Scanning Electron Microscope JEOL JSM - 7600F 2. 1....

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Scanning Electron Microscope

JEOL

JSM - 7600F

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この USER MANUAL の使い方

落ち着いて、順番に手順を追うとサンプルの観察が可能です。

注意点

• 試料の高さをスケールで測ること

• サンプルホルダーをまっすぐ平行に試料交換室へ設置すること

• 試料交換棒をまっすぐ、余計な力を加えずに差し込む(引き抜く)こと

• 高さ(Z)と Working Distance (WD)について正しく理解すること

• 精密機器につき、力ずくの行動は不要です。

• 一つ一つの工程を慎重に、穏やかに行うこと。

• 磁性体は観察できません。装置が壊れます。

絶対に入れないでください。

• 磁性体の観察は FE-SEM-Fを利用すること。

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SEM 操作の流れ

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1. エラーメッセージが出ていないか確認する

2. サンプルを試料台にのせる

SEM のユーザーインターフェース上にエラーメッセージや警告音が出ていないかどうか

確認する。

下図スケールを使い、シリンダ上面からどのくらいサンプルが飛び出すのか、必ず計ること(こ

の数値は SEM 本体にサンプルを挿入するときに必要となるので必ずメモを取ること)(Fig.1)。

Fig.1. サンプルの高さ計測用メジャーとシリンダ直径 12.5mm、 高さ 26mm のサンプルホルダ

ー。シリンダ上面から高さが 30 ㎜以内のサンプルのみ設置することが可能。シリンダ上面から

SEM カラムまでの距離は常に 38 ㎜である。

30

mm

サンプルホルダーシリンダー上面

サンプルの高さ上限

38

mm

26

mm

SEM

カラム

サンプルホルダーの高さ

12.5mm

5

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作業を進める前に・・・・・・

複数の形状のサンプルホルダーがあり、サンプルの種類、観察目的に応じて適切なホルダー

を選択すること。

利用するホルダーの種類、正しいサンプルの載せ方を必ず理解して作業を進めること。

例えば、右図 直径 12.5mm と 26mm のホルダーの場合、サンプル表面とシリンダ上面

の高さが必ず一致している状態にすること(Fig.2)。

どうしてもサンプル高さがシリンダの上面を超えてしまう場合、サンプルの高さの上限

は シリンダ上面から 30mm 以内のものに制限される。30mm を越えるサンプルは設置

不可。

Fig.2. 直径 12.5mm 26mm のサンプルホルダーに載せたサンプルの位置(JEOLマニュアルより)

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3. サンプルを SEM チャンバー内に挿入する

① 上図ユーザーインターフェースがモニターに表示してあることを確認(Fig.3.1)(注1)

② 現在 SEM ユーザーインターフェース上でステージが試料交換位置

(X, Y, Z) = (0.0,0.0,38.0), R=0.0, T=0.0 であることを確認する(Fig.3.2.h)。

③ 試料交換室はロックされた状態で(Fig.3.2.g) 、また、ドアのランプが EVAC と EXCH POSN

のみ点灯していることを確認する(Fig.3.2.i, j)(注 2)通常この時点で、試料交換室と

SEM 本体チャンバーを分離するバルブは開いたままで、高真空の状態を保っている

(Fig.3.3.e)。

④ SEM モニター上 VENT(大気圧)ボタンをクリック(Fig.3.1.g-1)

