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海外PCゲーム動向 SteamKickstarterVR 株式会社デジカ 岩永朝陽 [email protected]

GTMF 2016:海外ゲーム+VRパブリッシングとクラウドファンディング事例 株式会社デジカ

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海外PCゲーム動向

Steam、Kickstarter、VR

株式会社デジカ 岩永朝陽[email protected]

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株式会社デジカの紹介

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株式会社DEGICA

• 吉祥寺に拠点を置く会社です。社員の6~7割近くが外国人, ゲーム好きが多い!公用語は英語と日本語

• ソフトウェアのEコマース事業を11年展開Eコマース、開発、そしてゲームパブリッシシング

• Valve社とデジカの取り組みゲーム&ソフトウェアのパブリッシャーSteamウォレットコードの販売(日本円で販売)2014年8月に日本円での決済開始その際にデジカPayment Gateway=Komojuが採用

→Webmoney、コンビニ支払、銀行振込み等が可能となる!

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デジカのビジネス構成

デジカのビジネスは大きく3つのモデルに分類される

1.デジタルコマース事業(Digital Commerce)•デジタルコマースのストアは現時点で50店舗ほどあり、海外の事業者が国内で販売する場合と国内の事業者が日本国内および海外で製品を発売をサポート•デジカではデジタルコマースを展開する上で必要となる、システムプラットフォームがすでに最新の技術を使って構築されており、クライアントはデジカシステムを使ってサービスをすることができる。

2.海外パブリッシング事業(Publishing)•デジカでは、開発されたゲームをローカライズ(日本語→他言語、他言語→日本語)を行い、海外・内で発売を行っている。•主な販売チャンネルとしては、STEAMプラットフォームやその他の販売チャンネル

3.決済システム(PaymentGateway)•日本の各種決済システム(コンビニ、銀行振り込み、日本のクレジットカード等)に対応•STEAMが円決済を2014年8月より実施、デジカの決済システムを採用

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パブリッシュタイトル

シューティング:虫姫さま、ダライアスバーストビジュアルノベル:マブラヴ格闘ゲーム:恋姫演武アクションゲーム:Phantom Breakerソフトウェア:RPGツクール

現在:DLC含めて総タイトル数:219

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主な業務提携先(ゲーム関連だけ抜粋)

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Steam/PCゲーム市場の動向

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市場概況

● 2016年の全体の市場規模推定値は9.96兆円。

● PCゲームは前年実績3.12兆円から3.19兆円と微増。

グローバル市場ではPCゲームはビデオゲームの中心。

2016年 ビデオゲームのグローバル市場

Global Games Market Revenues 2016 | Newzoo https://newzoo.com/insights/articles/global-games-market-reaches-

99-6-billion-2016-mobile-generating-37/

PCゲーム3.19兆円

タブレットと携帯機1.16兆円

コンソール2.9兆円

スマートフォン2.71兆円

トータル 9.96兆円

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2016年 ビデオゲームの地域別市場規模

日本の市場規模約1兆円強

欧州2.35兆円

北米2.54兆円

南米4.1兆円

アジア4.66兆円

トータル 9.96兆円

Global Games Market Revenues 2016 | Newzoo https://newzoo.com/insights/articles/global-games-market-reaches-

99-6-billion-2016-mobile-generating-37/

地域別市場規模について

● アジアの成長はめざましく、全体の成長の約58%がアジア地域によるもの。

● 中でも中国の市場規模が2.44兆と大きいが、その半分はモバイル市場である。

アジア、南米といった地域の成長がめざましいが、PCゲーム市場は今のところ北米、欧州中心である。

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ビデオゲーム市場の推移

Global Games Market Revenues 2016 | Newzoo https://newzoo.com/insights/articles/global-games-market-reaches-

99-6-billion-2016-mobile-generating-37/

市場推移について

● 市場全体は年間6.6%成長の予想。● モバイル市場の拡大のため、PCゲー

ムのシェアは34%から29%まで縮小。● だが、市場全体が拡大するため、PC

ゲームは年間3%の成長が期待される。

PCゲームは爛熟期にあり、現在の市場規模は2010年代を通して安定状態。

PCゲーム

PC/MMO

ブラウザゲーム

34%32%

31%30% 29%

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Steamの成長(アクティブユーザー数)

