3
02c 02c 02c 02c 常染色体数のモザイク 常染色体数のモザイク 常染色体数のモザイク 常染色体数のモザイク 1 常染色体数のモザイク 常染色体数のモザイク 常染色体数のモザイク 常染色体数のモザイク 図1.モザイク・トリソミー 図1.モザイク・トリソミー 図1.モザイク・トリソミー 図1.モザイク・トリソミー21 21 21 21 乳児の加齢(月齢)によるモザイク率の変化( 乳児の加齢(月齢)によるモザイク率の変化( 乳児の加齢(月齢)によるモザイク率の変化( 乳児の加齢(月齢)によるモザイク率の変化(Taylor Taylor Taylor Taylor, , , , 1970 1970 1970 1970左:加齢による正常細胞の増加(7例) 左:加齢による正常細胞の増加(7例) 左:加齢による正常細胞の増加(7例) 左:加齢による正常細胞の増加(7例) 右:加齢による正常細胞の減少(5例)と波状の変動(1例) 右:加齢による正常細胞の減少(5例)と波状の変動(1例) 右:加齢による正常細胞の減少(5例)と波状の変動(1例) 右:加齢による正常細胞の減少(5例)と波状の変動(1例) 染色体異常 染色体異常 染色体異常 染色体異常/ 正常のモザイクでは、異常ラインが 正常のモザイクでは、異常ラインが 正常のモザイクでは、異常ラインが 正常のモザイクでは、異常ラインが 20 20 20 20 %以上を占めると表現型の異常を伴うと考えま %以上を占めると表現型の異常を伴うと考えま %以上を占めると表現型の異常を伴うと考えま %以上を占めると表現型の異常を伴うと考えま す。言い換えると、反復流産のために染色体検査を す。言い換えると、反復流産のために染色体検査を す。言い換えると、反復流産のために染色体検査を す。言い換えると、反復流産のために染色体検査を して して して して 30 30 30 30 細胞中2細胞にトリソミー 細胞中2細胞にトリソミー 細胞中2細胞にトリソミー 細胞中2細胞にトリソミー21 21 21 21 を発見しても、 を発見しても、 を発見しても、 を発見しても、 それが反復性流産の原因とは考えられません。 それが反復性流産の原因とは考えられません。 それが反復性流産の原因とは考えられません。 それが反復性流産の原因とは考えられません。 20% 20% 20% 20%は筆者の経験から割り出した数字 は筆者の経験から割り出した数字 は筆者の経験から割り出した数字 は筆者の経験から割り出した数字です。異常 です。異常 です。異常 です。異常 核型の種類、年齢によるモザイク率の変動、組織に 核型の種類、年齢によるモザイク率の変動、組織に 核型の種類、年齢によるモザイク率の変動、組織に 核型の種類、年齢によるモザイク率の変動、組織に よる違いなどが関係するために、この原則が常に正 よる違いなどが関係するために、この原則が常に正 よる違いなどが関係するために、この原則が常に正 よる違いなどが関係するために、この原則が常に正 しいとは言えません。この原則より重要なのは、表 しいとは言えません。この原則より重要なのは、表 しいとは言えません。この原則より重要なのは、表 しいとは言えません。この原則より重要なのは、表 現型です。 現型です。 現型です。 現型です。Down Down Down Down 症候群を疑うに充分な表現型異常 症候群を疑うに充分な表現型異常 症候群を疑うに充分な表現型異常 症候群を疑うに充分な表現型異常 を持つ新生児のリンパ球で を持つ新生児のリンパ球で を持つ新生児のリンパ球で を持つ新生児のリンパ球で 20 20 20 20 細胞中 細胞中 細胞中 細胞中 1 細胞にトリ 細胞にトリ 細胞にトリ 細胞にトリ ソミー ソミー ソミー ソミー21 21 21 21 を発見したら、さらに を発見したら、さらに を発見したら、さらに を発見したら、さらに 30 30 30 30 細胞について 細胞について 細胞について 細胞について 21 21 21 21 番染色体の数だけを分析します。それで判定できな 番染色体の数だけを分析します。それで判定できな 番染色体の数だけを分析します。それで判定できな 番染色体の数だけを分析します。それで判定できな ければ、他の組織を検査(皮膚線維芽細胞の培養に ければ、他の組織を検査(皮膚線維芽細胞の培養に ければ、他の組織を検査(皮膚線維芽細胞の培養に ければ、他の組織を検査(皮膚線維芽細胞の培養に よる染色体分析・頬粘膜細胞核の よる染色体分析・頬粘膜細胞核の よる染色体分析・頬粘膜細胞核の よる染色体分析・頬粘膜細胞核の FISH FISH FISH FISH 分析)すべ 分析)すべ 分析)すべ 分析)すべ きです。モザイクを疑ったらカウントする細胞数を きです。モザイクを疑ったらカウントする細胞数を きです。モザイクを疑ったらカウントする細胞数を きです。モザイクを疑ったらカウントする細胞数を 増すように指示する医師がいますが、 増すように指示する医師がいますが、 増すように指示する医師がいますが、 増すように指示する医師がいますが、カウントは自 カウントは自 カウントは自 カウントは自 動化できず、手間がかかることを知らないからです。 動化できず、手間がかかることを知らないからです。 動化できず、手間がかかることを知らないからです。 動化できず、手間がかかることを知らないからです。 スクリーン(カウントではない)する細胞数はせい スクリーン(カウントではない)する細胞数はせい スクリーン(カウントではない)する細胞数はせい スクリーン(カウントではない)する細胞数はせい ぜい ぜい ぜい ぜい 50 50 50 50 が上限で、それ以上は無意味です。 が上限で、それ以上は無意味です。 が上限で、それ以上は無意味です。 が上限で、それ以上は無意味です。 トリソミー トリソミー トリソミー トリソミー18 18 18 18 30 30 30 30 細胞中2細胞に見いだしたら、 細胞中2細胞に見いだしたら、 細胞中2細胞に見いだしたら、 細胞中2細胞に見いだしたら、 まずすべきことは患児の表現型を観察し直すこと まずすべきことは患児の表現型を観察し直すこと まずすべきことは患児の表現型を観察し直すこと まずすべきことは患児の表現型を観察し直すこと です。その上で表現型がモザイク・トリソミー です。その上で表現型がモザイク・トリソミー です。その上で表現型がモザイク・トリソミー です。その上で表現型がモザイク・トリソミー18 18 18 18 合致したら、皮膚繊維芽細胞を培養して染色体分析 合致したら、皮膚繊維芽細胞を培養して染色体分析 合致したら、皮膚繊維芽細胞を培養して染色体分析 合致したら、皮膚繊維芽細胞を培養して染色体分析 をします。 をします。 をします。 をします。 常染色体数モザイクに限って述べます。性染色体 常染色体数モザイクに限って述べます。性染色体 常染色体数モザイクに限って述べます。性染色体 常染色体数モザイクに限って述べます。性染色体 の低頻度モザイク の低頻度モザイク の低頻度モザイク の低頻度モザイク [02d [02d [02d [02d 性染色体の低頻度モザイ 性染色体の低頻度モザイ 性染色体の低頻度モザイ 性染色体の低頻度モザイ ]、羊水(絨毛)細胞の仮性モザイク 、羊水(絨毛)細胞の仮性モザイク 、羊水(絨毛)細胞の仮性モザイク 、羊水(絨毛)細胞の仮性モザイク [07e [07e [07e [07e 仮性モ 仮性モ 仮性モ 仮性モ ザイクか真性モザ ザイクか真性モザ ザイクか真性モザ ザイクか真性モザイクか イクか イクか イクか]、胎盤に限局したモザイク 、胎盤に限局したモザイク 、胎盤に限局したモザイク 、胎盤に限局したモザイク [06d [06d [06d [06d 自然流座・死産の染色体分析 自然流座・死産の染色体分析 自然流座・死産の染色体分析 自然流座・死産の染色体分析] ] ] ] などの問題につ などの問題につ などの問題につ などの問題につ いては、当該項目をご参照ください。 いては、当該項目をご参照ください。 いては、当該項目をご参照ください。 いては、当該項目をご参照ください。 1.技術的問題 1.技術的問題 1.技術的問題 1.技術的問題 染色体標本を作るときはスライド上で拡げて染 染色体標本を作るときはスライド上で拡げて染 染色体標本を作るときはスライド上で拡げて染 染色体標本を作るときはスライド上で拡げて染 色体の重なりを少なくするので、拡げ過ぎると染色 色体の重なりを少なくするので、拡げ過ぎると染色 色体の重なりを少なくするので、拡げ過ぎると染色 色体の重なりを少なくするので、拡げ過ぎると染色 体を失った(モノソミーの)核板が増えます。この 体を失った(モノソミーの)核板が増えます。この 体を失った(モノソミーの)核板が増えます。この 体を失った(モノソミーの)核板が増えます。この

