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平成 29 年度あおもりグローバルスチューデント育成事業「グローバル研究隊支援プログラム」 平成 29 年度高校と県内企業の連携ネットワーク強化事業「企業人アドバイザー派遣プログラム」を 活用した本校の『グローバル起業家教育プログラム』の実践報告について 青森県立木造高等学校 流通ビジネス系列 1 流通ビジネス系列『グローバル起業家教育プログラム』の目的 「ビジネス実践」の授業で実践している『グローバル起業家教育プログラム』では、地域産業の課題を 発見しそれを解決するための創造力等を身に付けさせ、地域経済発展のために貢献する人材育成を目指し ている。それを実現するための取組みとして、青森県産商品に関してマレーシアへの販路拡大の可能性を 探るため、製造業者及びつがるブランドメロンの生産者・農業協同組合に対してインタビュー調査を実施 し、8 月 19 日・20 日のテストマーケティング実現に向けて分析・PR活動等を行った。マレーシアには、 青森県とヤマト運輸(株)が締結している「A!Premium」という流通サービスを活用してテスト 用商材を発送し、マレーシアの店舗や日本食レストランでの販路拡大に向けたテストマーケティングを実 施した。アンケート結果をもとに、販路拡大に向けた課題等を分析し、協力して下さった企業等へ『マレ ーシア市場への販路拡大に向けた提案プレゼンテーション』を実施し調査結果等を情報提供した。 2 実施内容 (1)第1回『グローバル起業家教育プログラム』 平成 29 年 6 月 6 日(火)~7 日(水) (平成 29 年度あおもりグローバルスチューデント育成事業「グローバル研究隊支援プログラム」活用) 講師:株式会社 KOMATSU 社長 小松 利昭 氏 昨年度の生徒がマレーシアに青森県産商品について市場調査した研究を更に深めるため、青森県の輸 出の現状を知り、地元企業や農業協同組合のビジネスモデルに関する分析を行うとともに、マレーシア の経済情勢を調査した。 (2)第2回『グローバル起業家教育プログラム』 平成 29 年 7 月 4 日(火)~5 日(水) (平成 29 年度あおもりグローバルスチューデント育成事業「グローバル研究隊支援プログラム」活用) 講師:株式会社 KOMATSU 社長 小松 利昭 氏 青森県産商品等をマレーシアへの販路拡大の可能性を探るため、青森県産商品の製造業者及びつがる ブランドメロンの生産者・農業協同組合に対してインタビュー調査を実施し、テストマーケティングの 実現に向けた商材の提供をお願いした。 ②ごしょつがる農協木造総合支店 メロン部会長(つがる市) ③株式会社ラグノオささき境関工場( 弘前市) ①ごしょつがる農業協同組合木造総合支店( つがる市) ⑥有限会社ヤマホ竹鼻製麺所( 五所川原市) ⑤アップルアンドスナック株式会社( 田舎館村) ④有限会社ナカダフーズ( 弘前市)

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平成 29年度あおもりグローバルスチューデント育成事業「グローバル研究隊支援プログラム」

平成 29年度高校と県内企業の連携ネットワーク強化事業「企業人アドバイザー派遣プログラム」を

活用した本校の『グローバル起業家教育プログラム』の実践報告について

青森県立木造高等学校 流通ビジネス系列

1 流通ビジネス系列『グローバル起業家教育プログラム』の目的

「ビジネス実践」の授業で実践している『グローバル起業家教育プログラム』では、地域産業の課題を

発見しそれを解決するための創造力等を身に付けさせ、地域経済発展のために貢献する人材育成を目指し

ている。それを実現するための取組みとして、青森県産商品に関してマレーシアへの販路拡大の可能性を

探るため、製造業者及びつがるブランドメロンの生産者・農業協同組合に対してインタビュー調査を実施

し、8月19日・20日のテストマーケティング実現に向けて分析・PR活動等を行った。マレーシアには、

青森県とヤマト運輸(株)が締結している「A!Premium」という流通サービスを活用してテスト

用商材を発送し、マレーシアの店舗や日本食レストランでの販路拡大に向けたテストマーケティングを実

施した。アンケート結果をもとに、販路拡大に向けた課題等を分析し、協力して下さった企業等へ『マレ

ーシア市場への販路拡大に向けた提案プレゼンテーション』を実施し調査結果等を情報提供した。

2 実施内容

(1)第1回『グローバル起業家教育プログラム』 平成29年 6月6日(火)~7日(水)