STEAMのアクティブユーザーは1億6000万人に迫る勢い!同時接続最多1300万人圧倒的な成長は変わらず

2013年3月8000万人

2014年9月1億人

2015年3月1億2500万人

2015年11月1億5000万人

2016年3月1億6000万人到達間近

Awesome Video Game Data 2016

http://www.eedar.com/blog/eedar-insights-gdc16

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Steamの成長(タイトル数)

Steamのタイトル数は約8000本、2015年は発売タイトルが3500本に!今年中には1万本に迫る勢い

プラットフォーム別の比較

● 青:PS3、Xbox360、Wii● 黒:PS4、XboxOne、WiiU● 黄:携帯機● 赤:Steam

Steamは2013年にすでに最多タイトルをリリースするプラットフォーム。勢いはますます増し、圧倒的なタイトル数を誇るプラットフォームへ成長

Awesome Video Game Data 2016

http://www.eedar.com/blog/eedar-insights-gdc16

インディータイトルの増加

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海外ゲーム市場の動向:インディーゲームの定着

● インディーゲームの定着● 今年のE3ではSonyとMicrosoftの出展タイトルの半数がインディー。● 多くのタイトルは先にSteamでリリースされている。● Steamでヒット、コンソールでもリリースという流れが定着。

⇒Steamはコンソールへのタイトル供給に大きな役割りを持ち、Steamからヒットしてからのさらなる展開が期待できる。

『Don't Starve Together』Steamで400万DL

PS4ブースでの展示

『Outlast 2』前作がSteamで100万DL

XboxOneブースでの展示

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海外ゲーム市場の動向:インディー専門パブリッシャー

● インディーゲーム:独立系開発者によるゲーム本来、インディーゲームとは資金調達・開発・パブリシングを開発者自ら行うものだが、近年はインディーゲーム専門のパブリッシャーが増えている。

● インディー専門パブリッシャー

○ 何をもってインディーかは難しいが、重要な点は受託開発ではなく、開発者の自由な制作をパブリッシャーがサポートしていること。

⇒インディー市場は新規参入が増大。結果として新しい形でのパブリッシャーが形成され、ひとつのエコシステムを作っている。

Devolver Digital

『Hotline Miami』、『Downwell』などSteamで約50タイトル配信PS、Xboxでも販売映像配信も行う

Adult Swim Games

『Jazzpunk』、『Headlander』などSteamで約20タイトル配信ケーブルTV会社からゲーム業界に参入、PS、Xboxでも販売

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海外ゲーム市場の動向:運営型ゲームの増加

● マルチプレイゲームの流行○ 開発費の増大からFPS/TPSタイトルのシングルモードの廃止○ Eスポーツ市場の台頭○ SNSや動画などによる口コミマーケティングとの相性の良さ

● マルチプレイゲームのビジネスモデル○ F2Pとは限らないが、多くのタイトルは比較的安い価格+アイテム課金○ 頻繁なアップデート(最低月1回)とコンテンツの追加○ アイテム課金はPay2Winにならないスキン等○ ユーザーコミュニティと対話しながら安く長く売る

● 参考事例○ 『Payday 2』:600万人ユーザー、価格は29.99から19.99ドルに変更

■ 俳優とのコラボレーションスキンなどを使える○ 『Overwatch』:今年5月リリースで1000万人ユーザー、価格は59.99ドル

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最近のSteamアップデート

● Steam:更新が多いプラットフォームSteamはアップデートによって、様々なシステムや機能が追加、変更されていくプラットフォーム。このプラットフォームで販売するためには、それらの変化に対応していく必要がある。

● ここ1年の重要なアップデート1. ディスカバリーアップデート2. シーズンセールの変化3. バンドル販売の柔軟化4. リファンドポリシーの変更

これらを理解して対応していく必要がある。

Steamの機能の数々● 実績● トレーディングカード● クラウド● ワークショップ● シーズンセール● Weekendセール● フリーウィークエンド● キュレーター● Steam Greenlight

● Midweek Madness

● etc…

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最近のSteam動向を纏めてみた

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1. ディスカバリーアップデート

● ディスカバリーアップデートとは:2014年の秋に実施した主にストアページの大幅改修。その後も少しずつ更新。

影響:ストアページが個々のユーザーによってカスマイズされている。⇒ユーザーの関心にとまりやすいタグや説明文の設定をする必要がある。またウィッシュリストに登録されることにより、そのユーザーへの露出が上がるため、ウィッシュリスト登録の重要性が増した。

