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危険な患者搬送をなくそう!!
大阪市立大学医学部附属病院
サークル名:元気なエイド隊 代表:石橋いしばし
朋美と も み
はじめに
私たちは、大阪市立大学医学部附属病院に勤務するナースエイドです。
現在 59名が各病棟に配属され看護師の指示のもと看護補助業務を行っています。
業務内容は看護師と協働して患者様の直接ケアの実施したり、ナースステーション内の物品管理、そして搬送業務な
ど多岐にわたります。その中で業務の大半を占めるのが患者様の搬送業務です。安全性が担保でき、患者様に安心
していただける搬送業務を目指し、業務改善に取り組みました。
テーマ選定
ナースエイド業務の中では、病棟患者の他科受診・リハビリなど患者搬送が大きく占めています。
しかし、新人職員の入れ替わりが多く、安全な方法での搬送が出来ていたか疑問に感じていました。
そこで各ナースエイドが統一した方法で、また安全管理への意識を高め実践できるような方法について取り組みたいと
考え、今回のテーマに決定しました。
【活動の概要】 (1)施設名(大阪市立大学医学部附属病院 看護部ナースエイド)
(2)テーマの種類 □①診察治療 ■②安全 □③患者サービス/満足度向上
□④無駄削減・能率・業務環境 □⑤質管理システム □⑥その他
(3)目標 危険な患者搬送を減らし、安全に搬送をおこなう
(4)活動前後の指標の変化 患者搬送マニュアルの周知が 48%から 100%に達成した。
(5)活動の種類 ■①職場単位のグループ活動 □②複数の職場が連携したグループ活動
□③テーマに合せて召集されたチームプロジェクト □④その他
(6)チームの名称 元気なエイド隊 (7)実施時間 計26週
(8)所属部門 □①診療部門 □②支援部門 □③事務所部門 ■④その他
(9)チームリーダー 名前(伊藤 順子) 所属部署( 看護部 ) 職種( 看護助手 )
(10)チームメンバーの人数 9 人 (11)活動回数:今回で1回目
(12)QC ストーリー ■①問題解決型 □②課題達成型 □③その他
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活動計画
現状把握
※調査1 (ナースエイド職員数)
平成 20年度は、本務職員 44名・
短時間職員 16名、平成 24年度には
本務職員 23名・短時間職員 33名であ
り、短時間職員が本務職員を上回り、さ
らに短時間職員の平均勤続年数はな
んと 1年半という厳しい結果になった。
※調査2 (過去 4年の病床利用率)
過去 4 年間の病床利用率を見てみると、
グラフのように年々増加していることが
分かる。
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
2月1日現在本務職員 短時間職員
(人)
作成日:2012年12月 作成者:石橋
75%
76%
77%
78%
79%
80%
81%
82%
83%
77.90% 78%
80%
82.30%
作成日:2012年12月 作成者:和田
3
※調査3 (過去 4年の患者搬送数)
患者搬送も年々増加しており、24
年度では年間件数 48972 件、1 日
の平均 208 件で、多い部署では 1
日 45件、単純に考えると 90往復し
ていることが分かった。
※調査4 (ナースエイド業務)
日々の業務の中で、いつ搬送業務を行っているのか確認してみた。時差出勤のため 7時 30分~11時までは 1人で
業務を行っている。この時間帯に 20件もの搬送が必要な部署もあり繁忙度が高くなり、精神的にゆとりのない状況で、
搬送を行っていることが分かった。
※調査5 (危険な実態)
取り決め以外の搬送があり、搬送中に転倒の危険があり、対応に困難な状況が多く見られ、危険と感じているものにつ
いて、11月にナースエイド全体にアンケートを実施した。
①シリンジが 2台以上付いている ②酸素吸入3L以上の患者 ③搬送途中でトイレ依頼がある ④車イス搬送時にチ
ューブ類が付いている ⑤申し送りがないなど、の実態が明らかになった。
作成日:2012年12月 作成者:石橋
月平均
4
※調査6 (危険と感じる患者アンケート結果)
シリンジ 2台以上ついている搬送
が一番多く、次に酸素吸入3L 以
上の患者搬送だった。搬送時に
看護師の介助が必要である患者
さんからトイレ移送の依頼、難聴
の患者さんであると知らずに関わ
ることもあるなど、予想外の対応
を迫られる場合もある。
要因解析
特性要因図を用いてブレーンストーミングを行ない分析した。患者、ナースエイド、方法、システムという4つの大骨から、
搬送方法が多種である、マニュアルが活用出来ていないなどの重要要因が明らかになった。
シリンジが2台以上 酸素3ℓ以上装着中 搬送中のトイレ移乗 車イスにチューブが絡む 申し送りがない
11月実施
作成日:2012年11月 作成者:伊藤・石山
危険
(人)
60名中52名解答
5
目標設定
①ナースエイド全員が、平成25年 1月までに100%搬送マニュアルを周知する。
②危険な患者搬送方法を平成25年2月1日までに活動前の半分に減らす。
対策の立案
患者搬送方法の危険性を少なくするために、系統図を用いて具体的行動レベルまで対策を考えた。マトリックス図を
用いて、対策内容を評価し 15点以上を採用とした。
対策の実施
5W1H の原則に基づき、対策を実施した。患者搬送マニュアル・ポスターの掲示・主任研修をおこない、1 月にはポケ
ットマニュアル配布・スタッフ研修をおこなった。
6
効果の確認
※その1(患者搬送マニュアルが周知できているのか問題形式で調査実施)
改善前は周知数約 50%が、活動後は周知数 100%になり、目標1を達成。
※その2(危険と感じる患者搬送アンケート調査)
シリンジが2台以上、酸素吸入3L以上の搬送について、エイドの意識の向上がみられた。
活動前の 52件に比べ、活動後は 23件と半数以下に減少し、目標2を達成した。
無形効果
・患者搬送マニュアルを周知することにより、より安全な搬送をするように意識が高まった。
波及効果
・ナースエイドと看護師間のコミュニケーションが取りやすくなり患者搬送での疑問点も相談出来るようになった。
・繁忙時であっても看護師と申し送りが出来るようになり、安全な搬送が出来るようになった。
・看護師が患者搬送はナースエイドが行くのが当たり前という固定概念を取り除くことが出来た。
7
歯止め
ナースエイド統括主任が、随時新人に指導を行う。研修担当者が年 1回学習会をおこない、理解できるよう
に指導するなどとした。
反省と今後の課題
まとめ
私たちは今回初めての参加になりましたが、楽しく活動が行えました。ナースエイド間では搬送についての認識が高ま
ってきましたが、今後も新人配属時に教育し体制を整え、継続していく必要があります。今後さらに看護師間との情報
交換を密にしていき安全な搬送に対する意識を共有していき、質の向上を目指し他部署と業務改善に前向きに頑張
っていきたいと思います。
Who When what where How
標準化
定期的
教育
随時
6ヶ月に1度
年1回
随時
点検する
スタッフに指導する
理解出来るように指導する
患者搬送マニュアルを
安全な患者搬送の仕方を
学習会を
新人に指導する
業務委員が
主任が
統括が
研修担当者が
看護部との業務対策委員会
で
病棟で
エイド室で
18階病棟で
作成日:2013年1月18日 作成者:石橋
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