「看取り援助勉強会」の定期開催が もたらした家族の意識変容
看取り援助を行うために施設が果たす役割
特別養護老人ホーム ハピネスあだち
特養フロアリーダー 井上禎久
特別養護老人ホーム ハピネスあだち
所在地 :東京都足立区
開設日 :2006年4月1日 事業概要:特別養護老人ホーム ショートステイ デイサービス 居宅介護支援事業所 ヘルパーステーション 地域包括支援センター
特養の役割
特養が果たすべき役割が変化している
ニーズの多様化
医療費の圧迫
高齢化
いつまでも安心して暮らせる住まいへ
ハピネスあだち看取り援助委員会
発足日 : 2008年11月
構成員 : 施設長・嘱託医・看護師・介護職
管理栄養士・機能訓練指導員
生活相談員・事務員 など
開催頻度: 毎月1回
退居者と看取り援助者の推移
0 2 5
21 2128
2226
36 35 26
1915
7
8
11
05
1015202530354045
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
看取り以外看取り
看取り援助に対する家族の思い
期 待 不 安
入院は本人も望んでいない。
延命は希望しない。
慣れ親しんだ場所で最期を迎えたい。
施設での「看取り援助」とはどういう取組み?
病院行かないと、苦しい思いをさせてしまうのでは‥。
どのように「最期」を迎えればいいのか分からない。
看取り援助勉強会の開催に至る流れ
家族の情報量不足
お互いに正しい情報を持つことが重要
施設からの情報提供が必要
看取り援助勉強会の開催
•期間:2012年6月~2013年3月 •開催回数:全10回 •開催頻度:月1回(第4日曜日) •時間:10:00~11:00 •参加者:特養入居者家族
•内容:各回毎にテーマを決めて、それに合わせて資料を作成し構成を組み立てた
•各回終了後にアンケートを実施した
取り組みによる効果と期待
情報の提供により、家族の知識が増える
「死」を受容し、後悔が少なくなる
定期的開催により施設との距離が縮まる
最期をどう迎えるか、選択肢が増える
家族の思いや考えを支援に活かす
勉強会事例1 家族による講演
開催日:7月29日 参加者:42名 講師:看取り援助を経 験された家族 内容:「看取り援助」 に至る前の家族 の感じる思いや 苦悩について講 演
勉強会事例2 職員による事例発表
開催日:9月23日
参加者:29名
講師:「介護職員」
内容:現場で援助する
側から見た「看
取り援助に関す
る思い」を発表
勉強会事例3 葬儀会社による講演
開催日:12月23日
参加者:37名
講師:葬儀会社社員
内容:①葬式を行うに
あたってのポイ
ント解説
②「終活」に関
する情報提供
その他の勉強会内容
歳をとると身体はどんな変化が起こるの?
食べることが難しくなったら‥
ハピネスあだちで迎える最期
病院や自宅で迎える最期
家族は何を準備すればいいの?
看取り援助座談会
• 勉強会後に開催
• 参加者は5~6名程
• 各回毎にテーマを設け、テーマに即した家族が参加した。
• 死生観や看取り援助等の取り組みに関し情報の交換、共有を図った。
看取り援助勉強会 参加者の推移
0
10
20
30
40
50
第
1
回
第
2
回
第
3
回
第
4
回
第
5
回
第
6
回
第
7
回
第
8
回
第
9
回
第
10
回
44名
平均参加者 34名
アンケート結果 Q1,参加者の内訳
0 20 40 60 80 100
第1回目
第2回目
第3回目
第4回目
第5回目
第6回目
第7回目
第8回目
第9回目
第10回目
65
64
68
64
59
57
64
61
57
69
14
12
16
19
14
20
15
15
12
13
21
24
16
17
27
23
21
24
31
18
子供 配偶者 その他
Q2,勉強会の内容が理解出来たか
0 20 40 60 80 100
第1回目
第2回目
第3回目
第4回目
第5回目
第6回目
第7回目
第8回目
第9回目
第10回目
58
64
62
65
69
68
70
74
78
82
20
24
25
19
20
24
24
21
20
13
22
12
13
16
11
8
6
5
2
5
理解出来た なんとなく理解出来た 理解出来なかった
Q3,最期をどのように迎えたいか
0 20 40 60 80 100
第1回目
第2回目
第3回目
第4回目
第5回目
第6回目
第7回目
第8回目
第9回目
第10回目
42
43
48
56
64
70
65
73
78
79
42
46
42
32
30
24
27
24
20
18
16
11
10
12
6
6
8
3
2
3
医療はあまり望まない 迷っている 医療を望む
Q4,次回も勉強会に参加したいか
0 20 40 60 80 100
第1回目
第2回目
第3回目
第4回目
第5回目
第6回目
第7回目
第8回目
第9回目
第10回目
59
60
64
68
57
69
70
65
76
79
28
34
30
30
32
20
23
30
19
17
13
6
6
2
11
11
7
5
5
4
参加したい 日程やテーマによる 参加しない
不安が解消された
事前の意向確認
老いの受容が重要
Q6,その他 意見や要望
勉強会開催後の課題と今後の展開
日時や時間を変更して開催していくまた個別に対応を図る
不参加者への情報提供
地域住民やその他の関係者の方々にも参加を呼びかける
より多くの方々への情報の発信
よりニーズに合わせて情報を伝えられるように工夫を凝らしていく
テーマの
再確認
2013年度看取り援助勉強会の開催
•期間:2013年7月~2013年11月
•開催回数:全5回
•開催頻度:月1回(第2土曜日)
•時間:13:00~14:00
•参加者:入居者家族及び地域住民等希望者
•内容:2012年度勉強会の意見をもとに
プログラムを構成
2014年度看取り援助勉強会の開催
•期間:2014年7月~2014年11月
•開催回数:全5回
•開催頻度:月1回(第1土曜日)
•時間:14:00~15:00
•参加者:入居者家族及び地域住民等希望者
•内容:各研修ごとにテーマを設定
講義形式
研究を終えて
多くの家族が参加した
継続して参加する方も多かった
意向の固まった家族が増加
根拠に基づいた援助の実現
入居者の人生
身体の変化
施設と病院の違い
延命治療 とは
費用
看取り援助の内容
情報量によって選択が変わる
特養の役割
環境整備 情報提供
勉強会を開催していく中で、職員の援助に対する意識
が向上した
看取り援助についての知識と理解を深める事が出来た
「とも育て、とも育ち」
施設 家族
ご清聴ありがとうございました