○ユーザーの趣味嗜好を反映したホームページ(ストアトップページ)○おすすめタイトルを探すディスカバリーキュー○タイトルをレコメンドするSteamキュレーター○タイトルだけではなくタグや説明文からサーチできる検索システム○ウィッシュリスト登録タイトルから自動メール配信

まとめるとユーザーの趣味嗜好によってタイトルの露出が最適化される形式(レコメンドシステム)へ。ユーザーの好みの判定は購入履歴、ウィッシュリスト、登録したキュレーターなどによって行われる。

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2. シーズンセールの位置づけ

● Steamシーズンセール:レギュラーの大型セールはサマーセール(6月下旬)、オータムセール(11月下旬)、ホリデーセール(12月末~1月頭)の年3回。これにハロウィンセール(10月下旬)、スプリングセール(3月月下旬)が行われる場合もある。

● 時間限定の大幅割引の廃止○ フラッシュセール:時間限定の大幅割引○ デイリーセール:1日限定の割引○ コミュニティチョィス:ユーザ投票による割引⇒セールは以前より落ちついたものへ

影響:シーズンセールでの大幅な割引だけでは、タイトルがユーザーにリーチしなくなった。ユーザーはより能動的にタイトルを探す傾向に。

⇒製品ライフサイクルにあったディスカウントと、ユーザーに関心をもってもらう努力。さらにウィッシュリストへの登録されることが、ここでも重要視される。

廃止

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3. バンドル販売の柔軟化

● 従来のSteamのバンドルの問題点○ バンドル内のタイトルを既に所有しているとタイトルがかぶる○ 個別のタイトルが割引されると、バンドルが割高になることもある

● バンドルのアップデート○ バンドル内に所有タイトルがあっても、

持っていないタイトルだけを特別価格で購入可能

○ 個別のタイトルがセールである場合、バンドルにも割引が反映される。

影響:ユーザーはバンドルが買い安くなる⇒過去のカタログなどをうまく新作の販売につなげる施策を考えていく必要性がある。

既に所有しているためバンドルの価格には乗らない

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4. リファンドポリシーの変更

● 購入から14日以内であり、プレイ時間が2時間以下だった場合は、理由を問わず、全額返金可能へ。○ 例外:映画コンテンツ、消費可能なDLC等⇒これまでもサポートを通して返金は可能であったが、より明白な条件でユーザーには非常にわかりやすくなった。

影響:● ユーザー側:返金がしやすいため、PCスペック等で動作しない場合の不安が少なくなった。

● パブリッシャー側:不具合や動作サポートによってはリファンドが発生しやすい。またこれまで以上の品質管理が求められる。⇒リリース時、リリース後も含めて品質管理に気が抜けないプラットフォームへ。

※返金の濫用により、Valve側から応じられない場合もある。※一度、返金したタイトルは買い直すことは可能。パッチやアップデートでもう一度、ユーザーに戻ってきてもらうことは可能。

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Steam/PC市場の今後の対策

● Steamでリリースするだけではゲームは売れない。○ タイトル数の圧倒的増加○ セールやストアページ、リファンドポリシーの変更

● 対策:質の良いコンテンツをユーザーの目に触れさせる。○ 第一に良いコンテンツを作る!○ Coming soonページをなるべく早く公開:ユーザーにタイトルの告知とウィッシュリストへの追加を促す

○ ユーザーの関心を惹くストアページ作成:検索にかかりやすいワード、ウィッシュリストに入れたくなる文章

○ ユーザーコミュニティと対話しながらの運営:キュレーターからのレコメンドをもらったり、新規コンテンツの開発につなげたり

○ FreeWeekend等、シーズンセール以外のキャンペーンの実施

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海外のクラウドファンディングについて

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資金調達総額からみるKickstarterの現状

● Kickstarter全体は安定して成長している。● ビデオゲーム分野では2014年に大きなギャップが生じ、さらに2015年は資金調達総額歴代1位の2013年に到達できなかった。

