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Ⅱ゜フトパワヌ

冷戊終了たでは、囜家間の課題はハヌドパワヌ匷制する力によっお解決されおきた。

しかし、冷戊埌の䞖界では、ハヌドパワヌだけでは解決できない環境などの課題が増えお

いる。その結果、盞手に無理やり匷制するハヌドパワヌに察し、「魅了する力によっお、自

分の望む結果を他者から匕き出す力」である゜フトパワヌずいう抂念が脚光を济びはじめ

おいる。この゜フトパワヌは、他者が憧れ、共感できる思想やモノをその力の源泉ずし、

様々なレベルでの人ず人ずの亀流ずその積み重ねを通じお人々に圱響を䞎える。

日本の゜フトパワヌには、日垞的な日本補品、アニメ、和食など人々の日垞を介しお䌝

わるこずによる芪しみやすさず、䞊からの抌し぀けではなく、同じ土壌の䞊で亀流するず

いう特城がある。たた、そうしたものの根底に共生の思想が流れる東掋思想がある。バブ

ル経枈厩壊埌の 90幎代に芜生えたポップカルチャヌ音楜などを䞭心ずした日本の文化

が䞖界の若者を惹き぀け、日本がクヌル栌奜よいずいう朮流が生たれ、これたでにハ

ヌドパワヌでは埗られなかった評䟡をそれらの゜フトパワヌによっお埗おいる。たた、日

本の゜フトパワヌの受け手ずなる䞭産階玚が、アゞアにおいお倧幅に増えおおり、こうし

た流れを支持しおいるのが、次䞖代を担う若い䞖代であるこずが、日本の゜フトパワヌの

効力を高めおいる。

囜際瀟䌚におけるパワヌの倉動ハヌドパワヌから゜フトパワヌぞのシフト

グロヌバリれヌションの進展は、囜際政治の条件やルヌルにも倧きく圱響を䞎えおいる。

冷戊終結たでは、囜家間の察立や玛争は軍事力を背景にしたハヌドパワヌ匷制する力に

よっお解決されおきた。しかし、冷戊埌の䞖界では、自分の意志を盞手に無理やり匷芁する

ハヌドパワヌだけでは解決できない環境砎壊、貧困、゚むズなどの課題が増えるずずもに、

発展途䞊囜や台頭するなどの埓来ず異なるアクタヌの䞖論ぞの圱響力が匷たっおい

る。

その結果、この環境の倉化に察応し、これらの課題に取り組む手段ずしお、ハヌドパワヌ

ず察峙する゜フトパワヌずいう抂念が脚光を济びおいる。この抂念は、ハヌバヌド倧孊のゞ

ョセフ・ナむ教授が、米囜がハヌドパワヌぞの䟝存床を高めた結果、囜際瀟䌚で信頌を倱い、

䞖界を先導する力が匱たっおいるこずを危惧しお提唱したものである。

○ 囜際瀟䌚における゜フトパワヌの事䟋 囜際䌚議堎での意思決定

囜際瀟䌚における意思決定の堎は、2囜間から倚囜間協議に移っおおり、その䞭で圱響力を行

䜿する手段ずしお議長職を獲埗したり、その inner circleに入るなどの戊術がある。実際、地球

はひず぀の村で囜際瀟䌚は「村瀟䌚」ず同じであり、最終的には人間関係が重芁ずなる。しか

し、そこで倧事なこずは、盞手に勝぀こずよりも、誰にも平等に接し、盞手を尊び、味方に匕

き蟌むこずである。阻害された囜から問題が発生するこずも倚いので、党䌚䞀臎が必芁ずなる。

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゜フトパワヌずは

ï¿œ 抂念 魅了する力によっお、自分の望む結果を他者から匕き出す力

ï¿œ 過皋 様々なレベル(政府、䌁業、NPO)での人ず人ずの亀わりの積み重ねで圱響を

及がす段階的に盞手を知り、理解し、共感し、そしお支持する

ï¿œ 資源 人々が憧れ、共感する瀟䌚、生掻、そしお理念。

ï¿œ 媒䜓 人最も重芁、䌁業補品、技術、文化芞術、思想、医療、教育、食

ï¿œ 適甚 䞋心のある利己的な適甚や䞀方的な抌し付けは、反発を招き、逆効果

゜フトパワヌずは“魅了する力によっお、自分の望む結果を他者から匕き出す力”であり、

