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2014/06/08に浪江町アイデアソンでの講座資料です。
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2014/6/8 「 10分でわかる!福島復興の課題」
浪江町住民のタブレット活用を考えるアイデアソン
福島大学 うつくしまふくしま未来支援センター 特任研究員 開沼 博
1
結局、被災地の何が問題なのか?1)そもそも、被災地を「理解」してるか? 例えば、「福島の問題=放射性物質の問題」?
「避難!」 県民における福島県外で暮らす人の割合は?「作物食べられない!」 米全量全袋検査での基準値超え割合は?「子どもいる親は敏感」「高齢者鈍感」か?=> 「内側の現実」と「外からのイメージ」
=> 「福島への思い入れ」が強い人の中の「無理解」
2)「復興が遅れている」という時、結局「何が遅れている」? そもそも「復興」って何を指している?
行政的な動き:予算消化(設備増強)・プロジェクト発足住民の動き:ボランティア・NPO活動/地域の魅力発見/「忘却」⇒むしろ、「復興」は色々「進んでいる」のでは?
じゃあ、遅れてるものは?住まいの確保/心身の健康づくり/教育/仕事⇒「生活」や「コミュニティ」などと言われているものの回復
問題:理解されていないこと、(それもあって)生活・コミュニティが立ち直らないこと
生活・コミュニティを立ち直らせる!
なにが必要?
被災地の住民の方々から聞く言葉
被災地の住民の方々から聞く言葉
少子高齢化、産業の衰退、医療・福祉体制の構築、科学・テクノロジーとの共存、新しい地域のイメージ
づくり‥
日本・世界の各地に普遍的な課題が急激に、鋭く表面化している
「理解の復興」と「生活の復興」 「復興の遅れ」を嘆き続けることが促す思考停止( cf 「心の闇」)
「遅れているから早くしなければ」と前向きな姿勢でも、「復興とは何か」を具体的に問わないまま課題は未解決
じゃあ、どうするか? 1)具体的な課題を洗い出し解決策まで落としこんでいく
「復興」という言葉、あるいは「生活」や「コミュニティ」という言葉は、使うぶんには便利だが、適切に実態を「理解」しているか、それがそこに生きる人の具体的な「生活」につながっていくか、まで考える。
2)各論に留まらず全体像を明かす 課題は、被災地の中においてすら分からないほどに複雑化・不可視化・孤立化している。全体の地図を描きながらその中に課題を位置づけ、方向性を探したり支援を受けたりするべき。
3)先行きを見せつつ、しかし、急かさない 「先行きなき急かし」は、復興を「理解」と「生活」への接続を妨げる。それを回避するための方策が必要。例えば、「帰還か、移住か」への第三の道「待避」の導入(今井照『自治体再建』) 。
今後の復興を考えるためのモデル1:「生活の安心」モデル 「復興」や「コミュニティ」を定義し直すためのモデル
生産
セーフティーネット
再生産
中小企業
イノベーション創出
産業構造の転換
観光・ツーリズム
若者・女性の就労
シニアの就労・活用
外国人・国際化
一次産業
生活困難者・障がい者
法律・司法
防災減災・危機管理
食
メディア・情報発信
住まい
地域づくり・インフラ整備
学校教育・社会教育
地域文化・アイデンティティ
交流人口
医療・福祉
今後の復興を考えるためのモデル2:「課題設定拡張」モデル 単純化された課題を拡張して解決策に近づくためのモデル
科学的解決一次産業 健康管理
社会的解決避難
食への意識
未来のイメージ復興計画
被災地ツーリズム
現在のイメージ「現実」と「イメージ」のギャップ
時間軸
科学で解決可能 科学で解決不可能
今後の復興を考えるためのモデル3:復興三方良し
8
「地域」良し 地元住民が得する
「協力者」良し 協力機関が得する
「無関心者」良し 関心のない人まで得する
地域だけが問題意識を持っていても資源が少ない 協力者だけだと搾取的な構造になる(主人公は誰?) 無関心者だけだとそもそも何も起こらず、忘却される
福島学構築プロジェクトの取り組み 何をしたいか? => 課題発見と解決のサイクルづく
り
課題発見 課題解決2000人インタビュー福島エクスカーション
シンポジウム研究会産官学連携プロジェクト