⇒ビデオゲームにおけるKickstarterでの資金調達は低迷したとも言われる。本当? Games on Kickstarter in 2015 - ICO Partners

http://icopartners.com/2016/02/games-on-kickstarter-in-2015/

全体の資金調達総額 ビデオゲームの資金調達総額6億ドル600億円

4000万ドル40億円

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目標金額別からみるKickstarterの現状

● 目標金額別でみると、2014年の大きなギャップは、50万ドルを超える大型プロジェクト(青)のファンディングがなかったことによるものである。

● 1万~5万ドル(橙)、5万~10万ドル(灰)は安定して資金調達に成功している。

● 10万~50万ドル(黄)の調達額は下がっている。Games on Kickstarter in 2015 - ICO Partners

http://icopartners.com/2016/02/games-on-kickstarter-in-2015/

目標金額別の調達額 目標金額別の成功プロジェクト数

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Kickstarter現状まとめ

● 全体の資金調達額はビッグプロジェクトに大きく左右される。● 小規模なプロジェクトは以前と変わらずに安定している。● しかしながら、プロジェクト成功率は17%と年々下がっている。

結論:Kickstarterは以前のような派手な盛り上がりが落ち着き、爛熟期に入っている。成功率も低く、そのため、より綿密なプロジェクトを立てる必要がある。

プロジェクト成功(橙)と失敗(青)の数

2015年成功率は17%

2014年成功率は20%

Games on Kickstarter in 2015 - ICO Partners

http://icopartners.com/2016/02/games-on-kickstarter-in-2015/

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Kickstarterをやる意義

メリット● 資金調達:直接的な利益を出すことではない● 絶大な広告効果:コンテンツやIPを広める効果は高い● コミュニティビルディング:ロイヤリティが高いユーザーコミュニティを作れる

デメリット● ファイナンスにおけるリスク:調達額、コストともに不透明● マネジメントコスト:ユーザーと対話していくことには苦労も多い● ユーザがどこに住んでいるか終わるまで特定できない(配送の問題)

クラウドファンディングは直接利益を得る仕組みではなく、ユーザーと共に夢を実現することで、そのコンテンツやIPの価値を高め、意識の高いコミュニティ形成を実現できる装置である。

⇒以下では私たちの経験した事例からこれらを説明

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ケーススタディ:マブラヴプロジェクト

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マブラヴプロジェクト実施概要

● 目標金額:25,000ドル● 期間:2015年、9/25-11/4● ゴール:『マブラヴ』、『マブラヴ・オルタネイティヴ』の英語ローカライズ、UI改善、OSサポート

● ストレッチゴール:1. 新規CG、BGM、ボイスなどの追加2. デジタル版公式設定資料集の制作3. サイドストーリーのローカライズ4. 公式設定資料集のフィジカル版+Figmaの再生産

● リワードの種類:OST、資料集、フィギュア、抱きまくら、コレクターズボックス等

結果● 獲得金額:1,255,444ドル● 支援者数:7,890人

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プロジェクトのアナウンス

● マブラヴファンが一番、注目するであろうAnime Expoで実施。○ メディアカンファレンスを実施。○ ブースを確保:サイン会、物販等を実施。

● 同タイミングでGleamというプラットフォームを利用した告知キャンペーンを実施○ SNS等で告知したユーザにプレゼントが当たる仕組み。

○ 約5000回の告知がなされ、500人以上のユーザーが参加。

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プロジェクトの事前発表

● ユーザーの期待に応えるPrefundiaというサービスでプロジェクト内容を公開。○ ストレッチゴール、リワードの概要を書いてユーザーからのフィードバックをもらうことができるサービス。

○ 概要を書くとユーザーからコメントが(大量に)付く。○ ユーザーの期待とプロジェクトの実現性を秤にかけてプロジェクトを修正していく。

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3点のポイントの中で決断をする

正三角形を目指す

ユーザ(バッカー)が何が喜ぶか?=投資金額が増える

コスト大丈夫?=ちゃんと作って送れるの?欲しいものになってるの?

ストレッチのゴール設定=高すぎるとリーチしない低すぎるとコスト問題発生

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キャンペーン開始と期間中

● 通常のプロモーション:プレスリリースやメディアとの連携● Kickstarterのアップデート:Kickstarterの機能を使い、新しいリワード、ストレッチゴールなどを逐次更新。終了まで17回の更新を行った。

● Gleamを利用して外部からキャンペーンサイトへ誘導○ 同じくSNS等で告知したユーザーにはプレゼントグランドプライズは東京旅行(エアチケットは別)

○ 70,000回以上の告知、7168人が参加● SteamGreenlightに登録

○ Gleenlightは本来、Steamで販売するためのユーザー投票だが、告知効果、ユーザーコミュニティ生成のために利用。

○ ユーザの相互乗り入れ効果!