(平成 29年度あおもりグローバルスチューデント育成事業「グローバル研究隊支援プログラム」活用)

講師:株式会社 KOMATSU 社長 小松 利昭 氏

昨年度の生徒がマレーシアに青森県産商品について市場調査した研究を更に深めるため、青森県の輸

出の現状を知り、地元企業や農業協同組合のビジネスモデルに関する分析を行うとともに、マレーシア

の経済情勢を調査した。

(2)第2回『グローバル起業家教育プログラム』 平成29年 7月4日(火)~5日(水)

(平成 29年度あおもりグローバルスチューデント育成事業「グローバル研究隊支援プログラム」活用)

講師:株式会社 KOMATSU 社長 小松 利昭 氏

青森県産商品等をマレーシアへの販路拡大の可能性を探るため、青森県産商品の製造業者及びつがる

ブランドメロンの生産者・農業協同組合に対してインタビュー調査を実施し、テストマーケティングの

実現に向けた商材の提供をお願いした。

②ごしょつがる農協木造総合支店 メロン部会長(つがる市) ③株式会社ラグノオささき境関工場(弘前市)

①ごしょつがる農業協同組合木造総合支店(つがる市)

⑥有限会社ヤマホ竹鼻製麺所(五所川原市)

⑤アップルアンドスナック株式会社(田舎館村)

④有限会社ナカダフーズ(弘前市)

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マレーシアへ販路拡大に向けて紹介する商品等の製造業者へのインタビュー調査・施設見学後、各企

業のビジネスモデルやSWOT分析等の見直しを踏まえた研究仮説を設定した。

アドバイザー:国際機関日本ASEANセンター貿易投資部 貿易担当部長代理 石田 靖 氏

(3)テストマーケティングに向けて

①販売促進物(リーフレット・CM)の作成(一部抜粋)・送付

②「A!Premium」を活用してテストマーケティング用商材発送 平成29年8月16日(水)

(送料については青森県県土整備部港湾空港課ロジスティクス推進グループで負担して頂いた。)

・つがるブランドメロン(ごしょつがる農業協同組合木造総合支店)

・中まで赤~いりんごの麺 (有限会社ヤマホ竹鼻製麺所)

・アップルスナック (アップルアンドスナック株式会社)

・スッタッタ林檎(有限会社ナカダフーズ)

・気になるりリンゴ(株式会社ラグノオささき)

・パティシエのりんごスティック(株式会社ラグノオささき)

③マレーシア三井アウトレットモールクアラルンプール国際空港セパン

ふぁんじゃぱんショップ「JAPAN AVENUE」

平成29年8月19日(土)~20日(日)テストマーケティング

アンケート実施協力者:マレーシア国民大学 学生

出典:青森県庁HPより一部抜粋

発送商品

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(4)ABA青森朝日放送 メッセージ 平成29年 10月7日(土)放送

(5)マレーシア産商品(ロゼルジャム・ジャックフルーツジャム)のテストマーケティング

本校と交流のあるマレーシア国民大学から依頼を受け、マレーシア産商品の販路拡大に向けたテス

トマーケティングを実施し、アンケート結果をマレーシア国民大学にフィードバックし、双方向でマ

ーケティングに関する深い学びを実現する。

①平成29年10月7日(土)3年次テストマーケティング (場所:イオンモールつがる柏)

出典:青森県庁HPより

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②平成29年10月8日(日)2年次テストマーケティング (場所:イオンモールつがる柏)

(6)第3回『グローバル起業家教育プログラム』 平成29年10月 24日(火)~25日(水)

(平成 29年度あおもりグローバルスチューデント育成事業「グローバル研究隊支援プログラム」活用)

講師:株式会社 KOMATSU 社長 小松 利昭 氏

マレーシア(8 月 19 日・20 日)でテストマーケティングした結果を分析し、分析結果から判明し

た課題を解決するための提案を含めた発表をする。11月 15 日実施の協力企業等への『マレーシア市

場への販路拡大に向けた提案プレゼンテーション』に向け、講師よりマーケティングの視点を踏まえ

たアドバイスから発表内容のブラッシュアップを図った。

(7)『マレーシア市場への販路拡大に向けた提案プレゼンテーション』 平成29年 11月 15日(水)

