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#017 アイドル細胞はあります‼

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私の名前はハルコ。 しかし私がどこの誰か?などということは、あなたにとって些末なことです。 それよりも重要なのは、これから私があなたに語るその内容です。 まず最初に、私から地球の皆さんにお伝えしたい事があります。

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前回の警告で、ヒトの細胞にはある特定の「旋律」に反応してその組織が変異する特異現象があることをご紹介しました。 私たちの研究チームでは、この細胞をその特性から

『旋律惹起性浸潤播種特性本尊誘導細胞(IDOL細胞)』と名付けま

した。 このIDOL細胞は悪性腫瘍、つまり「癌」と同様に浸潤性と播種性を有し、増殖・転移する特性を持っています。 つまりIDOL細胞もまた癌と同様に、その進行度合いに応じたステージが存在します。 では実際にこのIDOL細胞による症状の進行がどのようにすすむのか、癌の進行になぞらえて紹介しましょう。

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【ステージ:0】

悪性腫瘍(癌)のステージ

【状態】 がん細胞が粘膜内(上皮細胞内)にとどまっており、リンパ節に転移はしていない。 治療の基本は手術。がんの種類によっては開腹をしない「内視鏡手術」が検討される場合がある。

IDOL細胞のステージ

【状態】アウェアネス 本尊の存在に気づき、理由もなく気になり始める。 CDなどの音源をレンタルして聞いたり、動画配信サイトなどを検索して本尊のパフォーマンスに触れ始める段階。

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【ステージ:1】

悪性腫瘍(癌)のステージ

【状態】 がんの腫瘍が少し広がっているがそれは筋肉の層まででとどまっており、リンパ節に転移はしていない。 やはり治療の基本は手術。 術後しばらく経口タイプの抗がん剤を勧められることもある。 病理検査・病理診断を経て問題なければ経過観察へ移行する。

IDOL細胞のステージ

【状態】ライトノフ 本尊に関連する情報やニュースを積極的に収集するようになる。この頃になると推し色の衣装に身を包み、ライブやイベントへ参加するなど、本尊との同化活動が意識的に開始される。 本尊のすべてを知りたいという欲求が発露し、信者同志による議論に身を投じるなど、その深淵に触れたいと感じる段階。

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【ステージ:2】

悪性腫瘍(癌)のステージ

【状態】 リンパ節に転移はしていないが、筋肉の層を超えて少し浸潤している。または、がんの腫瘍は広がっていないが、リンパ節に少し転移している。 治療の基本は開腹や腹腔鏡下手術などの手術療法である。 病理検査・病理診断などで必要と判断された場合は点滴の抗がん剤や、放射線治療を再発予防として勧められる場合もある。

IDOL細胞のステージ

【状態】ヘビーノフ 本尊の意図を理解して、その活動を手助けしたり、自らの使命感において布教活動を行うようになる。 ライブなどの参加時においては積極的にコールをしたり(例えば「うりゃ側(*1)」を担当するなど)、本尊の名前を貶める行為をしないように己を律するなどの精神的な高みを目指す段階。

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【ステージ:3】

悪性腫瘍(癌)のステージ

【状態】 がんの腫瘍が浸潤しており、リンパ節転移もみられる。 手術療法が中心となるが、抗がん剤を投与する「化学療法」や放射線でがんの縮小を目指す「放射線療法」が積極的に併用されるようになる。 術前に抗がん剤である程度腫瘍を縮小させてから手術を行う場合もあり、手術と抗がん剤と放射線という三大療法の総力戦となる。

IDOL細胞のステージ

【状態】フリ完コピノフ/コスプレイヤーノフ 振り付けの完全コピーやコスチュームプレイを通じて、本尊との完全同化が重度に進行する。 外見、しぐさ、言動といった表層的な部分のみに留まらず、思考といった内面においても本尊との同化現象が重度に進行するため、もはや人格までもが変容してしまい、本尊との同化現象が重度に進行する段階。

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【ステージ:4】

悪性腫瘍(癌)のステージ

【状態】 がんがはじめにできた原発部位を超えて、離れた他の臓器へ転移している。 手術で可能な限りがんを切除するが、手術ができない場合は抗がん剤を投与する化学療法や、がんに放射線を当ててがん細胞の増殖を抑える放射線療法が行われる。 それらも難しい場合は、痛みや気分の低下を抑えるなど、症状に応じた対症療法が施術される。

