語孊校・石川晶子東京囜際知識孊院・平田真理子日本文化教育

孊院

コロナ犍によっおオンラむン授業化を䜙儀なくされた日本語孊校においお、日本語孊習者のオンラむン授

業に察する意識を探る目的で定量調査を行った。その結果、オンラむン授業のほうが日本語を孊びやすいず

回答した孊習者は少数掟ずなり、特に「他の孊生ずよく話せる」などの項目で䜎評䟡だった。たた初玚孊習

者、さらにベトナム及びネパヌル囜籍孊習者のオンラむン授業の盞察的䜎評䟡も明らかずなった。䞀方で

「ストレスがない」など心理面ではオンラむン授業も察面授業もそれほど評䟡に差がないこずも刀明した。

Page 18: JAPANESE LANGUAGE EDUCATION METHODS

D20(72) 「するんじゃない」による犁止衚珟

李楠江蘇倧孊

本研究は、犁止衚珟ぞの意味の拡匵や意味ず意味ずの間の関係を明らかにするため、兞型的な犁止衚珟

「するな」ず比べお、「するんじゃない」圢匏の基本的意味を芋たうえで、圓該圢匏を犁止ずしおの甚法や䜿

甚条件を明らかにするこずを詊みた、結果ずしお、「するんじゃない」圢匏は「制止的な犁止」も「予防的な

犁止」も衚すこずができ、さらに、匷調しお行為の実行を䞭断させる性質があるため、「䞍満」ずいう含意が

生じやすい、たた、「ぞ」や「よ」を䌎っお「願望」を匷調するこずもできる。

【䌚費玍入のお願い】

JLEM では 4 月から翌幎 3 月たでを䌚蚈幎床ずしおおりたす。2020 幎床䌚費3,000 円未玍の方は早急に

玍入いただきたすようお願いいたしたす。2 幎分未玍の堎合は䌚員資栌を倱いたす。䌚費は、䌚堎の混雑を避

けるためにも、可胜な限り、事前に郵䟿局にお䞋蚘の口座に「電信振蟌」でお振蟌みください。郵䟿局に口座

を持っおいる堎合、振り蟌み手数料は無料になりたす。ご䞍明な点がおありでしたら、jlem-ml#jlem-sg.org (#

は@です)たで e-mail におお問い合わせください。

【振蟌先】 郵䟿局の「電信振蟌」で払い蟌む堎合

蚘号10140 番号69076511 加入者日本語教育方法研究䌚

銀行から振り蟌む堎合

銀行名ゆうちょ銀行

店名〇䞀八 店れロむチハチ店 金融機関コヌド9900 店番018

預金皮目普通 たたは貯蓄 ※預金皮目は「普通」「貯蓄」のいずれでも振蟌可胜

口座番号6907651 口座名日本語教育方法研究䌚


Recommended