20
社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、 地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む Dual ComBine Analysis Data Content Browser Data Cognitive Browser Data Correlation Browser Dual ComBine Analysis is for, 2016年1月号 Vol.12 No.1 内閣府2016年1月12日発表データより 2016/1/31 1 Photo by Akiko 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved. Photo by T. Hirata Presented by Mr. T. IWAMA

連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、

地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む

Dual ComBine Analysis

Data Content Browser Data Cognitive Browser Data Correlation Browser

Dual ComBine Analysis is for,

2016年1月号 Vol.12 No.1 内閣府2016年1月12日発表データより

2016/1/31 1

Photo by Akiko

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Photo by T. Hirata

Presented by Mr. T. IWAMA

Page 2: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

社会情報天気図 ~景気ウオッチャー調査から地域の景気動向を読む~

◆まとめと序言

今回は、年末の結果を受け、2015年度の9月から12月までの第3四半期の景気ウオッチャーのトレンドを探った。いままでは月ごとに、トライを重ねて地域的な景気動向を観てきたが、先月の6号では地域要因よりもむしろ業種要因が浮き彫りとなり、いわば“サービス産業天気図”のような様相の発現を見た。

日本の挑戦すべきテーマを明確にするためには、その辺りをもう少し掘り下げる必要があるが、ウオッチャーに求めているコメントは3ヵ月前との比較であり、実際のコメントはもっと長い前年比等が含まれる。そこで、今回は、もう少し引いてセミマクロに時系列トレンドを見ることを試みた。

日本政府は600兆円のGDPを目標としたが、バブル崩壊以来この25年間、500兆円の水面付近を漂っている。そしてついに日銀はスイスの国債や欧州に追従してマイナス金利に踏み込んだ。本来ヒトは、働いた価値よりも少なく消費し、次の時に向けて貯蓄し、それを投資し、比較優位に交換し、より豊かさに繋げるために“お金”を使う。

人びとが分担して仕事・ビジネスをし、それらを結合して価値を生むべき手段がお金であり、その空間的・時間的な流通の技術としての金融が生まれた。その金融という手段が、マイナスの価値しか持ちえないという現象は、一体どのような時代のメッセージを、我々に伝えようとしているのであろうか?

日本は課題先進国を自負するが、そもそも挑戦すべき課題がデザインできていないのではなかろうか? そのためには、まず問題の構造を捉えることと、その解への道筋への概要を構想し、その実現に向けて衆知を集め、資本を集め編集することである。まず問題の構造化には、事実をもって現状の理解とあるべき姿の共有が必要である。

蓄えた資本を外部へ移転する近隣窮乏化策の通貨切り下げのための金利策は、まさにいつか来た昔の迷路である。問題は、健全なる投資と消費である。この調査は、消費に携わる側面しか見ていない。しかし、投資は設備投資という物質投資だけでなく、人々のニーズに応える技術的知識イノベーションという側面からも見なくてはならない。

今四半期の景気ウオッチャーのマジョリティは「変わらない」である。しかし、その逆にポジショニングしているところから、課題デザインンのためのヒントが得られる。業種としては、“通信ECサービス”、“家電PCカメラ等”であり、市場要因としては、“競争相手の様子”である。

はじめに

Dual ComBine Analysis

2016/1/31 2 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Page 3: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

2016/1/31 3

・景気ウオッチャーの内、現在の消費者の動きを、全国11地域で、2015年9月から12月までの第3四半期について、各業種のビジネスの現場が伝えるデータを使用。

基本的には3ヵ月前と比較した景気判断、その理由としての市場動向、さらに追加説明文等の多様な多次元データを、マシンラーニングで情報圧縮し、クラスタ化した.

・現状を理解するため、多くの量的質的属性を組み合わせて、分別し、それらを判別し、組み立てて解釈する、解るために、分かり、判るアプローチを採った。

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Page 4: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

2015年9-12月の全国の家計DIマップ

全国のDI

◆2015年度第3四半期の全国の家計DIマップ

・今期の全国家計DIは、 46.8と前年同期よりも3.6ポイント上げたが、まだ50.0をかなり下回る結果で、判定も“変わらない”との結果。

・全国11地域全てが対前年比プラスとなったが、全て“変わらない”の判定。

・50ポイントを上回った地域は“沖縄”だけ。東北、北関東は45ポイントを切って“やや悪くなった”と判定。

・対前年同期比ではかなりポイントを稼いだが、それは、前年度の消費税の8%アップの後遺症が大きかったからで、対前々年度からは落ち込んでおり、まだそれ以前の状態まで回復できていないことを示している。