他者が憧れ、共感できる思想やモノをその力の源泉ずし、様々な媒䜓を通じお人々を惹き぀

け、䞖論に圱響を及がし、意志を反映しおいく手段である。ハヌドパワヌず最も異なる点ず

しおは、䞀方的に自らの考えや意思を盞手に抌し付けるのでなく、盞手をおもんばかる気持

ちである。具䜓的には、盞手の蚀うこずに耳を傟け、違いを理解し、そしお立堎や考えを尊

重する姿勢である。利己的でなく、盞手を想う利他的な気持ちが盞手を匕き寄せる。

尚、軍事力が必ずハヌドパワヌずいう蚳でなく、囜連軍による治安維持掻動は゜フトパワ

ヌずなる。同じように、経枈、そしお文化思想もその行䜿の仕方が利己的であればハヌ

゜フトパワヌ

シンパ äž­ç«‹ 察立 仲間 “気付き” “知る” “理解する” “共感する”

“日本ずの接点”

“日本ぞの興味”

“日本ぞの芪近感”

“日本ぞの理解”

“日本ぞの信甚”

“日本ぞの敬意”

2囜間から倚囜間協議ぞ

冷戊構造の厩壊による

倚囜間協議での圱響力

① 議長職を取る

② 議長のinner circleに入る

③ 䞋郚組織の委員長になる

党䌚䞀臎が重芁である

・阻害された囜から問題が発生

・小囜に自負をもっお貰う事が重芁

・勝぀事よりも盞手を尊び味方に

囜際瀟䌚も最終的には人間関係が

重芁である

⇒ 意識的に囜際競争力のある人材育成

が必芁

必芁な資質

・ 専門知識を持぀

・ 盞手の信頌を埗られる

本幎が聞ける人栌

日本は意識的に人材を育成する必芁

がある

課題

・ 平等な立堎で議論し、立論する

胜力を鍛える堎がない

・ 本圓の胜力を偏芋なく芋

極める reality test がない

北朝鮮問題の6カ囜協議は“地域の

察立メンバヌ党お 米囜“ずいう安

党保障の枠組みを䞖界に瀺せる日本

は唯䞀の被爆囜で、悲惚さを䞖界に

䌝える矩務がある

⇒ 䞖界を諭す時の説埗力

平和ず軍瞮は経枈発展の出発点であ

る

⇒ 日本の戊埌埩興は芋本

囜際協議でのパワヌ ⇒ 物事をたずめる胜

力

゜フトパワヌ ⇒ 物事がどの様にしお決

たっお行くかぞの圱響力

日本の貢献

囜際瀟䌚は「村瀟䌚」に䟋えられる

⇒ 地球は䞀぀の村である

日本の人材

必芁な人材 珟圚の囜際瀟䌚 ゜フトパワヌ

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ドパワヌになり、利他的であれば゜フトパワヌになる。この様に、他者から受入れられる事

が前提ずなるため、䟡倀芳の抌し付けや、䞋心のある利己的な考えに基づく行動は反発を招

き、かえっお逆効果ずなる。

たた、゜フトパワヌは、その性質からしお捕らえどころがない面があり、効果や倧きさの

怜蚌が困難である。実際、パワヌずいうよりも、むしろ物事が決定される際の環境の醞成や、

信頌関係の構築に近いず蚀える。その芳点から考えるず、人々が日垞生掻で本胜的に䜿っお

いるものでもある。

【事䟋】䌁業のマヌケティングずの類䌌点

日本の゜フトパワヌ

日本ず゜フトパワヌ これたで

19 䞖玀埌半の西欧における芞術家を䞭心ずした知識階玚局に察するゞャポニズムの圱響か

ら芋お取れるように、歎史的に日本は゜フトパワヌを持っおいた。しかし、日本人は圓時そ

れをパワヌずしお自芚しおいなかった。そしお、第二次䞖界倧戊では軍事力で他囜を䟵略し、

盞手囜の囜民、そしお結果ずしお自囜民に倚倧な犠牲をもたらした。たた、戊埌は囜党䜓が

䞀臎団結しお努力した結果、奇跡ずも蚀われた経枈埩興を成し遂げたが、1970 幎―80 幎代

に入るず、自囜の利益のみを远求するあたり、economic animal や“顔の芋えない日本人”

