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15 04-26 君津自閉症協会講演会抜粋

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自閉症啓発デー記念講演会外見からでは分かりにくい子どもたちの困りとは

五藤博義 @ レデックス認知研究所   

1. 発達障害の困りの理解

2. 認知機能と発達段階

3. 目に見えない困りの発見

4. アセスメントをベースとした特別支援

Special Thanks

宮尾益知先生 どんぐり発達クリニック院長、      元国立成育医療研究センター・発達心理科医長

 

–研究分野 : 認知機能と学習、教育工学

–経歴 : 東京大学教育学部卒。ベネッセ研究所長等を経て、起業。      30 年以上、「学びの環境」の研究開発に取り組む。協力者 :

講師紹介

 認知機能、視覚、聴覚の改善に関する日本での第一人者◦ 橋本圭司 (国立成育医療研究センター リハビリテーション科医長、発達測定センター長)◦ 川端秀仁 (かわばた眼科院長 浦安市教育委員、浦安市医師会学校保健担当理事)◦ 中川雅文 (国際医療福祉大学教授、国際医療福祉大学病院耳鼻科部長)◦ 北出勝也 (視機能トレーニングセンター Joy Vision代表、米国オプトメトリスト)◦ 宮尾益知 (どんぐり発達クリニック院長 著書多数)

 学習に関する第一人者◦ 高濱正伸 (花まる学習会代表、カンブリア宮殿などテレビ出演多数)◦ 横山験也 (株式会社さくら社代表取締役)

•発達障害とは

–文部科学省の定義 自閉症、高機能自閉症、注意欠陥/多動性障害、学習障害

–医療の診断基準  DSM : Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders

  和名:精神障害の診断と統計の手引き 制定:アメリカ精神医学会    

 ●トピック:  DSM 第 5 版( DSM-5 )  2013

  自閉症スペクトラム( ASD) 新設

  その診断の要件のひとつに、感覚過敏を追加   ADHD の除外項目から ASD を削除

 ●文部科学省の通常学級の発達障害関連調査   2012

   6.5% が学習や行動面で著しく発達障害的特徴を示す 

   → 発達障害スペクトラム という視点

発達障害とは

•認知機能障害の分類

発達障害とは

症状・疾患 発 生 比 率 原 因 主 な 症 状

発達障害

10 人に 1 人 脳のどこかの神経ネットワークの特異性

対人関係・社会性・言語の問題、自己抑制、認知スタイルの特異性、感覚過敏

高次脳機能障害200 人に 1 人 脳のどこかの

神経細胞の損傷無気力、損傷部位による機能障害(失語、失認、抑制力)

うつ病

5 ~ 10 人に1 人が一度は経験

神経伝達物質の異常 気分がしずんだり、いろいろなことに興味が持てなくなる(人格変化はなし)

統合失調症100 人に 1 人 神経伝達物質の異常 自我障害(被害妄想)、

思考障害(非論理)、感情障害(攻撃)

認知症65歳超の10 人に 1 人

大脳皮質や海馬の神経細胞異常

記憶、注意、実行機能の障害、視空間認識力、見当識の障害

•発達障害と周辺障害

発達障害とは

心理精神的疾患

(二次障害)

愛着障害トラウマ

注意欠如 /多動性障害 学習障害

  精神遅滞自閉症スペクトラム

                             ※宮尾益知先生の資料を改変

•脳の認知機能分布

認知機能と発達段階

•神経心理循環

認知機能と発達段階

出典:橋本圭司監修「高次脳機能バランサー」

•神経心理循環

認知機能と発達段階

出典:橋本圭司「うちの子、ちょっと違う?と感じたら読む本」 PHP

•認知機能の発達 –誕生から終生続く、認知機能の発達

–異なる遺伝子

–環境との相互作用  家族社会(学校、地域、職場、ネット・コミュニティ)成長段階(年齢)ごとの発達課題

認知機能と発達段階

•認知スタイルの違い–男性脳(右脳)と女性脳(左脳)

–視覚優位 二次元、三次元

–聴覚優位

–体性感覚優位 →粗大運動、微細運動、協調運動

–記憶• 視覚記憶と聴覚記憶(ワーキングメモリ)

• 短期記憶、長期記憶、手続き記憶、エピソード記憶

認知機能と発達段階

本田真美・ニコこどもクリニック院長 メルマガ・レデックス通信「小児発達医・まなみの診察室」 

  

