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ネットワークスイッチ 構築実践(講義) VLANLinkAggregation

ネットワークスイッチ構築実践 1.VLAN・LinkAggregation編

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ネットワークスイッチ構築実践(講義)

①VLAN・LinkAggregation編

本スライドは、NTTソフトウェア社内技術者育成研修(ソフト道場研修)テキストです。

【著作権・免責事項】• 本セミナーコースの内容、本資料のすべての著作権は、NTTソフトウェア株式会社に帰属します。• 無断での本資料の複写、複製、再利用、転載、転用を禁じます。• 本資料と演習等で利用するすべての教材は、NTTソフトウェア株式会社からの保証なしに提供されます。• 本書に記載されている会社名および製品名は、一般に各社の商標または登録商標です。

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※ 演習問題に関するスライドは、本ファイルには含まれておりません。ご了承ください。

カリキュラム

時間 研修内容

10:00

10:30

◆Cisco IOSの概要(復習)

Cisco IOSのモードの説明、基本的なコマンドの理解

◆VLAN(復習)

VLANの基本、VLANの設定

演習1

12:00 昼食

13:00

15:00

16:00

17:30

◆VLAN(続き)

VTPの基本、VTPの設定

◆LinkAggregation

LinkAggregationの基本、LinkAggregationの設定

◆STP

STPの基本、STPの設定

終了

演習2、3

演習4

演習5

~1日目~

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カリキュラム

時間 研修内容

9:30

10:00

11:00

◆RSTP

RSTPの基本、RSTPの設定

◆PortSecurity

PortSecurityの基本、PortSecurityの設定

◆StormControl

storm-controlの基本、storm-controlの設定

演習6

演習7

演習8

12:00 昼食

13:00

14:00

14:30

17:30

◆SPAN

SPANの基本、SPANの設定

◆Stacking

Stackingの基本

◆総合演習

◆研修環境clean up

◆アンケート記入

終了

演習9

演習10、11

~2日目~

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Cisco IOSの概要(復習)

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IOSとは(1)

「アイ・オー・エス」と発音する(「イオス」とか発音すると恥ずかしい思いをします・・・)

Internetwork Operation Systemの略(apple社のiOSとは異なる)

Cisco製ハードウェアで動作する専用のOS

IOSのFeature(機能)、Versionは多くの種類が存在する

使用するFeature(機能)によりライセンス料金は大きな差が出る

IOSの選定はプロ(Sier、販社など)に相談して決めること Ciscoゴールドパートナー企業であればベスト

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IOSとは(2)

IOSはソフトウェアなので必ずBugは存在することを意識しておくもちろん大きなBugは次versionなどで修正される(軽微なBugは修正されなかったりしますが・・・)

IOSの操作は、基本的にCLIで行うSDMというGUIツールが提供されているが、Bugが多く、また使用すること自体が一般的でない

CLIは一見してUNIX/Linuxコマンドライクに見えるが、全く異なるコマンド体系

(基本的に)ファイルシステムの概念はない

モードの概念を理解する(次々項以降)

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IOSを起動させてみる

スイッチを起動させてみる• Consoleログに色々な情報が出力されるのを確認する• 起動時間は機器によるが数分かかることが一般的(普段使用しているハブのように数十秒程度で起動するというのはあまりない)

初回起動時のお約束• 対話型の初期設定は利用しない(意図しない設定が入り込むことを防ぐため)

% Please answer 'yes' or 'no'.

