　　メタボリックシンドローム　　　（内臓脂肪症候群）

　　メタボリックシンドローム

　　　（内臓脂肪症候群）

YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110

歴　史

• 開始年： 1948 年• 対象：オリジナルコホート（ 1948 年） 5209 人，　　　　　オフスプリングコホート（ 1971

年） 5124 人　　　　　第三世代コホート（ 2005 年） 4095 人

フラミンガム研究フラミンガム研究




日本人の生活習慣


平成 16 年国民健康・栄養調査結果の概要（ 2004 年 11 月）

エネルギーの栄養素別摂取構成比の年次推移（１歳以上総数）



エネルギーの栄養素別摂取構比（１歳以上）



　エネルギーの栄養素別摂取比（１歳以上）



脂肪エネルギー比率の分布（ 20歳以上）



脂肪からのエネルギー摂取が

25 ％を超えている成人の割合

男性約４割

女性約５割



野菜類摂取量（ 20歳以上）



食塩摂取量（ 20歳以上）



食塩を１日当たり 10g 以上摂取している者の割合

　　　成人の５割以上



多量飲酒者の割合

　　　　　　　　男性　 5.4 ％

　　　　　　　　女性　 0.7 ％

以下 (1)～ (3) “ ” の場合のいずれかに該当する者を多量飲酒者とした。 (1)

飲酒日１日当たりの飲酒量が５合以上

(2)

飲酒日１日当たりの飲酒量が４合以上５合未満で、飲酒の頻度が週５日以上

(3)

飲酒日１日当たりの飲酒量が３合以上４合未満で、飲酒の頻度が毎日 YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110

朝食の欠食率（１歳以上）




朝食の欠食率平成 11年以降、全体的に男女とも増加

男女とも 20歳代で最も高い男性で約３割女性で約２割

20歳代の一人世帯に限った朝食の欠食率男性で約７割女性で約３割


運動習慣のある者の割合（ 20歳以上）



喫煙の状況（ 20歳以上）

平成 16 年国民健康・栄養調査結果の概要（ 2004 年 11 月） YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110


　喫煙の状況　現在習慣的に喫煙している者の割合

　　男性　　　 30歳代：最も高く約６割　　　 20、 40、 50歳代：約５割

　　女性　　　 20～ 30歳代：最も高く約２割


肥　満と

メタボリックシンドローム


肥満者（ BMI≧25）の割合（ 20歳以上）


肥満の体型


皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満の CT 像


ＢＭＩと腹囲計測による肥満の状況（ 20歳以上）

平成 16 年国民健康・栄養調査結果の概要（ 2004 年 11 月） YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110


　　　　上半身肥満の疑い：

男性では　 30 歳代以上の約３割

女性では　 60 歳代以上の約２割



脂肪細胞から分泌される因子


低アデイポネクチン血症

• 高血圧• 糖尿病• 高脂血症• 心不全• 肝硬変• 癌


１００ｃｍ２の内臓脂肪面積に相当する臍レベルの

腹囲

　　　男：８５ｃｍ　　　女：９０ｃｍ


ウエストの計測法


メタボリックシンドロームの診断基準 ( ８学会合同委員会）

必須項目

・ウエスト周囲径　男性 ≧ 85cm 、女性 ≧ 90cm

選択項目（ 3 項目中 2 項目）・高ﾄﾘｸﾞﾘｾﾗｲﾄﾞ血症（ ≧ 150mg/dL ）　かつ / または　低 HDL ｺﾚｽﾃﾛｰﾙ血症（男性、女性とも＜ 40mg/dl ）・収縮期血圧　≧ 130mmHg 　かつ / または　拡張期血圧　≧ 85mmHg

・空腹時高血糖（≧ 110mg/dL ） YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110

腹囲が男性 85cm 、女性 90cm 以上の者は

未満の者に比べ、

血中脂質、血圧、血糖のうち２つ以上リス

クを有する割合が高い。 YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110

メタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）の状況（ 20歳以上）



メタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）の状況（ 20歳以上）




　メタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）　　　（強く疑われる者と予備群と考えられる者）

　頻度は男女とも 40 歳以上で特に高い

　 40 ～ 74 歳では　　　　男性の２人に１人　　　　女性の５人に１人



　　　　　　　 40-74 歳における推定メタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）数　　　（平成 16 年 10 月 1 日現在推計の 40-74 歳人口 ( 全体約 5,700 万人）からの推計）

　　　　　　　　　有病者数　：約 940 万人

　　　　　　　　　予備群者数：約 1,020 万人

　　　　　　　　　総数　　　　：約 1,960 万人


メタボリックシンドロームの結果

生活習慣からみた動脈硬化性疾患発生機序生活習慣からみた動脈硬化性疾患発生機序

運動不足運動不足過食過食

内臓脂肪型肥満内臓脂肪型肥満アディポサイトカインの分泌異常

（アディポネクチン↓、 PAI-1↑ ）

高脂血症耐糖能異常耐糖能異常高血圧

インスリン抵抗性

動脈硬化性疾患 YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110



日本の高血圧（ 140/90 以上）

　患者総数　：約 4000 万人　　∘受診者　：約 700 万人　　∘未受診者：約 3300 万人　　（第 21 回国際高血圧学会「福岡宣言」、 2006 年 10 月