常染色体数のモザイク - cytogen.jp · 02c 常染色体数のモザイク 2 ような核板が全体の 10110010 %以下ならば許容範囲で、今 の技術ならこれより少なくすることができます。

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02c 02c 02c 02c 常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク

1

常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク

図1.モザイク・トリソミー図1.モザイク・トリソミー図1.モザイク・トリソミー図1.モザイク・トリソミー21212121 乳児の加齢(月齢)によるモザイク率の変化(乳児の加齢(月齢)によるモザイク率の変化(乳児の加齢(月齢)によるモザイク率の変化(乳児の加齢(月齢)によるモザイク率の変化(TaylorTaylorTaylorTaylor, , , , 1970197019701970))))

左:加齢による正常細胞の増加(7例)左:加齢による正常細胞の増加(7例)左:加齢による正常細胞の増加(7例)左:加齢による正常細胞の増加(7例)

右:加齢による正常細胞の減少(5例)と波状の変動(1例)右:加齢による正常細胞の減少(5例)と波状の変動(1例)右:加齢による正常細胞の減少(5例)と波状の変動(1例)右:加齢による正常細胞の減少(5例)と波状の変動(1例)

染色体異常染色体異常染色体異常染色体異常////正常のモザイクでは、異常ラインが正常のモザイクでは、異常ラインが正常のモザイクでは、異常ラインが正常のモザイクでは、異常ラインが

20202020%以上を占めると表現型の異常を伴うと考えま%以上を占めると表現型の異常を伴うと考えま%以上を占めると表現型の異常を伴うと考えま%以上を占めると表現型の異常を伴うと考えま

す。言い換えると、反復流産のために染色体検査をす。言い換えると、反復流産のために染色体検査をす。言い換えると、反復流産のために染色体検査をす。言い換えると、反復流産のために染色体検査を

してしてしてして 30303030 細胞中2細胞にトリソミー細胞中2細胞にトリソミー細胞中2細胞にトリソミー細胞中2細胞にトリソミー21212121 を発見しても、を発見しても、を発見しても、を発見しても、

それが反復性流産の原因とは考えられません。それが反復性流産の原因とは考えられません。それが反復性流産の原因とは考えられません。それが反復性流産の原因とは考えられません。

20%20%20%20%は筆者の経験から割り出した数字は筆者の経験から割り出した数字は筆者の経験から割り出した数字は筆者の経験から割り出した数字です。異常です。異常です。異常です。異常

核型の種類、年齢によるモザイク率の変動、組織に核型の種類、年齢によるモザイク率の変動、組織に核型の種類、年齢によるモザイク率の変動、組織に核型の種類、年齢によるモザイク率の変動、組織に

よる違いなどが関係するために、この原則が常に正よる違いなどが関係するために、この原則が常に正よる違いなどが関係するために、この原則が常に正よる違いなどが関係するために、この原則が常に正

しいとは言えません。この原則より重要なのは、表しいとは言えません。この原則より重要なのは、表しいとは言えません。この原則より重要なのは、表しいとは言えません。この原則より重要なのは、表