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キャンペーン到達後

● Kickstarterのアップデートはその後も続ける:ユーザーへのアナウンスツール

● BackerKit:Kickstarterと連動してユーザー情報を管理するサービス○ アンケート調査○ 追加オーダーの受注○ ダウンロードコンテンツの配布○ ユーザー情報の管理○ ショッピング情報の管理⇒これを利用すれば、キャンペーン終了後も支援者に様々な商品を販売することも可能。Kickstarterの支援者は優良顧客となる。

成功したKickstarterのキャンペーンは、単なる資金調達にとどまらず、ユーザーコミュニティを形成し、さらには今後の優良な顧客名簿を作り上げることにつながる。

BackerKitでの追加注文の一例

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Kickstarter

を成功させるには?

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明らかになったリスク

● フィジカルリワードの問題点○ 制作費と製造費とスケジュール○ 制作コスト問題

● シッピングリスク○ シッピングコスト(ファンは世界にいた!)○ データの不確実性○ 保管場所、保管コスト、返品問題、製造国と税関の問題

● その他○ 到達金額をどう見るか?(到達金額≠リワード)

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うまくいくKickstarterプロジェクト

● 予算管理はしっかりと○ はじめが肝心!!達成金額と制作コストをしっかりバランスとれるように事前に入念な調査が必須。

● なるべくフィジカルのリワードはつけない。デジタルが無難

● 但しユーザの志向を入念に調査しないとプロジェクト自体が失敗してしまう。

● 広告効果の最大化● 配送費はなるだけユーザ負担がよい(もしくは地域を限定するか?)

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Steam VR(HTC Vive)の戦略と展開

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VRコンテンツマーケットについて

4月よりSteamでもVR一般販売が公開になりまだデータからの結論を出すには時期尚早だが。。。

●Steamタイトル数(2016/07/15現在)- HTC Vive対応306

- Oculus Rift対応160

- 全部合わせて366(1ヶ月間で平均150のVRタイトルが出ているペース)

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VRコンテンツの販売目的

● 現在まだまだ売上に関しては未知数である。(最大のDLはこんな感じです。自社調べ)

○ 販売目的■ 有料ダウンロード最多 Heaven Island Life 約14万

○ プロモーション目的■ 無料ダウンロード最多 The Lab 約20万DL

● プロモーション目的として出した場合は、実際のゲーム販売とは別の購入者セグメントが顕著に出た。

(中国圏が実際のゲームタイトルより多くなるなど、VRに興味のある国が浮き彫りになる)

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プロモーション利用

● プロモーションとしての利用は?○ 無料でリリースして既存コンテンツの宣伝

Steamの場合は露出が増える!

○ イベント等の出し物として利用ただし旬はここ1年が勝負

○ 実際にコメントみても、VR対応をしているだけで好感頂いている

○ まだVRによる明確な売上との連携は見えていない。

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VRコンテンツの開発事例「Muvluv VR」

● モデルは既存のものを使用⇒テクスチャ、リグなど入れる● Unreal Engineで開発● インタラクションや演出では試行錯誤

○ 移動方法は酔いを避けるためにワープ方式○ イベント用にわかりやすい操作系

プロモーション用途として短期で開発してユーザフィードバックを得る事が重要。次の企画の参考となる事が聞けた!

作品をプロモーション向けに作ってみる

Userからフィードバックをも

らう

商業用のVRを企画する

3月~4月で制作 6月リリース 今後

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デジカのVRでの取り組み

● HTC Viveの体験スペースを増やす● HTC ViveのVR体験を良い体験にする

● www.vivedemo.jp

● Steam VRの開発者サポート● HTC Viveの国内販売

まずは、小さくともVRの取り組み社内で促してチャレンジする事が重要。コストはなるだけ抑える。デジカとしてはVRコンテンツの取り組みをハード・ソフト面からサポートします。

詳しくはデジカまで! [email protected]

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ご清聴ありがとうございました。