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2015年のアドテクの主なトピック
この資料はアドテク業界を中心に、公開情報をリストアップしています。2015年12月までに公開された上場企業のIR資料がメインです。
・ 海外大手アドテク事業者の業績および最近の動向を確認。・ header bidding / アドブロック・ パブリッシャー発の広告ビジネス(Buzzfeed/Nowthis)
・ スマホ広告プログラマティック配信の拡大 CPIからLTV重視へ。
※1ドルの計算は、120円(2015/12/27作成時)
海外アドテク上場企業の業績一覧
2015年1-9月の9か月分のータを掲載。
企業名 2015年1-9月期業績 トピック 売上 利益・損失
facebook 1.4兆円 2550億円(GAAP) 売上は前年比+40%。
Twitter 1,800億円 192億円(GAAP) 売上 前年同期+66%¥
CRITEO リタゲの代表格 1087憶円(8.3億ユーロ) 27.8億円 業績は絶好調。売上は前年比+62%
millenial mediaモバイルアドネットワーク
AOLに吸収され業績は非開示へ。
Rubicon Project SSPで唯一上場 184億円 23億円の赤字売上 前年同期+85%、成長スピードが改善!
TubeMogul ビデオ広告 146億円 14億円の赤字
RocketFuel DSP 403億円 242億円の赤字売上成長率 前年同期+24%。赤字が拡大
http://files.shareholder.com/downloads/AMDA-NJ5DZ/1239364510x0x859098/DC6C9112-AFF6-4E76-9168-7DBA0D5FFDAB/FB_Q3_15_Earnings_Slides_FINAL.pdf
2015年1-9月の決算。売上120億ドル(約1.4兆円)。売上構成全体のうち78%がモバイル広告。
http://investor.fb.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=940609
時価総額は2970億ドル 2015/12
http://finance.yahoo.com/echarts?s=FB+Interactive#{"range":"2y","allowChartStacking":true}
2015年1-9月の主なトピック
新サービス:ダイレクトメッセージの140文字制限の撤廃。動画ストリーミングアプリPeriscopeのヒット。AndroidアプリでHighlightsをリリース。広告: 自動再生の動画広告をリリースその他:EコマースのショッピングカートShopifyなどと連携。
売上15億ドル、純損失4.3億ドル。昨年比で赤字は減少したが低調。
株価は下降継続中。
http://finance.yahoo.com/echarts?s=TWTR+Interactive#{"range":"2y","allowChartStacking":true}
Criteo (1ユーロ=131円、2015年12月28日)
2015年1-9月の売上は8.3億ユーロ(前年同期間+62%)。1087億円
純利益2126万ユーロ。27.8億円。 (前年同期間+20%)
・ 売上は年間10億ユーロ越えが確実。
・ 掲載中広告主の90%がPC/モバイル両方で配信。・ 3分の2の広告主がCRMデータをCriteoとシェアして配信。
・ 1500以上の広告主がfacebookアドをCriteo経由で配信。・ 広告主は世界で9,250以上。27カ国で営業中。従業員は1,700人。
http://ir.criteo.com/2015-11-04-Criteo-Reports-Record-Results-For-The-Third-Quarter-2015-And-Reiterates-Its-Full-Year-2015-Outlook-Despite-Negative-Foreign-Exchange-Impacts
Millenial media
2015/10/22で上場廃止。AOL子会社に。上場後、最後まで低調な展開。
https://www.google.com/finance?cid=659461977902319
Rubicon Project
http://d1lge852tjjqow.cloudfront.net/CIK-0001595974/16498453-3063-4117-b305-bc9fb4008434.pdf?noexit=true
Rubicon Project
海外SSPで唯一上場しているRubiconの業績はさらに拡大、好調を維持。
以下は2015年7-9月(3ヶ月間)の業績。
配信している広告の合計金額は2.4憶ドル。288億円(前年比+45%増加)
ルビコンの売上は6430万ドル。77.1億円。
