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セミナー「企業WebサイトにおけるJIS X 8341-3:2010対応の実践例」の資料です。講師および資料作成を担当したのは、ウェブアクセシビリティ基盤委員会 作業部会1委員で、日本電気株式会社の安氏です。 NECグループがアクセシビリティに取り組む理由を、グループとしてのビジョンにまで立ち戻り、そこから「なぜ」をいくつかの要素に分解し詳説。取り組むうえでのポイントとして挙げられたガイドライン、社内教育、体制整備の3点は、あらゆる企業Webサイトにとって必要な存在であり、また参考にしていただけるかと思います。 CEATECでの講演内容に加え、NECデザイン&プロモーション デザイン事業本部の川嶋氏と盲導犬サニーによる「実感できる教育のしくみづくり」の資料も含まれています。
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WAIC 企業Webサイト実践例セミナー
NECのアクセシビリティと JIS X 8341-3:2010への取り組み
2013年12月10日 NECデザイン&プロモーション
デザイン事業本部
安 浩子
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はじめに
▌NEC Japan URL:http://jpn.nec.com
月別訪問者数 約110万人 月間PV:700万PV
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はじめに
▌NECサイトのJIS X 8341-03:2010 対応状況
アクセシビリティ方針の公開
2015年までに、http://jpn.nec.com/ドメイン配下 JIS X 8341-3:2010の等級AAに準拠 を宣言
NECグループの目指す姿と アクセシビリティ
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NECグループ ビジョン2017
人と地球にやさしい情報社会を イノベーションで実現する
グローバルリーディングカンパニー
NEC Group Vision 2017
To be a leading global company leveraging the power of innovation
to realize an information society friendly to humans and the earth
(2008年制定)
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人と地球にやさしい情報社会
人にやさしい いつでもどこでも誰もが使えるサービスによって 安心・安全・便利で豊かな個人生活を実現する情報社会
地球にやさしい 限りある資源を効率的に活用し
地球環境と共存・持続的な発展を可能とする情報社会
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社会ソリューション事業への注力
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NECのアクセシビリティ
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なぜアクセシビリティに取り組んでいるのか?
1. ICT企業としての社会的責任 社会変化によるユーザー層の拡がり 情報通信技術の進展によるデジタルデバイドの進行
2. コンプライアンスの観点 法令や国際規格制定の動きが活発化
米国リハ法508条 、日本工業規格(JIS)、障害者差別解消法
3. 社会ソリューション事業の要件 社会ソリューション事業向けシステムにおける機能要件 (多くは利用できないと社会生活に支障がでるシステム) 公共のシステム、ウェブサイトでの要件化
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なぜ ウェブアクセシビリティに取り組んでいるのか?
NECサイトは、さまざまなステークホルダーとの コミュニケーションを担う重要なメディア
▌ウェブサイトは、お客さまにとって1stコンタクト :顧客満足を重視 ▌BtoC、BtoB、 会社情報(投資家、採用、報道関係者など)における コミュニケーション
NECグループサイトのビジョン
CS : お客さまにとっての問題解決のツール ビジネス : 販促に活用するツール、マーケティングの手段 ブランド : NECの魅力を体感していただく場
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社会の課題解決に貢献できる企業になるために
事業活動をとおして社会的課題解決に 貢献するためには、社会の動きを俊敏に感じ取るための
ステークホルダー・コミュニケーションが重要
NECグループ
従業員
地域社会
お取引先
地球環境
社会 お客さま
株主・投資家
NECのウェブアクセシビリティへの 取り組み
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ウェブ技術動向と、アクセシビリティ/JIS対応への課題
NEC公式サイト立ち上げ
1994
アクセシビリティ動向
1994 W3C ウェブ標準化活動
2001 米リハ法508条施行
JIS X8341-3: 2004
2005 みんなの公共サイト運用モデル
JIS X8341-3: 2010
年 度
2000
2004
2010
2012
2015
ウェブ技術
様々なブラウザ、バージョンの登場
(NetScape、InternetExplorer、Opera、
FireFox など)
リッチメディア (Flash、Javaアプレット、Ajax など)
CMSによる システム統合
ソーシャルメディア(YouTube,FB,
Twitterなど)の登場 グローバル化
対応課題
様々な ウェブ環境 への対応
各メディアの対応度に依存
CMSの 対応度に依存
SNSの 利便性と対応度
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NECのウェブ戦略とアクセシビリティへの取り組み
年 度
1994
2000
2004
2010
2012
2015
NEC公式サイト立ち上げ
NECの取り組み
ウェブアクセシビリティ
1994: アクセシビリティ取組み開始 ※数名の有識者による北欧・米アクセシビリティ調査開始