Would you like to enter the initial configuration dialog? [yes/no]: no ←

「no」と入力すること

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Cisco IOSのモードを理解する

ユーザモードSwitch>

スイッチ接続直後の画面

Enterキーを押す

“enable”と入力する

特権モードSwitch#

“configure terminal”と入力する

グローバルコンフィグレーションモードSwitch(config)#

インタフェース設定モードSwitch(config-if)#

VLAN設定モードSwitch(config-VLAN)#

ライン設定モードSwitch(config-line)#

・・

“xxx”と入力する※モード毎に異なる

Enableパスワードを入力

ログインパスワードを入力

disable

logout

exit

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Cisco IOSのモードを理解する

ユーザモード 統計情報を表示する。

スイッチの基本的な状態の確認が可能である。

特権モード スイッチのコンフィグレーションを表示する。

詳細な状態の確認やファイルの移動などが行える。

グローバル

コンフィグレーションモード

ルータに全体的な設定・変更を加えることができる。

項目別の設定モード

(インタフェース設定モード、

VLAN設定モード、など)

項目別に詳細な設定・変更を行うことができる。

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基本的なコマンド

~コンフィグレーションの表示と保存~

Switch# show running-config

Switch# copy running-config startup-config

~ホスト名を設定する~

Switch(config)# hostname nttsoft

~保存したコンフィグレーションの削除~

Switch# write erase

Switch# delete vlan.dat

~スイッチの再起動~

Switch# reload

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基本的なコマンド

~enable password~

Switch(config)# enable secret nttsoft

~ユーザモードパスワード(コンソール)~

Switch(config)# line console 0

Switch(config-line)# login

Switch(config-line)# password nttsoft

~ユーザモードパスワード(Telnet)~

Switch(config)# line vty 0 4

Switch(config-line)# login

Switch(config-line)# password nttsoft

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基本的なコマンド

~DNSサーバに対して名前解決を行わないようにする~

Switch(config)# no ip domain-lookup

~ログアウト時間を変更する(コンソールポート用コマンド)~

Switch(config)# line console 0

Switch(config-line)# exec-timeout {分} {秒}

~入力途中のコマンドを再表示する(コンソールポート用コマンド) ~

Switch(config)# line console 0

Switch(config-line)# logging synchronous

※入力途中にポップアップメッセージが入っても再表示を行ってくれる。

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インタフェースの設定

~インタフェース設定モード~Switch(config)# interface [タイプ][スロット/ポート]

~IPアドレスの設定~Switch(config-if)# ip address [IPアドレス] [サブネットマスク]

※設定ミスなどを直すために設定情報を削除するときは”no ip address”を投入する。

~インタフェースを有効化する~Switch(config-if)# no shutdown

~インタフェース設定の例~

Switch(config)# interface fastethernet 0/0

Switch(config-if)# ip address 192.168.10.1 255.255.255.0

Switch(config-if)# no shutdown

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インタフェース(SVI : Switch Virtual Interface)の設定

~インタフェース設定モード~Switch(config)# interface vlan [vlan-id]

~IPアドレスの設定~Switch(config-if)# ip address [IPアドレス] [サブネットマスク]

※設定ミスなどを直すために設定情報を削除するときは”no ip address”を投入する。

~インタフェース設定の例~

Switch(config)# interface vlan1

Switch(config-if)# ip address 172.16.100.1 255.255.255.0

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補足

CLIでは、短縮入力、TABキー、ヘルプ「?」を多用しオペミス防止と作業効率向上を図る

History(上矢印キー)も使用可能

“copy run start” は “wr” で実施すると高効率化“wr” コマンドは正しくは “write memory” コマンドただし、Cisco非推奨コマンドであるため今後いつまで利用できるかは不明・・・

endコマンド、doコマンドも活用する

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VLAN

(復習)

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VLANの説明の前に・・・(1)

みなさん、以下の機器の違いを説明できますか?