http://s1.q4cdn.com/327221466/files/doc_financials/3QY15/RUBI-Q3-2015-Financial-Highlights-October-27-FINAL.pdf
Rubicon Projectのニュース
アプリ広告枠の単価を上げるため、PCの広告をモバイルアプリにも配信開始。テスト配信で通常配信の3倍のCPMを出した。仕組みはパブリッシャーはSDKをアプリにインストール。ルビコンは端末データを取得し、170のDSPから入札金額を高めるために利用。現在20のパブリッシャーでテスト中、2016年1Qよりサービス提供範囲を拡大。
http://investor.rubiconproject.com/investors/investor-news/investor-news-details/2015/Rubicon-Project-Expands-Leading-Header-Bidding-Solution-with-First-Ever-In-App-Header-Bidding-Technology/default.aspx
TubeMogul
動画広告分野の代表格。オンライン動画広告からテレビ広告へも進出済み。
http://investor.tubemogul.com/secfiling.cfm?filingID=1564590-15-10603&CIK=1449278
TubeMogul
Tubemogulが説明する自社サービスの特徴について。
・ ブランド広告に集中している。(※モバイルだとアプリDL訴求などパフォーマンス型の動画広告もあるため記載していると推定。)・ OEMでのソフトウェア販売も行っており、この利用の場合は広告主、代理店は配信マージンがかからない。・ 広告主サイドにたった配信スタンス。100%Advertiser forcused.・ テレビまでカバーしたクロス・スクリーン配信。・ 300以上のトラフィックソースとつながり、膨大な広告を配信している。
http://files.shareholder.com/downloads/AMDA-2R3OU8/1240982927x0x860388/5C67E3CC-91C0-4FA2-A183-2E2357762A0C/2015-11-09_TUBE_Q3_2015_Earnings_Presentation_FINAL.pdf
TubeMogul
2015年7-9月(3ヶ月間)の業績。
売上は4650万ドル。55.8億円(前年同期比70%+)
純損失は380万ドル。4.5億円
http://files.shareholder.com/downloads/AMDA-2R3OU8/1240982927x0x860388/5C67E3CC-91C0-4FA2-A183-2E2357762A0C/2015-11-09_TUBE_Q3_2015_Earnings_Presentation_FINAL.pdf
TubeMogul
動画広告配信の伸びが好調を維持している。
http://files.shareholder.com/downloads/AMDA-2R3OU8/1240982927x0x860388/5C67E3CC-91C0-4FA2-A183-2E2357762A0C/2015-11-09_TUBE_Q3_2015_Earnings_Presentation_FINAL.pdf
TubeMogul
Platform Direct クライアントの社数は堅調に推移。継続の優良クライアントと
契約できているという指標。 *月間1万ドル以上の広告配信を12か月間コミットできた広告主。
TubeMogul
時価総額は5億ドル(600億円) ※2015/12/27
http://finance.yahoo.com/q;_ylt=Aig8uuk6Sp7uuNys5PcyVQEnv7gF;_ylc=X1MDMjE0MjQ3ODk0OARfcgMyBGZyA3VoM19maW5hbmNlX3dlYl9ncwRmcjIDc2EtZ3AEZ3ByaWQDBG5fZ3BzAzQEb3JpZ2luA2ZpbmFuY2UueWFob28uY29tBHBvcwMxBHBxc3RyAwRxdWVyeQNUVUJFLARzYWMDMQRzYW8DMQ--?p=http%3A%2F%2Ffinance.yahoo.com%2Fq%3Fs%3DTUBE%26ql%3D0&type=2button&uhb=uhb2&fr=uh3_finance_vert_gs&s=TUBE
RocketFuel
広告主向けに特化したアドテク。
http://investor.rocketfuel.com/secfiling.cfm?filingID=1477200-15-126&CIK=1477200
RocketFuel
15年1−9月(9ヶ月間)の売上は3.3億ドル(370億円)、純損失は1.9億ドル(210億円)。赤字幅が拡大。Other cost of revenueという項目の売上原価が2倍に拡大。セールスマーケが巨大。売上を作るためのコストが高すぎる様子。