(平成 29年度高校と県内企業の連携ネットワーク強化事業「企業人アドバイザー派遣プログラム」活用)

生徒が「ビジネス実践」の授業で海外への販路拡大に向けてアンケート調査を分析した結果を、プ

レゼンテーションを通して企業等へ提案し、関係機関や企業から輸出に対するご意見や感想等をいた

だいた。

【参加企業等】

① (有)ナカダフーズ 社長 中田 敏哉 氏

② (株)ラグノオささき マーケティング部マネーシャー 矢田 千穂美 氏

③ (有)ヤマホ竹鼻製麺所 代表取締役専務 会津 範行 氏

④ ごしょつがる農業協同組合木造総合支店 販売指導課長 岡元 正広 氏

⑤ ごしょつがる農業協同組合木造総合支店 メロン部会長 工藤 勇一 氏

⑥ つがる市地域ブランド対策室 室長補佐 渡邊 照秀 氏

⑦ 日本貿易推進機構青森所長 奥 貴史 氏

⑧ 青森県県土整備部港湾空港課 総括主幹 田澤 謙吾 氏

⑨ 青森県県土整備部港湾空港課 主幹 屋崎 雪江 氏

⑩ 保護者 1名

【発表テーマ】

①「アップルスナック」マレーシアでの販路拡大の可能性を探る

②青森のおいしい「スッタッタ林檎」マレーシアでの販路拡大を目指して

③青森県を代表するスイーツをマレーシアへ!

~「気になるリンゴ」「パティシエのりんごスティック」~

④地域産業の発展を目指して~「中まで赤~いりんごの麺」の海外販路拡大計画~

⑤羽ばたけ世界へ!~つがるブランドメロンの海外進出を目指して~

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【企業等からの御意見】

テストマーケティングの分析やマレーシアでの販売に向けてサンプルまで作ってくれたことでパッ

ケージの変更も検討していきたい。スタンドパウチについては弊社でも検討していたが、菌が入り

やすく衛生面では心配である。

CM時の試食場面はターゲットを高齢者や赤ちゃんにしているのではあれば、高校生でない方がイ

メージしやすい。

「気になるリンゴ」や「パティシエのりんごスティック」は賞味期限が短いため「A!Premi

um」という流通サービスを活用することはいいことである。

日本とマレーシアは需要が異なっていることもあるため、このことを踏まえて考えるとよりよいも

のとなる。具体的にはマレーシアでは旧正月のギフト用として考えたのはいいアイディアである。

海外への販路拡大に向けパッケージの見直しを検討していたが、このプレゼンテーションの内容か

らパッケージを変更しなくてもよいのではないかと確信した。

麺つゆが豚由来成分のゼラチンが含まれハラル対応でなかったため、麺つゆをハラル対応に変える

提案について、既にハラルに対応した麺つゆの試作品を製造している。

海外への販路拡大に向けてハラルに対応した商品の改良を今後検討していきたい。

他県の生産地と連携し、一年を通した輸出を実現することで、日本産メロン全体の知名度の向上を

図ることで、メロン輸出のさらなる拡大への取り組みや、船便と「A!Premium」を併用し輸送費を

削減することでさらに収益力を高めることが可能になる。

輸出が実現されればメロン農家の収入も上がり生産の励みになる。

他県のメロンとの差別化を図るためにブランド名の公募を検討中である。

高校生のうちから企業の将来について真剣に研究をしているような人材を採用したい。

(8)平成29年度 第4回青森県総合学科高等学校研究発表会 平成29年12月25日(月)

【発表テーマ】

羽ばたけ世界へ! ~つがるブランドメロンの海外進出を目指して~

【審査員講評】

つがる市のメロンの輸出実現に向け、深く研究されている。

Most Impressiv Presentation受賞

【他校参加生徒からの感想】

分析、調査、実践のどれも素晴らしいものでした。貯蔵方法についてもしっかり調べられており企

業や地域からすれば頼もしい存在だと思う。

実際にマレーシアで販売して改善点や分かったことなどがあり、この研究が将来への大きな一歩で

あることを再確認できた。メロンの輸出が現実になってほしい。

「つがるブランドメロン」が本格的に海外で販売されれば、青森県の活性化につながるので、最後

まで頑張ってほしい。

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(9)『つがる市長への提案プレゼンテーション』 平成30年 1月17日(水)