北海道DI:47.7(+4.6)

(全国平均+0.9)

南関東DI:46.8(+3.6)

(全国平均+0.0)

東北DI:44.6 (+1.5)

(全国平均-2.2)

北関東DI:44.0(+3.6)

(全国平均-2.8)

四国DI:45.0(+1.9)

(全国平均-1.8)

九州DI:47.4(+4.2)

(全国平均+0.6)

東海DI:46.8(+3.6)

(全国平均+0.0)

沖縄DI:52.6(+9.4)

(全国平均+5.8)

近畿DI:47.6(+4.4)

(全国平均+0.8)

中国DI:48.7(+5.5)

(全国平均+1.9)

北陸I:48.2(+5.0)

(全国平均+1.4)

全国家計“変わらない” DI:46.8 (前年同期比+3.6)

65以上 良くなっている(快晴)

55~65 やや良くなっている(晴れ)

45~55 変わらない(曇り)

35~45 やや悪くなっている(小雨)

35未満 悪くなっている(大雨)

Dual ComBine Analysis

2016/1/31 4

“景気ウオッチャー調査”の定義、凡例

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

地域DI:50.0超え(対前年同期比)

(全国平均比)

地域DI:50.0未満(対前年同期比)

(全国平均比)

Page 5: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

55.0

60.0

65.0

20

13年

1月

20

13年

2月

20

13年

3月

20

13年

4月

20

13年

5月

20

13年

6月

20

13年

7月

20

13年

8月

20

13年

9月

20

13年

10月

20

13年

11月

20

13年

12月

20

14年

1月

20

14年

2月

20

14年

3月

20

14年

4月

20

14年

5月

20

14年

6月

20

14年

7月

20

14年

8月

20

14年

9月

20

14年

10月

20

14年

11月

20

14年

12月

20

15年

1月

20

15年

2月

20

15年

3月

20

15年

4月

20

15年

5月

20

15年

6月

20

15年

7月

20

15年

8月

20

15年

9月

20

15年

10月

20

15年

11月

20

15年

12月

全国

北海道

東北

北関東

南関東

東海

北陸

家計関連動向DIの地域別推移(1/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推移

◆家計関連動向DIの3年間の東日本の推移

◇今月の全国家計DIは、 47.7と前月よりも3.3ポイント、前年比+でも3.5ポイント上昇したが、判定は“変わらない”という状況.

・消費税ショック時の2014年4月と昨年11月の谷から約1年間沈み込んでいた。しかしまだ、回復基調に乗ったとは言えない。

・東海を含む東日本では、2014年4月と、11月の下げが大きかった。2015年4月に持ち直したが続かない。

・北海道は51.0となったが、それ以外の地域では50ポイントを切っている。

・家計動向DIで見る限り、“緩やかな回復を続けている”とは、言いにくい.

2016/1/31 5

2014年4月消費税8%実施

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

マネタリー残の増加率▽40%?

消費税効果

Page 6: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

55.0

60.0

65.0

20

13年

1月

20

13年

2月

20

13年

3月

20

13年

4月

20

13年

5月

20

13年

6月

20

13年

7月

20

13年

8月

20

13年

9月

20

13年

10月

20

13年

11月

20

13年

12月

20

14年

1月

20

14年

2月

20

14年

3月

20

14年

4月

20

14年

5月

20

14年

6月

20

14年

7月

20

14年

8月

20

14年

9月

20

14年

10月

20

14年

11月

20

14年

12月

20

15年

1月

20

15年

2月

20

15年

3月

20

15年

4月

20

15年

5月

20

15年

6月

20

15年

7月

20

15年

8月

20

15年

9月

20

15年

10月

20

15年

11月

20

15年

12月

全国

近畿

中国

四国

九州

沖縄

家計関連動向DIの地域別推移(2/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推移

◆家計関連動向DIの2年間の西日本の推移

◇今月の全国家計DIは、 47.7と前月よりも3.3ポイント、前年比+でも3.5ポイント上昇したが、判定は“変わらない”という状況.

・消費税ショック後の谷から脱出した2015年4月からバタバタしつつまだ中国以外は50ポイントを切っている.