VENT ライトが点滅を始める。同時に分離バルブが SEM チャンバーと試料交換

室のバルブが閉じ(Fig.3.3.k)、N2ガスが試料交換室に流入し大気開放される

(Fig.3.3.l)。SEM 本体は高真空を保っている。

⑤ VENT ライトの点灯が止まったら、クランプ(Fig. 3.2.h) をはずし、試料交換室のドアを

開ける。

(注 1)万が一このプログラムが起動していない場合は、デスクトップ上 SEM アイコン

をクリックし、ゲストアカウント(パスワード不要)で SEM を起動させる。

(注2)ライトが点灯していない場合、

a. ユーザーインターフェース内、観察タブ下 OFF ボタンをクリック(Fig.3.1.a)。

b. ユーザーインターフェース右側下部、SEM モニターでビームがサンプルに届いて

いないこと、(SEM カラムゲートが閉まっていること)を確認(Fig.3.1.d)。※閉ま

っていない場合は職員に連絡すること。

c. 観察ボタンをクリック(Fig.3.1.a)。

d. SEM モニターウィンドウ内、試料交換ボタンをクリックする(Fig.3.1.f)。

サンプルを試料交換室へ挿入する。

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分離バルブ

Open

分離バルブ

Close

高真空 大気開放

Fig.3.1. FE-SEM-J ユーザーインターフェースのメインウインドウ

Fig.3.2. 試料交換室と試料交換室

コントロールパネル

Fig.3.3. SEM チャンバーと試料交換

室の真空状態の違い。(k) 分離バルブ が

閉じられた状態。(l)試料交換室は大気解

放され、SEM チャンバー内部は高真空を

保っている状態

a

b

c

d

e f

g-1

h

i

j

l

k

g-2

11

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試料交換室内

組み込み金具

組み込み金具に試料ホルダーをまっすぐ

はめ込む

試料ホルダーのFlatな面が組み込み金具に接し、つかみ金具の内側に収まるまでは

め込む

(注3)

a. 試料の高さは試料ホルダーの上面から 30mm以内に収まるもののみ設置可能。

b. 試料ホルダーのフラットな面が挿入方向に対して垂直に設置されていることを必ず確

認すること。

試料ホルダーが正常に組み込み金具に固定されないと、試料ホルダーが落下し、SEM 本体に

ダメージを与えるので以下に注意すること。

• サンプルホルダーと組み込み金具の間に隙間を作らないこと。

• ホルダーは丁寧に組み込み金具に押し込むこと。

⑥ 試料ホルダーを試料交換室の組み込み金具にはめ込む (Fig.3.4~3.6) (注3)

Fig.3.4. 試料ホルダー:(m).上から見た図(JEOL Manual より抜粋) 上から見たサンプルホルダー実

物 (n).横から見たサンプルホルダー(o)

Fig.3.5. 試料ホルダーの試料交換室へのセット方法

m n o

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Fig. 3.6. 試料交換室内に試料ホルダーを正しく設置した状態:

O r

ing

⑦ 試料交換室の扉を閉じる前に、ドアにはめ込まれている O-ring にごみの付着がない

か、また手袋をつけ、O-ring が正常に装着されているかを確認する(Fig.3.6)。

⑧ 試料交換室の扉を静かに閉め、クランプでしっかりロックをし(Fig.3.2.h)ワークステ

ーション内、排気(EVAC)ボタン(Fig.3.1.g-2) をクリックする。

試料交換室ドアの EVACボタンが点滅する。点滅中は真空排気が行われ

ている。

⑨ EVAC ライトの点滅が止まるまで待つ。点滅が止まると、試料交換室ドアのライトは

EVAC と EXCH POSN だけが点灯している状態(Fig.3.2.i,j) であることを確認する。

⑩ システムダイアグラム上で試料交換室と SEM チャンバーが高真空状態を保ち、分離

ドアが開いていることを確認すること(Fig.3.1.e)。

Stopper

Fig.3.7.サンプルが試料交換室内部に入っている状態: (p).ニュートラルポジションの試

料交換棒(ロッド) (q). ロッドストッパー。ストッパーは立ち上がっている状態。

p

q

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試料交換棒は SEM のステージに到達すると一旦中に入りにくくなるが、さらに穏やかに最後ま