現型です。現型です。現型です。現型です。DownDownDownDown 症候群を疑うに充分な表現型異常症候群を疑うに充分な表現型異常症候群を疑うに充分な表現型異常症候群を疑うに充分な表現型異常

を持つ新生児のリンパ球でを持つ新生児のリンパ球でを持つ新生児のリンパ球でを持つ新生児のリンパ球で 20202020 細胞中細胞中細胞中細胞中 1111 細胞にトリ細胞にトリ細胞にトリ細胞にトリ

ソミーソミーソミーソミー21212121 を発見したら、さらにを発見したら、さらにを発見したら、さらにを発見したら、さらに 30303030 細胞について細胞について細胞について細胞について 21212121

番染色体の数だけを分析します。それで判定できな番染色体の数だけを分析します。それで判定できな番染色体の数だけを分析します。それで判定できな番染色体の数だけを分析します。それで判定できな

ければ、他の組織を検査(皮膚線維芽細胞の培養にければ、他の組織を検査(皮膚線維芽細胞の培養にければ、他の組織を検査(皮膚線維芽細胞の培養にければ、他の組織を検査(皮膚線維芽細胞の培養に

よる染色体分析・頬粘膜細胞核のよる染色体分析・頬粘膜細胞核のよる染色体分析・頬粘膜細胞核のよる染色体分析・頬粘膜細胞核の FISHFISHFISHFISH 分析)すべ分析)すべ分析)すべ分析)すべ

きです。モザイクを疑ったらカウントする細胞数をきです。モザイクを疑ったらカウントする細胞数をきです。モザイクを疑ったらカウントする細胞数をきです。モザイクを疑ったらカウントする細胞数を

増すように指示する医師がいますが、増すように指示する医師がいますが、増すように指示する医師がいますが、増すように指示する医師がいますが、カウントは自カウントは自カウントは自カウントは自

動化できず、手間がかかることを知らないからです。動化できず、手間がかかることを知らないからです。動化できず、手間がかかることを知らないからです。動化できず、手間がかかることを知らないからです。

スクリーン(カウントではない)する細胞数はせいスクリーン(カウントではない)する細胞数はせいスクリーン(カウントではない)する細胞数はせいスクリーン(カウントではない)する細胞数はせい

ぜいぜいぜいぜい 50505050 が上限で、それ以上は無意味です。が上限で、それ以上は無意味です。が上限で、それ以上は無意味です。が上限で、それ以上は無意味です。

トリソミートリソミートリソミートリソミー18181818 をををを 30303030 細胞中2細胞に見いだしたら、細胞中2細胞に見いだしたら、細胞中2細胞に見いだしたら、細胞中2細胞に見いだしたら、

まずすべきことは患児の表現型を観察し直すことまずすべきことは患児の表現型を観察し直すことまずすべきことは患児の表現型を観察し直すことまずすべきことは患児の表現型を観察し直すこと

です。その上で表現型がモザイク・トリソミーです。その上で表現型がモザイク・トリソミーです。その上で表現型がモザイク・トリソミーです。その上で表現型がモザイク・トリソミー18181818 にににに

合致したら、皮膚繊維芽細胞を培養して染色体分析合致したら、皮膚繊維芽細胞を培養して染色体分析合致したら、皮膚繊維芽細胞を培養して染色体分析合致したら、皮膚繊維芽細胞を培養して染色体分析

をします。をします。をします。をします。

常染色体数モザイクに限って述べます。性染色体常染色体数モザイクに限って述べます。性染色体常染色体数モザイクに限って述べます。性染色体常染色体数モザイクに限って述べます。性染色体

の低頻度モザイクの低頻度モザイクの低頻度モザイクの低頻度モザイク [02d [02d [02d [02d 性染色体の低頻度モザイ性染色体の低頻度モザイ性染色体の低頻度モザイ性染色体の低頻度モザイ

クククク]]]]、羊水(絨毛)細胞の仮性モザイク、羊水(絨毛)細胞の仮性モザイク、羊水(絨毛)細胞の仮性モザイク、羊水(絨毛)細胞の仮性モザイク [07e [07e [07e [07e 仮性モ仮性モ仮性モ仮性モ

ザイクか真性モザザイクか真性モザザイクか真性モザザイクか真性モザイクかイクかイクかイクか]]]]、胎盤に限局したモザイク、胎盤に限局したモザイク、胎盤に限局したモザイク、胎盤に限局したモザイク

[06d [06d [06d [06d 自然流座・死産の染色体分析自然流座・死産の染色体分析自然流座・死産の染色体分析自然流座・死産の染色体分析] ] ] ] などの問題につなどの問題につなどの問題につなどの問題につ

いては、当該項目をご参照ください。いては、当該項目をご参照ください。いては、当該項目をご参照ください。いては、当該項目をご参照ください。

1.技術的問題1.技術的問題1.技術的問題1.技術的問題

染色体標本を作るときはスライド上で拡げて染染色体標本を作るときはスライド上で拡げて染染色体標本を作るときはスライド上で拡げて染染色体標本を作るときはスライド上で拡げて染

色体の重なりを少なくするので、拡げ過ぎると染色色体の重なりを少なくするので、拡げ過ぎると染色色体の重なりを少なくするので、拡げ過ぎると染色色体の重なりを少なくするので、拡げ過ぎると染色

体を失った(モノソミーの)核板が増えます。この体を失った(モノソミーの)核板が増えます。この体を失った(モノソミーの)核板が増えます。この体を失った(モノソミーの)核板が増えます。この

Page 2: 常染色体数のモザイク - cytogen.jp · 02c 常染色体数のモザイク 2 ような核板が全体の 10110010 %以下ならば許容範囲で、今 の技術ならこれより少なくすることができます。

02c 02c 02c 02c 常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク

2

ような核板が全体のような核板が全体のような核板が全体のような核板が全体の 10101010%以下ならば許容範囲で、今%以下ならば許容範囲で、今%以下ならば許容範囲で、今%以下ならば許容範囲で、今

の技術ならこれより少なくすることができます。核の技術ならこれより少なくすることができます。核の技術ならこれより少なくすることができます。核の技術ならこれより少なくすることができます。核