・好調だった沖縄も50ポイントを切り、45ポイント以下からは西日本全域で脱出したが、50ポイントを超えたのは中国だけとなった。

・家計動向DIで見る限り、昨年4月をピークにダウントレンドを辿っており、“緩やかな回復を続けている”とは、言いにくい.

2016/1/31 6

2014年4月消費税8%実施

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

消費税効果

Page 7: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

◇ 「景気ウオッチャー調査」のデータ ・2013年1月より、2015年12月までの“現状の家計動向”の推移を見る.今回は、2015年度第3四半期に注目する。 ・この間の全国平均は46.8と、前年同期比+3.6ポイントではあるが、50.ポイントを下回った. ・対前年度比で各地域ともプラスではあるが、消費税アップの影響から抜け出ていない時点との比較からである。 ・沖縄だけは50ポイントを上回っているが、その他10地域とも、50ポイントに到達できなかった。

景気ウオッチャーのDI

2016/1/31 7

Dual ComBine Analysis

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Dual ComBine Analysis 「景気ウオッチャー調査」のデータ

全国 北海道 東北 北関東 南関東 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄

2013年1月 48.3 47.8 45.3 44.6 49.6 47.4 51.1 53.2 48.5 48.8 46.4 51.0

2013年2月 51.7 52.6 46.4 48.0 51.8 50.3 56.5 56.3 52.4 53.0 51.1 58.0

2013年3月 56.9 55.7 53.6 53.8 58.3 55.8 58.5 62.6 57.9 54.4 55.5 56.5

2013年4月 55.5 54.7 52.6 53.4 57.2 55.9 57.3 59.6 54.4 54.5 53.7 54.6

2013年5月 54.4 51.9 52.1 55.4 55.3 50.7 56.7 58.8 53.4 51.2 55.5 55.6

2013年6月 52.2 58.6 51.0 50.4 53.6 48.5 54.1 55.0 52.2 50.0 50.0 52.9

2013年7月 50.6 56.9 47.6 47.6 51.4 50.5 49.6 52.0 51.7 50.0 49.6 52.9

2013年8月 49.3 54.9 48.4 46.0 49.2 50.2 47.4 48.8 47.9 50.8 49.0 62.0

2013年9月 50.6 52.8 47.6 47.1 52.9 49.5 50.0 53.0 49.8 49.2 50.8 58.0

2013年10月 49.2 52.2 45.4 46.5 49.2 49.5 50.0 50.4 50.9 46.8 50.4 54.8

2013年11月 51.3 50.0 48.4 49.1 50.0 53.9 50.4 54.6 52.5 51.2 51.5 49.1

2013年12月 53.1 53.5 49.1 51.7 53.8 56.6 52.2 54.1 53.7 54.4 51.8 48.0

51.1 52.1 47.6 48.6 51.5 52.4 50.7 53.0 51.7 50.4 51.1 52.5

2014年1月 52.2 51.9 48.3 50.4 54.3 54.3 49.6 53.7 53.8 50.0 52.7 50.0

2014年2月 50.2 55.3 45.9 41.3 47.8 53.1 52.2 53.4 53.2 52.5 50.4 55.8

2014年3月 57.0 52.6 55.4 53.7 59.5 55.7 52.9 60.1 57.4 62.3 57.0 60.6

2014年4月 37.2 37.3 35.9 34.7 40.5 38.7 36.8 40.4 32.7 29.1 36.4 41.7

2014年5月 42.1 38.8 37.8 43.4 45.5 40.8 44.6 43.1 40.1 43.7 41.7 48.1