で押し込むと、サンプルホルダーは SEM 本体のステージに固定される。正しく固定されない場

合、ユーザーインターフェース上にはサンプルホルダー選択画面(Fig.3.9)は表示されない。

ロッドが完全にフラットな状態(Fig.3.8)になった後、まっすぐ押しても中に入っていかない場合

は力任せに押さないこと。

サンプルホルダー選択画面がモニター上に現れない場合、サンプルホルダーが SEM 本体のステ

ージに到達していない可能性があるので、最後までバーを差し込んだかどうか確認をすること。

サンプルをチャンバーにセットし終わった時の、試料交換室ドアのボタンは VENT 以外は点灯

している状態(VENT-off / EVAC-on / EXCH POSN-on / HLDR-on)であることを確認する

⑪ 試料交換棒(ロッド)をニュートラルポジション(Fig.3.7.p) から矢印方向 へ水平方向

に静かに倒しロッドをフラットな状態にする(Fig.3.8)。

⑫ ロッドを水平に保ちつつ、完全に止まるところまでゆっくり押し込む(Fig.3.9.①~

④)。

⑬ 試料交換室の HDLR ボタン(Fig.3.8.s) が点灯したのを確認して、試料交換棒を完全

に水平状態を保ちつつ、ストッパーが跳ね上がるまで引き抜く(Fig.3.9.⑥)。

⑭ 引いたり押したりせず、そのままの状態を保ちつつ、ロッドをニュートラルポジシ

ョンにたてる(Fig.3.8.r)。

⑮ サンプルホルダーが正しく SEMに設定されると PCワークステーション上にサンプルホル

ダー選択画面(Fig.3.9.⑤)が現れる。

⑯ 使用中のホルダーを選択する(Fig.3.9.t)。サンプルがホルダーの高さを超えている場

合は超えた高さを、超えていない場合は、0.0mm と試料の高さ誤差(Fig. 3.9.u)へ入

力する。

フラットに保つ

引いたり押したりしない。バーが完全

に水平になったらロッドが少し試料交

換室へ引き込まれるかもしれないが摩

擦により自動的に止まる。

サンプルを試料交換室から SEM チャンバーへ移動させる

挿入する。

Fig.3.8.(r) ロッドがニュートラルポジションから水

平な位置まで引き抜かれた状態。(s) サンプルホル

ダーが SEM 内部に正しく設置され、HDLR ボタン

がグリーン点灯した状態。

r

s

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Fig.3.9. ロッドを SEM に挿入する手順。①ロッドを完全にフラットにした状態。②このあたり

で一端ロッドは中に入りにくくなる。③さらにゆっくり押し、ロッドを完全に差し込んだ状態。

④上部から見たロッドがしっかりと奥まで差し込まれている様子。⑤正しく差し込まれると、

SEM ユーザーインターフェース上にサンプルホルダー選択画面が現れる。(t)利用しているサン

プルホルダーを選択し、(u)メジャーで計測した、試料の高さ誤差(サンプルホルダーから飛び出

す高さ)を入力する。

u

t

① ② ③

④ ⑥

ストッパーが跳ね上がった状態

ロッドは一端入りにくくなる

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4. 観察をはじめる

① チャンバー内真空が 5x10-4 Pa 程度になるまで待つ。

② ZFCボタンがアクティブ(グリーン)になっていることを確認すること(Fig.3.10.v)。なっていなけ

れば、クリックし、アクティベートさせる。

③ High mag mode を選択する。

④ ユーザーインターフェース上のWD(ワーキングディスタンス)をクリックし 8mm を選択

(Fig.3.10.x)(注 4)

⑤ 観察メニュー下、ON ボタン(Fig.3.10.w) をクリック

ON でガンバルブが開き、電子線がサンプルに照射される。

(注 4)Low Mag mode にしたまま WD の選択は行わないこと。必ず High Mag mode になってい

ることを確認して選択する。ZFC がアクティブな場合は、電子ビームが WD = 8mm にてフォー

カスが合うように、ステージ高さ(Z)は (8 ㎜+Off set)へ自動的に移動する。

w

v

x

u

Fig.3.10.観察モードのユーザーインターフェース。(v)ZFC モード, (w) 電子ビームスイッ

チ (x) WD 選択プルダウンメニュー

y

u

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照射電流 / 加速電圧 LC6 / 0.5~30 kV

SEM モード 最低倍率 500x

LM モード 最低倍率 25x (スポットによる)