板ごとに失う染色体が違うのが特徴で、大きい染色板ごとに失う染色体が違うのが特徴で、大きい染色板ごとに失う染色体が違うのが特徴で、大きい染色板ごとに失う染色体が違うのが特徴で、大きい染色

体より小さい染色体の方が失われ易い傾向があり体より小さい染色体の方が失われ易い傾向があり体より小さい染色体の方が失われ易い傾向があり体より小さい染色体の方が失われ易い傾向があり

ます。飛び散った染色体が他の核板に入り込むとトます。飛び散った染色体が他の核板に入り込むとトます。飛び散った染色体が他の核板に入り込むとトます。飛び散った染色体が他の核板に入り込むとト

リソリソリソリソミーになりますが、これが起きる可能性は少なミーになりますが、これが起きる可能性は少なミーになりますが、これが起きる可能性は少なミーになりますが、これが起きる可能性は少な

く、仮に起きても染色体の濃縮程度・形の違いで見く、仮に起きても染色体の濃縮程度・形の違いで見く、仮に起きても染色体の濃縮程度・形の違いで見く、仮に起きても染色体の濃縮程度・形の違いで見

分けることができます。言い換えると、技術的問題分けることができます。言い換えると、技術的問題分けることができます。言い換えると、技術的問題分けることができます。言い換えると、技術的問題

のためのモザイクでは、小さい染色体のモノソミーのためのモザイクでは、小さい染色体のモノソミーのためのモザイクでは、小さい染色体のモノソミーのためのモザイクでは、小さい染色体のモノソミー

になることが多いと言えます。結論として、染色体になることが多いと言えます。結論として、染色体になることが多いと言えます。結論として、染色体になることが多いと言えます。結論として、染色体

標本を作る技術が優秀であることが、モザイクを見標本を作る技術が優秀であることが、モザイクを見標本を作る技術が優秀であることが、モザイクを見標本を作る技術が優秀であることが、モザイクを見

分けるための前提条件です。分けるための前提条件です。分けるための前提条件です。分けるための前提条件です。

2.カウントする細胞数2.カウントする細胞数2.カウントする細胞数2.カウントする細胞数

カウントする細胞数が多ければ多いほどモザイカウントする細胞数が多ければ多いほどモザイカウントする細胞数が多ければ多いほどモザイカウントする細胞数が多ければ多いほどモザイ

クを発見し易いのは確かですが、カウントを多くすクを発見し易いのは確かですが、カウントを多くすクを発見し易いのは確かですが、カウントを多くすクを発見し易いのは確かですが、カウントを多くす

るほど能率が落ちるので、妥協点を見出す必要があるほど能率が落ちるので、妥協点を見出す必要があるほど能率が落ちるので、妥協点を見出す必要があるほど能率が落ちるので、妥協点を見出す必要があ

ります。表現型に影響する異常のラインがります。表現型に影響する異常のラインがります。表現型に影響する異常のラインがります。表現型に影響する異常のラインが 20202020%以上%以上%以上%以上

だとすると、だとすると、だとすると、だとすると、15151515 細胞をカウントすれば検出できる筈細胞をカウントすれば検出できる筈細胞をカウントすれば検出できる筈細胞をカウントすれば検出できる筈

です。です。です。です。20~3020~3020~3020~30細胞をカウントするのが普通ですから、細胞をカウントするのが普通ですから、細胞をカウントするのが普通ですから、細胞をカウントするのが普通ですから、

表現型に影響するモザイクを検出するには充分で表現型に影響するモザイクを検出するには充分で表現型に影響するモザイクを検出するには充分で表現型に影響するモザイクを検出するには充分で

す。す。す。す。

表1.検出できるモザイク表1.検出できるモザイク表1.検出できるモザイク表1.検出できるモザイク

カウントするカウントするカウントするカウントする 検出できる検出できる検出できる検出できる

細胞数細胞数細胞数細胞数 モザイク(モザイク(モザイク(モザイク(%%%%))))

10101010 26 26 26 26

15 15 15 15 19 19 19 19

20 20 20 20 14 14 14 14

30 30 30 30 10 10 10 10

50 50 50 50 6 6 6 6

常染色体モノソミーは細胞レベルでも生存が難常染色体モノソミーは細胞レベルでも生存が難常染色体モノソミーは細胞レベルでも生存が難常染色体モノソミーは細胞レベルでも生存が難

しいので、正常しいので、正常しいので、正常しいので、正常////常染色体モノソミーのモザイクは出常染色体モノソミーのモザイクは出常染色体モノソミーのモザイクは出常染色体モノソミーのモザイクは出

生後ではあり得ません。自然流産ではまれにあり得生後ではあり得ません。自然流産ではまれにあり得生後ではあり得ません。自然流産ではまれにあり得生後ではあり得ません。自然流産ではまれにあり得

ます。正常ます。正常ます。正常ます。正常////トリソミーのモザトリソミーのモザトリソミーのモザトリソミーのモザイクは出生後でもありイクは出生後でもありイクは出生後でもありイクは出生後でもあり

得ます。殊に得ます。殊に得ます。殊に得ます。殊に 8888, , , , 9999, , , , 13131313, , , , 18181818, , , , 21212121, , , , 22222222 番染色体のモザイ番染色体のモザイ番染色体のモザイ番染色体のモザイ

ク・トリソミーは注意が必要です。染色体分析を担ク・トリソミーは注意が必要です。染色体分析を担ク・トリソミーは注意が必要です。染色体分析を担ク・トリソミーは注意が必要です。染色体分析を担

当する技師はこの当する技師はこの当する技師はこの当する技師はこの 6666 種のトリソミーのどれかを持つ種のトリソミーのどれかを持つ種のトリソミーのどれかを持つ種のトリソミーのどれかを持つ

細胞をひとつでもみつけたら、報告すべきです。報細胞をひとつでもみつけたら、報告すべきです。報細胞をひとつでもみつけたら、報告すべきです。報細胞をひとつでもみつけたら、報告すべきです。報