2014年6月 45.1 46.5 43.5 43.9 46.8 44.7 43.9 46.8 43.3 45.6 44.4 50.0

2014年7月 49.4 49.1 49.8 48.7 50.1 47.9 48.2 50.3 49.8 49.6 46.5 61.6

2014年8月 45.8 46.7 44.8 46.2 45.4 47.2 46.0 49.9 43.6 43.6 42.0 47.2

2014年9月 46.7 45.7 46.2 44.7 46.4 47.7 43.7 50.2 44.8 46.5 47.7 48.1

2014年10月 42.3 41.3 40.2 39.7 39.4 42.3 46.0 45.9 41.7 41.5 44.8 50.0

2014年11月 39.5 33.7 38.6 35.7 36.1 39.5 39.6 43.2 41.7 43.6 43.0 43.5

2014年12月 44.2 39.5 41.3 40.1 45.9 45.1 43.0 48.2 43.1 41.8 47.2 47.9

2014年9-12月平均 43.2 40.1 41.6 40.1 42.0 43.7 43.1 46.9 42.8 43.4 45.7 47.4

2015年1月 43.9 46.3 42.5 41.2 43.6 45.4 45.1 47.4 41.0 44.6 42.0 45.4

2015年2月 48.4 48.7 46.0 44.6 49.6 47.2 50.8 52.3 46.8 49.6 47.8 51.0

2015年3月 50.9 51.9 49.1 47.1 50.0 48.0 56.3 54.1 50.9 49.6 53.8 50.0

2015年4月 53.2 55.8 51.6 51.1 53.1 51.5 59.3 55.0 51.6 49.6 55.0 51.9

2015年5月 53.6 53.2 53.0 50.4 55.4 53.2 59.3 53.4 53.6 50.4 52.9 55.8

2015年6月 50.4 53.2 48.6 47.4 51.9 48.8 51.5 53.6 49.6 49.6 48.8 53.7

2015年7月 50.8 55.6 48.7 47.7 49.9 50.5 51.5 51.2 50.9 52.2 52.3 55.0

2015年8月 48.8 52.0 46.2 45.0 48.4 49.2 53.3 50.4 48.7 46.9 48.3 57.0

2015年9月 47.0 49.1 45.6 42.5 45.5 44.7 50.8 50.8 45.4 46.6 48.6 59.3

2015年10月 48.1 46.2 44.9 47.1 48.4 48.8 47.4 49.5 48.7 45.7 49.8 56.0

2015年11月 44.4 44.6 42.3 42.7 44.1 45.8 47.4 44.2 48.3 40.9 42.7 48.1

2015年12月 47.7 51.0 45.7 43.8 49.1 47.7 47.1 45.7 52.4 46.9 48.4 46.9

2014年9-12月平均 46.8 47.7 44.6 44.0 46.8 46.8 48.2 47.6 48.7 45.0 47.4 52.6対全国比 0.0 0.9 -2.2 -2.8 0.0 0.0 1.4 0.8 1.9 -1.8 0.6 5.8

対前年同期比 3.6 7.7 3.1 4.0 4.8 3.1 5.1 0.7 5.9 1.7 1.7 5.2

対前々同期比 -4.3 -4.4 -3.0 -4.6 -4.7 -5.6 -2.5 -5.5 -3.0 -5.4 -3.7 0.1

Page 8: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

2016/1/31 8

・家計動向に関する景気ウオッチャーのクラスタリング

今回は、2015年度の第3四半期の4か月間の景気判断DIについて、月別に、地域要因、業種要因、市場要因、およびDIの理由等の5要因で4

クラスタに分類

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Page 9: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

