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起業の エクイティ・ ファイナンス 勉強会
FED主催勉強会 8.31.2014/シビックセンター
自己紹介
山岡佑 !
Profile ・公認会計士 ・経営工学修士 略歴 2010.1 - 2014.3 四大監査法人 金融業監査 2014.3 - 現在 1)ITベンチャー企業 経営企画・財務 2)税理士事務所 補助スタッフ
2
目的
「専門書を読む」とは
読みたい専門書
その他 専門知識
GOALの設定
6
前提知識がある
前提知識がない
理解する
理解できない
理想状態?
勘違いなぜ解らないか 解らない
GOAL
7
前提知識がある
前提知識がない
理解する
理解できない
理想状態?
勘違いなぜ解らないか 解らない
CONTENTS!
1) 本書を理解するために必要な知識の紹介
2) 本書の解説(おもに3章)
8
本書の解説
知っておきたい知識
0.各章の構成
各ステージ
12
シード・アーリー ミドル・レイター IPO
各イベント
13
シード・アーリー ミドル・レイター
資金調達
増資!
IPO!
IPO
サブイベント
14
シード・アーリー ミドル・レイター
経営層退職M&A
IPO
本書の構成
15
シード・アーリー ミドル・レイター IPO
各ステージの投資方法を解説 !
Bad Event 将来被る可能性がある リスクの回避 Good Event 経営者・投資家のIncentive
リスク回避の視点
16
会社法 (種類株式等)
税法 (M&A)
民法実務 (投資契約書)
1.会社法
会社法とは
!
平成18年~ 会社法施行 ・ 柔軟な機関設計 ・ 柔軟な株式発行 !
平成27年~ 改正会社法施行
18
会社法第1条 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある 場合を除くほか、この法律の定めるところによる。
会社上の組織
19
株主
会社
所有
株主の権利
20
第105条1項 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利 その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権
株主
会社
所有 会社のオーナーとしての権利を 株式を通して得る。
種類株式のイメージ
21
第105条1項 株主は、その有する株式につき次に掲げる権利 その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権
株主
会社
所有上の3つの権利の比重を変える
+ 譲渡に関するルール
会社上の組織
22
会社
所有 経営
株主 取締役
ベンチャーの社長とは
23
株主
会社
取締役
経営・経営
社長=株主 兼 取締役
2.日本の資本調達事情 メインバンク制度
今までの資金調達
25
資産
負債
資本
社債
借入金
適債基準
安定株主 が欲しい
間接金融
直接金融
メインバンクの存在
26
資産
負債
資本
社債
借入金
メインバンク
資金調達は借入金で
株式持ち合い
メインバンクの存在
27
資産
負債
資本
社債
借入金
メインバンク ・純資産 ・経常利益 ・資金繰り !この3点を重視
他の機関も ここを重視…
まとめ:こうやって読めば理解できる。資金調達を行うときに、 1) どのステージで調達を行うか把握 2) 将来発生しうるイベントを列挙 3) それぞれのイベントから生じるリスクに対して ・会社法 ・税法 ・民法 で対処可能か考える 4)3)の結果を投資契約書・定款(会社のルール) 上で表現する(雛形) 5) できれば、日本の会計慣行まで知ってればよし28
本書の内容確認
内容
序 章 今後の「ベンチャー生態系」の変化を考える
第1章 創業初期から考える資本政策上の注意点
第2章 シードラウンドの投資契約
第3章 優先株式を使った投資実務
第4章 優先株式の投資に備える「みなし優先株式」
30
第3章 優先株式
優先株式?
株価について
33
事業用 資産の価値
非事業用 資産の価値
事業用 負債の価値
株主価値
有利子負債
企業価値事業価値 株数で割れば
株価
事業価値 将来CF
Terminal Value投資時点
増資の影響
34
株主価値 株主価値株主価値
追加投資
増資前 (Pre)
増資後 (Post)
普通株による増資の問題点①
35
事業価値 将来CF
Terminal Value投資時点
アーリーステージで将来CFが見通せない ▶ 株主価値は低く算定される ▶ 投資家の持株割合が高くなりがち
既存 株主価値
追加投資
普通株による増資の問題点②
36
株主価値
追加投資
増資後 (Post)
M&A
簿価1M
簿価10M
価値20M
株主価値
追加投資売価10M
投資家 △5M 創業者 +4M
優先株式について
37
本書では、以下の定めを付した優先株を前提とする。 1)残余財産優先分配権+参加型 2)取得請求権 3)取得条項
その他の権利
38
Drag-Along right 一定の条件を満たす場合、投資家が主導して経営陣・他の株主を巻き込んでM&Aでexitを強制する権利
31%
69%
Drag-Along rightが付与された割合 (SeriesAで発行した優先株対象)
株価について(再)
39
事業用 資産の価値
非事業用 資産の価値
事業用 負債の価値
株主価値
有利子負債
企業価値事業価値
企業価値 ー 有利子負債 = 株主価値
企業価値 - 有利子負債
40
第502条(残余財産分配) 精算株式会社は、当該清算株式会社の債務を弁済した後でなければ、 その財産を株主に分配することができない。 ただし、その存否又は額について争いのある債権に係る債務について その弁済をするために必要と認められる財産を留保した場合は、この限りでない。
株主価値
有利子負債 優先分配権企業価値
優先株が存在する会社の場合
41
株主価値 (残余分)
有利子負債 優先分配権1
企業価値
優先株 優先分配分 優先分配権2
普通株式・優先株式に分配
優先株が存在する会社の場合
42
残余財産の額
分配額
残余財産の額=投資額
実務上難しそうな点
43
株主価値 株主価値株主価値 (既存株主)
追加投資 (投資家)
増資前 (Pre)
増資後 (Post)
普通株発行
実務上難しそうな点
44
株主価値 (既存株主)
株主価値 (既存)
追加投資
増資前 (Pre)
増資後 (Post)
優先株発行
←??
理論を考えると…
45
株主価値 (既存株主)
株主価値 (既存)
追加投資
増資前 (Pre)
増資後 (Post)
優先株発行
案1:10倍ルール
46
株主価値 (既存)
追加投資
増資後 (Post)
優先株の値段 = 普通株式の10倍と決める
・企業価値がPost100M/Pre90M ・既存の株主が90株(普通株) 1M/1株 ▶投資家は 1株(優先株) 10M/1株 !▶ 普通株式のみ発行ならば、投資家議決権10% 優先株発行で議決権割合 1.1%
Cheap Stock問題
47
優先株の値段 = 普通株式の10倍 !
■ 実際のプライシング 優先株= 普通株式5~6倍 !
▶ 普通株式を割安に評価することで 会計上・税務上有利に (Cheap Stock問題)
Cheap Stock問題への対処
48
現状価値法 (CVM:the current-value method)
(A)残余財産分配時の優先分配額 (B)普通株式への転換価値 いずれか大きい方の価値に基づいて配分
オプション価格法 (OPM:the option-pricing method)
普通株式と種類株式を企業価値に対するコール・オプションとして モデル化 !仮定:残余財産分配時の損益分岐点時の金額=権利行使価額
確率加重期待リターン法 (the probability-weighted expected return method)
将来のシナリオと各種類の株式の権利に基き、 投資に対する将来のリターンを発生可能性でウェイト付けした 現在価値に基づいて株式価値を算出
ハイブリッド法 上記の評価手法を組み合わせて適用する手法。