Upload
yusuke-suzuki
View
3.259
Download
0
Embed Size (px)
DESCRIPTION
2009/12/12に行われたDevLOVE2009での発表資料です。
Citation preview
「開発を愛する僕らが目を向けるべき、ソフトウェア以外に大事な5つ4つの事」
2009/12/12
グロースエクスパートナーズ(株)ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー/チーフITアーキテクト
日本Javaユーザー会/日本Springユーザー会幹事
アークランプ(http://www.arclamp.jp/)
鈴木雄介
自己紹介
• 鈴木雄介– 所属
• グロースエクスパートナーズ(株)– ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー/チーフITアーキテクト
– コミュニティ• 日本Javaユーザー会 幹事
• 日本Springユーザー会 幹事
– ブログ/記事/書籍など• アークランプ(http://www.arclamp.jp)
• 日経SYSTEMS「ITアーキテクトの視点」連載中(2010年3月まで!)
• 「ソフトアーキテクトが知るべき97のこと」監修
これまではソフトウェアを作ることだけを考えていれば良かった。
インターネット以後、ユーザーは爆発的に増え、ソフトウェアが社会のインフラに。
ソフトウェアを使う価値について説明しなくてはいけない
http://www.flickr.com/photos/sandman_kk/3313345993/
井の中の蛙では”使う価値”は説明できない。
ソフトウェアの外側から、ソフトウェアを考えてみる。
なるべく”体感”できる話で。
http://www.flickr.com/photos/nataliasha/1683082523/
現状認識
そのソフトウェアを使う価値はあるのか?
http://www.flickr.com/photos/adamneilward/4040186468/
ランドスケープ・アーキテクチャ
http://www.flickr.com/photos/garryknight/3450548458/
ランドスケープ・アーキテクチャーは、土地が持つ諸要素を基盤にして、都市空間や造園空間、建築群(まちなみ等)といったランドスケープを設計、構築することをいい、そうした職能をランドスケープ・アーキテクトという。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ランドスケープ
http://www.flickr.com/photos/oimax/3933569158/
木を植える
そのものを取り囲む環境の整備(コントロールできないモノもある)
そのものが過去も未来も存在しうる環境
木を植える
時間的/空間的に”木が育ちうる”環境を考える=
http://www.flickr.com/photos/clocky/2989346474/
「ランドスケープ・アーキテクトにしてみれば、竣工した日の写真は情けない。1年経ってみて、ようやく出来てきたと言える」
http://www.flickr.com/photos/imuttoo/2359749186/
• システムにおける時間的/空間的変化
–内部:データ増加、仕様変更
–外部:ユーザー組織の変更、他システムの変更
• 未確定な未来
–コントロールできないことも多い
• アーキテクティングは事前的であり、かつ変更はできない
• ソフトウェアのアーキテクチャを考えることは「時間的/空間的に”システムが育ちうる”環境を考えること」と言えるのでは
–建築よりもランドスケープの方が共感できるかも
ビルディングタイプ
http://www.flickr.com/photos/batintherain/3464862165/
ビルディングタイプ
• 建築物にステレオタイプが存在するようなもの
–病院、学校、倉庫、監獄…
• 建築様式ではなく、建築物を取り巻く規則、法律に注目
http://www.flickr.com/photos/frenkieb/235190557/
刑務所のビルディングタイプの変遷
http://www.flickr.com/photos/eric-p/3430306983/
Plan of the Panopticon(1791)The works of Jeremy Bentham vol. IV, 172-3
http://www.flickr.com/photos/ms_sarahbgibson/425946626/
http://www.flickr.com/photos/mamk/2340530520/
ペンシルバニアシステム
• パノプティコンの発展的継承
• 独居拘禁
–食事も労働も読書も独りで
• アウトサイドセル方式の獄舎を放射状に設置
http://www.flickr.com/photos/mjkmjk/3402525185/
http://www.flickr.com/photos/base10/2673314994/
元イースタン州刑務所(Eastern State Penitentiary)現在の内部写真
http://www.flickr.com/photos/rollertrain/3428602890/
元イースタン州刑務所(Eastern State Penitentiary)グランドプラン
http://www.flickr.com/photos/jiathwee/2870629436/
proposed prison at outram in 1880s by colonial engineer JFA McNair.