クラスタ別特徴

◆景気動向とその構成要因:(1/6)・・・月別地域DIを4クラスタに類型化する

・日本の月別地域別景気動向を、業種、市場要因、およびその判定理由のキーワードの関係を情報圧縮し、4クラスタに分類。

・2015年度第3四半期のウオッチャーの月別地域ごとの景気判断を、業種、市場要因およびその理由の属性等で、4個のクラスタに類型化した。

・左上方向が「悪い」で、右下に「良い」の景気軸。左下が「不変」で、右上が「変化」の変化軸の構成マップが布置されている。

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

2016/1/31 9 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気DI動向を4クラスタに類型化

CL1:良い CL2:やや良い・不変

CL3:やや悪い

CL4:悪い

4つのクラスタと空間構成

・ウオッチャーの月別、地域別、景気DI別、業種別、市場因子別等の変数の統合的相関性を知るため、次元圧縮して俯瞰マップ化。

・3次元に情報圧縮し、4クラスタに類型化するためクラスタリングした。

・結果主要なクラスタがDIと相関を持って現れた。

Page 10: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

クラスタ別特徴

◆景気動向とその構成要因:(2/6)・・・月別の地域DIを4クラスタに類型化する

・「CL1:良い」方向に沖縄があり、「C:L悪い」方向に四国、東海、北関東がポジショニングされる。

・「CL2:やや良い・不変」方向に北海道があり、「変化」方向には特定のクラスタが存在しないが、北関東、南関東等がある。

・良い方向で「CL1」と「CL2」の中間に、九州、北陸、そして近畿が登場する。それ以外の地域は、ほぼ1シグマ以内で、特徴は明確でない。

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

「景気動向DI+月別地域因子」

2016/1/31 10 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

CL1:良い

CL2:やや良い・不変

CL3:やや悪い

CL4:悪い

4つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、月別地域別アイテムを布置。

・マジョリティは、「やや悪くなっている」と「変わらない」

・マイノリティは、「悪い」と「良い」となり、前者は四国、南北関東で、後者は沖縄となった。

Page 11: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

◆景気動向とその構成要因:(3/6)・・・月別の地域DIクラスタと業種因子の関係性を見る

・景気ウオッチャーの業種を、景気マップに布置し、景気の良否や変化の動性、および地域の月別の動向との関係性を見る.

・良い方向には食品飲料販売、住宅関連家具等があり、家電PCカメラ時計や通信ECサービスもあるが後者は変化ゾーンにある。

・悪い方向では、その他及び専門店があり、書籍文具紙CDビデオなども近い。

・やや悪い方向に、乗用車関連、介護教育美容生活等がある。中立で不変ゾーンに、タクシー輸送、百貨店SC等がある。

Dual ComBine Analysis

11

クラスタ別特徴

2016/1/31 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+業種因子」

景気動向の構成要因

CL1:良い

CL2:やや良い・不変

CL3:やや悪い

CL4:悪い

4つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、業種別アイテムを布置。

・マイノリティの、「悪い」と「良い」に対し、前者はその他専門店、書籍文具CD等のEC分野から浸食されている領域で、後者は食飲料販売となった。

・マジョリティは、「やや悪くなっている」と「変わらない」だが、多くの業種を含んでいる。また、原点からの距離が1シグマ以内が多く、それらは、方向性が明確でないことを示している。

Page 12: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

◆景気動向とその構成要因:(4/6)・・・月別の地域DIクラスタと市場因子の関係性を見る

・各地の景気動向に、市場要因として、“市場の動き”を重ねて、それらの関係性を見る.

・景気ウオッチャーが見る市場要因は、販売量、来客数、単価、客の様子、その他等であるが、全て強い相関性は見られない。

・強いていえば、良くなっている方向には単価の動きがあり、悪くなっている方向には、お客様の様子がある。

・不変の方向には、販売量の動きや来客数の動きがあり、変化の方向には、その他競争相手の様子がある。

Dual ComBine Analysis

12

クラスタ別特徴

2016/1/31 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気動向の構成要因

CL1:良い

CL2:やや良い・不変

CL3:やや悪い

CL4:悪い

「景気動向DI+市場因子」

4つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、市場因子アイテムを布置。

・変化を呼ぶマイノリティの、「悪くなっている」と「良くなっている」の中間領域には、“その他競争相手の様子”がある。

・マジョリティは常に崩されて行くが、この辺から、変化が起こる可能性がある。

Page 13: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

◆景気動向の構成要因:(5/6)・・・月別の地域DIクラスタと業種因子と市場因子の関係性を見る

・各地の月別景気動向に、業種因子と市場因子として“市場の動き”を重ねて、それらの関係性を見る.

・「CL1:良い」では食品飲料販売で“単価の動き”が、「CL3:悪い」では、その他専門店、書籍文具CDビデオ等で“お客様の様子”が特徴的。

・「CL3:やや悪くなっている」では、乗用車関連、介護教育美容等で“販売量の動き”、“来客数の動き”が関係性がある。

Dual ComBine Analysis

13

クラスタ別特徴

2016/1/31 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+業種因子+市場因子」

景気動向の構成要因

CL1:良い

CL2:やや良い・不変

CL3:やや悪い

CL4:悪い

4つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、市場因子アイテムを布置。

・マジョリティは常に崩れて行くが、変化を呼ぶマイノリティの、「悪くなっている」と「良くなっている」の中間領域が注目される。

・そこには、 “家電PCカメラ等”と、“通信ECサービス”等であり、そこから変化やさらにイノベーションが起こる可能性がある。

Page 14: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

◆景気動向の構成要因:(6/6)・・・月別の地域DIクラスタとウオッチャーによる説明文のキーワードとの関係性を見る

・各地の月別景気動向に、景気ウオッチャーの説明文のキーワードを布置し、景気動向の内容を見る.

