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2016. 7. 8 大学戦略推進機構(情報工学・人間科学系) 西崎友規子 【認知的インタラクションデザイン学】 ユーザの個人差とインタラクションデザイン 0

ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

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Page 1: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

2016. 7. 8

大学戦略推進機構(情報工学・人間科学系) 西崎友規子

【認知的インタラクションデザイン学】

ユーザの個人差とインタラクションデザイン

0

Page 2: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

1.インタラクションデザインに関わる個人差

2.認知情報処理の個人差測定方法

3.個人差を多角的に調べる必要性 *未発表データを多く含むため公開用スライドでは削除

4.インタラクションデザインに関わる 認知心理学的基盤研究の紹介<自動車運転の事例>

1

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1 インタラクションデザインに関わる個人差

2

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3

身体・生理特性の個人差

認知特性の個人差

性格特性の個人差

社会性認知特性の個人差

感性(好み)の個人差

気分・感情状態の個人差

input

output

人間を情報処理システムと捉えると

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◼◼実験協力者

高齢者群(61~77歳) 10名

若年者群(大学生) 6名

うらしま群(大学生) 7名

高齢者と若年者の比較

高齢者疑似体験セット「うらしま太郎」

装着することにより,感覚知覚能力・身体運動能力においては“80歳の高齢者世界”を実現できる

耳栓

メガネ

荷重チョッキ

ひじサポーター

おもり

手袋

ひざサポーター

靴型サポーター

4

(赤津・原田・三樹・小松原, 2011)

目的:高齢者と若年者の違いは何か?

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◼◼課題

銀行ATMの操作を,正確にできるだけ早く行うこと

課題1:現金引き出し

課題2:残高照会

課題3:預入れ

課題4:振込み

課題5:振込み(途中で訂正要求あり)

5

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◼◼結果

Fig. 各被験者群の課題遂行時間

p<.001

p<.001

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◼◼結果

うらしま群 ≠ 高齢者群

⇒感覚知覚・身体運動能力の低下のみが,高齢者の機器操作を困難にしているわけではない。

Table. 観察された主なエラー

若年者 うらしま 高齢者

ボタンの選択間違い 7 3 21 p<.05

用語の意味がわからない 2 4 10 ns

数字・文字の入力間違い 1 2 6 ns

タイムアウト 2 3 8 ns

階層構造の理解が困難 3 4 14 p<.05

課題変更による入力間違い 1 1 14 p<.01

Page 9: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

聴覚障害者と健聴者の比較

8

◼◼実験協力者

聴覚障害者 16名

健聴者 16名

(西崎・生田目・北島, 2007)

目的:聴覚障害者の視覚的な認知情報処理機能は,健聴者と同じか?

聴覚障害者の全てが手話によって情報伝達してしてるわけではなく,手話取得率は,30-40%にすぎない。

Page 10: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

◼◼課題 Webのポータルサイト検索を想定し、設問(A)を解決するのに最適なディレクトリ(B)を選ぶ

例(設問A)

簿記検定を受検したい

Jリーグのチケットを購入したい

例(設問B)

資格 天気 ショッピング スポーツ グルメ 旅行

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◼◼結果

Fig. 聴覚障害者群と健聴者群のカテゴリー選択のエントロピー

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

難解文 容易文

エントロピー

聴覚障害者群 健聴者群

聴覚障害者群 ≠ 健聴者群

⇒「聴こえない」ことは「見る」ことにも影響を及ぼしている。身体的特性のみを支援するだけでは不十分。

p<.05

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2 認知情報処理の個人差測定方法

11

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個人差の測定方法

主観的方法

実験参加者自身の意識体験を言語によって自己報告する。【質問紙,心理尺度,(アンケート)】

客観的方法

課題達成までの時間(反応時間),正答率,エラー率(フォールスアラーム率)等の行動的指標を定量値として客観的に測定する。

12

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個人差の測定方法

生理計測法

心拍,眼球運動,筋電位活動等の身体・生理的反応を測定する。

脳計測法

fMRI(機能的磁気共鳴画像法),PET(ポジトロン放出断層撮影法),脳波,NIRS(近赤外光脳機能イメージング)等によって脳活動を測定する。

13

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イメージ能力の個人差

主観的方法

(VVIQ, Vividness of Visual Imagery Questionnaire; Marks, 1973, 菱谷, 2005)