IDOL細胞のステージ

【状態】後輩グループ 実際にプロのアイドルとしての活動を開始してしまう者が現れ始める。 本尊とほぼ同程度のスキルを有している場合、そのパフォーマンスで数万人規模の集客が可能と思われる。 単なるあこがれや崇拝の対象としての域をはるかに超えて、もはや本尊の代理が務まる程のレベルに達している段階。

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症状がステージ4まで進行してしまうと、もはや治療の手立ては無いと言い切って良いでしょう。 この段階では本人の意志とは無関係に、IDOL細胞が自律的な活動を行います。 つまりもともとの人格は完全に乗っ取られてしまうのです。 残念ながら私たちの研究チームでも、IDOL細胞の発芽の仕組みをようやく発見できた段階で、その根本的なシステムを解明できた訳ではありません。 現時点の仮説ですが、IDOL細胞は世界中の人類の 遺伝子構造に潜み、ある特定の旋律に呼び覚まされ るたびに蘇る先史文明期の何者かの意志なのではな いか?と考えています。 ですが間違いなくIDOL細胞は存在しています。 くどいようですが、大事なことなので改めてお伝 えします・・・。

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アイドル細胞は あります‼

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人体、特に遺伝子の分野は文字通り神の領域です。そこはまだ我々人類が知る由もない途方もなく遠大な深淵が広がる世界です。 にもかかわらず、その異端技術を世界征服のためにすでに実践しているユニバース(仮)の科学力には戦慄を覚えます。 そして今日も地球の皆さんが気づかないうちに、ももクロによる『人類アイドル化計画』は粛々と進んでいると考えられます。 受け入れるも受け入れないも、それはあなた次第――――。

極秘

人類アイドル化計画

スターダストプロモーション最高幹部会

第**次中間報告

人類アイドル化委員会 2016年度業務計画概要

総括編

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(*1)うりゃ側 ももクロの楽曲の最中にモノノフが叫ぶ合いの手で、もっともメジャーなものとして「うりゃ!おい!」が挙げられる。 このコールは通常「うりゃ!」側と「おい!」側に担当が分かれるが、「うりゃ!」側をコールするのは比較的古参、あるいはヘビーなファンである印象があるため。

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つづく

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【注記1:ご覧の皆様へ】 皆さん大人なんで分かっていらっしゃるとは思いますが、このコンテンツは著者によるお遊びであって、どのように受け取るかは読者の手に委ねられます。 この警告文を読んで反応したことにより、何らかの不利益を被ったとしても、著者としては責任の持ちようがありません。あくまで自己責任の範囲において参照して頂けると幸いです。 【注記2:モノノフの皆さんへ】 コンテンツの特性上、ももクロに対して批判的な立場をとっています。しかしそれは彼女たちの偉大さを際立たせるため、あえてそうしているのだとご理解ください。 またこのコンテンツはあくまで私個人の主観によるもので、世間一般の論調と異なる場合があります。あくまで著者の主観による一方的な内容となっております。例え「そりゃ違うんじゃないか?」という見解に出くわしたとしても華麗にスルーしてください。反論されても困ります。 さらに事実と反する、あるいは完全に創作である場合もありますのでご容赦ください。 【注記3:ももいろクローバーZおよび関係者へ】 著者自身がモノノフであり、愛情の発露として制作をしているつもりです。 コンテンツの特性上、ももクロに対して批判的な立場をとっていますが、メンバーの活動や存在を貶める意図はまったくありません。 万が一、メンバーや所属事務所、あるいは所属レコード会社などの関係各位の不利益になると判断された場合には、著者へご一報ください。削除や訂正などのご指示に従うつもりです。 ⇒ 著者Twitterアカウント @gen3gen3gen3 【注記4:掲載URLについて】 記事に掲載されているURL等の情報は執筆当時のものです。 将来的にはリンク元の都合によってアクセス出来なくなっている場合もありますので、その場合にはご容赦ください。 【注記5:その他】 制作に際しては「いらすとや」様が提供しているフリー素材を使用させて頂きました。この場を借りまして、こっそりお礼申し上げます。 ⇒ かわいいフリー素材集 いらすとや http://www.irasutoya.com/ ※掲載している写真や画像類の著作権は各著作権者に帰属しています。 ※掲載している写真や画像類は「引用」の範囲と認識しておりますが、問題があるようでしたら著者までご一報ください。