2000: ウェブアクセシビリティの取組み開始 ・アクセシビリティガイドライン作成 ・ツールの整備 ※W3Cの社内勉強会を実施しJISに先行して対応 ※日本工業標準調査会JIS策定委員参加
2005:ガイドライン・ツールの強化 ※独自のアクセシビリティチェックツールを開発 「ウェブ JUDGE」「VIS JUDGE」
2010: JIS X 8341-3:2010準拠に向けての 計画検討開始 2012: JIS X 8341-3:2010対応方針と テスト結果の公開 2015年までに、国内ドメイン配下 JIS X 8341-3:2010 等級AAに準拠を宣言
ウェブ戦略
個別最適な 情報発信
独自サイト立上げ
情報発信の 統合化
CMS導入
コミュニケー ション強化 SNS連携
グローバル 統合化
ドメイン統合
情報発信サイトからマーケティングサイトへ
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アクセシビリティJIS対応に向けて NECサイトにおける取り組みのポイント
▌1.ガイドラインの整備 目指すべき姿と現場の状況に即した実施方法の提示
▌2.アクセシビリティ教育 グループ社員全体の意識底上げ、必要性の実感
▌3.運営体制 NECグループ全体で迅速な情報共有と 対応を実現する運営体制
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1.ガイドライン整備
▌目指すべき姿と現場の状況に即した実施方法の提示 基本となるウェブガイドラインウェブサイトの品質を一定の水準に保つためのポリシーや 制作ルール。サイトの位置づけ・役割、サイト立上げ・運営、 コンテンツ設計・共有、お問合せ対応など。
特に配慮すべき事項への詳細ガイドライン 例) 10項目弱の詳細ガイドラインを整備 •ソーシャルメディア行動指針に関するガイドライン
•お問い合わせ対応および個人情報保護対応ガイドライン •アクセシビリティガイドラインなど
ガイドライン適用サポート •共通テンプレート化による適用容易性の向上 •イントラサイトでの補足情報の公開 要望の多い解説情報やQAは イントラサイトでわかりやすく説明。
アクセシビリティガイドライン JISに記載のないプロセスや対応方法 について適用の現場にヒアリングの上 具体的に記載
共通テンプレートでアクセシビリティ 対応を行い、全体に適用している
▲
▲イントラサイト:JISの構造を 図を用いて2004と2010 の違いをわかりやく解説
▲
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(参考)ガイドライン適用サポート ~共通テンプレート化~
▌共通テンプレート化による適用容易性の向上 1994年~ :正しい文書構造のテンプレートHTMLを用意し配布 2000年~ :CMSで編集可能なテンプレートと構文チェック機能提供 2012年~ :CMSで全ページパーツとテンプレート配布 (グローバル適用) ※CMSで全パーツを用意し、ガイドライン適合したページの自動生成で 人的なタグミスを排除、見出しレベルの整合など構文の知識を要する部分も自動化 アクセシビリティガイドラインに即したページを、簡単に制作できる仕組みづくり
①テンプレートを選び 中身を修正する
②パーツを追加する
③パーツを非表示にする
④ガイドラインに適合したページの自動生成
(見出しレベル順 など自動整合)
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(参考)テンプレートとパーツの例
テンプレートの例 ▌ ▌パーツの例 (約100種類用意)
見出し
日付+文書
囲みの画像+リンク
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▌
2.アクセシビリティ教育
グループ社員全体の意識底上げ、アクセシビリティの必要性を 実感できる教育のしくみづくり
eラーニング(必須教育) NECグループの全社員を対象としたeラーニング 累計33,000名受講 アクセシビリティ対応の重要性や法令、 JIS規格について基本的な知識を教育
アクセシビリティ基礎セミナーの開催 JIS X 8341-3やアクセシビリティに対する 基礎的な知識を修得することができる、 講習会、セミナーを開催
アクセシビリティ体験ワークショップ 様々な疑似体験器具を身につけて、 高齢者や障がいのあるかたの 日常生活や商品の操作感を疑似体験
▲
教育用 教材コンテンツ
セミナー形式でのアクセシビリティ教育の様子
▲アクセシビリティ体験ワークショップの様子
▲
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3.NECグループのウェブ運営体制
▌NECグループ全体で迅速な情報共有と対応を実現する運営体制
ウェブ活用推進連絡会 NECグループウェブ運営検討、実行体制
全社ウェブ事務局
・全社ウェブ戦略策定 ・全社基盤運用
・NECホームページ全体統括 ・全社連絡/通知
・ガバナンス体制構築/維持 ・全社問合せ管理
事業部門
ウェブ統括責任者 ・担当製品/ソリューション/ サポート等のコンテンツ制作
ウェブ統括責任者 ・自社ホームページの運営
関係会社
グローバルヘルプデスク (シンガポール)
ウェブ運用体制
アクセシビリティ対応連携
アクセシビリティ推進部門
デザイン戦略部門
・全社デザイン戦略策定
・ アクセシビリティ対応
指針の策定
アクセシビリティ専門家部門
・アクセシビリティガイドライン内容検討
・制作方法、試験方法の
検討と実施
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(参考)実感できる教育のしくみづくり
▌実感を伴ったアクセシビリティJIS対応のために
NECデザイン&プロモーション デザイン事業本部 川嶋とサニーの活動
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(参考)実感できる教育のしくみづくり
▌実感を伴ったアクセシビリティJIS対応のために
自己紹介
障がいの程度 ・1974年生。先天の弱視
・数年間に全盲状態となる
・アイメイト(盲導犬)のサニーとの生活は6年前から
担当業務 ・ウェブ読み上げのアクセシビリティチェック
・ハード・ソフトのアクセシビリティ評価
・UDの社内啓発・情報収集・情報発信
NECデザイン&プロモーション デザイン事業本部 川嶋、サニー
Page 23 NEC Group Internal Use Only
どんなオフィス生活? Q:
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▌
どんなオフィス生活?
