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ConsenSys’s Total Return Swap スマートコントラクトジャパン株式会社 代表取締役 佐藤智陽 Copyright© 2016 Consensus Systems & Smart Contract Japan.Inc All rights reserved. 1

ConsenSys Ethereum Total Return Swap in Japanese

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ConsenSys’sTotal  Return  Swap

スマートコントラクトジャパン株式会社代表取締役 佐藤智陽

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Swap(Currency)とは

1. 将来変動する可能性があるリスクを交換する取引2. 取引時点では資産価値が変わらないオフバランス取引3. 元本よりも大きな額の分の取引を行う事ができるレバレッジ取引

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2者の将来のお金の流れを交換しあう取引

Swapの問題点

•取引の不透明性• カウンターパーティリスク•決済の遅さ

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Swapの問題点1.  契約の不透明性(相対取引として)

• 契約の内容が不透明な証券会社に対する損害賠償請求• 途中解約料について明文化されていなかった• そのため、証券会社のカウンターパーティである大学は取引の不透明性に対して訴訟を起こし、勝訴した

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Swapの問題点2.カウンターパーティリスクと担保

• カウンターパーティリスクとは、取引相手(カウンターパーティ)から契約上では受け取るはずだったお金が、倒産等の理由によって受け取れないリスク

• カウンターパーティが自社との取引において、いくら分を担保としているかがわからない。

• カウンターパーティの信用がなくなっても、現行のシステムでは、信用評価がリアルタイムになっていないため必要担保量を再度測り直す迄に時差が生じてしまう。

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Swapの問題点3.遅い決済

• 日本の証券取引において、決済が遅く、システミックリスクを生んでいる• 決済を高速化するためには、DTNS決済から、即日グロス決済(RTGS)が必要とされている• RTGSを導入すると、支払いよりも受け取りを各機関が優先することによって、想定外に取引が進まないことが考えられる。

• ただ、RTGSを導入する場合には、ネッティングがないため、より多くの流動性が必要となるが、担保としているお金を動かすことが出来ない。

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ブロックチェーンによるメリット

• デジタルなIDの保証•公開鍵暗号に基づくレピュテーション• レピュテーションに応じた担保の自動的な調整•確実に担保を取って、Swap期間の取引を監視すること• T+0トレード(通常2-­‐3日のクリアリング・セトルメントを0日で可能)• Tripple Entry  Accounting(複式簿記+ブロックチェーン上の取引履歴)•契約上の特記条項等のスマートコントラクト化(例えば政府の規制に従っているかどうか等)

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解決策これからデモをお見せします

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ID管理システム-­‐ uPort

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Uport では、Ethereumのスマートコントラクトによって、公開鍵に基づくIDと、そのIDに基づくプロパティを確認できる

KYC(顧客確認)、AML(アンチマネーロンダリング)

について行なっているかの情報が記載されえちる

カウンターパーティのKYCは、uPort を使ったスマートコントラクトによって行われる

カウンターパーティのリスク評価に関連する

指標を用いて、レピュテーションを見ることが出来る

公開鍵に基づくID

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1.  公開鍵を入力 2.公開鍵からレピュテーションとIDを確認

3. ID確認が必要な場合IDをuportに問い合わせる 4.公開鍵から相手のID関連情報が分かる

カウンターパーティとの契約

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取引する価値の総量

取引する相手に求める担保の量:  Notional  Amount  *Counterparty  B  collateral  %が、Counterparty  Bがコントラクト

に送る必要のあるアセットの総量

自分に求める担保の量Notional  Amount  * Collateral  %が、

自分がコントラクトに送る必要のあるアセットの総量

公開鍵から自動的に調査される(100%確実)Counterparty  Bの持っているアセットの量

ビジネス上の取り決め

コントラクトをブロックチェーン上に発行

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Ethereumのブロックチェーン上ではコントラクトとアカウントの2通りのアカウントが存在する

コントラクトは、ブロックチェーン上の自律的なオブジェクトでアドレスを持ち、

コントラクトのアドレスに対してメッセージを送ることによって、

コントラクトに記載されているコードが実行される

カウンターパーティに求める担保と自分の担保

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コントラクトをブロックチェーン上に発行

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自分のBlockchain Asset  Accountから

担保分の資金を担保にする

IPFS  で分散されたファイルに署名を行う

スワップデリバティブの国際規格である、ISDAファイル、CSAファイルを分散ストレージプロトコルのIPFS上に保存

IPFSはObjectのハッシュがファイルのURLとなる。そのハッシュの値をスマートコント

ラクト上に保存

取引相手(Macy)にコントラクトを送る

ISDA  ファイル(国際スワップデリバティブ協会)CSAファイル(補完担保契約)の分散保管 -­‐ IPFS

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容量が大きなドキュメントを埋め込むには、Ethereumのブロックチェーンは向いていないので、(高価な費用がかかる)

そのため、IPFS(Inter  Planetary  File  System)という分散型ストレージにファイル自体は保存して、ファイルのURLを示すファイルのハッシュ値をEthereumのブロックチェーン上に保存する。

IPFS上の文書への署名ーEsign

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Ether  Sign(Esign)を用いて、ファイルに自らの秘密鍵で署名を行い、相手側にも署名を求める。

IPFSは、gitのように過去の履歴からの変更履歴が残るため、署名前と、署名後のファイルを両方残しておくことが出来る。

お互いのアカウントに、必要な担保が揃い、お互いが署名した時点で、契約が成立する。

契約文書の一貫性の担保とタイムスタンプ– Balanc3

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• 担保のファンディング• 契約文書の分散保管• 契約文書への両者の署名

が終了した時点で、契約が成立したものとみなし、契約成立を契約内容と共にタイムスタンプを押して保管するためにスマートコントラクトのハッシュをブロックチェーン上へ保管する。

複式簿記+Blockchain上への取引履歴の保管である、Tripple Entry  Accounting  という概念をに基づくBalanc3を用いている

スワップ取引の開始

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時間とともに価格が変化するにつれ

お互いに必要な担保の量が変化

取引の経過はBalnc3を用いてブロックチェーン上に記載さ

れる

特記事項の内容で定めたスマートコントラクトが自動執行

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MacyのReputationが5%低下

必要な担保が5%分増えた

スワップ取引の終了

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スワップ取引期間の4分間が経つと、スワップ取引が終了結果が決済される。

当システムはEthereumや、Ethereumからフォークしたあらゆるブロックチェーン上で使用することが出来る。(Permissioned  chain  だけでなく、Permission  less  chain  でも使用可能)

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Permissionless chainPermissioned  chain   Consortium  chain

A  Network

A B

CD

PermissionlessNetwork

Permission   lessNetwork

中央集権型 分散型

解決策まとめ

• 契約の不透明性=>  スマートコントラクトによる契約内容の明文化・テストを走らせることが出来る• カウンターパーティリスクと担保=>  公開鍵暗号によって保証されたIDと紐づくレピュテーションのリアルタイム更新と、必要担保量の自動測定を、ゼロダウンタイムの分散型台帳上で行う

• 遅い決済⇒速度をあげるためには、RTGS取引が必要。しかし、ネッティングがない分流動性が必要となってしまう。そのため、RTGS取引で使用している担保に対して、リアルタイムで担保の必要量を変更し反映することによって、担保としている資金を流動的に使えるようにして問題を解決

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