【発表テーマ】羽ばたけ世界へ! ~つがるブランドメロンの海外進出を目指して~

【つがる市長からの講評】

つがる市の特産品であるメロンの輸出が実現すれば、メロン農家の所得向上に繋がり、つがる市が

抱える地域課題解決の一助として期待できる。しかし、以前、つがる市のりんごを台湾へ輸出しよう

と働きかけた際、すれ違いなどが原因となり土壇場で商談が成立しなかったという苦い経験があり、

輸出の難しさを実感したことがあることから、輸出実現に向け、継続して更に研究を深めてほしい。

今後もつがる市は、この活動を応援していきたい。

(10)「深い学びにより主体的に未来を切り拓く高校生育成事業」深い学び合同発表会 平成30年2月3日(土)

【発表テーマ】

羽ばたけ世界へ! ~つがるブランドメロンの海外進出を目指して~

【他校参加生徒からの感想】

研究動機や目的が明確なうえ現地での具体的な意見があって現実味があり、大変参考になった。

規模が大きくて将来性のあるテーマだと思います。つがる市民としてメロンの海外進出を願ってい

ます。

地域の活性化のために世界に目を向け、実際に販売まで行いすごい。チャレンジ精神の大切さを学

びました。

3 『グローバル起業家教育プログラム』を通しての生徒の感想

このプログラムを通して、地域の魅力を伝え経済発展と地域活性化に貢献することの大変さと大切さを

学んだ。アップルアンドスナック株式会社様が伝えたいことと消費者が求めていることを理解するために

様々な視点で物事をとらえ考える能力、相手に伝えるためにはどうすればいいかよく考察し、プレゼンテ

ーションを行う能力などを身に付けたと感じている。その他に海外へ販路拡大を目指すうえで英語でのプ

レゼンテーションやCMを作成し英語力も身に付けることができたと感じている。高校生として微力では

あるが少しでも地域貢献できればと思い活動を開始したが、新しいアイディアや解決策を生み出すために

苦戦しながらも自分たちなりに考えをまとめることができた。先生や企業の方の支えがあり自己の成長を

感じられる活動を行えたことに心から感謝しております。この活動を通して学んだことを将来に活かして

いくとともに、地元の良さを多くの方に伝えられるようにしていきたい。 (3年次 女子)

私たちは終始手探り状態で研究を進めてきたが、周りの方の支えがあってここまできた。特にアンケー

ト結果を分析し、マレーシア市場のターゲットに合った販売場所や販売方法を考えることに苦労したが、

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「アップルスナック」や輸出相手国のことについて詳しく知ることや英語力を身につけることが販路拡大

につながってくると実感した。ここまで大変だったことの方が多かったが、仲間と協力し、1つのものを

達成する喜びを感じることができた。これまで私たちの活動にご協力して下さったアップルアンドスナッ

ク株式会社様、輸入業者のふぁんじゃぱん様、ヤマト運輸様、マレーシア国民大学の皆様、(株)KOMA

TSUの小松先生には、心から感謝申し上げます。今後も英語力や物事を様々な視点から分析する力など

活動を通して身についた力を高校卒業後も生かしていきたい。 (3年次 女子)

私たちは「スッタッタ林檎」の販路を海外へと拡大させたいという思いで、数多くのアンケート調査を

実施、分析し、その結果から課題を見つけ解決策を考えてきた。その中で海外へと販路を拡大するために

は商品の価値を相手国(マレーシア)の人々に理解してもらうための工夫が必要だと実感した。ターゲッ

トのニーズに合わせたパッケージやデザインを改善することは決して簡単なことではなく、アイディアが

浮かばず難しい部分がたくさんあった。しかし、自分ひとりでアイディアを導くのではなく仲間と協力し

意見を出し合いながら活動することの大切や、苦労した後の達成感もこの授業を通して学んだ。そして何

より海外へ販路拡大するためにはまず異国の文化や宗教、食生活などについて知ることが大切だというこ

とを知った。今回のこの研究はナカダフーズ社長中田敏哉様、青森県整備部港湾課様、JETORO青森様、ヤ

マト運輸様、マレーシア国民大学の学生の皆様、株式会社 KOMATSUの小松利昭先生等のご支援ご協力があ

ったからこそ実施することができ、貴重な経験をすることができたことに本当に感謝しています。今後も

高校生ならではの知恵を掘り起し、青森県の経済活性化に貢献していきたい。高校卒業後も、このプログ

ラムで学んだ、伝える力、課題発見力、問題解決力、話し合う力を生かしていきたい。 (3年次 女子)