イメージシフト 50.000x 以上で有効になる設定になっている

軸あわせ(フォーカス

が合わないとき)

ビーム補正をクリックするとウォブラがかかるので Stigma の X,Y ノブで

画面中心の像の動きが最小になるよう調整する。

画像取り込み Freeze・・・ 一回クリックすると現在測定しているスピードで一枚画像が

撮影できる。2回クリックするとスキャン途中のその場で画像が静止する

インテグレーション・・・ 設定→ 表示系 / スキャン → インテグレーシ

ョンにチェックを入れる。Freezeボタンで撮影する

CF・・・ チャージフリースキャン(Dwell Time が短くなる)

⑥ フォーカスを合わせる。Off setがきちんと入力されて入れば、WD=8mm 近辺でフォーカスは

合う。非点補正、コントラスト、明るさの調整が必要な場合はここで行う。

⑦ 必要であれば、Low mag mode にして視野を探す。

⑧ 徐々に倍率を上げる

⑨ 画像を保存する。

⑩ ユーザーインターフェース PHOTOボタンをクリックする

a 画像がフリーズした後、自動的に「名前をつけて保存」ダイアログボックスが表示さ

れるので保存する。

b 好みのスキャンスピードで観察中に FREEZEボタンを一度クリックするとビームが

表面をスキャンし終わった時点で画面がフリーズ。ファイルを開き、「名前をつけて

保存」ダイアログボックスを選択し、保存する。

c 基本設定の表示系/スキャンタブのインテグレーションにチェックを入れると、インテ

グレーション動作後、画面がフリーズする。

保存先: デスクトップ→ SEM-J Datastation → フォルダを作成し保存 → 009

号室共有 PCから USBでデータを取り出す。

これ以外の場所にフォルダを作成しない

観察日荷データを取り出し、フォルダを削除する

データステーション内に残っているデータは予告なく削除します。

基本的な観察条件

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5. 試料交換 / 観察終了

① ユーザーインターフェース内、観察メニュー下、On / Off ボタンの Offをクリックする

(Fig.3.10.w)

② 試料交換 (see Fig.3.10.y.) をクリック。試料台は、交換位置の高さ(Z) = 38mm まで下が

る。

③ 試料交換棒をゆっくりと挿入し、試料を試料交換室まで移動させる。手順はサンプルを SEM

チャンバーに挿入するときと同じ。(Fig.3.9)

1. ロッドをゆっくりと手前に降ろす(押したり引いたりしない)

2. ロッドをゆっくりと慎重にまっすぐ最後まで押し込む

3. ストッパーを通過し、「カチッ」と音がするところまでロッドをまっすぐ、ゆっくりと引き出

す。

4. ロッドをゆっくりと立てる(押したり引いたりしない)

④ ユーザーインターフェース、VENT(大気圧)をクリックし確認画面の OKをクリック(Fig.3.1 参照)

⑤ 試料交換室の VENT ランプが点灯後、試料交換室のクランプをはずし扉を空け、サンプルを

取り出す。

⑥ 1. 試料交換の場合は、新しい試料を入れて、3.サンプルを SEMチャンバー内に挿入する

以降を行う。

2. 観察を終了する場合は、試料交換室の扉を閉め、クランプをし、EVAC(排気)ボタン

(Fig.3.1参照)をクリックする。

⑦ 試料交換室操作パネルのランプ外かのようになっていること、警告メッセージがユーザーイン

ターフェース上に現れていないことを確認してから籍を離れる。

EVAC : 点灯(高真空状態)

EXCH POSN : 点灯

HLDR : 消灯(試料ステージ上に試料ホルダーがない)

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