• ハブ• スイッチ• L2スイッチ• L3スイッチ

なんとなく理解しているけど、明確に違いを理解していてそれを第三者に説明できる人は案外少なかったりします。

次項以降で、それぞれの違いを説明します。

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VLANの説明の前に・・・(2)

ハブ(HUB)• 「リピータハブ」とも呼ばれる

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VLANの説明の前に・・・(3)

スイッチ(Switch)• 現在「ハブ」と呼ばれているのものは殆どが「スイッチ」

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VLANの説明の前に・・・(4)

L2スイッチ(Layer 2 Switch)• 高機能なスイッチ• 任意に仮想スイッチ(VLAN)を作成することができる

• 当研修の中心となるもの

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VLANの説明の前に・・・(5)

L3スイッチ(Layer 3 Switch)• L2スイッチにルーティング機能が追加されたもの

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スタティックVLANとダイナミックVLAN

~スタティックVLAN~

ポートベースVLANと呼ばれる方式のことである。ネットワークアドミニストレータがポートごとにVLANを定義する。

~ダイナミックVLAN~

VLANの割り当てを自動的に決定する。MAC(アドレス)ベースVLAN、プロトコルベースVLANなどの方式がこれに当たる。Ciscoネットワークでは、VMPS(VLAN Management Policy Server)サービスを用いて、VLANを管理する。

※本研修では、スタティックVLANについて実習を行う。

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VLANの識別

~アクセスリンク~

1つのVLANだけに属している。PC等の機器を接続するリンクに適用する。

~トランクリンク~

複数のVLANに属している。スイッチ間を接続するリンクに適用する。

VLAN 10 VLAN 20 VLAN 10 VLAN 20

Access

link

Trunk

link

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VLANの識別

~ISL (Inter-Switch Link)~

Cisco独自のトランキングプロトコル。26bytesのISLヘッダと4bytesのFCS (Frame Check

Sequence)を追加する。(最近ではサポートしていないことが多くなってきている)

~IEEE 802.1Q~

IEEE標準のトランキングプロトコル。4bytesのタグを追加する。ネイティブVLAN(デフォルトは1)が規定されており、ネイティブVLANのフレームを転送するときはタグが追加されない。

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VLANの設定

VLAN 10 VLAN 20 VLAN 10 VLAN 20

SW1 SW2

SW3

F0/0 F0/1 F0/0 F0/1

F0/23 F0/23

F0/0 F0/1

VLAN 10 : GROUP10

VLAN 20 : GROUP20

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VLANの設定

~VLANの作成~Switch(config)# vlan [vlan-id]

※複数のVLANを作成する場合は、VLAN番号をカンマ(,)で区切って並べる

~インタフェースへの適用~Switch(config-if)# switchport mode access

Switch(config-if)# switchport access vlan [vlan-id]

~VLAN設定の例~Switch(config)# interface fastethernet 0/1

Switch(config-if)# switchport mode access

Switch(config-if)# switchport access vlan 10

複数のインタフェースに同じVLANを適用する場合、rangeコマンドによりまとめて設定することができるSwitch(config)# interface range fastethernet 0/1 - 12 ※ポート1から12までを設定Switch(config-if-range)# switchport mode access

Switch(config-if-range)# switchport access vlan 10

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VLANの設定

~トランクリンクの設定~Switch(config-if)# switchport mode trunk

~トランクリンク設定の例~

Switch(config)# interface fastethernet 0/23

Switch(config-if)# switchport mode trunk

※トランクリンクに流すVLANトラフィックを指定することもできる複数のVLANを指定する場合は、VLAN番号をカンマ(,)で区切って並べる、またはハイフン(-)で連続するVLAN番号を指定する

Switch(config-if)# switchport trunk allowed vlan [vlan-id]

※一度指定したallowed vlanの内容を変更する場合は、add & removeで指定するSwitch(config-if)# switchport trunk allowed vlan {add | remove} [vlan-id]

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設定状態の確認

~インタフェース状態の確認~Switch# show ip interface

Switch# show ip interface brief

Switch# show interface

Switch# show interface summary

Switch# show interface status

~ルーティングテーブルの確認~Switch# show ip route

~VLANの確認~Switch# show vlan

Switch# show vlan brief

~トランクリンクの確認~Switch# show interface trunk

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VTP

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ネットワーク内に多くのSwitchが存在している場合

例えば、作業対象のネットワークに100台のSwitchが存在していた場合。全てのSwitchに対してconfigを投入しなければならないですが、一台一台にVLANを設定してインターフェースを設定して・・・・考えるだけで気が遠くなりますよね。

VLANを作るにしてもオペミスでVLAN 100がVLAN1000になったり。もっと効率的に設定できる方法は無い?

