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石石石石石石石 石石石石石石石石石石石石石石 石石石 石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石 石石石石石石石石 in 石石 2014 年 7 年 12 年 年年 () 年年年年年 年年年 年年年年年年年年 年年年年年年

1 検討委員会の取組 鈴木祥之

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石場建てを含む

伝統的構法木造建築物の設計法

報告会 

伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会第四回フォーラム in 滋賀

2014 年 7 月 12 日(土)立命館大学 びわこ・くさつキャンパス ローム記念館

Ⅰ .検討委員会の取り組み    鈴木 祥之(検討委員会委員長・立命館大学)

Ⅱ .設計法案の概要齋藤幸雄(設計法部会主査・齋藤建築構造研究室)

Ⅲ .設計法の課題    向坊恭介(設計法部会・立命館大学理工学部)

Ⅳ .設計法案  詳細設計法    長瀬 正(設計法部会・日本建築総合試験所)  標準設計法    寺門宏之(設計法部会・京都市都市計画局建築指導部)Ⅴ .今後の進め方    大江 忍(事業代表者・ NPO 緑の列島ネットワーク)

【質疑応答】 司会:和田洋子(事務局・(有)バジャン)

検討委員会の取り組み 

伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会

立命館大学 衣笠総合研究機構・教授すずき よしゆき

鈴木 祥之

伝統的構法の設計法作成の経緯について

2000 年 6 月 建築基準法及び同施行令改正     性能規定の構造計算法として限界耐力計算が導入。     伝統構法も限界耐力計算によって確認申請。

2007 年 6 月 建築基準法改正      姉歯事件を機に厳格化された建築確認・検査制度      (限界耐力計算では構造計算適合性判定が義務付けられる)     ⇒ 伝統的構法木造住宅の確認申請・検査が困難になる

2007 年 9 月 実務者と国交省との意見交換開始

2008 年 4 月 伝統的構法の設計法作成検討委員会 開始      石場建て(柱脚を留め付けない)設計法の作成ができないとの見解     ⇒ 検討委員会の見直し

2010 年 4 月 新・伝統的構法の設計法作成検討委員会開始

国土交通省からの要請(背景には実務者の強い要望)である、

検討委員会では、上記の目的を実現するために、● 設計法部会、● 実験検証部会、● 構法・歴史部会、● 材料部会 を設置し、多くの委員(研究者・実務者・行政)のもとに、多種の調査、構造要素実験、実大振動台実験、解析を実施して、実務者が実践的に使える伝統的構法の設計法の作成を目指した。

検討委員会の目的

石場建て構法を含む伝統的構法の設計法を構築するそれには、多くの構造力学的な課題を解明するため、石場建てを含む伝統的構法の実大震動台実験などにより実験検証を行う

検討委員会の取り組みについて2010 年 4 月 新・伝統的構法の設計法作成検討委員会開始2011 年 1 月 実大震動台実験( E- ディフェンス)

石場建ての建築物について、上部構造物の耐力、地震入力などによって柱脚の滑りを検証する。

① 試験体  No. 1・N o 2 (平屋・石場建て)の実験

水平構面(2階床)の変形や偏心の影響を考慮して、限界耐力計算などで 1 階・ 2 階の応答や損傷を評価できるかを検証する

② 試験体  No. 3 (2 階建て・土台仕様 )の実験

③ 試験体  No. 4 ( 2階建て・石場建て )の実験柱脚の滑り、水平構面の変形や偏心の影響を考慮して、応答や損傷を評価できるか、設計のクライテリアを検証する

試験体 No. 3 (2 階建て・土台仕様 )  JMA 神戸波加振 

試験体 No. 3 (2 階建て・土台仕様 )JMA 神戸波加振 柱脚 

試験体 No. 4  JMA 神戸波加振 

試験体 No. 4  JMA 神戸波加振 柱脚 

公開実験:平成 24 年 9 月 19 日( 水 )

● 伝統構法で一般的な部分 2 階建て・下屋付き● 震動台上に 2 棟を設置し、同時加振

検討委員会の取り組みについて2012 年 9 月 実大震動台実験( E- ディフェンス)