•年齢ごとの発達課題–自立• 3歳の課題

–自律• 4歳の課題

–学習のレディネス• 6歳の課題

–自尊感情( self-esteem )自己効力感( self-efficacy)• 10歳の課題

–自我同一性(アイデンティティ)• 青年期の課題

認知機能と発達段階

•課題クリアが遅れる子どもたち–社会脳 3歳の課題

• 対人関係の問題               心の理論( 4歳~ 5歳)– コミュニケーション(言語、非言語)の問題

• 社会性の問題– 暗黙のルール、状況理解ができない

• 言語理解– 状況による言語の使用

–自己抑制 4歳の課題

• 行動の抑制:多動・衝動性・不注意

• 感情の抑制:校内・家庭内暴力、自傷行為、いじめ、 不登校

–認知方略 6歳からの課題

• 視覚優位( 2D,3D)

• 聴覚優位

• 体性感覚優位

認知機能と発達段階

•年齢ごとの発達課題 周囲のできることby 宮尾先生 アイチケット広場 携帯サイト

– 自立  3歳からの課題                

• 親が自分の気持ちを説明しながら行動していくことが大切です。相手の立場や気持ちを推測させたり、決まり切った礼儀に当てはめるのではなく考えさせるようにしましょう。

– 自律  4歳からの課題

• 良いこと悪いことは、周囲の状況、社会的規範から決まります。周囲の状況をわかりやすく説明してあげること。がまんすることの大切さを教えてあげましょう。

– 学習のレディネス   6歳からの課題

• 家の中の環境作り、学習する姿勢、話すこと、聞くこと、書くこと、計算することなど日常生活のなかに取り入れて生きましょう。散歩、遊び、食事、入浴など学習の準備が出来る機会はいくらでもあります。

– 自尊感情(セルフ・エスティーム) 10歳からの課題

• こどもの行動で出来て当たり前と思うことが行われたときに、ほめることが大切です。良くないことはしかるよりも、無視しましょう。算数、国語、歌、体育、手伝い、掃除など学校でほめる機会はいくらでもあります。悪いことばかりに注目するのではなく、常にこどもの良いことがいえるようになりましょう。

認知機能と発達段階

気になる点のある子の認知機能の実態と改善

実施: 12年 1月~ 3月

•日常生活で困り感のある子が、バランサーを 2 カ月使用

•調査に使用したソフト:こども脳機能バランサー・プラス

気になる点のある子の認知機能の実態と改善

気になる点のある子の認知機能の実態と改善

信頼したデータを得るため、各タスク 6回以上取り組んだ子のデータのみを分析

• 2 か月間の使用状況

気になる点のある子の認知機能の実態と改善

Aグループ  注意と多動に困り感を持つ人

 含まれる子ども: ADHD、 ADD、及び PDDで ADHDの傾向あり計 17名 有効データ:各タスク  21人~ 39人

 ●最初の特徴 注意と抑制力の必要なタスクが低い ●改善ポイント 注意とワーキングメモリが大きく改善   

気になる点のある子の認知機能の実態と改善

Bグループ  言葉、コミュニケーション、社会性に困り感を持つ人

  含まれる子ども:自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達             障害と診断された合計 44名  有効データ:各タスク  30人~ 52人

 ●最初の特徴 注意と抑制力、さらに言葉のタスクが低い ●改善ポイント 注意、空間認識、言葉がまんべんなく改善   

気になる点のある子の認知機能の実態と改善

Cグループ  読字、書字、計算に困り感を持つ人

  含まれる子ども:学習障害と診断  3名  有効データ:各タスク  17人~ 33人

 ●最初の特徴 3つの領域ともやや低い。他より空間認識で低いものが多い。 ●改善ポイント 空間認識が大きく改善。注意と言葉も。   

気になる点のある子の認知機能の実態と改善

Dグループ  知能全般に困り感を持つ人

  含まれる子ども:知的障害、精神遅滞(軽度を含む)と診断合計 15人  有効データ:各タスク  7人~ 19人

 ●最初の特徴 全体として、発達指数の低さが大きい ●改善ポイント  2語文 3語文の聞き取り、ワーキングメモリ、注意、   数と立体認識が大きく改善。   

気になる点のある子の認知機能の実態と改善

•アンケート分析:  2 か月後の改善感・1

気になる点のある子の認知機能の実態と改善

•アンケート分析:  2 か月後の改善感・2

Q-U と認知テストの関係

愛知県の小学校 3年生 3クラス( 108人)が、 Q-U( 14年7月)と、バランサー( 14年 7月~ 10月)を実施。

「 Q-Uは学級集団をアセスメントし、より適切な支援をするための補助ツールです。学級満足度尺度、学校生活意欲尺度、ソーシャルスキル尺度( hyper-QUのみ)より構成されます」                         早稲田大学・河村茂雄研究室のWebページ