告を受けた医師は告を受けた医師は告を受けた医師は告を受けた医師は ①①①① 表現型、②表現型、②表現型、②表現型、② 年齢と性別、③年齢と性別、③年齢と性別、③年齢と性別、③

トリソミーが次世代に伝わる種類か否か、を加味しトリソミーが次世代に伝わる種類か否か、を加味しトリソミーが次世代に伝わる種類か否か、を加味しトリソミーが次世代に伝わる種類か否か、を加味し

て判断します。例えば、表現型正常の成人女性でて判断します。例えば、表現型正常の成人女性でて判断します。例えば、表現型正常の成人女性でて判断します。例えば、表現型正常の成人女性で 30303030

細胞中2細胞にトリソミー細胞中2細胞にトリソミー細胞中2細胞にトリソミー細胞中2細胞にトリソミー21212121 をみつけたら、皮膚線をみつけたら、皮膚線をみつけたら、皮膚線をみつけたら、皮膚線

維芽細胞の染色体分析か頬粘膜細胞の間期核維芽細胞の染色体分析か頬粘膜細胞の間期核維芽細胞の染色体分析か頬粘膜細胞の間期核維芽細胞の染色体分析か頬粘膜細胞の間期核 FISHFISHFISHFISH

によって確認すべきです。性腺細胞中にトリソミーによって確認すべきです。性腺細胞中にトリソミーによって確認すべきです。性腺細胞中にトリソミーによって確認すべきです。性腺細胞中にトリソミー

21212121(卵細胞ならダイソミー(卵細胞ならダイソミー(卵細胞ならダイソミー(卵細胞ならダイソミー21212121)のラインがあると、)のラインがあると、)のラインがあると、)のラインがあると、

トリソミートリソミートリソミートリソミー21212121 の胎児を生ずる可能性があるからでの胎児を生ずる可能性があるからでの胎児を生ずる可能性があるからでの胎児を生ずる可能性があるからで

す。す。す。す。

モザイクでないトリソミーとモザイク・トリソミモザイクでないトリソミーとモザイク・トリソミモザイクでないトリソミーとモザイク・トリソミモザイクでないトリソミーとモザイク・トリソミ

ーを比べると、モザイク・トリソミーの方が表現型ーを比べると、モザイク・トリソミーの方が表現型ーを比べると、モザイク・トリソミーの方が表現型ーを比べると、モザイク・トリソミーの方が表現型

は軽く、正常細胞が多いほど表現型が軽いと言えまは軽く、正常細胞が多いほど表現型が軽いと言えまは軽く、正常細胞が多いほど表現型が軽いと言えまは軽く、正常細胞が多いほど表現型が軽いと言えま

す。これは集団としての傾向で、個々の例では必ずす。これは集団としての傾向で、個々の例では必ずす。これは集団としての傾向で、個々の例では必ずす。これは集団としての傾向で、個々の例では必ず

しもこの原則が当てはまりません。染色体分析に常しもこの原則が当てはまりません。染色体分析に常しもこの原則が当てはまりません。染色体分析に常しもこの原則が当てはまりません。染色体分析に常

用する末梢血リンパ球は多数の分裂を経ているの用する末梢血リンパ球は多数の分裂を経ているの用する末梢血リンパ球は多数の分裂を経ているの用する末梢血リンパ球は多数の分裂を経ているの

で、モザイク率が当初とは違っていることを計算にで、モザイク率が当初とは違っていることを計算にで、モザイク率が当初とは違っていることを計算にで、モザイク率が当初とは違っていることを計算に

入れる必要があります。皮膚線維芽細胞は分裂回数入れる必要があります。皮膚線維芽細胞は分裂回数入れる必要があります。皮膚線維芽細胞は分裂回数入れる必要があります。皮膚線維芽細胞は分裂回数

が少ないので、リンパ球よりは当初に近いと言えまが少ないので、リンパ球よりは当初に近いと言えまが少ないので、リンパ球よりは当初に近いと言えまが少ないので、リンパ球よりは当初に近いと言えま

す。脳細胞は知能に関係するのでそのモザイク率をす。脳細胞は知能に関係するのでそのモザイク率をす。脳細胞は知能に関係するのでそのモザイク率をす。脳細胞は知能に関係するのでそのモザイク率を

知りたいところですが、染色体分析できません。知りたいところですが、染色体分析できません。知りたいところですが、染色体分析できません。知りたいところですが、染色体分析できません。

3.加齢とモザイク率の変化3.加齢とモザイク率の変化3.加齢とモザイク率の変化3.加齢とモザイク率の変化

モザイク・トリソミー8では、一般に生後年齢をモザイク・トリソミー8では、一般に生後年齢をモザイク・トリソミー8では、一般に生後年齢をモザイク・トリソミー8では、一般に生後年齢を

重ねるほどリンパ球のトリソミー細胞の比率が下重ねるほどリンパ球のトリソミー細胞の比率が下重ねるほどリンパ球のトリソミー細胞の比率が下重ねるほどリンパ球のトリソミー細胞の比率が下

がり、甚だしいときはトリソミーのラインが消えてがり、甚だしいときはトリソミーのラインが消えてがり、甚だしいときはトリソミーのラインが消えてがり、甚だしいときはトリソミーのラインが消えて

しまうことがあります(しまうことがあります(しまうことがあります(しまうことがあります(Hulley et al., 2003Hulley et al., 2003Hulley et al., 2003Hulley et al., 2003)。分裂)。分裂)。分裂)。分裂

中期核板より間期核の方がトリソミー細胞の比率中期核板より間期核の方がトリソミー細胞の比率中期核板より間期核の方がトリソミー細胞の比率中期核板より間期核の方がトリソミー細胞の比率

が高いので、培養リンパ球の間期核・頬粘膜細胞核が高いので、培養リンパ球の間期核・頬粘膜細胞核が高いので、培養リンパ球の間期核・頬粘膜細胞核が高いので、培養リンパ球の間期核・頬粘膜細胞核