⇒VTPを用いることにより効率的に設定が可能となる。

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VTPのイメージ

①VLAN10と20を使う宣言

VLAN情報

VL

AN情報

②VLAN情報を広告

③全てのSwitchでVLAN10と20が作成される

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VTPとは

~VTP(Vlan Trunking Protocol)~

Cisco独自仕様のプロトコル。ネットワーク内に設置された複数台のスイッチのVLAN情報を同期し、一括してVLANの追加、削除、名前変更などを制御するプロトコル。

~VTPドメイン~

VTPで連携するスイッチのグループを、ドメインというくくりでまとめたもの。ドメイン名が異なっているとスイッチ同士が接続されていてもVLAN情報の同期は行われない。ドメイン内でパスワード設定を行うことにより意図しないスイッチのドメイン参加を防ぐことも可能。

~VTPモード~

VTPには3つのモードがある。クライアントモード、サーバモード、トランスペアレントモード。詳細は次々ページにて説明。

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VTPとは

~VTPアドバタイズ~

VTPドメイン内にてVTP情報をアドバタイズ(広告)すること。デフォルトで300秒毎にアドバタイズされる。もしくはVTPサーバでVLAN設定を変更するたびにアドバタイズされる。アドバタイズアドレス先は、L2マルチキャスト宛になる。

~VTPリビジョン番号~

VTPドメイン内で管理する、設定内容の通し番号のこと。サーバモードのスイッチでVLAN設定変更を行うたびに、1インクリメントする。VTPドメイン内で自分より大きなリビジョン番号を持つものがあれば無条件に上書きする。(たとえクライアントモードのものが一番大きなリビジョン番号を持っていたとしても、それを正としてサーバのVLAN設定情報を含めすべてのスイッチのVLAN情報を上書きしてしまう)

⇒この仕様動作により、過去に某キャリアで大規模障害が発生したことがある。

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VTPモード

モード 機能・動作

クライアントモード • VLANの作成、変更、削除することは不可• 同じVTPドメインの他のスイッチから受信した最新情報に自身のVLAN設定を同期させる

• VTP通知は他のスイッチに転送する• VLAN設定はNVRAMへ保存しない

サーバモード • スイッチのデフォルト状態• VLANの作成、変更、削除することが可能• 同じVTPドメインの他のスイッチから受信した最新情報に自身のVLAN設定を同期させる

• VTP通知は他スイッチに送信、転送する• VLAN設定はNVRAMへ保存する

トランスペアレントモード • VLANの作成、変更、削除することが出来る• 同じVTPドメインの他のスイッチから受信した最新情報に自身のVLAN設定を同期させない

• VTP通知は他のスイッチに転送する• VLAN設定はNVRAMへ保存する

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VTPモード(サーバ、クライアント)

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

VLAN:1,3,10

VTPmode:Client

VLAN:なしVTPmode:Client

VLAN:1,10,30

F0/0 F0/1 F0/1

VTPアドバタイズVLAN:1,3,10

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

VLAN:1,3,10

VTPmode:Client

VLAN:1,3,10VTPmode:Client

VLAN:1,10,30

F0/0 F0/1 F0/1

VTPアドバタイズVLAN:1,3,10

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VTPモード(サーバ、クライアント)

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

VLAN:1,3,10

VTPmode:Client

VLAN:1,3,10VTPmode:Client

VLAN:1,3,10

F0/0 F0/1 F0/1

サーバとなるSwitchからVTPアドバタイズによりVLAN情報を通知し、受け取ったSwitchはその情報通りにVLANを自動的に作成する。

また既存のVLAN情報を削除して、アドバタイズされたVLAN情報でVLANを再作成する。

前ページから

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VTPモード(トランスペアレント)