ずしお譊戒され、非難された。そしお今も残る歎史問題などもあっお、日本の゜フトパワヌ

は枛退しおいった。

マヌケティング 宣䌝

広告

PR

配信

属性 品質

䟡倀

利䟿性

意矩

消費者行動 詊す

継続

忠誠

掚奚

効果

売䞊増

シェア増

利益増

認知興味

奜む・支持

需芁・遞択

メッセヌゞ

明瀺

発信

根拠

日本のむメヌゞ

共生

環境

品質

最先端

䞖界の行動

察話

亀流

支持

協力

効果

評䟡

圱響力

存圚感

認知興味

奜む・支持

期埅・責任

「゜フトパワヌを適甚するプロセス」

「䌁業のマヌケティング」

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日本の゜フトパワヌ 珟圚クヌルゞャパン

バブル経枈厩壊埌の 90幎代には、日本は”倱われた 10幎“ずも圢容される䜎迷期を経隓

するこずになった。しかし、皮肉な事にその間に芜生えたポップカルチャヌアニメ、音楜

などを䞭心ずした日本の文化が䞖界の若者を惹き぀け、日本がクヌル栌奜よいずいう

朮流が生たれ、ハヌドパワヌでは埗られなかった文化をベヌスにした゜フトパワヌによっお、

䞖界の人々からの奜意的な評䟡を埗おいる。

江戞時代には䞀定の富の蓄積があり、郜垂文化を育み、それがやがおペヌロッパに倧きな圱

響を䞎えるこずずなった。ルネッサンスの事䟋もあるように、「文化力」ずいうのは経枈の問題

ず無瞁ではなく、ある皮の莅沢、文化的な䟡倀に投資した結果埗られるものであり、珟圚のク

ヌルパワヌの根っこにはバブル時代の蓄積があるず考えられる。20 䞖玀に入り、䞖界の文化が

文字から倧衆的な映像や音楜に移っおおり、このような物に察する感芚には日本人は鋭いもの

がある。日本人の絵巻のセンスなどが今の挫画やアニメに生きおおり、先端の芞術の仕事をし

おいる人々の䞭には日本的な良さが自然ず掻きおいる。ただし、江戞時代の日本の゜フトパワ

ヌは文化だけでなく、日本の瀟䌚秩序、そしお日本人の道埳芳念がベヌスにあったこずを忘れ

おはならない。

日本の家電補品や車は、バブル以前から、その品質や性胜の高さから䞖界で評䟡されおき

たが、珟圚は日本の文化が評䟡されおいる。たた、補品や技術だけでなく、今では北野歊氏

察象 Medium 日本的芁玠 幎代

倧衆 (䞀般 Consumer goods (電化補品 品質機胜性 80幎代

文化人→倧衆 Cinema (黒沢映画など 歊士道・感性 50幎代

文化人 絵画・工芞品 (Japonisme) 様匏・衚珟 19侖简

地域

侖界(特に欧米

欧州・米囜

欧州

共通項目ずしお媒䜓の“受容れ易さ”倧衆文化、生掻に近いず“理解の

し易さ”映像、モノ、音楜、料理など通蚳が必芁ないが有る 䌝統ず最先端、官補ず

機胜、 暗黙ず圢匏

䌁業人 (䞀般 経営手法特に補造や技術力 効率品質 90幎代 侖界(特に欧米

倖囜 日本 [ Medium ]

Pop Culture (アニメ・音楜

“Japanese “ Pop Culture

遞択

吞収

日本化 (逆茞出 逆茞入

(茞入 (茞出

・ 原型が既に自囜文化にあるので、より受け入れ易い

共通の土壌がある

・ “日本化”ずされおいる郚分が評䟡され、惹き぀けおいる

日本ずの接点 橋頭堡

日本に察する興味 “気付き”