今回のプログラムでは「スッタッタ林檎」の魅力を最大限にマレーシアに伝えられるように努力してき

た。実際に、英語でのプレゼンテーション、リーフレット、CMなどを作成し、普段の授業ではあまり活用

しない英語力を高めることができた。私たちは「スッタッタ林檎」を選択し、新たなアイディアを創造し

たり、消費者目線で「スッタッタ林檎」のアピール方法を考えた。この新しいアイディアを生み出すとい

うことは決して簡単なことではなかったが、自分一人だけでなく多くの人と意見を交わして話し合うこと

の大切さを知ることができた。そしてその考えたことをナカダフーズ様に実際に伝え、新たな意見をいた

だき、これから考えていきたいとのご意見をいただいた時はとても嬉しく思い、達成感を感じた。今回自

分たちが提案したことが少しでも企業のお役に立てていただければ幸いである。この研究は、私たちだけ

では実施することのできなかったことなので、ご協力していただいた全ての皆様への感謝の気持ちを忘れ

ることなく、社会人となってからも、学んだことを生かしていきたい。 (3年次 女子)

「気になるリンゴ」と「パティシエのりんごスティック」の二つの商品をマレーシアでテストマーケテ

ィングを行い、販路拡大するためにどうしたらよいのかを考えることができ、自分の立場からだけでなく

相手の立場になって考えることの大切さに気づくことができた。今回の場合は、自分の立場から考えると

「二つの商品は日本で青森県のお土産として売られている」と考えていたが、マレーシアの立場から考え

ると「青森県というのは関係なく日本のどこかの商品である」と考えられていることが分かった。この違

いを販売する側が理解し、問題点を理解することが販路拡大につながるのではないかと感じた。今回の実

践活動は必要な資料を集め、それを分析し協力して下さったラグノオささき様へ伝えることで、企業に販

路拡大の可能性を考えて頂くことを目的としていた。マレーシアでの分析結果から課題を発見し、解決策

を考えることは難しく苦労したことも多かったが、11月15日の提案プレゼンテーションではラグノオさ

さき様が次のステップを踏み出せる一助となった提案ができて良かったと実感している。また、今回はラ

グノオささき様やマレーシア国民大学の方々にプレゼンテーションを行ってきたことから相手に伝える力

や仲間と協力して1つのことを成し遂げる協調性が身に付いた。相手に伝える力はビジネスを行うときだ

けではなく普段から必要となる力で、協調性は社会に出た時には更に求められる力になるため、今後更に

多くの場面で活用していきたい。今回の研究活動は、ラグノオささき様をはじめ、たくさんの方々にご協

力して頂いたからこそ実現できたことを心から感謝申し上げます。 (3年次 女子)

青森県産商品の海外への販路拡大に向けた活動を通して多くの経験と学びができ、自分自身を成長させ

ることができた。ラグノオささき様をはじめとする多くの方々のご協力、御指導下さった先生方のおかげ

でこのような貴重な学びをできたことを心から感謝申し上げます。

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私がこの研究活動で学んだことはグローバルな視点でビジネスを考えることの重要性である。実際にマ

レーシアでテストマーケティングを行ったことで、「気になるリンゴ」と「パティシエのりんごスティック」

の味は日本国内と同様にマレーシアでも好まれることが分かり、販売の可能性を感じた。そこでさらに販

売ターゲットを広げるため、アルコールを使用しないムスリム対応のお土産品としての開発をすることで

マレーシアのみならず、今後ムスリム人口が増加し続けると予想されているインドネシアや中東といった

イスラム圏の国々でも受け入れられる商品となり、大きなビジネスチャンスをつかめるのではないかと考

えることができた。また、マレーシア国民大学の学生や企業へ向けたプレゼンテーションを通じて相手に

伝えるプレゼンテーション力や英語力を身に付けることができた。私は高校を卒業後、大学へと進学する。

グローバルにビジネスを考える力やプレゼンテーション能力、分析力、英語力は大学でも将来就職しても

求められる力となるため、高校で身に付けた力を今後も生かしていきたい。そして大学での4年間で多く

の知識と経験、刺激を受け、将来青森県の経済発展へ貢献できる人へ成長していきたいと考えている。

(3年次 女子)