14

今ここにはいない,あなたがよく知っている親戚や友人のことを考え,あなたの心の眼に浮かぶ,その人のイメージを注意して見てください。そして,下の各項目によって呼び起こされるイメージの鮮やかさ,明瞭さを,診断の基準に従って分類し,それを記入欄に書いてください。

1. 顔や頭,肩,身体の正確な輪郭は

2. いかにもその人らしい,頭の姿勢とか体つきなどは

3. 歩く時の正確な歩きぶりと歩幅などは

4. その人がよく来ている衣服の色は

【①全くイメージがわかない 〜 ⑤完全にはっきりしている】 (他に,日の出,店,田園風景など)

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イメージ能力の個人差

客観的方法

(心的回転課題, Mental Rotation Task; Shapard & Metzler, 1971, Monahan et al., 2008)

15

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Baddeley & Hitch(1974) ; Baddeley (1986)

短期記憶の概念を発展させ,情報の保持と処理を同時に行う記憶システムとして想定された概念。

*短期記憶(short-term memory)

情報の保持のみを行う貯蔵庫

Working Memory(作動記憶)の個人差

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・ 車の運転をしながら携帯電話通話

・ 料理をしながらテレビを見る

・ インターネットで調べ物をしながら音楽を聴く

・ 電話しながら雑誌を読む

日常生活におけるワーキングメモリの重要性

同時に2つ以上の課題を行うときに

必要な認知情報処理機能

ワーキングメモリ

17

Page 19: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

18

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コーヒーはカフェインを多く含むため、飲むと眠くなる。

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Page 21: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

電車に乗り遅れたので母に送ってもらった。

20

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漢字は仮名とともに、日本語の表記形態のひとつである。

21

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リンゴは主に寒い地方で収穫される果物である。

22

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23

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カフェイン,母,日本語,収穫

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( 12 ÷ 3 ) + 2 = ?

25

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( 6 − 3 ) × 5 = ?

26

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P

27

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(2 + 3 ) × 4 = ?

28

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H

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( 9 − 2 ) × 6 = ?

30

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N

31

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( 16 ÷ 2 ) − 4 = ?

32

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F

33

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34

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P , H , N , F

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(Daneman & Carpenter,1980; 苧阪&苧阪,1994)

RSPAN (Reading Span Test)

年齢、教育歴が同等の人たちの間にも、有意な個人差

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OSPAN (Operation Span Test)

(Turner & Engle,1989; Unsworth, et al., 2005; 小林&大久保,2014)

Page 38: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

Working Memory Taskの理論的背景 (ex. Daneman

& Carpenter, 1980; Just & Carpenter, 1992, Turner

&Engle, 1898)

WM容量=心的資源

37

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WM容量=心的資源

38

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WM容量=心的資源

39

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WM容量=心的資源

40

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WM容量=心的資源

41

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WM容量=心的資源

42

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43

(土井・富永・山岡・西崎,2011,土井・石原・山岡,2014)

メンタルモデル個人差測定方法

STEP1:架空インタフェースを使った電子機器操作実験

・電子機器操作に関与するメンタルモデルの構成要素の洗い出し ・実験参加者19名

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STEP2: メンタルモデル構築度合測定のための尺度作成

・STEP1の結果,および先行研究に基づき,電子機器のメンタルモデル構築度合を測定する項目候補を41作成 ・調査協力者842名 ・本尺度以外に,日本語版Action Control Scale(活動-状態指向性;ACS)を実施

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STEP3: 項目選定のための分析

・STEP2により41項目に対する842名分のデータについて,因子分析 →有意な17項目を抽出 ・再テスト法にて,信頼性を確認 ・日本語版ACSの結果と併せて,妥当性を確認

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STEP4: 妥当性の再検証

・架空インターフェース操作実験をSTEP1とは異なる参加者に行い,その成績とSTEP3より抽出された17項目から成る「メンタルモデル構築度合測定尺度」の相関を分析 ・実験参加者76名

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4 認知科学的アプローチによるインタラクション デザイン基盤研究の事例紹介