RocketFuel
時価総額は1.5億ドル(15年6月時点で3.5億ドルから半減)
http://finance.yahoo.com/echarts?s=FUEL+Interactive#{"allowChartStacking":true}
Turn(DSP)
上場していないDSPも戦略を転換中(リストラ)。Turnはアドサーバの貸出(SaaS)事業を縮小。メディア販売で稼ぐDSPモデルへシフトするとのこと。これに合わせて、全社員の15%程度をレイオフ。
http://www.mediapost.com/publications/article/263903/turn-lays-off-57-amid-company-restructuring-and-sh.html
Mediamath(DSP)
最初に登場したDSPと自身を紹介するMediamathはグローバル事業の拡大中。ヨーロッパにおける販売力を強化するため、ドイツのアドテクに強い会社を買収。Mediamathも他のDSPと状況はそれほど変わらない、と想定。当面は売上を高めつつ収益性の改善(利益の拡大)と、強固なビジネスモデルの確立を目指している。
http://www.mediamath.com/about/news/page/2/
アドテク業界トピック:Headerbidding
ユーザがコンテンツ閲覧時の体験を改善することと、広告販売手法の多様性を目指して導入が進んでいる配信手法がHeader bidding。直近ではRubicon Projectがモバイルでも展開を開始した。HBの導入によりコンテンツのローディング時間を早くし、またアドブロックによる広告枠の非有効化の対象外にする狙いもある。広告配信の入札もパブリッシャーアドサーバ内で行われ、従来のRTBよりも高い収益化を期待されている。
https://www.yieldbot.com/blog/header-bidding/
アドテク業界トピック:モバイルでのプログラマティック
eMarketerによると2015年でプログラマティック広告の配信規模は、モバイルがPCデスクトップを超えたそうです。モバイルSSPからDSPの配信比率が高まっているという発表が散見されますが、グローバルでもそのとおりの展開のようです。16年はアプリ内広告上でのプログラマティック配信も拡大するでしょう。
http://adage.com/article/digital/mobile-programmatic-display-ad-spend-surpass-desktop/300870/
新興メディアの拡大:Buzzfeed,VICE,NowThisなど
2015年はミレニアム世代向けのメディアの拡大が目立ちました。Mashable, Business Insider, Vice, Buzzfeed, NowThis, Voxらのメディアが大型の資金調達を実施しています。
ミレニアム世代の人気メッセージアプリSnapchatのdiscoverには、新鋭のネットメディアを中心にコンテンツを配信してます。左の図は、メディア企業の企業評価額。単位は100万ドル(=1.2億円)。その巨大さが伝わってきます。
新興メディアの拡大:Buzzfeed,VICE,NowThisなど
2015/06作成の各メディアの規模を比較した図。データ提供はComScore。
月間ユニークビジター数を数値で提示。単位は100万人。
これらのメディアのビジネスがネイティブアド(ペイドポスト)を中心としていることは、アドテク業界にも影響を与えています。力のあるメディアが独自コントロールのビジネスを重視しているからです。
http://digiday.com/publishers/gawkers-real-business-problem-small-modern-media-economy/
編者まとめ
2015年はアドテク、メディア業界にとって大きな節目の年となりました。Webベースで発展してきたアドテクの大手事業者の業績にも明暗くっきり。モバイル、動画、ネイティブなど市場が拡大する分野へ事業ドメインを置く会社に追い風が吹いています。facebook, twitter, そして新興のニュースメディアはアドテク内包、独自広告メニューにも力を入れており、サードパーティであるアドテク事業者への依存度が低下しています。2016年は以下のポイントがさらに重視され、語られそうです。
・ モバイルファースト・ 広告事業者からのユーザ体験の改善。アドブロックの利用拡大、多数のピクセルによるページのローディングタイムの短縮など対応スべき点は多々有ります。・ モバイルでのプログラマティック広告の拡大・ パブリッシャーのネイティブ広告を支援できるテクノロジーの開発
2009年ごろから続いた初期アドテクの果たすべきテーマの結晶(結果)が、15年の各社の業績ということで良いのではないでしょうか。16年からは新たなテーマ・トレンドが始まる流れがスタートする予感があります。期待していきましょう。