などのなどのなどのなどの FISHFISHFISHFISH 分析で検出できることがあります。分析で検出できることがあります。分析で検出できることがあります。分析で検出できることがあります。

モザイク・トリソミーモザイク・トリソミーモザイク・トリソミーモザイク・トリソミー21212121 の乳児のリンパ球を出生の乳児のリンパ球を出生の乳児のリンパ球を出生の乳児のリンパ球を出生

時から数ヶ月時から数ヶ月時から数ヶ月時から数ヶ月~~~~5歳まで追跡した結果(図1)、加齢5歳まで追跡した結果(図1)、加齢5歳まで追跡した結果(図1)、加齢5歳まで追跡した結果(図1)、加齢

と共に正常細胞が増えたのが7例、減ったのが5例、と共に正常細胞が増えたのが7例、減ったのが5例、と共に正常細胞が増えたのが7例、減ったのが5例、と共に正常細胞が増えたのが7例、減ったのが5例、

波状の変化をしたのが1例です(波状の変化をしたのが1例です(波状の変化をしたのが1例です(波状の変化をしたのが1例です(Taylor, 1970Taylor, 1970Taylor, 1970Taylor, 1970)。言)。言)。言)。言

い換えると、乳児期にはトリソミー・正常のラインい換えると、乳児期にはトリソミー・正常のラインい換えると、乳児期にはトリソミー・正常のラインい換えると、乳児期にはトリソミー・正常のライン

の間で激しい競合が起こるが、どちらのラインが勝の間で激しい競合が起こるが、どちらのラインが勝の間で激しい競合が起こるが、どちらのラインが勝の間で激しい競合が起こるが、どちらのラインが勝

つかは予測できません。つかは予測できません。つかは予測できません。つかは予測できません。10101010 歳以上の5例のモザイク歳以上の5例のモザイク歳以上の5例のモザイク歳以上の5例のモザイク

を追跡した結果では、加齢に伴って正常の細胞が多を追跡した結果では、加齢に伴って正常の細胞が多を追跡した結果では、加齢に伴って正常の細胞が多を追跡した結果では、加齢に伴って正常の細胞が多

くなる結果です。つまり、年長者では長い間には正くなる結果です。つまり、年長者では長い間には正くなる結果です。つまり、年長者では長い間には正くなる結果です。つまり、年長者では長い間には正

常細胞が優位を占めると言えます。常細胞が優位を占めると言えます。常細胞が優位を占めると言えます。常細胞が優位を占めると言えます。

非モザイク型の非モザイク型の非モザイク型の非モザイク型の DownDownDownDown 症候群の患者でも症候群の患者でも症候群の患者でも症候群の患者でも 45454545 歳以歳以歳以歳以

上になると正常(ダイソミー)細胞が低頻度出上になると正常(ダイソミー)細胞が低頻度出上になると正常(ダイソミー)細胞が低頻度出上になると正常(ダイソミー)細胞が低頻度出現す現す現す現す

ることがあります(ることがあります(ることがあります(ることがあります(JenkinsJenkinsJenkinsJenkins et al., et al., et al., et al., 1997199719971997)。)。)。)。

Page 3: 常染色体数のモザイク - cytogen.jp · 02c 常染色体数のモザイク 2 ような核板が全体の 10110010 %以下ならば許容範囲で、今 の技術ならこれより少なくすることができます。

02c 02c 02c 02c 常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク常染色体数のモザイク

3

4.モザイク・トリソミーの起源4.モザイク・トリソミーの起源4.モザイク・トリソミーの起源4.モザイク・トリソミーの起源

モザイク・トリソミーモザイク・トリソミーモザイク・トリソミーモザイク・トリソミー21212121 はトリソミーはトリソミーはトリソミーはトリソミー21212121 の受精の受精の受精の受精

卵から出発し、発生の途中に体細胞で卵から出発し、発生の途中に体細胞で卵から出発し、発生の途中に体細胞で卵から出発し、発生の途中に体細胞で 21212121 番染色体番染色体番染色体番染色体

を失ってダイソミーのラインができるのが大部分を失ってダイソミーのラインができるのが大部分を失ってダイソミーのラインができるのが大部分を失ってダイソミーのラインができるのが大部分

です。他の染色体のモザイク・トリソミーも同じ機です。他の染色体のモザイク・トリソミーも同じ機です。他の染色体のモザイク・トリソミーも同じ機です。他の染色体のモザイク・トリソミーも同じ機

転によるものが多いと思われます。例外はモザイ転によるものが多いと思われます。例外はモザイ転によるものが多いと思われます。例外はモザイ転によるものが多いと思われます。例外はモザイ

ク・トリソミー8で、ダイソミーで出発した受精卵ク・トリソミー8で、ダイソミーで出発した受精卵ク・トリソミー8で、ダイソミーで出発した受精卵ク・トリソミー8で、ダイソミーで出発した受精卵

が発生途上の体細胞の不分離により、トリソミー・が発生途上の体細胞の不分離により、トリソミー・が発生途上の体細胞の不分離により、トリソミー・が発生途上の体細胞の不分離により、トリソミー・

ラインを生じます(ラインを生じます(ラインを生じます(ラインを生じます(KaradimaKaradimaKaradimaKaradima et al., et al., et al., et al., 1998199819981998)。)。)。)。

5.色素形成異常症(伊5.色素形成異常症(伊5.色素形成異常症(伊5.色素形成異常症(伊藤白斑;藤白斑;藤白斑;藤白斑; pigmentary pigmentary pigmentary pigmentary

dyspldyspldyspldysplaaaasiasiasiasia))))

この疾患のほぼこの疾患のほぼこの疾患のほぼこの疾患のほぼ 60%60%60%60%で正常で正常で正常で正常////染色体異常モザイクが染色体異常モザイクが染色体異常モザイクが染色体異常モザイクが

みつかります。染色体異常のラインはみつかります。染色体異常のラインはみつかります。染色体異常のラインはみつかります。染色体異常のラインは 45,X45,X45,X45,X、種々の、種々の、種々の、種々の