今回の研究活動を通して、竹鼻製麺所様の商品に対する強いこだわりについて知ることができた。そし

て、普通の高校生にはできない貴重な体験をさせていただくことができた。地元を活性化させるためには、

たくさんの努力と皆様のご協力がないとできないことが分かり、一層この活動を頑張りたいと思うように

なり、提案する力、たくさんのアイディアを出す発想力を身につけることができ、仲間で話し合うことの

楽しさを学ぶことができた。更に、分からないことや興味のあることを積極的に調査し、より深い知識を

身に付ける楽しさを知ることができたのは、今後の大きな財産になると実感している。今後も身に付けた

ことを活かして、様々な角度から考察し、諸問題を解決し、自分の考えをより具体的に分かりやすく相手

に伝えられるように努力したい。最後に有限会社竹鼻製麺所様におかれましては、企業訪問、商品の提供、

試作品の提供など、私たちの活動に対して多大なるご支援、ご協力してくださいまして、本当にありがと

うございました。この経験を活かして御社の販路拡大につながるように、今後もより一層努力をしていき

たい。 (2年次 女子)

私は、授業の中で竹鼻製麺所様の「中まで赤~いりんごの麺」の海外への販路拡大計画に携わり、多く

の事を学ぶことができた。マレーシアでの販路拡大のために、プレゼンテーションの作成や商品分析、企

業訪問などを行った。企業訪問では商品の製造にあたって、何回も試行錯誤をし、苦労して「中まで赤~

いりんごの麺」が完成したことを知り、竹鼻製麺所様の商品に対する思いを感じ、海外への販路拡大に繋

げたいと強く思うようになった。英語のプレゼンテーションを作成するにあたって苦労したことは、相手

に私たちの考えや提案を理解してもらえるように考えて作ることで、相手に提案するときは、自分の意見

だけでなく、相手の考え方も取り入れるなど、いろいろな角度から分析をすることが大切だと感じた。

また、マレーシアという国については知らないことがたくさんあったが、文化・生活習慣・社会問題な

どについて調査し、商品販売に向けたターゲットを決めることができた。商品の強みを伝えるためにリー

フレットやコマーシャルを作成し、アンケート調査により消費者のニーズを把握するための方法がひとつ

だけではないことも実感した。企業訪問の際に、私たちのプレゼンテーションが会津専務様に伝わったと

きは、うれしさと同時に達成感を感じ、「ビジネス実践」の授業では普通の高校生では学習することができ

ない、Due Diligenceなどの分析や、マレーシアでのテストマーケティングにより日本だけでなく海外の

ことについて知ることができた。この授業でたくさんの方法で分析する力や考える力、提案する力を身に

つけることができ、今後も身に付けた知識や技術を生かし、地域に必要とされる社会人になれるよう、よ

り一層努力していきたい。 (2年次 女子)

研究を始めた当初は、「私たちが海外に商品を売り込むことなどできるわけがない」と思っていた。し

かし、研究を進めるうちに、輸出実現に向け、知識を深めたいと思うようになった。また、この研究によ

り周囲に目を向けるとても良い機会となり、この1年間は、本当に充実した活動を行うことができた。人

種も言語も異なる相手に、自分の考えをわかりやすく伝え、理解してもらうのがどれほど難しいかという

ことや、消費者のニーズに耳を傾けることの大切さをこの活動を通して知ることができた。人生で初めて

英語でのプレゼンテーションに挑戦したが、話す速さや発音、目線など様々なことに注意を払いながら、

相手に思いが伝わるように頑張った。活動にあたり、インタビュー調査や企業訪問、メロンの発送、現地

でのテストマーケティングなど多くの場面でたくさんの方々からご支援、ご協力をいただいたからこそ実

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現できたことで、たくさんの方々に支えられていたからだと実感した。今回の活動でつがるブランドメロ

ンの素晴らしさを国内外のたくさんの方に伝えられたと手ごたえを感じている。しかし、メロン輸出はま

だ実現したわけではないので、これからのさらなる発展に期待するとともに、私自身も今後のつがる市を

盛り上げるために尽力していきたい。この経験は将来、自分にとって必ずプラスになるものだと思う。さ

まざまなことに疑問を持ち、探究できる人間になれるよう努力していきたい。 (2年次 女子)