Cultural Diplomacy

[ 日本瀟䌚 ]

・ 倚様化

・ 豊かさバブル

・ グロヌバル化

文化が醞成される土壌

(䟋ルネッサンス



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映画監督、宮厎駿氏映画監督、谷口吉生氏建築家、むチロヌ野球、䞭田英寿氏

サッカヌなど、日本人が倫々の分野のトップレベルの人間ずしお䞖界的に評䟡されおい

る。

そしお特筆すべきは、このように日本を評䟡しおいるのは倚くの堎合、各囜の䞀般垂民で

ある点である。ニュヌペヌクでは、日本食のレストランが次々に開店しお、ニュヌペヌクっ

子が詰め掛け、ロンドンでは、街角でサンドむッチず䞀緒にスシが買え、むギリス人が昌食

ずしお買い求めおいる。たた、宮厎駿氏の映画が䞖界の子䟛たちに愛され、むチロヌや䞭田

英寿氏はアメリカやむタリアにおいお䞀般の人々がその掻躍に泚目しおいる。19 䞖玀のゞ

ャポニズムず比べお䞀般の人々によっお受け入れられおいる点が珟圚の倧きな特城である。

【アンケヌト結果】58カ囜各囜垂民 159名、日本人駐圚員 128名

 各囜垂民が考える日本の゜フトパワヌ

○ 日本が゜フトパワヌの囜であるこずが珟れおいる9P。海倖で、日本補品や䌝統文化から

ポップカルチャヌ、食文化に至る日本の文化を通しお日本を知り、その魅力に魅かれおい

る人が倚いこずがわかる 16P。ポップカルチャヌをはじめずする日本文化が倧衆性を持

ち、日垞生掻の䞭に浞透するこずで、緩慢でも確実に䌝わっおおり、日本を意識する機䌚

は増えおいるず考えられる。今埌はそれを日本ぞの理解にも繋げおいく必芁がある。

○ しかし、前述のずおり、蚀葉の問題が倧きく、コミュニケヌション胜力が欠劂しおいるこ

ずから、人を通じお日本の良さ、考えが䌝えられおいないこずもわかる。政治家、経枈人

で広く䞖界に知られおいる人物が少ないこずは、こうした日本の珟状を衚しおいるずも考

えられる3。

○ 今埌は、日本、日本人の䟡倀芳、魅力を補品やアニメをはじめずするポップカルチャヌ、

食文化ずいった芖芚に蚎える䌝え方だけでなく、蚀語による䌝え方を磚くこずが求められ

る。それにより、゜フトパワヌの玠材の根底にある理念や思想を䌝えおいくこずができる。

 日本人駐圚員の目から芋た日本文化の普及床

○ 埓来の䌝統的日本文化よりも、アニメ、マンガ、音楜J-POPに代衚されるポップカルチ

ャヌに察する人気が高く、これらの浞透床の高さが䌺える1P、18P。たた、日本食、カ

ラオケ、枩泉等をはじめずする 日本の嚯楜・レゞャヌも奜たれおいるこずがわかる17P、

18P。

この様に、過去 10 幎間、日本は囜ずしお成熟する過皋ずしお日本の文化もフロントランナ

ヌがもたらす倚様性によっお䞀皮剥け、バブルの教蚓ずしお利己的な経枈䞀蟺倒䞻矩が薄た

ったこずで、意図せず、日本が゜フトパワヌを蓄積した時期ず蚀える。

日本の゜フトパワヌの源泉

時代を通じお遞別されたモノが日本文化の深局を脈々ず流れおおり、それが珟圚クヌルず

しお評䟡されおいる日本のポップカルチャヌの土台を圢成しおいる。日本の文化の特城を以

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䞋の通り列挙するず、これら党おに通ずるのは、異なる事物が䞀䜓ずなっお共存しおいる、

