企 紹業 介

一人一人が創業者としての意識を持つ同社の企業理念は「私達は、挑戦と新しい発想で暮らしの価値を創造し、心豊かなオンリーワン（自

分らしい）の幸せを送り続けます」としている。そのために「社員一人一人が“創業者になる”意識を持って、新たなアイディアや事業に積極的に取り組んでほしい」と渡辺社長は語る。今年で設立10年目を迎える同社。５年後には、売上30億円、本社オフィスを囲むように工房や公園・カフェなどが建ち並ぶ「Hanakoパーク」開設を展望図として描き、新たなステージに向かってアクセルを踏む。

女性が働きやすい職場づくり実家が工務店だった渡辺社長。大工に憧れて建築業界に飛

び込んだが、旧態依然とした男社会に様々な苦労を重ね、それでも、働きながら設計士の資格を取得し、子育ての傍ら職業訓練校で木造建築技術を学び、起業した。そうした自身の経験を生かし、「女性が働きやすい職場を創りたかった」と渡辺社長は当時を振り返る。

現在、同社の社員は39名で、そのうち約７割が女性。30 ～40代の子育て世代の女性も多く、１時間単位の有給休暇や子連れ出社も許可している。2017年には社員食堂もスタートし、週４回、社員に無料で出来たてのランチを提供する。

また、家造りに欠かせない大工職人を社員として採用し、自社のネットワークを活用して育成するなど、深刻化する大工不足対策にも取り組んでいる。

女性ならではの視点でプラスαな提案同社の設立は2011年。女性建築士として「暮らし易さ」

「家事・子育てのし易さ」などの面から家事動線や収納を十分に考慮した住宅を提案。それぞれの生活スタイルに合わせて細部にまでこだわった設計は多くの施主と家族から共感を得ている。また、同社は省エネルギー性能やCO₂削減等に貢献する優れた住宅が表彰される「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」（一財/日本地域開発センター）を、2018年から２年連続で受賞するなど、品質面でも定評がある。

現在は、新潟市内を中心に年間約40棟の新築住宅を建設するほか、修繕等リフォームも手掛ける。2019年９月には、中古住宅に新しい価値を生み出すリノベーション事業も開始。デザインだけでなく、耐震・断熱にもこだわった住宅は、新たなニーズを掘り起こす。

新潟市にあるオフィスHanako㈱。土地探しから住宅の設計・施工、メンテナンスまで「家造り」に関わるサービスをワンストップで提供する。女性建築士の視点ならではの提案だけでなく、省エネに配慮した住宅としても定評がある。今年で会社設立10年目を迎える同社は、さらなる発展を見据えて前進する。

オフィスHanakoだからできる地域に根ざした家づくり

業　　種：建設業事業内容：建設業・不動産業資 本 金：800万円

代表取締役　渡辺　さゆり〒950-0923　新潟市中央区姥ヶ山1637TEL 025-288-1744　FAX 025-288-1747https://www.hanako39.jp

▲�女性が働きやすい環境づくりに力を入れる�渡辺社長（前列右から２番目）

▲�家事動線や収納等を考慮した設計と、生活スタイルに合わせたデザインが人気。アフターメンテナンスのほか、定期的にイベントを開催し、住宅建築後も施主および家族と交流を深める

ホクギンMonthly　2020.6