石場建て試験体No.5

石場建て・地長押付き試験体No.6

● 部分 2 階・下屋付き・ これまでの実大振動台実験では、平屋または総2階建である。・ 伝統的構法の住宅では部分 2 階が多い。実際の住宅に近い形での実験を行う。

部分 2 階・下屋付き試験体では、総 2 階の場合にはない構造力学的な課題を検討することができる。 

● 下屋の耐震性能への寄与● 下屋の地震時挙動と損傷

● 部分2階による重量偏心の影響● 部分2階による上下階のバランスの影響

● 玄関・吹き抜けの検証・伝統的構法で、多く見られる玄関部分の 検証を行う。・吹き抜けの影響を検証する。

下屋

部分2階

JMA-Kobe 波100%短辺方向: 818Gal長辺方向: 617Gal上下方向: 332Gal

No.5

No.6  地長押(フリー)

E- ディフェンス実大振動台実験JMA Kobe  3方向加振  No.6 (フ

リー)

設計法を構築するために、多くの課題を解明

検討資料 目次 検討1 構造要素の設計用せん断耐力・設計用復元力に関する検討1.各層のせん断耐力・復元力の評価2.設計用復元力の根拠3.加算則(各構造要素の復元力を加算する方法)の検証

検討 2  損傷・安全限界変形角に関する検討1.構造要素の実験からの検討2. 実大振動台実験の損傷観察による検討3.損傷限界変形角 1/90 の設計事例に基づく確認 1)検討1-安全限界時と損傷限界時に必要とされる耐力の比較検討 2)検討2-近似応答計算に基づく検討

検討 3  小壁付き柱の折損に関する検討1.小壁が取り付く独立柱の折損2.腰壁と垂壁で拘束された柱の折損

検討 4  通し柱の折損に関する検討

検討 5  水平構面の剛性と偏心に関する検討1.水平構面の床剛性による応答への影響2.床剛性と偏心による構面間応答差の評価のための検討

検討 6  1階・2階のせん断耐力に関する検討1.1・2階のせん断耐力に関する検討 2.限界せん断力係数比 RC0

3. Cb に関するケーススタディ

検討 7  柱脚の滑りに関する検討1.実大振動台実験の結果からの検討2.柱脚部の摩擦係数とバラツキに関する検討3.質点系による基礎的検討4.上部構造モデルと滑り応答の基礎的検討5.三次元立体モデルを用いた時刻歴応答解析による柱脚の滑りの検討 1)平屋モデルによる検討 2)下屋付き部分 2 階建てモデルによる検討3.偏心率と床面剛性が鉛直構面の変形増大に及ぼす影響4.標準設計法:偏心によるせん断耐力の低減5.標準設計法:床開口に関する規定6.個別要素法を用いた 3 次元立体モデルによる時刻歴応答解析による柱脚の滑りの検討 1)上部構造のせん断性能に関する検討 2)摩擦係数の大きさ、柱脚の条件に関する検討 3)水平構面のせん断性能に関する検討 4)摩擦係数のバラツキによる柱脚の滑りに関する検討 5)上下動による柱脚の滑りに関する検討7.柱脚の滑りによる入力地震動の増幅に関する検討

検討 8   3 次元立体モデルによる解析による検討1.下屋部の水平構面および鉛直構面の変更による応答の変化2.床構面および屋根部評価の変更による応答の変化3.下屋、床の吹抜けの耐力・位置による柱脚の滑りに関する検討

検討 9  減衰性能に関する検討1.土壁系の実験から評価した履歴復元力特性と減衰性能2.近似的な履歴減衰評価法の検証3.水平構面(床)の履歴復元力特性と減衰性能

検討 10  柱脚の浮き上がりによる検討1.構造要素実験・石場建て形式土壁実験からの検討2.実大振動台実験からの考察3.柱脚の浮上りが建築物全体の耐力に与える影響

検討 11  継手・仕口接合部に関する検討1.外周梁継手、仕口の選定条件について2.蟻落の検討について

追加検討1 標準設計法での Cb と減衰、等価固有周期に関するケーススタディ1.地域係数を加味した Cb に関するケーススタディ2.ベースシア係数 Cb と減衰定数 hおよび等価固有周期 Te に関するケーススタディ