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

VLAN:1,3,10

VTPmode:Transparent

VLAN:1,50,100VTPmode:Client

VLAN:1,10,30

F0/0 F0/1 F0/1

VTPアドバタイズVLAN:1,3,10

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

VLAN:1,3,10

VTPmode:Transparent

VLAN:1,50,100VTPmode:Client

VLAN:1,10,30

F0/0 F0/1 F0/1

VTPアドバタイズVLAN:1,3,10

次ページへ

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VTPモード(トランスペアレント)

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

VLAN:1,3,10

VTPmode:Client

VLAN:1,3,10

F0/0 F0/1 F0/1

VTPmode:Transparent

VLAN:1,50,100

TransparentモードのSwitchは、VTPアドバタイズを受け取るがVLAN情報を更新することなく、VTPアドバタイズを転送だけする。既存のVLAN情報は削除も更新もされない。

前ページから

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VTPリビジョンの動作

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

Revision:9→10

VTPmode:Client

Revision:9VTPmode:Client

Revision:9

F0/0 F0/1 F0/1

VTPアドバタイズVLAN:hogehoge

Revision:10

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

Revision:10

VTPmode:Client

Revision:9→10VTPmode:Client

Revision:9

F0/0 F0/1 F0/1

VTPアドバタイズVLAN:hogehoge

Revision:10

次ページへ

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VTPリビジョンの動作

SW1 SW2 SW3

F0/0 F0/0 F0/1 F0/1

VLAN情報を変更・更新することによりリビジョン番号が1インクリメントされ、VTPアドバタイズ情報に格納されて他のSwitchに通知される。VTPアドバタイズを受信したSwitchは、自身が保有しているリビジョン番号と比較して大きければVLAN情報の更新を行う。

なおTransparentモードのSwitchは、リビジョン番号は常に「0」でありVTPアドバタイズ情報を受信しても同期を行わない。

VTPmode:Server

Revision:10

VTPmode:Client

Revision:10VTPmode:Client

Revision:9→10

前ページから

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VTPプルーニングの動作

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

VLAN:1,3,10

VTPmode:Client

I/F割り当てVLAN:1,3VTPmode:Client

I/F割り当てVLAN:1,3,10

F0/0 F0/1 F0/1

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

VLAN:1,3,10

VTPmode:Client

作成されるVLAN:1,3VTPmode:Client

I/F割り当てVLAN:1,3,10

F0/0 F0/1 F0/1

VTPアドバタイズVLAN:1,3,10

VTPアドバタイズVLAN:1,3,10

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VTPプルーニングの動作

SW1 SW2 SW3

F0/0

VTPmode:Server

VLAN:1,3,10

VTPmode:Client

作成されるVLAN:1,3VTPmode:Client

作成されるVLAN:1,3,10

F0/0 F0/1 F0/1

SW2はVTPで通知されたVLAN(1,3)のみI/Fで使用されており、それらのVLANを自動的に作成する。しかしVLAN10については使用しないため、VLAN自体が作成されることはない。またSW3に転送するVLANアドバタイズ情報には、自身が使用しないVLAN10の情報を含めたまま転送する。

SW3はVTPで通知されたVLAN(1,3,10)が全てI/Fで使用されているため、それぞれのVLAN

を自動的に作成する。

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VTPの設定

~VTPドメイン名の設定~

Switch(config)# vtp domain <ドメイン名>

※大文字・小文字を区別する。※一度設定すると、変更はできるが削除はできない。

~VTPパスワードの設定~

Switch(config)# vtp password <任意のパスワード>

※大文字・小文字を区別する。※オプションであるため、パスワード設定なしでもVTPを動作させることは出来る。

~VTPモードの設定~

Switch(config)# vtp mode {server | client | transparent}

※デフォルトモードはサーバ。

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VTPの設定

~VTPプルーニングの設定~

Switch(config)# vtp pruning

※デフォルトは無効である。※サーバモードのスイッチで有効にすると、VTPドメイン内の全スイッチで有効になる。

~VTPバージョンの変更~

Switch(config)# vtp version 2

※デフォルトはver.1である。

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VTPの確認

~VTPの確認~

Switch# show vtp status

VTP Version capable : 1 to 3

VTP version running : 1

VTP Domain Name : dojo

VTP Pruning Mode : Enabled

VTP Traps Generation : Disabled

[省略]