・「良い」方向には、“インバウンド”、“コース”、“化粧” 、“引き続き” 等があり、「やや良い・不変」方向には、“マンション”、“タクシー”、“車種”、“ダウン”等がある。

・逆に「悪い」方向には、“ボーナス遅れ”、“バーゲン”、“新型”、“不振”等がある。

Dual ComBine Analysis

14

クラスタ別特徴

2016/1/31 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+説明因子」

景気動向の構成要因

CL1:良い

CL2:やや良い・不変

CL3:やや悪い

CL4:悪い

4つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、DIを説明する文章からのキーワードを布置。

・これらのキーワードを含む文章も布置できるが、今回は省略。

Page 15: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

入力データと構成 Dual ComBine Analysis

2016/1/31 15 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Page 16: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

全国の景気動向の政府の見解 Dual ComBine Analysis

◆今月の内閣府の見解

・内閣府は、“家計動向関連DIは、飲食関連などが上昇したこと等から上昇した”としている。

・また、景気の現状判断DIは、“3か月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは、48.7となった。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが上昇したことから、前月を2.6ポイント上回り、2か月ぶりの上昇となった。また、横ばいを示す50を5か月連続で下回った。”としている。

2016/1/31 16

内閣府の見解

平成27年10月調査結果(抜粋):景気ウォッチャー調査:今月の動き(10月)

12月の現状判断DIは、前月比2.6ポイント上昇の48.7となった。

家計動向関連DIは、飲食関連などが上昇したこと等から上昇した。企業動向関連DIは、非製造業が上昇したことから上昇した。雇用関連DIについては、上昇した。

12月の先行き判断DIは、前月に対し横ばいの48.2となった。

企業動向関連DI及び雇用関連DIは上昇した一方で、家計動向関連DIは低下した。

なお、季節調整値でみると、現状判断DIは前月比0.4ポイント上昇の50.5となり、先行き判断DIは前月比0.3ポイント低下の51.1

となった。

今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについて

は、中国経済の動向など、海外情勢への懸念がある一方で、観光需要や受注の増加、雇用の改善への期待等がみられる」とまとめられる。

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

http://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0112watcher/watcher1.pdf

Page 17: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

「景気ウオッチャー調査」データから処理の概要~ Dual ComBine Analysis

◆データ処理の概要

1.入力データ

・内閣府の「景気ウォッチャー調査」 データ.

ただし、この調査には家計動向関連、企業動向関連、製造業、および雇用関連DIの3種があるが、家計動向関連の現状判断のみを扱う.

2.前処理手法

・景気の動きを観察できる人々からインタビューした景気動向に関する具体的状況の説明文を解析し、地域を11の景気影響要因により特徴付ける.それをもとに、各地域の代表的な景気動向に関する具体的状況の説明文とキーワードを抽出する.

3.連環データ分析による処理

・地域、季節影響要因、キーワード、説明文の関係をクロス表に表現.連環データ分析により、機械学習とAIルールで、情報圧縮し、DCBマップに展開して、意味を抽出.

データ例 処理

◆「景気ウオッチャー調査データ」例

・例:北海道の一部のみ掲載.“3ヵ月くらい前”に比べ景況感を訊ね、その理由を訊いている.

・“良くなっている”、“やや良くなっている”、“変わらない”、“やや悪くなっている”、“悪くなっている”

◆データ処理の概要

2016/1/31 17 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Page 18: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

全国の景気動向の構成

景気ウオッチャー調査

調査の目的:地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。

対象地域:北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の11地域。

調査客体:家計動向、企業動向、雇用等、代表的な経済活動項目の動向を敏感に反映する現象を観察できる業種の適当な職種の中から選定した2,050人を調査客体とする

調査期間:毎月、当月時点であり、調査期間は毎月25日から月末である。

調査事項:景気の現状に対する判断(方向性) 、その理由 、および追加説明及び具体的状況の説明

調査客体数:平成13年8月調査以降は2,050人(全国11地域)。ただし、家計の景気動向ウオッチャーは840人程度。

DIの算出方法 :景気の現状、または、景気の先行きに対する5段階の判断に、それぞれ以下の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて、DIを算出している。