48

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21歳

女性

運転経験

ほとんどなし

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21歳

女性

毎日運転

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Page 52: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

運転行動の解明

快適な車両空間

運転支援

適切なHMI表示

研究の目的

認知情報処理特性A

(低/高)

認知情報処理特性B

(低/高)

行動傾向特性

(低/高)

【研究1】

バック走行=身体‐外部対応づけ機能

【研究2】

高速合流=注意・決然性

【研究3】

交差点などのシーン= 共感性(社会性認知)

51

ドライバーの個人差

“年齢”,“性”,”運転経験”という表層的な属性では測れない

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特定の認知機能測定テスト開発

研究の基本デザイン

特定シーンの運転行動データ収集

走行実験

(実車/シミュレータ) 認知機能測定

認知機能テスト によるスクリーニング

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Page 54: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究1】 バック走行

身体座標と外部座標との対応づけ機能

自身のステアリング操作(=身体座標)と、実現される自動車の動き(=外部座標)との対応づけが、すばやく正確にできるかどうか

53

(西崎,永井,河原,佐藤,根本,2012)

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【研究1】バック走行

1:実験参加者のスクリーニング

2

3

4

5 6

7

8

9

い う

+マウスの左右軸反転

⇒左右反転ポインタ操作 (Trail Making Testの応用課題)

「身体座標と外部座標との対応づけ機能」

54

Page 56: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究1】バック走行

1:実験参加者のスクリーニング

f

0

2

4

6

8

10

105 150 195 240 285 330 375 420

f大学生女性

低機能群 高機能群

度数

(人)

課題完了時間(秒)

N=47

(19-27歳、平均21.8歳、SD1.7)

202sec.以下 300sec.以上

55

Page 57: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究1】バック走行

2:実車走行実験

認知機能

高 低

運転頻度

大 2 2

小 2 2

56

実験参加者

Page 58: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究1】バック走行

2:実車走行実験

-600

-400

-200

0

200

400

600

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130

time (sec.)

高機能/高頻度

高機能/低頻度

低機能/高頻度

低頻度/低頻度

steeri

ng

an

gle

(d

eg

)

H-mp/ H-freq

H-mp/ L-freq

L-mp/ H-freq

L-mp/ L-freq

後進駐車時の操舵角変移

57

Page 59: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究1】 バック走行

2:実車走行実験

S字路の後進

0

50

100

150

200

250

300

H-mp/H-freq High-mp/Low-freq L-mp/H-freq

tim

e (

se

c)

0

1

2

3

4

5

H-mp/H-freq H-mp/L-freq L-mp/H-freq

num

ber

of

tim

es in lane d

epart

ure

S字路後進課題における課題完了時間 脱輪回数(右)

58

Page 60: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究1】バック走行

まとめ

ドライバ個人の『身体座標と外部座標対応づけ機能』は、バック走行の正確性に関係している。

⇒ 対応づけ機能が高いと、後進駐車や後進走行がスムーズに行える。特に、ほとんど経験したことがないような経路(S字路)走行であっても問題ない。

59

Page 61: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【タイヤアングルインジケーター】

ドライバの認知特性理解の適用事例 「身体‐外部対応づけ機能」

60

Page 62: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究2】高速道路合流走行

合流前行動

注意機能

(タスクスイッチング)

・加速車線継続の確認を行う

目標となる空間の決定

合流実行

動的状況における将来予測

決然性

(判断力、意思決定と遂行における処理の円滑さ)

・加速車線先行車両との車間距離を確認する

・本線走行車両との距離と速度を確認する

・本線走行車両のΔt秒後の空間配置変化を予測する

・目標となる空間に、速やかに車線変更(合流)する

・合流行動の時間余裕を予測する

切り替えながらループを抜ける

注意機能

決然性(判断力)

61

(Kawahara, Sato, Nagai, Kumada, Soma, Nemoto, Nishizaki, 2012)

Page 63: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究2】高速道路合流走行

1:実験参加者のスクリーニング

注意機能 (= 以下の3つの関連課題の総得点)