そしお䞀般の人々の日垞珟堎に根ざしおいる、ずいう点である。

『日本の文化の共通項』

ï¿œ 䌝統ず珟代、珟代ず未来が枟然ず同居 通時性、フラット

ï¿œ 異文化の受容、そしお融合 和魂掋才

ï¿œ 人間ず技術の䞀䜓化 からくり人圢やロボット

ï¿œ こだわり矎意識ずこだわりの無さモノの共存

ï¿œ 芞術の日垞化 工芞、デザむン、ファッション

ï¿œ 自然ず生掻の共存 環境技術、四季の取り蟌み

ï¿œ 心ず身䜓 長寿、食生掻、生掻習慣、医療

参考「日本人の䞭に朜圚する぀の矎意識」黒川雅之氏

『埮』 小さい瞬間・人に党おが含たれおおり倧事である 䞀期䞀䌚

 盆栜、幕の内匁圓、数奇屋など宇宙を箱枠の䞭に閉じ蟌めおいる。

『䞊』 絶察論の西掋に察しお、日本には耇数のモノが䞊存し、共存する八癟䞇の神

 西掋は䞀぀の䟡倀神で、間違いは“眪”。日本では 3぀の蚀語ず耇数の宗教が共存。

 個々の脳现胞は䞊列に存圚し、瞬時に繋がる。internet では䞖界の人が組織を通さず、

盎接察話する。

『間』 気配ず気配の間にある䞭間領域が“間”であり、媒介しおいる 間合い

 西掋では内ず倖は察立し、䞭間に明確な壁がある。日本は柱ず梁の集合による間で内ず

倖自然が繋がる。

 自分の呚りの空気気配も自分の䞀郚色銙、気迫である。曖昧だが最も面癜く、

矎しく、そしお難しい。

『秘』 隠れた郚分が想像力を刺激し、より魅惑的に芋せる 秘すれば花、沈黙は金

 挆塗りのお怀の䞭は、暗さの䞭では魅力的だが、蛍光灯の䞋では矎しさを倱う。露骚に

芋せない事が重芁である。

 倕日が矎しいのは逆光だから。日本家屋は障子で倖から明かりを入れ、䞭はシル゚ット。

『玠』 自然の玠材を、できるだけ加工せず、玠材を生かしお圢を探す 玠のたた

 䞀枚の垃や玙の玠地を生かし、着物、颚呂敷、折り玙などを圢成する。珟代では䞉宅䞀

生の服。

『仮』 散る桜のはかない矎を愛でる。自然ぞの信仰ず融和 生々流転

 珟代建築は竣工時が最も矎しいが、日本の昔の建築玠材朚、竹、土、玙は時が経぀

に連れお矎しくなる。

『砎』 砎壊は創造の源。川の流れに逆らう矎意識 反抗これ創造、 守砎離

日本の゜フトパワヌの効力 斌東アゞア

東アゞアにおいおは、安党保障面では北朝鮮の栞開発問題や䞭囜の台頭に䌎う呚蟺諞囜ぞ

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の圱響が課題ずなっおいる。このような東アゞア特有の環境䞋においおは、経枈に限らず、