20 日）


糖尿病：全身の血管を障害する糖尿病：全身の血管を障害する

網膜症成人失明原因の

第１位

（野出孝一氏による、一部改変）

腎症透析導入の第１位

(2002 年全導入症例の 39.1%)

脳血管障害非糖尿病に比べ3 ～ 6倍の頻度

心血管病変非糖尿病に比べ2 ～ 4倍の頻度

神経障害・末梢血管障害下肢切断原因の第１位


我が国の糖尿病細小血管合併症の疫学我が国の糖尿病細小血管合併症の疫学

腎症

網膜症

末期腎不全の 41% 13,000 人 / 年

後天的失明の 20%4,000 人 / 年


生活習慣病の医療費と死亡数割合（平成生活習慣病の医療費と死亡数割合（平成 1515 年年度）度）

注）国民医療費（平成 15 年度）、わが国の慢性透析療法の現状　　（ 2003 年 12 月 31 日）等により作成

注）人口動態統計（平成 15 年度）により作成

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対策：セルフケア（自己管理）

　　内的要因 ( 心理的要因）健康信念健康信念 (( ヘルス・ビリーフ）ヘルス・ビリーフ）（（ RosensRosenstock, J.M.)tock, J.M.)

　　　　　　　　　　疾病に関する認識疾病に関する認識　　　　　　　　　　　　　　　　重大性重大性　　　　　　　　脆弱性　　　　　　　　脆弱性 (( 罹病性）罹病性）

　　　　　　　　　　　　治療に関する認識治療に関する認識　　　　　　　　　　　　　　　　治療行動の治療行動の利益利益 (( 肯定的肯定的考え）考え）　　　　　　　　治療行動への　　　　　　　　治療行動への障害障害 (( 否定否定的考え）的考え） YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110

　　内的要因 ( 心理的要因）　　　　コントロールの所在コントロールの所在　　　　　　（ローカス・オブ・コントロー（ローカス・オブ・コントロール）　　　　　　　　　ル）　　　　　　　　　　　｢行動とその結果を支配できるのは誰｢行動とその結果を支配できるのは誰か」　　か」　　についての個人の考え方についての個人の考え方 ①① 自分自分　　　　　　 ② 他者② 他者 (( 医療者など）医療者など）　　　　　　　　　　③ 運③ 運 // 誰でもない誰でもない　　 YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110

　　　　　内的要因 ( 心理的要因）　　　　　　　自己効力感自己効力感　　　　 (( セルフエフィカシー）セルフエフィカシー）（（ BandBandura,A.)ura,A.)

　　　　　行動の決定因子　行動の決定因子　　　　　　　　動機動機　　　　　　　　　　　　特別の特別の目的目的あるいはあるいは結果結果についてについてのの価値価値　　　　　　　　期待期待　　　　　　　　　　　　環境的なきっかけへの期待環境的なきっかけへの期待 (( 信念）信念）　　　　　　結果への期待：　　　　　　結果への期待：行動による良い結果の行動による良い結果の予測予測　　　　　　効果への期待（　　　　　　効果への期待（自己効力感自己効力感）：）：　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「「その行動を自分その行動を自分はうまく出来る」はうまく出来る」　　　　


　　　　　　行動変化ステージ行動変化ステージ

①①前熟考期前熟考期：：行動変化行動変化を考えていを考えていないない。。②②熟考期熟考期：行動変化の：行動変化の意義は理解意義は理解。。行動行動変化なし。変化なし。③③準備期　　準備期　　：：患者なりの行動変化患者なりの行動変化。すぐ。すぐに開に開　　　　　　　　始する。　　　　　　　　始する。④④行動期　　行動期　　：：望ましい行動望ましい行動６か月以内。６か月以内。⑤⑤維持期　　維持期　　：望ましい行動：望ましい行動６か月以上６か月以上。。◎◎逸脱逸脱 // 再発再発：望ましい行動の失敗：望ましい行動の失敗 (( 逸逸脱脱）や）や後戻り後戻り (( 再発再発）。）。 YAMATO INSTITUTE OF LIFESTYLE-RELATED DISEASES 071110

セルフケア（自己管理）行動～習慣変容のための技法～７－８割達成可能な目標設定

　　　　行動修正　　　　反応妨害、習慣拮抗法　　　　　社会技術訓練認知再構成法刺激統制法セルフモニタリング（自己監視）　　　　オペラント強化（自己強化、社会強化）　　　　　


終わり

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