評価 良くなっている やや良くなっている 変わらない やや悪くなっている 悪くなっている評価 良くなる やや良くなる 変わらない やや悪くなる 悪くなる評価 (良い) (やや良い) (どちらともいえない) (やや悪い) (悪い)

点数 100.0 75.0 50.0 25.00 0.0

Dual ComBine Analysis

2016/1/31 18 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Page 19: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

内閣府の定義

小売関連 商店街・一般小売店 商店街代表者一般小売店経営者・店員

百貨店 百貨店売場主任・担当者スーパー スーパー店長・店員

コンビニエンスストア コンビニエリア担当・店長衣料品専門店 衣料品専門店経営者・店員家電量販店 家電量販店経営者・店員

乗用車・自動車備品販売店 乗用車・自動車備品販売店経営者・店員その他小売店 住関連専門店経営者・店員

その他専門店経営者・店員その他小売の動向を把握できる者

飲食関連 高級レストラン経営者・スタッフ一般レストラン経営者・スタッフスナック経営者その他飲食の動向を把握できる者

サービス関連 旅行・交通関連 観光型ホテル・旅館経営者・スタッフ都市型ホテル・旅館経営者・スタッフ旅行代理店経営者・従業員タクシー運転手

通信会社 通信会社社員レジャー施設関連 観光名所、遊園地、テーマパーク職員

ゴルフ場経営者・従業員パチンコ店経営者・従業員競輪・競馬・競艇場職員その他レジャー施設職員

その他サービス 美容室経営者・従業員その他サービスの動向を把握できる者

住宅関連 設計事務所所長・職員住宅販売会社経営者・従業員その他住宅投資の動向を把握できる者その他家計の動向を把握できる者

Dual ComBine Analysis

景気ウオッチャーのジャン

2016/1/31 19 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

Page 20: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年01月号(2015年12月度データ)

発行 データ・ケーキベーカ 株式会社

編集 連環データ分析研究会

イラスト Hisam. Chyan

Photo T. Hirata & Aki . kara

URL:http://www.dcb.co.jp/

facebook:https://www.facebook.com/socialweathermap

編集後記

今回は、2015年12月のデータの結果を受け、同年度第3四半期の分析とした。従来は、単月ごとの分析であったが、先月号では地域差よりも、業種別の差異の方が特徴的だった結果から、もう少しマクロに近い視点から、トレンドを分析することに挑戦した。

従来、応用統計学やデータ分析法では、データタイプ別に、計量値と計数値の分野で別れ、順序値や時系列データもそれぞれ専門分野が異なって発展を遂げてきた。また、基準となる変数があるかないか等でも、さらに定性的な変数は、また別な分野とされてきた。

昨今、ビッグデータが注目され、2012年には、Googleが猫のパターンを抽出したり、囲碁のプロをAIが倒したというニュースが流れた。しかし、まだまだ、応用開発に向けて今はまだ、発展途上段階にある。例えば、外的基準のあるデータ(教師データありとも言われる)セットがその数だけでなく、情報量も豊富に存在する問題に限られている場合が多い。

また多くの場合、ある人工的な評価基準を使って、科学的で最適であるとすることで、正当性を主張するいわゆる規範的な問題を取り扱う方法論が多い。それが課題解決に有効かどうかはまた別問題である。ディープラーニングは確かに外的基準が無くても、情報圧縮によって、パターンに集約する問題も扱えるが、操作的なシミュレーションモデルが得られない。

Dual ComBine Analysisは、データ処理の専門家でなくても、データに基づいて自らの主張を検証し、整理して表現するための、誰でも使える方法を目指している。今回のレポートは、基準的変数として5段階の景気DI、業種、市場の様子、コメントの文章等に加え、地域の時系列データを含む多様なデータタイプを扱った。

こうした多様な変数群の相互相関性の探索法はまだ既成のデータ分析法では、困難であろう。今回は、今まで封印していた連環データ分析のアドバンスド版を使用した。前回予定した景気変動要因とそのトレンド探索にトライしたが、全体を俯瞰し理解を深めて理解するためのクラスタとそのプロファイリングが、やや分析が甘かったように思われる。

今回の表紙のクリスマスの写真は、亡き畏友が遺した文化資本の1つで飾らせて頂いた。

広く皆さまからのご批判やアドバイス、コメントなどを頂戴できれば幸いです。

平成28年1月31日

Dual ComBine Analysis

20 2016/1/31

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.