Feature VLAN:

--------------

VTP Operating Mode : Client

Maximum VLANs supported locally : 255

Number of existing VLANs : 8

Configuration Revision : 2

[省略]

ドメイン名を示す。

VTPプルーニングの有効/無効を示す。

VTPモードを示す。

リビジョン番号を示す。

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参考:VTPリビジョンの動作(大規模故障ケース)

とあるシステムにてVTPを利用していた。ある日、SW故障により交換作業を実施することとなった。

故障

必要最低限の設定を投入後、故障機器と入れ替えを行ったが・・・・

設定ミスにより、Revision番号が現用より大きくなっていた。

ネットワークスイッチ構築実践 Copyright© 2016 NTT Software Corporation 47

参考:VTPリビジョンの動作(大規模故障ケース)

必要最低限の設定のみのため、VLAN情報などは何も持っていなかった。しかし、Revision番号が最大のため同一VTPドメインに所属するSWはVLAN情報を上書きした。

その結果、システム内の同一VTPドメインに所属する全SWでVLAN情報が消失しシステムが停止することとなった。(システム停止は2日以上にわたるものとなり、稀に見る大規模システム障害となった)

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ネットワーキングの敵

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ネットワーキングの敵 Loop(1)

ネットワークで一番気を付けなければいけないこと。

それは「Loopを発生させない」ということ。

Loopが発生すると、• NWが不安定になる• NWが落ちる(通信できなくなる)• サービスがダウンする(ユーザが利用できない)• 場合によってはNW機器やサーバの再起動が必要となる(もちろんその間、サービスは停止することとなる)

など、多大な影響が発生します。

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ネットワーキングの敵 Loop(2)

論より証拠、実際にLoopを発生させてみよう。

手元にあるL2SWに、一本のLANケーブルの両端をFa0/1とFa0/2に接続してみてください。

どんな動きをするでしょうか?ポートのランプ状態と、コンソールからコマンドが入力できるか確認してみてください。

⇒このように、たった一本のLANケーブルの挿し間違いでLoopが発生してしまいます。本番環境で発生したら大事です。

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ネットワーキングの敵 Loop(3)

Loopを防ぐための技術として、本研修で以下の技術を学んでいきます。

・LinkAggregation(IEEE 802.3ad)・SpanningTreeProtocol(IEEE 802.1d)・PortSecurity

・StormControl

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Link Aggregation

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とあるSwitchと、とあるSwtichを接続するときにSwitch間で帯域が足りない

以下のような構成で、Switch間のトラフィックがインターフェースの上限を超えるような場合

ここの通信上限は、スイッチの物理インターフェース接続速度の100Mbpsだが、実際に要求されるのは150Mbps

F0/0 F0/0

⇒このような場合、輻輳が発生してQueue待ち、PacketDropが発生することにより通信は安定しない

100Mbpsの通信

50Mbpsの通信

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複数本接続したら?(1)

ではSwitch間の接続を、1本ではなく2本引けばよいのでは?

こうすれば100Mbps×2=200Mbpsになるので、要求されるのは150Mbpsをクリアできるのでは?

F0/0 F0/0

⇒一見、これで良さそう。しかし大きな問題が・・・・

F0/1 F0/1

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複数本接続したら?(2)

Switch間の接続を、何も考えずに複数本引くとLoopが発生してしまう!

Loopが発生して通信できなくなる!

F0/0 F0/0

⇒ではどうすればよいのか?