タスクスイッチング

(8÷2)-2=3 ? 密着

(5x2)-4=4 ? 誇張

視覚的ワーキングメモリ OSPAN

62

Page 64: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究2】高速道路合流走行

1:実験参加者のスクリーニング

決然性 (= 以下の6つの関連課題の総得点)

(1) タスクスイッチング課題の全体的な反応時間

(2) WAIS-Ⅲ

符号課題

(3) 記号課題

(4) タイミング課題

(5) 日本版後悔・追求者尺度

(6) 運動不振尺度

T コ

L

V

X =

1 2 3 4 5 6 7 8 9 5 8 4 2 7 3 1 2

ある ない

63

Page 65: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究2】高速道路合流走行

1:実験参加者のスクリーニング

-100

-80

-60

-40

-20

0

20

40

60

80

-65 -45 -25 -5 15 35 55

A

K

N=135 52

78 97

2

16

118

82

64

66 40

27 28

31

47

63

99

124

100

21

43

34 54 65

108

1

26

37

42

51

71

76

135

85

49

89 95

107

111

113

24

43

45

55 61

67

70

77

83

91

92

94

96

128

高注意・高決然性群

高注意・低決然性群

低注意・高決然性群

低注意・低決然性群 64

Page 66: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究2】高速道路合流走行

2:ドライビングシミュレータ実験

スタート地点

(御殿場東ICの料金所を過ぎた地点)

から加速レーンの終了地点まで

約330m

スタート地点

ソフトノーズ

ゼブラゾーン

約50m

ゼブラゾーンの開始

ソフトノーズ

の開始

約80m

ソフトノーズ

の終了

約45m

約155m

65

Page 67: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

電動6軸モーション

モーション制御装置 ホストコンピュータ 映像生成コンピュータ

前方用 プロジェクター スクリーン

車両キャビン

操作計測センサ ハンドル

制御コンピュータ

音響システム

右後方・後方用プロジェクター

車内情報用コンピュータ

空間配置型スピーカ

ターゲット プロジェクター

スピードメータ

タコメータ

ドライビングシミュレータ装置

66

Page 68: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究2】高速道路合流走行

2:ドライビングシミュレータ実験

実験デザイン

TTC

(短:3.5,6.0 x 長:10.0,13.0)

本線車両との関係

(相対速度一定 vs. 絶対速度一定)

注意

(高・低) 決然性

(高・低) x

×

被験者内

被験者間

×

8条件 ×3試行ずつ

高注意/高決然性 8名

高注意/低決然性 7名

低注意/高決然性 9名

低注意/低決然性 6名

男女 30名(19~30歳)

67

Page 69: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究2】高速道路合流走行

注意機能×合流操作開始位置

Attention Low Relative Attention High Relative Attention Low Absolute Attention High Absolute

TTC (sec)

2 4 6 8 10 12 14

シミュレータ上での座標

540

560

580

600

620

640

660

680

本線車両が近い 遠い

加速車線

手前

向こう

低注意

高注意

高注意機能群

低注意機能群

2:ドライビングシミュレータ実験

68

Page 70: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究2】高速道路合流走行

決然性×方向指示器作動タイミング

TTC (sec)

2 4 6 8 10 12 14 500

520

540

560

580

600

620

640 Decision Low Decision High

シミュレータ上での座標

加速車線

手前

向こう

本線車両が近い 遠い

低決然性

高決然性

高決然性群

低決然性群

2:ドライビングシミュレータ実験

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Page 71: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

【研究2】高速道路合流走行

まとめ

『注意機能』

⇒ 合流開始位置に関連。

注意機能が低いと、多くの情報を一度に処理することができないため、適切な合流位置で合流できない。

『決然性』

⇒ 方向指示器作動のタイミングに関連。

決然性が低いと、素早い反応ができないため、適切なタイミングで方向指示器を作動できない。

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Page 72: ユーザの個人差とインタラクションデザイン, 西崎友規子

レポート

ユーザ自身が意識していない認知・心理の個人差が, 人工物(モノ・サービス)とのインタラクション に影響を及ぼしている可能性がある事例を考え, それに対して,個別対応しきれない生産側の問題の 狭間に立ち,エンジニアはどのように対処すべきか, 自分の考えを述べてください。 提出期限: 7/22

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