「建築の即物的な力を借りて、はじめて制度は成り立っていると言える」
–山本理顕
近代社会は法律/規則/作法/マニュアルに従ったビルディングタイプが人間を身体を規律化することで成立している
http://www.flickr.com/photos/e-wander/2685155917/
• システム
–相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体。系。一般性の高い概念であるため、文脈に応じて系、体系、制度、方式、機構、組織といった多種の言葉に該当する。
• ”システム”はソフトウェアに先立って存在する
–我々がデザインしているモノはなにか?
–ソフトウェアパターンはどの視点か?
• 一方で、画一化からビルディングタイプの意図的な解体も行われている
–複合施設
–ホテルみたいな病院
• 企業内システムは複合施設的であり、ビルディングタイプは解体すべきともいえる?
包囲光(アフォーダンス)
http://www.flickr.com/photos/imaxandco/1460496013/
伝統的な”視覚観”ヒトはモノを見ているのか?
人はサーフェス(表面)のレイアウトに包囲されている。
http://www.flickr.com/photos/imaxandco/1460496013/
包囲光=セカイは光の粒で満ちている。目は、サーフェスの肌理が投影された光に包まれる
肌理からエッジを発見し経験的にモノを認識する
http://www.flickr.com/photos/imaxandco/1460496013/
• オブジェクト指向
–対象ドメインからオブジェクトを探し出して、名前をつける
–同じ情報が与えられても、同じオブジェクトが認識できるとは限らない
–経験がないドメインに参加すると、なにも認識できない
–一度認識できてしまうと、そこから離れるのは大変
–一方で、セカイは常に変化する
認知発達ロボティクス
http://www.youtube.com/watch?v=SSkG5xf_ytQ
学習 = 辞書(行動規定)
http://www.flickr.com/photos/unloveable/2387650243/
獲得すべき行動をロボットの脳に直接書き込むのではなく、他者を含む環境を介して(社会性)、ロボット自身が自らの身体を通じて(身体性)、情報を取得し(適応性)、情報を解釈していく過程をもつことである(自律性)
–ロボットインテリジェンス p313
http://www.flickr.com/photos/28481088@N00/527440958/
構造によって動きを表現するのはヒトの宿命。
ドアの構造は「扉が開くという動き」の可能性を内包している。
設計者が直接的にドアの行動を指示しているわけではない。
http://www.flickr.com/photos/globetrotter1937/189365945/
• ソフトウェアでも動きを直接デザインすることはできない。静的な構造で表現する
–動き(=振る舞い)は静的な手続きという構造で表現する
–クラスとインスタンス
• ここがプログラマの能力に関係している気がする
• 逆に、ソフトウェアに身体を持たせられないのか
–直接的に環境と対話させる。動作を獲得するための構造を提供する
–人間に認識されたモノをソフトウェア化しても、環境の変化には耐えられない
–比喩による設計手法には思考/発想的な限界があるのではないか。オブジェクト指向とか
現状認識
http://www.flickr.com/photos/adamneilward/4040186468/
そのソフトウェアを使う価値はあるのか?
参考文献
• ランドスケープ・アーキテクチャ– 『ランドスケープ批評宣言 【増補改訂版】』
• landscape network 901*/INAX出版(2006/2/1)
• ビルディングタイプ– 『ビルディングタイプの解剖学』
• 五十嵐 太郎, 大川 信行/王国社 (2002/12)
• 包囲光(アフォーダンス)– 『包まれるヒト』
• 佐々木 正人/岩波書店 (2007/02)
– 『差分』• 佐藤 雅彦, 菅 俊一, 石川 将也/美術出版社 (2009/3/31)
• 認知発達ロボティクス– 『季刊d/sign no.13』「赤ちゃんロボットが現れた」
• 國吉康夫, 佐々木正人/太田出版(2006/10)
– 『ロボットインテリジェンス』• 浅田 稔, 國吉 康夫/岩波書店 (2005/10/25)
– 『ロボットと知能』 (PDF)• http://ocw.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/lecture-notes/GF_07/09kuniyoshi.pdf