政治や文化など様々なレベルでの亀流を通じお理解を深め、地域ずしおの連携を曎に促進す

る必芁がある。たた、欧州ず違い、東アゞアは発展途䞊囜から先進囜たで、成長段階の異な

る囜々から構成されおおり、それぞれが独自に発展しおいる。したがっお、自囜ずは異なる

盞手囜の立堎を理解する事が肝芁であり、そのためには察話が䞀局重芁である。その䞭で日

本は、䞖界第の経枈倧囜、そしお先端課題に取組む先進囜ずしお、東アゞアの連携をリヌ

ドし、東アゞアを基盀に䞖界の平和ず繁栄に貢献する立堎にある。

アゞアでは、゜フトパワヌの受け手ずなる䞭産階玚局が倧幅に増えおいる。そしお日本の

ポップカルチャヌを支持しおいるのが、日本がこれ迄に到達する事ができなかった若い䞖代

である。これらの事はアゞアにおける日本の゜フトパワヌの効力圱響力を高め、域内の

理解掚進を倧きく埌抌しする。

○ アゞアにおける゜フトパワヌの事䟋

日本

・日本から海倖ぞ ドラえもん 盞手の日垞を疑䌌䜓隓

・海倖から日本ぞ 冬の゜ナタ 韓流→日流

アゞア䟋台湟

・ 哈日族ハヌリヌズヌずは、日本発の流行ファッションや音楜、キャラクタヌグ

ッズ、テレビゲヌム、ドラマ、マンガなどがたたらなく奜きで、「日本を暡倣」する

台湟の若者のこず。圓初、䞀時的なブヌムず思われおいた「哈日族珟象」は十幎以

䞊に及ぶ。

・ 䞭囜本土ずは政治面では察立。しかし、経枈や人の亀流を通じお関係を匷化。

アゞア以倖䟋むラクでの自衛隊

・ 珟地の人ず䞀緒に働く同じ目線、日本の氎は矎味しい品質、過去の蓄積

たた、アゞアは成長の段階が異なる発展途䞊の囜が倚く、先進囜ずしお日本の持぀ノりハ

りを求めおおり、これらも゜フトパワヌの重芁な資源である。

・囜造りのノりハり 瀟䌚むンフラ、教育

・䜓隓を䌝える 経枈埩興、近代化、アメリカずの付き合い方

・先進課題ぞの取り組み 環境、高霢化

日本の゜フトパワヌの長所ず課題

日本の゜フトパワヌの長所日々の生掻の䞭から浞透

゜フトパワヌの抂念自䜓は普遍である。しかし、そのパワヌの源泉の特城、そしおそれに

起因する効果を比范する事で他囜ずの違いが読み取れる。

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【米囜ず日本の゜フトパワヌの比范】

米囜 日本

䞖界の目 絶察的な Hyper Power 経枈倧囜、唯䞀の被爆囜

䌝達経路 トップダりン 高みから授ける ボトムアップ 珟堎から、同じ目線で

思想背景 䞀神教二元論、個人䞻矩 倚神教䞀元論、集団䞻矩

このように、米囜ず比范した堎合、日本の゜フトパワヌの方が、より盞手から受け入れら

れやすいずいう利点があるず蚀える。

しかし、米囜の圱響力ず比范するず、囜際瀟䌚における日本のプレれンスは䟝然䜎い。た

た、゜フトパワヌだけでは秩序を維持・構築できないこずから、米囜ず日本は盞互補完的な

関係にあるこずが望たしい。

○ 目暙を達成するには、ハヌド・゜フトの䞡方が必芁であり、課題に応じお倫々の圹割が異

なる。

環境保党

生掻向䞊

経枈埩興

秩序維持

玛争解決

ハヌドパワヌ

「日本」

゜フトパワヌ

USA 倖囜 American Pop Culture (RocknRoll、コカコヌラ (茞入 (茞出

倖囜 日本 Pop Culture (アニメ・音楜

“Japanese “ Pop Culture

遞択

吞収

日本化 (逆茞出 逆茞入

(茞入 (茞出

珟地化

American Ideology (自由平等・民䞻䞻矩

・文化の根底には明確で䞀貫した理念メッセヌゞがある

・自らの理念は倉えず、盞手に授ける。善悪を分ける (二元論的 明確で䞀貫した“米囜”像

文化の根底は暗黙知であり、理念メッセヌゞを明瀺しない

・盞手の考えも尊重する。党おを䞀䜓ず考える (䞀元論的 䞍明瞭で倉化する“日本”像

ここが

「米囜」

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 日本の゜フトパワヌの課題

珟圚の日本の゜フトパワヌは盞手ずの接点きっかけを䜜り出し、芪近感を醞成するこ

ずにおいおは優れおいる。しかし、それを䞀歩進めお、日本そしお日本人に察する理解を深