・学習意欲や友達関係に関する質問の回答で、児童の状態を 不満足(要支援を含む)、被侵害、非承認、満足の4群に分類。

•公立小学校 3 年生で、 Q-U とバランサーの結果を分析

  Q-U と認知テストの関係

方法: Q-Uの下位項目(学習意欲、友達関係、学級の雰囲気)の各合計得点、承認得点、被侵害得点、総合点と、バランサーの 12タスクの指数の平均を用いて、Spearmanの順位相関係数を算出した。

結果:①学習意欲と有意な相関( P<0.05)があったのは 3タスクと全平均

•相関分析

ききことば           もぐらたたき          視覚探索文の意味理解         運動性注意と抑制力     視覚性注意

  Q-U と認知テストの関係

結果:②友達関係と有意な相関( P<0.05)があったのは 3タスク

•相関分析

ブロック             もぐらたたき          視覚探索数の理解            運動性注意と抑制力     視覚性注意③承認得点は、視覚探索と相関④被侵害得点は、ききことば、もぐら、視覚探索、全平均と相関⑤Q-Uの総合点は、もぐら、視覚探索、全平均と相関

  Q-U と認知テストの関係

方法:   Q-Uの学習意欲、友達関係、承認得点、被侵害得点※と、 もぐらたたき、視覚探索、ききことば、ブロックを用いて、

 Word法で分析した。        ※それぞれ標準化を実施した数値を使用。

結果: 3つのグループが認められた。●グループ3 高注意クラスタ  視覚性と運動性注意が極めて高い子。  学習意欲と友達関係は最も高い。●グループ2 標準クラスタ  すべてに渡って標準的な点数の子たち。●グループ1 低言語クラスタ  言語理解が極めて低い子。学習意欲と友達関係は最も低い。

• クラスタ分析

  Q-U と認知テストの関係

  Q-U と認知テストの関係

考察:①低言語クラスタには、要支援児が多い。  0~ 3群計81%

②高注意クラスタには、満足児が多い。  73%

•クラスタ分析

仮説:①注意や言語理解の支援で、学級児童の状況を改善?②認知テストの結果推移で、支援児童の改善度合いが確認?

目に見えない困りの発見

• 認知機能の総合的発達支援

認知機能(人間の活動)

情報獲得 理解・判断学習・思考 発信

Input Process Output

これらの過程の発達支援を通して「すべての人がよりよく社会に適応する」

実現を使命と考え、取り組んでいます

•感覚系の全体

目に見えない困りの発見

遠感覚受容器  聴覚・視覚

近接感覚受容器 触覚・味覚・嗅覚

内受容器/重力・加速度感覚 内臓感覚・固有受容覚/前庭覚

外界からの情報のうち視覚情報は 80%以上

出典:川端秀仁・かわばた眼科院長・医学博士 講演資料「通常級の子どもにも見られる、見え方のつまずきとチェック法」

問題文を読解VCI:言語理解

解答するPSI:処理速度

計算するWMI:

ワーキングメモリ

推論するPRI:流動性推理、視覚処理 )

算数の文章題を解く

「日本版WISC-Ⅳによる発達障害のアセスメント」           日本文化出版社、 2015

認知機能と発達段階

問題文を読解VCI:言語理解

解答するPSI:処理速度

計算するWMI:

ワーキングメモリ

推論するPRI:流動性推理、視覚処理 )

算数の文章題を解く

発達の個性で低い機能

認知機能と発達段階

問題文を読解VCI:言語理解

解答するPSI:処理速度

計算するWMI:

ワーキングメモリ

推論するPRI:流動性推理、視覚処理 )

算数の文章題を解く

ボトルネック

認知機能と発達段階

•「読み」のメカニズム–文字情報への眼球運動(筋肉)   ↓–文字表象の光データの受信(レンズと網膜)   ↓–受信データの解釈(鏡文字の変換)   ↓–文字表象としての認識   ↓–文字表象のつながり解析(文法辞書)   ↓–語彙辞書   ↓–意味理解(イディオム、文章の意味理解)

目に見えない困りの発見

視覚記憶のワーキングメモリ

•視覚認知(視覚統合機能の困りの 4 タイプ)–識別機能型• 似た形の文字の区別をつけるのが困難なタイプです。

• ディスレクシア(難読症)はこのタイプが多いです。

–前後庭認識機能型• 注目すべき対象と、背景にある模様の区別がつかないタイプです。

–文字構成機能型• 語を構成している、文字のすべてを全体的に認識できないタイプです。

–物体構成機能型• 見る対象の部分を網羅して見ることのできないタイプです。

※カニングハム久子先生の資料から

目に見えない困りの発見

• コアとなる3つの使い方

アセスメントをベースとした特別支援教育の提案

認知機能の数値化とグラフ化(発達指数、発達年齢)