通勤時やオフィス内の歩行
写真1:サニーとの歩行
写真2:白杖での歩行
写真3:手引きでの歩行
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▌
どんなオフィス生活?
仕事環境
写真1:パソコン操作
通常は、キーボードによる操作・入力と、音声による読み上げ確認
写真2:点字ディスプレイによる確認と入力を行うこともある
写真3:携帯操作:音声による確認と入力
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▌
どんなオフィス生活?
仕事をする上での様々な支援機器
写真1:文字コード読取機 写真2:視覚障がい者用ICレコーダー
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Q: アクセシビリティJISなどの 標準化、規格の整備の必要性を 感じる場面は?
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アクセシビリティJISなどの 標準化、規格の整備の必要性を感じる場面は?
① デバイス/OS/ブラウザなど様々なウェブ利用環境の利用
② リッチメディアコンテンツの利用
③ CMSの機能による、利用できないページの量産
④ 情報の変化が激しい、ソーシャルメディアの利用
▌ アクセシビリティJIS対応による効果 多様なユーザーの社会参加を助け、社会問題の解決に貢献
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Q: アクセシビリティの 教育を促進するには?
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(参考)社内情報発信活動 ~グループ社員向けUDメール~
▌活動の当初、アイメイトのサニー発信 のメルマガ「Sunny Side UD」 ▌効果:アクセシビリティの認知度向上
▌現在、UD/UCDメールでの 新しい技術を使ってみた所感や 面白いと思う技術の情報共有 ▌効果:新しい多様な視点の発見
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アクセシビリティにまつわる最近の受賞歴
▌企業ウェブグランプリ 浅川賞(アクセシビリティ賞) 2012年浅川賞特別賞 日本電気株式会社 宙(そら)への挑戦 http://jpn.nec.com/ad/cosmos/index.html コンテンツもテンプレートもチャレンジしている点を 評価を頂き、受賞しています。
2011年浅川賞特別賞 日本電気株式会社 CSRアニュアルレポート2011 http://www.nec.co.jp/csr/ja/report2011/index.html アクセシビリティに関し模範的な対応という点を 評価頂き受賞しています。
※企業ウェブグランプリサイトより 浅川賞は、IBMフェロー浅川智恵子にちなんで創設されたサイトのアクセシビリティ品質を問う賞です。 視覚障害者による審査、選考委員による投票と 合議により、浅川賞が選出されています。
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まとめ
▌NECグループの目指す姿とアクセシビリティ
NECグループ ビジョン2017
なぜ ”ウェブ”アクセシビリティに取り組んでいるのか?
▌NECのウェブアクセシビリティへの取り組み
ウェブ技術動向と、アクセシビリティ/JIS対応への課題
NECのウェブ戦略とアクセシビリティへの取り組み
▌アクセシビリティJIS対応に向けて NECが考える取り組みのポイント
1.ガイドライン整備
2.アクセシビリティ教育
3.NECグループのウェブ運営体制
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参考:NECのウェブアクセシビリティ対応サポート
▌NECのウェブサイトで実施しているアクセシビリティへの取組みは お客様向けのシステム構築にも提供しています。
▲
▲
1. アクセシビリティ対応 コンサルテーション
2. アクセシビリティ評価
3. アクセシビリティ対応 ウェブサイト/システム制作
4. アクセシビリティ教育
5. ユニバーサルデザイン モニターによる評価
アクセシビリティへの対応支援・制作 (独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構 就労支援機器のページ)
アクセシビリティに対応したウェブシステム制作 (自治体業務システム GPRIME)
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参考:NECのアクセシビリティ製品・ソリューション
人にやさしく、簡単かつスピーディー な議事録作成「VoiceGraphy」 2013年度グッドデザイン賞を受賞 http://www.nec.co.jp/soft/VoiceGraphy/index.html
「 VoiceGraphy 」の お客様導入事例をウェブサイトで ご覧頂くことができます。 http://www.nec.co.jp/soft/ VoiceGraphy/download.html
「 WillCommunity2.0/CMS」 は、JIS X 8341-3に従ったチェック 機能を装備し、高齢者・障害者に配慮したコンテンツ構築をサポート するウェブサイトの構築・運営システム http://www.nec.co.jp/pfsoft/willcommunity/cms_top.html
「 WillCommunity2.0/CMS」の お客様導入事例をウェブサイトで ご覧頂くことができます。 http://www.nec.co.jp/pfsoft/ willcommunity/download/ tobu-dept.pdf
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NECのアクセシビリティに関するお問合せ先
NECデザイン&プロモーション 安 浩子 [email protected]
川嶋 一広 [email protected]
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