海外へメロンを輸出するにあたって、私が一番大変だと感じたのは、メロンが栽培されている様子から、

安全で高品質なおいしいメロンだということを、いかに海外の方にわかりやすく伝えるかということであ

る。マレーシアの方は、実際の栽培風景を見ることができないので、写真や映像を編集し、つがる市のメ

ロンの魅力を多くの方に知ってもらう必要があると考えた。私たちは、つがるブランドメロンについて詳

しく知ることが販路拡大につながると考え、メロン農家へのインタビュー調査や、ごしょつがる農業協同

組合様への企業訪問を行い、「メロンの品質が一定に保たれているのはなぜなのか」、「どのように消費者に

届くのか」等の質問を通して、つがるブランドメロンの強みを知ることができた。調査した内容をもとに、

私たちが作成したリーフレットやCM等を通して、つがるブランドメロンの魅力をマレーシアの方へアピ

ールできたと実感している。今回のマレーシアで実施したテストマーケティングを通して、つがるブラン

ドメロンのマレーシアでの販路拡大の可能性を強く実感することができた。今回の取組みは本当に多くの

方の協力がなければ実現できなかったと思う。本当にありがとうございました。この経験は私の一生の宝

物になり、今後もつがる市のメロンが世界に羽ばたくことを心より願っている。 (2年次 女子)

私は「グローバル起業家教育プログラム」を通して、初めて海外につがるブランドメロンをテストマー

ケティングする研究を経験した。テストマーケティングを実現可能なものにするために、ビジネスモデル

やPEST分析、SWOT分析などたくさんの分析方法を学習した。これらの分析から、つがるブランド

メロンの強みやマレーシアの現状について知り、物事をいろいろな角度から分析し、まとめることの大変

さや、生産者や農協等のつがるブランドメロンに対する強い思いを感じることができた。授業を通して、

商品を販売するためには、まず、商品自体をきちんと分析することが大切だと分かった。また、ターゲッ

トとなる国についてしっかりと調査し、商品が受け入れてもらえるのかを多角的に見て考えることが必要

だと感じた。更には、課題を見付け出し、その課題に対しての改善策を考え、導き出すことで、よりよい

を提案ができることが分かった。また、分析するだけでなく商品の良さを相手に伝えるための話し方や、

構成、相手国の情勢を知ることも重要だと感じた。最初は、何もわからないまま活動していたが、挑戦し

てみることで新たな発見ができるということを実感した。そして、これからも色々なことに挑戦し続け、

学んだことを生かしていきたいと思うようになった。私たちの活動にご協力してくださったたくさんの

方々に感謝いたします。ありがとうございました。 (2年次 女子)

今回のマレーシア商品(ロゼルジャム・ジャックフルーツジャム)のテストマーケティングでは、私自

身が食べたことがない商品について特徴を調べることや、商品のターゲットを考えることを実践した。マ

レーシアで生産された商品について、つがる市をはじめとする地域の方々へ、どのようにアピールしたら

よいかを考え伝えることが難しかった。テスト販売当日は、商品の強みを試食販売やちらしを活用し伝え

るとともに、お客様へアンケート調査を行い販売することで、マレーシアのロゼルジャム・ジャックフル

ーツジャムの認知度を上げることができた。この経験から、商品の良さを伝えるためのコミュニケーショ

ン能力を高める必要性を実感し、今後の学校生活においても相手に理解してもらえるように伝える力を身

に付けられるよう努力していきたい。 (2年次 男子)

テストマーケティングを通して学んだことは、自分が見たり食べたりしたことがないマレーシアのロゼ

ルジャムやジャックフルーツジャムの特徴をしっかりと把握し、この商品をどのような人をターゲットに

するかを考えることで、商品のポスターやちらしキャッチコピーの作り方が変わってくるということであ

る。最初は商品のターゲットをどのような人にすればいいのかよくわからなかったが、ジャムを試食し、

原材料の特徴を捉えることで、ターゲットとなる年代の人へPRするポスターやちらし等を作ることがで

きた。私はもともと他人とのコミュニケーションが苦手であったが、今回のテストマーケティングを通し

て気づいた、周りの人とコミュニケーションを取ることの重要性や、相手の立場で物事を考え、自分の将

来に役立てられるように今後も努力していきたい。 (2年次 男子)