め、日本に察する芪近感を信甚や信頌に倉えおいく過皋に倚くの課題を残しおいる。

日本の文化などが日本に察する芪近感を増倧したずしおも、堎合によっおは「日本刀」や「着

物」など、衚局的なものだけが取り䞊げられるこずもある。実際、アメリカでは「サムラむ」

が流行っおいるが、歊士道の粟神よりも、その姿圢が目立぀。このたたでは、理解でき、信甚

のあるパヌトナヌではなく、以前ず同じく「䞍可思議な日本」ずいう芋方をされおしたう。

日本は文化でなく、文明ずいう䜍眮付けで物事を考えるべきである。ハンチントンも日本

を 12 の文明の䞀぀ずしおあげおおり、トむンビヌも文明ずしお捉えおいる。しかし、日本

人自身は文明ずは考えず、文化ずしお捉えおいる。文明には䞇人に䜿っおもらうずいう䞀皮

の汎甚性の抂念が根底にある。日本人はい぀も自分たちの良さを発芋しお貰おうず埅っおい

る。よっお、「日本」ず「文化」を掛け合わせた蚀葉や研究所などは倚くあるが、「文明」ず

いうのは少ない。䜆し、文明ずいうず、どうしおも倧雑把ずなり、あたり现かい圢匏にはこ

だわらないずころがある。柔道にしおも、垯の色はどんな色でも良いずいうのが文明である。

圢匏よりも、本質的な䟡倀、粟神、楜しみをより倚くの人ず分かち合うこずが重芁芖される。

たた、日本人の考えを䌝えおいく䞻䜓は、䌝統的な囜家による倖亀亀流から、日本の

゜フトパワヌの特長がもっずも掻かせる民間倖亀にシフトすべきである。日本の戊埌埩興は

官民䞀䜓ずなっお実珟したものであるが、この堎合の民間は䞻に䌁業であった。たしかに日

本の゜フトパワヌの蓄積においお、日本䌁業が果たしお来た圹割は倧きく、今埌も重芁な圹

割を担うであろうが、それに察しお、盞察的に個人のプレれンスが䜎く、匱かった。その芳

点から、今埌はもっず個人の力を民間倖亀においお掻かすべきである。civilian power →

civilian diplomacyしかし、その為には、日本人自身がたず日本の事を知り、自らの意芋

を持ち、それを䌝える衚珟力、説埗する立論力、そしお実珟する行動力を身に぀ける必芁が

ある。

尚、日本人は元来、普遍的思考が匱く、それが故に行動や考えなどが他囜の人に理解され

にくかった。しかし、䞖界の人々に共通する衣食䜏の分野での浞透床の高さず共に、科孊を

シンパ äž­ç«‹ 察立 仲間 “気付き” “知る” “理解する” “共感する”

・倧衆文化アニメ

・補品 家電

・無償・有償揎助 

・人道埩興支揎、

・日本人駐圚員

・留孊生友人

・ 仲間

・囜際機関 囜連

今埌泚力すべき分野 これたで泚力しおいる分野

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共通の蚀語ずする事で、日本のメッセヌゞを発信するこずができる。そしお、実際に䌝える

際に倧事なのは现郚であり、䞀人ひずりに察しおきちんず説明をし、自らの行動で裏付ける

事が重芁ずなる。

しかし、ここで留意すべき点ずしお、過去 10 幎間における゜フトパワヌの蓄積は意図し

たものでなく、無意識が功を奏したこずがあげられる。よっお、意芋を持ち、説明するプロ

セスを匷化するにあたっおも、声高にメッセヌゞを発信するのではなく、盞手の考えを尊重

し、理解しようずする気持ちを持ち、地道にコツコツ䌝える姿勢が重芁である。異文化ずの

察話は焊らず、継続するこずが重芁であり、自分ず異なる考えや芋方がある事を面癜く感じ

る䜙裕が望たしい。

“愛笑優楜矎人和埳”I show you luck and bijin wa toku 

日本の゜フトパワヌの特城を衚す挢字を䞊べるず、“愛笑優楜矎人和埳”I show you luck and

bijin wa toku ず曞き衚すこずができる。日本は、日本の歎史や䌝統に根付くこれらの挢字

の持぀意味合いに則り、その「軍事力」、経枈力、そしお文化力を、ハヌドパワヌずしおではな

く、゜フトパワヌずしお行䜿しお、アゞアを基点に䞖界の平和ず繁栄に向けお貢献すべきであ

る。


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