常染色体トリソミー、構造異常(相互転座、欠失、常染色体トリソミー、構造異常(相互転座、欠失、常染色体トリソミー、構造異常(相互転座、欠失、常染色体トリソミー、構造異常(相互転座、欠失、

リングリングリングリング XXXX)、三倍体などで、殊に)、三倍体などで、殊に)、三倍体などで、殊に)、三倍体などで、殊に 12121212p, p, p, p, 18181818, , , , XpXpXpXp が関与が関与が関与が関与

することが多いと言われています(することが多いと言われています(することが多いと言われています(することが多いと言われています(Küster and Küster and Küster and Küster and

König, 1999König, 1999König, 1999König, 1999)。)。)。)。XXXX////常染色体転座では常染色体転座では常染色体転座では常染色体転座では XXXX 短腕の機能的短腕の機能的短腕の機能的短腕の機能的

ダイソミーモザイクにより伊藤白斑が生ずるとさダイソミーモザイクにより伊藤白斑が生ずるとさダイソミーモザイクにより伊藤白斑が生ずるとさダイソミーモザイクにより伊藤白斑が生ずるとさ

れています(れています(れています(れています(HatchHatchHatchHatchwwwwell, 1996ell, 1996ell, 1996ell, 1996)。)。)。)。[02e[02e[02e[02e 伊藤白斑伊藤白斑伊藤白斑伊藤白斑] ] ] ] をををを

参照。参照。参照。参照。

6.まれな疾患6.まれな疾患6.まれな疾患6.まれな疾患

1111)染色体不安定症候群)染色体不安定症候群)染色体不安定症候群)染色体不安定症候群

FanconiFanconiFanconiFanconi 貧血・毛細血管拡張性失調症(貧血・毛細血管拡張性失調症(貧血・毛細血管拡張性失調症(貧血・毛細血管拡張性失調症(ataxia ataxia ataxia ataxia

tttteeeelangiectlangiectlangiectlangiectaaaasiasiasiasia)・)・)・)・NijmegenNijmegenNijmegenNijmegen(ナイミーヘン)症候(ナイミーヘン)症候(ナイミーヘン)症候(ナイミーヘン)症候

群、・群、・群、・群、・RobertsRobertsRobertsRoberts 症候群・症候群・症候群・症候群・ICFICFICFICF 症候群などの一連の染色症候群などの一連の染色症候群などの一連の染色症候群などの一連の染色

体不安定症候群で、染色体数の不規則な異常を伴う体不安定症候群で、染色体数の不規則な異常を伴う体不安定症候群で、染色体数の不規則な異常を伴う体不安定症候群で、染色体数の不規則な異常を伴う

ことがあります。ことがあります。ことがあります。ことがあります。

2)2)2)2)mmmmosaic variegated aneuploidyosaic variegated aneuploidyosaic variegated aneuploidyosaic variegated aneuploidy

乳児で小頭症、重症の発達遅滞、乳児で小頭症、重症の発達遅滞、乳児で小頭症、重症の発達遅滞、乳児で小頭症、重症の発達遅滞、DandyDandyDandyDandy----WalkerWalkerWalkerWalker

奇形を伴い、痙攣、奇形を伴い、痙攣、奇形を伴い、痙攣、奇形を伴い、痙攣、WilmsWilmsWilmsWilms 腫瘍を発症して死亡する腫瘍を発症して死亡する腫瘍を発症して死亡する腫瘍を発症して死亡する

疾患があります疾患があります疾患があります疾患があります 。リンパ球培養で分裂中期核の。リンパ球培養で分裂中期核の。リンパ球培養で分裂中期核の。リンパ球培養で分裂中期核の

10%10%10%10%以上に種々の染色体のトリ以上に種々の染色体のトリ以上に種々の染色体のトリ以上に種々の染色体のトリソミー・モノソミーソミー・モノソミーソミー・モノソミーソミー・モノソミー

((((mosaic variegated anmosaic variegated anmosaic variegated anmosaic variegated aneeeeuploidyuploidyuploidyuploidy)を認めます。)を認めます。)を認めます。)を認めます。

50%50%50%50% 以 上 の 細 胞 で 染 色 分 体 が 離 れ て い る以 上 の 細 胞 で 染 色 分 体 が 離 れ て い る以 上 の 細 胞 で 染 色 分 体 が 離 れ て い る以 上 の 細 胞 で 染 色 分 体 が 離 れ て い る

((((premature chromatid separpremature chromatid separpremature chromatid separpremature chromatid separaaaationtiontiontion)ので、)ので、)ので、)ので、PCSPCSPCSPCS 症症症症

候群とも呼びます。詳しくは候群とも呼びます。詳しくは候群とも呼びます。詳しくは候群とも呼びます。詳しくは [08b PCS/MVA [08b PCS/MVA [08b PCS/MVA [08b PCS/MVA 症候症候症候症候

群群群群] ] ] ] をご参照ください。をご参照ください。をご参照ください。をご参照ください。

7.報告書7.報告書7.報告書7.報告書

20202020 細胞をカウントして細胞をカウントして細胞をカウントして細胞をカウントして 1111 細胞に表現型に関係の細胞に表現型に関係の細胞に表現型に関係の細胞に表現型に関係の

ないトリソミーがあったら、報告しなくてよいと考ないトリソミーがあったら、報告しなくてよいと考ないトリソミーがあったら、報告しなくてよいと考ないトリソミーがあったら、報告しなくてよいと考

えます。えます。えます。えます。2222 細胞に同じトリソミーがあったら報告し、細胞に同じトリソミーがあったら報告し、細胞に同じトリソミーがあったら報告し、細胞に同じトリソミーがあったら報告し、

①①①① リンパ球間期核のリンパ球間期核のリンパ球間期核のリンパ球間期核の FISHFISHFISHFISH 分析、②分析、②分析、②分析、② 頬粘膜細胞の頬粘膜細胞の頬粘膜細胞の頬粘膜細胞の