F0/1 F0/1

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Loopを回避しつつ、帯域を確保したい

Switch間の複数本の接続を、論理的に一本にすることで対処できる。

F0/0 F0/0

⇒この技術を、LinkAggregationという。

F0/1 F0/1

物理的な複数本の接続を、論理的に一本にすることによりループを回避し、また複数本分の帯域を確保することが出来る。(図の場合、Switch間の帯域上限は200Mbpsになる)

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LinkAggregationを用いたときの帯域以外の利点

複数本あるSwitch間の接続のうち、障害が発生しても残った接続で通信を継続することが可能

F0/0 F0/0

F0/1 F0/1

残った接続により通信を継続可能

障害発生によりリンクダウン

⇒ただし、帯域は障害接続分減ることとなる。(上記の場合、200Mbps→100Mbpsになる)

※実際には耐障害性向上のため、リンク冗長を目的として使用されることの方が多い

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LinkAggregationとは

~LinkAggregation~

物理的に複数本の接続を、論理的に一本にまとめる技術。一般的にスイッチ間の接続で使用される。(CiscoではEtherChannelという用語を用いている)

~Cisco機器での形成方法~

Cisco機器では、LinkAggregationのモードが3つある・PAgP(Port Aggregation Protocol):Cisco独自のプロトコル・LACP(Link Aggregation Control Protocol:IEEE 802.3adで規定された標準的なプロトコル・on:強制的にEtherChannelを構成する(onを使用する際には対向機器もonでなければならない)

~最大構成本数~

物理的に8本までのリンクを束ねることが可能となる。1本1Gbpsのリンクを8本束ねることにより8Gbpsの帯域をもった論理リンクを構成可能となる。ただし、構成するメディアタイプは全て同一でなければならない。(100Mbps+1Gbpsは実装不可能)

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リンクアグリゲーションの設定

~EtherChannel動作モードの設定~

Switch(config-if)# channel-group <グループ番号> mode <モード>

※モードの種類は以下の通りである。on : 常にEtherChannelは有効であるdesirable : PAgPパケットを送信してネゴシエーションを開始するauto : PAgPパケットに応答するが、自分からは動作しないactive : LACPパケットを送信してネゴシエーションを開始するpassive : LACPパケットに応答するが、自分からは動作しない

※EtherChannelを構成するインタフェースは、以下の項目を同じように設定する必要がある。・速度と二重モード(全二重/半二重)・スイッチポートの種類(アクセスポート、トランクポート)・(アクセスポートの場合)割り当てているVLAN番号・(トランクポートの場合)トランクで指定しているVLAN番号

※本コマンドを投入すると、ポートチャネル論理インタフェースが自動的に作成される。

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リンクアグリゲーションの確認

~EtherChannel情報の確認~

Switch# show interface port-channel <グループ番号>

Port-channel1 is up, line protocol is up

Hardware is Port-Channel, address is 0000.0000.0000 (bia 0000.0000.0000)

MTU 1500 bytes, BW 200000 Kbit, DLY 10 usec,

reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255

[省略]

Members in this channel: Fa0/2 Fa0/3

[省略]

EtherChannelのインタフェース状態を示す。

EtherChannelインタフェースの帯域幅を示す。100Mbpsの2つの物理インタフェースをマッピングしている場合200Mbps(200000 Kbit)となる。

EtherChannelを構成するインタフェースを示す。

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リンクアグリゲーションの確認

~EtherChannel情報の確認~

Switch# show etherchannel summary

Flags: D - down P - bundled in port-channel

I - stand-alone s - suspended

H - Hot-standby (LACP only)

R - Layer3 S - Layer2

U - in use f - failed to allocate aggregator

M - not in use, minimum links not met

u - unsuitable for bundling

w - waiting to be aggregated

d - default port

[省略]

Group Port-channel Protocol Ports

---------+--------------------+-----------+----------------------------------------

1 Po1(SU) - Fa0/2(P) Fa0/3(P)

EtherChannelを構成するインタフェースを示す。グループ番号を示す。

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