学習特性の理解と対応策の考案(教え方の工夫、環境調整)

周囲の理解による総合的な配慮(家庭での保護者の支援、専門士の協力)

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• アセスメントベース支援教育  -5つのステップ -

アセスメントをベースとした特別支援教育の提案

1)子どもの認知機能の発達状況を測定・記録

2)子どもごとの発達育成情報 DBを作成

3)一人ひとりの子どもの個別支援計画を作成

4)教師がシステムを活用しながら年間を通し支援

5)定期的に進捗状況をチェックし必要な対応を行う

必要時は個別支援計画を再作成し更新する

個別支援計画の構築・強化システムへのフィードバック

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•ステップ1) 子どもの認知機能の実態を理解する–全体アセスメント• WISC 、新版 K式(こども脳機能バランサープラス)

–詳細診断• 眼科・耳鼻科の専門医(聴覚認知バランサー・視覚認知バランサー)

•ステップ2) 子どもごとの発達育成情報DB を作成する–自動的に記録された認知機能の推移から、一人ひとりの特性を分析し、

ステップ3へつなげるためにデータを整理・調整する。

–複数の教師や関係専門士による、確認/追加情報入力フェーズを設け、認知発達情報の精度を高める

アセスメントをベースとした特別支援教育の提案

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•ステップ3) 子どもの個別支援計画を作成する–通常学級• 個々の子どもが必要な学習環境の構築方法の考案

• クラス全体のマネジメントの考案

–特別支援学級、通級指導• アセスメントと関係者チームのディスカッションに基づく個別支援計画の立案

• 専門士(言語聴覚士、作業療法士、心理士等)の協力の取り付け

–専門アセスメント• 必要に応じて、 WISC や新版 K式などの認知テストを再度、実施

アセスメントをベースとした特別支援教育の提案

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•ステップ4) 教師がシステムを活用し年間を通し支援する

•ステップ5) 定期的に進捗状況をチェックする

–必要時は個別支援計画を再作成し更新する。

–結果を関係者にフィードバックして、支援方法を再構築

アセスメントをベースとした特別支援教育の提案

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1. 一人ひとりの子どもの発達状況の把握が可能となり、個別の学習支援計画が立てられます• データに基づいて、教師や関係者が支援方法を工夫、改善できます。

アセスメントをベースとした特別支援教育の提案

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1. 一人ひとりの子どもの発達状況の把握が可能となり、個別の学習支援計画が立てられます• データに基づいて、教師や関係者が支援方法を工夫、改善できます。

2. 保護者に、子どもの発達状況を定期的に報告することで家庭も巻き込んだ支援体制を確立し、効果をあげられます• 継続的に、個々の認知機能の発達の推移を示すことで安心と信頼を獲得できます。

アセスメントをベースとした特別支援教育の提案

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•特別支援教育ネットワーク・メーリングリスト

–http://www.geocities.jp/ryomonet/tsk-n/

• Twitter– @gotoledex    

• Facebook  ページ: 発達障害&知的障害• https://www.facebook.com/all4variety

•メールマガジン レデックス通信• http://www.ledex.co.jp/mailmag

ネットワークの活用:情報と仲間を得る

ネットワークの活用:情報と仲間を得る

ネットワークの活用:情報と仲間を得る

•あたし研究、あたし研究2 – 自閉症者である小道モコさんが、自分の感じる世界をイラストで表現。 

•自閉症の僕が跳びはねる理由 東田直樹 エスコアール

–高機能自閉症の東田直樹さんが中学生の時に書いた本。発達障害者の、外部から見ると奇妙に見える行動を、当事者が解説している。 20 か国以上でベストセラー。

•夜中に犬に起こった奇妙な事件 マーク・ハッドン 早川書房

–15歳のアスペルガー症候群の少年が活躍する物語。場面ごとに、発達障害者がどのように、感じるか、行動するかが的確に描写されている。子どもにも推奨。

•読めなくても、書けなくても、勉強したい 井上智・賞子 ぶどう社

–40歳を超えてディスレクシアと診断された井上智さんが、学校に行っていた時、就職した時に感じたこと、考えたことをまとめた書籍。

発達障害児者の世界を知る参考文献