間期核間期核間期核間期核 FISHFISHFISHFISH 分分分分析、③析、③析、③析、③ 皮膚繊維芽細胞の培養によ皮膚繊維芽細胞の培養によ皮膚繊維芽細胞の培養によ皮膚繊維芽細胞の培養によ

る染色体分析、などを提案します。②る染色体分析、などを提案します。②る染色体分析、などを提案します。②る染色体分析、などを提案します。② は良い方法は良い方法は良い方法は良い方法

ですが染色体技師が採取して標本を作らないと、うですが染色体技師が採取して標本を作らないと、うですが染色体技師が採取して標本を作らないと、うですが染色体技師が採取して標本を作らないと、う

まくゆきません。その他、トリソミーによって対応まくゆきません。その他、トリソミーによって対応まくゆきません。その他、トリソミーによって対応まくゆきません。その他、トリソミーによって対応

が違うので、成書をご参照ください。が違うので、成書をご参照ください。が違うので、成書をご参照ください。が違うので、成書をご参照ください。

文献文献文献文献

Hatchwell E: Hypomelanosis of Ito and Hatchwell E: Hypomelanosis of Ito and Hatchwell E: Hypomelanosis of Ito and Hatchwell E: Hypomelanosis of Ito and

XXXX----autosome translocations: A unifying autosome translocations: A unifying autosome translocations: A unifying autosome translocations: A unifying

hpothesis. J Med Genet 33:177hpothesis. J Med Genet 33:177hpothesis. J Med Genet 33:177hpothesis. J Med Genet 33:177−183, 1996.183, 1996.183, 1996.183, 1996.

Hulley BJ, Hummel M, Cook LL, BoHulley BJ, Hummel M, Cook LL, BoHulley BJ, Hummel M, Cook LL, BoHulley BJ, Hummel M, Cook LL, Boyd BK, yd BK, yd BK, yd BK,

Wenger SL: Trisomy 8 mosaicism. Selective Wenger SL: Trisomy 8 mosaicism. Selective Wenger SL: Trisomy 8 mosaicism. Selective Wenger SL: Trisomy 8 mosaicism. Selective

growth advantage of normal cells vs. growth growth advantage of normal cells vs. growth growth advantage of normal cells vs. growth growth advantage of normal cells vs. growth

disadisadisadisaddddvantage of trisomy 8 cells. Am J Med vantage of trisomy 8 cells. Am J Med vantage of trisomy 8 cells. Am J Med vantage of trisomy 8 cells. Am J Med

Genet 116A:144Genet 116A:144Genet 116A:144Genet 116A:144−146, 2003.146, 2003.146, 2003.146, 2003.

Jenkins EC, Schupf N, Genovese M, Ye LL, Jenkins EC, Schupf N, Genovese M, Ye LL, Jenkins EC, Schupf N, Genovese M, Ye LL, Jenkins EC, Schupf N, Genovese M, Ye LL,

Kapell D, Canto B, Harris M, Devenny D, Lee Kapell D, Canto B, Harris M, Devenny D, Lee Kapell D, Canto B, Harris M, Devenny D, Lee Kapell D, Canto B, Harris M, Devenny D, Lee

JH, Brown JH, Brown JH, Brown JH, Brown WT: Increased lowWT: Increased lowWT: Increased lowWT: Increased low----level level level level

chrochrochrochrommmmsome 21 mosaicism in older individuals some 21 mosaicism in older individuals some 21 mosaicism in older individuals some 21 mosaicism in older individuals

with Down syndrome. Am J Med Genet with Down syndrome. Am J Med Genet with Down syndrome. Am J Med Genet with Down syndrome. Am J Med Genet

68:14768:14768:14768:147−151, 1997.151, 1997.151, 1997.151, 1997.

Karadima G, Bugge M, Nicolaidis P, VssilopKaradima G, Bugge M, Nicolaidis P, VssilopKaradima G, Bugge M, Nicolaidis P, VssilopKaradima G, Bugge M, Nicolaidis P, Vssilopooooulos ulos ulos ulos

D, Avramopoulos D, Grigoriadou M, Albrecht D, Avramopoulos D, Grigoriadou M, Albrecht D, Avramopoulos D, Grigoriadou M, Albrecht D, Avramopoulos D, Grigoriadou M, Albrecht

B, et al.: Origin of nondisjunction in trisoB, et al.: Origin of nondisjunction in trisoB, et al.: Origin of nondisjunction in trisoB, et al.: Origin of nondisjunction in trisomy 8 my 8 my 8 my 8

and trisomy 8 mosaicism. Eur J Hum Genet and trisomy 8 mosaicism. Eur J Hum Genet and trisomy 8 mosaicism. Eur J Hum Genet and trisomy 8 mosaicism. Eur J Hum Genet

6:4326:4326:4326:432––––438, 1998.438, 1998.438, 1998.438, 1998.

KKKKüüüüster W, Kster W, Kster W, Kster W, Köööönig A: Hypomelanosiss of Ito: No nig A: Hypomelanosiss of Ito: No nig A: Hypomelanosiss of Ito: No nig A: Hypomelanosiss of Ito: No

entity, but a cutaneous sign of mosaicism. Am entity, but a cutaneous sign of mosaicism. Am entity, but a cutaneous sign of mosaicism. Am entity, but a cutaneous sign of mosaicism. Am

J Med Genet 85:346J Med Genet 85:346J Med Genet 85:346J Med Genet 85:346−350, 1999.350, 1999.350, 1999.350, 1999.

Taylor AI: Further observations of cell selection Taylor AI: Further observations of cell selection Taylor AI: Further observations of cell selection Taylor AI: Further observations of cell selection

in vivo in normal/G trin vivo in normal/G trin vivo in normal/G trin vivo in normal/G trisomic mosaics. Nature isomic mosaics. Nature isomic mosaics. Nature isomic mosaics. Nature

227:163227:163227:163227:163−164, 1970.164, 1970.164, 1970.164, 1970.

梶井梶井梶井梶井 [200[200[200[2009999 年年年年 3333 月月月月 13131313 日:改訂日:改訂日:改訂日:改訂]]]]