追加検討2  1/20rad時の復元力の検証1. 1/20rad時の復元力と最大耐力の 0.8倍との比較2.伝統的構法で一般的な構面の事例による復元力

追加検討 3  設計用復元力・せん断耐力の設定に関する検討1.構造要素のばらつきを評価した設計用復元力・せん断耐力の設定2.載荷履歴による耐力低下3.動的・静的復元力特性に関する検討1)構造要素の動的・静的実験による復元力特性2)実大振動台実験試験体 No.5 、 No.6 の復元力と設計用復元力から算定した復元力 追加検討4 近似計算による柱脚の滑りの検証1.柱脚の滑りを考慮した近似応答計算2.滑りを考慮した近似計算の実大振動台実験による検証 追加検討5 吹き抜けや床抜けの解析による検討-床構面の有無の滑動および最大層間変位への影響(平屋における検討)-

木造建物の変形性能現代的工法と伝統的構法との比較

層間変形角(rad)0 1/60 1/30 1/20~1/151/120

水平力

伝統的構法

中破 大破 倒壊小破軽微

現代的工法

倒壊中破・大破

小破

剛構造耐

変形

柔構造

弾塑性履歴ループによるエネルギー消費が大きいほど耐震的である→ 現在の耐震設計法の基礎

柔剛論争

弾塑性履歴ループによるエネルギー消費が大きい

耐力と大きな変形性能を有する柔でも剛でもない構造

棚橋 諒「地震の破壊力と建築物の耐震力に関する私見」(昭和10 年)

■ 伝統的構法の木造建築物は、柔構造でも剛構造でもない。伝統的構法も耐震設計法の基礎理論に基づいて、耐力と変形性能を考えて設計すべきである。

本設計法は、丸太や製材した木材を使用し、木組みを生かした継手・仕口によって組上げた軸組構法である伝統的構法木造建築物を対象とする。

■ 使用する木材: 主要な軸組や構造要素で丸太や製材■ 部材の接合: 木組みの継手・仕口。金物の使用は極力避ける。

■ 柱脚:石場建て形式、土台形式など    柱脚の滑りを許容する仕様を適用の範囲に含める。

■ 構造要素(水平力に対する抵抗要素):    ● 壁要素:土塗りや板張の全面壁・小壁    ● 軸組要素:柱ほぞ・差鴨居・足固め・貫  伝統的構法に特有の大きな変形性能を生かす  柱 -横架材の仕口接合部は変形性能を担保できる仕様

伝統的構法木造建築物の定義

【解説】

■ 部材の接合: 木組みの継手・仕口。金物の使用は極力避ける。■ 構造要素(水平力に対する抵抗要素):    ● 壁要素:土塗りや板張の全面壁・小壁    ● 軸組要素:柱ほぞ・差鴨居・足固め・貫

■ 使用する木材: 主要な軸組や構造要素で丸太や製材

伝統的構法の特長

そのため、本設計法で用いる構造要素は、要素実験で● 変形角 1/90radまで構造耐力上主要な部分に耐力低下がなく補 修を要する損傷が生じないこと、● また 1/15radまで顕著な損傷がなく、急激な耐力低下がないこと を確認して使用することとしている。

伝統的構法に特有の大きな変形性能を生かすことができる。柱-横架材の仕口接合部は変形性能を担保できる仕様とする。

従って、上記の変形性能が確認できない筋かいや木ねじで留めつける面材は用いないこととする。

検討委員会の取り組みについて2013 年 3 月 石場建てを含む伝統的構法の設計法案 提案         多くの検討成果をとりまとめて 3 種類の設

計法案を提案した。検討委員会委員からの意見を募った。

2013 年 5 月 意見に対する回答書 

2013 年7月 さらに回答書に対する意見に対して再回答書2013 年 12 月 国交省、国総研から質疑2014 年 2 月 国交省、国総研からの質疑に対する回答書 2014 年 4 月 7 日 国交省と今後の法制化へ向けての方針の          確認。設計事例による検討などの予算等          を要望した。2014 年 7 月 平成 24 年度報告書(設計法案、回答書を含む)         第 4 回フォーラム(報告会)